Junyu ni kansuru joho seisaku no tame no kiso kenkyu : ikuji zasshi ni okeru bonyu daiyohin kokoku no ryoteki shitsuteki bunseki junyu ni kansuru daigakusei no keiken, ninshiki, shorai no tenbo
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(2) SFC-SWP 2012-004. 乳授乳 に関する情報政策のための基礎研究 -育 児 雑 誌 にお ける母 乳代 用 品広告 の量 的 ・ 質 的 分析. 授 乳 に 関 す る大 学 生 の 経 験 、認 識 、将 来 の展 望2011年. 度. 秋 学期 AUTUMN. ス 〇 一〇 切 ¶ 6 ︾ O 暫 臨 O 昌 一一〇 腕 O O 一㊦ 噂︽ H. 本郷 愛実. 総合政策学部4年. 秋 山 美 紀 研究会 慶應義塾 大 学湘 南 藤 沢 学 会.
(3) 推 薦 の ことば. 世 界 保 健 機 構(WHO)を. 中 心 に グ ロ ー バ ル に そ の 意 義 が 共 有 され て い る母 乳 育 児 推 進. の動 き を 踏 ま え 、 著 者 の 本 郷 愛 実 は 大 学4年. 間 一 貫 して 、 日本 で の 状 況 改 善 の た め の 研 究. に 取 り組 ん で き た 。 そ の 集 大 成 で あ る 本 論 文 は 、 わ が 国 で の 人 工 乳 マ ー ケ テ ィ ン グ の 現 状 分 析 、母 乳 育 児 の 普 及 啓 発 の実 践 、 政 策 立 案 に 至 る ま で 、 多 面 的 か つ 厚 い考 察 か ら構 成 さ れ て い る 。 授 乳 に 関 す る 情 報 を い か に社 会 一 般 や 特 定 の 集 団 に 届 け て い くか と い う情 報 政 策 を 考 え る上 で 、 足 が か り とな る基 礎 的 な デ ー タ を 提 示 した 点 で 高 く評価 で き る 。 本 研 究 中 の 育 児 雑 誌 の 広 告 分 析 は 学 会 発 表 等 も経 た 水 準 の 高 い調 査 研 究 で あ るが 、 単 な る 調 査 に と ど ま らず 、解 決 策 と して 、啓 発 マ テ リ ア ル や 新 法 案 の 提 案 ま で を も含 ん で い る 。 特 に 啓 発 マ テ リア ル の 完 成 度 は 高 く、 実 際 の 診 療 現 場 で 産 婦 人 科 や 小 児 科 医 に 利 用 さ れ る に 至 っ て い る 。 ま た 本 人 自 身 が 、 母 乳 育 児 に関 す る 国 際 大 会 へ の 参 加 や 啓 発 活 動 の 実 践 も 活 発 に行 って き た 。 ま さ にSFCが. 目指 して い る 、 実 践 が 伴 っ た 問 題 解 決 の た め の研 究 と し. て 位 置 づ け られ る 。 調 査 と分 析 の 手 法 、 先 行 研 究 との 比 較 、 厚 い考 察 、 さ ら に効 果 的 な 啓 発 方 法 や 提 言 に 至 る ま で 、 熟 度 が 高 く、 大 学 院 の 論 文 に 比 肩 し う る 大 変 優 秀 な 論 文 で あ る た め 、 こ こ に推 薦 す る次 第 で あ る。. 慶應 義塾大学 総合政策学部 准教授 (現 環境情報学部) 秋 山美紀.
(4) 授 乳 に 関 す る情 報 政 策 の た め の基 礎 研 究 育 児 雑 誌 に お け る母 乳 代 用 品 広 告 の 量 的 ・質 的分 析 授 乳 に 関す る大 学 生 の経 験,認 識,将 来 の展 望. 慶應義塾大学総合政策学部. 秋 山美紀研究会. 本郷愛実. 授乳. 母乳. Keywords 国 際規準 育児雑 誌. 学 籍 番 号:70807280. CNS名:sO8728mh. 提 出 日:2012年1月21日. 大学 生.
(5) 要旨. 本 論 文 は二つ の研 究 を含 む 。 第 一 の研 究 で は 、育 児 雑 誌 にお け る母 乳 代 用 品 の広 告 の 実 際 を把握 す る こ とを 目的 に2008年 10月 か ら2009年3月. の 間 に 日本 で 発行 され た 育児 雑 誌12誌(52冊)に. お け る母 乳 代 用 品広 告 の. 量 お よび 内容 を分 析 した。 母 乳 代 用 品 広 告 の 定 義 お よび 内容 の 分析 項 目は 日本 を含 む 全 加 盟 国 が 世 界保 健 総 会 に て1994年. に採 択 した 「 母 乳代 用 品 の マ ー ケ テ ィ ン グ に 関す る 国際 規 準 」 を 参 考. と した 。 同規 準 は乳 児 の 健 康 に関 わ る製 品 の マ ー ケ テ ィ ング の適 正 化 を 目的 に 、消 費 者 一 般 へ の 母 乳 代 用 品 の広 告 や 試 供 品 の提 供 等 を規 制 して い る。雑 誌 の全 面積 に対 す る該 当広 告 の面 積 を測 定 し、ま た 内容 分 析 は4人 の調 査 者 で行 っ た。 対 象 雑 誌 の うち、8割 の雑 誌 で は母 乳 代 用 品 の 広 告 が 存 在 し、雑 誌1冊 の総 面 積(1頁 の面 積 ×頁 数)あ た り、平 均1.7%(最. 小0.06%;最. 大5.2%). の広 告 面 積 の 記 載 が 明 らか に な った 。 対象 読者 を妊 娠 中 とす る雑 誌 の方 が産 後 か ら と比 較 して 有 意 に哺 乳 び ん ・人 工乳 首 の広 告 記 事 数 が 多 く、乳児 用 調 整 粉 乳 の広 告 に は差 が 認 め られ な か っ た 。 広 告 には 乳 児 の写 真 や 絵 、 「 母 乳 に近 い 」 な どの 文 言 が使 用 され てお り、 キ ャ ンペ ー ン を付 加 し て い る もの も あ った 。 政府 報 告 で は 各企 業 が一 般 雑 誌 へ の広 告 を 自主 規 制 して い る こ とに な っ て お り、 現 状 の把 握 及 び 日本 の社 会 的 法 的枠 組 み に そ つ て 同規 準 に効 力 を もた せ るた め の対 策 が 求 め られ る。. 第 二 の 研 究 で は 、 大 学 生 の 男 女 の 授 乳 に 関 す る経 験 、 認 識 、 将 来 の 展 望 を 把 握 す る こ と を 目的 に291名. の 大 学 生 に ア ン ケ ー ト調 査 を 実 施 し た 。275名(94.5%)の. 回答 が あ っ た。 質 問 は属 性 、. 授 乳 に 関 す る 経 験 、 将 来 子 ど も を も つ と仮 定 し た 場 合 の 授 乳 方 法 の 希 望 と そ の 可 能 性 の 予 測 、 認 識/態 度 を測 る 日本 語 版lowa. Infant. Feeding. Attitude. Scale(IIFAS)の4つ. の パ ー トに 分 か れ て. い る 。 全 体 的 に 公 共 の 場 で 乳 児 が 母 乳 を 飲 ん で い る 様 子 を 見 た こ と が あ る 人 の 割 合 は 粉 ミル ク を 飲 ん で い る 様 子 を 見 た こ と が あ る 人 の 割 合 よ り も低 か っ た 。 女 性 の 方 が 授 乳 の 様 子 を 目 に し た 頻 度 が 多 く 、 母 乳 へ の 希 望 と可 能 性 、IIコFASの 合 計 点 は 高 か っ た 。 IIコFASの 合 計 点 は 家 族 知 人 の 中 で 母 乳 の 様 子 を 見 た 頻 度 な ど 多 数 の 項 目 と相 関 が 見 られ た 。 母 乳 を 飲 ん で い た 期 間 、 家 族 知 人 の 中 ・メ デ ィ ア で 母 乳 を飲 ん で い る様 子 を 見 た 頻 度 は 母 乳 へ の 希 望 と正 の 相 関 を な し、 家 族 知 人 の 中 で 母 乳 を 飲 ん で い る 様 子 を 見 た 頻 度 は 粉 ミル ク へ の 希 望 と可 能 性 と負 の 相 関 を な した 。 各 自 が 評 価 した 母 乳 、 粉 ミル ク 、 混 合 へ の 希 望 と 可 能 性 を 比 較 し、 相 対 的 希 望 と相 対 的 可 能 性 の 組 み 合 わ せ に よ り分 類 し た と こ ろ 、 分 類 に よ っ て 傾 向 の 違 い が 見 られ た 。 大 学 生 は 将 来 子 育 て を 担 う 当 事 者 と も、公 共 や 職 場 の一 員 と して 当事 者 の環 境 の構 成 員 とも な る可 能 性 が あ る。観 察 経 験 の機 会 の増 加 及 び授 乳 方 法 の利 便性 、公 共 で の授 乳 、仕 事 との両 立 等 に関 す る認 識 へ の働 きか け が母 乳 育 児 に 対 す る 好 印 象 及 び 可 能 性 の 評 価 の 向 上 に つ な が る こ とが 示 唆 さ れ る 。. 授 乳 に 関 す る情 報 をい か に 社 会 一 般 や 特 定 の集 団 に 届 け て い くか とい う情 報 政 策 を考 え る 上 で 、 足 が か りとな る基礎 的 なデ ー タを提 示 で き る こ とを期 待 して い る。. 1.
(6) 目次 旨 要 1. 次 目 2. 7. は じめ に 7. 日本の母乳育児率. 8 8. 母乳育児支援の疫学的根拠. 9. 母乳育児支援の介入方法 本 論 文 の 目的 10. 資ー 料. 参 考文 献. 14. ーは じ め に ー. 育児雑 誌 にお ける母 乳代用 品広告 の量的 ・質的分析. 第1章 1.背 <先. 16. 景 と 日的. 16. 行 研 究 レ ビ ュ ー>. 17. Y.. 情 報 源 と して の 育児. 2.. 授 乳 と描 写 ・情 報 と メ デ ィ ア. 17. A. 17. 3.勉 分 野 の雑誌 広 告 と の類 似. 1S. 4. β本国内の「国際規準」 に脚する研究. 18 9 1. 2.方. 法 9 1. 1.広. 告 の 定 量 分 析 一方 法 一 9 1. 〈対 象 雑 誌 ・広 告 〉. 9 1. 〈分 祈 〉. 0 2. 告 の 内 容 分 析 一方 法 一. 0 2. 2.広. 0 2. 〈対象広 告〉 〈分祈 〉. -占 2 2. 3.結. 果 告 の 定 量 分 析 一結 果-. 2.広. 告 の 内 容 分 析 一結 果 一. QU 2. 1.広. 24. 4.考. 察 24. 〈本 研 究 の ま とめ 〉. 24. 〈先行 研 究 か ら 〉. 25. 〈限 界 と 可能性 〉. 2.
(7) 6 2. 5-結. 論. 7 2. 図表. 資 料2. 雑 誌 ・広 告 ・内 容 の も の さ し. 5 3. 資 料1. 5 3. 1. 雑 誌 の選 出 方 法. 6 3. II.広 告 の選 出 方 法. 8 3. III.広 告 内 容 の 選 出 方 法. 9 3. 参考 文献. 授 乳 に 関 す る 学 生 の 経 験,認 識,将. 来 の展 望. 41. 第2章. ー第1章-. 41. 1. 背 景 と 目的 43. 2. 手法. 43. 〈対象者〉. 妬. 〈質問紐 〉. 妬. 〈日 本語版ス ケ ール の 信 頼性 〉. 妬. 〈倫理 的配慮 〉. 妬. 〈統 計 〉. 47. 3.結. 果 哲. 1.. 回収率 及 び参加者 の属性. 〃. 〈回収 率 〉. 〃. 〈参加者 の属性 〉. 49. 2.授. 乳 に 関す る生育経 験. 49. 〈乳児期 〉. 53. 〈授乳に関する観察経験 〉. 57. 3.性. 別 と各 項 目の 関 連 59. 4.IIFASス. 将 来 の 授 乳 方 法 の 希 望 ・可 能 性 との 関 連 要 素. 62. 5.. コ ア との 関 連 要 素. 碑. 〈授 乳方 法別 にみた希望 と可能性〉. 刀. 〈相 対 的 希 望 と 可能性 の変 移 パ タ ー ン に よ る分 類 〉. 78. 4.考. 察 昭. 〈本研究のまとめ と先行研究〉. 別. 〈研 究 の限界 〉. 82. 5.結. 論 一第2章. 83. 参考 文献. 一. 3.
(8) 5 8 5 8. お わ りに. 7 8. 関連 ア ク ター. 五つの政策提言. 8 8. 〈公 業 へ の啓 発活 動 〉. 8 8. 〈若 い 世 代 へ の 啓 発 ・教 育活 動 〉. 1 9. 〈医療 の標準化 〉. 2 9. 結語 参考文献. 1 9. 〈母 乳 代用品 に関する 効 力 の あ る取り 決 め の制 定 〉. 9 8. 〈妊娠 中の女性への母乳に関する 情報提供〉. 93. 一お わ り に 一. 付 録 資 料1. 「赤 ち ゃ ん と 自 分 の 力 を 信 じ て 」 妊 娠 中 の 女 性 向 き リ ー フ レ ッ ト......95. 付 録資料2. 「健康 増進 法の一部 を改正 す る法律 」案. 謝辞. 96 100. 4.
(9) ∩V ー. 母 乳 育児 に関す る妊 娠 中の 考 え. 図1. 図III母. 乳 栄 養 率(1ヵ. ーム 1⊥. 乳 期 の 栄 養 法(月 齢 別). ( U 1. 図II授. 月 時)の 推 移. 図2-1. 母 乳 を飲 ん だ経験 の有無. 図2-2. 乳児 期 の主 な授乳 方法. 1 5. 製 品種類 別 の該 当広 告面積 割 合 の内訳. 9 4. 図1-2. 0 QU. 企業 別 の該 当広告 面積 割合 の内訳. Qり 9酬. 図1-1. 1 5. 乳 を飲 ん で い た 期 間(生 後). 図2-4授. 乳 観 察 経 験(母 乳 育 児). 図2-5授. 乳 観 察 経 験(粉. 図2-6授. 乳 観 察 経 験(家 族 ・知 人). 図2-7授. 乳 観 察 経 験(公 共). 図2-8授. 乳 観 察 経 験(メ. 4 5. 図2-3母. 4 5. ミル ク) 5 5 5 5 5 5. デ ィ ア) 5 5. 図2-9. 3場 面 中 、 そ の 授 乳 の 様 子 を 一 度 で も 見 た とい う場 面 数 5 5. 3場 面 中 、 そ の授 乳 の 様 子 を数 回 ま た は 頻 繁 に 見 た とい う場 面 数. 図2-11. 母 乳 と粉 ミル ク の 相 対 的 可 能 性 の 分 か れ 目(母. 図2-12. 母 乳 と混 合 の 相 対 的 可 能 性 の 分 か れ 目(母 乳 希 望 か ら). 3 7. 図2-10. 乳 希 望 か ら) 4 7 5 7. 図2-13母. 乳 と粉 ミル ク の 相 対 的 可 能 性 の 分 か れ 目(粉 ミル ク希 望 ・同 程 度 の 希 望 か ら). 図2-14母. 乳 と粉 ミル ク の 相 対 的 可 能 性 の 分 か れ 目(同 程 度 の 希 望 か ら 同 程 度 ・粉 ミル ク可 能 性)。.76. 図2-15母. 乳 と混 合 の 相 対 的 可 能 性 の 分 か れ 目(同 程 度 の 希 望 か ら 同 程 度 ・混 合 可 能 性). 図2-16母. 乳 と粉 ミル ク の相 対 的 可 能 性 の 分 か れ 目(同 程 度 の 希 望 か ら母 乳 ・粉 ミル ク 可 能 性).-_77. 図2-17母. 乳 と混 合 の 相 対 的 可 能 性 の 分 か れ 目(同 程 度 の 希 望 か ら母 乳 ・混 合 可 能 性). 76. 77 6 8. 関 連 ア ク ター の概 念 図. 図V統. 合的行動モデル. 0 9. 図IV. 5.
(10) 9臼 1⊥. 「 母 乳 育 児 成 功 の た め の10か. 表1. 条」. 表1-1. 対象 雑誌. 表1-2. 広告 面積 の測 定. 表1-3. 製 品種 類 と対 象読者. 表1-4. 広告種 類 と対 象読者. 表1-5. 対象雑 誌詳 細. 表1-6. 内容 分析 シー ト. 表1-7. 内 容 分 析:項. 表1-8. 内容 分析:文 言 集 計. 表2-1. 集 計場 所 と配布 ・回収数. 表2-2. 学生 生活 の三側 面 にお け る傾 向(仮 説). 表2-3. 配布場 所別 の回収 率. 表2-4. 参 加者 の属 性. 表2-5. 学 年 と配 布 場 所 の ク ロ ス 表. 7 2. 「 母 乳代 用 品の マー ケテ ィ ングに 関す る国際 規準 」要 旨. 00 -. 表II. 7 2 7 2 8 2 0 3 2 3 3 3. 目数 集 計 5 3 4 4 4 4 7 4 7 4 8 4 1 5. 表2-6主. な 授 乳 方 法 とそ の 理 由 6 5. 主な授 乳方 法 に よる観 察経験 の平 均値 比較(母 乳 と混 合). 表2-8. 主な授 乳方 法 に よる観 察経験 の平 均値 比較(粉 ミル ク と混 合). 表2-9. 性 別 に よる将 来の授 乳 方法 の希 望 と可能性 の 平均値 比較. 6 5. 表2-7. 8 5 9 5. 表2-10IIFAS合. 計 点 の統計 量 9 5. IIFAS合. 計点 との関連項 目. 表2-12. 性 別 に よ るIIFAS合. 表2-13. 主 な授 乳 方 法 に よ るIIFAS合. 表2-14. 授 乳方 法 の希望 と可能性 間 の相 関. 表2-15. 主 な授 乳 方 法 に よ る希 望 ・可 能 性 の 平 均 値 比 較(母. 乳 と粉 ミル ク). 表2-16. 主 な授 乳 方 法 に よ る希 望 ・可 能 性 の 平 均 値 比 較(母. 乳 と混 合). 表2-17. 授 乳 方 法 の 希 望 ・可 能 性 との 関連 項 目. 1 6. 表2-11. 計 点 の比較 1 6. 計 点 の比較 2 6 4 6 5 6 7 6 9 6. 察 頻 度 別 に み た 希 望 ・可 能 性. 表2-19観. 察 経 験 場 面 数 と授 乳 方 法 の 希 望 ・可 能 性 との 相 関. 0 7. 表2-18観. 2 7. 母 乳 ・粉 ミル ク:相 対 的 希 望 と 可 能 性. 表2-21. 母 乳 ・混 合:相 対 的 希 望 と可 能 性. 1 7. 表2-20. 表III情 報 関連 の政 策案. 87. 6.
(11) は じめ に. は じめ に. 日本 の 母 乳 育 児 率 日本 に お い て は 、 乳 児 の 授 乳 方 法 と し て 母 乳 を 希 望 す る 女 性 が96%と 一方. 、 同 調 査 に よ れ ば 、1か. 非 常 に 高 い1(図1)。. 月 の 時 点 で 母 乳 だ け で 育 て て い る 女 性 は5割. に み た ず 、混 合 栄 養 が. 同 割 合 程 度 存 在 す る 他 、 月 齢 が 進 む ほ ど混 合 栄 養 率 が 母 乳 率 を 上 回 り、 最 終 的 に は 粉 ミル ク だ け の 率 が 最 も 高 い と い う状 況 が 見 られ た(図II)。20年. 間 、母 乳 率 は 変 わ ら な い 現 状 に あ っ た2(図. III)a こ の よ う に 母 乳 だ け で 育 て て い る 女 性 が 多 数 派 で は な く な っ た の は 、 歴 史 的 に は1970年. 以降. に な る 。 同 様 な 低 下 は 世 界 各 国 で 見 られ 、 理 由 と し て は 粉 ミル ク の 普 及 、 病 院 出 産 の 増 加 、 粉 ミ ル ク 会 社 と病 院 と の 関 係 、 母 乳 育 児 の メ カ ニ ズ ム の 誤 っ た 認 識 、 母 乳 育 児 の 知 恵 の 世 代 間 伝 達 の 途 切 れ な ど が 言 わ れ て い る3。 機 関(WHO)や. しか し 、 授 乳 に 関 す る 科 学 的 な エ ビデ ン ス の 積 み 重 ね 、 世 界 保 健. 国 連 児 童 基 金(UNICEF)に. よ る世 界 的 な 母 乳 育 児 の 保 護 、推 進 、支 援 の 流 れ を 受 け 、. 日本 政 府 も 母 乳 育 児 の 推 進 を 掲 げ る に よ うに な つ た 。当 初 は 「母 乳 で 育 て よ う」2・iとい う よ う に 、 母 親 の 意 思 や 努 力 の み に 注 目 した よ う な 文 言 が され て い た が 、2007年. の 厚 生 労 働 省 に よ る 「授. 乳 ・離 乳 の 支 援 ガ イ ド」 で は 、 母 親 の 母 乳 へ の 希 望 は す で に 高 い こ と 、 と り ま く環 境 こ そ を 変 え て い く必 要 が あ る こ と に 注 目す る よ う に な っ た4,ii。 同 ガ イ ドの 中 でWH0の た め の10か. 条 」5(表1)(以. 下. 「母 乳 育 児 成 功 の. 「10か 条 」)の 中 の い くつ か の 項 目か らみ た 産 科 施 設 の 現 状 調 査 の. ま と め や 、 政 府 方 針 と して 「10か 条 」 の 重 要 性 な ど を 打 ち 出 し た こ と を き っ か け と して か 、最 新 の 調 査 に よ る と2010年 環 と して 、2014年. i(1975年)「. の1か. ま で に1か. 月 で の 母 乳 率 は5割 月 の 母 乳 率 が6割. わ が 国 に お け る母 乳 運 動 の 推 進. を 上 回 っ た6。 政 府 は 「健 や か 親 子21」. の一. を 超 え る こ と を 目標 と して い る7・iii。. (3つ の ス ロー ガ ン を掲 げ て 推 進). ① 出 生 後1.5カ 月 ま で は 母 乳 の み で 育 て よ う ②3カ 月ま では で きるだ け母 乳のみ で頑 張 ろ う ③4カ 月 以 降 で も 、 安 易 に 人 エ ミル ク に 切 り替 え な い で 育 て よ う を掲 げ て 母 乳 運 動 を推 進 し て 今 日に 至 っ て い る 。」 ii(2007年)「. 母 乳 育 児 に つ い て は 、 妊 娠 中 か ら 『母 乳 で 育 て た い』 と思 う割 合 が96%に 達 してい る こ とか ら、 そ れ を ス ム ー ズ に行 う こ と の で き る環 境(支 援)を 提 供 す る こ とが 重 要 で あ る。 そ の 支 援 の 目標 は 、 単 に母 乳 栄 養 率 の 向 上 や 乳 房 管 理 の 向 上 の み を 目指 す も の で は な い 。」 「無 理 せ ず 自然 に 母 乳 育 児 を 実 践 で き る よ うに 、 妊 娠 中 か ら出 産 後 の環 境 を 整 え る こ とは 、 赤 ち ゃ ん を 『育 て る』 こ と に 自信 を も っ て進 め て い く こ とが で き る環 境 を整 え る こ と」. iii「 健 や か 親 子21」. の 中 で 課 題2『 妊 娠 ・出 産 に 関 す る安 全 性 と快 適 さの 確 保 と不 妊 へ の 支 援 』 、課. 題4『 子 ど も の 心 の 安 らか な 発 達 の 促 進 と育 児 不 安 の 軽 減 』 の 指 標 と し て設 定 7.
(12) は じめ に. 母 乳 育 児 支 援 の 疫 学 的根 拠 母 乳 育 児 へ の 注 目 を も た ら し た 疫 学 的 根 拠 は,次. の よ うな も の で あ る 。 乳 児 の 中 耳 炎 、 ア レ ル. ギ ー 、肥 満 、糖 尿 病 、 乳 幼 児 突 然 死 疾 患 な どへ の 予 防 、感 染 症 の 重 篤 化 の 防 御 、IQの. 高 さな どが. あ げ られ て い る8。 ま た 、 母 乳 育 児 は 母 親 の 産 後 の 出 血 量 の 低 下 させ 、 出 産 間 隔 を あ け る こ と に 寄 与 し 、 乳 が ん 、 子 宮 が ん な ど の 減 少 に も 寄 与 す る8。 母 乳 を 長 く続 け る 、 母 乳 だ け を 与 え る こ との 意 義 を 示 す 研 究 は 多 い9。WHOは. 乳 児 に と っ て 最 適 な 授 乳 方 法 と して. 「生 後6か. 月 間 は母. 乳 の み で 育 て 、そ の 後 適 切 な 補 完 食i・を 補 い な が ら 、2歳 か そ れ 以 上 ま で 母 乳 育 児 を す る 」 こ と を 推 奨 し て い る10。. 母 乳 育 児 支 援 の 介 入 方 法 世 界 的 に そ の 最 適 な 授 乳 方 法 を よ り多 く の 母 子 が 達 成 で き る よ う に 様 々 な 介 入 が 試 み ら れ て い る 。 今 後 日本 が さ ら に 環 境 を 充 実 させ る に は 、 そ れ ら を 参 考 に す る 方 法 が あ る 。Centers Disease. Control. and Prevention(CDC)の. for. 近 年 の ガ イ ドラ イ ン11で は 、 コ ク ラ ン で レ ビ ュ ー さ. れ 、 コ ク ラ ン ラ イ ブ ラ リー を 通 し て 発 行 さ れ た 母 乳 育 児 に 関 す る 介 入 方 法 を 紹 介 し て お り、 科 学 的 な エ ビデ ン ス の あ る 効 果 的 な 介 入 と して 産 科 施 設 で の ケ ア 、 仕 事 場 で の 母 乳 育 児 支 援 、 ピ ア ・ サ ポ ー ト、 母 親 へ の 教 育 、 専 門 家 に よ る サ ポ ー ト、 メ デ ィ ア と ソ ー シ ャ ル ・マ ー ケ テ ィ ン グ が あ げ られ て い る 。 ま た 、 公 式 に は 未 評 価 で は あ る が 、 確 立 され た 歴 史 と強 い 合 理 性 を 有 す る 介 入 と して. 「母 乳 代 用 品 の マ ー ケ テ ィ ン グ に 関 す る 国 際 規 準 」(表II)(以. 下. 「国 際 規 準 」)、 専 門 家 へ の. 教 育 、 公 共 の 場 で の 母 乳 育 児 の 受 容 、 ホ ッ トラ イ ン な ど の 母 親 が ア ク セ ス 可 能 な 情 報 源 の 確 立 が あ げ られ て い る11。 日本 政 府 の 現 在 の 取 り組 み を み る と 、 「授 乳 ・離 乳 の 支 援 ガ イ ド」5で は 専 門 家 の サ ポ ー トや 「10か 条 」 に 基 づ く産 科 施 設 で の ケ ア に 注 目 が お か れ て い る 。 そ れ を み る と 、 日本 の 生 後 す ぐ か らの 終 日母 子 同 室 は い ま だ 多 数 派 で は な い こ と や 、 母 乳 を 希 望 し て い る 女 性 を 希 望 通 り に 母 乳 だ け を 与 え られ る よ う に は 支 援 し な い な どケ ア の 課 題 が 伺 え る。 働 く女 性 の た め の 環 境 設 備 と して は 、例 え ば 、育 児 休 業 法 の 改 正 や 、保 育 施 設 で 冷 凍 母 乳 を 扱 う よ うに と の 指 針 が で て い る ・。 ピ ア ・ サ ポ ー トに 関 して は 、CDCの. ガ イ ドラ イ ン に 取 り組 み の 一 例 と し て 紹 介 され て い る 「ラ ・レ ー チ. ェ ・ リー グ 」 と い う、 歴 史 の 長 い 団 体 が 日本 に も あ る 。 そ の 「ラ ・レ ー チ ェ ・ リー グ 日本 」viが 日本 で コ ン フ ァ レ ン ス を 実 施 した 際 に は 厚 生 労 働 省 や 東 京 都 が 後 援 を し た 。 ま た 、 大 阪 府 で は 府 報 で 同 団 体 を 紹 介 して お り、 富 山 県 で は 県 の ネ ッ トワ ー ク に 同 団 体 も含 ま れ 紹 介 され て い る 。 こ の よ うな 取 り組 み の 発 展 ・維 持 は 重 要 で あ る 一 方 、 母 親 が 科 学 的 根 拠 に 基 づ く産 後 の ケ ア を. iv離 乳 食 と も い わ れ る。 乳 児 は 発 達 に 伴 い 必 要 と な る栄 養 を満 た す た め に 次 第 に 母 乳 以 外 の 食 べ 物 も 必 要 とす る よ うに な る。 母 乳 を続 け な が ら補 足 す る食 べ 物 と い う意 味 で 補 完 食(compliment food)と 呼 ば れ て い る。 v児 童 福 祉 法 に基 づ く保 云 戸 保 去 指 針 「母 乳 育 児 を 希 望 す る 保 護 者 の た め に 、 冷 凍 母 乳 に よ る 栄 養 法 等 の 配 慮 をお こ な う。」 保 育 所 食 育 に 関 す る指 針. 「冷 凍 母 乳 の 受 け入 れ 態 勢 も整 え 、 母 乳 育 児 の 継 続 を支 援 で き る よ うに 配 慮. す る。」 vi同 団 体 は 、子 育 て の 知 恵 の 共 有 、科 学 的 根 拠 に 基 づ く情 報 提 供 とエ モ ー シ ョナ ル ・サ ポ ー トを 軸 に 、 グル ー プ の集 い や ホ ッ トライ ン で 「母 親 か ら母 親 へ の 母 乳 育 児 支 援 」 を 行 っ て い る。 8.
(13) は じめ に. 知 ら な け れ ば 「10か 条 」を 実 施 し て い る よ うな 産 科 施 設 に ア ク セ ス で き る か は 偶 然 性 に 規 定 さ れ 、 ま た ピ ア ・サ ポ ー トの 存 在 を 知 らな い 女 性 は ア ク セ ス す る こ と が で き な い 。 さ ら に 、 公 共 や 職 場 の 人 が 授 乳 に 関 して 認 識 が 低 け れ ば 、 授 乳 を す る母 子 に 配 慮 が 不 足 し た 態 度 を と っ た り 、 困 難 を 強 い た りす る 可 能 性 が あ る 。 逆 に 、 母 親 が ど の よ うな 情 報 を 受 け 取 る か に よ っ て は 、 産 科 施 設 や 専 門 家 の 選 択 、 ピ ア ・サ ポ ー トへ の ア ク セ ス 、 広 告 へ の リテ ラ シ ー 、 科 学 的 情 報 の 入 手 と利 用 が 可 能 にな る。 周 囲 の認 識 、行 動 が 変 わ る こ とで 、子 育 て世 代 の育 てや す さに も差 が 生 まれ る。 つ ま り、 同 時 に 、CDCの ン グや. と り あ げ て い る よ う に 、 ま た 別 の 介 入 方 法 と し て ソー シ ャ ル ・マ ー ケ テ ィ. 「国 際 規 準 」 を 含 む 情 報 政 策 を 吟 味 し 実 行 し て い く こ と も重 要 で あ る 。. 本 論 文 の 目的 授 乳 に 関す る情報 政策 の 第 一 歩 は 、人 々 を と りま く状 況 や 人 々 の認 識 へ の 理 解 を深 め る こ とで あ る。 本 論 文 で は 、 第一 章 に メ デ ィア の一 つ と して育 児 雑 誌 にお け る母 乳 代 用 品 広 告 の 実 際 、 第 二 章 に 大 学 生 の授 乳 に 関 す る経 験 、認 識 、将 来 の展 望 に注 目 した研 究 を ま とめた 。 日本 にお け る 授 乳 に 関 す る情 報政 策 を考 えて い く上 で 基礎 的 なデ ー タ を提 示 す る こ とを 目的 とす る。. 9.
(14) は じめ に. 資料. r㎜ … … … … … 胴 一一… 一… 一 .7%. 2 1.0%. 0.3% -粁}ミ'レ. ク7華f一 ρ(た 転、. 羅特 に 考 え て な か っ た. 43.1%. 52.9°/a. ー'T'nt一 ぜひ 母乳で 育 てたい fI1:乳が で れ ば 縁 乳 で 育 て た い. 馨. 図1母 (出 典:厚. 乳 育 児 に 関 す る妊 娠 中 の 考 え. 生 労 働 省 「平 成17年. 度. 乳 幼 児 栄 養 調 査 」). (%)60 50. 48.6. 騨. ,ぬ ゴ 、弓. 40 30 20 10 0 0カ ・ 月. 1カ ・月. 2カ 、月. 図II授 (出 典:厚. 3カ 、月. 4カ 、月. 5カ ・月. 乳 期 の 栄 養 法(月 齢 別). 生 労働 省 「 平 成17年. 10. 度. 乳 幼 児 栄 養 調 査 」).
(15) は じめ に. 母 乳 栄 養 率(1ヵ 月 鶴母 乳栄 養率(. 49ち. 457. 1970. 1980. 図III (出典:財. 1985. 母 乳 栄 養 率(1ヵ. 月 時)の 推 移. 団 法 人 厚 生 統 計 協 会 「国 民 衛 生 の 動 向 ・厚 生 の 指 標 」(1998)及 厚 生 労 働 省 「平 成17年. 度. 乳 幼 児 栄 養 調 査 」 よ り作 成). 11. び.
(16) は じめ に. 表1. 「母 乳 育 児 成 功 の た め の10か. 「母 乳 育 児 成 功 の た め の10か. 条」. 条 」. 産 科 医 療 や 新 生 児 ケ ァ に か か わ る す べ て の施 設 は 、 以 下 の 条 項 を 守 ら な け れ ば な りま せ ん 。. 1.母. 乳 育 児 に つ い て の 基 本 方 針 を 文 章 に し、 関 係 す る す べ て の 保 健 医 療 ス タ ッ フ に 周 知 徹 底 し ま し ょ う。. 2.こ. の 方 針 を 実 現 す る 為 に 必 要 な 技 能 を 、 す べ て の 関 係 す る 保 健 医 療 ス タ ッ フ に ト レー ニ ン グ し ま し ょ う。. 3,妊. 娠 し た 女 性 す べ て に 母 乳 育 児 の 利 点 と そ の 方 法 に 関 す る 情 報 を 提 供 し ま し ょ う。. 4.産. 後30分. 5.母. 親 に 母 乳 育 児 の や り 方 を 教 え 、 母 と子 が 離 れ る こ と が 避 け られ な い 場 合 で も母 乳 分 泌 を 維. 以 内 に 母 乳 育 児 が 開 始 で き る よ う 、 母 親 を 援 助 し ま し ょ う。. 持 で き る よ う な 方 法 を 教 え ま し ょ う。 6.医. 学 的 に 必 要 で な い 限 り、 新 生 児 に は 母 乳 以 外 の 栄 養 や 水 分 を 与 え な い よ うに し ま し ょ う。. 7.母. 親 と 赤 ち ゃ ん が 一 緒 に い られ る よ うに 、 終 日 、 母 子 同 室 を 実 施 しま し ょ う。. 8.赤. ち ゃ ん が 欲 し が る と き に 欲 し が る だ け の 授 乳 を 勧 め ま し ょ う。. 9.母. 乳 で 育 て られ て い る赤 ち ゃ ん に 人 工 乳 首 や お し ゃ ぶ り を 与 え な い よ うに し ま し ょ う。. 10. 母 乳 育 児 を 支 援 す る グ ル ー プ 作 りを 後 援 し 、 産 科 施 設 の 退 院 時 に 母 親 に 紹 介 しま し ょ う。 (WHO/UNICEF:. The NPO法. Ten. Steps. to Successful. Breastfeeding.1989). 人 目本 ラ ク テ ー シ ョ ン ・コ ン サ ル タ ン ト協 会 翻 訳. 12.
(17) は じめ に. 表II. 「母 乳 代 用 品 の マ ー・ケ テ ィ ン グ に 関 す る 国 際 規 準 」 要 旨. 「母 乳 代 用 品 の マ ー ケ テ ィ ン グ に 関 す る 国 際 規 準 」vii(WHO,1981) 要 旨 「 国 際規 準 」 の 要 点 は 以 下 の 通 りで あ る。 ・ 消 費 者 一 般 に 対 して ,母 乳 代 用 品 な どの製 品 を 宣伝 ・広 告 を して は い け ない ・ 母 親 に試 供 品 を渡 して は い け な い ・ 保 健 医 療 サ ー ビス の 中で販 売促 進 を行 っ て は い け な い ・ 保 健 医 療 シス テ ム の 中で 母 乳 代 用 品 や製 品 の 寄付 、割 引 を して はい け ない ・ 企 業 に 雇 用 され た 者 が 母親 に 直 接 会 っ た りア ドバ イ ス を した り して はい け ない ・ 保 健 医 療 従 事 者 に 贈 り物 を した り個 人 的 に試 供 品 を渡 した り して は い け ない ・ 製 品 の ラベ ル(表 示)に は赤 ち ゃ ん の絵 や 人 工 栄 養 を理 想化 す る よ うな絵 、あ るい は 文 言 を使 用 して は な らな い ・ 保 健 医 療従 事者 へ の情 報 は科 学 的 で 事 実 に基 づ い た も の で な けれ ば な らない ・ 製 品 の 情 報 に は、 母 乳 育 児 の利 点 と共 に 人 工 栄養 法 の 費 用 や 危 険 性 も説 明 しな けれ ば な らな い ・ 加 糖 練 乳(コ ンデ ン ス ミル ク)の よ うな 不 適 切 な 製 品 を赤 ち ゃ ん 用 と して販 売促 進 して は な ら ない UNICEF/WH0赤. ち ゃ ん とお 母 さん にや さ しい 母 乳 育 児 支 援 ガ イ ド. 「 母 乳 育 児 成 功 の た め の10ヵ. ・ii国 際 規 準 は 前 文 と11条 り、1981年. 条 」 の 推 進(2011)医. 文 か ら成 り、そ の 後 も2年. 学書院. BFHI. 2009. ア ドバ ン ス ・コ ー ス 訳 編 集 委 員 会p.58. ご と に世 界 保 健 総 会 に て 関 連 決 議 が 採 択 され て お. の決 議 と 同 じ力 を も つ と され て い る。 尚 、 目的 は 以 下 の通 り。. 目的(第1条):母. 乳 育 児 を保 護 ・推 進 し、 「 必 要 な 場 合 に は 十 分 な 情 報 に 基 づ き 、公 正 妥 当 な マ ー ケ. テ ィ ン グ と支 給 を 通 じて 母 乳 代 用 品 が 適 切 に 用 い られ る こ と」 を保 証 し、 そ れ に よ り、 乳 児 に 対 す る 安 全 で 十 分 な 栄 養 の 供 給 に 寄 与 す る こ と。. 13.
(18) は じめ に. 参 考文 献. 1.厚. 生 労働 省. 「平 成17年. 度. ーは じめ に-. 乳 幼 児 栄 養 調 査 」.2011年12A10日. 検 索. http://www.mhlw.go・JP/houdou/2006/06/hO629.1.html. 2.財. 団 法 人 厚 生 統 計 協 会.国. 民 衛 生 の 動 向 ・厚 生 の 指 標.臨. 時 増 刊 ・第45巻. 第9号. ・通 巻704. 号.1998年P.119. 3.Gabrielle 京,技. Palmer(1988)/浜. 4.厚. 谷 喜 美 子. ・池 田 真 理 ・ 中 村 洋 子 訳(1991).母. 乳 の 政 治 経 済 学.東. 術 と 人 間.. 生 労 働 省 雇 用 均 等 等 11月30日. 検 索. ・児 童 家 庭 局 母 子 保 健 課(2007).「. 授 乳. ・離 乳 の 支 援 ガ イ ド」-2011年. http://www.mhlw.go・JP/shingi/2007/03/d1/sO314-17.pdf. 5.WH0/UNICEコF:The. Ten. Steps. to Successful. Breastfeeding.1989.. NP0法. 人 日本 ラ ク テ ー. シ ョ ン ・コ ン サ ル タ ン ト協 会 翻 訳. 6.厚. 生 労 働 省. 「平 成22年. 度. 乳 幼 児 身 体 発 達 調 査 」.2011年11月30日. 検 索. http://www.mhlw.go・JP/shingi/2010/03/dl/sO331.13aO15.pdf. 7.健. や か 親 子21第. 二 回 中 間 評 価 報 告 書p.40.2011年12月10日. 検 索. http://www.mhlw.go・JP/shingil2010/03/d1/sO331-13aO15.pdf. 8.Ip, S.,Chung, M., Raman, G., Chew, P.,Magula, N., Devine, D., Trikalinos,T.,and Lau, J. Breastfeeding and Maternal and Infant Health Outcomes in Developed Countries.153. Agency for Healthcare Research and Quality.2007. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/bookshelf/br.fcgi?book=hserta&part=B106732. 9.Horta, the. BernardoコL.;Bah1, long-term. effects. Rajiv;Martines, of breastfeeding,. Jose. Carlos;Victoria,. Systematic. reviews. Cesar. and. meta. G.. Evidence. analysis.. on. WHO.. http://www.who.int/child_ado1escent_health/documents/9241595230/en/index.html. 10.UNICEF・WHO(2003)/多 Child. Feeding.乳. 田 香 苗 ・瀬 尾 智 子 訳(2004).. Global. 幼 児 の 栄 養 に 関 す る 世 界 的 な 運 動 戦 略.日. ン ト協 会 発 行,. 14. Strategy. for Infant. and. Young. 本 ラ ク テ ー シ ョ ン ・コ ン サ ル タ.
(19) は じめ に. 11.Shealy. KR,,. Breastfeeding Cen. ters. for. Li. R,. Benton-Davis. ln terven Disease. tions.. Con. trol. S,. Grummer-Strawn. Atlanta and. LM.. U. S. Departmen. Prevention,2005.. The. CDC. t ofHealth. Guide and. 2011年11月23日. to. Human. Services,. 検 索. www.cdc.gov/breastfeeding/pdf/breastfeeding_interventions.pdf.. 12.UNICEF/WHO(2009)/BFHI 母 乳 育 児 支援 ガ イ ド 書院. 2009翻. 訳 編 集 委 員 会(2011),赤. ア ドバ ン ス ・コ ー ス. ち ゃ ん とお 母 さ ん に や さ し い. 「母 乳 育 児 成 功 の た め の10ヵ. P.58. 15. 条 」 の 推 進.医. 学.
(20) 第1章. 第1章. 育 児 雑 誌 に お け る母 乳 代 用 品広 告 の量 的 ・質 的 分 析. 育 児 雑 誌 に お け る母 乳 代 用 品 広 告 の 量 的 ー質 的 分 析 1山 背 景 と 目 的. 妊 娠 中 の女 性 や 乳 児 の親 の情 報 源 で あ る育 児 雑 誌 は、様 々 な 育 児 用 品 の 広 告 宣伝 の場 とい う側 面 も持 っ て い る。 この うち の母 乳 代 用 品 につ い て は、 「 母 乳 代 用 品 の マ ー ケ テ ィ ン グに 関 す る 国 際 規 準 」(以 下 「 国 際 規 準 」)が1981年. の世 界 保 健 総 会(WHA)で. 採 択 ・承 認 され 、企 業 の 母 親. や そ の家 族 へ の試 供 品 の提 供 の規 制 や 、消 費 者 一 般 に対 す る広 告 の 規 制 な ど製 造 ・流通 業 者 に適 切 なマ ー ケテ ィン グ を勧 告 して い る。 日本 は1994年. に世 界保 健 総 会 に て採 択 して お り、 国 内 に. お い て 試 供 品 の提 供 の 自粛 を過 去 に 関連 企 業 に通 達 して い る18他 、一般 雑 誌 に お け る広 告 は 各 企 業 が 自主 規 制 して い る こ とに な っ て い る19。 日本 にお いて 「 国 際 規 準 」 に関 す る研 究1・2は わず かで あ り、 さ らにそ れ らは産 科 施 設 にお け る 「 国 際 規 準 」 に 関 す る研 究 に 限 られ て い る。 本 研 究 で は 、産 科 施 設 の外 で母 親 を と りま く環 境 に注 目 し、 日本 の 育児 雑 誌 に お け る母 乳 代 用 品 の 広 告 の現 状 につ い て 、客 観 的 な指 標 を用 い た分 析 を行 うこ とを 目的 と した 。 本 研 究 は二 つ の調 査 を含 む 。 第 一 に、 規 制 され て い る母 乳 代 用 品 の 広 告 自体 が存 在 す るか 、 存 在 す る な ら どれ く らい 存 在 す る のか を定 量 的 に分 析 した 。該 当 す る広告 の 面積 と雑 誌 全 体 の 面 積 を測 定 し、 出現 回 数 と合 わせ て製 品 種 類 別 ・企 業 別 に集 計 す る こ と と した。 ま た 、対 象 読 者 を妊 娠 中 か ら とす る雑 誌 と産 後 か ら とす る雑 誌 とで比 較 した 。 第 二 に 、 そ れ を踏 ま え て 広告 が 存 在 す る な らば そ の 内容 を 「 国 際規 準 」 の表 示 規 制 項 目を準 用 して 定性 的 に 分 析 した 。情 報 とい う側 面 か ら、 母 乳 育 児 を しや す い 環 境 づ く りの た めの 情 報 戦 略 を考 え る際 の 下 地 とな る こ と を期 待 して い る。. 16.
(21) 第1章. <先 1.情. 育 児 雑 誌 にお け る母 乳 代 用 品 広 告 の 量 的 ・質 的 分析. 行 研 究 レ ビ ュ ー>. 報 源 と して の 育 児 雑 誌 初 産 婦 又 は 子 の 数 が 少 な い 女 性 ほ ど 、 若 い ほ ど 、 そ して 低 所 得 者 で あ る ほ ど 「 本 ・雑 誌 」 等. 読 み 物 を 育 児 又 は 健 康 の 情 報 源 と し て い る こ と が 多 い3,4。 研 究 デ ザ イ ン に 限 界 が あ る が 、授 乳 に 関 し て 特 定 して な さ れ た 調 査 で も 、 情 報 源 と し て. 「本 ・雑 誌 」 が あ げ ら れ た5。. 象 に し た 研 究 で は 、 授 乳 に 関 す る 主 な 情 報 源 と して 回 答 され た6。. 「家 族 」 の 次 に. 産 後 の女 性 を対. 「雑 誌 ・本 ・テ レ ビ 」 が 多 く. 高 校 生 と大学 生 を対 象 に した研 究 で は 、母 乳 育 児 に 関す る情 報 を得 た こ との あ る. 情 報 源 と し て 、 大 学 生 は 「家(親 又 は 兄 弟 姉 妹)」 の 次 に 「読 み 物 」 を あ げ 、 そ れ に 「テ レ ビ 」 が 続 い た。 高 校 生 は 二番 目 と して. 「学 校 」 三 番 目 が. 「テ レ ビ 」 で 、. メ デ ィ ア に 求 め る 話 と し て は 、 「今 子 育 て 中 の 親 の 体 験 談 」 、. 「 読 み 物 」 は そ れ に 続 い た7。. 「子 育 て を 終 え た 普 通 の 人 の 体 験. 談 」 、 「専 門 家 の 話 」 が 多 く あ げ られ た20。 情 報 源 の 一 つ と して 雑 誌 は 重 要 な 役 割 を 担 っ て い る 可 能 性 が あ る。 一 方 で 、育 児 雑 誌 の記 事 内容 別 のペ ー ジ比 率 を求 め た研 究 で は 、広 告 が全 体 で 占 め て い る 割 合 が 最 も 多 い 傾 向 が 見 られ た8。. 2.授. 乳 と 描 写-情. 報 と メデ ィァ. 海 外 の 授 乳 とメ デ ィ ア の 関 係 の調 査 と して は大 ま か に記 事 を対 象 に して授 乳 の描 写 に 注 目 し た も の と 、 広 告 を 対 象 に し て 広 告 の 数 と母 乳 育 児 率 の 推 移 の 関 係 や 広 告 の テ ー マ を み た も の と が あ る 。 授 乳 の 描 写 に 関 し て は 、 母 乳 育 児 が 一 番 で あ る が 困 難 を 伴 う と い うメ ッ セ0ジ9,10や. 人工. 栄 養 法 の イ メ ー ジ の 多 さ9,11が あ げ られ た 。 人 工 栄 養 法 は 視 覚 的 な も の が 言 語 的 な も の よ り も 圧 倒 的 に 多 か っ た11。 母 親 の 自 己 効 力 感 に 影 響 を 与 え て い る と い う指 摘 が あ る12。 イ ギ リ ス に お い て は 粉 ミル ク の リ ス ク に っ い て の 記 述 が あ ま り な く、 人 工 栄 養 法 の 方 が. 「普 通 の 人 」 の 行 い と し. て 描 写 され て い た11。 ま た 、 パ ー トナ ー の 役 割 や 公 共 の 場 で の 母 乳 育 児 に つ い て は あ ま り触 れ ら れ て い な い こ と で 、 暗 黙 の う ち に 母 乳 育 児 は 母 親 個 人 が 負 う も の で あ る か の よ うな メ ッ セ ー ジ を 発 し て い る と の 指 摘 も あ る9。 専 門 家 が 親 に 乳 児 の 発 達 に つ い て 伝 え て い る 情 報 は 、 臨 床 ・疫 学 的 研 究 に よ る も の だ け で な く 、社 会 的 文 化 的 な 影 響 を 受 け た も の も 存 在 す る と い う研 究 も あ る13。 広 告 の 数 と母 乳 育 児 率 の 推 移 に 関 し て は 、負 の 相 関 を も つ こ とが 研 究 で い わ れ て い る12・14。70 年 代 以 降 の 人 工 栄 養 法 の 広 告 数 の 減 少 に は 「国 際 規 準 」 が 影 響 し て い る 可 能 性 が 指 摘 され て い る 12。広 告 の テ ー マ の 上 位5つ. の 推 移 を み る と、製 造 プ ロ セ ス の 質 の 高 さ が50年. 間 を通 して 宣 伝 文. 句 と し て 使 わ れ 続 け て い る と い う研 究 も あ る12。 ま た 、 以 上 の メ デ ィ ア と は や や 趣 を 異 とす る が 、 妊 娠 中 の 女 性 が 初 め て 産 科 施 設 を 訪 れ る と き に 配 布 され る教 材 パ ッ ク を2種. 類 用 意 し無 作 為 に 妊 娠 中 の 女 性 に 配 布 し て 母 乳 育 児 の 開 始 及 び 期. 間 を 比 較 し た 研 究 が あ る15。 往 来 か ら配 布 され て い た 乳 児 用 人 工 乳 の 企 業 作 成 の 教 材 パ ッ ク(宣 伝 、 ク ー ポ ン 、試 供 品 を含 む)を 受 け取 っ た 女 性 は 対 照 群 と比 べ て 退 院 前 及 び 産 後2週. 間 まで に母乳 育 児 を. や め る傾 向 に あ っ た 。 女 性 の 個 別 的 な 母 乳 育 児 の 期 間 の 目標 は 実 際 の 期 間 を予 測 す る 強 力 な 指 標 で あ る こ とが わ か っ た が 、 母 乳 で 育 て る 予 定 で あ る と答 え た 女 性 の う ち 、 初 め て 母 乳 育 児 を す る女 性 、 初 め て 出 産 す る女 性 、 産 後6か. 月 以 内 に 仕 事 復 帰 す る 予 定 の 女 性 は 母 乳 育 児 の期 間 の 目標 が 不 確 か 又 は. 12週 以 内 と答 え る傾 向 が よ り大 き か っ た 。 そ して 、 これ らの 女 性 の うち 、企 業 が 作 成 し た 教 材 を 受 け 取 っ た 者 は 母 乳 だ け で 育 て る期 間 及 び 、 部 分 的 に も母 乳 を 与 え る期 間 が 短 く な っ た と い う。 ま た 、 企. 17.
(22) 第1章. 育 児 雑 誌 にお け る母 乳 代 用 品 広 告 の 量 的 ・質 的 分析. 業 に よ る 教 材 パ ッ ク に は 少 な く と も一 つ の 人 工 乳 試 供 品 及 び 試 供 品 を 追 加 で 企 業 に 注 文 す る カ ー ドが 含 ま れ て い た が 、 受 け 取 っ た 女 性 の21%は. 3.他. 出 産 前 に そ の カ ー ドを 用 い た とい う。. 分 野 の 雑 誌 広 告 との 類 似. 雑 誌 の 広 告 に 注 目 し て い る 他 の 分 野 の 研 究 も 存 在 す る 。若 い 女 性(21-25歳)向. き の 雑 誌 と成 熟 し. た 女 性 向 き の 雑 誌 の 食 べ 物 に 関 す る 広 告 を 比 較 した 調 査 で は 、若 い 女 性 向 き の 雑 誌 の 方 が 製 品(栄 養)の 偏 りが あ り、 ア ル コ ー ル 、 サ プ リメ ン ト、 コ コ ア 製 品 の も の が 有 意 差 を も っ て 多 か っ た 。 そ れ ら は 「イ メ ー ジ 」 で 描 か れ て い る こ と が 多 く 、 っ て い た16。. ま た 別 の 研 究 で は 、2000年. 料 の 製 造 業 者 が 読 者 層 の30%以 始 め た が 、2001ー2005年 青 少 年 読 者 層 が15%以. 上30%未. に ワ イ ン 製 造 業 者 が 、2003年. 上 が12-20歳. の 間 に30%以. 「成 功 」 と結 び っ け られ て い た メ ッセ ー ジ を も に ビ ー ル ・ア ル コ ー ル 飲. の 青 少 年 で あ る 雑 誌 へ の 広 告 を 自主 規 制 す る こ と を. 上 の 青 少 年 読 者 層 を もつ 雑 誌 で 広 告 数 が 減 少 した 代 わ り に. 満 で あ る 雑 誌 へ の 広 告 の 割 合 及 び 広 告 効 果 が 増 加 し た と い う。同. じ時 期 に テ レ ビ広 告 も増 加 し た と い う17。 授 乳 に 関 す る広 告 を ど う扱 う か を 考 え る 上 で 、 若 い 女 性 や 青 少 年 向 き の 他 分 野 の 広 告 戦 略 や 研 究 を 参 考 に す る 方 法 も あ る。. 4.日. 本 国 内 の 「国 際 規 準 」 に 関 す る 研 究. 水 野1が2004年 る132人. に 日本 の 新 生 児 期 ネ ッ トワ ー ク に 所 属 す る 新 生 児 集 中 治 療 室(NICU)に. の 小 児 科 医 と 関 東 地 区 の 主 要 な 病 院 の 主 任 産 科 医96人. る と 、 回 答 者(小 児 科 医68%,産 児 科 医 が66%で. 科 医64%)の. あ る の に 対 し、 産 科 医 は13%の. 78%、. 「国 際 規 準 」 の 内 容 に 関 す る5問 産 科 医 で33%で. み で あ っ た 。 ま た 、 「国 際 規 準 」 を 聞 い た こ と が. あ っ た 。 小 児 科 医 の うち 、33%が. の に 対 し、産 科 医 は39%に. あ る の に 対 し 、 産 科 医 は18%の. の 正 誤 問 題 で は 、2問. る と 回 答 した の に 対 し、産 科 医 は17%で. に 行 っ た ア ン ケ ー トの 研 究 に よ. うち 、 母 乳 栄 養 が 最 善 で あ る こ と に 同 意 した の は 小. あ る 、 又 は 知 っ て い る と 答 え た の は 小 児 科 医 が51%で た。. 従 事す. みで あっ. 未 満 の誤 答 で あ った 人 が 小 児 科 医 で. 自分 の 病 院 は 「国 際 規 準 」 を 遵 守 し て い. あ り、小 児 科 医 の80%が. 今 後 遵 守 す べ き で あ る と答 え た. 留 ま っ た 。産 科 医 の う ち 半 数 以 上 が 将 来 遵 守 す る に は 企 業 と の 契 約 を. 変 更 しな け れ ば な ら な い と 答 え た 。 産 科 医 の 全 て が 産 科 医 の 母 乳 に 対 す る 態 度 を 変 え な い と い け な い と 答 え た 。 た だ し 、 こ の 研 究 は 小 児 科 医 の う ち 、 新 生 児 科 医 の み を 対 象 と した 研 究 で あ る こ と に 留 意 す る 必 要 は あ る か も しれ な い 。 粟 野2が2003年 助 産 師190名. に北 陸 、 関西 、東 北 地 方 にお け る母 性 関 連 の 学 会 及 び 母 乳 研 修 会 に 参 加 した に 行 っ た ア ン ケ ー トの 研 究 に よ る と 、 回 答 者(79.5%)の. うち、 母 親 全 員 へ の 人 工 乳. 調 乳 指 導 が 母 乳 育 児 支 援 の 妨 げ と な る こ とへ 同 意 群 、 否 定 群 、 並 び 試 供 品 の 配 布 が 母 乳 育 児 支 援 の妨 げ とな る こ とへ の 同意 群 、否 定 群 を比 較 した とこ ろ、 い ず れ の 場 合 も同 意 群 は 否 定群 に比 べ て. 「国 際 規 準 」 へ の 認 識 度 が 有 意 に 高 か っ た 。 乳 業 企 業 か ら 派 遣 され た 栄 養 士 が 人 工 乳 の 調 乳 指. 導 を 実 施 す る こ と が 不 適 切 と81%が. 答 え た も の の 、実 際 に は 回 答 者 の 従 事 す る44.3%の. 施 設 でそ. れ が 行 わ れ て い る と解 答 が あ っ た 。 非 実 施 施 設 の 母 乳 率 は 有 意 に 高 か っ た 。 試 供 品 の 配 布 に 関 し て も 、86.1%が. 不 適 切 と答 え た も の の 、55.0%の. 施 設 で そ れ が 行 わ れ て い る と 回 答 が あ り、 非 配. 布 施 設 の 母 乳 率 は 有 意 に 高 か っ た 。 た だ し 、 積 極 的 に 学 習 会 に 参 加 して い る 助 産 師 を 対 象 に し て い る研 究 で あ る こ と と い う リ ミテ ー シ ョ ン が あ げ られ て い る 。. 18.
(23) 第1章. 育 児 雑 誌 に お け る母 乳 代 用 品広 告 の量 的 ・質 的 分 析. 2.方. 1.広. 告 の定量分 析. 〈 対 象 雑 誌-広. 法. 一方 法 ー. 告〉. メ デ ィ ア ・リ サ ー チ ・セ ン タ ー 株 式 会 社 発 行 の 『月 刊 メ デ ィ ア ・デ ー タ 』 及 び 『雑 誌 新 聞 総 か た ろ ぐ』2009年. 版 の 「育 児 」 項 目 に 収 載 され 、 妊 娠 中 の 女 性 ・1歳 未 満 の 児 を もつ 親 へ の 育 児 情. 報 の 伝 達 を 目 的 とす る 雑 誌 で 、2008年10月 52冊)す. か ら2009年3月. べ て を 対 象 と し た 。 対 象 と な っ た 雑 誌 は 表1-1の. の6か. 月 間 に 発 行 され た12誌(計. 通 りで あ る(詳 細 は 表1-5参. 際 規 準 」 適 用 範 囲 内 製 品 の うち 、 乳 児 用 調 製 粉 乳 、 哺 乳 び ん ・人 工 乳 首 、5か. 照)。. 「国. 月未 満 のベ ビー 飲. 食 物 を対 象 に 、① 製 造 者 に よ る該 当製 品 の広 告 頁 、 ② 記 事型 広告 と して該 当製 品紹 介 に割 か れ て い る 頁 、 ③ 選 出 され た 雑 誌 の プ レゼ ン ト又 は イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン の 頁 で 該 当 製 品 が 扱 わ れ て い る も の 、 を 広 告 頁 と定 義 し 、 表1-2の 広 告 が 雑 誌 全 面 積(1頁 誌 面 積 ×100)を. 手 順 で 測 定 した 。 広 告 の 出 現 回 数(製 品 別 、 企 業 別)及 び 該 当. の 面 積 × 頁 数)に 占 め る 割 合. (該 当 広 告 面 積 割 合=該 当 製 品 広 告 面 積 ÷ 雑. 測 定 した 。(選 出 方 法 及 び 測 定 方 法 の 詳 細 は 資 料2を. 参 照 。)ま. た、 妊娠 中か ら. を 対 象 に す る雑 誌 と 出 産 後 か ら を 対 象 とす る雑 誌 の 発 行 部 数 お よ び 製 品 別 の 出 現 回 数 を 比 較 し た 。 妊 娠 中 か ら 出 産 後 ま で を 網 羅 す る 雑 誌 も 妊 娠 中 か らで あ る と し て 前 者 に 含 ん だ 。. 〈 分析 〉 統 計 解 析 に は 、SPSS 関 検 定 、t検 定 、 X2検. 18を 用 い た 。 各 項 目 の 記 述 統 計 を 作 成 し、群 間 の 比 較 はSpearmanの 定 に よ り行 っ た 。 有 意 水 準 はp<o.05と. 19. した 。. 相.
(24) 第1章 2.広. 育 児 雑 誌 にお け る母 乳 代 用 品 広 告 の 量 的 ・質 的 分析. 告 の 内容 分 析. 一方 法 ー. 〈対 象 広 告 〉 先 の 定 量 分 析 で 明 ら か に な っ た 「国 際 規 準 」が 広 告 を 規 制 して い る 製 品 の 広 告108記 記 事 型 広 告11記. 事 とプ レゼ ン ト ・イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン型 広 告12記. 告 を 対 象 と し 、 重 複 す る記 事 を 除 外 し て 残 っ た20記 製 造 業 者 に よ る10商. 事 を 除 い た85記. 事 の うち 、 事 の純粋広. 事 に 対 して 内 容 分 析 を 行 っ た 。20記. 事 は9. 品 の広 告 で あ っ た。. 〈分 析 〉 筆 者 と3人. の 協 力 調 査 者 の 計4人. 全 員 が 用 い た(詳 細 は 表1-6参 乳 首 、5か. に よ っ て 内 容 分 析 が 行 わ れ た 。筆 者 の 用 意 し た 調 査 シ ー トを. 照)。 ま ず 広 告 の 扱 っ て い る製 品 の 種 類 を 人 工 乳 、 哺 乳 び ん ・人 工. 月 未 満 の ベ ビー 飲 食 物 か ら 選 ん だ 。 次 に 、 「国 際 規 準 」 で 商 品 ラ ベ ル ・販 売 の 際 に 規. 制 され て い る表 現 の うち 、 ① 乳 児 の 写 真 が あ る は 告 知 され て い る. ② 乳 児 の絵 が あ る. ③ キ-ヤン ペ ー ン が 付 加 ま た. ④ 『母 乳 化 』 『人 乳 化 』 や そ れ に 類 す る 表 現 が 用 い られ て い る 、 の4項. 目に. そ れ ぞ れ の 広 告 が 該 当 す る か が 確 認 され 、 ま た ④ に 関 し て は 、 調 査 者 が 該 当 す る と思 う文 言 を 全 て 書 き 出 し た 。 グ レー と思 う も の に は △ を 記 載 した 。3人. 以 上 一 致 し た も の を1ポ. イ ン ト、2人. 一 致 し た も の は0 .5ポ イ ン ト と して 記 事 数 、 項 目数 を 換 算 し た 。 広 告 に 記 載 され て い る 商 品 の ラ ベ ル や 商 品 名 も 含 め て 調 査 が な され た 。 調 査 者 は 一 人 ず つ 独 立 し て 調 査 を 行 っ た 。 筆 者 は3人 調 査 時 に は シ ー ト記 入 の 方 法 を 説 明 し た 上 で 、 記 入 方 法 に 関 す る 質 問 の み 受 け 付 け た 。. 20. の.
(25) 第1章. 育 児雑 誌 に お け る母 乳 代 用 品広 告 の量 的 ・質 的 分 析. 3リ. 1.広. 1)対. 告 の定量 分析. 結 果. ー結 果-. 象雑 誌 に お け る該 当広 告 の掲 載. 対 象 全12誌(52冊)の 商 品 、 計108記 年 齢 を0か. う ち 、 該 当 広 告 が 掲 載 され て い た の は10誌(40冊)で. 事 を 出 稿 し て い た 。 該 当 広 告 が 非 掲 載 の2誌(8冊)の. ら6歳. ま で と した 雑 誌 、1誌(2冊)は. し て い な い も の で あ っ た 。 残 り の4冊. 、11製. 造 者 が13. う ち 、1誌(6冊)は. 子 ども の. 働 く女 性 を 対 象 に した 雑 誌 で 子 ど も の 年 齢 を 特 定. は 雑 誌 別 に み る と6か. 月 間 で掲 載 が あ っ た が 、そ の 号 に は. 掲 載 が み ら れ な か っ た も の で あ る。. 2)該. 当広 告 面 積 割 合. 該 当 広 告 が 掲 載 され て い た40冊 1.7%(最. 小0.06%;最. 3)該. 大5.2%)で. 当 広 告 の 内 訳(記. 製 品 種 類 別 の 記 事 数;該 満 の ベ ビ ー 飲 食 物 が11記. の 、 雑 誌1冊. の 総 面 積 あ た りの 該 当 広 告 面 積 割 合 の 平 均 は. あっ た。. 事 数;面. 積 割 合). 当 広 告 面 積 割 合 の 内 訳 は 、 乳 児 用 調 製 粉 乳 が80記 事;17%、. 乳 が 最 多 で あ っ た(図1-1)。 企 業 別 の 記 事 数 の 上 位3社. 哺 乳 び ん ・人 工 乳 首 が17記. 該 当 広 告 記 事 数 の う ち13%は は 図2に. 事;15%で. 事;68%、5か. 月未. あ り、 乳 児 用 調 製 粉. お け るB社34記. 雑 誌 の 裏 表 紙 に 掲 載 され て い た 。 事 、E者13記. 事 でいずれ. も 乳 児 用 調 整 粉 乳 製 造 企 業 で あ っ た 。 該 当 広 告 面 積 割 合 の 内 訳 を み る と 、 上 位3社. が全体の ほぼ. 2/3を 占 め て お り 、A社28%、B社24%、C社16%で 1-2)。C社. は ベ ビー 飲 食 物 製 造 企 業 、 D社. 4)発. 行 部 数 と該 当 広 告 面 積 割 合 の 相 関. 該 当 広 告 掲 載10雑 べ た が 、Spearmanの. 5)妊. 誌(40冊)に. 事 、A社24記. 、D社. とE社. は そ れ に 続 く8%で. あ っ た(図. は 哺 乳 び ん ・人 工 乳 首 製 造 企 業 で あ つ た 。. っ い て 、 発 行 部 数 と1冊. あ た りの 該 当 広 告 面 積 割 合 の 相 関 を 調. 相 関 検 定 で 相 関 は 認 め られ な か っ た(相. 関係 数.230;p=0.154)。. 娠 か らの雑 誌 と産後 か らの雑 誌 の比 較. 該 当 広 告 掲 載10雑. 誌(40冊)の. う ち 、 妊 娠 中 か ら を 対 象 と 明 記 し て い る雑 誌5誌(20冊)と. 後 か ら を 対 象 と し て い る雑 誌5誌(20冊)を. 比 較 した 。 発 行 部 数 の 平 均 値 は 有 意 に 産 後 か ら を 対 象. と し て い る雑 誌 の 方 が 高 か っ た(p=0.005<0.01)。1冊. あ た りの 該 当 広 告 面 積 割 合 の 平 均 に 差 は な. く 、 む し ろ 妊 娠 か ら を 対 象 に し た 雑 誌 の 方 が 若 干 高 か つ た(妊 娠 か ら1.7%;産 p=0.692)。. 、産. 製 品 種 類 の 出 現 回 数 を 比 較 した と こ ろ 、有 意 水 準0.05で. 後 か ら1.6%;. 哺 乳 瓶 ・人 工 乳 首 は 妊 娠 中 か. ら の 方 が 多 く 、 ベ ビー 飲 食 物 は 産 後 か らが 多 く 、 乳 児 用 調 整 粉 乳 に は 差 が な か っ た 。 産 後 か ら の 雑 誌 の 間 で は 有 意 水 準0.05で (表1-3)。PearsonのX2検. 乳 児 用 調 整 粉 乳 が ベ ビ ー 飲 食 物 及 び 哺 乳 瓶 ・人 工 乳 首 も 多 か っ た 定 で 漸 近 有 意 水 準(両 側)は0.008、. 21. 自 由 度 は2で. あ っ た。 広 告 種 類.
(26) 第1章. 育 児 雑 誌 に お け る母 乳 代 用 品広 告 の量 的 ・質 的 分 析. の 出 現 回 数 を 比 較 した と こ ろ 、0.05水. 準 で 純 粋 、 記 事 型 、 プ レ ゼ ン ト ・イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン 型 の. い ず れ の 出 現 回 数 に も 差 が み と め られ な か っ た(表1-4)。PearsonのX2検 は0.744、. 自 由 度 は2で. あ った 。. 22. 定 で 漸 近 有 意 水 準(両 側).
(27) 第1章 2.広. 育 児雑 誌 に お け る母 乳代 用 品広 告 の 量 的 ・質 的分 析. 告 の 内容分析. 内 容 分 析 が 行 わ れ た20記. 事 の う ち 、乳 児 用 調 整 粉 乳 が13記. 5か 月 未 満 の ベ ビー 飲 食 物 が2記 用 い て い た(表1-7)。. ー結 果 一. 事 で あ っ た 。 広 告 は す べ て 、4項. 乳 児 の 写 真 ・絵 は1記. 9記 事 が 写 真 を利 用 、14.5記. 事 を 除 い て19記. 目 中2.15項. 事、. 目の うち のい ず れ か の表 現 を. 事 で い ず れ か を 必 ず 含 み 、20記. 事 が 絵 を 利 用 し て い た 。 キ ャ ン ペ ー ン を 付 加 した 記 事 は7記. た 。 母 乳 化 ・人 乳 化 に 類 す る表 現 は12.5記 の 平 均 項 目数 は4項. 事 、哺 乳 び ん ・人 工 乳 首 が5記. 事 で 利 用 さ れ て い た 。1記. 事 中. 事 あっ. 事 あ た り利 用 して い る 表 現. 目で あ っ た 。. 各 調 査 者 の 見 つ け た 文 言 は 表1-8の. 通 りで あ る 。 乳 児 用 調 整 粉 乳 で は. 「母 乳 の よ うな 」. 「母 乳. に い ち ば ん 近 い 」 、 「母 乳 に 近 いJ、. 「母 乳 研 究 」 等 の 表 現 が み られ た 。 哺 乳 び ん ・人 工 乳 首 で. は 「母 乳 と 同 じ よ う に 育 っ て ほ し い 」. 「母 乳 育 児 を 助 け て く れ る 」 な ど の 文 言 が 見 ら れ 、 製 品 名. に 「母 乳 」 と い う言 葉 が 用 い られ て い た 。. 23.
(28) 第1章. 育児 雑 誌 に お け る母 乳 代 用 品広 告 の量 的 ・質 的 分 析. 4日 考 察. 〈本 研 究 の ま とめ 〉 今 回 の結 果 か ら、 日本 で は12誌 誌 面積 あ た り平 均1.7%の. 中10誌. の約8割 の妊 婦 ・乳 児 の親 向 け育 児 雑 誌 に、1冊 の雑. 面積 の乳 児 用 調 製 粉 乳 を は じめ とす る 「 国 際規 準」適 用 範 囲 内製 品 の広. 告 が掲 載 され て い る こ とが 明 らか に な っ た。 最 小 が0.06%、. 最 大 が5.2%で. あ る こ とか ら、 そ の. 雑 誌 に よ っ て該 当広 告 の 面積 に 幅 が あ る こ とが わ か る。 雑 誌 ご とに広 告 一 般 に割 く面 積 が 異 な る こ とに も留 意 す る必 要 が あ る だ ろ う。 ま た 、該 当広 告 が掲 載 され てい た10誌. の 対 象 読 者 を妊 娠. 中 か ら と産 後 か らに分 け て比 較 した と ころ 、1冊 あた りの 該 当広 告 面 積 割 合 の 平 均 に 差 は な く、 読 者 は妊 娠 中 か ら産 後 と変 わ らな い 量 の広 告 を提 供 され てい る こ とにな る。製 品 種 類別 の 出現 数 を比 較 した と ころ 、乳 児 用 調 整 粉 乳 に 出産 前 後 に差 はな く、 哺 乳 び ん ・人 工 乳 首 は む しろ 妊 娠 中 か らを対 象 に した雑 誌 の方 が有 意 に多 か っ た。 これ は、 「 母 乳 で 育 て た い け ど出 な い 人 の た め に 告 知 」 して い る とは言 い難 い状 況 を示 す 。 ま た乳 児 期 初 期 の 哺 乳 び ん ・人 工 乳 首 の利 用 は 、 む し ろ乳 児 が母 乳 の飲 み取 り方 に影 響 を与 え て い る とい う報 告 も あ り、母 乳育 児 を助 け る とい う主 張 は誤 りな い し根 拠 が な い21。 ま た 、 「国際 規 準 」 で広 告 が 規 制 され てい る製 品 の 広 告 に お い て 、 「 国 際規 準」 で表 示 ・販 売 の 際 に規 制 され て い る記 述 が な され て い る こ とが 明 らか に な った 。 広 告 に は細 か い記 載 も あ り、 調 査 者 に よっ て 多少 数 値 の差 が あ る も の の、 す べ て の 記 事 で 「 国 際規 準」 の規 制 項 目に該 当 す る 記 載 が存 在 した。 母 乳 が比 較 と して 出 され 、 乳 児 用調 整 粉 乳 は それ との類 似 性 を うた い 、 哺 乳 び ん ・人 工 乳 首 で は母 乳 育 児 を助 け る も の と して 広 告 文 言 や 商 品名 が 書 かれ て い た りす る傾 向 が見 られ た。 乳 児 の写 真 や 絵 、 キ ャ ンペ ー ン の付 加 、 「 母 乳化 」 「 人 乳 化 」や それ に類 す る表 現 が 用 い られ て い る こ とで 、 「国際 規 準 」 の 視 点 で は これ らの製 品 が 不適 切 に理 想 化 され て い る こ と に な る。 加 え て、 「 国 際規 準 」 に お い て母 乳 代 用 品 の定 義 に含 まれ る5か 月 未 満 のベ ビー 飲 食 物 の 広 告 が み られ 、 乳 児 用 イ オ ン水 と して 与 え る こ との 必 要性 が うた われ て い た。 これ は乳 児 用 調 整 粉 乳 と異 な って 健 康 増 進 法 の特 別 用 途 食 品 の扱 い を うけ て お らず 、 そ の た め そ の 内容 の監 視 を厚 生 労 働 省 か ら受 けて い ない こ とが 予想 され る。 乳児 に適 当 で な い可 能 性 も あ り、法 律 等 の仕 組 み の整 備 が 必 要 で あ ろ う。. 〈先 行 研 究 か ら〉 イ ギ リス 、 オ ー ス トラ リア 、 ア メ リカ合 衆 国 、 カナ ダ 、香 港 な ど海 外 にお い て は授 乳 が どの よ うに メデ ィア に お い て描 写 され て い るか の調 査 や 、一 つ の雑 誌 に注 目 して 広 告 数 と母 乳 育 児 率相 関 関係 の 調 査 を した研 究 が あ る。 海 外 の先 行研 究 にお い て も該 当広 告 の 掲 載 が 報 告 され て お り、 授 乳 率 との相 関 が 見 られ た とい う研 究 もあ る。 本 研 究 で は 「 母 乳 代 用 品の マ ー ケ テ ィ ン グ に 関 す る 国 際規 準」 と広 告 面積 を軸 に量 ・内容 の両 方 の側 面 か ら 日本 にお け る広 告 の 現 状 を把握 す る こ とを試 み た。 広 告 面積 を用 い た こ とで 、一 冊 あ た り どの程 度 の該 当広 告 が 含 ま れ るか が 想 像 しや す い。 ま た 、 単純 で は あ るが 同規 準 を軸 と した 内容 分 析 も行 っ た こ とで 、 現 状 が 一 つ の研 究 の形. 24.
(29) 第1章. 育 児雑 誌 に お け る母 乳 代用 品広 告 の量 的 ・質 的分 析. と して 把 握 可 能 とな った 。 さ らに、 全 国 誌 の 全 て の有 料 育 児 雑 誌 を対 象 と して い る こ と、対 象 読 者 が 妊 娠 中 か らで あ る雑 誌 と産 後 か らで あ る雑誌 とで 比 較 を行 っ た 点 で新 しい研 究 で あ る。. 〈 限界 と可能 性 〉 本 研 究 で は量 的 分 析 の た め雑 誌 と広 告 を定 義 し、面 積 を測 る こ と と した 。結 果 の解 釈 に あ た り、 留 意 点 が 少 な く とも三 点 存 在 す る。 第 一 に、製 品 の表 出 は 実 際 に は該 当広 告 に 限 らず 、そ の 定 義 にお い て除 外 した もの も雑 誌 に は含 まれ て い る。 例 え ば 、① 雑 誌 の記 事 の 中 に挿 入 され て い る該 当製 品 の画 像 や 紹 介 文 、 ② 流 通 ・販 売 業 者 の広 告 に挿 入 され て い る該 当製 品 の画 像 や 紹 介 文 、 ③ 該 当製 品 の製 造 業 者 の別 の製 品 の広 告 の 中に挿 入 され て い る該 当製 品 の画 像 、④ 該 当製 品 の 製 造 業 者 に よ る該 当製 品 の画 像 を含 む 自社 カ タ ロ グ の広 告 、⑤ 該 当製 品 の製 造 業 者 に よ る該 当 製 品 の キ ャ ラ ク ター を含 む 自社 母 親 ク ラブ.イ ベ ン トの紹 介 な どが それ に あ た る。 読 者 が 受 け取 る情 報 の よ り広 い 理解 には 、定 義 にお い て除 外 した も のの 存 在 に も留 意 す る必 要 が あ る。第 二 に、 量 的調 査 は 筆 者 が 一 人 で 行 った た め、 見 落 と しが 存在 して い た可 能 性 が あ る。 しか し、広 告 量 の 過 小 評 価 の 可 能 性 こそ あ るが 、 過 大 評価 は な く、 実 際 の広 告 の割 合 は本 研 究 の も の よ り大 き い 可 能性 が あ る。最 後 に 、本 調 査 は該 当広 告 面積 割合 の 計算 に あ た り、一 誌 の面 積 を分 母 と して お り、 各雑 誌 が 広 告 一 般 に 割 い て い た 面 積 は 測 定 して い な い。 した が っ て 、広 告 面 積 の うち の何 割 が該 当広 告 に割 か れ た か とい う測 定 は して お らず 、 そ の測 定方 法 を採 用 す る な らばそ の 割 合 は雑 誌 全 体 の 面 積 を分 母 とす る よ りも大 き くな るの は 明 らか で あ る。 他 製 品 との比 較 とい う異 な る角 度 か ら、 そ の よ うな研 究 を進 め るの も一 つ の 方 法 で あ る。 質 的 評 価 で は、 調 査 者 の 間 に多 少 の ば らっ き が 見 られ た。 本 研 究 にお い て は、 そ の 読 者 の観 察 度 合 い を評 価 す る こ とを第 一 目的 とは して は お らず 、 そ のた め観 察 に あた り注 目す るポ イ ン トと して4項. 目の提 示 を行 った が 、 そ れ で もば らつ き が 見 られ た。 した が って 、読 者 に よ って は観 察. の 度 合 い が 異 な る こ とを も結 果 は示 唆 す る。 今 後 、 読 者 の 主観 に 注 目 した 研 究 も有 意 義 だ ろ う。 最 後 に、 各 自治 体 で 母 子 手 帳 と共 に 配布 され る 「 母 子 手 帳 副 読 本 」 も ま た 『雑 誌 新 聞 総 か た ろ ぐ』 で広 告 主 を募 集 して い る雑 誌 で あ った が 、行 政 の 責任 範 囲が 濃 い も の で あ る とい う、 一 般 雑 誌 と趣 を異 とす るた め 本 調 査 結果 に は含 め な か っ た。 しか し、2008年 度 版 の 「 母子手帳副読本 」 に も該 当広 告 の 掲載 が み られ た 。今 後 、 「 母 子 手 帳 副 読本 」の現 状 を把 握 した 調 査 も必 要 だ ろ う。. 25.
(30) 第1章. 育 児 雑 誌 にお け る母 乳 代 用 品 広 告 の 量 的 ・質 的分 析. 5.結. 論. 母 親 と父 親 、 消 費 者 一 般 が どの よ うな 情 報 を 受 け 取 る か に 留 意 し た 規 準 が1981年 総 会(WHA)で. 採 択 され た. 「国 際 規 準 」 で あ る 。 同 規 準 は 、 各 国 に 自 国 の 社 会 的 ・法 的 枠 組 み に 沿. っ た 形 で 規 準 の 原 則 と 目的 に 実 効 性 を 持 た せ る行 動 を 求 め て い る(第11条)。 11条3項)に. に世 界 保 健. は 、規 準 実 施 の た め の 対 策 がQじ. ま た 、 同 規 準(第. ら れ て い る か に 関 わ らず 、適 用 範 囲 内 製 品 の 製 造 ・. 流 通 業 者 に 規 準 遵 守 の 責 任 が あ る と 記 載 さ れ て い る。 日本 は1994年. に 同 規 準 を 採 択 し て お り、 「健 康 増 進 法 」 に て 乳 児 用 調 製 粉 乳 を 特 別 用 途 食 品. と して 一 般 食 品 と 区 別 して 条 項 を設 け て い る。 ま た 、 替 品 のPR、. サ ンプ ル 配 布 につ い て. へ の サ ン プ ル 配 布 を1974年. 「①. か ら 自粛。 ②. 「わ が 国 の 母 子 保 健 」19に よ れ ば 、 母 乳 代. 各 メー カ ー は 、 病 院 、 産 院 等 で の母 乳 代 替 品 の 消 費 者 各 メー カー は 、テ レビ、 ラ ジオ 、 一 般 誌 で の 母 乳 代. 替 品 の 広 告 を 自 粛 。 た だ し、 専 門 誌 に は 、 告 知 の た めPR。 に つ い て は 「① 1982年. 」 と あ り、 母 乳 代 替 品 の 品 質 、 表 示. 母 乳 代 替 品 の 成 分 組 成 に つ い て は 、 厚 生 労 働 大 臣 の 承 認 事 項 。(乳 等 省 令)②. か ら母 乳 代 替 品 に 表 示 され て い る 成 分 組 成 、表 示 の 適 正 の チ ャ ッ ク な ど を 行 い 、特 別 用 途. 食 品 の 許 可 を厚 生 労 働 大 臣 が 与 え て い る。 こ の と き 『乳 児 に と っ て 母 乳 が 最 良 で あ る 旨 』 、 『医 師 、 栄 養 士 等 の 相 談 指 導 を 得 て 使 用 す る こ と が 適 当 で あ る 旨 』 、 な ど表 示 。(健 康 増 進 法)」 と さ れ て い る。 し か し、 こ の 報 告 に 反 し て 一 般 誌 で の 母 乳 代 用 品 の 広 告 が 存 在 す る 現 状 、 及 び. 「乳 児 に と っ て. 母 乳 が 最 良 で あ る 旨 」 が 逆 に 宣 伝 の 一 部 と され て い る 状 況 が 本 研 究 に よ り明 ら か に な っ た 。 サ ン プ ル 配 布 は 他 の 先 行 研 究 で も示 唆 され て い る 他 、 広 告 の 中 に キ ャ ンペ ー ン を 付 加 し て サ ン プ ル を 配 布 して い る もの もあ る こ とが本 研 究 か ら明 らか に な つ た。 また 、 特 別 用 途食 品 に 含 まれ な い 製 品 が 乳 児 に 適 切 な も の と し て 販 売 ・広 告 され る 危 険 性 が 示 唆 され た 。 『国 際 規 準 の 実 情 』22の9 分 類 で み る と 、 日本 は 第6分. 類 目 の 低 位 置 で 、 「条 項 の 一 部 が 任 意 規 定 に似 て い る が モ ニ タ リ ン. グ が 適 正 で な い た め に 、 企 業 の 影 響 か ら保 護 され て い な い 」 と な っ て い る 。 今 後 、 乳 児 の 健 康 を 守 る こ と を 目 的 に 策 定 され 、 日本 も 採 択 した. 「国 際 規 準 」 に 実 効 性 を 持 た. せ る た め に 、行 政 、製 造 ・流 通 業 者 、メ デ ィ ア 従 事 者 、保 健 医 療 従 事 者 、 さ ら に 乳 幼 児 を持 つ 親 、 一 般 市 民 、 そ れ ぞ れ の 立 場 で 、 さ ら な る 現 状 把 握 と共 に 、 どの よ うな 取 り決 め や 取 り組 み を 進 め る べ き か 、 検 討 し て い く必 要 が あ る 。. 26.
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