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モバイルSNS市場の分析と今後 - Sophia

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2010年度

上智大学経済学部経営学科   網倉ゼミナール 卒業論文

モバイルSNS市場の分析と今後

A0742343 吉田恭祐

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2 目次

第1章

1‐1 モバイルSNSとは

1‐2 モバイルSNSの現状

1‐3 オープンプラットフォーム化 1‐4 問題提起

第2章

2‐1 プラットフォーム・ビジネス 2‐2 仮説の前に

2‐3 仮説1 2‐4 仮説2 2‐5 仮説3

第3章 3‐1 考察

3‐2 これからのモバイルSNSの提案

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3 はじめに

高校3年生の時、私は友達にmixiに招待され、モバイルSNSを利用し始めた。そしてその後、

DeNAの提供サービス「モバゲータウン」にも友達に薦められたことをきっかけに登録した。「モ バゲータウン」は当時周りで知っている人は少なかったものの、その後テレビ CM の放映を開 始し、現在では国内大手にまで成長した。GREE も同様に、数年で会員数を劇的に伸ばし、一 躍大手SNSとなっている。また国外からはFacebookが世界最大のSNSとなっている。

私はこのモバイルサービスという身近なものが、数年で爆発的に成長したことに興味を持った。

そこで、国内でモバイルSNSを提供する大手企業を基に、その市場の中で、何が起こっていて、

関係企業がどのような戦略をとっていて、この先、どのような戦略をとっていくのかを分析、考 察していく。

最後に、SNS 市場は現在変化が非常に激しく、各企業が提供するサービスも絶え間なく変化し ていく。そのような状況の中での研究となる為、本論文内での参考資料は暫定的なものとなって しまい、1年後には全く異なる見解が出来るようになっているかもしれないが、現時点での自分 なりの分析、考察を試みたい。

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4 第1章

1‐1、 SNS、モバイルSNSとは

近年耳にすることが多くなった「SNS」という言葉だが、「IT用語辞典 e-Words」によると以 下のように定義されている。

SNSの定義:

人と人とのつながりを促進・サポートする、コミュニティ型のWebサイト。友人・知人間のコ ミュニケーションを円滑にする手段や場を提供したり、趣味や嗜好、居住地域、出身校、あるい は「友人の友人」といったつながりを通じて新たな人間関係を構築する場を提供する、会員制の サービスのこと。(http://e-words.jp/w/SNS.html)

本論文内ではこの定義を採用すると共に、モバイルSNSという言葉を以下のように定義する。

モバイルSNS:

携帯電話専用のソーシャル・ネットワーキング・サービス

1‐2、 SNS、モバイルSNSの現状

世界的に見ると、SNS 自体は2002年の「Friendster」の登場と共に本格的に普及した。そ してその後「MySpace」や「LinkedIn」、そしてその企業の社長を題材とした映画が今年日本で 公開されることとなった「Facebook」が現れる等、わずか10年程の間に社会でのSNSの存在 感は爆発的に大きくなった。

また一方で国内SNS の大手モバイルSNSについて簡単にまとめておきたい。2004年にグ リー、ミクシィがサービスを開始。モバゲータウンは更に2年後の2006年にサービスを開始 した。モバゲータウンは初めから携帯端末用にサービスを展開していたのに対し、ミクシィ、グ リーは当初PCからのみの利用という制限があったが、両社とも2006年には携帯端末での使 用が可能となった。

そして2010年7月の時点で3社とも2000万人以上の会員を抱え、現在、モバイル SNS の成長は目覚ましい。

ではその3社の業績はどうなのか。以下は3大SNSの決算説明会資料を基に作成した、201 0年7‐9月の売り上げ内訳表である。(グリーのみ資料がなかった為、2010年4‐6月の データを採用、各社SNS 事業以外にも事業はあるが、今回は売上は省いた)

'

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5 四半期売上表

課金売上 広告売上 売上合計 課金比率

ミクシィ 611 3,097 3,708 16%

モバゲータウ ン

21,324 1,696 23,325 93%

グリー 10,147 2,262 12,409 82%

(単位:百万円)

このようにSNS事業の業績ではモバゲータウンが一人勝ちの状態である。

この表から読み取れるのは、各社間での売り上げに対する課金比率である。ミクシィの課金比率 は16%であるのに対し、モバゲータウン、グリーはそれぞれ93%、82%の高い課金比率を 実現している。これは、SNS 上での自分の分身である「アバター」の表情や服装などの組み合 わせアイテムを購入する際に生じる課金と、SNS 上で友人と共にプレイできる「ソーシャルゲ ーム」の利用の際に生じる課金によって構成されているようだ。

また3社を比べた時、広告売上に比べて、課金売上の方が各社間の差が大きく開いている。

このように上限のある広告売上よりも課金売上の方が多くの会員を巻き込める為にはるかに収 益潜在性があるのではないだろうか。

この状況に加え一昨年から新たな流れが始まった。「オープン化」である。

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6 1‐3 オープンプラットフォーム化

そんな中、2009年にミクシィが、2010年1月にモバゲータウンが、6月にグリーが「オ ープン化」に踏み切ったと注目された。その主な内容は、「今まで内製していた SNS 用のアプ リケーションを、外部からでも作れるようにする」というものだった。

ただ昨年からの流れとなっているこの「オープン化戦略」について3社とも似ているがオープン 化の内容に差がある為、ここで企業別にその内容を以下の表にまとめておく。

ミクシィ モバゲータウン グリー

サービス名 mixi Platform モバゲープラットフォーム GREE Platform

内容

・OpenID

・API公開

・外部Webからの ミクシィデータの活用

・Open Social

・提携企業のみではなく、

個人からもアプリケー ションの提供が可能

・パートナーサポート等

・API公開

・Open Social

・提携企業からのみ提供可 能

・パートナーサポート等

・API公開

・Open Social

・提携企業からのみ提 供可能

・パートナーサポート

OpenID:他サイトへミクシィIDでのログインが可能に

このオープン化のAPI公開により、従来SNS企業が独自に開発していたゲーム等のアプリケー ションを外部のデベロッパーが開発できるようになった。デベロッパーにとってはSNSサイト という多くの顧客がいるプラットフォームを用意されていること、そしてSNS企業にとっては 豊富なコンテンツをサイトに取り入れることが出来るようになることがそれぞれ魅力であり、ユ ー ザ ー に と っ て は 多 く の ア プ リ ケ ー シ ョ ン を 利 用 で き る よ う に な る と い う こ と で 、 正 に

Win-Win-Winの関係を築いたと言えるだろう。

そしてこのオープン化により、従来の SNS サイトのビジネスモデル上関係のあるグループは、

課金売上の源泉となる「ユーザー」グループ、そして広告売上の源泉となる「広告主」グループ の2つのグループであったが、その関係に新たに外部の「デベロッパー」が加わることとなり、

プラットフォームの規模が拡大することとなった。

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7 図1 オープン後のSNS周辺構造

サイト・アプリ提供

観覧 広告投稿

アプリ開発・提供 アプリ開発・提供 アプリ開発・提供

1‐4 問題提起

このオープン化に伴い、大ヒットとなった「サンシャイン牧場」などのアプリケーションがミク シィ、モバゲータウンの両サイトで利用できるようになった。モバゲータウンのみのユーザーに とってはミクシィのみで利用できた面白いコンテンツをモバゲータウンで利用できることは非 常に喜ばしいことだろう。

だが、ここで疑問に思ったことがある。それは「オープン化によりミクシィ、モバゲータウン、

グリーの3モバイルSNSサイトのユーザーに対する相互差別化が難しくなってしまうのではな いだろうか」とういうことである。

そしてこれからはこの問題を分析するために「プラットフォーム・ビジネス」の考え方を導入し、

考察していく。

SNS企業

SNSサイト

ユーザー 広告主

デベロッパー

デベロッパー デベロッパー

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8 第2章

2‐1 プラットフォーム・ビジネス

プラットフォーム・ビジネスとはアンドレイ・平野(2010)によれば、「複数のグループの ニーズを仲介することによってグループ間の相互作用を喚起し、その市場経済圏を作る産業基盤 型のビジネスモデル」と定義されている。またプラットフォームの5つ機能として、ⅰ)マッチ ング機能、ⅱ)コスト削減機能、ⅲ)検索コストの低減機能、ⅳ)コミュニティ形成による外部 ネットワーク効果・機能、ⅴ)三角プリズム機能があり、この機能を活かし、新しいエコシステ ムを構築する戦略を「プラットフォーム戦略」と言う。

本論文で扱っているSNS企業の事業をこのプラットフォーム・ビジネスとして捉えれば、SNS 事業はこのように言い換えられるだろう。「コミュニケーションやアプリケーションを求めるユ ーザー、企業名・サービス名の認知率や利用者数向上を求める広告主、開発したアプリケーショ ンを世に広めたいデベロッパーを仲介することで利益を生み出し、その手段としてSNSサイト を提供・運営する事業。」

つまり本論文で扱っているミクシィ、モバゲータウン、グリーの3大モバイルSNSは下図のよ うに各グループのニーズを満たす為に用意された「場」と言える。このようにプラットフォーム を提供し、運営する立場のグループを「プラットフォーマー」という。

=「グループ」

繋がりがほしい・ゲームで遊びたい=「ニーズ」 ユーザに対して広告を出したい

=「プラットフォーム」

ユーザーにアプリケーションを提供したい

そして、前章で取り上げた疑問は、プラットフォーム・ビジネスにおいて、以下のように言い換 えることができる。

SNSサイト

ニーズマッチングの

「場」

ユーザー 広告主

デベロッパー

素朴な疑問: 同じ市場を狙う各SNSはプラットフォームとして「ユーザー」

グループに対し、どのように差別化を図っているのか?

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9 2‐2 仮説の前に

この疑問を考えていく上で、比較するモバイルSNSの性質は極力近いことが好ましい。本論文 では主にミクシィ、モバゲータウン、グリーの3つのモバイルSNSを取り上げてきたが、果た して、3つのモバイル SNS を「『マッチングさせるニーズを持つ複数のグループ』と『各グル ープが持つニーズ内容』が同種類であるという条件を満たしているのだろうか。ここで3モバイ ルSNSのグループの性質を考える。

「IT Media News」の2010年2月5日の記事によると、ミクシィの笠原健司社長は「GREE やモバゲーとは明らかに別の市場を狙ったものだ」と強調した上で、「GREE やモバゲーは、

見知らぬ人と一緒にゲームをプレイし、ARPU(1人当たりの売上高)を拡大するかたちで、

既存のゲームコミュニティーやオンラインゲーム市場を狙ったサービス。mixi アプリは、

友人(マイミクシィ)と一緒にコミュニケーションを楽しむためのもので、ARPU ではな く課金ユーザーのすそ野を拡大する取り組みだ。これまでにない新しい市場で開拓には時 間がかかると思うが、しっかり立ち上げていきたい」と述べている。

この発言を考慮すると、「ユーザー」というグループにおいて、ミクシィと他2SNSの間には性 質の違いがあり、提議した疑問の前提条件を満たしていないのではないかという疑問が残る。

その疑問に対しての考察が必要かもしれないが、2‐1で提示した疑問とは関係がない為にここ では議論の対象としない。したがって、これから提議した疑問を考察していくにあたり、ミクシ ィ、モバゲータウン、グリーの3つのモバイルSNSを相互比較していくよりもモバゲータウン とグリーの2つを比較対象として議論していく方が素朴な疑問に対する結論が出しやすいと考 え、以降、モバゲータウンとグリーを題材として、疑問の考察を進めることとする。

また仮説を立てる前にもう1つ確認しておくことがある。このプラットフォームの中で最も重要 であり、プラットフォーム・ビジネスを展開する上で注意を払わなくてはならないグループは「ユ ーザー」グループである。なぜならば、1‐3にある図1において、仮に広告主のグループが存 在しなくとも、ユーザーグループとデベロッパーのニーズをマッチングすることは可能である。

よってこのプラットフォームは課金の売上を出すことができる。またデベロッパーがいない場合 も同様に、ニーズのマッチング、そして広告売上を出すことは可能だ。しかし、もしユーザーグ ループがいない場合、広告主グループのニーズとデベロッパーグループのニーズのマッチングは できない為、プラットフォーム・ビジネスは成り立たない。

したがって、この後仮説を立てる際、ユーザーグループに対してアピールできる差別化要因を探 していくこととする。

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10 2‐3 仮説1

MMD研究所の調査iによると、「SNSでよく利用するアプリは何ですか?」という問いに、有効 回答3610中、ゲームがトップであった。

この調査から次の仮説を導ける。

CM総合研究所によると、2010年10月までの1年間でGREEのCM回数(関東地域)は、

全業種中最多の約2万4600回。一方、ライバルサイトの「モバゲータウン」も3位(約1万 回)につけ、業界内のCM合戦が過熱している。iiこの洪水のように流れているCMを調べ、ユ ーザーに対してのアピールポイントを探すのだ。

例えば、モバゲータウンが「無料ゲームが100種類!」というポイントを CM の中でアピー ルしているとすれば、無料ゲームの種類数でグリーと比較を行い、それぞれがアピールポイント としている要素が差別化可能であるか検討していく。

手順としては、TVCMを調べるために、動画サイトYOUTUBEで「モバゲー」「グリー」と検 索。それぞれの検索結果からアピールポイントを推測し、そのアピールポイントが果たして 差別化可能であるかどうかを考察していく。

実際に検索し、趣旨とアピールポイントを下の表にまとめた。

仮説1:ゲームの種類、数が違う

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11

モバゲータウン グリー

アピール内容 趣旨(作品説明) アピール内容 趣旨(作品説明)

ゲームアプリ 全般

アプリの豊富さ

・大人でも遊べるアプリがあ る(柳沢慎吾他主演「いい大 人のモバゲー」シリーズ)

・芸能人もやっていることを アピール(広末涼子主演「コ インランドリーの女篇)他

ゲームアプリ 全般

アプリの豊富さ

・芸能人もやっていること をアピール(ベッキー主 演)他

特定のアプリ ・オリジナルゲーム、大ヒッ トゲームの宣伝(木梨憲武主 演「怪盗ロワイヤル」他)

特定のアプリ ・オリジナルゲーム、大ヒ ッ ト コ ン テ ン ツ の 宣 伝

(YOU 主 演 「 釣 り ★ ス タ」、リラックマデコメ他)

芸能人がヒットゲームのアプリで遊ぶ姿が CM となっている等、上記の表の複数の趣旨を持つ CMもあるが、主にアピールポイントは両SNS共①コンテンツ②芸能人のソーシャルゲーム参 加の2点であった。

このことから、まず両SNS間での差別化要因の1つの仮説として「コンテンツ」の違いを分析 することとする。

そこでモバゲータウンとグリーの両モバイルSNSについて提供しているゲームのジャンル、そ してその数を実際にサイトに登録して調べ、それを基に次の表を作成した。

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12

モバゲータウン グリー

ジャンル 数 ジャンル 数

RPG

育成・シミュレーション

アクション・タイミング アドベンチャー

スポーツ・レース ボード・カード パズル

学習・クイズ ギャンブル その他 ミニゲーム

82 458

109 93 2 39 25 39 17 11 305

RPG 育成

シミュレーション アクション アドベンチャー スポーツ テーブル パズル 脳力・クイズ パチンコ・パチスロ その他

ミニゲーム(合計)

内訳 アクション

シューティング パズル ゆるゲー スポーツ じっくり タイアップ

59 60 110

25 32 12 11 7 14 3 5 304 118 31 49 53 23 5 25

合計ゲーム作品数 1180 946

モバゲータウンの「学習・クイズ」とグリーの「脳力・クイズ」等、ジャンル名に違いはあれど、

そのジャンルに属するアプリケーションは共に簡単な暗算をさせるアプリであったり、英単語の 意味を答えさせる問題であったりと、大きな差異を見つけることは出来なかった。

この結果からほとんどのジャンルのゲーム作品数において、モバゲータウンがグリーを上回って いることが分かる。

したがって、モバゲーの立場であればはゲームアプリ数において、グリーに差別化できていると 考えられ、この仮説は採択された。

そしてそこから話を広げると素朴な疑問に対しての1つの説明として「プラットフォーマーはプ ラットフォームを構成するグループの構成数を増やすこと」が差別化要因と言える可能性ができ た。

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13 2‐4 仮説2

次にモバイルSNS内のコミュニケーションという活動に焦点を当てる。前述した通り、プラッ トフォームはⅰ)マッチング機能、ⅱ)コスト削減機能、ⅲ)検索コストの低減機能、ⅳ)コミ ュニティ形成による外部ネットワーク効果・機能、ⅴ)三角プリズム機能を活かしながら2‐2 で述べたように、このプラットフォーム内での最重要グループ「ユーザー」を活動させることで 利益をげている。2‐3では CM による差別化要因を考察したが、この差別化要因はアプリケ ーションの利用の開始を促すものだ。

この節では既にサービスの利用を開始しているユーザーに対し、「掲示板」等のコミュニケーシ ョン活性化の場を提供し、ユーザー同士の活動をアクティブに保つことに努めている。

そこで2つ目の仮説を提示する。

この仮説も検証する為に、仮説1の分析方法と同様の方法で両SNSの掲示板ジャンル、及びそ の数をまとめ、下の表を作成した。

モバゲータウン グリー

ジャンル 数 ジャンル 数

アバター  9355 アバター 8183 ゲーム合計     96472 ゲーム合計 83788 地元の友達 111789  地元/地域 49594 同年代 37476  同年代/共通点 21499

共通点 25807

恋愛/結婚 34357  恋愛/結婚 6136 友達探し 53362  友だち探し 15782 雑談/相談/チャット 87739  雑談/チャット/写メ 22122 音楽 63682  音楽/歌手/バンド 35796 スポーツ 50256  スポーツ/アウトドア 17414 マンガ/アニメ 46825  ゲーム/マンガ/アニメ 85175 芸能人/有名人 35333  芸能人/お笑い 17341

お笑い/ギャグ 9717

車/バイク 32452  車/バイク 8234 ファッション/コスメ 16639  ファッション/コスメ 7911 映画/テレビ 7494  映画/テレビ 5489

  本/雑誌/作家 4159

学校 53355  高校/中学/小学校 13866

  大学/専門学校 3907

仮説2:コミュニティの性質が違う

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14

  サークル/部活 7833

  家族/子育て 3238

  旅行/あそび 2993

  写真/アート 6203

ペット 11083  ペット/動物 5303

グルメ 9770  グルメ 5427

  ネット 1321

  パソコン/ケータイ 2955

ギャンブル/マネー 16564  マネー/株/ギャンブル 3576 職業/仕事 19731  仕事/会社 4429

  就活/インターン 592

  資格/習い事 1349

  イベント/交流会 6700

趣味 59113

その他 165135  その他 55472 合計掲示板数 1053506  513787

この表から考察を進めるとジャンルに関してはグリーの方が細かく掲示板ジャンルが分かれて いるように一見すると見える。しかし、モバゲータウンはグリーで言うところの旅行/あそび、

写真/アート、パソコン/ケータイを趣味の1つでカバーしている点などからジャンルの違いは 見受けられない。

またモバゲータウンの方が倍近くの掲示板数を抱えているが、1つの掲示板についてのコミュニ ケーションの盛り上がり方までは今回見ることができなかった。

なのでこの仮説2は採択できるか判断できない為、保留とする。

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15 2‐5 仮説3

最後に、広告はされていないものの個人的に気になったことを調べておく。それは何かと言うと、

「モバゲータウンとグリーでゲームに利用する仮想通貨の換金率が違うのではないか?」という ことである。

では実際にどうなのか。課金の仕方、その換金率について調べてみたところ、下の表のようにま とめられた。

モバゲー グリー

課金の種類 モバゴールド モバコイン ゴールド コイン 使い方 アバター購入等

に使う仮想通貨

ゲ ー ム ア イ テ ム を 購 入 に 使 用 す る

アバター購入、特定 の ゲ ー ム の 利 用 時 等に使う仮想通貨

ゲ ー ム ア イ テ ム を 購入に使用する

購入方法 モバゲータウン への無料登録、

友人紹介、スポ ンサーサイト登 録等モバゲータ ウン内でのサー ビス利用

携 帯 利 用 料 や ウ ェ ブ マ ネ ー な ど で購入、スポンサ ーサイト登録等

グ リ ー へ の 無 料 登 録、友人紹介、スポ ン サ ー サ イ ト 登 録 等 グ リ ー 内 で の サ ービス利用

友人紹介、携帯利用 料 や ウ ェ ブ マ ネ ー などで購入、月額の コース加入

購 入 時 換 金 率

1コイン1円 1コイン1円

相互互換性 無し 無し

この表からはモバゲー、グリー両モバイルSNSにおいて課金の種類、課金の仕方等には違いは 見受けられない、グリーでは月額コースがあるくらいだ。月額のコースにユーザーを加入させれ ば、安定した課金売上を出すことができる。しかし今回では詳細まで調べることができなかった が、モバゲーのように、ゴールド、コイン共に複数の獲得方法があり、一概に換金率の比較はで きない。

そこでこの仮説の検証はできず、仮説2同様、保留とする。

仮説3:課金の仕方、換金率が違う

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16 第3章

3‐1 考察

前章までにプラットフォームの差別化要因を3つの仮説を立て検証してきたが、採択できる仮説 は1つだけしかなかった。まだ他の仮説を立てることができたかもしれないが、良い仮説を立て ることができなかった為、採択した仮説1についてこの章では論じていく。

仮説1より、少なくともユーザーグループは利用するアプリケーションの中でもゲームに関心を 持つ割合が高く、SNS もプラットフォームとして相互に差別化する際にゲームのコンテンツを いかに充実させるかが重要であることが分かった。

つまりモバゲータウンー、グリー共にユーザーが食いつく「キラーコンテンツ」をいかに出し続 けるか、ということが課題になるだろう。その課題をオープン化で乗り越えようとするというこ とだと思うが、現在モバゲー、グリーのどちらのSNSサイトでアプリを開発するか、あるいは 両サイトにゲームを提供することするかという判断はデベロッパーにある。このでデベロッパー の囲い込みをしようとして起こったのが昨年12月8日に起こった独占禁止法違反(不公正な取 引方法)の疑いによる、モバゲータウンを運営するDeNA 社とその関係先への立ち入り検査で あった。キラーコンテンツとなりうるアプリケーションの継続的な開発をの為にオープン化をし たものの、このような事態が起こったことからも推測できることは、「外部のデベロッパーにア プリケーションの開発力で劣るしまう場合、以下にそのプラットフォームとしての魅力をデベロ ッパーにアピールし、プラットフォーム・ビジネスを展開していくかという戦略が大事」という ことである。

つまりオープン化に伴い、モバゲー、グリーは「プラットフォーマーとしてデベロッパーに交渉 力を保ち続けることが大事である」ということである。デベロッパーにとってのモバイル SNS の魅力、それは「提供するゲームをアピールできる顧客がより多いSNSであり、パートナーと してより充実した支援をしてくれるSNSである。支援な内容やその詳細については専門的な技 術知識が必要となる為、本論文では研究していないが、どのような形であれ、プラットフォーム・

ビジネスを展開するに当たり、企業と企業がお互いの機能を持ち合い利害関係をもつ間柄であり ながらもプラットフォーム上ではチームで大きな利益を出すことが必要となる。

その上でこれからプラットフォーマーが競合するプラットフォーマーと差別化できることは何 か。それはプラットフォームの運営力ではないだろうか。これはアンドレイ・平野(2010)

の「プラットフォーム戦略」に書かれていることと最終的には一致してしまうが、今後プラット フォーム・ビジネスを発展させていく上で、「プラットフォーマーとして自らの存在価値の創出 すること」「対象グループ間交流の刺激」「プラットフォームの統治」が重要になってくるだろう。

3‐2 これからのモバイルSNSの提案

最後に今後のモバイルSNSがどのような方向に行くべきか、一つ提案をして締めくくりたい。

本論文では、プラットフォーム差別化について述べてきたが、今後のプラットフォーム・ビジネ スとして「プラットフォーム構成グループの多様化」を目指すべきではないかと考える。なぜな

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17 らば、大手モバイルSNSは今回ゲームというアプリケーションジャンルにおいてオープン化す ることでプラットフォーム構成グループの種類を増やし、キラーコンテンツをより継続的に生み 出す体制を整えた。三人寄れば文殊の知恵ではないが、プラットフォーム・ビジネスはそもそも 1人で1億円を売り上げるという考え方ではなく10人で協力して100億円売り上げるとい う考え方のビジネスモデルである。つまりSNSの提供する各機能をオープン化し、多くのデベ ロッパーが多くのアプリケーションを開発できるようになればSNSサイトの提供する各サービ スの質は自然に高くなると予想できる。そのように様々なオープン化が行われた場合、サービス が魅力的な各SNSの利用者数は増加し、また互いのSNSがさらに似通ったものとなってくる。

またそれと同時に、プラットフォームの運営も複雑かつ困難なものになる。しかしそのような時 に、今回考察したようにプラットフォーマーの運営力があればそれがユーザーに対しての差別化 を生むこととなる。

プラットフォームの運営力があるという前提付きにはなるが「プラットフォーム構成グループの 多様化」を行える企業がこれからのプラットフォーム・ビジネスで成功するのではないだろうか。

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18 参考文献

アンドレイ・ハギウ・平野敦士カール 『プラットフォーム戦略』 東洋経済新報社 2010

『プレジデント 2010 11.1号』 プレジデント社 2010

『ミクシィ下方修正 「mixiアプリ」急成長もコスト重く』

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1002/05/news080.html

『モバゲーに公取委が立ち入り 「グリーと取引するな」と不当拘束』

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/472200/

『mixi オ ー プ ン 戦 略 の 背 景 〜Facebook vs Google の ソ ー シ ャ ル ・ プ ラ ッ ト フ ォ ー ム 戦 争 〜 』

http://japan.internet.com/busnews/20090521/8.html

Referensi

Dokumen terkait