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人口 2 億人社会の実現へ
インパクトある政策を
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人口減少が 国力の衰退に直結
新たな成長戦略が6月に発表されます。人口急減に対処するため
50年
後に1億人を維持するという目標も出始めました。しかし日本の将来を真剣に考えるなら、もっと思い切った策を打ち出すべきだと思います。
バブル崩壊後
務省統計局資料)と続き、 262万、270万、269万人(総 ビーブームで1947年からは は減少が続いています。戦後はベ 20年以上、出生数
71年から
の第2次ベビーブームでも200万人を超えました。その後は一貫して右肩下がり。現在は103万人(2013年推計値)程度です。
政府は人口を増やすべく様々な取り組みを進めていますが、大きな成果には結びついていません。人口減によりGDPも下がってきます。隣国の中国に抜かれましたが、同国の一人っ子政策緩和決定によって、今後さらにその差は大きく開いていくでしょう。国力の縮小した日本は他国の影響を受けるようになり、自由な選択ができなくなる。国としての自立も危うくなります。日本の将来のため人口増は第一の課題であり、まず出生を促進しなければなりません。このままでは
1 0 0 0 万 円 の 奨 励 金 提 案 第 3 子 出 生 に
■■■■■■■ 恐ろしいことです。 5000万人を割り込むと考えると 3分の2になり、100年後には 50年後に人口は子どもは3人くらいが理想とする人が多いのですが、実態は1・
41人
(2012年)。経済的に困るとい
株式会社ナガセ代表取締役社長
永瀬 昭幸
(ながせ・あきゆき)1948年生まれ、東京大学卒業。76 年株式会社ナガセを設立。大学受験予備校の「東進ハイ スクール」、「東進衛星予備校」を中核に、幼児・児童向 け英語教室「東進こども英語塾」、大学生・社会人の学び の場「東進ビジネススクール」を展開。さらに中学受験の
「四谷大塚」、生涯にわたる体育事業の「イトマンスイミ ングスクール」の社長・理事長も務める。幼児から社会人 までを対象に25万人の生徒が通う、民間企業としては最 大規模の教育機関を築く。大学生などの起業支援、高校 生の米国大学留学支援、小、中、高校生の全国統一テスト なども実施している。
人 口 減少 に よ り 、日本 の 国力 は 衰退 の 一 途 を た ど る 。 国 と し て 自 立 し 続 け る 唯 一 の 方法 は 出生 の 促進 だ 。 今 こ そ 人 口 減 か ら人 口 増社会 へ 。 第 3 子 以 降 の 出生 に 対 し 、 国 が 1 0 0 0 万 円程度 の 奨励金 の 拠出 を 。
①施行 2 年後 か ら は 年間 1 0 0 万人 の 出生増 を 目指 す 。 ② こ の 施策 を
30年間続
け る こ と に よ り 、
50年後
に は 人 口 2 億人 も期待 で き る 。 ③ こ の 施 策 に よ る 国 の 支 出 は 年 間
10兆 円 、
克服 し て い く必要 が あ る 。 ④ た だ し 、実行 す る に あ た っ て の 様 々 な リ ス ク や 課題 を 国民全体 で を 見込 む が 、人 口 増 が も た ら す メ リ ッ ト の 方 が は る か に 大 き い 。 30年 間 で 3 0 0 兆 円 程 度
提言 の 実行 に よ り実現 す る未来 ①本施策 の 施行 に よ り 、人 口 増 の 期待感 が 広 ま り 2 ~ 3 年後 に は 経済効果 を 生 み 始 め 、究極 の ア ベ ノ ミ ク ス と な る 。 ②
20年間停滞
し 続 け て き た G D P が 増加 に 転 じ 、
30年後
に は 倍増 の 1 0 0 0 兆 円 に 。 ③税収増 に よ り 、無借金 で 健全 な 国家運営 が 可能 に 。 ④経済 が 活性化 し 、日経平均株価 も最高値 を 更新。 ⑤社会 イ ン フ ラ の 整備 が 進 み 、福祉 も充実。 ⑥国際社会 に お け る 日本 の 存在感 が 高 ま る 。
克服 す べ き課題 ①年間
⑥人 口 増 に 対 す る 国民 ・ 社会 の 理解 と積極的支援。 日本 の 国力 に 対 す る 適正人 口 の 算出。 地球環境 へ の 配慮。 ⑤世 界 の 人 口 爆発 と ど う折 り合 い を つ け る か 。 ④保育施設 の 充実、 待機児童問題 の 解消。 ③子 ど も を 持 つ 女性 が 働く た め の 制度 ・ 環境 の 整備。 お よ び 高齢出産 の リ ス ク の 回避。 ②女性 の 結婚年齢 の 上昇 に よ る 出産適齢期間 の 減少 10兆 円 に の ぼ る 奨励金 の 財源確保。 提
言
うのが最大の理由のようです。
それなら困らないようにすればいい。第3子の出生祝いに1000万円の奨励金を出すことを提案します。2人の子どもがいる人にとって3人目の奨励金は、大きく出生を促進するでしょう。第3子以降第何子まで奨励金を出すかは検討が必要ですが、出生が年間100万人くらいは増えると思います。
れば、 いこの政策を続け 30年くら
世界中で日本人が活躍する。 しょう。海外へ出ていく人も増え、 は回復していくで 経済が伸び、国力 活気を取り戻し、 す。地方や山村も 成立も期待できま 人口2億人国家の 50年後には もちろん、反論もあるでしょうし、ご夫婦や社会全体の理解がないと進みませんが、国の施策次第で大家族が増え、社会が賑やかになっていく。それが素晴らしいことだという認識を深められればと思っています。
いつやるのか。効果を出すには、まだ社会に活力の残っているうちに始めないといけません。この法案が通り今すぐ着手すれば、期待感が広まり、2~3年後から経済効果が出始めると考えられます。人口が増加している米国ではダウ平均が過去最高値を更新しています。しかし日本の株価は、日経平均の過去最高には遠く及ばない。日本にとっては人口減社会を人口増社会に切り変えることが第一です。■■■■■■■
長期的視点に立ち 思い切った政策を
労働力としての女性の必要性、初産年齢の遅れ、保育所不足、待機児童問題など、財源の問題の他にも多くの課題はあります。出生数増加の ための工夫を国民全体で考えなければならない時期です。幼稚園、保育園に関しては、規制緩和など国の行政面でもっと努力してほしいし、企業の保育施設などの増加も期待したい。女性の出産期間が、昇進、昇格などキャリアの面で不利になるなら、制度的に救済する方法も考えていくべきでしょう。 欧米でも、かつてはアジア人を見ると「日本人ですか」と訊かれることが多かったのですが、今は「中国人ですか」と訊かれます。活力のある国が注目を集め、国力が衰退すれば無視される。国際的な立場は結局のところ国力にかかっています。奨励金予算
10兆円は消費税でいえば約
4%分です。特別国債を発行するという方法もあるでしょう。しかし人口増がもたらす経済効果は、それを超える莫大なものが期待できます。
克服すべき課題や思いもよらぬリスクもあるでしょう。浅学非才な私には今、明確な答えがあるわけではありませんが、人口増加策についての今回の提言が、長期的視点に立った思い切った政策を打ち出す呼び水になり、国民全体で考えるきっかけとなれば幸いです。