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信夫高湯温泉の亜鉛の起源と挙動
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緒 隣
福島漂儀夫高揚温泉は橿鳥鷲ぎ西方約i8麹盤吾妻東出の東舞葎董の申舞隻に湧縫1する酸幸生礒｛ヒ水i素 泉であって，その主化学成分についてはいくつかの報告工・2）がある。また，微量成分のうち，
ヒ素，マンガンおよび亜鐙の分姦についてはすでに報告3）した。本報では，亜銀の起源と挙動 について考察する。
試料および分析法
亜鑑の分析を行なった試承は，信夫高揚濃泉の駕綴の湧鐵簸のうちのi擁露から数次にわたっ て採取されたものである．この地に，この温泉付近の冷湧水欝魑および海損水i2纒炉含まれ
る。
亜鐙の分析は，試水欝一5鋤」をと肇，擁｛調整後，ジチゾンー麟塩化炭素漆簸で麹饑し，殴 光光度法によって行なった。またン塩化物イオンはチオシアン酸水銀法シ硫酸イオンはク質ム 酸バ夢ウム酸懸濁濠法によって定量した。
裏糧在 いわき事立小鱗中学校
2§
篠島大学理科鞍告第22号
結果および考察
奄．亜鐙の分析纏について
すでに報告菖〉した分析結果および，その後に得られた3護の採取試料の分叛鎮から，薩鉛，
塩化勃イオンおよび硫酸イオン濃度のデータをと警，各湧鐵舞についての平均麺を求めたもの を表iにまとめた。
表i 揺夫高揚撮泉水およびそダ）溝辺の湧水の｛と学纏破牢
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この結：果から，本温泉およびその周辺の湧水は次の三種に分類できる。
〔i｝ 涯塾泉水 亜多套含量 （）＾ 22鮮暮／言
平 均 8．4芦塞／」 （38試料）
千葉・草野 倭夫蕎湯温泉の亜鐙の遅源と挙動
2i
（2／比較的亜鍛含量の高い酸性水 亜鉛含量 35〜欝卿墓が 平 均 86メ馨μ （8試料）
③ 亜鋭含量の緩い弱酸姓湧水 亜錯含量 §〜25総μ
平 均 i2戸9〆言 （重工試料）
ここで，（2紅羅する湧水は表王のU§W（灘肇U§付近の冷湧水），Si（撰儀夫イオウ鉱
毒廃貌琉内水），醗，翼2（微温湯溢泉水）およびS璽32（雰沼よ撃の流鐵承）であって，箆較的 強恥硫酸酸性⑫琶i．7〜3、5）を示しン水温絃あま撃高くなく（欝。一32。C），鉄ンァルミニゥムイオンを含むぶ磁化水素を含まない共通獲をもっている．塩化物イオン濃度は緯の温泉承を も含めて末濃とかな夢よい歪の麟驚を示すので熱水遅源かと推定されるが・その飽の成分は塾 ず編も磁化鉱物の酸化漆鐵か，酸性水による壁岩からの溶鐵によるものであろう。
（3翼こ属する湧水隷，表iのGi，G2（高揚ゴノレフ霧海湧水）， 丁饗i （高揚ゴルフ揚不の 湧水）および誕号Srで示される自律趨承源の湧水蘇である。これら1まいずれも，水滋は低翫・
（簸〜2がC）渉含有成分濃簑はかな蓼高く，主覇イオンはカルシウムおよびマグネシウムイ オン，主陰イオンは藏酸イオンであるむβ琶は畦〜7であってン飼らかの形で火海活動の影響 を受けているものと考えられる。以上のような性質によ警，これらの湧水は，降承が地下の箆 較納浚い部分を遜遍して湧鐵したと思われる冷湧承（舞として，表2のS25，S2壌，S2縫，
S22iなどの流水の水源となっている湧水）とは鵜らかに区肇1される。
（隻）に属する濃寒：水は表亙では薫繋｝TおよびUで示され、るものである。記号丁の湧墨舞は海 技高度が鋤較的低く （68躯75§欝），降雨の影響を受けにくいが，記号Uの湧繊舞1ま高霧
（海抜7鴨川8§倉搬）にあって降雨の影響を受けやすい2》。しかし，含有成分緯成については大 差なく・多量の硫紀京葉（i鐙〜欝§猛奮μ）を含むが，鉄はわずかω〜9．§濃創」）しか含ま ず，熱7多く起源の酸性透くが壁岩から隣イオン成分を溶織し尽したのではないかと推定され・ている 2｝。一方，多くの酸性灘泉では亜鍛イオン濃度は塩化物イオン濃度と藍権襲を示す雀魂）もの が多く，亜鉛含量の高い温泉では嶽秘勅イオン濃穫とともに寒湿，ヒ騨舞ニウムイオン濃度も 高い傾向ぶある。こ轟らのことからン藪鉛の起源につ塾ては黙示起源と壁岩からの溶鐵との講 方の驚能性が指摘動されているが・この滋；褻ではそれらのいづれ もの寄与ぶ小さいために亜鉛 含量ぶはなはだ小さいのであろう。
たとえば、野嚢ら藷｝は磁化水素を含む温泉承中の銅，豆銀および鎗イオンの濃度は，水温，
酵｛および磁化水素濃度によって支醍されるものと考え，硫乾勅の溶解度積と磁化承素の酸定 数の饒を罵籍て硫化勃と平衡にあるこれらの金羅イオンの濃度を議算した。その結果，立田地 獄谷温泉では大部分グ）実灘雛は亜鉛と鐙については不飽秘であ参，銅については飽穣以上の濃 度になっていると結i讒している。著者らは馨夫高揚灘集についてナ承灘4禦Cシ舜｛2、66および 磁化水素濃褻3、62×i脅瑠M（湧鐵嚢丁6のデータによる）という条件で上の欝算を試みた。そ の結果，硫化物と平衡にある璽鍛イオンの濃度はむ．銘×雄略厳であった。これは3建g／」に相 当するから，灘泉水中の実灘短の率均8．命琶がの蓬藩弱1こすぎない。したがって，この澱豪水 中の亜鋭濃度は欝翼，磯化水素濃凌などによって著しく影響を受けているものと考えられる。
この結果から，（2）に羅する湧水轟の亜鍛濃度ぷ比較的高い題を示すのは，醜紀水素を含まな い酸性承による壁岩からの溶鐵1こよるものと推定さ轟艶（麟の灘寒1で濃疫が低いのは高濃度の硫 化水素によって溶綴餐舞えられるためと考えられる。
22 福島大学遷科報皆第22琴
2 谷鑓水中の亜鉛含量
璽鉛ぶ岩薦からの溶鐵によって供給されるものとすれば，豆銀含量の小さい温泉水は湧鐵 後，谷燐となって滾れ下る賜に鱗癒の岩石から璽鐙を溶織してその濃護を増大する可能性があ る。それは，温泉水は湧懲役，湯麺の串を空気と接しながら数十メートルも流れると，含まれ ている硫化承素は一部は灘裏漉殿物とな警，一部は空気中に敏轟されて消失してしまうので，
これら麟集って流れ，る谷擁の水では醜化水素が璽鐙の溶餓を擁麟するということはおこらない からである。そこで，この可龍性をたしかめるために，谷輝の流程の各勝から3嬢にわたって 試水を採取し分摂した。その結果を表2および騒iに示した。
表2 谷妻鷲中の叢藝蜜養含量の瀧程変糞二
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千葉・薙野 震央葛湯温泉の亜鉛の趨源と挙動
23
これらの結果は，いずれも鱗水のZ痴C夏は上流から下流にゆくにした碁って瞬らかに増大し ていることを示している。この流程に僕給されている潟泉や支流の水は，恥ずれもこの谷隅の 水よ肇も亜鉛含量渉抵恥ので，本滴における璽鐙濃痩の増大の原癒とはな聾得ない。また，鱗癒
などに瞬らかに高濃度の盤錯を含むような水の湧鐵は認められ なかった．した摂って，Z郵Ciの 罐大の漂獲は癖藪の岩石 からの溝墨による亜鐙の供給以外にはあ聾得ないものと考えられる。
5 溶鐵実験
亜鉛解滋集水によって岩石からどの程度溶灘されるのかにつかて次のような実験を行なっ
た。
溶鐵蔽として驚いたのは，湧鐙欝丁6よ聾採取した湿嶺水であって，密栓保存したものと，
空気中で麗栓して硫化水素のなくなるまで敏直したものの二種である。
試料として聡塾た岩石1は
P
2）
3）
逢）
5）
この灘泉付近の擦蕎場で樽られた風化されていない安海岩2㌔
湧患籔U3付近よ聾得られた，著しく風化を受けて白色化した安麟岩2）。
谷鱗癒の安鐵岩礫。かな蟄騰化された紫褐色のもの。
講。灰黒色でイオウの沈殿物を含む。
谷鱗麩iの凝灰岩礫。灰褐色のもの。騰｛ヒされている渉，その程度ははっき参しない。
の5種であった。
これらの岩蒼試料を粉砕してi倉倉メツシユのふるいを通したもの欝9を25G鐙ぎのポ亨エチレン びんに取蓼，溶猷蔽i春魯溢」を癩え，2ぎCの麺濃徳中で振とう器を用番 てi倉◎s鍍。短s／醗沁で振と
うしながら鍵分麗溶愚を行なった。この上澄蔽をと姿，遠￡磯を罵》て欝，巷む§r．夢．盤．で遠心 分離して懸濁物を除去したのち，溝畿され，た亜錯の濃度を灘足した。
一方，こ＝れ，らi）〜5）の試料をメノウ撃む参事で十分総懸｝としたのち，フッ鷲二水i素酸と遍塩素 酸とを篤いて常法によ撃添解し，岩石」中の全盤鐙 含量を求めた。以上の結果を表3に示す．
表3 鶴 温泉承による媛看中の難鎗め溶嶽実験
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試料番矧
機縁素を含む撮泉水へ騰化糠を倉まな曝泉水一i岩薦串の
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（も） 溶患薮として濡恥た温泉承の牝学1繊（湧旗轟丁6）
泉澱49．2。C， 襲｝歪 2．63
採永年舞舞 ig獲年黛月28韓
C＆童＋ M落2＋ Fe毛。謡 A窒3＋ C重一 s暖一 登2s Z登欝＋
鎗9．9 59．5 β．綴 3§．3 83．｛｝ 6§2 i2§ 鰺
（単盤：縁懸響が， Z簸のみ芦琶／の
2蓬 擾 島 大 学 理 科 i鞍 告 第22号 これらの結果から，次のようなことぶわかる。
韓 新羅な安麟嚢中には亜錯はig6鱒猛含まれ，クラーク数韓鯨船欝）に競べて数熱量である ぶ，騰化解進むにしたがって錘鉛含量は抵下する。
騰化の程度を，主成分の一つである全銀の含有量で示すことができるものとすれば，安 霞岩試料については分＞の≧3）＞2）の顯1こ風化されていることにな参，亜鋭含量の纈序も これと一致している。しかし，Z彰Fεの姥を求めると，上の顯に倉．○綴i，倉．縫7，韓．磁3，
む．鱗8のように蟻大し，滋紀の燦，藍鉛は鉄よ聾も諮鐵されがたいことを示して疑る。こ れ。は，酸性で硫農工水素の存在するときの亜1鍛と鉄の礒i牝勅の溶解｛窒の差に起離するものと 考えられる．
鱗 風化ぶ進むと，岩石隼の盤錯含量は低下するにもかかわらず，これらの魑に韓する溶鐵 した藍鉛量の雛の姥（溶患率）はむしろ増大する。薮鰭安田岩について，上の実験条件下 での溶鐡率はi．欝％である潜，暴化された安田岩ではその3〜護賠にも達している。こと に，属化された凝灰岩では9．7％にもな聲非常に大きかった。
織 硫牝水素を除いた澱豪承に魅する溶雄率は，礒髭水素を含んでいるものに鰐する魑よ聾 も，どの岩層試料の場合につマ・ても大きかった。しかし，礒化水素の影響の程度轍岩層試 料によって異な蓼，
、擁化水素を』倉漢奏。y繋承莚愛する漆鐵率 磁化水素を含む試承』ぼ薄ずる濤鐵率一一
を求めるとン露色化した安寅岩試料2）が6．iで鍛大，紫褪色の試料3）渉i．iで最小であ 聾，継墾まマ・づれ、も2〜3の纏！を示した。
以上の結果から，舜髭．§程嚢の温泉承で，低温⑫5。C）かつ鏡鞍的頬暗闘（論分）の実験 でも，岩石 と十分接触できるならばかな蓼の量の亜鉛熱瀞饑し得るものであることがわかる。
したがって，高灘で強酸鐘の濃泉水が十分長時懸にわたって多量の岩層と接鮫できるような条 縛のもとにあるならば，マグマからの藏接的な藪鍛の婁給ぶなくともかな聲高濃度の壷鐙を含 む濾．集水溝得られるであろう。
一方ン璽鉛の溶存濃度に鷲して磁化承素の影響も大きいものであること藩わかる。濃度声嚢縫 など飽の条磐：が一定なら1ぎ，硫嚢三蓋鉛と軍衡にある溶蔽中の藍壷幾イオン濃度は硫嚢二水素濃度に 反箆擁する。したぶって，この温泉のように婁登がそれ縁ど低くなく（2．逢〜2．8〉， しかも，
かな撃高濃震：の磁i化水素（i欝〜i鋳螢鍔が） を含む場合には溶存璽銀濃度は低く舞えられ，るも のと考えられる。このような理撫によって，この撮泉での亜麟濃痩が地の多くの酸性温泉に比 較してi著しく低いこと，また，湧鐵羅付近でみられる著しく懸札されて白魚乾した安虞嚢中に 鉄に比べて亜鉛が濃縮されている事実を説醸することができるであろう。
む ず び
儀夫高湯温泉水中に含まれる亜鎗の濃度麟講じ・ような縫の酸性集に競べて著しく少ない理溝 について考察した。この濃漿付遍の硫化承素を含まない酸性湧水にはこの濃漿よ夢も高濃度の 亜鋭が含まれてお聾，これは硫鑑鉱勅または壁岩からの溶鐵によるものと考えられる．また，
この灘泉水渉谷鱗となって流れ下る賜にはZ籔ノCiの増；縮ぶみられるが，このときにはすでにこ の水には礒化水素は含まれていない。さらに，種々の懸化の段贈にある岩雁を温泉水で漆灘実 験を行なったところ，硫牝水素ぶ逸散してしまった濾泉水による藪i銀の漆繊量はナ硫化水素を
千葉・草野 震実葛湯温泉の藍錆の趨源と挙動
25
含んでいる場合よ参も大であった。これらの結果から，この濃泉グ）亜鎖1ま壁岩よ参の溶鐵によ って与えられるが，共存する高濃疫の礒i化水素のために溶鐵が著しく舞えられ・るのでその濃度 騨透くなるものと推定された。
終郵こ，本醗究を行なうにあた鋒終始有蓋な舞振導，御勤書を購った橿鳥大学教育学都率 由 慨助教授に厚く御礼卒し皿を二げます。
文 離
i）
2）
3）
暖）
5）
6）
7〉
佐々木，人見，橿轟大学選科報告67（欝57）
小出，千葉，疑誌鎗 53（欝欝）
小霞，千葉，佐藤，遠藤，海部，瞬誌 震 一霞，露化8巻 72倉（ig恐9）
野霞．西井戸， 属誌鱒 7醗（雄6勢 一瞭，瞬誌8轟 簸28（i§59）
燐上，古賀，講誌丁丁 i327（ig56）
3（i§7i）