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博士論文の要旨

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Academic year: 2025

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氏 名 熊谷 公紀

学 位 (専 攻 分 野) 博士(工学)

学 位 記 番 号 総研大甲第 2062号

学位授与の日付 平成 31年 3月22日

学位授与の要件 物理科学研究科 核融合科学専攻 学位規則第6条第1項該当

学 位 論 文 題 目 フッ化物溶融塩中における中性子反応生成水素同位体の挙動

論 文 審 査 委 員 主 査 教授 室賀 健夫 准教授 田中 照也 教授 磯部 光孝

教授 寺井 隆幸 東京大学大学院 工学系研究科

准教授 大塚 哲平 近畿大学理工学部

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(様式3)

博士論文の要旨

氏 名 熊 谷 公 紀

論 文 題 目 フ ッ 化 物 溶 融 塩 中 に お け る 中 性 子 反 応 生 成 水 素 同 位 体 の 挙 動

核 融 合 炉 で は 、 炉 心 プ ラ ズ マ の 周 囲 に 発 電 ブ ラ ン ケ ッ ト が 配 置 さ れ 、 重 水 素 と ト リ チ ウ ム の 核 融 合 で 生 じ た 中 性 子 が 、 ブ ラ ン ケ ッ ト 中 の リ チ ウ ム と 核 反 応 を 起 こ す こ と で 再 び ト リ チ ウ ム が 生 成 さ れ る 。こ の 核 融 合 ブ ラ ン ケ ッ ト シ ス テ ム に お け る ト リ チ ウ ム 増 殖 材 、兼 、 冷 却 材 と し て 、 高 温 で も 化 学 的 に 安 定 な フ ッ 化 物 溶 融 塩 が 候 補 に 挙 げ ら れ て い る 。 フ ッ 化 物 溶 融 塩 を 用 い た ブ ラ ン ケ ッ ト シ ス テ ム に お い て は 、 溶 融 塩 中 で 中 性 子 反 応 生 成 ト リ チ ウ ム と 遊 離 フ ッ 素 が 結 合 し て 腐 食 性 の フ ッ 化 ト リ チ ウ ム(TF)が 生 成 さ れ る と 、管 壁 の 腐 食 が 問 題 に な る 。 ま た TF の 他 、 不 純 物 水 素 と の 結 合 に よ り 生 成 さ れ る HT が 管 壁 表 面 で 解 離 し て 管 材 料 に 固 溶 す る 場 合 に は 、 管 壁 か ら の ト リ チ ウ ム の 透 過 が 問 題 と な る 。 溶 融 塩 中 の ト リ チ ウ ム 挙 動 の 理 解 は 、 材 料 共 存 性 、 お よ び ト リ チ ウ ム の 輸 送 、 回 収 の 観 点 か ら 重 要 で あ る 。

本 研 究 で は は じ め に 、 溶 融 塩 ブ ラ ン ケ ッ ト に お け る ト リ チ ウ ム 挙 動 に 関 す る こ れ ま で の 研 究 に つ い て 概 説 し た 。 そ の う え で 本 研 究 の 目 的 、 お よ び 位 置 づ け を 述 べ た 。 こ れ ま で 溶 融 塩 中 の ト リ チ ウ ム 挙 動 に つ い て 、 水 素 同 位 体 を 含 む ガ ス (H2、HF な ど ) を 溶 融 塩 中 に 導 入 し て 核 反 応 に よ る ト リ チ ウ ム の 生 成 を 模 擬 し た 実 験 、 お よ び 原 子 炉 を 用 い た 中 性 子 照 射 に よ り 溶 融 塩 中 に ト リ チ ウ ム を 生 成 し た 実 験 が 行 わ れ て い る 。 水 素 同 位 体 を 含 む ガ ス を 用 い た 実 験 で は 、 導 入 す る 水 素 同 位 体 の 濃 度 条 件 や 化 学 種 を 変 え た 実 験 が 容 易 で あ る 一 方 で 、 分 子 状 の ガ ス の 導 入 が 実 際 の 核 融 合 炉 に お け る 原 子 状 の ト リ チ ウ ム 生 成 を 正 確 に 模 擬 し て い る か 明 ら か で は な い 。 ま た 原 子 炉 を 用 い た 実 験 で は 、 原 子 状 の ト リ チ ウ ム 生 成 を 模 擬 で き る 一 方 で 、 非 常 に 長 い 時 定 数 の ト リ チ ウ ム の 放 出 挙 動 を 評 価 す る こ と が 難 し い 。 そ こ で 本 研 究 で は 、 フ ッ 化 物 溶 融 塩 へ の 中 性 子 照 射 に よ る 核 反 応 で 生 成 し た ト リ チ ウ ム に つ い て 、 長 い 時 定 数 の 挙 動 に つ い て も 定 常 状 態 に 至 る ま で の 評 価 を 可 能 と す る 実 験 手 法 を 開 発 し 、 そ の 放 出 挙 動 お よ び 化 学 種 を 明 ら か に す る た め の 研 究 を 行 っ た 。

次 に 、本 研 究 で 新 た に 構 築 し た 、Am–Be 中 性 子 線 源 を 用 い た 溶 融 塩 へ の 中 性 子 照 射 に よ る ト リ チ ウ ム の 生 成 お よ び 溶 融 塩 表 面 か ら 放 出 さ れ る ト リ チ ウ ム の ス ウ ィ ー プ ガ ス (He、

Ar ガ ス )に よ る 回 収 実 験 手 法 に つ い て 記 述 し た 。照 射 実 験 前 に 、モ ン テ カ ル ロ 中 性 子 輸 送 コ ー ド を 用 い て 、 本 実 験 体 系 で の ト リ チ ウ ム 生 成 率 の 計 算 と 照 射 体 系 の 最 適 化 を 行 っ た 。 ま た 、 二 重 境 膜 モ デ ル を 用 い た 、 ト リ チ ウ ム 挙 動 の 解 析 方 法 に つ い て 述 べ た 。

過 去 に 例 の な い 、500 ℃のFLiNaK、FLiNaBeへ の 中 性 子 照 射 実 験 を 実 施 し て 、 定 常 状 態 に お け る ト リ チ ウ ム 回 収 量 を 評 価 し 、 計 算 値 と 近 い 結 果 を 得 た 。 こ の 結 果 か ら 、 本 実 験 手 法 に お け る ト リ チ ウ ム 挙 動 の 評 価 が 可 能 で あ る こ と が 検 証 さ れ た 。 ま た 本 実 験 に よ り 、 一 週 間 程 度 の 長 い 時 定 数 の ト リ チ ウ ム の 放 出 挙 動 で も 、 そ の 放 出 率 が 定 常 状 態 に 至 る ま で の 評 価 が 可 能 で あ る こ と を 明 ら か に し た 。 溶 融 塩 ブ ラ ン ケ ッ ト に お け る ト リ チ ウ ム 回 収 へ の 適 用 性 評 価 に 使 用 可 能 な 、 溶 融 塩 か ら の ト リ チ ウ ム 放 出 に 関 す る 総 括 物 質 移 動 係 数 を 実

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験 結 果 か ら 評 価 し た 。 ま た 、 フ ッ 化 物 溶 融 塩 の 成 分 の 違 い が 放 出 に 及 ぼ す 影 響 を 評 価 す る た め 、FLiNaK、FLiNaBe そ れ ぞ れ の 総 括 物 質 移 動 係 数 を 比 較 し 、ほ と ん ど 同 じ 値 に な る こ と が わ か っ た 。 こ の 実 験 結 果 か ら 、 境 膜 モ デ ル の 各 係 数 の 比 較 を 行 い 、 ト リ チ ウ ム の 溶 解 度 が 放 出 に 及 ぼ す 影 響 を 明 ら か に し た 。さ ら に 、400 ℃ と500 ℃の FLiNaBeの 総 括 物 質 移 動 係 数 を 比 較 し 、 ト リ チ ウ ム の 放 出 は ガ ス 境 膜 に よ る 移 動 抵 抗 を 無 視 で き る と 考 え ら れ る こ と 、 お よ び ト リ チ ウ ム 溶 解 度 は 小 さ く 放 出 に 関 係 し な い と 考 え ら れ る こ と を 明 ら か に し た 。

回 収 さ れ る ト リ チ ウ ム の 化 学 種 に つ い て は 、そ の ほ と ん ど が 水 溶 性(TF、HTO)で あ る こ と が わ か っ た 。 本 研 究 で は 、 こ の 化 学 種 に つ い て さ ら に 詳 細 な 議 論 を 行 う た め 、TF と HTOの 分 離 回 収 が 必 要 で あ っ た 。 そ こ で TF の み に 反 応 す るNaF (フ ッ 化 ナ ト リ ウ ム) 粉 末 を 用 い る 手 法 を 開 発 し 、フ ッ 化 水 素 (HF) お よ び 水 蒸 気 を 用 い た 予 備 実 験 で そ の 有 効 性 を 確 認 し た 。こ の 手 法 を 、溶 融 塩 FLiNaKを 対 象 に し た 照 射 実 験 に 適 用 し 、本 実 験 で の ト リ チ ウ ム 回 収 部 に は 主 に HTO の 化 学 形 が 輸 送 さ れ て い る こ と が わ か っ た 。 こ の 原 因 と し て 、 ト リ チ ウ ム 生 成 率 の 小 さ い 本 実 験 条 件 で は 、 酸 素 や 水 不 純 物 の 影 響 を 大 き く 受 け た た め と 考 え ら れ た 。

ま た 、 放 出 さ れ る ト リ チ ウ ム の 化 学 種 を 制 御 す る 目 的 で ス ウ ィ ー プ ガ ス に H2 ガ ス を 加 え る 試 験 を 、 溶 融 塩 FLiNaKを 対 象 に 行 っ た 。 こ れ に よ り 、HT と し て 放 出 さ れ る ト リ チ ウ ム の 割 合 が 増 加 し 、 総 括 物 質 移 動 係 数 も 大 き く で き る こ と が わ か っ た 。

以 上 の 溶 融 塩 か ら の ト リ チ ウ ム 放 出 に 関 す る 総 括 物 質 移 動 係 数 、 お よ び ス ウ ィ ー プ ガ ス 中 の H2 ガ ス と 溶 融 塩 中 の ト リ チ ウ ム と の 反 応 に 関 す る 速 度 定 数 に 基 づ き 、 核 融 合 炉 に お け る ト リ チ ウ ム 回 収 の 適 用 性 を 検 討 し た 。 こ の 結 果 か ら 、 水 素 混 合 ガ ス を 用 い る こ と に よ り 、 核 融 合 炉 で の 溶 融 塩 を 用 い た ブ ラ ン ケ ッ ト シ ス テ ム に お け る ト リ チ ウ ム の 定 常 回 収 が 成 立 す る 可 能 性 を 明 ら か に し た 。

本 論 文 の 総 括 と し て 、本 研 究 に よ り 得 ら れ た 結 果 と ま と め 、将 来 の 展 望 に つ い て 述 べ た 。

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Referensi

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