の危機管理対応について」
5. 現在も続く FEMA の変革 この事態の後に振り返り
た活動です。ほとんどお話 ししたと思いますが、IMAT について、もう少し見てみ ましょう。
こちらはカトリーナとサ ンディの比較をしたもので す。サイズ、死亡者数、被
害総額、ピーク時の避難者数、ピーク時の停電、がれきのボリュー ムなどが書かれています。サンディの方をご覧いただきますと、数 字がかなり改善していることが分かります。しかしクレイグ・ヒュー ゲイトは、「これは失敗とは言えないが、まだまだ改善が必要だ」
とコメントしています。
5. 現在も続く FEMA の変革
善を目指したいと思っています。
訓 練 や 演 習 に つ い て は、
われわれは組織としてさま ざまな取り組みを行ってい ます。計画のプロセスの中 でも、計画をつくる際には、
それが適切に機能するかど うかという訓練、演習も行
います。また演習という意味では、意思決定者を集めて、計画につ いてしっかりと理解できているのか、想定が間違っていないかとい う検証を行ったりもしています。
三つ目に書かれているのは、IMATについてのことです。ハリケー ン・サンディが来たときには、この組織はまだ十分なものではあり ませんでした。そこで2012年からこれを見直して再編成しました。
最後に、現在われわれが行っているさまざまな改革について書か れていますが、これは先ほどお話ししました。
次 に、FEMA認 定 シ ス テ ム(FEMA Qualification System:FQS)についてで す。われわれは全ての仕事 をカテゴリー化し、組織の 中でレベル分けしています。
仕事ごとにどのようなタス
クがあるのかということが明記されており、それに基づいて訓練を 行っています。私はFQSのジョブブックを持っていますが、どのよ
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うな仕事をしているのであれ、組織の人員全員がFQSのマネジメン トブックを持っています。そして認定を受けている場合には、しっ かりとした署名がなされています。簡単にしか説明できませんが、
このような形で組織変革を行っています。
それからFEMA Corpsは、若い米国のボランティアの人々を募っ ています。これはCorporation for National and Community Service の一部です。Peace Corpsと同じようなものですが、18 ~ 25歳ぐ らい、あるいは少し上の人もいますが、高校や大学から学生たちが 集まってきて、10カ月にわたり、ロジスティクスや緊急事態対応、
災害、それから生存者に対する対処などのボランティア活動を行い ます。これは2年間たっていますが、非常に効果的なプログラムと して成功しています。
こ こ で2点 申 し 上 げ た い と思います。こちらはハリ ケーン・カトリーナが襲来 し た 際 のNational Response Coordination Centerの 写 真 です。どうすればいいのか、
人々が考えているのが分か ります。2005年の状態です。
そしてこちらが今日の状況 です。非常に大きな違いが あります。ハリケーン・サ ンディの後の写真を見ると、
今、われわれは非常に大規
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模な活動を調整する力があることが分かると思います。右上にはオ バマ大統領の写真が写っています。サンディの対応に当たっている 11月2日の写真です。私の上司がすぐ後ろにめがねをかけて立って います。
最後のスライドがこちら です。ここで言いたいのは、
連邦レベルでしっかりと統 合された組織であることが 重要だということです。こ れはサンディのときに大統 領と議会が11月1日に会合を
持った際の写真です。しっかりとした調整が必要だということです。
緊急事態対応に当たって、大統領がその支援を示し、調整について もFEMAを訪れて会議を行いました。このような行動を取ること でリーダーシップを発揮したわけです。そしてFEMAが必要な資 源を全て備えていることを、大統領が確認したということです。
ご質問があればお受けしたいと思います。ありがとうございまし た。
五百旗頭 皆さん、あらためてどうぞよろしくお願いします。素晴 らしい二つの基調講演・報告を頂いて、かなり満 腹になった感もありますが、ここからさらにパネ リストの方々と共に、議論を深めていきたいと思 います。基調講演を受けて、お三方にまず15分程 度それぞれの論点について、ご自分の経験を踏ま えながらお話しいただければと思います。その後、それに対して船 橋さんからコメントを頂きます。今日は私を別にすると学者が2人 ですが、「先生」はやめて、みんな「さん」でお互いお許しいただく ということでお願いいたします。
最初に内閣危機管理監として日本の危機対処の中枢を経験してこ られた野田さんからお願いしたいと思います。