ACTN3 遺伝子の多型が高齢女性の筋力および 筋力トレーニングの反応性に与える影響
─
低強度・低頻度の筋力トレーニングの影響
─安 田 俊 広・早 川 克
*緒 言
我が国は,世界でも類を見ない超高齢社会に突 入し,解決すべき多くの課題を抱えている。高齢 者が自立し活力のある生活を送ることは,社会保 障費や医療費の負担軽減だけでなく,労働力とし ての社会参画や地域コミュニティの活性化に重要 な意味がある。そのような観点から,多くの自治 体では,介護予防や転倒予防を目的とした健康・
運動教室が実施されている。これらの教室では,
大人数を対象に講義をするものから比較的少人数 の実技形式のもの,実技の教室でもウォーキング をメインとした有酸素運動から筋力トレーニング など様々である。高齢者の転倒予防・介護予防を 目的に考えた場合,加齢に伴う筋の萎縮あるいは 速筋線維の選択的萎縮に対処する必要があり筋力 トレーニングは有効な手段と考えられる1)。しか し自治体等で行われる高齢者を対象とした筋力ト レーニング教室では予算や運動指導を専門とする スタッフに限りがあることから低強度で週
1
回程 度の低頻度のトレーニングとなっていることが多 い。週1
回の筋力トレーニングでも効果があると する研究もある2)一方でその効果には大きな個人 差が認められている3)。この個人差が生まれる原 因を明らかにし,より効果的な運動方法を理解す ることは,高齢者を対象としてトレーニングを実 施する上で極めて重要なことである。近年,運動能力やトレーニングに対する反応の
個人差を遺伝子の差異で検討されることが増えて きた4-6)。運動能力に関連する遺伝子は数多く報 告されているが,本研究では
ACTN3
遺伝子に焦 点を当てた。なぜならACTN3
遺伝子がコードす るα-アクチニン3
は速筋線維に特異的に発現し,筋線維の配列維持などを担う7)構造タンパク質で あり,加齢に伴う速筋線維の選択的萎縮8)や筋力 発揮に関与している可能性があるためである。ま た,ACTN3遺伝子の多型は運動後の筋損傷の程 度に影響を与える可能性があることも指摘されて おり9),トレーニングによる骨格筋の適応に影響 を与える可能性も考えられる。
ACTN3
遺伝子は,その配列の中で577
番目のアミノ酸がアルギニン(R)になるべきところが,
遺伝情報の読み取り終了を意味するストップコド ン(X)に置き換わり,後に続くアミノ酸を生成 しない変異型の遺伝子が存在する。このような場 合,正常な遺伝子を「R型」,変異した遺伝子を「X 型」という。ヒトは
1
対の同じ1
つのタンパク質 をコードする遺伝子を持っている。このことからACTN3
遺伝子の多型は,正常な遺伝子を2
つ持つ
RR
型,変異した遺伝子を2
つ持つXX
型,正 常な遺伝子と変異した遺伝子を1
つずつ持つRX
型の3
通りが考えられる。エリートアスリートを対象とした研究10)から,
スプリントおよびパワー系種目のトップアスリー トは
RR
型を有する者が多く,持久系種目のトッ プアスリートはXX
型を有する者が多いことが報 告されている。α-アクチニン3
は速筋線維のZ
線 を構成する主要なタンパク質であり,Z線は筋線*竹田綜合病院
維の配列を維持し,筋節から筋節へ力を伝達する 役割を担っている7)。したがって,α-アクチニン
3
をコードするACTN3
遺伝子の多型はスプリン トおよびパワー系の運動パフォーマンスと関係が あると考えられる。一般健常者を対象とした研究 では,筋力はRR
群がXX
群よりも高いとする報 告11)とXX
群がRR
群よりも高いとする報告12)が あり,一定の見解が得られていない。以上のことから,本研究では
ACTN3
遺伝子の 多型が,高齢女性の筋力および週1
回程度の低強 度・低頻度の筋力トレーニングの反応性に与える 影響を明らかにすることを目的とした。研 究 方 法 1. 対象者
高齢者を対象とした介護予防筋力トレーニング 事業参加者で
65
歳から80
歳までの高齢女性25
名を対象とした。対象者の身体的特徴(平均値±標準偏差)は,身長
150.3±5.8 cm,体重 54.8±
6.8 kg,年齢 72.0±4.8
歳であった。トレーニングは
12
週間のトレーニングを1
クールとし,1クールあたり10
名前後の参加者 が週1
回90
分間の筋力トレーニングを行ってい る。 MacArthurら13)は,筋力トレーニングの反 応性に関して,男性は内分泌系の影響を強く受け ており,遺伝子による影響が少ないと報告してい る。このことから,本研究の対象は筋力トレーニ ング事業に参加した健康な高齢女性とした。なお,研究を実施するにあたって,対象者には 本研究について十分に説明し,その同意を得た。
本実験は,福島大学倫理委員会で承認された。
2. トレーニング内容
筋力トレーニングは,空気抵抗方式によるト レーニングマシン(HUR社製)を用いて,7種 目(チェストプレス,ラットプル,アダクション,
アブダクション,レッグエクステンション,レッ グカール,レッグプレス)のトレーニングを行っ た。負荷は,筋力トレーニング開始時の値を
100% 1RM
として,40% 1RMで実施した。20回/セットを
1〜2
セット,週1
回行った。12週間 のトレーニング教室開始時と終了時に筋力測定を 行った。3. 測定項目
1) ACTN3遺伝子型
ACTN3
遺伝子測定のためのDNA
サンプルは,参加者の口腔粘膜から採取した。Yangら14)の方 法に準じて
ACTN3
遺伝子多型の解析を行い,R577X
を両対立アリルに有するXX
型,R577Xを アリル1
対のみに有するRX
型そしてR577X
を 有しない者をRR
型とした。2) 体格および身体組成
筋力トレーニングの前後に,身長,体重,体脂 肪率および除脂肪体重(LBM : Lean Body Mass)
をインピーダンス法にて測定した。
3) 等尺性最大筋力
筋力トレーニングの前後に,トレーニングマシ ンを用いて
7
種目(チェストプレス,ラットプル,アダクション,アブダクション,レッグエクステ ンション,レッグカール,レッグプレス)の等尺 性最大筋力を測定した。各トレーニングマシンに は,ストレインゲージを装着して等尺性最大筋力 が測定出来るようになっており,被験者は験者の 合図に合わせて
3
秒間の最大筋力発揮を行った。4) 統計処理
測定値はすべて平均値±標準偏差(mean±SD)
で示した。統計学的処理には
SPSS Statistics19
(IBM)を用いた。各群の比較には,一元配置の 分散分析,Scheffe法における多重比較を行った。
また,各測定値の相関関係はピアソンの相関係数 を求め,相関分析により有意性を検討した。いず れも危険率は
5%
未満(p<0.05)とした。結 果
1. ACTN3遺伝子型
本研究の被験者
25
名のACTN3
遺伝子型の内 訳は,RR型を有する者が6
名(RR群),RX型 を有する者が13
名(RX群),XX型を有する者 が6
名(XX群)であった。この出現頻度は先行研究で報告されている日本人のものと同程度で あった14)。
2. 体格および身体組成
表
1
に体格および身体組成の結果を示した。RR
群の年齢は,RX群およびXX
群よりも統計的 に有意に低い値を示した。各群の身長,体重,体 脂肪率およびLBM
において,統計的に有意な差 は認められなかった。年齢とLBM
の間に,統計 的に有意な相関関係は認められなかった(図1)。
3. 等尺性最大筋力
表
2
に筋力トレーニング前後の等尺性最大筋力 を示した。筋力トレーニング前の等尺性最大筋力 は,レッグエクステンションを除く6
種目におい てRR
群はRX
群およびXX
群よりも高い値を示 し,チェストプレスにおいては統計的に有意な高 値であった。また,筋力トレーニング前後の等尺 性最大筋力の比較では,RR群は,アダクション,レッグエクステンションおよびレッグプレスにお いて,RX群は,ラットプル,アダクション,ア ブダクション,レッグエクステンション,レッグ カール,レッグプレスにおいて,XX群は,アダ クション,アブダクション,レッグエクステンショ ン,レッグプレスにおいて,トレーニング後に統 計的に有意に高い値を示し,トレーニングによる 筋力向上が認められた。
表
3
に筋力トレーニングによる等尺性最大筋力の変化量を示した。レッグエクステンションにお いて
RR
群はRX
群よりも統計的に有意に高い値 を示したが,その他の種目においては遺伝子型に よる違いは明確ではなかった。アダクション,アブダクション,レッグカール,
レッグプレスにおいて,筋力トレーニング前の等 尺性最大筋力と筋力トレーニング前後の変化量の 間に,統計的に有意な負の相関関係が認められた
(図
2)。
考 察
本研究では,ACTN3遺伝子の多型が高齢女性 の筋力および低強度・低頻度の筋力トレーニング による筋力の変化に与える影響について検討し
表1 トレーニング前後の体格および身体組成
遺伝子型
RR RX XX
Pre Post Pre Post Pre Post
年齢(歳) 66.0±1.83, 72.77±4.08 74.67±3.35
身長(cm) 151.10±5.94 151.25±5.60 150.64±6.23 150.65±6.33 150.45±5.49 148.75±3.91 体重(kg) 57.57±7.07 58.23±7.73 54.12±5.89 54.07±5.60 53.57±7.07 53.30±7.23 体脂肪率(%) 33.27±4.36 33.50±6.49 29.13±5.43 30.82±6.79 30.58±6.90 30.22±5.96 LBM(kg) 38.15±2.72 38.34±3.05 38.16±3.41 37.22±3.97 36.86±3.33 36.89±3.32
Pre : 筋力トレーニング前,Post :筋力トレーニング後
LBM : Lean Body Mass : RR vs. RX, : RR vs. XX
図1 年齢と除脂肪体重(LBM)との関係
表2 トレーニング前後の等尺性最大筋力 遺伝子型
RR RX XX
Pre Post Pre Post Pre Post
チェストプレス 4.47±0.52, 4.95±1.18 3.41±0.75 3.85±0.99 3.31±0.99 4.00±1.39 ラットプル 5.31±0.93 5.59±1.22 4.98±1.54 5.89±2.04* 4.73±1.96 5.22±1.72 アダクション 2.27±0.37 2.61±0.42* 2.04±0.48 2.27±0.50* 2.03±0.14 2.41±0.25*
アブダクション 2.24±0.56 2.57±0.37 1.98±0.61 2.19±0.46* 1.91±0.18 2.38±0.43*
レッグエクステンション 1.48±0.28 2.24±0.40* 1.78±0.56 2.18±0.74* 1.61±0.43 2.14±0.23*
レッグカール 0.81±0.35 0.91±0.17 0.69±0.25 0.83±0.30* 0.57±0.19 0.75±0.16 レッグプレス 18.07±8.03 24.43±4.79* 15.68±7.96 20.91±10.10* 14.36±8.38 19.81±7.96*
単位: Nm/LBM,Pre : 筋力トレーニング前,Post : 筋力トレーニング後 : RR vs. RX, : RR vs. XX, * : Pre vs. Post
表3 筋力トレーニング前後の等尺性最大筋力の変化
遺伝子型
RR RX XX
チェストプレス 9.44±14.96 14.89±29.29 21.84±26.80 ラットプル 4.73±8.13 20.08±31.66 17.11±29.31 アダクション 15.16±6.87 13.82±24.88 19.15±13.10 アブダクション 20.41±28.78 15.73±24.39 24.58±15.08 レッグエクステンション 51.82±8.54* 21.79±30.35 48.01±61.47 レッグカール 37.88±52.14 24.68±35.18 45.36±52.81 レッグプレス 47.09±27.71 39.04±33.52 58.26±42.92
単位: %
*: RR vs. RX
図2 トレーニング前の最大筋力と筋力変化率との関係(レッグエクステンション)
た。その結果,ACTN3遺伝子の多型は高齢女性 の最大筋力に影響を及ぼしている可能性が示唆さ れたが,筋力トレーニングの反応性は,筋力トレー ニング前の筋力の影響が強く,ACTN3遺伝子の 多型による影響はほとんどみられなかった。
本研究において筋力トレーニング前の等尺性最 大筋力は,チェストプレスにおいて
RR
群がXX
群よりも統計的に有意に高い値を示し,ラットプ ル,アダクション,アブダクション,レッグカー ル,レッグプレスにおいても,RR群がRX
群お よびXX
群よりも高い傾向が認められた(表2)。
Zempo
ら15)は,高齢女性を対象に大腿部筋横断面積を測定し,XX群が
RR
やRX
型と比べて大 腿部筋横断面積が小さいことを報告しており,本 研究の結果と合致している。このことから,高齢 者の筋力にACTN3
遺伝子の多型が影響している 可能性が考えられる。一般に加齢に伴い骨格筋の 筋量および筋力の低下が認められる16)。本研究に おいて各群の年齢を比較すると,RR群がRX
群 およびXX
群よりも統計的に有意に低かった。し たがってRR
群において年齢が若いことが高い最 大筋力を生みだした可能性がある。そこで,本研 究では最大筋力をLBM
で除して算出した。また,年齢と
LBM
との関係において有意な相関関係は 認められず(図1),本研究においては筋力に与
える年齢の影響は少ないと考えられる。これらの ことから,年齢の影響を完全に排除することは出 来ないけれどもRR
型を有する者が高い筋力を発 揮する可能性は十分あると考えられる。Young ら10)はアスリートを対象とした研究でRR
型がス プリント/パワー系パフォーマンスに有利に働く ことを報告している。また若齢女性でも11),高齢 女性でも17),XX型がRR/RX
型と比較して最大筋 力が低いことが報告されており,本研究の結果と 同様な知見を示している。高齢女性を対象とした 研究では黄18)が日本人女性26
名を対象に筋力お よび体力測定を行っているが,いずれの測定項目 においてもACTN3
の遺伝子型による違いがない ことを報告している。本研究の結果と異なる理由 は明確ではないが,彼らの研究ではRX/XX
のグループ(X群)が
4
名と少ないことが関係してい るかもしれない。筋力トレーニングの前後を比較して,RR群は アダクション,レッグエクステンション,レッグ プレスにおいて,
RX
群はラットプル,アダクショ ン,アブダクション,レッグエクステンション,レッグカール,レッグプレスにおいて,XX群は アダクション,アブダクション,レッグエクステ ンション,レッグプレスにおいて統計的に有意な 増加が認められた(表
2)。このことから,本研
究で用いた低強度(40%1RM)・低頻度(週1
回)の筋力トレーニングであっても,高齢者の筋力を 向上させることは可能であると考えられる。
筋力トレーニングに伴う筋力増加に遺伝子型が 影響するかどうかについて,Clarksonら11)は,
一般女性の筋力トレーニング後の最大筋力は,
XX
群がRR
群と比較して有意に増加したことを 報告している。本研究では,レッグエクステンショ ンにおいてRR
群がRX
群よりも統計的に有意に 高い値を示したが,その他の種目において遺伝子 型による一定の傾向は見られず,遺伝子型による 差は認められなかった。この結果は,Clarkson ら11)の結果と異なるが,彼らは遺伝子型の影響 と同時にトレーニング前の筋力がその後の変化に 強い影響を及ぼすことを示唆している。一般に,筋力トレーニング前の筋力が低いほど,筋力ト レーニングによる効果は大きくなる。本研究にお いても,筋力トレーニング前の等尺性最大筋力と 筋力変化率の間には,負の相関関係が認められた
(図
2)。
近年運動能力の素質を遺伝子の多型で説明する ことが増えてきた19)20)。しかし競技成績を単一の 遺伝子多型のみで説明することは困難である。な ぜなら特定のタンパク質が機能低下したとしても 他のタンパク質によって代償作用が生じる可能性 があるからである21)。また
Clarkson
ら11)は,一 般健常人に関して,運動パフォーマンスに影響す る環境的要因や遺伝的要因の中で,ACTN3遺伝 子が占める割合は極めて少ないと述べている。整 備された環境で,運動パフォーマンス向上のために高度なトレーニングを行っているエリートアス リート集団では,トレーニングや生活習慣などの 環境的要因の影響が少なく,より強く
ACTN3
遺 伝子の影響を受けていることが考えられる。しか し,本研究のように環境的要因と遺伝的要因が複 雑に絡み合っている高齢者や一般健常人では,環 境的要因と遺伝的要因の両方の影響を受けやす く,ACTN3遺伝子の貢献度が低くなる傾向にあ ると考えられる。また,本研究のトレーニング期間や強度および 頻度では高齢女性の著しい筋肥大をもたらすこと は困難であり,ACTN3遺伝子の多型が筋力に与 える影響を検出できなかった可能性もある。今後 は被験者の数を増やすとともに筋肥大をもたらす のに十分な条件下で筋力トレーニングを行い,検 討する必要があると考えられる。
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(2016年
4
月11
日受理)ACTN3 Genotype Is Associated with Muscle Functions in Elderly Women : Effects of Low
-Frequency Resistance Training
YASUDA Toshihiro and HAYAKAWA Masaru
(Takeda General Hospital)[Purpose] The purpose of this study was to investigate the effect of actin-
binding protein α
-actinin
-3
(ACTN3)
genotypes on overall muscle strength and to determine how ACTN3 genotypes influence the change in muscle strength during a period of resistance training in elderly women.
[Methods] Twenty-
five elderly women completed a 12
-week resistance training program meeting once a week. All subjects took an isometric maximal voluntary contraction
(MVC)test before and after the training period.
[Results] The ACTN3 R577X genotype distributions of the subjects were 6, 13, and 6 for the RR, RX,
and XX genotypes, respectively. The RR genotype group showed higher maximal strength than that in the RX and XX genotype groups. There was no significant difference noted in muscle strength changes during resistance training.
[Conclusion] These results suggest that ACTN3 genotype may influence the overall maximal
strength ; however, there was no change in muscle strength after a period of resistance training in elderly
women.