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妨害刺激の特徴が拡張現実使用時の変化の見落 と しに与 える影響

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妨害刺激の特徴が拡張現実使用時の変化の見落 と しに与 える影響

伝 保 昭 彦*1,篠 原 一 光*2

The Characteristics of a Distractor Influences Change blindness in Augmented Reality

Akihiko DEMPO * 1, Kazumitsu SHINOHARA * 2

ABSTRACT : A previous study demonstrated that change blindness could be avoided when a gray monotonous distractor is presented monocularly. This result might be because the distractor was not perceived in a monocular presentation. Hence, change blindness when a more perceivable distractor was presented was investigated. We conducted the flicker paradigm task and then the distractor was presented binocularly and monocularly. The distractor was a Mondrian stimulus that had various colors and numerous edges. We manipulated the luminance of the Mondrian distractor because it was supposed that a higher luminance distractor became more perceivable even in the monocular condition. As a result, change blindness occurred even when the distractor was presented monocularly. Moreover, the higher the luminance of the Mondrian stimulus became, the more frequently change blindness occurred both in the binocular and monocular conditions. However, more alternations were needed to detect the change in the binocular condition. These results revealed that change blindness might require perception of the distractor, and even though change blindness occurred in the monocular condition, participants could detect the change earlier compared with in the binocular condition.

Keywords : augmented reality, change blindness, monocular presentation

(Received Dec. 25, 2020)

1.は じ め に

二 つ の 画 像 が 連 続 的 に 提 示 され る際 、 間 に妨 害 刺 激 が 挿 入 され る と、 画 像 問 で 発 生 した 変 化 に気 づ き に く くな る現 象 の こ とを 変 化 の 見 落 と し(Changeblindness)と い う1)。 一 般 的 に、 妨 害 刺 激 が 挿 入 され な けれ ば 、 そ の よ うな 変 化 は 容 易 に 検 出 す る こ とが で き る。 この よ うな 状 況 に お け る変 化 の 検 川 に は 、 変 化 した 部 分 が 視 界 内 に あ るだ け で は 不 十 分 で あ り、 変 化 す る瞬 間 に視 覚 的 注 意 が 変 化位 置 に 向 け られ て い な けれ ば な らな い と され て い る。

変 化 の 見 落 と しは 頑 健 な 現 象 で あ り、 実 験 室 実 験 だ けで な く、 よ り現 実 的 な 状 況 で も発 生 す る こ とが 知 られ て い

*1:理 工 学 部 シ ス テ ム デ ザ イ ン 学 科 助 教

(akihiko‑[email protected])

*2:大 阪 大 学 大 学 院 人 間 科 学 研 究 科 教 授

る2)。 場合 に よっ て は 、 変化 の 見 落 と しは 致命 的 な 結 果 を 引 き起 こ し得 る。

近 年 日覚 ま しい発 展 を遂 げ て い る情 報 提 供機 器 の使 川 時 に お い て も、 変化 の 見 落 と しは 問題 とな り得 るた め、

よ り多 くの検 討 が必 要 とな っ て い る。 そ の よ うな 情 報 提 供 技 術 の一 つ と して拡 張 現 実(Augmentedreality:AR)が 挙 げ られ る。ARと は 、現 実 世 界 に 直接 情 報 を重 畳 して 提 示 す る技 術 の総 称 で あ る3)。 例 えば 、進 行 方 向 を示 す 矢 印 の3D画 像 を ドライ バ ー の視 界 内 に 直 接 提 示 す るな ど の方 法 が挙 げ られ る。ARに よっ て 情 報 を提 供 す る こ とで 、 従 来 型 の カ ー ナ ビゲ ー シ ョ ンシ ス テ ム な ど よ りも直感 的 か つ容 易 に情 報 を理 解 で き る よ うに な る。 更 に、 ユ ー ザ ー は 道 路 か ら 目を離 して 車 内 の デ ィス プ レイ を見 る必 要 が な くな るた め 、 安全 性 が 向Ilす る と期 待 され て い る。

この よ うにARに は様 々 な利 点 が あ る 方 で 、変 化 の 見 落 と しを発 生 させ か ね な い とい う問題 が あ る。 変 化 の 見

(2)

落 と しを発 生 させ る典 型 的 な 方 法 と して 、 フ リッカ ー 法 4)が知 られ て い る。フ リ ッカー 法 で は 、元 両 像 とそ の 一 部 を修 正 した 画 像 を 交 互 に 連 続 して 提 示 す る。 そ の 際 、 画 像 が切 り替 わ る と きに 妨 害 刺 激 が 挿 入 され る。 妨 害 刺 激 は 画 像 全 体 を 覆 っ て い て も、 覆 っ て い な くて も よ く、 変 化 す る位 置 が 見 えて い て も よい 。 フ リッカ ー 法 で は 変 化 の 見 落 と しが 顕 著 に 発 生 し、 繰 り返 し画 像 を切 り替 え続 け て も、1分 以L変 化 に 気 づ けな い こ と も あ る。 この よ うな 状 況 は 、ARの 実 際 の使 用 場 面 と類 似 点 が あ る。例 え ば 、自動 車 の運 転 時 に ナ ビゲ ー シ ョン の た め にARを 使 川 す る とい う状 況 を想 定 す る。この 場 合 、ARと して'j一え ら れ る像(AR像)が 提 示 され た 瞬 間 に、子 どもが 脇 道 か ら 飛 び 出 して く る とい うこ とが あ り得 る。 この よ うな 状 況 で は 、ARの 情 報 が 妨 害 刺激 と して働 く こ とで 、重 要 な 変 化 で あ る子 ど もの 川 規 を見 逃 し、 致 命 的 な 事 故 を引 き起 こ しか ね な い とい うこ とが 分 か る。

この よ うに 、AR使 用 時 にお け る変 化 の 見 落 と しは 安 全 に 関 す る問題 とな り得 る。先 行研 究5)で は 、ARが 提 示 さ れ て い る とき の 変 化 の 見 落 と しに つ い て 、 フ リッカ ー 法 を 用 い て 検討 され て い る。 この研 究 にお い て は 、 妨 害 刺 激 と して 半 透 明 の灰 色 のAR像 が 元 画 像 お よび 修 正 画 像 全 体 を覆 うよ うに 提 示 され た 。ま た 、ARの 妨 害 刺 激 は 両 眼 ま た は 単 眼 に 提 示 され 、 明 る さは 高 中低 の 三 段 階 に設 定 され た 。そ の結 果 、両 眼 にAR像 が 提 示 され る条 件(両 眼 条 件)で は 変化 の 見 落 と しが発 生 した。 更 に 、AR像 が 明 るい とき に は よ り変 化 の 見 落 と しは 発 生 しや す くな っ た 。 方 、単 眼 にAR像 が提 示 され る 条件(単 眼 条件)に お い て は 、 どの 明 る さで あ っ て も変 化 の 見 落 と しは 発 生

しな か っ た 。 この こ とか ら、 先 行研 究5)で は 単 眼 提 示 に よっ て 変 化 の 見 落 と しは 回避 で き る と主 張 され て い る。

しか し、これ らの結 果 は妨 害刺 激 で あ るAR像 が 灰 色 の 単 調 な 刺 激 で あ っ た た め で あ る可 能 性 が あ る。 そ れ ぞ れ の 目に 人 き く異 な る画 像 が 提 示 され た 場 合 、 一 方 の 画 像 が優 勢 とな っ て 知 覚 され 、 も う一 方 の 画 像 は 抑 制 され る こ とが 知 られ て い る。 ま た 、 ど ち らが 知 覚 的 に優 勢 とな るか は 時 間 ご とに 変 化 し続 け る。 この 継 続 的 な 知 覚 交 替 現 象 は 両 眼 視 野 闘 争(Binocularrivalry)と ロ乎ば れ て い る 6・7)。 両眼 視 野 闘 争 にお い て 、 どち らの 目に与 え られ た 刺 激 が優 勢 に な るか は 、 刺 激 自体 の 特 徴 の 影 響 を受 け る と

され て い る。 一 般 的 に 、 低 コ ン トラス ト、 低 岬 度 、 静 的 な 刺 激 よ りも高 コ ン トラス ト、 高 輝 度 、 動 的 な 刺 激 は 優 勢 に な りや す い 。 す な わ ち 、 よ り強 度 の 高 い 刺 激 の 方 が 優 勢 に な りや す い と言 え る。 この よ うな 両 眼 視 野 闘 争 の 特 徴 を 考 慮 す る と、灰 色 の 一 様 なARの 妨 害刺 激 は 、単 眼 条 件 に お い て 弱 す ぎ て優 勢 とな らず 、 知 覚 され な か った

可能 性 が あ る。

そ こで本 研 究 で は 、先 行 研 究5)と 同 じ方 法 を使 川 して 、 妨 害 刺 激 の 特 徴 がAR使 用 時 の 変 化 の 見 落 と し に与 え る 影 響 に つ い て検 討 した。 先 行 研 究5)よ りも強 度 の 高 い 刺 激 と して 、 モ ン ドリア ン様 の パ タ ー ン を持 つ 刺激(モ ン ドリア ン刺 激)を 使 用 した。 モ ン ドリア ン刺 激 とは様 々 な 大 き さ と色 か らな る四 角 形 を複 数 個 組 み 合 わ せ て 出 来 kが っ た 四角 形 の こ とで あ る8・9)。非 常 に刺 激 強 度 が 高 い た め 、 モ ン ドリア ン刺 激 が 一 方 の 眼 に提 示 され た 場 合 、 も う一 方 の 眼 に提 示 され た 両像 は 意識 に 上 りに く くな る こ とが知 られ て い る。

しか し、 モ ン ドリア ン刺 激 の輝 度 が低 い 場 合 は 、 も う 一 方 の 眼 に提 示 され た 画像 が優 勢 とな る こ と もあ る

。 そ こで 、先 行 研 究5)と 同様 、 モ ン ド リア ン刺 激 の輝 度 も実 験 の要 囚 とす る こ と と した。

本 研 究 に お い て は 以 下 の 通 り、 一二つ の 仮 説 を立 て た 。 第 一に 、先 行 研 究5)と 異 な り、 本研 究 にお い て は 両眼 条 件 ・単眼 条 件 の いず れ にお い て もARの 妨 害 刺激 は 知 覚 さ れ るた め 、変 化 の 見 落 と しは発 生 す る と考 え られ る。 第 二に 、ARの 妨 害 刺激 の輝 度 が 高 くな る ほ ど変 化 の 見 落 と しは発 生 しや す くな る とい う仮 説 を立 て た 。 この こ と に つ い て 、本 研 究 で は単 眼条 件 にお い て もARの 妨 害 刺 激 は 知 覚 され る と仮 定 して い るた め 、 両 眼 条 件 ・単 眼 条 件 の いず れ に お い て も変化 の 見 落 と しは輝 度 の影 響 を受 け る

と考 え られ る。

以 上 の 二 つ の仮 説 に つ い て検 討 す るた め 、AR像 の モ ン ドリア ン刺 激 が提 示 され る際 に 、 両 眼 条 件 と単 眼 条 件 で 変 化 の 見落 と しが どの よ うに 異 な るか を検 討 した。ま た、

それ ぞれ の条 件 で 変化 の 見 落 と しが発 生 して い る こ と を 確 認 す るた め に 、 モ ン ドリア ン刺 激 が提 示 され ず 、 変 化 の 見落 と しが発 生 しな い と考 え られ る条件(提 示 な し条 件)を 設 定 し、 両 眼 条件 お よび 単 眼 条件 の 結 果 と比 較 し た。

2.方

本 実 験 の 手 続 き お よ び 元 画 像 と修 正 画 像 の ペ ア は 先 行 研 究5・mamexPe「'ment)と で あ っ た 。 妨 害 刺 激 の み が 異 な っ て お り 、 本 研 究 で は モ ン ド リ ア ン刺 激 を 使 川 し た 。

本 実 験 は 大 阪 大 学 大 学 院 人 間 科 学 研 究 科 行 動 学 系 研 究 倫 理 委 員 会 の 承 認 を 受 け た 。 実 験 を 開 始 す る 前 に 全 て の 実 験 参 加 者 に1一分 な 説 明 を 行 い 、 書 面 に よ りイ ン フ ォ ー ム ド コ ン セ ン トを 取 得 し た 。

(3)

2.1実 験 参 加 者

大 阪 大 学 に 所 属 す る 学 生14名 お よ び 人 材 派 遣 会 社 に よ り集 め ら れ た25・ 名 が 実 験 に 参 加 し た 。 視 力 お よ び 色 覚 の 問 題 に よ り、3名 の 実 験 参 加 者 を 除 外 し 、36名 分 の デ ー タ を 使 川 して 分 析 を 行 っ た 。

両 眼 条 件 、 単 眼 条 件 お よ び 提 示 な し 条 件 の3つ の 条 件 に そ れ ぞ れ12名 ず つ が 割 り 当 て ら れ た 。 実 験 参 加 者 数 は 先 行 研 究5)に 基 づ い て 決 定 した 。 両 眼 条 件 で は 、 実 験 参 加 者 は6名 が 男 性 、6名 が 女 性 で あ り 、平 均 年 齢 は22.75

(Sl)‑3.09)歳 で あ っ た 。 単 眼 条 件 で は 、 実 験 参 加 者 は 5名 が 男 性 、7名 が 女 性 で あ り 、 平 均 年 齢 は23.08(SI)=

338)歳 で あ っ た 。提 示 な し条 件 で は 、実 験 参 加 者 は6・名 が 男 性 、6名 が 女 性 で あ り 、平 均 年 齢 は22.83(SZ)=1.82) 歳 で あ っ た 。 全 て の 実 験 参 加 者 が 裸 眼 ま た は 矯 正 で 正 常 な 視 力 を 有 して い た(最 低 で も 両 眼 の 視 力 が0.7以 上)。

ま た 、 石 原 式 色 覚 検 査 表H(24表)を 使 用 し て 、 全 て の 実 験 参 加 者 が 正 常 な 色 覚 を 有 し て い る こ と を 確 認 し た 。

2.2実 験 装 置

実 験 装 置 と し て 、 偏 光 装 置(シ グ マ 光 機 、PH‑50)、 ー フ ミ ラ ー

、 ペ ン タ ブ レ ッ ト モ ニ タ ー(WACOM、

Cintiq22HD、 解 像 度 は1680×1050)、 液 晶 デ ィ ス プ レ イ (E菱 電 機 、RDT235WX(BK)、AX220モ デ ル 、 解 像 度 は 1920×1080)、 パ ー ソ ナ ル コ ン ピ ュ ー タ(マ ウ ス コ ン ピ ュ ー タ ー

、m‑BookP500×1‑M2SH2、OSはWindows10)、 ウ ス(ELECOM、M‑BLOgDB)を 使 川 し た 。 図1に 実 験 装 置 の 配 置 を 示 し た 。 刺 激 の 提 示 お よ び 反 応 の 取 得 の た め の プ ロ グ ラ ム はMicrosoftVisualStudioCommunity2015

を 使 川 し て 作 成 し た 。

偏光装置

液 晶デ ィス プ レイ

}

マ ウス

ペンタブレツト

ハ ー フ ミ ラ ー

図1実 験 装 置 の 配 置

(Kitamuraetal.,2019,p.5,Figure1を 元 に 作 成 。)

2.3刺

36対 の 元 画 像 お よ び 修 正 画 像 を 使 川 した 。そ れ ぞ れ の 画 像 は 生 物 を 含 ま な い 現 実 風 景 の 写 真 で あ っ た 。 画 像 の 人 き さ は 縦9.2cm、 横13.6cm(視 角 に し て1050×1550) で あ っ た 。妨 害 刺 激 はAR像 と して モ ン ド リア ン 刺 激 が 提 示 され た 。 モ ン ド リ ア ン刺 激 の 大 き さ は こ れ ら の 画 像 と 同 じ 大 き さ で あ り 、 画 像 全 体 を 丁 度 覆 う よ う に 提 示 さ れ た 。 た だ し 、 モ ン ド リ ア ン刺 激 は 半 透 明 で あ っ た た め 、 実 験 参 加 者 は モ ン ド リ ア ン 刺 激 を透 過 し て 元 画 像 お よ び 修 正 両 像 を あ る程 度 観 察 す る こ と が で き た 。 モ ン ド リア ン刺 激 は 様 々 な 色 か ら構 成 さ れ て い る た め 、 輝 度 条 件 を RGB値 に よ っ て 定 義 した 。 例 え ば 、 も し モ ン ド リア ン 刺 激 の あ る部 分 のRGB値 が 低 輝 度 条 件 に お い て[32,51,18]

だ っ た とす る と 、 モ ン ド リ ア ン 刺 激 の 同 じ場 所 のRGB値 は 、中 輝 度 条 件 に お い て[64,102,36]、 高 輝 度 条 件 に お い て[128,204,72]と な る よ う に 設 定 し た 。 こ の よ う に 、低 輝 度 条 件 を 基 準 とす る と 、 中 輝 度 条 件 で はRGB値 は2倍 高 輝 度 条 件 で は4倍 と な る よ うに した 。 モ ン ド リア ン 刺 激 を 構 成 し て い る 四 角 形 は 全 て の 輝 度 条 件 で 同 じ で あ っ た た め 、 全 て の 試 行 に お い て 、 同 じ モ ン ド リア ン 刺 激 が 提 示 され た 。

2.4手 続 き

手続 き は典 型 的 な フ リ ッカ ー 法 に 従 っ た 。 た だ し、 元 画 像 と修 正 画 像 の 問 に妨 害刺 激 を挿 人 す る代 わ りに 、AR 像 の モ ン ドリア ン刺 激 が提 示 され た。

初 め に 「Ready?」の 文 字 が ペ ン タブ レ ッ トモ ニ ター の 中央 部 に提 示 され た。 実験 参 加 者 が テ ンキ ー の5を 押 ド す る と、 固視 点 と して十 字 記号 が500ms提 示 され 、続 い て 元 画像 と修 正 画像 が1000msず つ 提 示 され た 。 両眼 条 件 と単 眼条 件 に お い て は 、 元 両像 と修 正 画 像 が 提 示 され 始 め るの と同 時 に 、妨 害刺 激 と して モ ン ド リア ン刺 激 が 250ms提 示 され た。 提 示 な し条件 に お い て は 、 モ ン ド リ ア ン刺 激 は提 示 され な か っ た。 元 両像 と修 正 画 像 は 、 実 験 参 加 者 が変 化 を発 見 し、 キ ー を押 して 反応 す るま で 交 互 に繰 り返 し提 示 され た。 画像 提 示 開 始 か ら60秒 が 経 過 して も反 応 が な か っ た場 合 、 変化 を見 つ け る こ とが で き な か っ た もの と して 、 画像 の提 示 は 終 了 した 。 実 験 参 加 者 が キ ー を押 す か 、 画像 の 提 示 開 始 か ら60秒 が 経過 した後 、全 て の刺 激 が 画 面 か ら消 え、 変 化 した と思 う場 所 を ク リ ックす る よ うに 教示 す る文 が提 示 され た 。 そ の 後 テ ンキ ー の5を 押 す と元 両像 が 提 示 され 、 実 験 参力ll者 は変 化 した と思 う場 所 を ク リ ッ ク した。 わ か らな い 場 合 は適 当 な場 所 を ク リ ックす る よ うに 教 示 した 。 この 手 続 き は 実験 参 加 者 が 正 し く変化 を検 出 で き て い た か ど うか

(4)

を確 認 す るた め に 行 っ た 。 ク リッ ク後 、 実 験 参 加 者 に は

「変 化 した も のや 場 所 は どれ く らい 日立 っ て い ま した か?」 と 「変 化 した もの や 場 所 が 変 化 す る と どれ く らい 予 測 して い ま した か?」 とい う二つ の 質 問 文 が 提 示 され た 。 実 験 参力ll者は そ れ ぞ れ の 質 問 文 の 下 側 に提 示 され て い るス ライ ダ ー を使 っ て 、1(ほ とん ど 目立 た な か った/

予 測 して い な か っ た)か ら7(非 常 に 日立 って い た/予 測 して い た)ま で の 数 字 で 質 問 に 対 して 回 答 した 。 実 験 参加 者 が 回 答 した 後 、 質 問 文 の ド側 にあ るボ タ ン を ク リ ック す る と、 そ の試 行 は 終 了 し、 次 の試 行 が 開 始 した 。

ARの モ ン ド リア ン刺 激 は ハ ー フ ミラ ー お よび 液 晶 デ ィス プ レイ に よっ て 提 示 され た 。 偏 光 装 置 を回 転 させ る こ とで 、AR像 で あ るモ ン ド リア ン刺 激 を実 験 参 加 者 の 両 眼 に 提 示 す るか 、 単 眼 の み に 提 示 す るか を操 作 した 。 提 示 な し条件 で は 、 モ ン ド リア ン刺 激 は 提 示 され な か った の で 、 実 験 参加 者 は 変 化 を直 接 的 に 観 察 す る こ とが で き た 。 両眼 条 件 と単 眼 条 件 で は 、 高 中 低 の3つ の モ ン ドリ ア ン刺激 の輝 度 条 件 に12対 の 両 像 が そ れ ぞ れ 割 り当て られ た 。 どの 順 番 で 提 示 され るか は ラ ンダ ム で あ った 。 ま た 、 各輝 度 条 件 に どの12対 の 画 像 が 割 り当て られ る か は 、 実 験 参加 者 ご とに カ ウ ン タバ ラ ンス を取 った 。 提 示 な し条 件 で は 、 モ ン ドリア ン刺 激 は 提 示 され な か った の で 、輝 度 条 件 は存 在 しなか った 。 そ の た め 、36対 の 画 像 の 全 て が 妨 害 され な い 状 態 で 提 示 され た 。

本 試 行 を 開 始 す る前 に 、3回 の練 習 試行 を行 っ た。

2.5実 験 計 画

実験参 加 者一 人 あ た り、輝度 条 件(3条 件:高 、中、低)

×繰 り返 し12回 の合 計36試 行 を行 った。 観 察条 件(3条 件:両 眼 、単眼 、提 示 な し)は 実 験参 加者 間計 画で あ った。

反応 時 間 は 画 像 が 提 示 され 始 め て か らテ ンキ ー の5を 押 す ま で の 時 間 と した 。 反 応 後 の 二 つ の 質 問 文 に対 す る 回 答 を 主観 的 な 顕 著性 と予 測 性 と して 記 録 した 。

な して分 析 か ら除外 した。 ま た 、 変 化位 置 の 回 答 に誤 り が あ っ た試 行 も除外 した。

提 示 な し条件 に は輝 度 条 件 が 存在 しない た め 、両 眼条 件 お よび 単眼 条件 とは直接 的 に比 較 す る こ とが で き ない 。そ こで、初 めに 両 眼条 件 と単 眼条 件 の 比較 を行 っ た。一 般 化 線 形 混 合 モ デル(generalizedlinearmixedmodel:GLMM)を 川 いて デ ー タ の分 析 を行 った 。 日的変 数 を変化 回数 、説 明 変 数 を観 察 条件 、輝 度 条件 お よび そ れ らの交 互 作 用 と した 。 実験 参 加 者 を変 量 効 果 と した 。デ ー タ の分 布 と して は ポ ワ

ソン分 布 を仮 定 し、 リンク 関数 は対 数 リン ク 関数 と した。

ま た、観 察 条件 にお い て は 両眼 条 件 、輝 度 条 件 に お い て は 中輝 度 条 件 を基 準 カ テ ゴ リに設 定 した。

図2お よび表1に 結 果 を示 した 。観 察 条 件 の 効 果 が 有 意 で あ り、 単 眼 条件 よ り も両 眼 条件 の 方 が キ ー 押 し をす るま で の変 化 回数 が 多 い こ とが 示 され た 。 ま た 、輝 度 条 件 に つ い て 、低 輝 度 と中輝 度 、 中舞 度 と高輝 度 の 問 の 差 が いず れ も有 意 で あ っ た。 した が っ て 、 モ ン ド リア ン刺 激 の輝 度 が 高 い ほ ど、 変化 回数 が 多 くな る こ とが 示 され た。観 察 条 件 と輝 度 条 件 の交 互作 用 は有 意 で は な か っ た。

10.0

7。5

5n

()}

2。5

0.0

1

1

輝度条件

■ 低

■ 中

単眼 両眼

観察条件

図2各 条 件 に お け る変 化 回 数

横 線 は 提 示 な し条 件 に お ける 変 化 回 数 の 平 均 値 。 エ ラー バ ー は 標 準 誤 差 を示 す 。

3.結

3.1変 化 回 数

取 得 し た 反 応 時 間 の デ ー タ に 基 づ い て 、 画 像 の 提 示 開 始 か ら 実 験 参 加 者 が キ ー を 押 して 反 応 す る ま で に 何 回 両 像 が 変 化 し た か を 算 出 し た 。1000ms経 過 す る こ と に 変 化 がll・iあ っ た も の と し、 例 え ば 反 応 時 間 が1000ms以 2000ms未 満 の 試 行 は 変 化 回 数1、2000ms以 上3000ms未 満 の 試 行 は 変 化 回 数2の よ う に 変 換 した 。 反 応 時 間 が 最

初 に 変 化 が 発 生 す る よ り前 の1000ms未 満 の 場 合 、 ま た は 画 像 提 示 終 了 後 の60,000ms以kの 場 合 は 誤 反 応 と み

表1変 化 回 数 の 分 析 結 果

EstimateSEz値 ρ値

切 片 両vs.単

中vs.低 中vs.高 ・低 ・高

1.86

‑0 .53

‑057 0.18 0.13 0.12

0.10 0.14 0.05 0.04 0.09 0.07

19,25

‑3 .77

‑10 .71 4.05

1.55 0.07

< .001***

< .001***

< .OOI***

< .001***

.122 .103

両 お よ び単 は観 察 条件 、 高 、 中 、低 は輝 度 条件 を 表 して い る 。単 ・低 お よ び単 ・高 は 交互 作 用 を 表 して い る 。

(5)

以 上 か ら、輝 度 条 件 は 両 眼 条 件 だ けで な く単 眼 条 件 で も変 化 回 数 に影 響 を与 えて お り、 い ず れ の 条 件 で も輝 度 が 高 い ほ ど変 化 回 数 が 増 え る こ とが 示 され た 。 た だ し、

両 眼 条 件 の 方 が 単 眼 条 件 よ りも変 化 回 数 は 多 い こ とも同 時 に 示 され た 。

続 い て 、GLMMに よ り提 示 な し条 件 と両 眼 条 件 お よび 単 眼 条 件 のそ れ ぞ れ の 輝 度 条 件 との 比 較 を行 っ た(e.g., 両 眼 ・高 輝 度 条 件 と提 示 な しの比 較)。 目的変 数 、変 量 効 果 、 デ ー タ 分布 の 仮 定 お よび リン ク関 数 は これ ま で の 分 析 と同様 で あ っ た 。 説 明 変 数 を観 察 条 件 ・輝 度 条 件 と し

た 。 この 分析 に お い て は6回 の 統 計 的 検 定 を繰 り返 した の で 、 有 意 水 準 をBonferroni法 に従 っ て調 整 し、0.05/6‑

0.00833… を有 意 水 準 と した 。

表2に 分 析 の 結 果 を示 した 。 提 示 な し条 件 よ りも、 他 の 全 て の 条件 に お い て 変 化 回 数 は 多 か った 。 提 示 な し条 件 以 外 で 最 も変 化 回 数 が 少 な か っ た 単 眼 ・低 岬 度 条 件 で も、 提 示 な し条 件 よ り変 化 回 数 は 多 か っ た 。

表2変 化 回 数 に お け る提 示 な し条 件 との 比 較 EstimateSEz覆P値

れ た 。

表4に 提 示 な し条 件 と の 比 較 を 示 した 。 そ の 結 果 、 提 示 な し 条 件 よ り も 、 両眼 ・高 輝 度 条 件 、 両眼 ・中輝 度 条 件 、 お よ び 単 眼 ・高 輝 度 条 件 に お い て 、 主 観 的 な 顕 著 性 は 低 く な る こ と が 示 され た 。

主 観 的 予測 性 の 分 析 で は 、 観 察 条 件 、 輝 度 条 件 、 そ れ ら の 交 互 作 川 の い ず れ も 有 意 で は な か っ た(n.s.)。 提 示 な し条 件 と の 比 較 に お い て は 、Bonferroni法 に よ る 有 意 水 準 の 調 整 を 行 う と 、 い ず れ の 条 件 に お い て も 提 示 な し 条 件 と の 差 は 有 意 で は な か っ た(n.s.)。

表3主 観 的顕 著 性 の 分 析 結 果 EstimateSEt値P値

切 片 両vs.単

中vs.低 中vs.高 ・低 ・高

4.70 0.37 057

‑0 .37

‑0 .13

‑O .41

0.20 0.28 0.18 0.18 0.25 0.26

23,84 1.33 3.16

‑2 .Ol

‑0 .53

‑158

< .001***

.197 .002**

,045*

597 .114

・ 高

・ 中

両 ・低

甲 一'高

・ 中

単 ・低

切 片2.05

vs.な 一1.64

切 片1.89

vs.な 一1.47

切 片1.28

vs.な 一〇.86

切 片1.62

vs.な 一1.21

切 片1.32

vs.な 一〇.91

切 片0.91

vs.な 一〇5

0.1020.63<.05a(lj*

0.14‑ll.48<.05a(lj*

0.0920.48<.05a(lj*

0.13‑ll.15<.05a(lj*

0.llll.23<.05a(lj*

0.16‑5.42<.05a(lj*

0.ll15.36<.05a(lj*

0.15‑8.09<.05a(lj*

0.1211.51<.05a(lj*

0.16‑5.64<.05a(lj*

0.108.99<.05a(lj*

0.14‑358<.05adj*

両 、 単 、 な し は 観 察 条 件 、 高 、 中 、 低 は 輝 度 条 件 を 表 し て い る 。 有 意 水 準 はBonferroni法 に よ り調 整 し た 。

3.2主 観 的 顕 著 性 と予 測 性

主観 的 な 顕 著 性 と予 測 性 に つ い て も、 前 節 と同 様 の 方 法 でGLMMに よ り分析 を行 っ た 。 た だ し、デ ー タの 分 布 に つ い て は 正 規 分 布 を仮 定 し、 リン ク関 数 は 恒 等 リン ク 関数 と した 。

主観 的 顕 著性 の 分析 結 果 に つ い て 表3に 示 した 。 観 察 条 件 と交 互 作 用 は 有 意 で は な か っ た 。 一 方 、 輝 度 条 件 に つ い て 、 低輝 度 と中舞 度 、 中輝 度 と高 輝 度 の 問 の 差 は 有 意 で あ り、 モ ン ドリア ン刺 激 の輝 度 が 低 くな る ほ ど、 実 験 参加 者 は 変 化 が 顕 著 で あ る と感 じて い た こ とが 示 唆 さ

両 お よ び単 は観 察 条件 、 高 、 中 、低 は輝 度 条件 を 表 して い る 。単 ・低 お よ び単 ・高 は 交互 作 用 を 表 して い る 。

表4主 観 的 顕 著 性 に お ける 提 示 な し条 件 との 比 較 Estimate∬t値P値

・高

・ 中

両 ・低

・高

・ 中

単 ・低

切 片434 vs.な し1.51 切 片4.70 vs.な し1.15 切 片5.27 vs.な し0.58 切 片430 vs.な し1.55 切 片5.06 vs.な し0.78 切 片5.50 vs.な し0.35

0.251756 0.344.49 0.2419.78 0.32354 0.2521.22 0.341.71 0.2517.19 0.344.54 0.2719.25 0.362.17 0.2621.08 0.360.96

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.05n.s.

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両 、 単 、 な し は 観 察 条 件 、 高 、 中 、 低 は 輝 度 条 件 を 表 し て い る 。 有 意 水 準 はBonferroni法 に よ り調 整 した 。

4.考

本 研 究 で はAR使 用 時 の 変 化 の 見 落 と しに つ い て検 討 す るた め 、AR像 と して 提 示 され るモ ン ド リア ン刺激 を妨 害刺 激 と して使 用 して 、 フ リ ッカ ー 法 に よ る変 化 の 見 落

(6)

と し課題 を 行 っ た 。

提 示 な し条件 との 比 較 で は(表2)、 両 眼 条 件 だ けで な く単 眼 条 件 に お い て も変 化 回 数 が 多 くな った 。 い ず れ の 観 察 条 件 に お い て も変 化 の 見 落 と しが 発 生 した こ とが 示 唆 され た 。 した が っ て 、 両 眼 条 件 と単 眼 条 件 の い ず れ に お い て も変 化 の 見 落 と しは 発 生 す る とい う一 つ 目の 仮 説 は 支 持 され た 。 ま た 、輝 度 条 件 に つ い て 、 両 眼 条 件 と単 眼 条 件 の い ず れ に お い て も、輝 度 が 高 くな る ほ ど変 化 を 検 出 す るま で の 変 化 回 数 は 多 くな っ た(表1)。 この 結 果 か ら、 両 眼 条 件 と単 眼 条 件 の い ず れ にお い て も、 輝 度 が 高 くな るほ ど変 化 の 見 落 と しは 発 生 しや す くな る とい う 二 っ 目の 仮 説 は 支 持 され た 。 た だ し、 単 眼 条 件 で は 変 化 の 見 落 と しが 発 生 した もの の 、 両 眼 条 件 よ り変 化 の 見 落 と しは 発 生 しに くか っ た 。

単 眼 条件 に お い て この よ うな 結 果 にな った の は 両 眼 視 野 闘 争 に よ る もの で あ る可 能 性 が あ る6・7)。両 眼 視 野 闘 争 に お い て モ ン ドリア ン刺 激 は 強 力 な 刺 激 で は あ る もの の 、 単 眼 条 件 に お い て 常 に 知 覚 的 に 優 勢 にな って い た わ けで は な い と考 え られ る。 両 眼 視 野 闘 争 にお け る知 覚 交 替 は 確 率 的 に発 生 す る現 象 で あ るた め 、 単 眼 条 件 で は 変 化 を 容 易 に観 察 す る こ とが で き る瞬 間 が あ っ た 可 能 性 が あ る。

例 え ば 、 一回 目の 変 化 で は モ ン ドリア ン刺 激 が 優 勢 とな り、 刺激 画 像 の 知 覚 が 抑 制 され て い た か も しれ な い 。 こ の よ うな 状 況 で は 実 験 参加 者 は 変 化 を明 確 に観 察 す る こ とが で き ず 、 変 化 の 見 落 と しは 起 こ りや す い と考 え られ る。 そ して 次 の 変 化 で は モ ン ド リア ン刺 激 が 抑 制 され 、 刺 激 画 像 が優 勢 とな っ た か も しれ な い 。 この よ うな 状 況 で は 実 験 参加 者 は モ ン ド リア ン刺 激 に妨 害 され る こ とな く変 化 そ の もの を観 察 す る こ とが 可 能 で あ り、 変 化 の 見 落 と しは 起 こ らな い と考 え られ る。 一 方 、 両 眼 条 件 にお い て は 常 に モ ン ド リア ン刺 激 が 知 覚 され て い る状 態 で あ り、 変 化 の 見 落 と しが 起 こ りや す い 状 態 で あ った と考 え られ る。 上 記 の 理 由 に よ り、 変 化 の 見 落 と しは い ず れ の 観 察 条件 に お い て も発 生 した が 、 単 眼 条 件 の 方 が 発 生 し

に くか っ た と考 え られ る。

両 眼視 野 闘 争 に お い て 、 二つ の 刺 激 の 内 、 片 方 の 輝 度 が 高 い 場 合 、 も う一 方 の 刺 激 は 抑 制 され や す い 。 単 眼 条 件 に お い て 、輝 度 が 高 い 条 件 で は 、 輝 度 が 低 い 条 件 よ り もモ ン ド リア ン刺 激 が 知 覚 され や す く、 そ の 結 果 と して 輝 度 の 高 い 条 件 の 方 が 変 化 の 見 落 と しが 発 生 しや す くな

っ た と考 え られ る。

更 に 、輝 度 が 低 い 条 件 の 方 が 、 変 化 の 業 観 的 な 顕 著 性 は 高 く評価 され た 。 これ は 、輝 度 が 低 い 方 が モ ン ドリア ン刺激 は 知 覚 され に く く、 実 験 参 加 者 に と って 変 化 を見 つ け や す い と感 じ られ た た め か も しれ な い 。 岬 度 が 高 い

条 件 よ り も低 い 条件 の 方 が モ ン ドリア ン刺激 は 弱 く感 じ られ 、相 対 的 に 変化 の 強度 が 高 い と実 験 参加 者 は感 じて い た ・∫能 性 が あ る。

本 研 究 お よび先 行 研 究5)の 結 果 か ら、AR使 用 時 の 変 化 の 見落 と しに つ い て は 、AR像 自体 の 物 理 的 特性 が影 響 を ケえ る こ とが示 唆 され た。AR像 の 物 理 的 特性 が 主観 的 な 知 覚 に影 響 を 与 え 、結 果 的 に 変化 の 見 落 と しの 起 こ りや す さに も影 響 を 与え て い る可 能性 が あ る。 た だ し、 知 覚 に 関係 な く、刺 激 の 強度 が 変 化 の 見 落 と し に影 響 を与 え る重 要 な要 囚 で あ る と考 え る余 地 も残 され て い る。 本研 究 で は モ ン ドリア ン刺 激 の舞 度 を操 作 して お り、 この よ

うな刺 激 の 強度 の 変化 そ の もの が 結果 に影 響 を与 えた ・∫ 能 性 は否 定 で き な い。 今 後 の研 究 で は 、 刺 激 の 強 度 は 変 化 しな い が 、知 覚 の され や す さが 異 な る よ うな刺 激(e,g., 正 立顔 と倒 立顔 な どlo))を 使 川 して 、変 化 の 見 落 と しに お け る妨 害刺 激 の知 覚 の影 響 を明 らか に す る必 要 が あ る。

本 研 究 で は 単 眼 条件 で 変化 の 見 落 と しが 起 き る もの の 、 両 眼条 件 よ りは 起 こ りに くい こ とが 示 され た 。 単 眼 条 件 は 両 眼 条件 よ り も変化 の 見 落 と し を抑 止 しや す い[∫能 性 が あ り、こ の よ うな特 徴 は実 際 のAR使 用 場 面 にお い て 安 全 性 を 向kさ せ 得 る。 しか し、単 眼式 のARよ りも両 眼 式 の方 が課 題 成 績 は 向 上 した と報 告 して い る先行 研 究ll)も あ る。 いず れ の観 察 条件 が優 れ て い るか は 課題 や 環 境 に よっ て影 響 を 受 け る可能 性 が あ る。 した が って 、 ユ ー ザ ーや 機 器 開発 者 はAR機 器 を使 用 す る状 況 や、そ の 状 況 に お い て特 に何 を 回避 した い と思 っ て い るか を考 慮 しな が

らARの 提 示 方 法 を選 択 す る必 要 が あ る。

5.む す び

妨 害 刺 激 の 特 徴 がAR使 川 時 の変 化 の見 落 と しに影 響 を ケえ る こ とが示 唆 され た。単 眼 にARを 提 示 す る条 件 に お い て も変 化 の 見 落 と しは発 生 す るが 、 両 眼 に提 示 す る とき よ り も発 生 しに く くな る こ とが 示 され た 。 これ らの 特 徴 は単 眼 式ARが 応 用 場 面 にお い て 安 全 面 の 利 点 が あ る こ とを示 して い るが 、 この利 点 に つ い て は 実 際 に応 用 す る前 に詳 細 な検 討 が必 要 で あ る。

謝辞

本 研 究 はJSPS科 研 費(課 題 番 号16JOO392、17KOO2050、

19K20322)の 助 成 を 受 け て 行 っ た 。

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参考文献

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10)

ll)

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Referensi

Dokumen terkait