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baiorin enso ni okeru sukiru ni kansuru kenkyu

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(1)
(2)

バイオリン演奏における

スキルに関する研究

(3)

2.2

目 次

P昭c 1 1 1 1 1 1 16

第1章 序 論

1.1 はじめに 1.2 従来の研究………2  1.2.1 バイオリンの音響に関する研究………2  1.2.2 バイオリン演奏に関する研究………3  1.2.3 感性に関する研究………3  1.2.4 動作分析に関する研究………4  1.2.5 音楽心理学に関する研究………5 1.3 本研究の目的………5 1.4 本研究の方法………6 1.5 本研究の意義………7  1.5.1 感性と運動との関係………7  1.5.2 指と腕の協調動作分析………7 1.6 本論文の構成………8

第2章 バイオリン演奏におけるスキル………11

2.1 まえがき………

バイオリンについて………

 2.2.1 バイオリンの歴史………11  2.2.2 バイオリンの構造………12  2.2.3 バイオリン演奏の工学的要素。。………12 2.3 バイオリン演奏に必要なスキル………15  2.3.1 楽器演奏における情報変換………15 2.3.2 各過程におけるスキ  2.3.3 スキルとプラニング………18 2.4 バイオリン演奏におけるスキル………20

2.5 本論文で対象とするスキル

…20 2.6 本章のまとめ………21 1

(4)

第3章 演奏者の分析による音色と演奏パラメータの関係………23

3」 まえがき 23 3.2 演奏スキルの分析手法………23 3.3 実験方法………26 3.4 演奏パラメータ計測方法………26 3.5 実験結果………30  3.5.1 音色表現語とボーイングの3要素との関係………30  3.5.2 平均弓圧と平均サウンディングポイントとの関係………31  3.5.3 音色表現語とフィンガリングとの関係………32 3 3 6 考察………32 3.6.1 音色表現語と平均弓圧および平均サウンディングポイントの関係………32 3.6.2 音色表現語と平均弓速………34 3.6.3 音色表現語とフィ

4.1 まえがき

4.4.3

第5章 ボーイング動作におけるスキル………57

5.1 まえがき

57 5.2 ボーイング動作計測実験………57  5.2.1 被験者………57  5.2.2 計測システム………58  5.2.3 対象とした演奏方法………58 5.3 データ算出方法………58  5.3.1運動学データの算出………60  5.3.2 関節トルク算出方法………60  5.3.3 手部インピーダンスの算出方法………62  5.3.4 関節インピーダンスの算出方法………64  5.3.5 分析手法………65 5.4 ボーイングにおける手関節の役割………66  5.4.1 運動学的分析………66  5.4.2 動力学的分析………68 5.5 ボーイングにおける指の役割………70 5.6 ボーイング動作におけるインピーダンス分析………72 5.6.1 指による手筋インピーダンス調節 72 5 5.6.2 腕の各関節インピーダンスの調節………77 5.6.3 指と腕の協調………77 7 本章のまとめ………78

第6章 フィンガリングおよび楽器支持動作におけるスキル….79

6.1 まえがき………… …………79 6.2 動作計測実験………79  6.2.1 被験者………79  6.2.2 計測システム………79  6.2.3 対象とした演奏法………80 6.3 フィンガリングにおけるスキル………82 6.4 ビブラートにおけるスキル………82 6.5 楽器支持方法………88 6.6 本章のまとめ………88 3.6.4 ボーイングの3要素およびフィンガリングで変化させやすい音色………34 7 本章のまとめ………35

第4章 聞き手の感性分析による作業プラニング構成………37

37 4.2 分析手法………37 4.3 ボーイング装置………38 4.4 実験方法………40  4.4.1 音の生成および取得………4()  4.4.2 心理実験方法………42 4.5 実験結果………44  4.5.1 音色表現語と演奏パラメータとの関係………44  4.5.2 音の物理パラメータと演奏パラメータの関係………47  4.5.3 音色表現語と音の物理的パラメータとの関係………47 4.6 考察………51  4.6.1 音色表現語の2つの群。。………51  4.6.2 音色の弁別域………52 4.7 聞き手の感性を考慮した作業プラニング………52 4.8 本章のまとめ………54

(5)

第7章 結論.…

89 7.1 本研究の成果………89  7.1.1 本論文のまとめ………89  7.1.2 分析結果の応用...………90  7.2 今後の展望………91   7.2.1 データ収集………91   7.2.2 実システムによる検証………92 参考文献………93

謝 辞………

101

研究業績………103

IV 1 1

はじめに

{・φ・一 雨 1 -が7一 環・ Ξ心ヽ i囲  人間は,十分な訓練と経験を積むことによって,機械をもしのぐ精度でモノを作り出 したり,優れた芸術活動など,様々な作業を行うことができる.このとき,その入間は 作業に必要な「スキル(skill)」を,訓練と経験により獲得したと考えることができる. この場合の[スキル]という言葉の意味は川’訓練・熟練を必要とする特殊な技能」であ る□1.  スキルを獲得するということは,人間が自己の運動生成過程に何らかの変化を与えて, それまで実現不可能だった運動を実現可能にするということである.では,スキルを獲 得するためには,人間の運動生成過程のどの部分にどのような変化を与える必要がある のだろうか.この問題は十分解明されているとは言えない.このため,熟練者の技術伝 承が行いにくくなっているのが現状である.  これに対して,人間のスキルが明らかになれば,人間の運動生成過程の理解につなが るだけでなく,効果的なスキルの獲得方法の構築や,ロボットの運動プラニングなど,さ まざまな分野に応用できると考えられる.  人間のスキルには,2つの側面が考えられる.一つは人間の身体運動能力に関すゐもの である.もう一つ,集中力や感性などに代表される精神能力に関するスキルも重要な役 割を果たしていると考えられる.  以上2つのスキルを含む代表的な作業として,楽器演奏が挙げられる.その中でも,本 研究では特にバイオリン演奏に着目した.ピアノなどの鍵盤楽器では,基本的には鍵盤 の押さえる位置と打鍵速度の制御が必要であるが,鍵盤に加える力の制御までは必要で はないと考えられる.また,打鍵速度が音強に,打鍵位置が音高に対応しており,音と 演奏パラメータの関係が比較的明確である.これに比べて,バイオリンでは,弓の弦に かける力の制御が必要であり,さらに音の物理パラメータと演奏パラメータの関係が明 確でない.このため,バイオリンは最も演奏が難しい楽器の一つであると考えられる. 1

(6)

 バイオリン演奏をはじめとする楽器演奏は,基本的には,楽諸に記されている・II'1報を 読みとり,それを演奏動作に変換しに最終的には音に変換する作業である.その過程に は様々なスキルが存在する.身体運動能力に関するスキルとしては指・腕の運動能力が 挙げられる.また,精神能力に関するスキルとしては,楽譜を読むスキル,楽譜から演 奏者の意図を読みとるスキル,その意図を音に変換し直すスキルなど,様々なスキルが 必要となる.これらのスキルには,演奏者の感性が大きく関わっていると考えられる.そ こで本論文では,バイオリン演奏における指と腕によるスキルと,感性によるスキルに 着[]し,それぞれのスキルについて論じることとした.  本章では,人間のスキルやバイオリン演奏に関して行われてきた研究を概観し,本論 文において扱うスキルを明確にする.

1.2 従来の研究

 楽S演奏を含めた,人間のスキルに関して,人間工学,音楽心理学,情報工学,音響 工学,ロボットエ学など,工学以外の分野も含めた様々な分野からのアプローチがなさ れている.それらの中でも特に本研究と関連が深いものとして,次の5つが挙げられる. 【】)バイオリンの音響に関する研究 (2)バイオリン演奏に関する研究 (3)感性に関する研究 (4)運動に関する研究 (5)音楽心理学に関する研究  本節では,以上の分野における従来の研究について概観する. 1.2.1 バイオリンの音響に関する研究  音響工学の分野において,バイオリンに関する研究は,古くは18世紀末から行われて いる【21.そこでの研究は,主に楽器自身の音響特性を知るための研究であった.  19世紀に入ると,Hermho】tzが,振動顕微鏡を用いて,弦の振動を解析した.そして. その振動が,正弦波のような単純な波形ではないことを示した「31【41.  20藍紀に入ると,弓圧,弓速,サウンディングポイント(2.2.3節参照)の関係を明ら かにする研究が始まった.C.V.RamanやFrederick A. Saundersらは自動ボーイング装置を 製作し,発音可能の最小操弓力は弓の速度に比例し,通常の操弓範囲において,駒から 弓までの距離の二乗に比例することを示した[5][6], また,1.C.Schellengは,電気回路シ ミュレーションを用いて,C.V.RamanやFrederick A. Saundersに続いて,発音可能な最大 および最小操弓力についての公式を導出した171。  日本においても,バイオリンの音響に関する研究は多く,北垣は,バイオリン音のス ペクトル構造とボーイングとの関連を訓べた【81.また,久保田は,弓で擦った弦の定常 振動を運動学的に調べ,サウンディングポイントと弦の振動様式のマッピングを行った 191. 1.2.2 バイオリン演奏に関する研究  バイオリン演奏そのものに関する研究は,人間工学の分野で行われているが,それほ ど多くの例はない.この分野では,人間の演奏を分析するという手法が一般的である.  まず,バイオリン奏者が直接行った研究として,千住らの研究が上げられる.千住ら は演奏者の意図がある程度聴衆に伝わることを明らかにしている【101.人間ブE学の分野で は,バイオリン演奏を例にとって.人間の仕組みを理解しようという研究が行われてい る.神宮は,バイオリン演奏のフィンガリングを題材に,人間の予測的行動が練習を重 ねることにより,どのように変化するかを明らかにした【111. 1.2.3 感性に関する研究  音楽において人間の感性の果たす役割は大きく,また感性については広い視点からの 研究例がある.ここでは,感性に関する工学的アプローチの研究について概観する.  従来の感性に関する研究の代表的なものは,個々の製品のデザインや機能など様々な パラメータと人間の感じ方との対応関係を,アンケートを用いた統計的手法により求め, それを製品のデザインや品質管理に応用するというものであった.その題材としてとり あげられたのが,衣服,車,といった製品である【121【13H141.最近では,キーボード の設計に感性情報を利用した例がある【15】.また,真珠の品質評価に感性を応用した例が ある□6].  近年では,感性情報を情報処理の一貫としてとらえて,そのような曖昧な情報をどの ように扱うかという議論も始められている【171【181.また,ヒューマン・マシン・インタ フェースに感性を加味したり,感性精度なる新しい精度を提案した例もみられる【191.

(7)

 沓楽における感性に関する研究としては,#L]らの研究が挙げられる.この研究では, 楽曲から感性情報を柚出したり,感性情報を含んだ楽譜の情報から演奏を行うシステム を構築している【20H2】].また,Numaoらは,和音やメロディーを指定された感性情報に 沿うように変化させるシステムを構築している「221.  また,楽器と感性との関係を調べたものとして,ドラム音を対象としたものがあるが, 演奏パラメータとの関係を直接求めたものではない「231. 1.2.4 動作分析に関する研究  人間の動作分析を行った例は数多い.それらのなかで,人間の指や腕の動きを分析し た例について概観する.  人間1:学の分野では.倉内らが前腕による高速位置決め作業の解析を行い【241,田所ら が,手削立置と肩の回転角との間に一定の関係が成立することを見いだしているが【25】, なぜそのような結果になるのかといった,本質的な疑問に答えるものではない.  これに対して,人間の動作分析の結果を用い,随意運動方策を理論的に説明しようと いう試みも行われている.その結果,手先作業軌道の設定問題に対しては,躍度最小モ デルや,トルク変化最小モデルなどが提案されてきた□6][271.近年では,腕の関節剛性 および粘性,手先剛性および粘性の計測が多くなされている.Mussa-lvaldiらは,手先に 与えた変位とそれによって生じる反力を測定し,上肢姿勢による手先剛性の変化を実験 的に求めたf281[291.辻らは,クランク作業を例にして,手先インピーダンス,関節イン ピーダンスと冗長自由度などとの関係について広範囲にわたる考察を行っている[301∼ 【351.五味らは,運動中の手先スティッフネスの計測を行っている【36】【371.  腕を用いた動作を分析した例は,スポーツの分野に多い.山田はゴルフスイングに着 目し,上肢関節の役割分担について考察している【381.また.湯らは,バドミントンのス マッシユ動作における腕の運動を定量的に解析している【391.  指の動作分析を行った例としては,岡田の研究がある【401.岡田は,人間の作業時にお ける指の運動を10種類に分類し,さらに,多くの作業が,3つの作業に分類できること を示している.また指による作業を分析した例としては,保科や岩田らの,書字動作,筆 記動作の分析があるf4】]【421.  以hの研究では,指と腕に関して別々に分析されている.本研究で注目している指と 腕との協調について論じた例としては,菅野らの研究が挙げられる[43H441.菅野らは, 4 指・腕協調の例として鍵盤楽器演奏を挙げてj,リり速度削剥]レベルの作業における,指・ 腕協調のための規範を導出している.さらに,菅野らは,手と腕の協調が必要な作業に おける,位置・速度に加えて力制御が必要な作業における卸』御規範について考察してい る「451.  これらの動作の分析は,ロボットプラニングや,リハビリテーションにおける訓練動 作へ応用されている146]--【481.  なお,感性や運動といった熟練者のスキルをまとめて,暗黙知,すなわち自らが意識 せずに行える技術,としてとらえるアプローチもなされている【491. 1.2.5 音楽心理学に関する研究  楽器演奏についての研究は,心理学の分野においても19世紀末から欧米を中心に行わ れ始め,近年では日本においても研究が盛んに行われるようになった【5o】15 11. それらの 研究は,演奏者が持っている演奏に関する知識(例えば,テンポの揺らし方など)はど のように表現されるのか,演奏のプランがどのように獲得されるのか,聴,覚によるフィー ドバックがどのように行われているのか,また演奏が社会からどのような影響を受けて いるのか,などを中心に行われている.しかしながら,これらの研究は,個々の事例に ついての研究という側面が大きく,統一的に取り扱うまでには至っていない.  また,音楽については,医学的な立場からの研究も行われており,その成果は音楽療 法などの分野などに応用されている[52].

1.3 本研究の目的

 前節において示した従来の研究のうち.感性に関する研究を概観すると,感性が運動 に与える影響について研究がほとんどなされていないことがわかる.感性は人間の運動 に大きな影響を与えていると考えられる.例えば,バイオリン演奏を考えた場合,バイ オリンは,演奏の自由度が大きく,ある一つの音高(音の長さ),音強の音を出すにも複 数の演奏法が考えられる.その決定方法を定めるためには,音価や音強といった物理的 なパラメータだけでなく,音色といった人間の感性によって表現される量と運動との関 係を明らかにする必要がある.なお,「感性」という言葉は曖昧であるため,本論文では, 以下のように定義することとした. 5

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感性 物理刺激や言葉からイメージを想起し,想起したイメージを言葉や運動に変換 する能力.イメージから感覚お宮の感受性や,知・情によって影響を受ける.  運動に関する研究においては,指と腕の協調の観点からの研究がきわめて少ない.バ イオリン演奏におけるボーイングを作業としてとらえれば,手先の位置,速度に加え,力 の微妙な制御が必要な作業といえる.すなわち,力のパラメータまで含めた,指・腕協 調動作の方策について明らかにする必要がある.また,フィンガリングや楽器支持も指 と腕の│腐調作業ととらえることができ,これらにおけるスキルも明らかにする必要があ ると言える.  以llの2つの問題は,従来の研究でほとりあげられなかった問題であり,バイオリン演 奏のブラニングにおいて非常に重要な問題と思われる.そこで本論文では,以上2つの点 について明らかにすることを目的とした.

1.4 本研究の方法

 │・.記の│・│的を達成するためには,まず,バイオリン演奏についてよく考察し,楽譜か ら演奏動作までの変換過程,すなわちバイオリン演奏のプラニングについて考察する必 変がある.これにより,バイオリン演奏のプラニングに必要な情報を明確に示すことが できる.  この考察を基に,本論文では,感性と,指・腕協調という2つの問題に対して以下の方 法を採用することとした. (1)感性と運動の関係  感性と運動の関係については,感性が演奏パラメータに影響を及ぼすと考えた(2.3.3 節参照).そして,感性を代表する情報として音色を取り上げ,その表現形態の一つであ る形容詞で表される音色表現語と,運動のパラメータである演奏パラメータとの関係を 求めることとした.それらの関係を求めるために,演奏者の演奏を直接分析する方法と, 演奏音の心理実験という2つの方法を採用することとした.さらに音のFFT解析を通し て,音の物理的特徴との関連も調べることとした.これらの分析により,感性情報を用 いたプラニングのための基礎データを得ることができる. (2)指・腕協調動作  指・腕協調に関しては,人間の運動分析を行うこととした.これは,熟練片や未経験 者の,バイオリン演奏において基本的な演奏における運動を,直接 により,指・腕協調のスキルを柚出しようとするものである.この 計消卜分析すること 分析により,基礎的 な演奏を実現する上での,指腕の協調のスキルを明らかにするための基礎データの導出 が期待できる.

1.

5 本研究の意義

1.5.1 感性と運動との関係  本研究で対象としようとしている感性は,ロボットエ学などにおけるプラニングにお いて従来考慮されていなかったものである.これは,感性が表す情報が曖昧であり,力 学的な評価関数を用いて論理的に行われてきた従来のプラニングになじまないものであっ たからである.産業用のロボットであるならばこれで十分と考えられるが,ロボットが 第3次産業に進出し,家庭や福祉の現場に入るようになるためには,感性的な量をプラニ ングに含める必要があろう.家庭や福祉の現場でロボットに接するのは一般の人間であ るため,違和感を減らすためにも,ロボットは人間らしい動作をし,人間の感性を理解 することが効果的であると考えられるからである.  感性的な量をプラニングに用いるためには,感性が運動決定のどの部分に関わってい るのかを考察する必要があるだろう.このことによって感性の理解がより深まると考え られる.  また,この技術は,ヒューマン・マシン・インタフェースにさらなる人間親和性を付 与できると期待される.近年,人間の感性を考慮したインタフェースを設計する必要性 が叫ぱれているが,ここで重要なのは,人間は何らかの動作を行ってインタフェースを 操作していることである.すなわち,真に感性を考慮したインタフェースを設計するた めには,感性と運動との関係を明らかにする必要があるのである. 1.5.2 指と腕の協調動作分析  バイオリン演奏は,左右の指・腕の協調が必要な巧みな作業であると考えられる.こ

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のような指・腕の協調が必要な作業の動作分析結果は,多くの分野における応用が考え られる.  例えば,こうした巧みな作業においては,熟練が必要であり,その修得のためには多 くの時間を要する.このため,巧みさを受け継ぐ人材が減っている.しかしながら,巧 みな動作を分析し,その動作生成のための戦略を明らかにすることができれば,その能 力を効率的に獲得するための指導方法の樋立が期待できる.  また,ロボットマニピュレータのプラユングにも応用可能である.現在のロボットプ ラニングは,ハンドとアームに分けて行われており,それらを協調させて,巧みな力制 御を行おうとする研究はほとんどないといえる.人間の指・腕協調のスキルが明らかと なれば,ロボットに力巧緻性を付与するための基礎データとなると考えられる.

1.6 本論文の構成

 本論文は,7章構成である.以下に各章の内容を述べる.  2章ではまず,本研究で対象としたバイオリンについて解説する.続いて,バイオリン 演奏における楽譜から演奏音までの情報の流れを考察し,本研究で扱うスキルについて 明確にする.  3命と4章では,バイオリンにおける感性と運動の関係に着目した分析結果について述 べる.本論文では,感性を表す量として音色表現語を採りあげ,これが演奏パラメータ に及ぼす影響について分析する.  3章では,職業演奏家に感性情報を変化させて音階を演奏してもらい,その演奏を分析 することにより,音色表現語と演奏パラメータの関係について明らかにする.  4章では,3章で調べた演奏者の感性とは逆方向になる聞き手の感性に着目する.具体 的には,ボーイング装置によって生成した音を対象とした心理実験およびFFT解析につ いて述べる.これにより,ボーイングパラメータ,音色表現語,および音の倍音構成の 関係を明らかにする.  5章および6章では,ボーイング,フィンガリング,ビブラート,楽器支持における運 動分析を基に,それらの作業におけるスキルを考察する.  5章では,ボーイングにおける指・腕のスキルに着目する.そして,熟練者,未経験者 のボーイングの運動学的,動力学的分析を通して,ボーイングにおける指・腕協調に関 8 するスキルを明らかにする.  6章では,フィンガリングおよびビブラート時における左手の運動分析,楽6支持力分 析によって,フィンガリング,ビブラートおよび楽器支持におけるスキルについて考察 する.  7章は結論であり,本論文で得られた結論について述べる. 9

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第2章 バイオリン演奏におけるスキル

2.1 まえがき

 本研究で対象とするバイオリンは,さまざまな特徴を有している.そこで本章では,ま ずバイオリンおよびバイオリン演奏に関する基本的な事項についてまとめる.これらの 知識は,本論文において必要となる事項である.  本章では,次に,バイオリン演奏において必要となるスキルについて概観する.具体 的には,楽譜から演奏までの情報の変換過程について考察し,その過程をいくつかの段 階に分ける.そして,それぞれの段階において必要となるスキルについて考察するとと もに,ロボットエ学におけるプラニングとの関係についても考察する.さらに,本研究 で対象とする,感性によるスキル,および指・腕の協調によるスキルが,どの段階にお けるスキルなのかを示す.

2.2 バイオリンについて

2.2.1 バイオリンの歴史[53][54]  バイオリン族(バイオリン,ヴィオラ,チェロ,およびコントラバス)は,16世紀初 めに突然その姿を現し,その形状は,ほとんど変化が無かったと言われている.そして, 1550年頃,すなわちルネサンス後期に音楽家たちに普及した.  17世紀に入ると,バイオリンの製作技術と演奏技法がヨーロッパ各国に広まりはじめ た.その中でも,イタリアの都市であるクレモナにおける技術が,他を圧倒するほどの ものとなった.  18世紀には,ヨーロッパ全土でバイオリン製作が行われた.ストラディヴァリ,ガル ネリなどクレモナの名器が生み出されたのもこの時期である.  それらの名器を含む,18世紀までに制作されたバイオリンは,オールドバイオリンと 呼ばれ,現代のモダンバイオリンと多少形が異なる.それらのオールドバイオリンの多

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くは,棹を長くするなどの改良が施され,モダンバイオリンに改良された.  その後は,ヨーロッパ以外の様々な国々においても,バイオリンの製作・演奏が行わ れるようになった. 2.2.2 バイオリンの構造[55]∼[57]  バイオリンおよび弓の外観,各部名称をFigure 2.1およびFigure 2.2に示す.バイオリ ンの形態および構造は,16世紀にバイオリンが登場してから若干の変更はあったが,基 本的には当時の形態・構造がそのまま現代のバイオリンに受け継がれている.

 バイオリン本体は,表板(Top plate)と裏板(Back plale),および横板(Rig plate)から構成 されている.それらに,指板(Finger board),駒(Bridge),緒止め(Tail piece)がつけられ ている.  指板の先には糸巻き(Peg)があり,これに弦が取り付けられている.  また,友板の裏には,バスバーが取り付けられている.バスバーは,駒のG弦側の足 の下に取り付けられる.表板と裏板の間に魂柱が立てられる.その位置は,駒のE弦側 の足の下である.  弓は,竿(Stick),ねじ(Screw),毛(Hair),および毛箱(Frog)から構成されている.ねじ を回すことにより毛箱の位置を調節でき,それによって,毛の張力を調節できる.バイ オリニストは,毛の張力を自分の好みによって調節している. 2.2.3 バイオリン演奏の工学的要素  バイオリン演奏は,ボーイング,フィンガリング,およびバイオリン支持の3つの作業 から成る.本節では,これらの工学的要素について述べる. (I)ボーイング  ボーイングは,弓使いのことであり,弦と弓とを擦づて音を生成するという重要な作 業である.弓を使わないピチカートなどの演奏法もあるが,ここでは,対象としない.  ボーイングを規定する主要な工学的要素としては,弓圧,弓速,サウンディング・ポ イント,弓のバイオリンに対する姿勢などが挙げられる.それらの内,弓圧,弓速,サ ウンディング・ポイントの3つは,ボーイングの主要3要素と言われている【581.なお, 本論文では.以下のように定義した. 12

(a)Front

view

(b)Side view

(c)Back view

Figure 2.1 The outside appearance of an violin

(12)

Screw

.n

︷さ

Figure 2.2 The outside appearance of an bow

ck

{a}り圧(how force):弦から弓への反力. (b)'j速(bow speed):バイオリンに対する弓の相対速度. (c)サウンディング・ポイント(sounding point):弦上で弓が接触する位置.  このほかのパラメータとしては,弓と弦との相対的な位置関係が挙げられる.これら のパラメータと,音の物理的パラメータとの関係についてはまだ十分に明らかになって いない. (2)フィンガリングとビブラート  フィンガリングは,左手による指使いのことである.バイオリン演奏では,左手の指 で,指板上の弦を押さえることにより音高を決定する.その際,押さえる弦と押さえる 位置,および時間が重要なパラメータである.同じ音を出力するにも,左手は,竿のど の位置に添えているかによって.押さえる弦および位置が変わってくる【59】[601.この左 手の竿に対する位置は,「ポジション」と呼ぱれている.  また,左手は同時にビブラートをかける役割も担っている.ビブラートとは,手一指 を振動させ,音に揺らぎを与える演奏法である.ビブラートでは,音の揺らぎの振幅と 振動数を制御することが必要となる. 陶バイオリン支持

 バイオリンには,Figure 2.1 に示すように,表に顎当て(Chin

rest),裏に肩当て(Shoul-derresnを装着する.それらは,顎と鎖骨によって挾まれる.なお,吊1当ては,演奏者に よっては装着しない場合もある.また,左手のほ指と示指のm]を棹に添えるようにする. 楽器支持では,顎と左肩でどの程度の力で挟んでいるのか,また,左手はどの程度楽器 支持に寄与しているのかが,それを規定する物理パラメータである.

2.3 バイオリン演奏に必要なスキル

2.3.1 楽器演奏における情報変換  バイオリンに限らず,楽器演奏とは,基本的には楽譜その他の刺激から得たイメージ を実際の音に変換する,一種の情報変換作業と考えることができる.そこで,まず,楽 器演奏における情報の変換過程について考察した.その過程の概略図をFigure 2.3に示す. この図に示すように,楽器演奏においては,入力情報が,イメージ,音情報,演奏情報, を経て運動情報と変換され,最終的に音に変換されると考えられる.それぞれの情報に ついて概説する. (1)楽譜(Seore)  楽器演奏において,入力情報となるのは,基本的には楽譜である.楽譜には,演奏に 必要な最低限の情報が記述されている.音価,音高に関しては楽譜に明示されている.音 強については,言葉で示してある.また,音色については言葉で示される場合があるが, なにも記述がない場合も多い.  即興演奏などの場合は,その場の雰囲気などの外からの刺激が入力情報と考えること ができる. (2)イメージ(lmage)  イメージとは,刺激をもとに生じる感覚のことである.これは,直接表現することは 不可能であり,表現するためには.言語などに変換する必要がある.

(3)音情報(Modined sound dataincluding timbre)

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る音の情報として表現する事は可能であると考える.そこで,本研究ではこのイメージ を音の情報としてとらえることとする.音の情報とは,音の4つの要素と呼ばれる,音 価,登高,音強および音色である1611. (4j演奏パラメータ(Playing parame・ers)  (3)の音を生成するために必要な,演奏パラメータの値のことである.これには,人間 の運動は入らない. (5)通勤情報  圃で決定された演奏パラメータを,実現するために必要となる,人間の身体運動を規 定するパラメータの値のことである. 2.3.2 各過程におけるスキル.  本節では,それぞれの情報変換過程において必要なスキルについて考察する. 【】)感性スキル【KANSEI Ski】】)  楽譜に含まれている情報を基に,演奏者は曲のイメージを作り上げる.その際,演奏 者は,楽譜に記載されている情報に加えて,白身の経験や知識を活用している.刺激か らイメージを作り出す能力が感性であり,演奏者の感性が直接影響を与えていると考え られる.そこで,この過程で必要なスキルを感性スキルと呼ぶ.ここで得られたイメー ジを楽器以外で表現するためには,言語で表現する必要がある.この過程は,データベー ス的ではなく.どちらかといえば,ルールベースであるといえる. (2)楽器スキル(lnstruments Ski11)  曲のイメージができあがったら,そのイメージを持つ音に変換する.この過程では,そ の楽器がどのような音を生成することができるのかといった,演奏する楽器に関する知 識が要求されることから,この過程を楽器スキルと呼ぶ.この過程はデータペースで記 述できる. 16

Z

Task

j)1αzz㎡jlg

Score(Original data of a music score)

KANSEI

Skill

lmage(Music

imagination)

lnstruments

  Skill

Modified sound data including timbre

Knowledge, Experience

Knowledge

of the

soundsofan

instruments

Playing

Skill

Knowledge of the ヘ relationship between sound and playing parameters    ノ

Playing

Parameters

(Pysical parameters in the playing

      of musical instruments)

'

Motion

Plannin.

Figure 2.3 Skillsin musical instruments playing

(14)

〔4〕演奏スキル(Playing Skil))  圀において生成すべき音が決定された後に,そのぼを生成するために必要となる演奏 パラメータに変換する.この過程では,演奏する楽器の演奏パラメータとそれによって 生成される音の関係についての知識が求められる.この知識は,楽器の知識のみ成らず, 楽器の演奏方法と出力される音の関係に関する知識が要求される.本論文では,これを 演奏スキルと呼ぶ.この過程も,知識が重要である点から見て,データベースであると 考えられる. (3)運動スキル(Motion Skill)  決定されて演奏パラメータを,実現するために必要な身体運動の情報(例えば,関節 角度パターンなど)に変換する.これによって,はじめて楽器演奏が可能となる.この 過程では,演奏者の身体的特徴,運動能力によって出力される演奏動作が変わってくる. この過程は,人間の身体運動の情報に変換するので,運動スキルと呼ぶ.運動は,人間 の場合.小脳にそのパターンが蓄えられていると言われている.そのため,この過程も データベースになると考えられる. 2.3.3 スキルとプラニング  2.3.2で示した情報の変換過程は,ロボットエ学的には,プラニングという概念でくく ることができる.この場合,2つの過程に分けて考えることができる.それらは,作業プ ラニングと運動プラニングである.  作業プラニング(Task Planning)とは,入力情報から演奏パラメータを決定するまでの 部分である.この部分では,実際に行う作業の記述のみで,身体運動に関しては考慮さ れない.逆に,運動プラニング(Motion Planning)とは,演奏パラメータから身体運動情 報を決定する部分のことである.本節では,それぞれのプラニングについて述べる. (│)作業プラニング  2.3.2での考察を見ると,感性は主に作業プラニングに影響を及ぼしていると言える (Fig.2.3,Fig.2.4).また,出力された音を耳で聞くことによってイメージを生成し,出力 された音が最初にイメージした音の通りかどうかを比較し,もし異なる場合は,その原 因を探り,演奏パラメータの変更を行うことも可能である.

Figure 2.4 Planning for musical instruments playing

(2)運動プラニング

 身体運動能力は,運動プラニングのみに影響していると言える.しかし,身体運動能 力が全く作業プラニングに影響していないかと言うと,そうではないだろう.すなわち.

作業プラニングにおいて要求された演奏パラメータを実現するための身体運動能力を有 していなければ,もう一度作業プラニングをやり直すということが考えられる.

(15)

2.4 バイオリン演奏におけるスキル

 2.3においてまとめたスキルは,楽器演奏全般について適用・lf能である.ここで,バイ オリン演奏特有の事項についてまとめる.  感性スキルについてはバイオリン特有の問題というのは存在しないと考えられる.バ イオリン特有の問題が存在するのは,楽器スキル,演奏スキルおよび運動スキルの3つの スキルである.  まず,作業プラニングにおける楽器スキルと演奏スキルについて考えてみる.  楽器スキルにおいては,イメージから実際生成する音に変換するが,このときには,バ イオリンによってどのような音を生成できるか,その知識が問われると言えよう.  演奏スキルにおいては,音から演奏パラメータヘ変換するため,それらの間の関係が 重要となる.すなわち,どのようなパラメータで演奏すればどのような音を生成するこ とができるのかを知識として持っているかがポイントである.これは,音の情報である, g価,音高,音強および音色と,演奏パラメータの関係によって表現することができる. バイオリンにおいては,使用する弦の違いやサウンディングポイントの違いによっても 音色が巽.なると言われている1621.しかしながら,音色と演奏パラメータとの関係は,き わめて曖昧に定性的に知られているのみであり,どのようにして決定しているか,工学 的にはまだ明らかになっていない.  次に,運動スキルについて考えてみる.運動スキルについては,ほぼすべてに渡って バイオリンに時化している.バイオリン演奏は,右腕によるボーイング,左手の指によ るフィンガリング.および顎,肩,左手による楽器支持の3つの作業から構成されると考 えられ,これらに必要な身体運動能力がスキルということができよう.

2.5 本論文で対象とするスキル

 本節では,本論文で対象とするスキルについて考察する.  2.3.2で示したスキルを見てみると,感性スキル,楽器スキル,演奏スキル,運動スキ ルと移る度に次第に工学的要素を増してくると言える.すなわち,工学において扱える 範囲が増えてくるのである.本論文では,工学的により扱いやすいと考えられる,演奏 スキルおよび運動スキルを対象とすることとした. 20  演奏スキルを対象とする場合,感性情報を扱妬IZヽ要がでてくる.このような工学的に は曖昧な情報をプラニングにおいて扱うことは,これまでに例がないと考えられ,感性 と運動との関係を考える一助になると考えられれる.また,運動スキルについては,バ イオリン演奏動作を分析することによって,従来扱われてこなかった指・腕の協調動作 におけるスキルを解明するための基礎データを提供できると考えられる.本論文で,以 上の2つのスキル,すなわち演奏スキルと運動スキルを扱うこととした.

2.6 本章のまとめ

 本章では,本論文で扱うバイオリン演奏,および楽器演奏に必要となるスキルについ て考察した.まず,バイオリン演奏の概略をまとめ,バイオリン演奏を支配している工 学的要素について考察した.楽器演奏におけるスキルについては,楽譜から演奏動作ま での過程を,感性スキル,楽器スキル,演奏スキル,運動スキルの4つに分けて考えるこ ととした.また,感性・演奏スキルを作業プラニング,運動スキルを運動プラニングと して,ロボット工学におけるプラニングとの対応について考察した.そして,本論文で は演奏スキルと運動スキルを扱うことを明確に示した. 21

(16)

第3章

演奏者の分析による音色と演奏パ

  ラメータの関係

3.1 まえがき

 第2章において述べたスキルのうち,本章および第4章では,演奏スキルに注目した. 演奏スキルとは,生成すべき音の情報を演奏パラメータに変換する能力のことである.  演奏スキルを明らかにするためには,音から演奏パラメータヘの変換過程を明らかに する必要がある.この変換過程は,基本的にはデータベースと考えられるため,音と演 奏パラメータとの対応関係を求める必要がある.そして,この過程においては,感性的 な情報が,演奏パラメータにどのような影響を及ぼすかを明らかにする必要がある.  音と演奏パラメータとの関係を求める方法として,演奏者の演奏を直接分析すること と,両者の関係を心理実験などを行う方法との2つが考えられる.そこで,本論文ではま ず最初に,職業演奏家を被験者とした演奏実験を行った.本章では,その演奏実験の方 法と,それにより得られた結果について述べる.

3.2 演奏スキルの分析手法

 職業演奏家の演奏を分析するためには,演奏者に音の情報を与えて,その音を生成す るように演奏してもらい,そのときの演奏パラメータを計劃一分析すればよいと考えら れる.  音の情報としては,2章で述べたように,音価,音高,音強,および音色がある.これ らの内で,音色については,明確に対応する音の物理量がないことから,他の3種類の情 報と独立であると考えた場合,感性に最も関係が深い情報であることが考えられる.そ こで,本研究では,音色を被験者に与え,その音色になるように演奏してもらうことと した.  音色を被験者に与える際,本研究では音色表現語を用いた.音色表現語とは,「明るい」

(17)

「暗い」などとい,た形容詞のことである.同じ楽譜に対して音色表現認を変化させて弾 けば,その音色と演奏パラメータとの関係が明らかになることが期待できる.同じ音色 表現認でも,正確に同じイメージを全ての被験者が持つとは眼らないが,現段階におい ては,これが唯一の方法であると考える.  被験者に与える楽譜が曲のようなものである場合,ある程度弾き込みを行うことによっ て解釈が定まってしまっていると考えられる.逆に音階など基礎的な演奏に関しては,そ の楽譜に対する音色はまだ固まっておらず,職業演奏家は音色を変化させて演奏するこ とが可能であると考えられる.このため本研究では,被験者に音階に近い楽譜を与える こととした.  音は,音価,音高,音強および音色から構成されると言われていることは2章で述べ た.音色表現語は音色を形容詞で表したものであり,感性工学においては,音色表現語 は感性情報であるということができる.これにより,感性情報のような曖昧な情報が,運 動のパラメータに影響する演奏パラメータと.どのような関係になっているのかを考察 することも可能になると考えられる.

Table

3.1

Timbre

used

in the ej

eriments

No.

ln JaPanese

ln English

明るい

Bright

暗い

Dark

澄んだ

Ludd

力強い

Powerful

か細い

Feeble

豊かな

Abundant

やせた

Barren

重い

Heavy

軽やかな

Light

10

鋭い

Sharp

II

なめらかな

Smooth

24 Ai      ダっ  やい‘- 々バ Wrl   l ・ j T     k jk-{ ● | r l ‘″ | ト 乙 l    f 心 “´ 1  1 - ダ J     「 W ’ | 1 / tに_ ハ  ハ ハ  ハ ハ  ヘ ヘ  zヘ ハ  ハ  Å  _、

①① ③①①⑥⑦⑧⑨⑩③⑩ ⑩

    Figure

3.1Thescore

intheexperience

StirollSphere

(White、Orange&Green)

Fingeing Data Bow Force &

Fingering Data

Figure 3.2 The measurement system        25

Bow

Position

and S.P.Data

(18)

3.3 実験方法

 被験者は,いずれも演奏経験19年以上の職業演奏家3名とした.被験者には,Figure 3.】に示す楽譜を与え,その楽譜を音色を変化させて演奏するように指示した.なお, Figure 3.1 には,各音に番号を付けてある.  被験者に与える音色表現語は,音色に関する研究例を参考に,Table 3.1に示すH種類 を選んだ【63】∼「651.これらの音色表現語は,N0.3の「澄んだ」を除いて,N0.1とN0.2, N0.4とN。.5,N0.6とN0.7,N0.8とN0.9,NojOとN0.11がそれぞれほぼ反対の意味を有 する音色表現語になるように選定した.「澄んだ」については,その反対の意味を有する と考えられる「濁った」が,バイオリン演奏ではあまり用いられない言葉であると考え, 実験には用いなかった.

3.4 演奏パラメータ計測方法

 計測システムをFigure 3.2に示す.計測した演奏パラメータは,弓速,弓圧,サウンディ ングポイント,およびフィンガリングである.  弓速については,弓に5[cm]おきに直径E3cm]の,白およびオレンジと緑色に着色した 発泡スチロールの小球をとりつけ,ビデオテープの画像から移動距離を記録しその伎か ら弓速を算出した.サウンディングポイントは,演奏をビデオテープに録画し,その画 像から算出した.また,フィンガリングについては,ビデオの画像から.押している弦 および手のポジションを記録し,指板に取り付けた感圧ゴムセンサの出力を補助的に用 いた.  弓圧は,弓先と弓元に取り付けたひずみゲージ(Figure 3.2)を用いて算出した.ひずみ ゲージからのデータは,AD変換ボードを介して,パーソナルコンピュータに取り込まれ る.サンプリング周波数は200「Hzlである.弓圧算出に当たっては,式(3.1)に示すよう に,弓先と弓元のひずみゲージの出力の線形和(fa,fh)を弓圧Fとした. F=α‘fa+β・fb (3.1) それぞれの係数の値(a,β)を決定するために,実験の前後にキャリブレーションを suJjel eJqE一’[ Smooth

Sharp

Light

Heavy

Barren Abundant Feeble Powerful Lucid Dark Bright 0 0.5

Average

bow force [N]

1.5

(19)

sLtJJel eJqELL Smooth Sharp Light

Heavy

Barren Abundant Feeble Powerful Dark Bright Lucid 0

1   2   3   4

 Average sounding point [cm]

5 6

Figure3.4 The relationshipbetween timbreterms and average souding point

28 のE﹂SΦおE一﹂’

Smooth

Sharp

Light

Heavy

Barren

Abundant

Feeble

Powerful

Lucid

Dark

Bright

四皿

,   

   r   %   ■   %     ・       |       「 一 一        d   r   ・ ζ   | 「 一 一

11.

1I

     │ 』 ・ /   | |   │ ゝ ● − サ'池マjyjl゛`ゴ.々y゛`Jlilが.外ご゛`゛犯-     |  J‘・ ・・I ;,jl `'14・』¶jij        i

六  

□Player H

・Playerl

oPlayer S

 ' . l y j l シ ゙ ヘ ゙ ゛ . ゛ . 4 こ . . ・ 、 ・ パ k , / I −

-il-」

−     

1

………'‘‘  ゛‥   | 0

   20     40     60

Average

bow

speed

[cm/s]

Figure 3.5 The relationshipbetween timbreterms and average bow speed

29

(20)

行った.キャリブレーションでは,弓元と弓先に5o[gr]のおもりをかけた.そして,それ ぞれにおけるセンサ出力および弓圧である50「gf」からなる連立方程式を解くことによっ て,係数の値を求めた.実験前後の係数の値を平均した値を弓圧算出のための係数の値 とした.

3.5 実験結果

3.5.1 音色表現語とボーイングの3要素との関係  ボーイングの3要素の分析に当たっては,弓圧,サウンディングポイント,および弓速 それぞれの,一回の演奏における平均値を求め,それぞれ平均弓圧,平均サウンディン グポイント,平均弓圧とし,それらを用いて分析した.分析に当たっては,各被験者の データのパターンを比較し,各被験者に共通した傾向を見いだすという手法を用いた.こ れによIJ,ボーイングの3要素と感性情報である音色表現語の関係に関する共通のルール が導出できると考えられる.  Figure 3.3からFigure 3.5 に,各被験者の平均弓圧,平均サウンディングポイント,平 均弓速と音色表現語の関係を示す.なお,S,I,Hはそれぞれ3人の被験者の名前の頭文 字である.  Figure 3.3 を見ると,被験者間では大きさにぱらつきはあるものの,対照的な音色表現 語間の平均弓圧の大小関係は,「明るい」「暗い」と「鋭い」「なめらかな」の2組を除い てどの被験者でも同じであった,特に,「力強い」と「か細い」,「豊かな」と「やせた」, 〔〕収い」と「軽やかな」の3組では,3人の被験者とも平均弓圧の値の差が大きかった.  次にFigure 3.4の平均サウンディングポイン}ヽを見てみる.「力強い」,「豊かな」,「重 い」といった平均弓圧の大きかった音色表現語では,平均サウンディングポイントは駒 よりになり,遂に平均弓圧の小さい音色表現語では指板よりになっている.これは全て の被験者に共通に見られる.この傾向は,「明るい」と「暗い」,「鋭い」と「なめらかな」 の間では被験者間で異なっており.被験者Iでは,平均弓圧が大きいときに平均サウン ディングポイントが駒よりになるという傾向が見られなかった.  次に平均弓速を見てみる.Figure 3.5を見ると,被験者Sでは,音色表現語により大き く異なることはなかった.被験者Iでは,「鋭い」「なめらかな」,「明るい」「暗い」で,被 61 lm3PdlS alkla‘'‘V 0 61 [m3Pd'S aiu.la1V 0

     0.7

Average Bow Force[N]

   Player S

     0.7

Average Bow

Force [N]

    Player l

1.4 1.4 [Eと.︷−.SahJaAV 0

OBright  

Dark

□Powerful  

Fccble

△Abundant 

Barren

◇Heavy  

Light

OSharp  

Smooth

     0.7

Average Bow

Force [NI

    Player H

1.4

Figure 3.5 The relationshjp between average bow force and average souding poinl

装着Hでは「軽やかな」「重い」「なめらかな」「鋭い」で違いが見られたが,他の音色表 現語では,弓圧で見られたような音色表現語間の差は見られなかった.各被験者間での 共通の傾向も見られなかった. 3.5.2 平均弓圧と平均サウンディングポイントとの関係  3.5.1において,平均弓圧と平均サウンディングポイントに関係があることがわかった. そこで次に,各被験者の平均弓圧を縦軸に,平均サウンディングポイントを横軸にとっ

(21)

| - - 四 W ● ¶ た図を作成した.それをFigure 3.6に示す.この図では,対照的な音色表現語がない「澄 んだ」を除く5組10種類の音色表現語について示してあ・ハ対照的な音色表現語のプロッ トを直線で結んである.  この図を見ると,「明るい」「暗い」,「鋭い」「なめらかな」以外の4組の音色表現語で は,どの被験者でも傾きが負であり,両プロットの間隔も比較的大きい.  「明るい」「暗い」では,被験者によって傾きの符号が異なっている.さらに,「鋭い」 「なめらかな」においても同様であり,被験者Hでは両ブロックの距離が,他の音色表現 語に比べて短いことがわかる. 3.5.3 音色表現語とフィンガリングとの関係  次に,音色表現認を変化させた場合の,フィンガリングの変化について述べる.  Figure 3.】で示した曲を弾く際には,全ての被験者でG弦以外を用いていることがわ かった.被験者Sでは,「力強い」や「重い」という音色表現語においてE弦が用いられ ず,DおよびA弦のみで演奏されていた.被験者Iでは,「力強い」においてのみE弦が 用いられなかった.被験者Hでは,全ての音色表現語においてE弦が用いられていた.  さらに,それぞれの被験者のフィンガリングについて,さらに詳しく調べた.すると フィンガリングのパターンには,Tab】e 3.2に示す3種類あることがわかった.Tab】e 3.2 は,Figure3.1に示す音番号が,どの弦で弾かれているかを示している.さらに,Table 3.3 には,それぞれの被験者が,それぞれの音色表現認をどのパターンで弾いているかを示 している.表中の数字は,Table 3.2におけるパターンの番号を示している.  これらの表より,被験者Hは一定のフィンガリングで,被験者SとIは,フィンガリン グを変化させていることがわかった.また,フィンガリングを変化させる場合でも,用 いるフィンガリングパターンは,被験者Sと1とで,微妙に異なっていることがわかった.

3.6 考察

3.6.1 音色表現語と平均弓圧および平均サウンディングポイントの関係  ボーイングの3要素のうち.弓圧とサウンディングポイントについて見てみると,弓圧 が大きいときには駒に近い場所で弾いている傾向が見られた.これは,弓圧とサウンディ 32

Table 3.2 The strin used loreach sound laDlej.どlneslrlnq useu loreacn sUullu

Sound Number Pauem l Paucm 2 Paucm 3

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 H 12 13 D A A E E E E E A A A A D D D A A E E E A A A A D D D D A A A A A A A A A D D

TablelaDle ;j.;51-│r現劈旦n!Lpauern3.3 Fin

Timbre termx Sub爾ts

S I H

 Bright

 Dark

 Lucid

Powerful

 Feeble

Abundant

 Barren

 Heavy

 Light

 Sharp

 Smooth

I 2 1 3 2 2 1 3 1 1 2 1 2 1 3 1 2 1 2 1 】 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 ングポイントが完全に独立したパラメータではないことを示している.  Figure 3.5 より,「明るい」「暗い」,「鋭い」「なめらかな」以外の組では,両プロット 間のの距離は比較的大きいと言える.これは,「平均弓圧 小・平均サウンディングポイ ント指板寄り」と「平均弓圧 大・平均サウンディングポイント駒寄り」の2つの両極端 の演奏法が存在することを示している.  ただし,この原因として音強の影響が考えられる.例えば,「力強い」と「か細い」で は,前者の方が音強が大きいため,演奏法を「平均弓圧 大・平均サウンディングポイ       33

(22)

ント駒寄り」にしているとも見なせるため,皆強と演奏パラメータとの関係も調査する 必要があろう.  以上の傾向は,前述の2種類の音色表現語の組以外は,3人の被験者に共通に見られる ことから,音色表現認を用いた演奏パラメータ決定の際に基準となる共通のルールが存 在すると考えられる. 3.6.2 音色表現語と平均弓速  甲均弓速に関しては,音色表現語を変化させた場合に各被験者に共通した傾向は見ら れなかった.また,全体に平均弓速はあまり変化していないことがわかった.特に被験 者Sではその傾向が大きかった.これは,どこで切り返すかなどの弓使いが決定され曲の 速度が決定されると,弓速が自ずから定まってしまうためと考えられる.このことは,弓 遠の,音色への関与の度合いが小さいためと予想される.  今回の実験では,演奏中メトロノームなどで厳密にテンポを指定しなかったため,曲 全体のテンポが変化している.このことも影響していると考えられ,今後,音色表現語 とテンポの関係についても調べる必要があろう. 3.6.3 音色表現語とフィンガリング  今回の実験では,3人中2人の被験者において,音色表現認を変化させるためにフィン ガリングを変化させることが確認された.その変化のさせ方も,2人の被験者で同じでは なかった.この2人に共通していたのは,「力強い」という音色表現認においてE弦の使 用を回避したことである.これは,2人の被験者が,E弦では「力強い」という音色表現 語を表現することが困難であると感じたためであると考えられる.  また,残りの1人の被験者はフィンガリングを全く変化させなかった.この被験者で は,ビブラートといったフィンガリング以外のパラメータや,ボーイングパラメータを 変化させることによって,音色表現認を変化させていると考えられる. 3.6.4 ボーイングの3要素およびフィンガリングで変化させやすい音色  今回の実験では,対照的な音色表現語間での演奏法の違いについて分析したが,その 中でも「明るい」「暗い」および「鋭い」「なめらかな」については,パラメータの明確 な差を検出できなかった.これは,ボーイングの3要素とフィンガリングでは両者の差を 表現しにくく,他のパラメータによ・』て変化させていることが予想される.  また,「力強い」「か細い」などは弓阿モの差が大きく,またE弦の使用不使用に違いが 見られた.このことは,この音色表現語は,ボーイング3要素とフィンガリングで変化さ せやすいものと考えられる.

3.7 本章のまとめ

 本章では,演奏スキルにおける音の情報と演奏パラメータの関係を明らかにすること を目的とし,音の情報のうち感性と最も関係が深いと考えられる音色表現語を変化させ た場合の,職業演奏家の演奏パラメータを計測し,分析を行った.その結果,以下のよ うなことが明らかとなった. 〔1〕「力強い」「豊かな」「重い」の音色表現語では,その反対の意味の音色表現請よりも 弓圧を大きくしている. (2)サウンディングポイントは,弓圧が大きいときは駒寄りで弾き,弓圧が小さいときに は指板寄りで弾く傾向がある. (3)表現する音色によってフィンガリングを変化させる.  以上のデータは,感性と運動の関係を考える上での重要な基礎データと考えられる.ま た,感性情報が作業プラニングの結果である演奏パラメータに影響を与えていると言う こともできる.

(23)

36

第4章

聞き手の感性分析による作業プラ

   ニング構成

4.1 まえがき

 前章において演奏者の感性について分析した.しかしながら,演奏者自身が111」き手で あるということ,また演奏者は,聴衆の影響によって演奏を徴妙に変化させていること が考えられ,この意味で演奏者の感性は,聞き手の感性にも影響を受けているというこ とができる.演奏者自身が聞き手であるということは,白分か生成した音を自らの感性 で評価しているということである.また,演奏者の感性は,その演奏を聴<他の聞き手 の感性から影響を受けていると考えられる.このため,演奏スキルを考える]1で,演奏 者の感性のみでなく,聞き手の感性を分析することも,また重要であると考えられる. この,演奏者と聞き手両者の感性は,基本的には大きな違いはないと考えられる.この ような,聞き手の感性による演奏パラメータと音色表現語との関係を求めたものとして は,ドラムの音を対象としたものはあるが,バイオリンのような,音程を有する楽器を 対象にしたものはきわめて少ない【231.  そこで,本論文では,ボーイング装置を製作しそれによって生成した音を対象に,心 理実験を行い聞き手の感性分析を行った.また同時に,音のFFT解析を行い,音の物理 的特徴と音色表現語および演奏パラメータ,以上3者の関係を明らかにすることとした. さらに,それらのデータを基に演奏プラニングの構成法についても考察した.

4.2 分析手法

 聞き手の感性を分析することは,音の物理パラメータから受けるイメージを分析する ことであり,さらに,それらと演奏パラメータとの関係を明らかにすることによって,演 奏スキルを聞き手側から明らかにすることができると考えられる.これは3章で行った演 奏者の感性分析の逆方向の分析である.演奏スキルを分析するためには,音の物理パラ 37

(24)

- ・ − - - ・

メータ,イメージに加えて,それらとバイオリンの演奏ノ

する必要がある.

4.3 ボーイング装置

ラメ

AC

Servo

Motorand

Figure4.10verview of the bowing machine

Figure 4.2 Photograph ofthe bowing machine

タとの関係を明ら加  音,演奏などの全てのパラメータを対象とすることは現実的ではない.そこで本研究 では,まず】音に着目した.これは,曲は1音の集合であり,音楽の感性を扱うのにもっ とも基本的な単位であると考えたからである.本研究では,特にA線開放弦におけるボー イングのみに,まず着目した.  本研究では,音の物理パラメータとして,特に倍音構成と音強に着目した.音の倍音 構成は音色に深く影響を与えていると考えられるためである【66】∼1691.また,音強は3 章において感性との関わりが指摘されたパラメーターである.そこで,音強と音の物理 パラメータ解析にFFT解析を用いることとした.音の心理実験にはアンケートを用いる こととした.  また,音を生成するために,人間の演奏者ではなく,バイオリン演奏装置を製作する こととした.これは,人間の演奏者では,演奏パラメータが一定せず,演奏ごとに変化 することが予想されるためである.本研究では,弓速,弓圧およびサウンディングポイ ントを制御,調節可能なボーイング装置を製作し,これにより音を生成することとした.  Figure4.1およびFigure 4.2に,製作したボーイング装置を示す.ボーイング装置は,ボー イング部とバイオリン台から構成される.  ボーイング部は,ACサーボモーターとリニアガイドからなり,弓速を制御することが 可能である.ACサーボモーター,およびドライバの仕様はTable 4.1に示すとおりであ る.これらの仕様は,弓速が12ヽ-60【cmノs】まで出せるように選定した.これらの値は, 熟練者の弓速をもとに決定した.リニアガイドの仕様をTable 4.2に示す.リニアガイド のストローク長は,弓の毛の長さがほぽ6oolmnl]であり,弓元から弓先までの全ての毛 を用いる全弓という演奏法の場合その長さが必要なことから,600[mm]に決定した.なお ACサーボモータは,パーソナルコンピュータによって制御される.また,弓は,グリッ プによって把持される.  バイオリン台は,高さを調節することが可能である.また,バイオリン台はボーイン グ装置に固定されていないため,弓に対する位置を変更可能で,これによりサウンディ

(25)

ecification of the AC

motor

Table 4.3Bowin arameters in the exl

    

Table4.1S

Maker

Motor model

Servo driver model

Rated power

Rated torque

Rated speed

Max.inst.torque

Wei只ht

 W N*m rpm N*m  kg

SANYO

DENKI

Co.、Ltd

  65ZAOI5A551P00

  65ZBMOIODXS00

       300

       0.93

3、000 2.94  1.8

Microphone

/

Sensory Test

Harmonic Tones Pattems

Pcrsonaリ CompllterL

Controla

of Bowil

bowing parameters

Figure 4.3 Experimental method

41

meters

arameters

Bowing Parametes

-Table

4.2 S

I

ecification of the linear quide

Maker

Liner guide model

Raillength

Stroke

Outside diameter of ball thred

Lcad

of ball screw

mm

mm

mm

mm

THK

Co.,Ltd.

KR4620A740L

   740

   600

1520 ングポイントを調節した.  また,弓圧に関しては,3章と同様の方法で算出した.

4.4 実験方法

 実験のシステム図をFigure4.3に示す.この実験は,音の生成と取得,心理実験,およ び音のFFr解析より,演奏パラメータ,イメージ,音色の物理的側面の関係を明らかに しようとするものである.以下に,実験方法について述べる. 4.4.1 音の生成および取得  音はボーイング装置によって生成した.3つのボーイングパラメータは,Tah】e4.3に示 すように,弓速,弓圧,サウンディングポイントともに3段階に設定し,計27個の音を 生成した.また,演奏時は,弓がA弦以外の弦を弾かないようにA弦以外は取り除いた. なお,弓圧140【gf】,弓速251cm/s],サウンディングポイント5【cm】の音については,音が 40

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