• Tidak ada hasil yang ditemukan

kaishi no dasu hajimeru ni tsuite : shosetsu sakuhin ni okeru yorei bunseki o toshite zensetsusuru doshi no keiko o saguru

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

Membagikan "kaishi no dasu hajimeru ni tsuite : shosetsu sakuhin ni okeru yorei bunseki o toshite zensetsusuru doshi no keiko o saguru"

Copied!
17
0
0

Teks penuh

(1)Title Sub Title Author Publisher Publication year Jtitle Abstract Notes Genre URL. Powered by TCPDF (www.tcpdf.org). 開始の「~出す」「~始める」について : 小説作品における用例分析を通して前接する動詞の傾向を探る 山口, 真紀(Yamaguchi, Maki) 慶應義塾大学国文学研究室 2009 三田國文 No.49 (2009. 6) ,p.1- 16. Departmental Bulletin Paper http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koar a_id=AN00296083-20090600-0001.

(2) 開始の ﹁ 出す﹂ ﹁ 始 め る ﹂ に つ い て. し い と さ れ て き た が 、 今 回 、 開 始 を 表 す ﹁∼ 出 す ﹂ と ﹁∼ 始 め. 日本 語 を 学 ぶ 留 学 生 に と って 、 い わ ゆ る複 合 動 詞 の習 得 は 難. 示 され る こ のよう な. と が でき る。 日本 語 の語 感 を持 た な い学習者 は 、教 師 によ って. も のであ り、 両者 を 満た し て こそ十 分 に ﹁ 違 い﹂ を説 明す る こ. ﹁ 限 定 ﹂ を ル ー ル と し て 一般 化 し 、 実 際 の. る﹂ の違 いを取 り 上げ た のは 、既 に指 摘 さ れ てい るよう に、 両. 運 用を 行 う際 のひと つの助 けと し て いると考 え られ る 。. さ れ る ﹂ とし 、 次 のよ うな 例 を挙げ てお られ る。. な る が 、 一方 が 自 然 で 、 他 方 が 不 自 然 な 場 合 も わ ず か だ が 見 出. ハジ メル と、 ∼ダ スは、 開始 を 表 わす 用法 とし ては ほ とん ど重. も ほ と ん ど 変 わ ら な い ﹂と 一般 的 な 傾 向 を 示 さ れ た が 、後 に ﹁ ∼. 寺 村 氏 は ﹁∼ ハ ジ メ ル と ∼ ダ ス は 多 く 同 一の語 に 付 き 、 意 味. て既 に 言 及 さ れ て い る 。. 両 表 現 に 前 接 す る 動 詞 の 特 徴 は 、 い く つか の先 行 研 究 に お い. ﹁形 ﹂ の 部 分 の 、 と り わ け. 本 稿 で は こ のよ う な 立 場 か ら 、 両 表 現 の違 い を 明 ら か に す る. こ と を 目 指 し 、 そ の第 一歩 と し て 、. ﹁∼ 出 す ﹂ は 複 合 動 詞 後. ﹁ 雪. 前 接 す る 動 詞 に 焦 点 を 絞 り 、 調 査 ・分 析 を 行 った 。. (一九 八 七 年 ) に よ れ ば 、. ﹁ 雪 が降 り 出し た﹂ と. 詞資料 集﹄. ま る機 会 は 多 い 。 し か し 、 例 え ば 、. が 降 り 始 め た ﹂が ど う 違 う の か と い った 学 生 か ら の 質 問 に 対 し 、 未 だ十 分な 説明 が得 ら れ て いな い。 語 彙 の習 得 を 目 指 す 現 場 の 指 導 に お い て は 、学 習 者 に わ か り や すく 両者 を差 別化 し て示 す必 要 があ る。 こ こで言 う差 別化 と は 、 す な わ ち 、 対 象 と す る 語 に 何 ら か の 用 法 上 の ﹁限 定 ﹂ を 与 え る こ と で あ る 。 こ れ に は 大 き く 分 け て 二 つ の ア プ ロー チ が あ る と 考 え ら れ る 。 ひ と つは 、 両 者 の意 味 の違 い か ら 考 え る 意 味. ﹁形 ﹂ の 部 分 に 着 目 し た 、 形 式 上 の ﹁ 限 定﹂ で. 上の ﹁ 限 定 ﹂ で あ り 、 も う ひ と つは 結 合 条 件 や 形 態 的 特 徴 な ど 語 彙 の表面 的な. 二 先行 研究. 項 と し て最 も 頻 度 が 高 い も の の ひ と つ で あ り 、学 習 者 の 目 に と. て 稿 者 も 実 感 し て い る た め で あ る 。 国 立 国 語 研 究 所 の ﹃複 合 動. 者 の使 い分 け が非 常 に 難 し い と いう こと を 教育 の現 場 にお い. はじめに. 小説 作 品 に お け る用 例 分 析 を通 し て前 接 す る動 詞 の傾 向 を探 る 山 口 真紀. ∼. あ る 。 両 者 は 表 裏 一体 の 関 係 で 、 常 に そ の連 続 性 が 示 唆 さ れ る. 『. 1. ∼.

(3) ・ 私ガ ソウ 言 ウト 、 先 生 ハ急 二. 赤 チ ャ ン ガ ワ ット. 泣 キダ シ タ. ・ 笑 イ ハジ メ マシタ. *泣 キ ハ ジ メ タ 笑 イダ シ マ シタ. ?. 状 態 を 表 す 動 詞 ﹂が 多 い と さ れ る 。こ れ は 大 筋 に お い て 寺 村 氏 、. 姫 野 氏 の説 を 裏 付 け る 結 果 と な って い る 。. こ の他、 前接 す る動 詞 の自他 と いう 視点 か ら述 べら れた 、寺. つい て の調査 は行 わ な いため割 愛 し た 。. 村 氏 、 山 崎 氏 、 益 岡 ・田窪 氏 の論 考 が あ る が 、 今 回 は こ の 点 に. ナ リ ハジ メ タ. 外 ガ ダ ンダ ン暗 ク. ?ナ リダ シタ. ・. 食 べ ハジ メヨ ウ. オ 腹 ガ ス イ テ キ タ カ ラ 、 オ 父 サ ン ハ マダ ダ ケ レ ド *食 べダ ソ ウ. ・. ﹁ ∼ ハ ジ メ ル は 、 一般 に 、 笑 ウ 、 泣 ク 、 腹 ガ 立 ツ、 ム. れた 日本 語 によ る 小説 作品 か ら選び 出 した 四十 三 作 品 よ り 用. ↓八 九 八 年 以 降 に 発 表 さ れ た 日 本 語 母 語 話 者 に よ っ て 書 か. 三 調査方法. そ し て、. 二 時 的 な気 の動 き﹂ を表 わ すも の. コ ン ト ロー ル で き な い よ う な も の に は 使 え な い よ う で あ る 。 オ. シ ャ ク シ ャ ス ル 、 な ど 、 人 の 心 身 の動 き で 、 反 射 的 な 、 自 分 で. ド ロ ク 、 ガ ッカ リ ス ル な ど. 例 を 収 集 し た 。 分 析 は 電 子 版 を 含 む 原 作 品 に よ っ た 。 以 下 、初. ? 怒 り 始 め る). 痛. あ. ま ご つく. 苦し む. めん く らう 体 が震 え る. は にか む. ( 著 作 十 一冊 、 新. ﹁ 言. ( 分 析 ) ﹃小 説. 不如帰 ﹄ 岩波 書店. 森 鴎外. 岩 波文 庫 一. 現 代 名作 集﹄ 河 出書 房 新社. (分. (二 ) ﹄ 中 央 公 論 社 一九 七 二. (分 析 ) ﹃ 夜 明け 前. 第 一. ( 初 出 ) 一九 一五 年 四 月 ∼. 集 英 社 文 庫 一九 九 一年 版 を 底 本. (上 ) 島 崎 藤 村. 一九 二 一年 一〇 月 ﹁ 中 央 公論 ﹂. ﹃夜 明 け 前 ﹄ 第 一部. と す る青空 文 庫を 使 用. (分 析 ) ﹃こ こ ろ ﹄ 集 英 社. ﹃こ こ ろ ﹄夏 目 漱 石 ( 初 出 ) 一九 一四 年 四 月 ∼ 八 月 ﹁ 朝 日新 聞 ﹂. 年版 を底 本 とす る青 空文 庫 を使 用. 析 ) ﹃日 本 の 文 学 3. ﹃阿 部 一族 ﹄森 鴎 外 ( 初 出 ) 一九 = 二年 一月 ﹁中 央 公 論 ﹂. 一九 七 四 年 版 を 底 本 と す る 青 空 文 庫 を 使 用. (分 析 ) ﹃日 本 文 学 全 集 別 巻 !. ﹃野 菊 の 墓 ﹄ 伊 藤 左 千 夫 ( 初 出 ) 一九 〇 六 年 一月 ﹁ホ ト ト ギ ス ﹂. 九 三 八年 版 を 底 本 と す る 青 空 文 庫 を 使 用. 民新 聞 ﹂. ﹃不 如 帰 ﹄徳 富 盧 花 (初 出 ) 一八 九 八 年 一 一月 ∼ 九 九 年 五 月 ﹁国. 出 、 お よび今 回分析 に 用 いた底 本を 記す 。. に は 、 ∼ ハ ジ メ ル も ∼ダ ス も 使 え な い ﹂ と 述 べ て お ら れ る 。 ま た 、 姫 野 氏 は 、 ﹁感 情 の 動 き を 表 わ す 語 や 音 の自 然 発 生 を. ( 怒 りだ す 照れる 気が 滅 入 る. う ろた え る. あ ら わ す よ う な 語 ﹂ は ﹁出 す ﹂ の ほ う が 適 し て い る と し 、 以 下. 怒る. の語 をあげ てお られ る 。. し ょげ る たまげ る. 嫌がる. ため らう きれ る がる. 山 崎 氏 は 、 小 説 ・随 筆 ・新 聞 等 の 言 語 資 料. ﹁∼ 始 め る﹂ に 前 接 す る 動 詞 に は. 聞 約 三か 月分 )を 対象 に した 調査 を もと に、 前接 す る動 詞 の傾 向 を 分析し てお られ る。. ( 空 間的. ﹁ ∼ 出す ﹂. 語 活 動 や 思 考 活 動 な ど 人 の心 理 的 な 活 動 を 表 す 動 詞 や 変 化 や 自. ﹁ 言 語 活 動 及 び 自 己 運 動 と し て の動 作 ・変 化. 然 現 象 と し て の物 の状 態 を 表 す 動 詞 ﹂ が 多 い と し 、 の場合 は. な移 動や ふ るま い) を表 す動 詞 や自 然現 象 とし て の物 の運 動や. 一2一.

(4) 部 (上) ﹄岩 波書 店 空 文庫 を 使 用. 岩波 文 庫 一九 六九 年版 を 底本 とす る青. ﹃渋 江抽 斉 ﹄森 鴎外 ( 初 出 ) 一九 一六 年 三月 ∼ 一九 一八年 五 月 ( 分析 ) ﹃渋 江抽 斉 ﹄. 岩 波文 庫 一九 三 八年 版 を 底 本 と す る 青空 文 庫 を. ﹁東京 日 日新 聞﹂ ﹁ 大 阪毎 日新聞 ﹂ 岩波書店 (分. 新 潮 文庫 一九六 八年 版 を. 使用 ﹃杜 子春 ﹄芥 川龍 之介 ( 初 出) 一九 二 〇年 七月 ﹁赤 い鳥﹂ 析 ) ﹃蜘蛛 の糸 ・杜子 春﹄ 新 潮社. (分析 ) ﹃全集 ・現代 文学 の発見 ・第 一巻. 最初. 底 本 とす る青空 文 庫を 使 用 ﹃セメ ント樽 の中 の手紙 ﹄葉 山嘉 樹 ( 初 出) 一九 二六年 一月 ﹁ 文 芸 戦線 ﹂. 新潮 文 庫 一九 六九 年版 を底 本 とす. ( 分析). 旺文社 文 庫 一九 六六 年版. ( 分析). の衝撃 ﹄学 芸書 林 一九 六 八年版 を 底本 と す る青空 文庫 を 使 用 ﹃河童 ・あ る阿 呆 の 一生﹄ 旺文 社. ﹃河 童﹄芥 川龍 之介 (初出 ) 一九 二七年 三 月 ﹁ 改 造﹂. ﹃ 李 陵 ・山 月記 ﹄新 潮 社. を 底本 とす る青 空文 庫 を使 用 ﹃山 月記 ﹄中島敦 ( 初 出) 一九 四 二年 二月 ﹁ 文 学 界﹂. ( 分 新 潮文 庫 一九七 三年 版 を. る青 空 文庫 を使 用 ﹃夏 の花 ﹄原 民喜 ( 初 出 ) 一九 四七 年 六月 ﹁三田文 学﹂ 析 ) ﹃夏 の花 ・心 願 の国﹄ 新潮 社. ( 分 新 潮 文庫 一九 五〇年 版 を底 本 とす る青. 底本 と す る青空 文庫 を 使用 ﹃斜 陽﹄太 宰治 ( 初 出) 一九 四七 年 七月 ∼ 一〇 月 ﹁ 新 潮﹂ 析 ) ﹃斜陽 ﹄新 潮社 空文 庫 を使 用. ( 初 出 ) 一九 五 八 年 一 一月 ﹁別 冊 文 藝 春 秋 ﹂. ( 初 出 ) 一九 七 二 年 七 月. 青樹 社. (分 析 ) ﹃短 篇 小 説 名 作 選 ﹄ 現 代 企 画 室 一九 八 一年 版 を 底 本. ﹃晩 菊 ﹄ 林 芙 美 子. と す る青空 文庫 を 使 用 ﹃総 司 は ひ と り ﹄ 戸 部 新 十 郎. ( 初 出 ) 一九 七 三 年 八. 徳 間 壽 σ書 店. 光. ( 分 析 ) 二 〇 〇 五 年 一月 二 八. ( ク ルー ザ i) ﹄ 西村京 太 郎. (分 析 ) 一九 九 〇 年 五 月. 光 文社. ﹃赤 い 帆 船 月. 光 文社 電 子書 店. カ ッパ ノ ベ ル ズ 日. 光 文社 電 子書 店. (分 析 ) 一九 九 四 年 一月. 徳 間 壽 σ書 店. ( 上 ) 迷 路 の 巻 ﹄ 多 岐 川 恭 (初 出 ) 一九 七 六. (分 析 ) 二 〇 〇 一年 九 月. ﹃日 本 沈 没 ﹄ ( 上 ) (下 ) 小 松 左 京 ( 初 出 ) 一九 七 三 年 三 月 文社. ﹃お 江 戸 探 索 御 用 桃 源社. ( 初 出 ) 一九 八 一年 八 月. 年六月. ﹁ 週 刊 サ ン ケ イ ﹂ ﹃同 心. 祥 伝社 電 子書 店. 一三 日 号 ∼ 一九 八 二年 三 月 一八 日 号. ( 分 析 ) 二〇 〇 四年 四月. ﹃北 町 奉 行 ・定 廻 り 同 心 控 ﹄ 笹 沢 左 保. 暁蘭 之 助﹄ 改題. 角 川 書店. (分 析 ). ( 分 析 ) 一九 九 八 年. 一九 八 六 年 一月. 角 川書 店. 角. 一九 八 四 年 一月 号 ﹁野 生 時. 光文社. ( 初 出 ) 一九 八 三 年 六 月 九 日 号 ∼ 一九 八 五. 光 文 社電 子書 店. 年 四 月 三 〇 日 号 ﹁女 性 自 身 ﹂. ﹃炎 の花 ﹄ 落 合 恵 子. 七 月 一五 日. 代﹂. ﹃星 影 の ス テ ラ ﹄林 真 理 子 ( 初 出). 川 文庫. 光 文社 電 子書店. ﹁ 野 生時 代 ﹂. ( 分 析). 二〇 〇 五年 七. ﹃広 島 に 原 爆 を 落 と す 日 ﹄つ か こ う へ い ( 初 出 ) 一九 八 六 年 八 、 一 一月 号. 角 川 書店 月 二二日. 3一.

(5) ( 初 出 ) 一九 八 七 年 七 月. 双葉 社. 双. 双葉社 電 子書. (分 析 ) 二 〇 〇 三 年 九 月. ( 初 出 ) 一九 九 〇 年. ( 分析 ) 二〇〇 四年 二月. (初 出 ) 一九 八 九 年 二. ( 分 析 ) 二 〇 〇 四 年 三 月 一二 日. ﹃十 三 の 墓 標 ﹄ 内 田康 夫 葉 ノ ベルズ 店. 光文社. ﹃千 利 休 ・な ぞ の 殺 人 事 件 ﹄ 山 村 美 沙 ﹁ 週 刊宝 石 ﹂. 光 文社 電 子書 店. ∼ 一二 月 号 二七 日. 光文社. ﹃三 毛 猫 ホ ー ム ズ の黄 昏 ホ テ ル ﹄ 赤 川 次 郎 ﹁小 説 宝 石 ﹂. ( 初 出 ) 一九 九 二 年 一 一月 号 ﹁小 説 宝 石 ﹂. 光 文社 電子 書店. 五∼ 八月号 二六 日 ﹃ず ぼ ら ﹄ 田 辺 聖 子 光 文社 ﹃鬼 が 餅 つ く ﹄ 田 辺 聖 子 ( 初 出 ) 一九 九 三 年 三 月 号 ﹁小 説 宝 石 ﹂ 光 文社. 光文 社. ﹁小 説 宝. ﹁小 説 宝 石 ﹂. ( 初 出 ) 一九 九 四 年 六 月 号. ( 初 出 ) 一九 九 三 年 一〇 月 号. ﹃り ん り ん ﹄ 田 辺 聖 子 ( 初 出 ) 一九 九 四 年 一〇 月 号 ﹁小 説 宝 石 ﹂ 光 文社 ﹃四 人 め ﹄ 田 辺 聖 子 光文社. 石﹂. ﹃ベ ッ ド と 家 霊 ﹄ 田 辺 聖 子. 角 川書 店. 光 文社. 角 川 文庫. 六 月 号 ﹁海 燕 ﹂. ( 分析) ﹃ ず ぼ ら ﹄ 二〇 〇 六年 四 月. ﹃ 古 文 の犬﹄田 辺聖 子 ( 初 出 ) 一九 九 四 年 一〇 月 号 ﹁小 説 宝 石 ﹂ 光文社 右 記六作 品 電子 書店. (分 析 ) 二 〇 〇 四年 六 月. ﹃ピ ン ク ・バ ス ﹄角 田 光 代 ( 初 出 ) 一九 九 三 年 福武 書店. 講 談社. 講 談社. (初 出 ) 一九 九 二 年 一月 ∼ 十 月. 講談. ﹁ H Z・. 仁成. よ り ﹁オ ー プ ン ハ ウ ス﹂ ( 初出). ( 分 析 ) 一九 九 七 年 六 月. ﹃機 関 車 先 生 ﹄ 伊 集 院 静 勺OO 臣 ↓﹂ 社文庫. ジ. (分 析 ) 二 〇 〇 六 年 六. (初 出 ) 一. 光文 社 電 子書 店. 実 業之 日本社. (分 析 ) 一九 九 八 年 三. (初 出 ) 一九 九 五 年. 集 英社 文 庫. ﹁三 田 文 学 ﹂ 夏 季 号. ﹃オ ー プ ン ハ ウ ス ﹄辻. 集英 社. 一九 九 三 年 七 月 月. 光 文社 文 庫. (ジ ャ ッ ク ) マ ニ ュア ル ﹄ 宗 田 理. ( 分 析) 二〇 〇 四年 四月. ﹃銀 行 喰 い ﹄ 大 下 英 治 ョイノ ベルズ ﹃ ぼ く の T V支 配. 光文 社. 痛 快 小説 ﹄改. 光. 光文 社 電 子書 店. ( 初 出 ) 二 〇 〇 一年 一 一月 ﹁小 説 現. ( 分 析 ) 二 〇 〇 五 年 一月 二 八 日. 講談 社. 光 文社. 光 文社 電子 書 店. ﹃き ん ぴ か. (1 ) ∼ ﹄ 浅 田 次 郎 ( 初 出 ) 一九 九 二. 光 文 社電 子書 店. 九九 七年 二月 月 二一 二日. 天山 ノ ベルズ. ﹃三 人 の悪 党 ∼ き ん ぴ か 天 山社. (分 析 ) 二 〇 〇 二 年 一月 二 五 日. 年 一月 題. 文社 文庫. ﹃真 田 幸 村 の 妻 ﹄阿 井 景 子 ( 初 出 )二 〇 〇 一年 十 月. 代﹂. ﹃ラ ス ト ラ イ ド ﹄ 石 田 衣 良. 講 談社. ( 初 出 ) 一九 九 二年 七 月 田 O﹂. (分 析 ) ﹃ピ﹀し。 ご 二〇 〇 五年 八月. 光. 光. 講. ﹃ラ スト ホ ー ム ﹄ 石 田 衣 良 ( 初 出 ) 一.○ 〇 三 年 二月 ﹁小 説 現 代 ﹂. 右 記 二作 品. 講 談社. 談社 文 庫 ﹃独 楽 の 回 転 ﹄ 小 池 真 理 子 文社. 文社. ﹃災 厄 の 犬 ﹄ 小 池 真 理 子 ( 初 出 ) 一九 九 三 年 一 一月 ﹁岩 ﹂. 一4一.

(6) 光文 社. ﹃ひ ぐ ら し 荘 の女 主 人 ﹄ 小 池 真 理 子 ﹁ 詔﹂. ( 分 析). ( 初 出 ) 一九 九 四 年 一 一月. 二 〇 〇 二年. ﹁ 詔 ﹂ 光文社. ﹃う わ さ ﹄ 小 池 真 理 子. ﹃う わ さ ﹄ 小 池 真 理 子 ( 初 出 ) 一九 九 五 年 九 月 右 記 四作 品 五月 光文社 電 子書店. 四 調査結 果 対 象作 品か ら、 ﹁ ∼ 出 す ﹂七 七 〇 例 、 ﹁ ∼ 始 め る ﹂六 二 二例 、 合 計 = 二九 二 例 を 収 集 し た 。 各 表 現 に 前 接 し た 動 詞 を 頻 度 順 に. 表. 1 .. (頻 度 順 ). 歩 く ( 97). 言 う ( 副). . 25. . 24. 泳 ぐ ( 3. 踊 る ( 3>. 操 る ( 3). . 23 そ わ そ わ す る( 4). . 48. . 46 . 47. . 45. . 44. ゆ れ る ( 2). 燃 え る ( 2). 回 る ( 2). 光 る ( 2). 鳴 く ( 2). 唱 え る ( 2). ( ) 内は頻度を表す 。. 笑 う ( 69). . 26. 感 じ る ( 3). . 49. 酔 う ( 2). 駆︻ 駈︼ け る ( 46) 動 く ( 32). す る ( 何・. 光 り 輝 く ( 2) 走 る ( 53). 苦 し む ( 3). . 50. 泣 く ( 48). , 27 . 28. 咲 く ( 3). 読 む ( 2). *. ﹁∼ 出 す ﹂ に前 接 す る 動 詞 一覧. . . 2 . 3 . 4 . 5 . 6 . 7 . 8. . 51. . 29 . 30. 話 を). . 52. 降 る ( 16). 働 く ( 3). . 9. 見 え る ( 3). 哀 願 す る・ あ げ る・ 当. ﹁∼ 出 す ﹂ に 前 接 す る. や る ( 3). 一覧 に し た も の が 表 1 、 表 2 で あ る 。. . 32. 暴 れ る ( 2). . 31. . 33. ( 3). 思 う ( 9). . 34. 鳴 る ( -o). . -o. 騒 ぐ ( 9). 話 す ( 12). . H. 考 え る ( 8). た る・ 圧 迫 す る・ 集 ま. ﹁∼ 始 め る ﹂ に は 三 五 七. 動 詞 は 一五 五 種 類 で あ った の に 対 し 、. . 12. あ わ て る ( 2). う な る ( 2). わ れ る・ お そ わ れ る・. に な る・ 云々 す る・ 覆. .=﹂. 怒 る ( 7). 利 く ( 2). 帯 び る・ 思 わ れ る・ 輝. ∼ 一〇3. . 14. 歌 ( 謡). . 38 . 39. 狂 う ( 2). る・ か く( い び き を) ・. く・ か か る・. 嗅ぎ 回. 謡わ れ る こつめ く・ 噂. あ. . 15. 漕 ぐ ( 6). . 40. 滑 る ( 2). 洗 う・ . 16. 喋 る ( 6). た ま る ( 2). 怪し む・. 17. 流 れ る ( 6). . 41 . 42. る・. . 18. 吹 く ( 6). . 43. 3.. 、 * 以下 全 て頻度1. 種 類 も の動詞が 確 認さ れた 。前 接 す る動 詞 の種類 では 圧倒的 に. . 13. . 35. ら わ れ る・ う ご め く・. ﹁ ∼ 始 め る ﹂ の 方 が 多 い 結 果 と な った 。. 震 え る ( 8). . 痛 む ( 2) 36 . い ら い ら す る( 2) 37. . 19. 聞 こ え る ( 5). う ( 6). . 20. 語 る ( 4). .. . 21. 疑 う ( 2). . 22. 一5一.

(7) . 22 . 23. 。 21. 踊 る ( 4). 打 つ ( 4). 降 る ( 5). 弾 く ( 5). 昇 る ( 5). . 49. . 48. , 47. ( 3). . 46. . 44 . 45. . 43. 上 が る ( 2). 広 が る ( 3). 飲む. 溶 け る ( 3). 立 つ ( 噂・. 探 す ( 3). 片 付 け る ( 3). ( ) 内 は 頻 度 を表 す 。. . 24 . 25. 傾 く ( 4). . あ げ る( 声 を)( 2) 51. . 50. 洗 う ( 2). *. ﹁∼始 め る ﹂ に 前 接 す る 動 詞 一覧 (頻 度 順 ). . 26. 感 じ る ( 4). 言 う ( 2). 表 2.. . 27. 叩 く ( 4). . 52. 移 動 す る ( 2). く ・固 め る ・通 う ・か る ・抜 け る ・の つそ つ ら む ・歓 迎 さ れな く な す る ・入 る ・始 ま る ・ る ・気 に な る ・き ら め は し ゃ ぐ ・督 促 る ・は く ・く す ぶ る ・曇 る ・ な れ る ・流 行 る ・ひ. . 4 . 5. 流 れ る ( 9). (3 ). 煙 が). , 56. う な る ( 2). い び る ( 2). る ( 7). あ ら わ す ( 3). . 57. . 8. . 35. . 58. 暗 くな る ・ぐ ら つく ・ く ・広 が る ・貧 乏 に な. 読 む ( 6). 色 づ く ( 3). 歩 き 同 る ( 2). , 14. 動 か す ( 3). 増 え る ( 4). 消 え る ( 3). 鳴 る ( 8). . 28. 作 る ( 4). . 53 . 54. 走 る ( 5). 聞 こ え る ( 7). . 29. 響 く ( 4). . 55. 歩 く ( 17). 食べ. . 30. 震 え る ( 4). 動 く ( 12). . 6. 話 す ( 7). . 31. 集 め る ( 3). . 1. . 7. 見 え る ( 7). 回 る ( 7). . 32 . 33. . 2. . -o. . 34. . 3. . ) 11 た て る( 音な ど を. . 9. 出 る ( 6). 透 る ・怒 鳴 る ・と る ・. る ・叫 ぶ ・殺 到 す る ・ る ・振 る ・吠 え る ・ほ. 来 る ・ぐ れ る ・加 え る ・吹 か す ・ふ く れ. ( 6). 吹 く ( 6). 書 く ・加 勢 を す る ・. 騒 がれ る ・ざ わ つく ・ お ば る ・ほど く ・ま と. . 12. 起 こ る ( 9). しげ く な る ・沈 む ・慕 ま っ て来 る ・満 席 にな. . 13. 数 え る ・固 ま る ・傾 殴 る ・舐 め る ・慣 れ. る ・調 べ る ・信 じ る ・ 目 に つ く ・持 つ ・ゆ る. う ・示 す ・状 態 に な る ・見 つめ る ・む く ・. 心 配 す る ・吸 う ・進 む ・連 想 す る ・論 じ合. . 36. 描 く︻ え が く︼( 2). . 37. 覆 う ( 2). 演 奏 す る ( 2). あ ら わ れ る ( 5). . 59. 語 る ( 5). 歌 う ( 3). . 15. . 38. . 16. 全 一五 五種 類. 変 わ る ( 5). む ・す る (顔 を ) ・ず う ・わ め く れ て し ま う ・急 か す ・. . 17. . 60. 説 明す る ・高 ま る ・焚. 覚 え る ( 3). 大 き く な る ( 2)6. . 39. 1.. 喋 る ( 5). , 18. 行 う ( 2). く ・出 す ・叩 く ・立 ち. 押 す ( 2). 思 う ( 3). . 62. 電 話 を). . 63. す る( 話・. 下 り る ( 3). . 19. 窮 る ( 3). こ め る ・建 ち 並 ぶ ・た. . 40 . 41 . 20. ( 5). . 42. て こ む ・注 目 す る ・ち. 泣 く ( 5). ら つく ・付 け る ・強 く な る ・強 ま る ・出 る ・. 6.

(8) . 73. . 72. . 71. . 70. . 69. . 68. . 67. . 66. . 65. . 64. 着 替 え る ( 2). 考 え る ( 2). 通 う ( 2). が ぶ る ( 2). 活 発 化 す る (2). 駆 け お り る ( 2). か か る ( 2). 降 り る ( 2). 泳 ぐ ( 2). 落 ち る ( 2). . 95. . 94. ( 2). , 93. . 92. . 91. . 90. . 89. . 88. . 87. . 86. 鈍 る ( 2). 鳴 く ( 2). 取 る ( リ ズ ム を). 撮 る ( 2). 取 り 戻 す ( 2). 解 く ( 2). 勤 め る ( 2). つ け る ( 2). 漂 う ( 2). 称 え る ( 2). . 醇 腿. . 囲 ω. 11. E. B. H. -ー.. .. 増 す ( 2)1 ま た た く ( 2)1. 暑 く な る・ 熱 く な る・. ・こ つ ・ く る 揺 浮 入れ. 聞 く・. き し. 腐 る・. 萌 す・. 食 う・. 調べ る・. 吸う・. 少. に な. じ り じ り. す く・. な る・ す す り 泣 く・ す. する・. する・ 知 る・ 真剣. る・. ら れ る・ 枯 れ る・ 渇 る・ L 下す る・ ヒ 昇 す. ・ 行 っ た り 来 た り す 活 動 す る 奏 で る・ か 順 調 に な る・ 紹 介 す. 送 る・. 抑 え る・. 買 い 取 る・. 買 う・. 書 く ・ 掻 く・. 描. ら つ く・. 来 る・. 狂 う・. 説 明 す る・ せ ま る・ 責. 警 戒 す る・ け い れ ん さ め る・ 続 出 す る・ 測 定. る・ こ だ ま さ せ る・ ご る・ 探 索 す る・ 近 づ. む・ 捜 す・ 下 が る・ さ 治 す る・ 調 査 す る・ 跳. く・. 悟 る・. 自. き る・. 呈 す る・. 手 伝 う・. 包 む・. で. く・. さ す る・. し め す・ 出 現 す る・. 没 す る・ つ く・ 突っ つ. 語 り か け る・. け る・ 下 降 す る・ 重 ね. る・. る・ 霞 む・ 肩 入 れ す 覚 す る・ し の び よ る・. く ︻ か く︼ ・ 嗅 ぐ・ か さ や か れ る・ さ さ や 梁 す る・ ち らつ く・ 沈. を) ・. 関 わ る・ か く ( い び き て る・ こ ぼ れ る・ 混 く・ 地 球 規 模 に な る・. る・. る・ お ろ す・ 回 転 す る・ 合 流 す る・ 濃 く す こ め る・ 建 て る・ 辿. と す・ 衰 え る・ 帯 び る・ 講 ず る・ 硬 直 す る・ た た か れ る・ た ち. お さ ま る・ 教え る・ 落 せ る・ 消 す・ 顕 著 に な す る・ 揃 え る・ 高 ま. き る・. ぎ す る・ 覆 わ れ る・ 起. れ る・ 炎 上 す る・ 大 騒 暗 く な る・ 暮 ら す・ ぐ る ( 音が) ・ ず れ る・. う ろ た え る・ う わ さ さ く す ぶ る・ 口 ず さ む・ べ ら せ る・ すべ る・ す. 吟 じ る・. む・. く・. く・ 交 わ す・ 聞 き 込. わ な く な る・ 疑 る・ 打. 疑. 見 せ る ( 2)1. ち 合 わ せ る・ うつ ら う む・ 気 づ く・ 機 能 す る・ 深 刻 化 す る・ 侵 入. 疑 う・. 目 立 つ ( 2)1. つ ら す る・ 映 る・ 喩 る・ 逆 転 す る・ 急 高 騰. 渦 巻 く・. 燃 え る ( 2)1. 集 ま る・ 暴れ る・ あ び. 潤 む・. 持 つ ( 2)1. 流 行 る ( 2)1. 売 ら れ る・. る・ う ま くい か な く な す る・ 着 る・ 切 れ る・ な く な る・ ス ケ ー ル に. 吹 き出す(2 )1. る・ 編 む・ 往 き 来 す. る・. 揺 れ る ( 2)1 横 切 る ( 2)1 悪 く な る ( 2)1. 3 .1 r. 、 * 以 ド 全 て 頻 度1 ∼. 愛 す る・ 合 う・ あ が る. 16. 上 る ( 2). ( け む り が) ・ あ げ る. 減 る ( 2)1. る・. ・ 急 ぐ. 行 く・ い. 舞 う ( 2)1. じ く る・. 息 づ く・ 混 じ る ( 2)1. 与 え る・. 登 る ( 2). ㎝. . 01 鯉.. . ㏄ 〃. 僑. . 価. ・ 味 わ う. . 97 . 98. 下 る ( 2). 沈 む ( 2). ( け む り を) ・ 挙 げ. . 74. 集 中 す る ( 2). 人 る ( 2). 脱 ぐ ( 2). , 79. 白 む ( 2). . 99. . 96. . 80. 進 む ( 2). る・. 暮 れ る ( 2). . 81. る・ 上 げ る・ 浅 く な. . 75. . 82. 増 加 す る ( 2). 働 く ( 2)1. 痙 攣 す る ( 2). . 83 染 め る ( 2). 発 達 す る ( 2)/. . 76. . 84 抱 く ( 2). . 77 殺 到 す る ( 2) . 78 ざ わ ざ わ す る( 2). . 85. 7.

(9) 点 検 す る ・怒 鳴 る ・飛 浮上 す る ・物 色 す る ・ ば す ・飛 ぶ ・と め な く 不能 に な る ・踏 み鳴 ら な る ・灯 る ・取 り 上 げ す ・ふ り そ そ ぐ ・勉 強 ら れ る ・と り つ か れ す る ・奉 仕 す る ・暴 走 る ・と る ( 食 事 を ) ・ す る ・ほ え る ・ほ ど い 採 る ・流 す ・泣 き じ ゃ た り 結 ん だ り す る ・掘 く る ・哺 く ・投 げ つけ る ・本格 化 す る ・奔 走 る ・撫 で 回 す ・撫 で す る ・ま き こ む ・ま と る ・波 打 つ ・悩 ま さ れ め る ・ま わ す ・廻 る ・ る ・悩 む ・習 う ・慣 ら 見 え 隠 れす る ・磨 く ・ さ れ る ・南 下す る ・滲 見 る ・向 か う ・迎 え む ・縫 う ・濡 ら す ・練 る ・め ぐ る ・も てあ そ. つく ・も み ほ ぐ す ・洩. る ・覗 く ・の た う つ ・ ぶ ・戻す ・戻 る ・物 心 呑 み 込 む ・は っき りす る ・放 つ ・は や し 立 て れ る ・厄介 に な る ・や る ・払 う ・冷 え る ・光 る ・歪 む ・揺 さ ぶ る ・ る ・引 き 合 う ・ひき か 揺 れ 動 く ・横 た わ る ・. (潮 が ) ・ひ く. (糸 る ・流 布 す る ・わ か れ. え す ・引 き 返す ・ひく 読 み 上 げ る ・流 行 す. 全三五七種類. を ) ・引 く (注 目 を ) ・る ・湧 く ・笑 う 開 く ・ふ き 上 げ る ・拭 く ・膨 ら む ・. (一). 両表 現 に共 通し て現 れ た動 詞 に つい て. 今 回 収 集 し た 用 例 の中 か ら 五 例 以 上 出 現 し た 語 を 取 り 上 げ 比. 一 一語 あ った 。両 表 現 が 同 一の 語 に 接 続 す る 傾 向 に あ る こ と は 、. 較 し てみた 結果 、出 現頻 度 には差 が あ るも のの、 共 通す る 語が. 寺 村 氏 に よ り 既 に 指 摘 さ れ て い た が 、 今 回 の結 果 で は 次 に 示 す. 泣く. 鳴. (四 八 ・五 ). ﹁∼ 出 す ﹂ は. ﹁∼ 始 め る ﹂. 吹 く (六 ・. 話 す (一二 ・七 ). 走 る (五 三 ・五 ). 流 れ る (六 ・九 ). 降 る (一六 ・五 ) 喋 る (六 ・五 ). 二). ( 九 七 ・ 一七 ). よ う に多く が いわ ゆ る ﹁ 自 動 詞 ﹂ と さ れ る も の で あ った 。 歩く. 動く ( 三二 二 る (一〇 ・八 ). ﹁ ∼ 出 す ﹂ の頻 度 数 を 下 段 は. 聞 こ え る (五 ・七 ) * ( ) 内 の上 段 は. 六). の頻 度 数 を 表 す 。. 前 接 す る 動 詞 の頻 度 に つ い て. 表 !と表 2 の結果 を頻 度 の点 か ら比較 す る と、. (二 ). 一部 の 動 詞 に 用 例 が 集 中 し て い る こ と に 気 づ く 。 三 〇 例 以 上 の. ﹁ 泣く. (四 八 例 ) ﹂ 、. ﹁駆 け. も のは ﹁言 う (一三 二 例 ) ﹂、 ﹁ 歩く ( 九 七例 )﹂、 ﹁ 笑う ( 六. ( 五 三例 )﹂ 、. ﹁ 走る. 九 例) ﹂、. ﹁ 動く. ﹁ ∼ 始 め る﹂ は、. ( 三 二例) ﹂ と 七語 あ り、 これだ け で. る (四 六 例 ) ﹂ 、. も 全 体 の総 用 例 数 の 約 六 二 % を 占 め る 。 一方. ( 九 例 ) ﹂ 等 が 高 順 位 の も の で あ る が 、 頻 度 が 一番 高. ﹁ 歩 く (一七 例 ) ﹂、 ﹁ 動 く (一二 例 )﹂、 ﹁起 こ る ( 九 例 )﹂、 ﹁ 流れる. い ﹁ 歩 く ﹂ で も 一七 例 に と ど ま り 、 反 対 に 五 例 以 下 の も の が 五. 〇 八 例 と 全 体 の 約 八 二 % を 占 め た 。 ﹁∼ 出 す ﹂ に 見 ら れ た よ う. (三 ) 前 接 す る 動 詞 の 形 式 に つ い て. ﹁∼ 出 す ﹂ と 反 対 の 傾 向 に あ る こ と が わ か った 。. な 一部 の 語 に つ い て の集 中 的 な 使 用 は 確 認 さ れ ず 、 ﹁ ∼ 始 め る﹂ は. 一g一.

(10) 話 をす る. す る / は っき り す る / 行 き 来 す る. 大 騒ぎ す る. 肩入れす. う つら う づ. 吉 原 通 い をす る. じ りじ りす る. 遊び をす る. 右 に見 るよ うに ﹁ 演 奏 す る ﹂ の よ う な ﹁漢 語 + す る ﹂ の ほ か 、. ほど いた り結 んだ りす る. ﹁ 話 をす る﹂ や ﹁ ざ わ ざ わ す る ﹂、 ﹁ 行 った り 来 た り す る﹂ な ど. 家 の こと を す る. 見 え 隠 れ す る / 濃 く す る/ 電 話 を す る. 次 に、 両表 現 にど のよ うな 形 で動 詞が前 接 し て いるか に着 目 す る。表 1 、 2の結果 に よれば 、 ﹁∼出す ﹂ は そ の語 のほ とん. / 音 がす る/ ざ わ ざ わ す る 2. こだ ま す る. どが、 ﹁ 歩 き 出す ﹂、 ﹁歌 い出 す ﹂ の よう な 和語 動 詞 一語 の. ら す る / 行 った り 来 た り す る. に続 き、 今 回 の調査 より収 集 した 動 詞 の 一覧 を 示す。. る. も多 く出 現 し ていた。 具体 的 には 、次 の四 つの 形 であ る 。例 文. 単 純 な連 用 形 であ る のに対 し、 ﹁∼始 め る﹂ には それ 以 外 の形. 1. ﹁ 発 達 し始 める﹂ 、 ﹁演奏 し 始 める﹂ と い った いわ ゆ るサ. 2 . ﹁歩 き 回 り 始 め る ﹂ 、. さ まざ ま な形 が確 認さ れた 。. (一 一 二 例) 全体 と し ては 三語 の複 合 と な る。. ﹁買 い 取 り 始 め る ﹂ と い った 二 語 の. 変 動 詞 。 (七 四例). 複 合動 詞。. 例 (1)犬 の名 前 の こと で娘た ち が大 騒ぎ し始 め た。 亜 紀 子は 父 であ る貢 に全 権 を委ね ま し ょう、 と 提案 した 。名 前 な. 例. ば 、 ケ ネ ス に 会 え る 。 (﹃炎 の 花 ﹄). ﹁∼ 始 め る ﹂に 前 接 す る 一一 語 の 複 合 動 詞 一覧. 買 い取 る. 駆けおりる2. 語り. り 戻 し 始 め た 。夕 暮 れ の 時 間 だ った 。あ と 小 一時 間 も す れ. (3 ) 杏 子 の 目 の 中 で、 輝 き を 失 った 海 が 徐 々 に そ の色 を 取. ど 、ど う でも いい ような 気 がし た。 (﹃災厄 の犬 ﹄) 例 (2) スター ト五 分前 。ふ たた び 号砲 が鳴 り、 信 号旗 勺旗 が 掲げ られ ると 、 二十 一隻 のク ルーザ ー は い っせ いに動 き. 打 ち合 わ せ る. 撫 で. 取 り 上げ る. 投げ つけ る. すすり泣く. 説. す る 動 詞 に ヴ ォイ ス が 付 着 し た も の 。 使 役 形 、 受 身 形 と も に 確. 3.. まき. 引き返す2. ふりそそぐ. 引き合う. 泣 き じ ゃく る. し のび よ る 取り戻す 2. 聞き込む. 歩 き回 る 2 かける. 出し 、スタ ート ライ ンを 行 った り来 た りし はじ め た。( ﹃赤. 取 り つく. は や し た てる. 調. 読 みあげ る. 踏み鳴らす. 侵入す る. 発達. 探索す る. 暴走. 揺 れ動 く. 吹き出す2. 飲 み 込む. こむ. 吹 き 上げ る. 回す. 痙攣する 3 硬. 下降す る 集 中す る2. 回転 す る 警戒 す る 上昇 す る. 南下す る. 測定 す る. 奉仕す る. も みほぐ す. 自 覚す る. 演奏する2. い帆 船 ( クル ーザ ー) ﹄) ﹁∼始 める﹂に前 接す るサ変 動詞 一覧( 算 用数 字 は 用例数 を 示 す。 炎上する. 記載 のな い も のは1例 を表 す。 ) 移動する2. 逆転 す る 上下する. 点検 す る. 殺到 す る 2. 機能する. 続出する. 勉強 す る. 合 流す る. 活 動す る 紹介す る. 沈没する. 増加 す る 2. 物色する. 直する 出現する 跳梁 す る. 認さ れた 。. (一九 例 ). 呈. ひ び か せ は じ め た が 、み ん な は 椅 子 に 腰 か け た ま ま 、動 か. 用 の フ ァク シ ミ リ が 、ジ イ ジ イ パ チ パ チ と ス パ ー ク の音 を. 治す る. 急 高 騰 す る/ 活 発. 例 (4 ) テ レ ッ ク ス が カ タ カ タ と 鳴 り 、 図 形 (パ タ ー ン ) 受 信. ﹁ 取 り 上 げ ら れ 始 め る ﹂ と い った 前 接. 明す る. 浮 上す る. ﹁ 響 かせ始 め る﹂ 、. 査す る. 流布す る. 本 格 化す る/ 愛 す る. 流行する 深刻化する. 奔走す る. す る2 する. 化 す る2. g.

(11) な か った 。 ( ﹃日 本 沈 没 ﹄). ささやかれる2. う わ さ され る 取 り上. 感じ ら. 詞 一語 の連 用 形 で あ る 。. ら の表 現 は 全 体 の 約 五 % し か な く 、 九 四 % 以 上 が 単 純 な 和 語 動. ﹁∼ 出 す ﹂ は 、 こ れ. ( ﹁∼ 出 す ﹂ 七 七 〇 例 、 ﹁ ∼ 始 め る ﹂ 六 二 二例 ) に 占 め る割 合. 行われる2. を各表 現 別に まと めた も のが 表 3 であ る。. 唱えられる. 三 %を占 め、. ﹁∼ 出 す ﹂ よ り も こ の よ う な 形 の 動 詞 の使 用 率 が. 一語 の 連 用 形 で あ る も の の 、 こ れ ら の 形 式 の も の が 全 体 の 約 二. ﹁∼ 始 め る ﹂ は 、 約 七 七 % が 和 語 動 詞. 覆われる. 慣 らさ れ. 痙攣. たたかれ る. ﹁∼ 始 め る ﹂に前 接 す る 使 役 形 ・ 受 身 形 動 詞 一覧. れる. 売 られ る. 悩まされる. (物 と 物 を ) 打 ち 合 わ せ る. 滑らせる. 合 O. 取 り つか れ る /. 割. %. こだ ま さ せ る. る. ). させる. 23. 23. げられる. 頻 度. 高 く 、 前 接 す る 動 詞 のバ リ エー シ ョ ン が 多 い こ と が わ か る 。. ホ4. 響か せ る. 31. る. L. 表 3. ﹁∼出 す ﹂ ﹁∼ 始 め る﹂ に 前 接 す る 動 詞 の 形 式 に よ る 比 較. 19. (一九 例 ). 19. ﹁地 球 規 模 に な り 始 め る ﹂ の よ う. 481. ﹁大 き く な り 始 め る ﹂ 、. 頻 度. ﹁ 形 容 詞 ・名 詞 + な る ﹂ の 形 。. 24. 4.. 0. 一. 20. な. ?. %. S 出 (. 例 (5 ) ﹁そ ん な ん 、 べ つ に 片 端 か ら 見 て 廻 ら ん で も エ エや な い. os %. か 。﹂塩 田 は そ ろ そ ろ 酒 の 気 が 切 れ た の か 、機 嫌 が わ る く な. o.s %. S. %. 一. 11. %. 0. 胴1. 割 A. 02 %. り は じ め て い る 。 (﹃ ず ぼ ら ﹄) な お 、 こ の形 式 に つ い て は 、 今 回 収 集 し た 一九 例 の う ち 一七 例 が ﹃日 本 沈 没 ﹄ か ら の も の で あ った 。 作 者 (小 松 左 京 ) に 特 徴 的 な 表 現 と 見 る こ と も でき る た め 、 今 後 調 査 対 象 を 広 げ 更 に 検 討す る必 要が あ る。. スケ ー ルにな る *. ﹁∼ 始 め る ﹂に前 接 す る ﹁∼ な る ﹂を と も な う 表 現 一覧 (* は ﹃日 本. うま く いかな くな る *. 順調になる. 暑くなる *. 沈 没 ﹄か ら の 用例 ). 顕 著 にな る *. 一10一. 116. 49 %. 3.0 %. 3.0. 3. %. %. 0 %. 悪く な る2( 1 *) 暗 く な る *. ∫ ). 始 め. ). 式. 7 9 " r27 2. 止め な くな る *. 熱 くな る *. 浅くなる* 地球 規模 に な る *. 真 剣 にな る *. 疑 わ なく な る * 少な く なる * 大 き くな る2 *. ﹁∼ 出 す ﹂ に 前 接 す る 動 詞 に つ い て も わ ず. 厄介 にな る. これら の表現 は、. 不能 にな る *. か で あ るが 確 認 さ れ て い る 。 こ の よ う な 形 のも のが 全 用例. 十. 5. の 形. 形. 他. 詞. 受 身 ●. 和 語 動 詞 一. 名. の. o. の 形 5. 形. 容 詞 連 用. 形. 語 一 L. 複 合 動 詞 語. る 1. サ 変 動 詞. 動 詞 z. 二 4. 3. 前 接 す ' る. 使 役 な. ' 6. そ の.

(12) 五. ﹁∼ 出 す ﹂. ﹁ ∼ 始 め る ﹂ の違 い は 、 し ば し ば 意 志 表 現 を と. ﹁∼ 出 す ﹂ と 意 志表 現. ﹁∼ 出 す ﹂ と るかど う か と いう点 か らも説 明 され る。 森 田氏 は、. ﹁ 意志的表. と. ﹁ 自 身 のこと でも 結果 的 に事実 を叙 す 場合 ﹂ に用 い ると し、. ﹁ ∼ 出 す﹂ は. ﹁自 己 の 意 志 的 判 断 ﹂、例 え ば ﹁そ ろ そ ろ 本 を 読 み 出 そ う か. は. は 言 わ な い ﹂ と述 べられ 、姫 野氏 も 現 に そ ぐ わ な い ﹂ と し 、 次 の よ う な 例 を 挙 げ てお ら れ る 。 ? 早 く や り だ せ :早 く や り 始 め ろ ? 今 す ぐ 読 み だ し た い :今 す ぐ 読 み 始 め た い. ﹁ すぐ にそ の本 を読 み始 め よう. ?すぐ に. ? 今 日 中 に 論 文 を 書 き 出 し て お こ う :今 日 中 に 論 文 を 書 き 始 め てお こう ま た、 今井 氏 も、. ?す. ﹁早 く 食 べ 始 め た い. ﹁ す ぐ に そ の本 を 読 み始 め た い. ﹁∼ 出 す ﹂ は ﹁命 令 、 使 役 、 意 志. そ の本を 読 み出 そう ﹂、 ぐ に そ の本を 読 み出 した い﹂. ?早 く食 べ. 出 し た い﹂等 の例文 を挙げ 、. の 文 脈 で 現 れ に く い ﹂ と し て い る 。 そ し て こ の現 象 は ﹁話 者 の 判 断 や 推 論 を 表 わ す モ ダ リ テ ィ 形 式 と 平 行 的 であ る ﹂と し 、 ﹁ ら し い ﹂ ﹁よ う だ ﹂ ﹁そ う だ ﹂な ど は こ れ ら の文 脈 で 現 れ な い が 、 こ れ は ﹁モ ダ リ テ ィ 形 式 を 含 む 文 の話 者 が 、 命 題 が 表 現 す る 事 態 に 対 し て制 御 力 を 持 っ て い な い こ と に 由 来 す る ﹂ と 述 べ て お. のた め 日本 語 文法 ハ ンドブ ッ ク ﹄. (二 〇 〇 六 年 ) に お い て も. ら れ る 。 日 本 語 教 師 用 の 文 法 手 引 書 で あ る ﹃初 級 を 教 え る 人. ﹁ ∼ 出 す ﹂は 、 ﹁ ( 3) のよう な意 志表 現 とと も にはあ ま り使 われ ま せ ん﹂ と し、 次 の例文 が挙 げ られ てい る。. (3)6 時 頃 か ら 料 理 を { 作 り 始 め よ う / (? )作 り だ そ う }。. 以 上 のよう に、 開始 の ﹁ ∼ 出 す ﹂ は ﹁∼ 始 め る ﹂ と 異 な り 、. し か し 、 山 崎 氏 は ﹁自 己 の意 志 的 表 現 を 表 す 例 が あ った ﹂ と し. 意 志 の 表 現 を と り に く い こ と が そ の特 徴 と し て指 摘 さ れ て い る 。. グ レ ー の 背 広 を 着 込 ん だ 、 頑 丈 そ う な 体 つき の男 が ひ ど く. て次 のよ う な例 を挙げ てお られ る 。. った 。 ぼ く は く る り と 後 ろ を 向 い て 、 歩 き 出 そ う と し た 。. 自身 あ りげ に 、ぼ く に近づ いてく る。 男 の表情 がか ん に さわ. ﹁ ∼ 出す ﹂が. ﹁∼ ま し ょ う 、 ∼ ま せ ん か 、 等 の. 確 か に こ れ は 、 ﹁∼ 出 す ﹂ の意 志 の 表 現 で あ る と い え る 。 こ れ に つい ては、. 依 頼 、勧 誘 の表 現﹂ では 現 れな い ことか ら、 これ は特 殊 な例 で. 本 調 査 に お い て も 、 ﹁歩 き 出 そ う ﹂ の よ う な 意 志 表 現 が 見 ら. あ る と の位置 づ けが なさ れ て いる。. る4. 歩く3. 走 る1. 笑 うー ). ﹁ ∼ 出 そう ﹂。 いわゆ る意向 形 。. ( 九例. ︻内 訳 ︼ :駆 け. れ た 。確 認 さ れ た の は 、全 一七 例 で 次 の 三 つ の 形 に 大 別 で き る 。 1.. ック に 叫 び な が ら 、 ロ ー タ ー の 回 転 を あ げ つ つあ る ヘ リ に. 例 (6 ) 小 野 寺 の 腕 の後 ろ か ら 、 ぱ っ と と び 出 す と 、 ヒ ス テ リ. ﹁∼ 出 そ う と す. ︻ 内 訳 ︼:泣 く 5. 向 か っ て 走 り 出 そ う と し た 。 (﹃日 本 沈 没 ﹄). ﹁∼ 出 そ う ﹂ と い う 表 現 は 、 今 回 の 調 査 で は. る﹂ と いう 形 で全 て出現 し て いた。. 笑 う 2). 2 . ﹁∼ 出 し た い ﹂。 いわ ゆ る 願 望 形 。 (七 例. ( 8 )枯 れ 葉 が ハ ラ ハ ラ と 恨 一郎 と 玲 子 の頭 上 に 舞 い 落 ち た 。. ( ﹃ピ ン ク ・バ ス ﹄ ). 例 (7 ) サ エ コ は 急 に は し を 放 り 投 げ て 泣 き 出 し た く な った 。. 例. 11一.

(13) (一例. ︻内 訳 ︼ :咲 く ー ). 恨 一郎 は 泣 き だ し た か った 。 ( ﹃広 島 に 原 爆 を 落 と す 日 ﹄) ﹁ ∼ 出す つも りだ﹂. ( ﹃晩 菊 ﹄ ). (9 ) で も 、 私 、 これ か ら 咲 き 出 す つも り 、 生 き て ゐ る 甲 斐. 3. 例 にね。. こ ち ら が 不 利 に な る と は 考 え て は い な い ﹂ と 言 い 切 った 。. ﹁ ∼ 出す ﹂ に前接 す る動 詞 でそ の使. ﹁ ∼ 出す ﹂は 、意 志 表現 を とり に く い ことが 従. ( ﹃産 経 新 聞 ﹄ 二 〇 〇 五 年 十 月 二 二 日 東 京 版 朝 刊 ) このよ う に、. 来 指摘 さ れ てき て いるが 、. 用 の頻 度 が 高 い も の に つ い て は 意 志 の表 現 の 使 用 が 確 認 で き た 。. 更 に、 稿 者 の内省 に 基づ けば 、 これ ら の表現 は、 特 に不自 然 で. こ の例 は 意 志 表 現 と 考 え ら れ る が 、 こ の場 合 は 自 分 の こ と を 花 に たと えた 比 喩的 な言 い方 で、 小説作 品独 特 の修 辞的 な色 彩. 使 用が 避 け られ る べき も のでは な いよ うに 思わ れ る。 な お、 ﹁ (栖 ∼ 始 め る ﹂ の意 志 表 現 で 今 回 確 認 さ れ た も の は 一 で あ った 。. 六. ﹁∼ 出 す ﹂ と. ﹁ ∼ 始め る﹂ に前 接 す る動 詞に つい て小説 作 品. ま と め と 考察. が 強 く感 じ られ る。 ﹁駆 け る ﹂ 、 ﹁走 る ﹂ 、. ﹁ 泣 く ﹂ 、 ﹁咲 く ﹂ の 六 語 で あ った 。 こ. (9 ) に 見 た と お り 、 特 殊 な 表 現 で あ る こ. ﹁ 笑 う﹂ 、. 以 上、 意 志 表 現が 確 認 され た 語 は、 ﹁ 歩 く﹂ 、 の 中 で ﹁咲 く ﹂ は 例. と か ら 除 外 し て 考 え る と 、残 り の 動 詞 は 全 て ﹁四 、調 査 結 果 (二) 前 接 す る 動 詞 の 頻 度 に つ い て ﹂ の と こ ろ で 見 た 、 ﹁∼ 出 す ﹂ に. に お け る 用 例 調 査 を 行 った 結 果 、 次 の よ う な こ と が 明 ら か に な. ﹁ ∼ 始 める﹂ に前 接す る動 詞 に共 通. た 。 今 回 、 対 象 作 品 の中 か ら は こ れ ら の う ち ﹁ 言 う﹂と ﹁ 動 く﹂. 前 接 す る 動 詞 と し て の出 現 頻 度 が 高 い も の と 重 な る も の であ っ. ﹁∼ 出 す ﹂ と. った 。 開始 を 表す. に つ い て は 、 意 志 表 現 を 含 む 用 例 を 収 集 で き な か った が 、 次 に 示 す よ う な 使 用 例 も あ り 、 こ の 二 つに つ い て も 意 志 表 現 の使 用. ﹁動 く ﹂ 、. ﹁ 降 る﹂ 、. ﹁ 話 す ﹂ 、 ﹁鳴 る ﹂ 、 ﹁ 喋 る﹂ 、. ﹁ 流れ. す る も の は 、 今 回 の 調 査 で は 、 ﹁歩 く ﹂、 ﹁走 る ﹂ 、 ﹁泣 く ﹂ 、. る ﹂ 、 ﹁吹 く ﹂ 、 ﹁聞 こ え る ﹂ で あ り 、 そ の大 部 分 が 自 動 詞 で. (10 ) 首 相 は 通 常 国 会 終 了 直 後 の 一日 の記 者 会 見 で も ﹁民 営. は可 能 であ ると 考え られ る。 例. あ った 。 両 表 現 に は こ の よ う に 共 通 す る も のも 存 在 し た が 、 そ. ﹁ ∼ 出 す ﹂ に 比 べ、 多 種 多 様. った 使 用 は 見 ら れ な い 。 さ ら に 個 々 の 動 詞 の 形 に 着 目 す る と 、. で あ る 。 前 接 す る 動 詞 の 種 類 そ の も の が 多 く 、 一部 の 動 詞 に 偏. ﹁∼ 始 め る ﹂ に 前 接 す る 動 詞 は. よう な傾 向 であ る。. れ 以 上 に 各 表 現 に 前 接 す る動 詞 つ い て 特 徴 的 で あ った の は 次 の. 化準 備を 進 め るた め の公社だ と いう認識 を も ってもら い、. (﹃産 経 新 聞 ﹄. 本 格 的 な 郵 政 民 営 化 に 向 け 動 き 出 し た い ﹂ と 述 べ、 自 民 党 内 の抵抗 を 押し 切 る こと に自信 を 示し た。 二 〇 〇 二 年 八 月 一四 日 東 京 版 朝 刊 ). ﹁投 手 コ ー チ と 決 め た 。 会 議 では こ ち ら か ら 言 い. 例 (11 ) シ リ ー ズ 史 上 初 と な る 予 告 先 発 に つ い て 、 岡 田 監 督 は 会議 後、. い わ ゆ る サ 変 動 詞 や 、 複 合 動 詞 、 使 役 形 、 受 身 形 と い った 動 詞. ﹁フ ァ ン の た め に な る し 、. 出 そう と思 って いた﹂ と説 明。. 戦略 上 もプ ラ スに な ると思 って OKし た。 短期 決 戦だ し、. 一12一.

(14) ( 複合 動 詞後 項 )と し. て同 列 に学 習者 に提 示 さ れ る ことが多 いが、 先に 述 べた よう に. 一般 的 に 両 表 現 は 開 始 を 表 す 造 語 成 分. 始 を 表 す 造 語 成 分 と し て 広 い 汎 用 性 を 持 つ語 で あ る と い え る 。. 前 接 す る 動 詞 に は そ れ ぞ れ に 特 徴 的 な 傾 向 が あ る 。 よ って 、 学. ﹁∼ 始 め る ﹂ は 、 開. ﹁ ∼ 出 す ﹂ は 、 ﹁∼ 始 め る ﹂ と は 対 照 的 で あ った 。 前 接. の変 化 形 も 多 く 確 認 さ れ た 。 そ の意 味 で、. 一方 、. を 一般 的 な 開 始 を 表 す 造 語 成 分 と し て 提 示 す る の が 望 ま し い 。. 習 者 に は そ れ を 示 し た 上 で 、広 い 範 囲 で使 用 可 能 な ﹁∼ 始 め る ﹂. ま た 、 両 表 現 の 使 い 分 け の 一基 準 と し て 示 さ れ て い る 意 志 表 現. す る 動 詞 の種 類 は ﹁∼ 始 め る ﹂ に 比 べ 少 な く 、 そ の大 部 分 が 和. め る割合 も少 な い。 ﹁ 言 う (一三 二 例 )﹂、 ﹁歩 く ( 九 七 例 )﹂、. の使 用 の可 否 に つい ては、 ﹁ ∼ 出 す ﹂ の使 用 頻 度 の 高 い 語 (﹁歩. 語 動 詞 で あ り 、 サ 変 動 詞 や 複 合 動 詞 そ の他 の動 詞 の変 化 形 が 占. ﹁ 笑 う (六 九 例 ) ﹂ ﹁走 る ( 五 三 例 ) ﹂、 ﹁ 泣 く (四 八 例 ) ﹂ 、. き出す ﹂、 ﹁ 笑 い 出 す ﹂ な ど ) に つ い ては ﹁ ∼ そ う と す る ﹂ ﹁∼. 詞 の 形 式 に 着 目 し て 調 査 を 行 った 。. 今 回は 、 小説 作 品と いう 限 られ た資 料 を対象 に 、前 接す る動. 七 今後 の課題. と思 われ る 。. た い ﹂ 等 の表 現 で使 用 可 能 で あ る こ と を 示 す こ と も 有 効 で あ る. ﹁動 く (三 八 例 ) ﹂ と い った 自 動 詞 を. ﹁ 駆 け る (四 六 例 ) ﹂ 、. ﹁∼ 出 す ﹂ と い う 表 現 が あ る 種 の 決 ま った. 中心 と した これ ら の語 に突 出し て用例 が多 く、 極 度 の偏 りが観 察 され た。 これ は、. 動 詞 に つ い て か な り の頻 度 で 繰 り 返 し 使 わ れ て い る こ と を 意 味 し て い る 。 ﹁∼ 出 す ﹂ に は 慣 用 度 が か な り 高 い 組 み 合 わ せ が 存 在 し ている と いえ そう であ る。. 述 べ た が 、 両 表 現 の 違 い を 考 え る に 当 た っ て は 、 こ れ ら の持 つ. ﹁ は じめ に﹂ と の ころ でも. て も 、こ れ ら の語 に つ い て は 使 用 例 が 確 認 さ れ た 。こ の こ と は 、. 意 味 の違 い も 考 え る 必 要 が あ る 。 先 行 研 究 で は 、 こ の 点 か ら 両. ﹁∼ 出 す ﹂ は 一般 に と ら な い と さ れ る 意 志 表 現 に つ い. 使 用 頻 度 の高 さ と 関 係 が あ る の で は な い だ ろ う か 。 使 用 範 囲 の. また、. 広 い ﹁∼ 始 め る ﹂ は 開 始 を 表 す 造 語 成 分 が 付 着 し た 語 で あ る と. は 、 今 後 、 副 詞 や 形 容 詞 を 含 む 修 飾 成 分 、 及び 両 表 現 が 使 わ れ. 表現 の使 い分 け に 言 及 し て い るも の もあ る 。 こ の点 に つい て. て いる文 脈 の調査 から 分析 を 試 みた いと 考え て いる 。ま た、 こ. 見 る の が ふ さ わ し い が 、こ れ ら の場 合 は そ の よ う に 見 る よ り も 、. れ と平行 し て、 調査 対 象資 料 を更 に広 げ て いく必 要 があ る。 新. (一語 ) で あ る と 捕 ら え た 方 が い い のか も. む し ろ 一体 化 し た 語. ﹁∼ 始 め る ﹂ よ り も 前 項 、 後 項 の 結. ﹁ ∼ 出す ﹂ には. 聞 記 事 や 論 説 等 対 象 と す べ き 言 語 資 料 は 多 く 残 さ れ て い る。 今. し れ な い 。 開 始 の ﹁∼ 出 す ﹂ ﹁∼ 始 め る ﹂ を 二語 の複 合 と 考 え た場 合 に、. 後、 現 場 の指導 に活か す べく、更 に多 く の用例を 収 集 し、総 合 的 に検 討し ていき た い。. 合度 が強 く 、複 合 の進 んだ 段階 に位 置 し て いる語 が存 在 す ると. 以上 のことを 踏 まえ て 日本 語教 育 の現 場 におけ る 応用 を考 え. 考 え ら な いだ ろ う か 。. た場 合、 次 のよ うな ことが 考 えら れ る。. 13一.

(15) (1 )松 田文 子 氏 ﹃日 本 語 複 合 動 詞 の習 得 研 究 ﹄ (ひ つじ 書 房. 注. 年). 二〇 〇 四. (2 )韓 国 語 学 習 者 の実 態 に つい て は 白 以 然 氏 ﹁ 複 合 動 詞 ﹃∼ 出 す ﹄ ・ ﹃∼. 第 8巻 ﹄ お 茶 の水 女 子 大 学. 二 〇 〇 五 年 ) に 詳 し い論. 始 め る﹄の 習 得 - 韓 国 語 を 母 語 と す る学 習 者 の意 識 を 中 心 に ー ﹂(﹃人 間文化論 叢 考 が あ る。 一九 八 七 年 ) に よ れ ば 複 合. 動 詞 構 成 要 素 と し て の ﹁∼ 出 す ﹂ は ﹁∼ 得 る ﹂ と 並 び 使 用 頻 度 第 一. (3 ) ﹃複 合 動 詞 資 料 集 ﹄ ( 国 立 国語 研 究 所. (注 (1) ) に お い て、 複 合 動 詞 ﹁∼ こむ ﹂ の. 位 であ る 。 な お 、 こ こ で の ﹁∼ 出 す ﹂ に は 開 始 以 外 の意 味 を 持 つ も のも 含 ま れ る 。 (4 ) 松 田 文 子 氏 は前 掲 書. ﹁語 の意 味. 習 得 研 究 を 行 う に 当 た って 、 ﹁母 語 話 者 と 同 じ よ う に適 切 文 を 適 切 だ と判 断 し 、 非 適 切 文 を 非 適 切 だ と 判 断 で き る こと ﹂ を を 知 って い る こ と ﹂ と 定 義 し てお ら れ る。. 本 語 ・日本 文 化 ﹄ 大 阪 外 国 語 大 学. ↓九 六 九 年 ) 一九. (5 )寺 村 秀 夫 氏 ﹁ 活 用語 尾 ・助 動 詞 ・補 助 動 詞 と ア ス ペ ク ト ω ﹂ (﹃日. 八四年) ﹁ほ と ん ど の日 本 人が お か し いと 感 じ. (6 )寺 村 秀 夫 氏 ﹃日 本 語 のシ ンタ ク スと 意 味 目﹄ (く ろ し お 出 版. (7) な お 、 寺 村 氏 の用 例 では 、. (9) を参 照 の こ と 。. 一九 九 二年 ) な お 、 寺 村 氏 の論 考 は 注 (6 ) を 、 山 崎 氏 の. (く ろ し. ( ﹃阪 田 雪 子 先 生 古 希 記 念 論 文 集 日. 一九 九 五 年 ). る ﹄ ﹃∼ 出 す ﹄ の 用 法 比 較 1 ﹂. (9) 山 崎 恵 氏 ﹁開 始 の 局 面 を 取 り 立 て る 局 面 動 詞 に つ い て ー ﹃∼ 始 め. 本 語 と 日 本 語 教 育 ﹄ 三省 堂. お出 版. (10 ) 益 岡 隆 志 氏 ・田 窪 行 則 氏 ﹃基 礎 日 本 語 文 法 - 改 訂 版 1 ﹄. 論考は注. 調 査 では 一八九 八年 を 対 象 資 料 選 定 の上 限 と 設定 し た 。. (上 ) の み. (下 ) が 青. (11 ) 上 級 学 習 者 が 近 代 小 説 を 読 む 可 能 性 は 十 分 に あ る こ と を 考 え 、 本. (上 ). (12 ) 青 空 文 庫 の ホ ー ム ペ ー ジ ア ド レ スは 以下 の 通 り で あ る 。 げ暑 \\遷 華8No﹁即αqこb\. ( 上 ) (下 ) 、 第 二 部. (下 ) 悪 道 の巻 が シ リ. 空 文 庫 で閲 覧 可 能 と な っ て い る が 今 回 の 調 査 で は 第 一部. (13 ) ﹃夜 明 け 前 ﹄ は 、 第 一部. を使用した。. (1 ) ∼ (3 ) が. ー ズ と し て既 刊 とな って い る が 今 回 の調 査 で は (上 )迷 路 の巻 の み. (14 ) ﹃お 江 戸 探 索 御 用 ﹄ は 、 (上 ) 迷 路 の巻 、. を使用した。. (15 ) ﹃三 人 の悪 党 ∼ き ん ぴ か ∼ ﹄ は 光 文 社 文 庫 で は. て い る た め 、今 回 の 調 査 で は (1 ) の み を使 用 し た 。. 既 刊 と な って い るが 光 文 社 電 子 書 店 か ら は (1 ) の み の 刊 行 と な っ. て分 類 を 行 い、 そ の終 止 形 を 表 示 し た 。 よ っ て、 例 え ば. ﹁す べ る ﹂. (16 ) こ こ では 、 前 接 す る 動 詞 の基 本 形 では な く 、 出 現 し た 形 式 に よ っ. と ﹁ す べ ら せ る ﹂ のよ う な 例 は 別 語 と し て カ ウ ント さ れ て い る 。 ま. ﹁? ﹂ が 使. るも の﹂ に ﹁*﹂を 、 ﹁人 に よ って 判 定 が か な り違 う も の﹂に は ﹁? ﹂ が つけ ら れ て い る。 以降 、 引 用 し た 各 論 考 に お い ても 、. つ い て は代 表 的 な も の で 統 一し た が 、 原 則作 品 の 表 記 に 従 った 。. ﹁ 行 った り 来 た り す る ﹂ な ど. ﹁す る ﹂ を 含 む. ﹁話 を す る﹂. た、 語の表記は、同じ意味 用法と考 えられるも ので複数 あるも のに. (18 ) に 分 類 さ れ る サ 変 動 詞 以外 の 動 詞 。. や ﹁ざ わざ わ す る ﹂ 、. (18 ) ﹁演 奏 す る ﹂ の よ う な ﹁漢 語 +す る﹂ の も の の ほ か 、. (17 ) 注. わ れ て い る が 、 これ も 同 様 に 、 人 に よ って 判 断 が 分 か れ る 、 自 然 と. 一九 九. は 言 い難 い表 現 で あ る こと を 示す 記 号 であ る 。 (8 ) 姫 野 昌 子 氏 ﹃複 合 動 詞 の構 造 と意 味 用 法 ﹄ (ひ つ じ書 房 九年). 語 を こ こ に分 類 す る 。. 一14一.

(16) ・こ の試 み は 次 第 に 成 功 し ま し た 。 初 め のう ち 融 合 し に く いよ う. に 見 え た も のが 、段 々 一つに 纏 ま って来 出 し ま し た 。 彼 は 自 分 以外. (19 ) こ こ に は ﹁痙 攣 さ せ る﹂ 一例 が 含 ま れ る 。. に 世 界 のあ る事 を 少 しず つ悟 って ゆ く よ う でし た 。 (﹃こ ころ ﹄)。. する2. 注目 す る. 思われる. 騒がれる. 貧乏 に. 京都大 学). お られ る 。. (角 川 書 店. 一九 九 一年 ). 一九 九九. ﹃言 語 研 究 ﹄. (﹃阪 田雪 子先 生 古 希 記 念 論 文 集 日. ﹁開 始 の局 面 を 取 り 立 て る 局 面 動 詞 に つ い て ⋮ ﹃∼ 始 め. 一九 九 五 年 ). ﹁∼ ハジ メ ル は 、 一般 に 、 笑 ウ 、 泣 ク 、 腹 ガ 立 ツ 、. ン ト ロ ー ル でき な い よ う な も の に は 使 え な い よ う であ る ﹂ と 述 べ て. ム シ ャ ク シ ャ ス ル 、 な ど 、 人 の 心 身 の動 き で 、 反 射 的 な 、 自 分 で コ. わ れる﹂とし、. ∼ ハ ジ メ ル よ り も 突 然 、 だ し ぬ け に 、 と い った 感 じ が 強 いよ う に 思. (31 ) 寺 村 秀 夫 氏 は 前 掲 論 文 (注 (6 )) に お い て 、 ﹁∼ ダ ス は 、 ま た 、. ( ﹃銀 行 喰 い ﹄ ). 五 億 円 で、 さ っ そ く そ の 日 洋 紡 株 を 買 い は じ め よ う と い う のだ 。. 熊 井 は 、 日 洋 紡 の株 は 儲 か る と い って い た 。 熊 井 か ら 受 け 取 った. 葉 が 忘 れ ら れ な か った 。. ・三 日 前 、 料 亭 谷 川 で、 鬼 頭 、 熊 井 と 会 った さ い 、 熊 井 の い っ た言. (30 ) 用 例 を 示す 。. 本 語 と 日 本 語 教 育 ﹄ (三 省 堂. る ﹄ ﹃∼ 出 す ﹄ の用 法 比較 1 ﹂. (29 ) 山 崎 恵 氏. ニ○ 〇 六 年 ). る人 のた め の 日 本 語 文 法 ハ ン ドブ ック ﹄ (ス リ ー エ ー ネ ット ワー ク. (28 ) 庵 功 雄 氏 ・高 梨 信 乃氏 ・中 西 久 実 子 氏 ・山 田敏 弘 氏 ﹃初 級 を教 え. (一九 九 三 年. (27 )今 井 忍 氏 ﹁複 合 動 詞 の多 義 性 に 対 す る認 知 意 味 論 に よ る アプ ロ ー チ !. 年). (26 ) 姫 野 昌 子 氏 ﹃複 合 動 詞 の 構 造 と 意 味 用 法 ﹄ (ひ つ じ 書 房. (25 ) 森 田 良 行 氏 ﹃基 礎 日 本 語 辞 典 ﹄. な お 、こ の よ う な 表 現 は ﹁∼ 始 め る﹂に つ い ては 確 認 さ れ な か った 。. (20 ) こ こ に は ﹁こだ ま さ せ る﹂ 一例 が含 ま れ る 。. 話を す る. 説 明す る. 1. ﹁∼ 出 す ﹂ に 前 接 す る サ 変 動 詞 一覧 (算 用 数 字 は 用 例 数 。 記 載 の. (21 ) 各 形 式 に つい て 確 認 さ れ た も の は 以 下 の 通 り 。. な い も のは 一例 を 表 す 。) 心 配す る. 殺到 す る 加勢 をす る. 圧迫 する. 哀 願す る. おそわれ る. 論じ合. そ わ そ わ す る 4 / の つそ つす. 連 想す る/云 々する/ 顔を す る ( 何 をし出すか)/ いらいらする 2. たてこむ. ﹃∼ 出す ﹄ の 起 動 の意 味 を 中 心 に し てi. 建ち並 ぶ. 2. 奉公す る. 立 ち こめ る. る. 嗅ぎ 回 る. 2 . ﹁∼ 出 す ﹂ に 前 接 す る 二語 の複 合 動 詞 一覧 光り輝く2 , つ. 覆われる. 3 . ﹁∼ 出 す ﹂ に 前 接 す る使 役 形 ・受 身 形 動 詞 }覧 謡われる. 満席にな る*. 歓 迎されなく なる *. 状態にな る *. 強くな る. 4 . ﹁∼出 す ﹂に 前 接 す る ﹁∼ な る﹂ を と も な う表 現 一覧 (* は ﹃日. な お 、 ﹁∼ 出 す ﹂ で確 認 でき た も の は 全 て受 身 形 で あ った 。. 噂 になる. しげ くなる. 気 にな る. 暗くな る*. 本 沈没﹄からの用例). なる. (22 ) お お よ そ の 割 合 を 示 す 。 小 数 点 第 二 位 以 下 は 切 り捨 て た 。 (23 ) こ こ には ﹁こ だ ま さ せ る ﹂ 、 ﹁痙 攣 さ せ る ﹂ の 2 例 が サ 変 動 詞 で あ り 、 使役 形 で も あ る た め そ れ ぞ れ重 複 し て含 ま れ て い る 。 (24 ) こ こ に含 ま れ る の は 、 ﹁∼ て し ま う ﹂ と ﹁∼ て く る ﹂ を 伴 った 表 現 である. よ うだ った。赤 いブ レーキ ラン. ・残 り の時 間 が 短 く な ると 、 修 二 の 焦 り は 勢 いを 増 し て 深 く な っ. た 。心が身体とずー. (﹃ラ スト ラ イ ド ﹄). プ を確認して いるのに、危う く前のタク シーに追突 しそう になる。. 15一.

(17) 森 田良 行 氏 は 、 ﹁∼ 出 す ﹂ が 意 志 表 現 を と ら な い こと の 理由 と し. ﹁1 出 す ﹂ は ﹁考 え 出 す 、 思 い出 す ﹂の よ う に 、。 事 柄 の発 生 、. て 、 前 掲 書 (注 (20 ) ) に お い て 次 の よ う に 述 べ て お ら れ る 。. 形成 " の意 のあ る点 、﹁1 始 め る ﹂と 異 な る 。﹁1 出 す ﹂は無 の状 態 、 現 れ て い な い状 態 の も のが お のず と 顕 在 化 し 、 動 作 ・状 態 の 変 化 と. (8 )) に お い て 、 同 様 に ﹁∼ 出. し て 形 を な す と いう 気 分 が 強 い 。。 開 始 " よ り は。 新 た な 事 態 の成. ま た 、 姫 野 昌 子 氏 も 前 掲 書 (注. 立 " の意 識 が強 い 。. ﹁ 出 す ﹂ の 基本 的 意 味 であ る ﹁外 部 への移 動 ﹂ は 、 ﹁開 始 ﹂ の. す ﹂ の持 つ ﹁ 突 発 性 ﹂、 ﹁不 測 性 ﹂ に 言 及 し てお ら れ る。. 場 合 に も 意 味 の根 底 に お い て 引 き 継 が れ、 連 続 し て い る 。内 部 に. こと が 始 ま る と い う 事 態 は 容 易 に想 像 さ れ る こ と で あ る。 そ こ に. 込 め られ て い た も の が 、 何 か の き っか け か ら ど っと 外 部 に 出 て、. は 、 人 為 的 な 力 の作 用 と い う よ り は 、 内 部 か ら あ ふ れ た 自 然 な エ ネ ルギ ー の流 出 が感 じ ら れ る。. 本 稿 は 、 二 〇〇 六 年 度慶應 義 塾 大 学 日本 語 ・日 本 文 化 教 育 セ ン タ ー 日 本 語. 付記. 教 育 学 講 座修 了論 文 の 一部 を 修 正 ・加 筆 し 、 再 構 成 し た も の で あ る 。. 一16一.

(18)

Referensi

Dokumen terkait

Yuntho, Emerson, et al., 2014, Hasil Penelitian Penerapan Unsur Merugikan Keuangan Negara Dalam Delik Tindak Pidana Korupsi Policy Paper Indonesia Corruption Watch 2014,

Girsang, Juniver, 2010, Implementasi Ajaran Sifat Melawan Hukum Materiel Dalam Tindak Pidana Korupsi Dihubungkan Dengan Putusan Mahkamah Konstitusi Republik Indonesia Nomor:

Penerjemahan setia dari kalimat TSu This is why orthodox Islam has never had a Church or a Synod that could dictate what others should and should not believe

Sehubungan dengan hal itu, penelitian ini merupakan studi yang memaparkan dan menganalisis dua tipe produk terjemahan, yaitu versi harfiah dan bebas, dari Alkitab terjemahan

Merujuk pada pertimbangan tersebut, maka lokasi yang dapat diwujudkan untuk kebutuhan ruang terbuka hijau publik bagian wilayah kota, diantarnya adalah : Ruang Terbuka

Namun, kata Rizal, ditegaskan kepada Dirut Bank Mandiri ICW Nelloe agar tak boleh ada dana keluar (penarikan dana) sedikit pun.”Dan ternyata dalam waktu

Banyak dana talangan bank century yang tidak sesuai dengan keadaan yang sebenar nya, dalam masalah century ini sebenar nya adalah masalah krisis keuangan yang dialami oleh

(a) Deputi Gubernur BI bidang Pengawasan Perbankan Dra Sti Chalimah Fadjriah, MM sudah mengemukakan di depan rapat KSSK tanggal 20 November 2008 itu bahwa sebaiknya Bank Century