• Tidak ada hasil yang ditemukan

応用数値解析特論第 12

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2025

Membagikan "応用数値解析特論第 12"

Copied!
28
0
0

Teks penuh

(1)

応用数値解析特論 第 12

〜Navier-Stokes 方程式に対する有限要素法(3) 非定常Navier-Stokes方程式

かつらだ

桂田

ま さ し

祐史

https://m-katsurada.sakura.ne.jp/ana2022/

20221219

かつらだ 桂 田

まさし

祐 史 https://m-katsurada.sakura.ne.jp/ana2022/応用数値解析特論 第12回 〜Navier-Stokes方程式に対する有限要素法(3)〜 非定常Navier-Stokes方程式 1 / 26

(2)

目次

1 本日の講義内容、連絡事項

2 Navier-Stokes方程式に対する有限要素解析

非定常Navier-Stokes方程式

はじめに 例題

弱形式の準備

Lagrange-Galerkin法とそれによる弱形式 FreeFem++convevt()

流線を描くテクニック 3 流体力学の常識: Poiseuille

4 参考文献

(3)

本日の講義内容、連絡事項

流体力学の方程式の最後として、非定常Navier-Stokes 方程式を取り上 げる。有名な一様流の中に置かれた円柱の周りの流れを取り上げる。

Newton法のような反復解法は必要ないが、安定性の確保が大きな問題

となる。それへの対処策は現在も研究中である。

レポート課題Bの提出先をOh-o! Meijiに用意しました。〆切は2023年 11818:00です。(Covid-19の流行状況にもよるが) 提出したレポー トの内容について最後の授業 (2023/1/22 2限) に口頭試問を行う。

かつらだ 桂 田

まさし

祐 史 https://m-katsurada.sakura.ne.jp/ana2022/応用数値解析特論 第12回 〜Navier-Stokes方程式に対する有限要素法(3)〜 非定常Navier-Stokes方程式 2 / 26

(4)

11 Navier-Stokes方程式に対する有限要素解析11.5非定常Navier-Stokes方程式 11.5.1はじめに

非定常Navier-Stokes方程式の有名な問題を1つ解いてみよう。

日本応用数理学会のチュートリアル (2016) で公開された資料である、

鈴木 [1] の “Time-dependent Navier-Stokes equations around a cylinder”

とそのサンプル・プログラムを読んでみる。

https://www.ljll.math.upmc.fr/~suzukia/FreeFempp-tutorial-JSIAM2016/

このサイトに置いてある example9 NS-cylinder.edpを入手しよう。

curl -O https://www.ljll.math.upmc.fr/~suzukia/FreeFempp-tutorial-JSIAM2016/EDP/NS-cylinder.edp

有名な円柱をよぎる一様流の問題である。Reynolds数を変えることで、

流れがどのように変わるか、多くのテキストで説明されている。

“fluid cylinder”などのキーワードで、動画を検索してみることを勧める。

かつらだまさし

(5)

常識的知識 : 円柱のまわりの一様流

基本的な文献である今井[2]での「円柱のまわりの一様流」の説明の図1-1 (p. 3)

1:今井[2] ReynoldsR の増加とともに層流,双子渦, Karman渦列,乱流、と遷移する R が小さいうちは対称性を持つ定常流。大きくなると非定常流,交互に逆向きの渦が発生して流れる

かつらだ 桂 田

まさし

祐 史 https://m-katsurada.sakura.ne.jp/ana2022/応用数値解析特論 第12回 〜Navier-Stokes方程式に対する有限要素法(3)〜 非定常Navier-Stokes方程式 4 / 26

(6)

11.5.2 例題

問題を考える領域Ωは、長方形領域から閉円盤を除いたものである。

Ω = ((1,9)×(1,1))\

(x,y)(x−3/4)2+y2 1/16 .

の境界を、以下の5つの部分に分ける (下、上、右、左、穴の縁) Γ1 = [1,9]× {−1}, Γ3 = [1,9]× {1},

(1a)

Γ2 ={9} ×[1,1], Γ4 ={−1} ×[1,1], (1b)

ω=

(x,y)(x−3/4)2+y2 = 1/16 . (1c)

かつらだまさし

(7)

11.5.2 例題

Navier-Stokes方程式の以下の初期値境界値問題(方程式は鈴木先生の資料によ

る)を考える。

∂u

∂t +u· ∇u2ν∇ ·D(u) +p= 0 (in Ω×(0,)), (2a)

∇ ·u = 0 (in Ω×(0,)), (2b)

u=0 (onω×(0,)), (2c)

u= (1y2,0) (on Γ4×(0,)), (2d)

u·n= 0(2νD(u)npn)·t= 0 (on (Γ1Γ3)×(0,)), (2e)

2νD(u)npn=0 (on Γ2×(0,)), (2f)

u(x,0) = Stokes方程式の解 (2g)

u: Ω×[0,)R3,p: Ω×[0,)Rは未知関数である。

nt は、境界上の点における外向き単位法線ベクトル、単位接線ベクトル である。

ν は既知の正定数である(Reynolds数の逆数)D(u) =

1 2

∂ui

∂xj +∂u∂xj

i

は歪テンソルである(前回まではE(u)と書いた)。

かつらだ 桂 田

まさし

祐 史 https://m-katsurada.sakura.ne.jp/ana2022/応用数値解析特論 第12回 〜Navier-Stokes方程式に対する有限要素法(3)〜 非定常Navier-Stokes方程式 6 / 26

(8)

11.5.2 例題

∇ ·D(u)はその発散である(行毎にベクトル場の発散を並べたもの)。結局

∇ ·D(u) =4u+grad divu

ということになり(説明済み)、(2a)は確かにNavier-Stokes方程式である。

境界条件の物理的な意味を復習しておく。

(2c)は粘着境界条件(no-slip boundary condition)

(2d)Dirichlet境界条件(境界値はポアズィユ流(付録参照)の値) (2e)は滑り境界条件(slip boundary condition)

(2f)は応力が0という条件(outflow conditionと呼ぶ人が多い) 記号は異なるが、第10回講義スライドp. 6(1a)–(1e)

f =0, g1(x,y) :=

(1y2,0) ((x,y)Γ4)

(0,0) ((x,y)ω), g2=0 とした場合である。

初期値は、対応する定常Stokes方程式の解u0とする(これは境界値問題を解 いて求めている)。

かつらだまさし

(9)

11.5.3 弱形式の準備

弱形式の作り方は、第10回の講義と同じ議論を行う。

Γ4ω で定義されたg に対して(g =g1,g =0として用いる) V(g) :=

v H1(Ω)2v =g on Γ4∂ω, v·n= 0 on Γ1Γ3 , Q:=L2(Ω).

弱形式(作りかけ)

Find (u(t),p(t))V(g1)×Q (t[0,)) s.t.

Du Dt(t),v

+a(u(t),v) +b(v,p(t)) = 0 (v V(0),t>0), b(u(t),q) = 0 (qQ,t >0),

u(·,0) =u0. ただし

a(u,v) := 2ν Z

D(u) :D(v)dx, b(v,p) := Z

p∇ ·v dx.

物質微分項 Du

Dt をどう扱うかが問題になる。

かつらだ 桂 田

まさし

祐 史 https://m-katsurada.sakura.ne.jp/ana2022/応用数値解析特論 第12回 〜Navier-Stokes方程式に対する有限要素法(3)〜 非定常Navier-Stokes方程式 8 / 26

(10)

11.5.3 弱形式の準備

第10回の講義では、物質微分に由来する Du

Dt(t),v

の扱いは述べな かった。

素朴に考えると、熱方程式のときのように、∂u

∂t を後退差分近似するこ と、すなわち ∂u

∂t(tn)≒ un−un1

t が思い浮かぶ。この方法でも、流速が 非常に小さい場合はそれなりの結果が得られる。

しかし、流速が大きくなると不安定性が生じてうまく行かない。それに 対処するための方法がいくつか考えられている。

ここでは、FreeFem++で比較的実装しやすいLagrange-Galerkin法を 紹介する。

かつらだまさし

(11)

11.5.4

Lagrange-Galerkin法とそれによる弱形式背景と歴史

一般に、移流の効果がある現象のシミュレーションで、安定性を向上させるた めに、上流(

かざかみ

風 上)の情報を優先的に取り入れるという方法がある。(これは有限 要素法や流体力学の方程式に限定されるものではなく、差分法や移流拡散方程式 などにも現れる。)

特性曲線有限要素法はその考え方に基づく方法で、Lagrange-Galerkin法とも

呼ばれる(物質微分のことをLagrange微分ともいうから?)。

1982年に出版されたDouglas-Russel [3], Pironneau [4]が世界的に有名である が、日本では Tabata [5]以来の田端スクールの研究がよく知られている(野津・

田端[6], Notsu-Tabata [7], Tabata-Uchiumi [8],内海・田端[9])。

理論的に安定に計算できる手順は知られているが、積分を厳密に計算する必 要があり、FreeFem++ でそれを実行する効率的なプログラムを書くのは難しく (以前そういう課題を院生に与えたが、力及ばなかった)、いいかげんな数値積分 で実装した場合は、「十分小さな刻み幅を用いれば安定」(もちろん、もはや無条 件安定とは言えない)となるようである。

現在でも精度の改善など研究が続いている。

かつらだ 桂 田

まさし

祐 史 https://m-katsurada.sakura.ne.jp/ana2022/応用数値解析特論 第12回 〜Navier-Stokes方程式に対する有限要素法(3)〜 非定常Navier-Stokes方程式10 / 26

(12)

11.5.4

Lagrange-Galerkin法とそれによる弱形式 物質微分の近似

以下は、おおむね内海[10]に従って説明する。特に難しいことをしているわ けではないが、文献によっては、いい加減な記述で混乱した説明になっているも のが珍しくない。きちんと書かれた[10]はありがたい(自力でやったものを照ら し合わせられないと不安が残る)。

Rd,T >0,そして流速場u: Ω×[0,T)Rd があるとする。

s[0,T),x とする。X(·;x,s) : [0,s]が、時刻sx を通る特性 曲線(characteristic curve)であるとは、次式が成り立つことをいう。

(3) dX

dt (t;x,s) =u(X(t;x,s),t) (0t <s), X(s;x,s) =x

X(t;x,s)は、時刻sx にいる流体粒子の、時刻t における位置を表す。

時刻を刻み幅t (>0) で離散化する。すなわち (4) tn:=nt (n= 0,1,2,· · ·)

における値un(x) :=u(x,tn),pn(x) :=p(x,tn)を求めることを目標とする。

かつらだまさし

(13)

学生の相手をした経験から言うと、次の初期値問題の解φX(·;x,s) と表す、という方が分かりやすいかもしれない、と考えている。

φ(t) =u(φ(t),t) (t [0,s)), φ(s) =x.

かつらだ 桂 田

まさし

祐 史 https://m-katsurada.sakura.ne.jp/ana2022/応用数値解析特論 第12回 〜Navier-Stokes方程式に対する有限要素法(3)〜 非定常Navier-Stokes方程式11 / 26

(14)

11.5.4

Lagrange-Galerkin法とそれによる弱形式 物質微分の近似

ϕ: Ω×[0,T)Rの物質微分

Dt が、流体粒子から見た時間変化率であるこ とは説明してある。それによると

∂ϕ

∂t +u· ∇ϕ

(x,tn) = d

dtϕ(X(t;x,tn),t) t=tn

ϕ(X(tn;x,tn),tn)ϕ(X(tnt;x,tn),tnt)

t

=ϕ(x,tn)ϕ(X(tn1;x,tn),tn1)

t .

すなわち

(5)

∂ϕ

∂t +u· ∇ϕ

(x,tn)ϕn(x)ϕn1(X(tn1;x,tn))

t .

ただしϕn(x) :=ϕ(x,tn)である。

かつらだまさし

(15)

11.5.4

Lagrange-Galerkin法とそれによる弱形式 物質微分の近似

FreeFem++のドキュメントや鈴木厚先生は、写像x 7→X(tn1;x,tn)Xn1 と表す記法を用いている。それを使うと

ϕn1(X(tn1;x,tn)) =ϕn1(Xn1(x)) =ϕn1Xn1(x).

ゆえに ∂ϕ

∂t +u· ∇ϕ

(x,tn) ϕn(x)ϕn1(X(tn1;x,tn)

t = ϕn(x)ϕn1Xn1(x)

t .

個人的な意見

私は、X(·;·,·)Xn1で、X という文字を使い回しているのは、混乱を引 き起こしかねないような気がする(この後Xn1なんてのも出て来るし)。例 えば微分方程式の解の方をφ(t;x,s)と書いて

Xn1(x) :=φ(tn1;x,tn) とするとか記号を工夫してみたい。

かつらだ 桂 田

まさし

祐 史 https://m-katsurada.sakura.ne.jp/ana2022/応用数値解析特論 第12回 〜Navier-Stokes方程式に対する有限要素法(3)〜 非定常Navier-Stokes方程式13 / 26

(16)

11.5.4

Lagrange-Galerkin法とそれによる弱形式 弱形式 Navier-Stokes方程式の弱形式に現れる DuDt,v

をこのやり方で差分近 似する。

un−un1◦Xn1

t ,v

+a(un,v) +b(v,pn) = 0 (v ∈V(0)), (6a)

b(un,q) = 0 (q ∈Q).

(6b)

… これが Lagrange-Galerkinである。

連立1次方程式の係数行列に、対流項(u· ∇)u に由来するものが入ら ないため、行列は対称になる。これは数値計算には有効である。

安定性にも効果がある。移流拡散方程式に適用した場合に無条件安定で あり、Navier-Stokes 方程式に適用した場合も ∆t ≤Chd/4 という形の安 定性条件が成り立つ (S¨uli [11])などの結果がある。

かつらだまさし

(17)

11.5.4

Lagrange-Galerkin法とそれによる弱形式 物質微分の近似

X(·;x,tn)は常微分方程式の初期値問題 dX

dt (t;x,tn) =u(X(t;x,tn),t) (0≤t<tn), X(tn;x,tn) =x の解である。(5) の右辺に現れるXn1(x) =X(tn1;x,tn) の厳密な値を 計算するのは難しいが、近似値で良ければ Euler法による次の値を使うこ とが考えられる。

(7) Xn1(x) :=x −un(x)∆t.

すなわち

(8)

∂ϕ

∂t +u· ∇ϕ

(x,tn)≒ ϕn(x)−ϕn1(Xn1(x))

t .

かつらだ 桂 田

まさし

祐 史 https://m-katsurada.sakura.ne.jp/ana2022/応用数値解析特論 第12回 〜Navier-Stokes方程式に対する有限要素法(3)〜 非定常Navier-Stokes方程式15 / 26

(18)

11.5.5 FreeFem++ の convevt()

FreeFem++には、convect([u1,u2],∆t,ϕ)というオペレーターが用意され ている。

u1,u2,ϕはいずれもある有限要素空間Vhの要素であり、∆tR, ∆t6= 0 で ある。

convect([u1,u2],∆t,ϕ)ϕX を返す。ここでX: ΩRd は以下のよう に定義される。

任意のx について、微分方程式の初期値問題 dξ(t)

dt (t) =u(ξ(t)), ξ(0) =x

の解ξ (これはx に依存するので、本来はξ(·;x)のように、x を添えて表すべ きかもしれない)を用いて

X(x) =ξ(∆t)

と定める。(X はベクトル場u の定める力学系において、時間 t が経過した後 の位置を対応させる写像である。)

前項のϕn1Xn1は、convect([u1n, u2n],t,ϕn1)とすれば計算できる。

かつらだまさし

(19)

11.5.6 流線を描くテクニック

速度場uが与えられたとき、流線は、常微分方程式を解くことで描けるが、も し流れ関数が求まるならば、その等高線としても描くことができる。

命題

1 (非圧縮流と流れ関数)

2次元領域における速度場u について、次が成り立つ。

(1) u の流れ関数が存在するならば、u は非圧縮である。

(2) u が非圧縮ならば、Ωの任意の単連結部分領域でu の流れ関数が存在する。

(3) u の流れ関数ψ が存在するとき、4ψ=rotu. (rotu = ∂u∂x2 ∂u∂y1.) 証明は難しくない(次の応用複素関数のスライド1枚)。

https://m-katsurada.sakura.ne.jp/complex2-2021/AC06_0525_handout.pdf#page=13

今考えている問題は非圧縮流である。Ωは1つ穴が空いているので単連結で はないが、穴の縁ωu= 0であるので、実は流れ関数ψが存在する。実際、

ψ(x) :=

Z

γx

(u2dx+u1dy)

とすれば良い。ここでγx は、定点a= (1,0) からx に至る曲線である。

かつらだ 桂 田

まさし

祐 史 https://m-katsurada.sakura.ne.jp/ana2022/応用数値解析特論 第12回 〜Navier-Stokes方程式に対する有限要素法(3)〜 非定常Navier-Stokes方程式17 / 26

(20)

11.5.6 流線を描くテクニック

Z

ω

(u2dx+u1dy) = 0であるから、ψ(x)γx の取り方によらずに定まる。

ψPoisson方程式の境界値問題の解として求めることができる()

−4ψ=rotu =∂u2

∂x ∂u1

∂y . Γ4 でのDirichletデータが次のように求まる。

ψ(1,y) = Z y

0

u1dy = Z y

0

(1y2)dy=yy3.

Γ1, Γ3でのDirichletデータが次のように求まる。

ψ(x,±1) =±2 3+

Z

(1,±1)(x,±1)

(u2)dx=±2

3 + 0 =±2 3.

ω ではψ= 0と鈴木先生は書いているが…理解できない。((1,0)から(0,0)ま での水平線上でu2= 0として (なぜ?)、ψ(0,0) = 0と結論している。)

またΓ2∂ψ

∂n = ∂ψ∂x =u2= 0としているが、これも根拠が良く分からない。

かつらだまさし

(21)

流体力学の常識 : Poiseuille 流

ポ ア ズィユ

Poiseuilleは、ハーゲンHagen-Poiseuille,管内流とも言う。定常Navier-Stokes方程式の有 名な特殊解である。

空間内の(断面が円盤である)柱状領域

(9) Ω :={(x,y,z)R3|y2+z2<a2} における定常Navier-Stokes方程式

ρ(u· ∇)u=gradp+µu (in Ω), (10a)

divu= 0 (in Ω), (10b)

u=0 (onΩ) (10c)

を考える。無限遠での境界条件の指定はしていないので、このままでは解が一意には定ま らない。

一方向の流れ、つまり速度場u= (u,v,w)

(11) v =w = 0, i.e. u= (u,0,0)

となっている場合を考える。

非圧縮条件divu= 0は、

0 = ∂u

∂x + ∂v

∂w +∂w

∂z =∂u

∂x となるので、u=u(y,z)となる。

かつらだ 桂 田

まさし

祐 史 https://m-katsurada.sakura.ne.jp/ana2022/応用数値解析特論 第12回 〜Navier-Stokes方程式に対する有限要素法(3)〜 非定常Navier-Stokes方程式19 / 26

(22)

流体力学の常識 : Poiseuille 流

結局Navier-Stokes方程式中の非線型項(u·∇)u= 0となる。実際(v =w= 0,

∂u/∂x= 0であるので)

(u· ∇)u =

u∂u∂x +v∂u∂y +w∂u∂z u∂v∂x +v∂v∂y +w∂v∂z u∂w∂x +v∂w∂y +w∂w∂z

=

0 0 0

=0.

従って

0=1

ρgradp+νu.

成分表示すると

0 0 0

=1 ρ

∂p

∂x∂p

∂y

∂p

z

+ν

4u 0 0

.

すなわち

0 =ν 2u

∂y2 +2u

∂z2

1 ρ

∂p

∂x, 0 =1 ρ

∂p

∂y, 0 =1 ρ

∂p

∂z.

かつらだまさし

(23)

流体力学の常識 : Poiseuille 流

後の二つの式からp=p(x). 最初の式を移項した

ν 2u

∂y2 +2u

∂z2

=1 ρ

∂p

∂x.

において、左辺はx に依らず、右辺はy,z に依らないので、結局は定数である。

それをαとおくと、

ν 2u

∂y2 +2u

∂z2

=α, 1 ρ

∂p

∂x =α.

後者を積分して

(12) p(x) =p0ραx (ただしp0:=p(0)).

一方

ν 2u

∂y2+2u

∂z2

=α.

かつらだ 桂 田

まさし

祐 史 https://m-katsurada.sakura.ne.jp/ana2022/応用数値解析特論 第12回 〜Navier-Stokes方程式に対する有限要素法(3)〜 非定常Navier-Stokes方程式21 / 26

(24)

流体力学の常識 : Poiseuille 流

流れが軸対称であることを仮定する。yz 平面に極座標 y =rcosφ, z =rsinφ を導入すると、軸対称性により u=u(r)であるから、

2u

∂y2+2u

∂z2 = 2u

∂r2 +1 r

∂u

∂r + 1 r2

2u

∂φ2 = 1 r

d dr

rdu

dr

.

ゆえに 1

r d dr

rdu

dr

=α ν. これから

u(r) =α

4νr2+Alogr+B (A,B は積分定数).

r = 0においてu は有限でなければならないからA= 0.

また円柱の壁面r =aにおいて、流速は0 でなければならないから 0 =u(a) =α

4νa2+B ゆえに B= α 4νa2. ゆえに

u(r) = α

4ν a2r2 .

かつらだまさし

(25)

流体力学の常識 : Poiseuille 流

こうして次の有名な結果を得た:

(13) u(r) = α

4ν a2r2

, p(x) =p0ραx.

流量は

Q= 2π Z a

0

ru(r)dr = α 8νπa4. 平均流速はこれをπa2で割った

Umean= α 8νa2.

Poiseuille流は、Stokes方程式(Navier-Stokes方程式で非線型項= 0とおいて 得られる)の厳密解でもある。

2次元版として、平行版の間の領域Ω ={(x,y)R2| −a<y<a} における 流れ

(14) u(x,y) = α

2ν(a2y2), p(x) =p0ραx が得られる。

かつらだ 桂 田

まさし

祐 史 https://m-katsurada.sakura.ne.jp/ana2022/応用数値解析特論 第12回 〜Navier-Stokes方程式に対する有限要素法(3)〜 非定常Navier-Stokes方程式23 / 26

(26)

参考文献 I

[1] Suzuki, A.: Finite element programming by FreeFem++

—intermediate course, 日本応用数理学会「産業における応用数理」

研究部会のソフトウェアセミナー 「FreeFem++による有限要素プ ログラミング — 中級編(2016/2/11-12) の配布資料で、

https://www.ljll.math.upmc.fr/~suzukia/

FreeFempp-tutorial-JSIAM2016/から入手できる (2016).

[2] 今井功:流体力学 前編,裳華房 (1973),流体力学の基本的文献。後 編は書かれなかった。

[3] Douglas, J. and Russell, T.: Numerical methods for

convection-dominated diffusion problems based on combining the method of characteristics with finite element or finite difference procedures, SIAM Journal on Numerical Analysis, Vol. 19, No. 5, pp.

871–885 (1982).

かつらだまさし

(27)

参考文献 II

[4] Pironneau, O.: On the Transport-Diffusion Algorithm and Its Applications to the Navier-Stokes Equations, Numerische Mathematik, Vol. 38, No. ?, pp. 309–332 (1982).

[5] Tabata, M.: A finite element approximation corresponding to the upwind finite differencing, Memoirs of Numerical Mathematics, Vol. 4, pp. 47–63 (1977),私はコピーを持っていない。東大数理の図 書室にある。

[6] 野津裕史,田端正久:Navier-Stokes 方程式のための圧力安定化・特 性曲線法結合有限要素スキーム,日本応用数理学会論文誌, Vol. 18, No. 3, pp. 427–445 (2008).

[7] Notsu, H. and Tabata, M.: A single-step characteristic-curve finite element scheme of second order in time for the incompressible Navier-Stokes equations, Joumal of Scientific Computing, Vol. 38, No. 1, pp. 1–14 (2009).

かつらだ 桂 田

まさし

祐 史 https://m-katsurada.sakura.ne.jp/ana2022/応用数値解析特論 第12回 〜Navier-Stokes方程式に対する有限要素法(3)〜 非定常Navier-Stokes方程式25 / 26

(28)

参考文献 III

[8] Tabata, M. and Uchiumi, S.: An Exactly Computable

Lagrange-Galerkin Scheme for the Navier-Stokes Equations and its Error Estimates, Mathematics of Computation, Vol. 87, No. 309, pp.

39–67 (January 2018).

[9] 内海晋弥,田端正久:数値積分を用いるLagrange-Galerkin スキーム の収束性,日本応用数理学会 2018年 年会 講演予稿集(2018.9.3-5 名古屋) (2018).

[10] Shinya UCHIUMI(内海晋弥):Lagrange-Galerkin schemes with a locally linearized velocity for the flow problems, 早稲田大学大学院の 博士論文?https://waseda.repo.nii.ac.jp/records/38754 (February 2017).

[11] S¨uli, E.: Convergence and nonlinear stability of the Lagrange-Galerkin method for the Navier-Stokes equations, Numerische Mathematik, Vol. 53, No. 4, pp. 459–483 (1988).

かつらだまさし

Referensi

Dokumen terkait

応用数値解析特論メモ No.1, 2 桂田 祐史 2015 年 9 月 29 日 511 にて この授業用のWWWページはhttp://www.math.meiji.ac.jp/~mk/ouyousuchi/ 1 ガイダンス 1.0 自己紹介 連絡は[email protected] 1.1 授業の目標 有限要素法 finite element

ターミナルで実行する curl -O https://m-katsurada.sakura.ne.jp/ana2023/potential2d-v2.edp FreeFem++ potential2d-v2.edp 出て来る図は、Ω の三角形分割、ϕ の等高線等ポテンシャル線、ベクトル場 v の矢印表 示、ψ の等高線 流線やそれらを重ねたものである。

本日の内容・連絡事項 アンケート 履修者名簿に載っている8名のうち、4名の人から回答が届いています 2021/9/26正午現在。回答してくれた人ありがとう。もう少し回答してもらえると良い のだけど…オフィスアワーをいつにするか、今週中頃に決めて、お知らせする予定です。 今日の話は 現象数理学科の「応用複素関数」を履修した人は、今日と次回の半分くらいの話は

3 Poisson 方程式の境界値問題に対する Ritz-Galerkin 法 前回の講義で、Poisson 方程式の境界値問題を題材にして、弱定式化弱解の 方法 を説明し、最小型 変分原理が成り立つことを確認した。 今回は、同じ問題を題材に、Ritz-Galerkin法という近似解法を説明する。有 限要素法は、Ritz-Galerkin

本日の講義内容、連絡事項 レポート課題を WWW サイトに載せた。〆切について相談1次提 出7/24, 最終提出7/31 でどうか?。 次回 7/11 は課題のための実習・質問相談時間とする。作業がス タートできるように準備資料集め等しておくこと。 今回は、有限要素法の理論的背景について解説する。参考書としては、