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北部九州地域における空港の 旅客利用実態に関する研究

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調査報告書14-12

北部九州地域における空港の 旅客利用実態に関する研究

平成 27 ( 2015 )年 3 月

公益財団法人 アジア成長研究所

(2)

要旨

北九州空港は,日本では数少ない24時間運用が可能な空港の1つである。その特性から,

航空物流の拠点としてはもちろん,早朝・深夜を問わず航空機が離着陸できるため,旅客空港 としても成長が期待されている。

一方で,交通アクセスに課題を抱えている。早朝や夜間の利用も,空港までの移動が自家用 車やタクシーに依存しており,必ずしも使用しやすいとは言い難い。

また,北部九州地域の発展のためには,福岡空港の利用拡大および空港整備も実現が不可欠 な課題の1つであるが,現在の福岡空港は離着陸する航空機の数がその容量ぎりぎりであり,

滑走路の増設は10年後である。また増設が実現したとしても,空港の容量は25%しか増加し ない。

そこで本研究では,北九州空港の今後のあり方について考える手がかりを得ることを目的と して,北部九州における旅客の空港利用行動の定量的な分析を行った。

第1に,北九州空港利用者の実態を把握するために,国土交通省航空局が実施した「平成23 年度航空旅客動態調査」の個票データを用いて,羽田空港を21時以降に出発する夜間便の利 用者に関する統計分析を行った。その結果,

① 北九州空港利用者の目的地は山口から大分まで広範囲にわたっている。

② 北九州空港から目的地までの交通手段を自家用車に頼っている

③ 北九州空港の夜間便利用者は,私用での目的,日帰り旅行,若年層に多い ということがわかった。

このことから,1つには,今後東九州自動車が全線開業すれば,大分方面からの北九州空港 の利用拡大が期待できるため,自動車でのアクセスについても,高速道路ICから空港までの 区間について,さらに利便性を高める工夫が求められる。2つには,九州の中でも特に若年層 の比率が高い福岡都市圏にターゲットを絞って,旅行目的の若者世代を北九州空港の利用を取 り込むことは,効果的な北九州空港利用拡大策になり得る。そのためには,現状のタクシーよ りも安価で,かつ安定的な移動手段の提供が必要であろう。

第2に,福岡空港利用者の実態を把握するために,福岡空港の利用実態と北九州空港の利用 意向に関するwebアンケート調査を実施した。調査の概要は以下の通りである:

④ 福岡空港利用者の北九州空港認知度はそれほど高くなく,羽田空港との旅客定期便が運 行されていることの認知度がおよそ3分の2,福岡路線が運航していない早朝や深夜に も運航されていることの認知度はおよそ3分の1である。

⑤ 福岡都市圏と北九州空港を直接結ぶ高速バスが運行された場合,運賃1,000円,所要時 間60分との条件では,早朝深夜に限るとの条件つきも含めて,回答者の4割程度が北 九州空港を利用すると回答した。

今後もこの調査結果を精緻に分析するなど,北部九州における旅客の空港利用の実態に関する 研究を継続する予定である。

(3)

まえがき

北九州市は政令指定都市の中で最も高齢化率が高く,もっとも人口減少率が高い(人口減少 数では全国の市区で最も多い)自治体である。そのような状況において,全国でも数少ない24 時間空港である北九州空港が,地域創生の起爆剤として期待を集めている。

交通インフラが地域経済に及ぼす影響が大きいことは言うに及ばないが,特に北九州空港の 持つポテンシャルの高さが,今後の北九州市に及ぼす影響は大きいだろう。

さらに,逼迫する福岡空港の容量という課題を抱える北部九州地域においては,この北九 州空港をどのように活用するかが今後の地域発展の方向に大きな影響を与えることが予想さ れる。

この報告書は,公益財団法人アジア成長研究所の平成25年度研究プロジェクト「北部九州 地域における空港の旅客利用実態に関する研究」の成果報告書である。この報告書が,これか らの北九州市そして北部九州のよりよい地域づくりのために少しでも寄与することがあれば幸 いである。

平成253 田村一軌

(4)

目次

1章 はじめに 1

1.1 北九州市の人口減少と幹線交通 . . . 1

1.2 北九州空港と福岡空港 . . . 2

2章 北部九州における空港選択の実態 4 2.1 航空旅客動態調査の概要 . . . 4

2.2 北部九州空港利用者の地理的分布 . . . 5

2.3 北部九州空港利用者の出発時刻分布 . . . 10

2.4 北九州空港夜間到着便利用者に関する統計分析 . . . 12

2.5 本章のまとめ . . . 19

3章 福岡空港利用者に対するアンケート調査 20 3.1 調査の概要. . . 20

3.2 調査の結果. . . 21

3.3 本章のまとめ . . . 31

4章 おわりに 33

参考文献 34

(5)

第 1 章

はじめに

1.1 北九州市の人口減少と幹線交通

北九州市は深刻な人口減少に直面している。かつて100万人を超えていた人口も1970年代 から徐々に減少を始めたが,1965年から2010年までの55年間で人口が減少した政令指定都 市は,大阪市と北九州市だけである。2000年から2010年の10年間に着目すると,この間,

北九州市の人口は3万人以上減少した。これは,政令指定都市の中で最も高い人口減少率であ り,さらに,全国の自治体の中で最も大きな人口減少数であった。

北九州市のこのような人口減少の要因については,様々な言説・通説があるが,最も有力な 説は,「全国における工業の重要性の低下が工業都市北九州の衰退をもたらした」というもの である。しかし,八田(2014)は,この通説をデータを用いて実証的に否定し,「北九州衰退 の根本的な原因は,鉄道から航空への交通モードの変化に北九州が対応できず,支店経済機能 が福岡に奪われたことにあった」と結論づけている。

1960年代までは,北九州市は福岡市よりも大きな都市であった。その理由について八田

(2014)は,必ずしも鉄鋼産業によるものではなく,「鉄道の時代」以前には北九州が九州の玄 関口であったため,企業の九州支店が北九州市に集積したことによる支店経済の繁栄によると いう。

日本銀行の西部支店(北九州支店の前身)は,1893(明治26)年に,大阪支店に次ぐ日銀2 番目の支店として設置された(日本銀行北九州支店,2001)。その後1901(明治34)年に八 幡製鐵所が開業,それとほぼ同時に山陽本線が馬関(現在の下関)まで延伸され,北九州は製 鉄の街となるとともに,鉄道による九州の窓口となった。その後も,新聞社の「西部本社」が 北九州市に設置されるなど,北九州の支店経済は発展し,1960年時点では,北九州市は福岡市 よりも大きな第3次産業都市であった。

ところが,1060年代中頃から日本は「航空の時代」に突入する。しかしこの時点で北九州に は,ジェット旅客機に対応できない滑走路の空港(曽根飛行場)しか持っていなかった。その 一方で,福岡空港(板付飛行場)は最初からジェット機に対応できたため,1961(昭和36)年 に福岡空港・羽田空港間にはジェット機が就航した。

さらに1975(昭和50)年には,山陽新幹線が博多駅まで開通し,福岡市の利便性が一気に 高まった。これによって,北九州市にあった支店が福岡市へ移転するなどの動きもあり,福岡

(6)

1.1 福岡空港と北九州空港の概要

福岡空港 北九州空港

開港年 1972 2006

滑走路 2,800 m×1 2,500 m×1

国内線旅客数(2010 1,352.7万人 112.4万人 うち羽田線 737.4万人 105.4万人 アクセス公共交通 地下鉄・バス バス

新幹線駅からの時間 博多:5 小倉:33 鉄道駅からの時間 福岡空港:0 苅田:16 使用時間帯 7:0022:00 24時間

(注)各種資料より筆者作成

市の支店経済が活性化する一方,北九州市の第3次産業は相対的に衰退することとなった。

以上のような理由に加え,大気汚染や水質汚濁といった環境の悪化もあり,北九州市の人口 は減少局面に入ったと考えることができる。

1.2 北九州空港と福岡空港

このように,歴史的に異なった背景をもつ北九州空港と福岡空港であるが,現在の両空港の 状況を簡単に整理しておきたい。

表1.1に,福岡空港と北九州空港の概要を示す。北九州空港は,2006年に現在供用中のの新 空港が開港した。滑走路はともに一本ずつであるが,福岡空港の滑走路が2,800メートルであ るのに対して,北九州空港の滑走路は2,500メートルである。

国内線の旅客数は,2010年の統計では,福岡空港の1,350万人に対して北九州空港は112 万人と大きく差が開いている。そのうち,羽田空港線の旅客数は,福岡空港では国内線全体の 半分強の737万人であるのに対して,北九州空港では105万人が羽田空港線利用者であり,国 内線旅客の9割以上を占めていた。20151月現在では,北九州空港の定期就航路線は羽田 空港線のみとなっている。

2つの空港のもっとも大きな違いは,その立地である。福岡空港は博多駅あkら地下鉄で2 駅,時間にして5分の場所にある。それに対して北九州空港は,周防灘に浮かぶ海上空港であ り,小倉駅からの所要時間はバスで33分である。

福岡空港は都心近くに立地し,利便性は高いが,近隣住民への騒音が発生するため,早朝お よび深夜の離着陸が制限されており,利用可能な時間は7:00から22:0015時間となってい る。一方で北九州空港は市街地から離れた海上空港であり,アクセス公共交通の観点からは,

福岡空港と比較すると不利な条件にあるが,騒音問題とはほぼ無縁の空港であり,早朝・深夜 便の運行が可能となる。また貨物便は,旅客便とは違って,日中に離着陸することに対するこ とに対する要求が相対的に小さいため,航空貨物の拠点空港としての活用も期待されている。

日本には,2014年現在で,新千歳,羽田,中部,関西,北九州,那覇の6つの24時間空港が

(7)

時間帯別羽田発路便数( 2014 年 6 月ダイヤ)

0 1 2 3 4 5

羽田発時刻

6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24

羽田→北九州 羽田→福岡

(出所)時刻表より作成

1.1 時間帯別羽田出発便数(20146月ダイヤ)

ある。ただし,新千歳空港では,周辺住民に配慮して深夜や早朝では離着陸が行われておらず,

実質的には24時間空港とは言えない。このように,日本の中では貴重な空港の1つとなって いる。

図1.1は,20146月における,羽田→福岡路線と,羽田→北九州路線それぞれの,出発時 間帯別の便数をグラフにしたものである。これを見ると,ほぼ全ての時間帯で,福岡行きの方 が便数が多いが,21時以降は,福岡空港に22:00までに着陸しなければならないという制約が あるため,福岡空港行きの設定はない。一方北九州空港行きは,21時台に2便,22時台にも 1便が設定されている。この3便が,現在のところ北九州空港にあって福岡空港にはない強み となっている。

ただし,この強みを生かしきれていない課題も同時に抱えている。例えば,羽田発の最終便

は22:55発で,北九州の到着は0:35である。しかし,空港から小倉駅行きのバスの最終時刻は

22:55発→小倉駅23:26であり,乗ることができない。乗り合いタクシーはあるが,事前予約

制で北九州市内まで1,0004,000円かかる。また,スターフライヤーが手配する博多行きの 乗り合いタクシー(北九州空港から博多駅まで2,000円)もあるが, ANA(コードシェア)便 利用者は乗車不可などの制限もあり,必ずしも利用することができない。

(8)

第 2 章

北部九州における空港選択の実態

本章では,国土交通省航空局が実施した「平成23年度航空旅客動態調査」の個票データを 用いて,北部九州における空港選択の実態を把握する。以下では,まず調査と使用するデータ の概要を説明し,データを使った分析について述べる。

はじめに,北部九州の各空港と羽田空港とを結ぶ路線の利用者の,九州側の目的地の地理的 分布の実態を把握する。そして,北九州空港の深夜便を利用者の特徴に関する統計分析を行う。

2.1 航空旅客動態調査の概要

航空旅客実態調査は,国土交通省が毎年実施している,国内旅客航空の利用実態ついての調 査である。調査項目は,流動パターン(出発地・出発空港・乗換空港・目的空港・目的地),旅 客の属性・旅行目的・個人属性,空港のアクセス・イグレスの実態,国際線との乗り継ぎ状況 等の基礎的データである。

調査は,国内航空会社(22社)の協力を得て,原則として客室乗務員が航空機内で調査票の 配布・回収を行っている。ただし,フライト時間が短い路線の場合には搭乗口で配布し機内で 回収を行う方法や,あらかじめ座席にセットし機内で回収する方法,客室乗務員が乗務しない 路線や航空機内での実施が困難な路線では,搭乗手続き時に係員が調査票を配布し搭乗時に回 収を行う方法等をとっている。

調査の対象は,調査実施日に国内航空路線を利用する全航空旅客である。平成23年度の調 査は,1113日(日曜日),1116日(水曜日)に行われた。調査票の配布数および回収 数,回収率を表2.1に示す。

2.1 平成23年度航空旅客動態調査の回収率

座席数 乗客数(配布数) 搭乗率 回収数 回収率

平日調査 346,825 228,272 65.8% 118,872 52.1%

休日調査 353,712 276,612 78.2% 159,482 57.7%

合計 700,537 504,884 72.1% 278,354 55.1%

(出所)国土交通省航空局(2014)より作成

(9)

2.2 到着空港ごとの羽田出発便の利用者数

到着空港 平日 休日 合計 通年 抽出率 北九州空港 919 1,551 2,470 542,610 0.46%

福岡空港 5,635 7,088 12,723 3,636,020 0.35%

大分空港 872 1,398 2,270 525,243 0.43%

山口宇部空港 606 925 1,531 355,414 0.43%

(出所)国土交通省航空局(2014)および国土交通省総合政策局(2012)より作成

述べ2日間の調査で,国内線合計で70万座席が提供され,そのうち50万座席が実際に利用 された。基本的にその全員に調査票が配布され,そのうち合計で28万票近くの調査票が回収 されている(回収率はおよそ55%)。

このようにかなり大規模な調査であり,かつ,調査日に限ってみれば全数調査になっている ところがこの調査の特徴になっている。

2.2 北部九州空港利用者の地理的分布

本節では,「平成23年度航空旅客動態調査」の個票データを用いて,羽田空港と北九州空港 およびその周辺の空港(福岡空港,大分空港,宇部空港)とを結ぶ路線の利用者の地理的分布 を分析する。分析のターゲットを,羽田空港から北部九州の空港への便の利用者の,目的地の 地理的な範囲を明らかにすることに絞る。

羽田空港を出発し,それぞれの空港へ到着する利用者の人数は表2.2の通りであった。この 表2.2において「平日」「休日」および「合計」の値は,国土交通省航空局(2014)によるサン プルサイズ,「通年」は国土交通省総合政策局(2012)による平成23年度の旅客数である。ま た「抽出率」は,通年の旅客数に対するサンプルサイズ(合計)の比率である。「平成23年度 航空旅客動態調査」では,年間旅客のの0.350.45%程度(250分の1程度)のサンプルと考 えることができる。

調査では,市区町村単位で目的地を把握することができる。ただし,未記入の場合や,県名 しか記入がない場合などは,その限りではない。したがって,以下で示す図に示すデータを合 計しても,表2.2の数値とは一致しない。

2.2.1

羽田→北九州便利用者の目的地

図2.1および図2.2に,それぞれ平日調査および休日調査による,羽田→北九州便利用者の 目的地分布を示す。

休日・平日ともに,北九州市内を目的地とする旅客がかなり多いほか,下関市や行橋市の利 用者も少なくない。また,大分県や福岡県西部の利用者も存在することがわかる。

平日と休日を比較すると,平日では小倉北区への移動が最も多いの対して,休日では八幡西 区への移動が最もおおくなっている。また,休日の方が回収数が多いこともあるが,全体とし て広域的に利用されていることもわかる。

(10)

羽田→北九州便利用者の目的地分布(平日)

人数 市・郡 区町村

133 北九州市 小倉北区

89 北九州市 小倉南区

54 下関市

50 北九州市 八幡西区

32 北九州市 八幡東区

24 北九州市 門司区

24 北九州市 戸畑区

23 行橋市

23 京都郡 苅田町

22 北九州市 若松区

16 中津市

8 直方市

8 築上郡 上毛町

7 田川市

7 中間市

7 宗像市

6 豊前市

5 遠賀郡 水巻町

5 築上郡 築上町

4 飯塚市

(出所)国土交通省航空局(2014)より作成

2.1 羽田→北九州便利用者の目的地分布(平日)

羽田→北九州便利用者の目的地分布(休日)

人数 市・郡 区町村

196 北九州市 八幡西区

161 北九州市 小倉北区

158 北九州市 小倉南区

91 下関市

75 北九州市 門司区

56 中津市

54 北九州市 若松区

54 行橋市

43 北九州市 八幡東区

38 北九州市 戸畑区

37 京都郡 苅田町

25 豊前市

22 中間市

17 田川郡 福智町

16 築上郡 築上町

12 田川市

12 遠賀郡 芦屋町

10 別府市

9 大分市

8 直方市

(出所)国土交通省航空局(2014)より作成

2.2 羽田→北九州便利用者の目的地分布(休日)

(11)

羽田→福岡便利用者の目的地分布(平日)

人数 市町村

914 福岡市 博多区

415 福岡市 中央区

181 福岡市 東区

156 福岡市 南区

154 久留米市

130 福岡市 早良区

114 福岡市 西区

71 春日市

58 福岡市 城南区

54 糸島市

51 下関市

51 宗像市

48 小郡市

47 北九州市 小倉北区

47 飯塚市

47 筑紫野市

45 大牟田市

42 別府市

38 太宰府市

28 北九州市 八幡西区

(出所)国土交通省航空局(2014)より作成

2.3 羽田→福岡便利用者の目的地分布(平日)

羽田→福岡便利用者の目的地分布(休日)

人数 市町村

692 福岡市 博多区

506 福岡市 中央区

362 福岡市 早良区

325 福岡市 東区

268 福岡市 南区

236 久留米市

218 福岡市 西区

144 春日市

137 福岡市 城南区

90 北九州市 八幡西区

90 筑紫野市

87 大牟田市

71 北九州市 小倉北区

68 飯塚市

61 太宰府市

60 別府市

53 宗像市

53 糸島市

41 柳川市

40 古賀市

(出所)国土交通省航空局(2014)より作成

2.4 羽田→福岡便利用者の目的地分布(休日)

(12)

羽田→大分便利用者の目的地分布(平日)

人数 市・郡 区町村

366 大分市

89 別府市

46 由布市

24 佐伯市

22 国東市

16 津久見市

11 豊後高田市

11 宇佐市

8 杵築市

7 中津市

7 臼杵市

7 豊後大野市

6 速見郡 日出町

5 竹田市

4 福岡市 早良区

4 玖珠郡 玖珠町

3 玖珠郡 九重町

2 日田市

1 福岡市 博多区

(出所)国土交通省航空局(2014)より作成

2.5 羽田→大分便利用者の目的地分布(平日)

羽田→大分便利用者の目的地分布(休日)

人数 市・郡 区町村

553 大分市

185 別府市

81 由布市

50 佐伯市

34 杵築市

27 宇佐市

25 臼杵市

16 津久見市

16 速見郡 日出町

12 豊後高田市

11 国東市

10 日田市

9 豊後大野市

8 中津市

3 竹田市

1 玖珠郡 九重町

(出所)国土交通省航空局(2014)より作成

2.6 羽田→大分便利用者の目的地分布(休日)

(13)

羽田→宇部便利用者の目的地分布(平日)

人数 市・郡 区町村

151 宇部市

90 山口市

72 下関市

42 山陽小野田

35 防府市

30 周南市

16 長門市

14 萩市

10 光市

9 下松市

9 美祢市

1 柳井市

1 北九州市 門司区

1 北九州市 小倉北区

1 北九州市 小倉南区

1 飯塚市

1 行橋市

1 由布市

(出所)国土交通省航空局(2014)より作成

2.7 羽田→宇部便利用者の目的地分布(平日)

羽田→宇部便利用者の目的地分布(休日)

人数 市・郡 区町村

206 宇部市

182 山口市

102 下関市

47 萩市

46 防府市

35 山陽小野田

24 周南市

21 美祢市

19 長門市

18 光市

10 下松市

2 阿武郡 阿武町

1 柳井市

1 大島郡 周防大島町

1 熊毛郡 田布施町

1 北九州市 門司区

1 北九州市 小倉北区

1 久留米市

1 宇佐市

(出所)国土交通省航空局(2014)より作成

2.8 羽田→宇部便利用者の目的地分布(休日)

(14)

2.2.2

羽田→福岡便利用者の目的地

図2.3および図2.4に,それぞれ平日調査および休日調査による,羽田→福岡便利用者の目 的地分布を示す。

これを見ると,福岡空港は羽田便の運航本数も多く,広範囲に利用されていることがわかる。

福岡市内の目的地が最く,福岡都市圏での利用もかなり多い。また,北九州市八幡西区や小倉 北区,あるいは下関市や別府市を目的地とする人でも,東京からの移動に福岡空港が経由され るケースがかなり多いこともわかる。博多駅まで5分という福岡空港の利便性の高さが,この ような移動を可能にしていると考えることができる。

2.2.3

羽田→大分便利用者の目的地

図2.5および図2.6に,それぞれ平日調査および休日調査による,羽田→大分便利用者の目 的地分布を示す。

東京から大分を経由して移動する人の目的地は,ほぼ大分県内に収まっており,福岡県への 移動に大分空港を利用する人はあまり多くない。福岡空港や北九州空港を経由して大分県に向 かう旅行者は,数は多くないものの存在しているが,その逆はほとんどいないということに なる。

2.2.4

羽田→宇部便利用者の目的地

図2.7および図2.8に,それぞれ平日調査および休日調査による,羽田→宇部便利用者の目 的地分布を示す。

宇部空港の利用者は,ほとんどが山口県内を目的地としており,最も利用者が多いはの宇部 市,山口市,下関市である。先ほどの北九州空港の図と比較すると,東京から山口市に移動す るには,ほぼ宇部空港が利用されるが,目的地が下関市になると,宇部空港の方が利用者数が 上回ってはいるものの,かなりの比率で北九州空港も利用されていることがわかる。

2.3 北部九州空港利用者の出発時刻分布

次に,羽田を出発し北部九州の各空港に到着する路線の利用者の,利用便の出発時刻の分布 を見てみよう。

図2.9は,羽田→北九州便利用者の出発時刻の分布をグラフに表したものである。これを見 ると,19時以降の利用者が多くなっている。特に休日では,福岡空港行きの最終便の後に出発 する,20時台,21時台の便の利用もかなり多くなっている。

一方,図2.10に示す羽田→福岡便では,特に平日の朝(68時台)と休日の夕方以降の利 用者が多い。そして,当然ながら,出発便の設定がない20時台以降の利用者はいない。この 早朝便の利用者は,出張等で午前9時あるいは10時に福岡に到着することが必要な旅客も多 いと考えられる。このような旅客には,もし仮に福岡空港に22時以降に到着する便があれば,

(15)

羽田→北九州便利用者の羽田出発時刻分布

0 100 200 300 400

6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22

平日 休日

(出所)国土交通省航空局(2014)より作成

2.9 羽田→北九州便利用者の出発時刻分布

羽田→福岡便利用者の羽田出発時刻分布

0 250 500 750 1000

6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22

平日 休日

(出所)国土交通省航空局(2014)より作成

2.10 羽田→福岡便利用者の出発時刻分布

前の日にそれを利用し,福岡に宿泊したかもしれないという意味で,潜在的な深夜便の利用者 も含まれていることが考えられる。

図2.11および図2.12に,それぞれ羽田空港から大分空港および宇部空港に向かう路線の利 用者に関する出発時刻の分布を図示したものである。宇部空港利用者は,福岡空港と同様,平 時朝の利用が多くなっている。やはりビジネス客の需要が多いことがその理由としてあげら れる。

大分空港は朝早い便でも,休日の利用者が平日の利用者を大きく上回っている。これは他の 3空港には見られない特徴である。

(16)

羽田→大分便利用者の羽田出発時刻分布

0 75 150 225 300

6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22

平日 休日

(出所)国土交通省航空局(2014)より作成

2.11 羽田→大分便利用者の出発時刻分布

羽田→宇部便利用者の羽田出発時刻分布

0 75 150 225 300

6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22

平日 休日

(出所)国土交通省航空局(2014)より作成

2.12 羽田→宇部便利用者の出発時刻分布

2.4 北九州空港夜間到着便利用者に関する統計分析

本節では,北九州空港利用者の多くが利用する,羽田空港から北九州空港に向かう路線に着 目し,北九州空港の強みである,21時および22時台の便の利用者の傾向についてみてみたい。

つまり,どのような人が,どのような目的で夜間に羽田空港を出発する便を利用し,最終的に どこに向かっているのかを明らかにする。それによって,北九州空港の強みをより生かすため の手がかりを得ることが目的である。

(17)

深夜便利用者の特徴①性別

平日昼間

n=865

平日深夜

(n=54)

休日昼間

(n=1,292)

休日深夜

(n=259)

0 25 50 75 100

2.7 2.9 3.7

2.7

49.0 46.4

37.0 26.0

48.3 50.8

59.3 71.3

男性 女性 無回答

(出所)国土交通省航空局(2014)より作成

2.13 羽田→北九州便利用者の性別

深夜便利用者の特徴②年齢

平日昼間

(n=865)

平日深夜

(n=54)

休日昼間

(n=1,292)

休日深夜

n=259

0 25 50 75 100

3.1 4.3 5.6

3.4

6.9 20.2

5.6 16.5

29.0 28.6

35.2 34.5

35.9 26.6

31.5 31.4

23.2 15.7

18.5 10.9

1.9 4.6 3.7 3.4

14 1529 3044 4559 60 無回答

(出所)国土交通省航空局(2014)より作成

2.14 羽田→北九州便利用者の年齢

2.4.1

北九州空港夜間到着便利用者の特徴

ここでは,昼間便利用者と夜間便利用者の属性について,クロス集計の結果から整理する。

まずは,図2.13に示す性別についてみてみる。これを見ると,北九州空港の利用者は,平日 は男性が多く,休日は男女比がほぼ等しくなっている。また,昼間と夜間(21時以降出発便)

の差に着目すると,平日・休日ともに,昼間便に比べて,夜間便の女性比率が高くなっている。

とくに平日は,昼間便の女性比率が26%であるのに対して,夜間便では37%と大きく増加し ている。

次に年齢であるが,図2.14に示す通り,夜間の利用者は昼間便の利用者に比べて1030 代の若い世代の割合が高い。逆に,夜間便利用者に占める60歳以上の利用者の比率は,昼間 便に比べて3分の1程度に減少することがわかる。

図2.15に,昼間便と夜間便の利用者の職業の分布を示す。これを見ると,平日においては,

(18)

深夜便利用者の特徴③職業

平日昼間

(n=865)

平日深夜

(n=54)

休日昼間

(n=1,292)

休日深夜

n=259

0 25 50 75 100

4.247 4.954 5.556 4.74

18.1 36.3

16.7 21.0

6.9 7.6

14.8 6.4

70.7 51.2

63.0 67.9

会社員・公務員 農林漁業・自営業 学生・その他 無回答

(出所)国土交通省航空局(2014)より作成

2.15 羽田→北九州便利用者の職業

深夜便利用者の特徴④旅行目的

平日昼間

(n=865)

平日深夜

n=54

休日昼間

(n=1,292)

休日深夜

(n=259)

0 25 50 75 100

1.158 0.31 1.852 1.387

8.108 6.502

3.704 2.89

50.2 40.6

13.0 16.2

22.4

22.8

18.5 10.9

18.1 29.9

63.0 68.7

仕事 観光 使用 その他 無回答

(出所)国土交通省航空局(2014)より作成

2.16 羽田→北九州便利用者の旅行目的

昼間便とや夜間便で利用者の職業に,夜間便でやや農林漁業・自営業の比率が高くなっている が,大きな差はない。一方で,休日においては,昼間便の利用者のうち約半数を会社員・公務 員が占めているが,夜間便におけるその比率は約7割にまで上昇する。逆に,昼間便の利用者 に占める学生・その他の比率はおよそ3分の1強であるが,夜間便ではその比率が2割弱にま で減少する。

図2.16に,昼間便と夜間便の利用者の旅行目的の分布を示す。全体的な傾向として,平日は 仕事目的の利用がおよそ3分の2を占めるが,休日は仕事目的での利用が少なく,昼間便でお よそ3割,夜間便で2割弱となっている。さらに休日における昼間便と夜間便の差について見 ると,使用目的での利用が,昼間便およそ4割となっているのに対し,夜間便では使用目的で の利用が5割を超えている。

図2.17に,羽田→北九州便利用者の旅行日程の分布を示す。全体の8割が1泊以上の旅行 であることがわかる。すなわち全体的な傾向としては,日帰り旅行の利用者は少ない。ただ

(19)

深夜便利用者の特徴⑤日帰り

平日昼間

(n=865)

平日深夜

(n=54)

休日昼間

(n=1,292)

休日深夜

(n=259)

0 25 50 75 100

3.1 3.3 9.3

3.9

83.8 90.6

74.1 83.8

13.1 6.1

16.7 12.3

日帰り 1泊以上 無回答

(出所)国土交通省航空局(2014)より作成

2.17 羽田→北九州便利用者の旅行日程

深夜便利用者の特徴⑤目的地

平日昼間

(n=865)

平日深夜

(n=54)

休日昼間

(n=1,292)

休日深夜

n=259

0 25 50 75 100

9.3 11.0 11.1 13.1

15.4 24.6 29.6 42.5

75.3 64.4 59.3 44.4

居住地 それ以外 無回答

(出所)国土交通省航空局(2014)より作成

2.18 羽田→北九州便利用者の旅行日程

し,平日・休日のいずれにおいても,昼間便に比べて夜間便利用者においては,日帰り旅行の 利用者の比率高くなる傾向にあることがわかる。朝早く出発して,夜遅くに戻る行程を組むこ とができるのは,北九州空港の特色の1つであろう。

図2.18は,羽田→北九州便利用の目的地が居住地であるかどうかに関する集計表である。つ まり「居住地」と回答した利用者は,この便を自宅へ戻る移動に利用していることを意味する。

図を見ると,平日よりも休日において帰宅利用の比率が高いことがわかる。平日においては約 半数が,休日においてはおよそ3分の2が帰宅に羽田→北九州便を利用している。また,平日 休日いずれにおいても,昼間便よりも夜間便のほうが帰宅利用の比率が高くなっている。夜遅 くに到着する便は,翌日のための北九州への移動というよりは,東京から北九州へ戻る移動に よく利用されているのであろう。これには,夜間に北九州空港に到着しても公共交通が利用で きないという問題も影響している可能性がある。この点について次で詳しく見てみよう。

(20)

深夜便利用者の特徴⑦イグレス交通手段〈平日〉

新幹線 JR特急 JR在来線 私鉄・地下鉄 モノレール 空港直行バス 高速バス 貸切バス 路線バス タクシー 自家用車 レンタカー その他 分からない

0 15 30 45 60

〜20時台(n=865)

21時台〜(n=54)

(出所)国土交通省航空局(2014)より作成

2.19 羽田→北九州便利用者のイグレス交通手段(平日)

深夜便利用者の特徴⑦イグレス交通手段〈休日〉

新幹線 JR特急 JR在来線 私鉄・地下鉄 モノレール 空港直行バス 高速バス 貸切バス 路線バス タクシー 自家用車 レンタカー その他 分からない

0 15 30 45 60

〜20時台(n=1,292)

21時台〜(n=259)

(出所)国土交通省航空局(2014)より作成

2.20 羽田→北九州便利用者のイグレス交通手段(休日)

2.4.2

北九州空港夜間到着便利用者の北九州到着後の行動

では,夜間に北九州空港に到着した旅客は,その後どのような行動をとっているのであろう か。ここでは,イグレス交通(空港からの移動)の交通手段と,目的地の地理的分布について 詳しく見ることにする。

図2.19および図2.20に,それぞれ平日および休日のイグレス交通手段の内訳をグラフにし たものを示す。これを見ると,北九州空港利用者の多くがが自家用車を利用していることがわ かる。その比率は平日でおよそ4割,休日でおよそ5割である。公共交通でのアクセスの利便 性の低さや空港駐車場の利用しやすさなどがこの背景にあると考えあられる。また,昼間便利

(21)

深夜便利用者の特徴⑥目的地分布(平日深夜)

人数 市・郡 区町村

7 北九州市 小倉北区

7 北九州市 八幡東区

7 行橋市

4 北九州市 小倉南区

3 下関市

2 北九州市 若松区

2 飯塚市

1 周南市

1 北九州市 門司区

1 北九州市 戸畑区

1 北九州市 八幡西区

1 豊前市

1 遠賀郡 岡垣町

1 田川郡 糸田町

1 京都郡 苅田町

1 中津市

1 杵築市

(出所)国土交通省航空局(2014)より作成

2.21 羽田→北九州夜間便利用者の目的地(平日)

用者と夜間便利用者の違いについて見ると,平日・休日のいずれにおいても,昼間便において はJR在来線や空港直行バス,路線バス等の利用が多い。特に平日の昼間便については旅客の 2割が空港直行バスを利用している。ところが夜間便利用者ではこれらの公共交通を利用する ことができず,その代わりに自家用車やタクシーの利用が相対的に多くなっている。

次に,羽田夜間便利用者の北九州空港到着後の目的地の地理的分布を,図2.21および図2.22 に示す。これらを見ると,夜間に北九州空港に到着する利用者には北九州市内あるいは苅田町 など近隣市町を目的地とする旅客が多いが,福岡市や大分市など遠方までの利用者も少なくな いことがわかる。。

これらの知見を併せて考えると,夜間便の利用については広範囲の需要が見込めるものの,

そもそも遠方であることや公共交通が利用できないことから,実際の利用が少なくなっている 可能性が指摘できる。

2.4.3

ロジスティック回帰分析

以上のデータをもとに,昼間便利用者と夜間便利用者とを統計的に区別するモデル分析を 行った。ここではロジスティック回帰分析を用いる。

ロジスティック回帰分析とは,Yes/Noのような2値をとる現象について,結果がYesにな る確率を幾つかの説明変数の線形結合によって予測する分析手法である。ここではこの手法を 用いて,夜間便を利用する確率を年齢・性別・旅行日程などの複数の変数で説明するモデルを 構築した。

分析を行ったところ,平日については統計的に優位なモデルを構築することができなかった。

(22)

深夜便利用者の特徴⑥目的地分布(休日深夜)

人数 市・郡 区町村

36 北九州市 小倉南区

35 北九州市 八幡西区

21 北九州市 小倉北区

11 京都郡 苅田町

10 北九州市 門司区

9 下関市

7 行橋市

6 北九州市 八幡東区

5 北九州市 戸畑区

4 福岡市 博多区

3 福岡市 西区

3 直方市

3 中間市

3 大分市

3 中津市

2 宇部市

2 防府市

2 飯塚市

2 田川市

2 豊前市

(出所)国土交通省航空局(2014)より作成

2.22 羽田→北九州夜間便利用者の目的地(休日)

そこで,休日における夜間便利用者の特徴を示す統計モデルについての結果を,表2.3に示す。

2.3 休日の夜間便利用に関するロジスティック回帰モデル 係数 標準誤差 z p オッズ比

(切片) −2.5819 0.2026 −12.742 2.00E-16∗∗∗

業務目的 −0.8134 0.1826 −4.454 8.45E-06∗∗∗ 0.443

日帰り 0.8252 0.2260 3.652 0.00026∗∗∗ 2.282

1529 1.5004 0.2505 5.988 2.12E-09∗∗∗ 4.483 3044 1.3735 0.2364 5.809 6.27E-09∗∗∗ 3.949 4559 1.1674 0.2400 4.865 1.14E-06∗∗∗ 3.213

(注)∗∗∗0.1%水準で有意

(出所)筆者作成

これを見ると,業務目的での利用は夜間便利用の確率を下げ,日帰り利用の場合はその確率 を上げることがわかる。また年齢について見ると,60歳未満の場合夜間便利用の確率が高くな るが,年齢が若いほどその傾向が強いこともわかる。以上の結果から,休日における深夜便利 用者は,私用目的,日帰り,若年層に多いといえる。このような層の旅客をターゲットに絞っ た空港アクセス交通の整備が効果的であると考えられる。

(23)

2.5 本章のまとめ

本章では,「航空旅客動態調査」の個票データを用いて,北九州空港およびその周辺空港の利 用者の特性について分析した。

その結果,羽田空港→北九州空港路線の利用者の特徴としては,

1. 目的地は山口から大分まで広範囲にわたっている 2. イグレス手段を自家用車に頼っている

3. 深夜便利用者は,私用目的,日帰り,若年層に多い ことなどが判明した。

したがって,今後東九州自動車道が全線開業すれば,大分方面の利用拡大が期待できる。ま た,福岡都市圏の若者をターゲットにした,旅行目的での夜間便利用を取り込むことは効率的 な北九州空港利用促進施策の1つになり得る。福岡都市圏と北九州空港を結ぶ高速バスの運行 はそのための代表的な手段だろう。

(24)

第 3 章

福岡空港利用者に対するアンケート 調査

3.1 調査の概要

福岡空港と羽田空港を利用したことのある旅客に対して,北九州空港の認知度や利用可能性 を尋ねるアンケート調査を行った。

調査対象者は,福岡県もしくは13県(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)に居住して おり,過去1年間に福岡空港と羽田空港を結ぶ航空路線を利用したことのある人である。

調査の詳細は,次の表3.1のとおりである。

本調査では,インターネット調査会社の登録モニターを対象とした。20問のアンケートを設 定し,300通の回収を目指したが,最終的に310サンプルの回答が寄せられた。

統計分析の目的を達成するために,サンプルの割付条件として,福岡県在住者と13

(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)居住者の比率が等しくなるように設定した。そのため,

以下で示す単純集計結果は,必ずしも福岡羽田路線利用者の平均的な姿を表しているとは言え ない点に注意しなければならない。

以下では,調査の結果を紹介する。

3.1 実施したインターネットアンケート調査の概要

項目 内容

調査内容 空港利用に関するアンケート調査 調査対象 インターネット調査会社の登録モニター

サンプル条件 福岡県もしくは13県(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)に居 住しており,過去1年間に福岡羽田間の航空路線の利用経験がある者 実施時期 20153

設問数 20 回収数 310

割付条件 居住地(福岡県・13県)

(25)

20才〜24才 25才〜29才 30才〜34才 35才〜39才 40才〜44才 45才〜49才 50才〜54才 55才〜59才 60才以上

0 10 20 30 40 50

年齢

性別 男性 女性

3.1 年齢と性別

公務員 経営者・役員 会社員(事務系) 会社員(技術系) 会社員(その他) 自営業 自由業 専業主婦(主夫) パート・アルバイト 学生 その他 無職

0 20 40 60

職業

性別 男性 女性

3.2 職業と性別

3.2 調査の結果

3.2.1

個人属性

回答者の年齢と性別のクロス集計結果を図3.1に,職業と性別のクロス集計結果を図3.2に それぞれ示す。40歳までは女性の比率が高く,それ以上の年齢になると男性の比率が高くなっ ている。また職業では,パート・アルバイトと専業主婦(主夫)で女性の比率が高い。

(26)

0

100 200

300

都道府県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 福岡県

3.3 居住地(都道府県)

図3.3は,回答者の居住都道府県を表している。先に述べたように,福岡県と13県の人 数が等しくなるようにサンプルを割りつけたため,このような居住地分布になっている。1 3県の内訳では,東京都,神奈川県,埼玉県,千葉県の順に回答者が多くなっている。

3.2.2

旅行目的および日程・行程・同行者

以下の質問では,回答者が羽田福岡路線の航空便を利用した直近の旅行について尋ねている。

まず,回答者の旅行目的の分布を図3.4に示す。これを見ると,最も多いのは「観光」であ るが,「仕事」,「私用」はほぼそれぞれ3分の1ずつを占めている。

また図3.5の旅行日程では,日帰りでの利用は極めて少なく,回答者全体のの5%にも達し なかった。1泊,2泊,3泊以上の利用者がそれぞれ,ほぼ全体の3分の1ずつを占める結果 となった。

さらに図3.6に示す旅行行程を見ると,回答者の9割近くが,羽田空港と福岡空港の間を往 復する旅行をしていることがわかる。

旅行の同行者の人数は,「0人」すなわち1人での旅行が最も多く,全体の3分の1を占め ている。ついで同行者が「1人」(すなわち2人での旅行)が全体の3割弱,「2人」(3人での 旅行)が2割弱,「3人」(4人での旅行)が1割弱となっている。これら1人から4人での旅 行者で,全体の9割以上を占めている。

(27)

0

100 200

300

旅行目的 仕事 観光

観光以外の私用・帰省 その他

3.4 旅行目的

0

100 200

300

旅行日程  日帰り  1泊  2泊  それ以上

3.5 旅行日程

3.2.3

福岡空港での航空便の乗り継ぎの有無

本調査は,福岡空港へのアクセス状況を調べるためのものであるため,福岡空港で別の航空 便へ乗り換えた旅客については調査の対象から外す必要がある。そこで,福岡空港での乗り継

(28)

0

100 200

300

片道往復

【福岡→羽田】の片道のみ利用

【羽田→福岡】の片道のみ利用 往復とも利用

3.6 旅行行程

0

100 200

300

同行人数f 0人 1人 2人 3人 4人 5人以上

3.7 同行者

ぎの有無を尋ねたところ,310名のうち296名は福岡空港での乗り継ぎをしていないとのこと であった(図3.8)。

以降の設問については,この296名に対する調査結果について整理している。

(29)

0

100 200

300

乗り継ぎ はい いいえ

3.8 福岡空港での乗り継ぎの有無

0

100 200

福岡出発時刻  6〜7時頃  8〜9時頃  10〜11時頃  12〜13時頃  14〜15時頃  16〜17時頃  18〜19時頃  20〜21時頃

 利用していない/覚えていない

3.9 福岡空港出発時刻

3.2.4

利用航空便の空港出発時刻

図3.9および図3.10に,それぞれ利用航空便の福岡空港と羽田空港の出発時刻を尋ねた結果 を示す。羽田空港出発時刻で,「18〜19時頃」との回答が比較的多いが,それ以外には特に回

(30)

0

100 200

羽田出発時刻  6〜7時頃  8〜9時頃  10〜11時頃  12〜13時頃  14〜15時頃  16〜17時頃  18〜19時頃  20〜21時頃  22時頃

 利用していない/覚えていない

3.10 羽田空港出発時刻

答の偏りは見られなかった。

ただしこれは,明示的に「福岡空港出発時刻」「羽田空港出発時刻」を質問したものではな い。ここでいう福岡空港出発時刻とは,福岡県在住者に「往路便出発時刻」を質問した結果と,

13県在住者に「復路便出発時刻」を質問した結果を合わせて集計したものである。同様に 羽田空港出発時刻とは,福岡県在住者に「復路便出発時刻」を質問した結果と,13県在住 者に「往路便出発時刻」を質問した結果を合わせて集計したものである。

3.2.5

福岡空港へのアクセス交通・イグレス交通

福岡空港へのアクセスに利用した交通手段について尋ねた結果を図3.11に,福岡空港到着 後の移動(イグレス)に利用した交通手段について尋ねた結果を図3.12にそれぞれ示す。

これらを見ると,「私鉄・地下鉄」の利用が突出しており,アクセス・イグレスともに回答者 の過半数が利用している。福岡空港に乗り入れている市営地下鉄を利用する人が多いことを如 実に表していると考えられる。ついで「JR在来線」の利用者が多く,福岡空港から地下鉄で2 駅にある博多駅でJR在来線に乗り換える旅客が全体の5分の1から4分の1程度であること がわかる。

その次に多いのは「自家用車・社用・公用車」「路線バス・市内電車」「タクシー・ハイヤー」

などの利用が多い結果になっている。

(31)

その他 徒歩・自転車 航空機 レンタカー 自家用車,社用・公用車 タクシー・ハイヤー 路線バス・市内電車 貸し切りバス 高速バス(空港直行以外)

空港直行バス モノレール 私鉄・地下鉄 JR在来 JR特急 新幹線

0 50 100 150

3.11 福岡空港へのアクセス交通

その他 徒歩・自転車 航空機 レンタカー 自家用車,社用・公用車 タクシー・ハイヤー 路線バス・市内電車 貸し切りバス 高速バス(空港直行以外)

空港直行バス モノレール 私鉄・地下鉄 JR在来 JR特急 新幹線

0 50 100 150

3.12 福岡空港からのイグレス交通

(32)

0 20 40 60

0 100 200 300

3.13 福岡空港へのアクセス時間

0 50 100 150

0

Gambar

図 1.1 時間帯別羽田出発便数( 2014 年 6 月ダイヤ)
図 2.1 羽田→北九州便利用者の目的地分布(平日)
図 2.2 羽田→北九州便利用者の目的地分布(休日)
図 2.3 羽田→福岡便利用者の目的地分布(平日)
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Referensi

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