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第 3 章 教育内容・方法等
2 修士課程の教育内容・方法
(1)文学研究科
① 教育課程等
(a)教育課程
a) 文学研究科の教育課程と研究科の理念・目的並びに学校教育法第 99 条、大学院設置基準第3条第1 項との関連
b) 「広い視野に立って精深な学識を授け、専攻分野における研究能力又は高度の専門性を要する職業等 に必要な高度の能力を養う」という修士課程の目的への適合性
【現状】
本大学院研究科の教育課程の編成の考え方は、次の 2 点にある。
①地域の文学・文化・歴史を発掘・保存し、地域・全国・世界に発信する。
②日本文学を研究し、広い視野に立つ深い専門的知識を備える。
この考え方に則り、次のカリキュラムを編成してある。
科 目 単位 年次
備 考 1 2
日本文学特論Ⅰ(古代文学) 2 ○
6 単位以上 選択必修 日本文学特論Ⅱ(中世文学) 2 ○
日本文学特論Ⅲ(近世文学) 2 ○ 日本文学特論Ⅳ(近・現代文学) 2 ○ 日本語学特論(日本語学) 2 ○ 日本文法特論(日本語学) 2 ○
民俗学特論 2 ○
民俗芸能特論 2 ○
漢文学特論(漢文学) 2 ○ 選 択
伝承文学特論 2 ○ 選 択
地域文学特論 2 ○ 選 択
地域史特論 2 ○ 選 択
地域メディア特論 2 ○ 選 択
日本文学演習Ⅰ(古代文学) 2 ○
6 単位以上 選択必修 日本文学演習Ⅱ(中世文学) 2 ○
日本文学演習Ⅲ(近世文学) 2 ○ 日本文学演習Ⅳ(近・現代文学) 2 ○ 日本語学演習(日本語学) 2 ○
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民俗芸能演習 2 ○
課題研究Ⅰ 4 ○ 必 修
課題研究Ⅱ 4 ○ 必 修
(備考)専攻に関する授業科目 20 単位を必修とする。
【点検評価】
入学定員 10 名、収容定員 20 名の大学院としては、多くの授業科目を用意している。そ れだけに、受講者がゼロという科目も生じてきているのは、極めて残念である。
ただし、本大学院研究科の講義系の特論は、2007(平成 19)年度から学部学生(3 年次 以上)の自由選択科目として開講しているので、実質的には今のところ受講者がゼロとい う科目はない。
本大学院研究科の教育課程は、学校教育法第 65 条「大学院は、学術の理論及び応用を教 授研究し、その深奥をきわめ、又は高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識 及び卓越した能力を培い、文化の進展に寄与することを目的とする。」に照らして、十分適 切な教育課程である。
また、大学院設置基準第 3 条第 1 項「修士課程は、広い視野に立って精深な学識を授け、
専攻分野における研究能力又はこれに加えて高度の専門性が求められる職業を担うための 卓越した能力を養うことを目的とする」にも、十分適った教育内容である、といえる。
【改善方策】
受講者ゼロの科目が生じないように、学生の確保に努めなければならない。例えば、学 部学生(3 年次以上)の自由選択科目になっている特論を更に魅力あるものにし、大学院進 学に結び付ける。
c) 「専攻分野について、研究者として自立して研究活動を行い、又はその他の高度に専門的な業務に従 事するに必要な高度の研究能力及びその基礎となる豊かな学識を養う」という博士課程の目的への適 合性
本研究科は修士課程であるため、本評価の視点には該当しない。
d) 学部に基礎を置く大学院研究科における教育内容と、当該学部の学士課程における教育内容との関係
【現状】
本学文学部日本語・日本文学科は、次のような特色を持たせている。
ア 少人数教育主義:
少人数教育主義を継承し、学生の個性を尊重した、きめの細かい教育を展開してい る。
イ 人格教育の徹底:
前述の少人数教育の利点を生かして、学生と教員の人格的交流を大切にする教育環
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ウ 地域の文学・文化の重視:
本文学部は地域の特性を生かし、伝統的な日本語学・日本文学の他に、地域研究、
郷土文学、民俗学を開講し、日本語・日本文学科の特色にしている。また、カリキ ュラムのみならず、研究においても地域の文学・文化の発掘と保存に努め、その成 果は『文学部紀要』や本学の地域文化総合研究所の刊行物『地域学』に結実してい る。
本大学院研究科の基礎となる文学部と本大学院との関連についてみれば、本大学院研究 科は上記の学部学科体制の特色による教育研究の成果を基礎に、資質の向上、専門領域で のより高度な専門知識とその応用力の養成を目指して教育課程を編成している。正に学部 教育の延長線上にある本大学院研究科といえよう。
2005(平成 17)年度大学院研究科第 1 期生の入学者 4 名のうち、2 名は本学の日本語・
日本文学科からの入学、2006(平成 18)年度大学院研究科第 2 期生の入学者 2 名のうち、1 名は本学の日本語・日本文学科からの入学、2007(平成 19)年度大学院研究科第 3 期生の 入学者 1 名のうち、1 名は本学の英語・英米文学科からの入学だった。
【点検評価】
今のところ、院生のほとんどが本学学部出身者で占められていることから、本大学院研 究科における教育内容と、当該学部の学士課程における教育が適切に結びついており、両 者の関係は妥当といえよう。
しかし、定員を大幅に割り続けている点、更なる見直しが必要と思われる。
【改善方策】
文学部のカリキュラムの見直しが迫られている。この時点で、本大学院研究科との更な る方策を考える。
e) 修士課程における教育内容と、博士(前期)課程における教育内容の適切性および両者の関係 f)博士課程(一貫性)の教育課程における教育内容の適切性
g)博士課程における、入学から学位授与までの教育システム・プロセスの適切性
h)専門職学位課程の教育課程と、専門職学位課程制度の目的並びに専門職大学院固有の教育目標との 適合性
本大学院研究科では博士課程及び専門職大学院を置いていないため、上記評価の視点に は該当しない。
(b)授業形態と単位の関係
【現状】
a) 各授業科目の特徴・内容や履修形態との関係における、その各々の授業科目の単位計算方法の妥当性 本文学研究科では、授業科目の単位算定基準を以下のように定めている。
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①講義及び演習科目はセメスター制の下、週 1 限 90 分の授業を 1 回として、1 学期をも って 2 単位としている。②課題研究Ⅰ、課題研究Ⅱは通年制の下、週 1 限 90 分の授業を 1 回として、通年をもって 4 単位としている。
【点検評価】
現在の学年暦のもとでは、週 1 限 90 分の授業を 1 回とすると、1 学期で 14 回~15 回、
通年で 28 回~30 回の授業時間が確保されるため、授業科目の特徴・内容や履修形態との関 係における各授業の単位認定方法は、概ね適切であると考える。
【改善方策】
今のところ、特に考えていない。
(c)単位互換、単位認定等
【現状】
a) 国内外の大学院等での学修の単位認定や入学前の既修得単位認定の適切性(大学院設置基準第 15 条)
国内外の大学等と単位互換を実施していない。
【点検評価】
交流は学術的なものはもとより、新しい自己の発見にも繋がる絶好の機会になる。単位 互換は、この利益を相互にもたらすものである。この点、単位互換を実施することが望ま しい。
【改善方策】
まず、近隣の大学の大学院との単位互換ができるように図りたい。
(d)社会人学生、外国人留学生等への教育上の配慮
a) 社会人、外国人留学生に対する教育課程編成、教育研究指導への配慮
【現状】
大学院研究科の使命及び目的・教育目標で述べたように、中学・高校の教員、家庭の主 婦、年配者にも広く門戸を開いている。また、「大学院設置基準第 14 条」を適用し、授業 は昼間時間帯のみならず夜間時間帯も用い、図書館の夜間開館も実施している。
今までは中学・高校の教員がリカレントで各 1 名(合計 2 名)入学したのみである。一 般社会の関心は当初に期待したほどでなく、一般社会人の入学の実績がない。
外国人留学生については、本学が北東北の一角に存在する立地条件から、今まで想定し てこなかったし、今も容易に想定しがたい。
【点検評価】
社会人に対する教育課程編成、教育研究指導への配慮はなされている、といえる。しか し、外国人留学生自体が存在しないので、外国人留学生に対する教育課程編成、教育研究 指導への配慮も存在しない。
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【改善方策】
外国人留学生が本大学院研究科に入学できる魅力を作り上げることが、先決問題だろう。
(e)連合大学院の教育課程
a) 連合大学における、教育内容の体系性・一貫性を確保するための方途の適切性
(f)「連携大学院」の教育課程
a) 研究所等と連携して大学院課程を展開する「連携大学院」における、教育内容の体系性・一貫性を確 保するための方途の適切性
本大学院研究科では連合大学院及び連携大学院を置いていないため、上記評価項目には 該当しない。
② 教育方法等
(a)教育効果の測定
a) 教育・研究指導上の効果を測定するための方法の適切性
【現状】
課題研究Ⅰ・Ⅱ以外は、半期 2 単位となっており、課題研究Ⅰ・Ⅱは通年で、それ以外 は半期ごとに成績が評価される。評価は、日常の出欠・理解度、期末試験、期末レポート などを、教員ごとに総合的に平均化して行っている。評価は 100 点満点の点数で行われる。
課題研究Ⅰ・Ⅱの指導(研究指導)についての評価は、担当の教員の裁量によって行われ ている。研究成果の修士論文は主査・副査が審査し、評価する。
【点検評価】
教育・研究指導の効果を測定するための方法は適切である。特に院生が少ないために、
教育効果の成否が判然としている。
【改善方策】
教育・研究指導の効果を測定するための方法が適切だと考えるので、現在のところ改善 に向けた方策はない。
b) 修士課程修了者の進路状況
【現状】
修了者の進路は、次の 5 つを想定している。
①教育現場で活躍する指導的教員
②地域のメディア、出版編集の分野で活躍するジャーナリスト、エディター、プロデュー サー
③地域の文化行政で活躍する指導的な学芸員
④一般企業で活躍する指導的な社員
⑤研究科博士課程に進学し、さらに研鑽を積む研究者
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今までの修了者は 7 名である。その内訳は、リカレント教育を経て教育現場で活躍する 指導的教員 2 名(①)、高校で講師を務めながら専任教員、あるいは研究科博士課程に進学 しようとしている者が 1 名(①・⑤)、評論を書く一方で、専任教員になろうとしている者 1 名(①)、研究科博士課程に進学しようとする者 1 名(⑤)、一般企業に就職した社員 1 名
(④)、郵政関係に就職した者 1 名(④)である。
【点検評価】
それぞれに個性あふれる人材で、目標にむかっているものの、当初想定した職種に直ち に就いているとはいえない。
【改善方策】
院生の目的意識をさらに明確にし、その目標にむかって教員が支援する態勢を強化する。
現在在学している 5 名のうち、3 名はリカレント教育を受ける職業人・社会人(医師、ホテ ルの支配人、外資系企業の秘書)で、目的意識が明確である。また、1 名は作家の病根を研 究して病院のカウンセラーを目指し、他の 1 名は教員志望である。このように更なる改善 への兆しがあるものの、彼らに実力がつくように教員が日常的に支援するように励む。
(b)成績評価法
a) 学生の資質向上の状況を検証する成績評価法の適切性
【現状】
評価は、日常の出欠・理解度、期末試験、期末レポートなどを、教員ごとに総合的に平 均化して行っている。
【点検評価】
科目ごとに担当教員が行う成績評価は、学生の能力向上・達成度を評価するもので、そ の機能を十分に発揮している。
【改善方策】
院生が少ないために、教員間の情報交換で院生の能力向上・達成度が把握でき、教員間 で評価の差がそれほどない。このように、学生の資質向上の状況を検証する成績評価法が 適切だと確信しているので、現在のところ改善に向けた方策はない。
b) 専門職学位課程における履修科目登録の上限設定とその運用の適切性
本大学院研究科では専門職学位課程を置いていないため、本評価の視点には該当しない。
(c)研究指導等
a) 教育課程の展開並びに学位論文の作成等を通じた教育・研究指導の適切性
【現状】
教育課程の展開並びに学位論文の作成等を通じた教育・研究指導は、次の要領を忠実に 実施している。
102 (1) 履修基準
① 課題研究Ⅰ、課題研究Ⅱ・・・8 単位必修
② 自己の所属する指導教員の「特論」、「演習」は、計 4 単位必修
③ 指導教員の「特論」、「演習」必修の他に、「特論」を 2 科目(4 単位)、「演習」を 2 科目(4 単位)必修
④ 修了必要単位数は 30 単位 (2) 修士論文及び学位
① 修士論文は、各専門に関する主題で、(A)地域の文学・文化、(B)日本文学・日 本語学に関わる学術論文とする。
② 研究科に 2 年以上在学し、所定の授業科目について 30 単位以上を修得し、かつ必 要な研究指導を受けた上、修士論文を提出し、その審査及び最終試験に合格した者 に、「修士(文学)」の学位を授与する。
(3) 履修指導及び研究指導の方法、並びに修士論文指導スケジュール
① 大学院文学研究科日本文学専攻(修士課程)の入学試験の「口述試問」の段階で、
研究テーマとする専門分野・専門領域等を確認する。
② 指導教員の内定
1 年次の 5 月連休明けまでに、指導教員を内定する。
③ 指導教員のもとで(1 年次)
ア 課題研究Ⅰを開始する。
イ 前期末、後期末に、指導教員の指導を踏まえて、研究の進行を示すレポートを 提出する。
ウ 修士課程の修了には原則として修士論文を要件とし、特定の課題についての研 究によって修士論文に替えることはしない。
④ 全国的規模の学会に 1 年次より参加する。
⑤ 指導教員のもとで(2 年次)
ア 課題研究Ⅱを開始する。
イ 修了予定年度の 6 月末までに、修士論文の題目とその概要とを指定用紙に記入 し、提出する。
ウ 前期末に、指導教員の指導を踏まえて、研究の進行を示すレポートを提出する。
⑥ 2 年次後期のスケジュールは、次の通りである。
ア 修士課程論文の中間発表会を秋に行う。
イ 修士論文は 1 月末日に提出する。
ウ 修士論文の発表会を 2 月中旬に行う。
エ 論文審査並びに口述試問を 2 月下旬までに実施する。修士論文の主査 1 名、副 査 1 名の計 2 名で行い、最終的に修了の判定を行う
オ 修士論文の審査並びに口述試問に合格すれば、「修士(文学)」の学位を授ける。
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【点検評価】
2007(平成 19)年 3 月修了の第 1 回生、2008(平成 20)年 3 月修了の第 2 回生、2009(平 成 21)年 3 月修了の第 3 回生は、上記の通り行い、問題がなかった。
【改善方策】
本大学院研究科の教育課程の展開並びに学位論文の作成等を通じた教育・研究指導は適 切だと考えるので、現在のところ改善に向けた方策はない。
b) 学生に対する履修指導の適切性
【現状】
4 月の入学式の前日に 2 年次の院生のオリエンテーションを、入学式当日に 1 年次の院生 のオリエンテーションを、大学院担当教員によって行い、丁寧に履修指導をしている。
また、随時、院生の相談に乗り、教員側が呼び出したりして指導している。院生が少な いので、履修指導は行き届いている。
【点検評価】
本大学院研究科が設立されて 6 年目になるものの、問題が生じていない。
【改善方策】
本大学院研究科の学生に対する履修指導は適切だと考えるので、現在のところ改善に向 けた方策はない。
c) 指導教員による個別的な研究指導の充実度
【現状】
指導教員による個別的な研究指導の段取りは、前述したように、次のようにしている。
(1) 入学試験の「口述試問」の段階で、研究テーマとする専門分野・専門領域等を確認す る。
(2) 指導教員の内定
1 年次の 5 月の連休明けまでに、指導教員を内定する。
(3) 指導教員のもとで(1 年次)
ア 課題研究Ⅰを開始する。
イ 前期末、後期末に、指導教員の指導を踏まえて、研究の進行を示すレポートを提出 する。
ウ 修士課程の修了には原則として修士論文を要件とし、特定の課題についての研究に よって修士論文に替えることはしない。
(4) 全国的規模の学会に 1 年次より参加する。
(5) 指導教員のもとで(2 年次)
ア 課題研究Ⅱを開始する。
イ 修了予定年度の 6 月末までに、修士論文の題目とその概要とを指定用紙に記入し、
104 提出する。
ウ 前期末に、指導教員の指導を踏まえて、研究の進行を示すレポートを提出する。
(6) 2 年次後期のスケジュールは、次の通りである。
ア 修士課程論文の中間発表会を秋に行う。
イ 修士論文は 1 月末日に提出する。
ウ 修士論文の発表会を 2 月中旬におこなう。
エ 論文審査並びに口述試問を 2 月下旬までに実施する。修士論文の主査 1 名、副査 1 名の計 2 名で行い、最終的に修了の判定を行う。
【点検評価】
院生が少ないので、指導教員による個別的な研究指導は徹底しており、充実している。
【改善方策】
本大学院研究科の学生に対する指導教員による個別的な研究指導は充実していると考え るので、現在のところ改善に向けた方策はない。
(d)医学系大学院の教育・研究指導
a) 医学系大学院における臨床系専攻の学生に対し、病院内外でなされる教育・研究指導とこれを支える 人的、物的体制の充実度
b)医学系大学院における臨床系専攻の学生について、臨床研修と研究の両立を確保させるための配慮の 状況とその適切性
本大学院研究科は文学研究科であるため、上記評価項目には該当しない。
(e)教育・研究指導の改善への組織的な取り組み
a) 教員の教育・研究指導方法の改善を促進するための組織的な取り組み(ファカルティ・ディベロップ メント(FD))およびその有効性
【現状】
普段の授業改善の努力は、各々の教員に任されている。FD は、基本的に教員個々の潜在 能力(ポテンシャリティ)の開発にあるだろう。院生が少ないので、とくに教育・研究指 導の改善への組織的な取り組みがなくても、教員が気楽に行き来して情報を交わし、それ なりに対応してきた。
【点検評価】
しかし、時代はFDの組織的な取り組みを要請しているので、なんらかの対応が必要だ ろう。
【改善方策】
教員が自由に情報を交わせる環境を維持し、その延長線上に定期的な会合を持ち、個々 の院生の到達度を話題にする。
105 b) シラバスの作成と活用状況
【現状】
シラバスは『大学院要覧』に「授業科目の概要」として記載、院生に配布している。院 生が少ないので、概要に加えて口頭で更に補完し、不自由していない。
【点検評価】
しかし、概要の域を出ていないのは確かである。
【改善方策】
概要、到達目標、授業の内容、評価方法、教材・教科書、留意点などの項目を設け、15 回分の授業内容を記載して、院生に配布する。
c) 学生による授業評価の活用状況
【現状】
学部で実施している授業評価アンケートは、大学院研究科では実施していない。院生が あまり少なく、実施する意味が期待できないからである。
ただし、各教員が自主的に授業に対する評価や要望をアンケート形式で調査している例 が多く、各教員が授業改善に結びつけている。なかには、毎回、出欠と理解度を知るとと もに授業に対する評価や要望を知るために用紙に各事項を簡潔に書かせ、次の授業に反映 させている教員もいる。
【点検評価】
院生が少ないので、組織的な授業評価を導入するほどではない、と考える。ただし、今 のように各教員の自主的な努力が不断に行われていなければならない。
【改善方策】
学生による授業評価は各教員が自主的に努力しているので、現在のところ改善に向けた 方策はない。
③ 国内外との教育研究交流
(a)国内外との教育研究交流
【現状】
a) 国際化への対応と国際交流の推進に関する基本方針の適切性
本大学院は、「地域の文学・文化・歴史を発掘・保存し、また日本人の精神や日本文学に 対する深い専門性を備え、それらを地域・全国・世界に発信し、地域社会の活性化に寄与 する人材を育成する。」と、アドミッションポリシーで国際化を謳っている。しかし、組織 として大学院そのものの国際化と国際交流の推進は、図られていない。
本大学院の教員のなかには、個人的に国際レベルでの教育研究交流を不断に相当に緊密 化させている事例がある。しかし、組織的にその基本方針が明確化されていない。
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【点検評価】
組織として大学院そのものの国際化と国際交流の推進は、図られていない。また、国際 レベルでの教育研究交流を緊密化させるための措置も、なされていない。
【改善方策】
まず、個人的に国際レベルでの教育研究交流を不断に緊密化させている教員に学び、抜 本的な話し合いを継続してしなければならない。
④ 学位授与・課程修了の認定
(a)学位授与
a) 修士の学位の授与状況と学位の授与方針・基準の適切性
【現状】
本大学院研究科の修士の学位の授与状況は、2007(平成 19)年 3 月修了の第 1 回生 4 名、
2008(平成 20)年 3 月修了の第 2 回生 2 名、2009(平成 21)年 3 月修了の第 3 回生 1 名で ある。
本学大学院学則第 15 条では、「修士課程の修了要件は、本大学院に 2 年以上在学し、30 単位以上を修得し、かつ、必要な研究指導を受けた上、修士論文の審査及び最終試験に合 格することとする。」と記されている。
学則とは別に、学位の授与方針・基準が『大学院要覧』に、主題、履修指導及び研究指 導の方法、修士論文指導スケジュール(公開でなされる中間発表会・発表会を含む)、審査 委員(主査・副査各1名)による論文審査・口頭試問という流れが、詳細に規定されてい る。これに次いで、課程修了の認定は、本学大学院学則第 16 条で、「課程修了の認定は、
大学院委員会の議を経て学長が行う。」と規定されている。そして、以上のことを忠実に実 施している。
【点検評価】
修士の学位の授与方針・基準は、適切である。
【改善方策】
修士の学位の授与方針・基準は適切だと考えるので、現在のところ改善に向けた方策は ない。
b) 学位審査の透明性・客観性を高める措置の導入状況とその適切性
【現状】
前述したように、学位の授与方針・基準が『大学院要覧』に、主題、履修指導及び研究 指導の方法、修士論文指導スケジュール(公開でなされる中間発表会・発表会を含む)、審 査委員(主査、副査各 1 人)による論文審査・口頭試問という流れが、詳細に規定されて いる。これに次いで、課程修了の認定は、本学大学院学則第 16 条で、「課程修了の認定は、
大学院委員会の議を経て学長が行う。」と規定されている。そして、以上のことを忠実に実
107 施している。
【点検評価】
学位審査の透明性・客観性を高める措置を導入し、その適用状況は適切である。
【改善方策】
学位審査の透明性・客観性を高める措置を導入し、その適用状況は適切だ、と考えるの で、現在のところ改善に向けた方策はない。
(b)専門職大学院の修了要件等
a) 法令上の規定や当該専門職大学院の教育目標と、修了認定に必要な在学期間および修得単位数との適 合性
本大学院研究科は専門職大学院を置いていないため、本評価項目には該当しない。
(c)課程修了の認定
a) 標準修業年限未満で修了することを認めている大学院における、そうした措置の適切性、妥当性 本大学院研究科においては、標準修業年限未満で修了する制度を実施していない。
⑤ 通信制大学院
(a)通信制大学院
a) 通信制大学院における、教育研究指導方法・単位認定・学位授与の適切性とそのための条件整備の適 切性
本大学院研究科においては、通信制による教育課程を設けていない。