• Tidak ada hasil yang ditemukan

様式 C-19 科学研究費補助金研究成果報告書

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2025

Membagikan "様式 C-19 科学研究費補助金研究成果報告書"

Copied!
4
0
0

Teks penuh

(1)

様式 C‑19

科学研究費補助金研究成果報告書

平成

22

6

10

日現在

研究成果の概要(和文): これまでに提案された様々な信用評価理論と手法は取引先の信用調 査,公表財務データおよび株価などの外部データに基づくものがほとんどであり,財務・経営 情報が非公開である企業には適用不可能である。本研究は,売上,取引代金の請求,入金など の日常業務データに基づき,取引先の信用評価を行う手法とシステムを提案したうえ,複数の 中小企業の実問題へ適用し,提案手法とシステムが高い判別能力をもつことを明らかにした.

研究成果の概要(英文):As almost all of models and methods for credit assessment published so far are based on financial data or stock price and investigation data, It is difficult to apply them to assess credit of minor and small businesses that do not disclose financial information. This study proposed some new approaches and systems to assess the customers’ credit only based on daily transaction data such as sales, payments by customers, amount of overdue payment, etc. The performance and usefulness of the proposed approaches and systems has been confirmed by applying them to practical credit assessment problems. The proposed approaches and systems can indentify unsound customers very effectively and has also high ability to indentify healthy customers.

交付決定額

(金額単位:円)

直接経費 間接経費 合 計

2007年度 1,200,000 360,000 1,560,000 2008年度 1,000,000 300,000 1,300,000

2009年度 600,000 180,000 780,000

年度 年度

総 計 2,800,000 840,000 3,640,000

研究分野:社会科学

科研費の分科・細目:経営学・経営学 キーワード:経営情報、信用評価 1.研究開始当初の背景

取引先の信用リスク評価または倒産予測 に関しては,数多くの研究が行われ,様々な 信用評価理論と手法が提案されてきた.これ

らの理論と手法は倒産確率モデルと信用格 付けによる推定手法に分類することができ る.倒産確率モデルは,財務諸表データ,株 価などを用いて,個別企業のデフォルト率を 研究種目:基盤研究(C)

研究期間:2007〜2009 課題番号:19530324

研究課題名(和文) 日常業務データに基づく取引先の信用評価手法とシステムに関する研究 研 究 課 題 名 ( 英 文 ) Credit assessment method and system development for small‑businesses based on daily transaction data

研究代表者

董 彦文 (DONG Yanwen)

福島大学・共生システム理工学類・教授 研究者番号:90292458

(2)

推定するものである.予知手法には,一般的 な回帰分析や判別分析などの線形モデルを 用いるものほか,ロジスティック曲線を用い るロジット分析,累積標準正規分布曲線を用 いるプロビット分析などの非線形モデルを 利用するものがある.さらに,人工知能系の 手法であるニューラルネットワーク(Neural Networks)や遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithms)を用いた手法,決定木モデル

(Decision Tree),ラフ集合理論(Rough Set Theory)などを応用した倒産予知モデルと手 法が数多く開発されてきた.信用格付けは,

公的機関や民間企業の現時点での信用力(債 務履行能力)を評価するものであり,数段階 に区分されたアルファベット記号または数 値評点を用いて,企業価値ないし信用リスク 度を表現し,一定以下の格付けとなることが デフォルトと定義されることが多い.信用格 付けを行う際には,債務者の財務データ,外 部信用情報会社のデータのほか,信用格付け 会社内で独自に収集されたデータが用いら れる.信用格付けは,主観的なスコアリング 又は内部格付けモデルにより行われる.

いままで公表された信用評価理論と手法 は取引先の信用調査,公表財務データおよび 株価などの外部データに基づくものがほと んどであり,財務・経営情報の公表が義務付 けられている上場企業の評価に適している.

これに対して,中小零細企業・団体の信用評 価を行う際,財務・経営情報が非公開である ため,従来の信用評価理論と手法は適用不可 能である。また,大手上場企業に比べて,中 小零細企業・団体の倒産率が非常に高く,中 小企業を対象とする信用評価手法の提案と システムの開発が産業界からも求められて おり,実用的に非常に意義がある.

2.研究の目的

本研究の目的は,信用調査,公表財務デー タおよび株価によらず,売上,取引代金の請 求,入金などの日常業務データに基づき,取 引先の信用評価を行う手法とシステムを提 案することである.

具体的には次の3点を重点目標として研究 を進めた。

(1)日常業務データに基づき信用評価を行 う際,信用評価に関連し,かつ業務管理シス テムから集計可能な評価指標を決めること である。また,企業経営理論,会計原理など の視点から,信用評価に利用する評価指標と 企業倒産との因果関係を究明し,企業倒産の 原因や企業経営と企業資金回転のメカニズ ムに基づき,評価指標の合理性を評価するこ とも重要である。

(2)集計された信用評価指標を用いて,取

引先の信用評価を行うために,一番有効な手 法を決めることである。多変量解析手法と人 工知能系手法,またこれらの手法の組合せを 含めて,もっとも有効性の高い手法を探索・

提案することは本研究の目的の一つである。

(3)信用評価システムを開発することであ る。提案手法を企業に応用する際,既存業務 管理システムに提案手法を組み入れる必要 がある。このため,手法の提案だけでなく,

企業の業務情報システムとの関連を十分に 考慮のうえ,信用評価システムの構造を決め,

システムとしての合理性・有効性を明らかに する.

3.研究の方法

本研究では,中小企業の実信用評価問題の 解決を背景として,提案手法とシステムの実 用性を重視して研究を進めてきた。基本的な 方法としては,企業の実際データを収集し,

これらのデータの特徴を調べたうえ,信用評 価指標を決めて,一番効果的な信用評価手法 とシステムを提案する。また,提案手法とシ ステムの有効性は,企業の実問題への適用を 通して検証する。

具体的には次の手法を利用した。

(1)統計解析手法

伝統的統計解析手法は次の2つの視点か ら利用された。

①評価指標の合理性評価と改善: 信用評価 に利用する評価指標の選択と合理性評価を 行う際,統計理論,相関分析と分散分析など の統計解析手法を用いた。また,評価指標の 時間的・時期的な変化に着目して,時系列解 析を行った。

②事例ベース推論手法などの人工知能手法 の有効性を検証するために,判別分析などの 多変量統計手法を比較対象として利用した。

(2)事例ベース推論手法

企業間における評価指標値の類似性に着 目して,過去の取引先信用評価事例に基づき 新規取引先の信用評価を行うシステムを提 案した.特に類似事例の評価方法に関して,

複数の評価指標選択案を決め,また複数の類 似度評価基準を導入して,一番効果的な類似 度と類似度評価基準を考究した。

(3)ファジィまたは可能性分布理論に基づ く手法

ファジィ数を導入しファイジィ数で人間 の主観的判断のあいまいさを表現したうえ,

可能性分布理論と手法を用いて,経営者の経 営力・人格,社会経済情勢または業界の景気 傾向などの定性的指標に基づいて,取引先の 信用評価を行う手法を考究した。

(3)

(4)サポートベクターマシン手法

サポートベクターマシンを用いた信用評 価手法を提案し,サポートベクターマシンの 性能に強く影響を与えるカーネルの選択と パラメータの最適化を考究した.

(5)集団学習手法

過去の企業データを収集する際,非倒産 企業に比べて倒産企業が圧倒的に少ない。こ のデータサンプル数のアンバランス問題が 存在するため倒産企業を正しく評価できな いことが多い。本研究では,バギング

(bagging)を中心として集団学習手法を適 用し,データサンプル数のアンバランス問題 の解消を図り,倒産企業の予知・評価精度を 重視する企業信用評価手法と評価システム を提案するうえ,もっとも効果的な信用評価 システムの仕組みを考究した。

4.研究成果

(1) 事例ベース推論手法を用いて取引先の 信用評価を行う際,評価対象と過去事例との 類似度を如何に評価するかは非常に重要で ある。研究代表者は,6つの類似度を定義の うえ,企業の実問題への適用によりシステム の性能と類似度との関係を検証し,ユークリ ッド距離が類似度に適することが明らかに なった。

(2) サポートベクターマシンという新しい 人工知能手法を適用し,問題の定式化を行っ たうえ,サポートベクターマシンの適用に必 要なパラメータの選定について実問題を用 いて検証した。さらに判別分析手法と比較し,

サポートベクターマシンによる取引先分類 手法の有効性を検証した結果,カーネル関数 及びそのパラメータの選択によりシステム の性能が大きく変わって,カーネル関数の選 択が非常に重要であったことがわかった。

(3) 信用評価に利用する評価指標の選択を 考究し,評価指標の選択に関して単年度指標,

2 年間の指標と 3 年間の指標の3つの案を提 示した。また,これらの選択案を企業の実問 題に適用することにより,複数年度の評価指 標を用いて信用評価を行う際,単年度指標を 用いるとき精度がわずかながら良くなるこ とがわかった。でも,計算量とシステム利用 上の便利さなどを考慮して,単年度指標を採 用する案は一番妥当であることが明らかに なった。

(4) 事例ベース推論手法を用いて取引先の 信用評価を行うシステムについて,距離の定 義とウエートの決定の二つの視点から評価 対象と過去事例との類似度評価方法を考究

し,判別分析手法を用いてウエートを求める 際,システムの性能が著しく改善されること が明らかにされた。研究成果は ASIA‑PACIFIC JOURNAL OF INDUSTRIAL MANAGEMENT に推薦さ れ,創刊号に掲載された。

(5) 人間の主観判断のあいまいさを考慮に 入れながら,経営者の経営力・人格,社会経 済情勢または業界の景気傾向などの定性的 指標に基づいて,取引先の信用評価を行う手 法を考究した。個別指標の評価値とその影響 度をファジィ数で表現したうえ,ファジィ加 重平均を導入し総合評価結果を与える評価 システムを提案した。

(6)各種のシステム評価に有効なエントロピ ーという概念を導入し,各評価指標のエント ロピーをウエートとして加重平均値を用い て信用評価値を計算する手法を提案した。企 業の実例を用いて検証し,エントロピーウエ ートを導入してもシステムの精度が著しく 改善されなかったという結果になったが,評 価指標の前処理について,エントロピーウエ ートが大変役立つことが明らかにされた。

(7)倒産企業の判別精度を上げるために,バ ギングという集団学習手法を適用し,また個 別学習器に事例ベース推論手法を導入した うえ,集団学習手法を用いた信用評価システ ムを提案した。企業の実例を用いて検証した 結果,集団学習手法の適用により倒産企業の 判別精度が最大 29%,最小 10%程度改善され たことが分かった。

(8) 決定木手法を適用し信用評価を行うシ ステムを提案し,企業の実例を用いて検証し た結果,倒産企業の判別精度が大幅に上がり,

ある年度のデータに基づき決定木を構築し た場合,ほぼ 100%の正解率で翌年度の倒産 企業を正しく識別できることがわかった。

本研究で提案した手法とシステムでは,公 表財務データや信用調査などによらず,売上,

代金請求と入金などの日々の取引データか ら信用評価用の指標値を集計のうえ,これら の評価指標値に基づいて取引先を評価でき る.企業外部データの収集または信用調査を 必要としないため,データ収集コストがほぼ ゼロである.また,日々の取引データは取引 先の都合だけで人為的に操作するのが難し いので財務諸表などのデータより信頼性が 高い.さらに,財務データ非公開の中小零細 企業の信用評価にも適用できるため,大手企 業に比べて中小零細企業の倒産確率が非常 に高いことを考慮し,本研究成果の利用価値 が高いと考えられる.

(4)

5.主な発表論文等

〔雑誌論文〕(計2件)

①DONG Yanwen: "Application of Bagging for Solving Small‑Businesses Credit Assessment Problems Based On Daily Transaction Data", 中 国 管 理 信 息 化 (China Management Informationization) 、 査読有、No.15, 2009, pp.115‑119.

②Yanwen Dong: Development of A Customer Credit Evaluation System via Case‑based Reasoning Approach , ASIA‑PACIFIC JOURNAL OF INDUSTRIAL MANAGEMENT、査読 有、Vol.1, No.1, 2008、pp.1‑7.

〔学会発表〕(計15件)

① Yanwen Dong: "Application of Hybrid Method of Bagging and Case‑Based Reasoning to Solve Small‑Businesses Credit Assessment Problems", The 10th Asia Pacific Industrial Engineering &

Management Systems Conference (APIEMS 2009), Kitakyushu, Japan, Dec. 14‑16, 2009.

② Yanwen DONG, Yoshiyuki HIGUCHI:

"Application of Ant Colony System to Fuzzy Vehicle Routing Problem", The 2nd International Workshop on Institutional Supply Chain Management, Xi'an China, 8‑10 August (2009)

③ Yoshiyuki HIGUCHI, Yosinobu SATO, Yanwen DONG and Chun JIN: "System Design and Operation of Real‑Time Cost Management in Small and Medium Size Enterprise", The 2nd International Workshop on Institutional Supply Chain Management, Xi'an China, 8‑10 August (2009)

④Ryoko Kobari,Yanwen Dong: "Applying the Fuzzy Weighted Average to Evaluate Information Leakage Risk", The 2nd International Workshop on Institutional Supply Chain Management, Xi'an China, 8‑10 August (2009)

⑤ Yanwen Dong, Kyoji Hoshino: "An Ant Colony Optimization Method for Fuzzy Vehicle Routing Problem", The 20th International Conference on Production Research (ICPR20), Shanghai, China, 2‑6 August (2009)

⑥ Yanwen Dong, Xiying Hao: "An Entropy Approach to Assessment of Small‑Businesses Credit Based On Daily Transaction Data", The 5th International Congress on Logistics and SCM Systems(ICLS 2009), Seoul, Korea, June 2‑5(2009).

⑦Yanwen Dong: "An Application of Support Vector Machines in Small‑Business Credit Scoring", Proceedings of The Second International Conference on Innovative Computing, Information and Control (ICICIC2007), Kumamoto, Japan, September 5 ‑ 7(2007).

⑧ Yanwen Dong: "A Case Based Reasoning System for Customer Credit Scoring:

Comparative Study of Similarity Measure", Proceedings of The 51st Annual Meeting of the International Society for the Systems Sciences, Tokyo, Japan, August 5‑10(2007).

⑨郝 希穎,董 彦文: ニューラルネット ワークを用いた企業信用評価システムに 関する研究 ,日本ロジスティクスシステ ム学会第13回全国大会,福島市,2010.6.5。

⑩兪 春姫,董 彦文: 決定木を用いた企 業信用評価手法に関する研究 ,日本ロジ スティクスシステム学会第13回全国大会 予稿集,福島市,2010.6.5-7。

⑪董 彦文: ファジィ加重平均を用いた取 引先信用評価手法に関する研究 ,日本ロ ジスティクスシステム学会第11回全国大 会,習志野市,2008.6.21-23.

⑫董 彦文: 日常業務データに基づく取引 先信用評価のための評価指標選択に関す る研究 ,日本経営工学会平成 19 年度秋 季研究大会,小樽市,2007.10.20-21.

〔その他〕

ホームページ等

http://www.mise.sss.fukushima‑u.ac.jp/

6.研究組織 (1)研究代表者

董 彦文 (DONG Yanwen)

福島大学・共生システム理工学類・教授 研究者番号:90292458

Referensi

Dokumen terkait

桜美林大学・ビジネスマネジメント学群・准教授 科学研究費助成事業 研究成果報告書 様 式 C−19、F−19−1、Z−19 (共通) 機関番号: 研究種目: 課題番号: 研究課題名(和文) 研究代表者 研究課題名(英文) 交付決定額(研究期間全体):(直接経費) 32605 若手研究 2020 〜 2019