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トラブルチケット・システムによる事案管理

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Academic year: 2023

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トラブルチケット・システムによる事案管理

鶴岡工業高等専門学校 教育研究技術支援センター 鈴 木 徹

1.はじめに

鶴岡高専総合情報センターは、教育用電算シ ステム、学内LANシステムなどの情報システム を維持管理している。通常業務では日々対応を 迫られる様々な事案(障害など)が発生する。

こうした事案への対応を記録・整理し、グルー プ間での情報共有を効率化するためのツールと して「トラブルチケット・システム(Trouble Ticket System)」を導入したので報告する。

2.トラブルチケット・システム

トラブルチケット・システムとはチケット発 行システムと呼ばれるシステムの一つである。

図1にトラブルチケット・システムにおける 事案処理の流れを示す。チケット発行システム は、着手すべき事案が生じた際、概要をメール 等で登録すると、事案ごとに固有IDを有する電 子チケットを発行する。これを「トラブルチケ ット」もしくは「インシデントチケット」と呼 ぶ。登録された事案はその時点で担当者未定の 未解決チケットとして取り扱われる。担当者は WEB ブラウザでシステムにアクセスし、そのチ ケットを取得し「Open(着手)」する。以降、チ ケットに関連づけられた事案について、発生か ら解決に至るまでの経緯・ステータスを、

「Action(行動)」を起こした都度、逐次システ ムに書き入れていく。書き込んだ情報は時系列 にスレッド形式で連なっていき、関係者が WEB ブラウザで閲覧・コメント・記事追記できるほ か、情報が更新される度に、その内容が自動的 にメールで関係者に送信され情報を共有できる。

事案が解決するとステータスを「Resolved(解 決)」とし、チケットを「Close(終了)」すると 関係者に同報される。一度Closeした事案はい つでも閲覧できるほか、再Openすることもでき るし、記事から自組織の事案に対する手続きや 知識を格納するための知識ベース(knowledge

base)を形成したり、事案傾向を分析したりす ることもできる。

図1 事案処理の流れ

3.RequestTracker

採用したシステムは米国 Best Practical Solutionsが開発したRequest Tracker4.0(以 下RTと呼ぶ)である。RTは世界でもトップレ ベルのオープンソースチケット発行システムと 言われ、世界中の著名企業がヘルプデスク業務 などに採用している。図2にRTの画面表示例を 示す。

チケット発行システムは海外ではポピュラ ーなシステムだが、著者が最初にこのようなシ ステムに着目した平成18年頃には、検索サイト で検索してみた限り、ほとんど国内に情報がな かった。現在では、検索結果を見る限り商用、

非商用を含め、以前よりもずっと選択肢は増え つつあるようである。RTを活用した事案管理の グループウェア化を試みた。

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図2 RTの画面表示例

4.RTのセットアップ

RT はいわゆる LAMP 環境(Linux, Apache, MySQL, PHP)で動作する。具体的にはCentOS5.6, Apache2.2.3, MySQL5.0.77, PHP5.1.6の環境下 にインストールした。

RT は世界的に著名であるが検索サイトで検 索してみた限り、日本で活用されている事例は 少ないようで、日本語の情報は非常に少ない。

情報のほぼすべてが英語であることと、筆者自 身のスキル不足もあり、結局断続的な作業なが ら稼働できるまでに数ヶ月を要した。

5.RTの評価

現場では事案が発生すると、過去の類似例へ の対応を振り返らなければならない場面が多々 ある。筆者が赴任した当時、前任者は事案を定 型書式の報告書に記述して綴っていた。このや り方は労力が必要で、筆者はすぐに辞めてしま った。赴任した平成8年は高専にネットワーク が整備された年で、前任者の時代に較べ事案件 数が飛躍的に増加したため、この方法を根気よ く続けていくことができなかったからである。

しかしながら代わりに別の記録方法を採ること をしなかったため、長い間、過去の対応を調べ る術としては、自身の記憶と当時の関係者間の

メールのやり取りが頼りとなった。しかし、記 憶力は年齢と共に減退し頼りないものになった し、メールのやり取りは、断片的な情報になり がちであるため、このままではいけないという 危機感を日々募らせていて、解決策を模索し続 けていてRTに行き当たった。

RTは過去の事案について、いつ、誰が、何を、

どう対処したのかに関して、強力な検索機能で 短時間に有益な情報を提供してくれる。また、

RTに書き込んだ情報・状態の更新は関係者に自 動的に同報されるため、別途メール連絡をする 手間が省ける。さらに開発元や世界中のユーザ から種々のアドオンツールが提供されており、

それらを活用すると、例えば記事から知識ベー スを構築したり、複数のレポートを1つの特定 のインシデントにまとめたり、事案の傾向分析 ができたりする。これらの点で非常に有益なツ ールたり得る。

一方、RTを活用する上での問題点は以下のよ うなものである。

(1)事案が発生すると担当者は対応に追われ多 忙になる。そのような時、いちいちRTに記事を 登録する作業が非常に面倒臭く、無駄な時間を 浪費しているように感じることがある。

(2)情報の価値は、記事の質に極めて左右される。

(3)日本語の技術情報が極めて少ない。

特に(2)については複数人で活用してみて痛 感したことであるが、例えば記事のタイトルが 簡潔・明瞭でないとか、内容が5W1Hを含む、要 点を記述したものになっていないことがあり、

情報の価値・質を著しく損なっている場合があ る。

6.おわりに

現状、我々の RT は何とか稼働に漕ぎ着け たものの基本機能のみを使用するに留まってい る。恐らく有している能力の半分も引き出せて いないであろう。

今後日本でもこうしたシステム活用が一般 的となり、より多くの情報が提供され、高専職 員どうしで情報交換できるようになれば、と期 待している。

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