長距離無線 LAN・非常用通信システム構築法の検討
キーワード 無線LAN アドホックネットワーク 水野 修* 淺谷 耕一**
独立型電源,無線伝送 TCP/UDP 中里 秀則***
1.はじめに
災害発生時には,既 存の通 信インフラにも大きな 損傷が及ぶことが考えられ ,通信システム全体とし ての可用性確保を論じる必 要がある .そこで,災害 対策拠点の分散化を支援す ることを目的に,耐災害 性の高い長距離無線LAN・非常用通信システムを開 発する.本報告では,2.で研究経過を述べ,3.で構 築した長距離無線LAN・非 常用通信システムと昨年 度までの主な成果を示す.4.で今年度の成果につい て報告する.
2.研究経過
研究経過を図1に示す.
H22年度 (2010年 度)
H23年度 (2011年 度)
H24年度 (2012年 度)
H25 年度 (2013年 度)
H26 年度 (2016年 度) 4.1)
長距離 無線 LAN・非 常用通 信システ ム
参考)
テーマ4.2 独立型太 陽光発電シ ステム 参考) テーマ5 リアルタイ ム情報共 有システム
結合実験
・独立型太陽 光発電システ ムとの結合
・リアルタイム 情報共有シス テムとの結合 システム構
築
・伝送特性の 計測 基本検討
・長距離無線 LANの実現 可能性評価
・アプリケー ション検討
・情報配信共 有システムの アンテナ設置 方法
・ 長距離無線 LANの安定し た運用方式
結合 中間報告 防災訓練 防災訓練 最終報告
・区域間通信 システムの設 置方法設置 方法
・ 安定した映 像伝送方法 持続的な運用方式の検討
結合
図1 研究経過
・H22 年度:長距離無線 LAN・非常用通信システ ム構築に向けた基礎検討を実施し,新宿-八王子間に 敷設する長距離無線 LAN の実現可能性評価および アプリケーションの実現性 評価を実施した.当初,
長距離無線 LAN の候補と して 2.4GHz 帯システム を検討していたが,新宿地 区の混信が多いことが判 明したため,4.9GHz帯シ ステムを採用した.
・H23年度:災害発生時に おける ユースケースをま とめ,長距離無線LAN・非 常用通信システムを構 築
した.具体的な構成につい ては3.で説明する. 構 築したシステムを用いて伝 送特性の計測を実施した.
・H24年度:テーマ4.2で 構築した「独立型太陽光 発電システム 1)」からの電 源供給を受け,商 が可能なことを確認した. また,学内の防災訓練に おいて,テーマ 5.2で構築 した「リアルタイム情報 共有システム2 )」の接続を 行い ,実行可能で あるこ とを確認した.
・H25 年度:長距離無線 LAN・非常用通信システ ムの持続的な運用を目指し ,本システムのサブシス テムである「情報配信共有 システム」のアンテナ設 置位置について,シミュレ ーションと実験で特性を 評価し,適した位置につい て求めた.また,スルー プットに揺らぎがある長距離無線 LAN の安定した 運用を目指した,ネットワ ーク制御方式について検 討した.
3.長距離無線LAN・非常 用通信システム 3.1 システム構成
長距離無線 LAN・非常用 通信システムの システム 構 成 を 図 2 に 示 す . こ の シ ス テ ム は , 長 距 離 無 線 LANシステ ム,情報収集配 信システム,区域間通信 システムの3つのサブシステムから構成される
図2 長距離無線 LAN・非常用通信システム
3.2 長距離無線LANシス テム
新 宿 と バ ッ ク ア ッ プ 拠 点 で あ る 八 王 子 を 結 ぶ
* :工学院大学工学部情報通信工学科 **:工学院大学 名誉教授
***:早稲田大学基幹理工学部/研究科 情報通信学 科/情報理工・情報通信専攻
アンテナ アンテナ アンテナ アンテナ
33.94km 約3km
半径約500m 子機
親機
無線機器 無線機器 無線機器 無線機器
バックアップ 拠点ビル
対象拠点ビル
区内拠点ビル
避難所等
長距離無LANシステム 区域間通信システム
情報収集配信システム
バッテリー
バッテリー バッテリー
バッテリー
4.9GHz帯の無線LANシス テムである.主要な機器 構成,および仕様を表1に 示す.新宿~八王子は約 33Km離れているため,利 得の高いパッチアンテナ を双方の屋上(親局側アン テナ:工学院大学新宿キ ャンパス屋上,子局側アン テナ:工学院大学八王子 キャンパス5号館屋上)に設置した(図3).
表1 長距離無線 LAN システムの機器構成 項
番 機器 名 型番 メーカー 数量
親 局
無線 機 JRL-749AP2 日本 無 線 1 台 アンテナ NZA-647 日本 無 線 1 台 電源 供 給ユ
ニット GMN-101A 日本 無 線 1 台
子 局
無線 機 JRL-749ST2 日本 無 線 1 台 アンテナ NZA-647 日本 無 線 1 台 電源 供 給
ユニット GMN-101A 日本 無 線 1 台
親局(新宿屋上) 子局(八王子5号館屋上)
図3 長距離無線 LAN システムのアンテナ
図4 長距離無線 LAN システムの伝送特性 (2014 年 9 月 16 日~19 日)
図4に長距離無線 LANシ ステムの伝送特性を示 す . 概 ね 1~2[Mbps]の ス ル ー プ ッ ト が 得 ら れ た . しかし,伝送距離が長いた め,それ以下の部分も不 定期に表れているため,安 定した通信のためには対 策が必要である.そこで, 複数の回線を活用してス ループットを確保する方式 を検討した.ネットワー
ク の 状 態 を 把 握 し , 動 的 に 回 線 を 選 択 す る た め に OpenFlow 技術3)に着目し,テストベッドを 用いて動 作確認を実施した(図 5).
図 5 OpemFlow を用いた回線選択方式
3.3 情報収集配信システム
西新宿地区にあるビ ル,避 難所と災害対策本部間 の通信を実現する 4.9GHz帯のアドホックネットワ ークシステムである.主要 な無線機器構成および仕 様を表2に示す.本部に設 置する親局はコリニア型 無指向性アンテナとし,複 数の子局からの通信を同 時に実現する.子局は指向 性のあるパッチアンテナ を持つ移動局であり,5局まで設置できる(図6).
表 2 情報収集配信システムの機器構成
機器 名 型番 メーカー 数量
親 局
無線 機 JRL-749AP2 日本 無 線 1 台 アンテナ NZA-657 日本 無 線 1 台 同軸 ケーブル 7ZCWN0005 日本 無 線 1 本 子
局
無線 機 JRL-749ST2 日本 無 線 5台 アンテナ NZA-646 日本 無 線 5台 同軸 ケーブル 7ZCWN0005 日本 無 線 5本
(左:親局,右:子局.円内はアンテナ)
図 6 情報収集配信システム このようなアドホッ クネッ トワークシステムでは アンテナの配置によって伝 送特性が大きく変化する.
そこで,西新宿地区におい てアンテナ設置位置候補 をシミュレーションで求め ,実測して効果を確認し
た.図7にこの検討に用いたアンテナ位置の地図を 示す.また,図8はシミュレーションと実際に測定 した結果の比較を示す.こ のようにしてアンテナの 配置場所を決定できることを明らかにした.
中継局 移動局 ビル
実際の西新宿の地図 ノード配置
100m
工学院 公園
警察署 病院
公園
病院 警察署
工学院
①
②
③ ④
①
②
③ ④
移動局・固定局 中継局①~④
図 7 ノード配置モデル
図 8 中継地候補 1 のシミュレーションと測定結 果
3.4 区域間通信システム
新 宿 区 内 の 拠 点 ビ ル を 結 ぶ こ と を 想 定 し た 無 線 LANシステ ムである.詳細 については4.1にて述べ る.
3.5 他システムとの接続
(1) 独立型太陽光発電システムとの接続
独立型太陽光発電システム は八王子キャンパスある 太 陽 光発 電 パネ ル (PV パネ ル )に よ る発 電 ,お よ び新宿・八王子両キャンパ スにある蓄電池などから 構成されている.これによ り,商用電源が途絶した ときでも長距離無線 LAN システムに電源が供給で きる.蓄電池の容量は 8.96kWh であり,無線機器 やサーバ類の消費電力 89W を勘案すると,約 100 時間動作する.実際に蓄電池だけで 72 時間安定し て動作することを確認した.また商用電源・太陽光・
蓄電池の間で供給電源を切 換えた場合に,その前後 でもスループットの低下な ど支障は見られ なかった (図10).
通信用パソ コン
図 9 独立型太陽光発電システムとの接続
0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000 4500 5000
13:19 13:26 13:33 13:40 13:48 13:55 14:02 14:09 14:16 14:24
スループット[kbps]
時刻[hh:mm]
スループット 停電(スループットは0)
太陽+商用 太陽+蓄電池
図 10 電源切換えの前後のスループット
(2) リアルタイム 情報共有 システムとの接続 リアルタイム情報共有システムは,被災状況を収 集し地図上に表示するシステムである.技術的には Javaを使ったWebサーバシステムなので,接続は 容易に実現できた.しかし,ログイン後に地図デー タを大量にダウンロードするために,使用できる帯 域が少ないと起動に時間がかかる(図11).この結 果リアルタイム情報共有システムを使用するには,
300[kbps]以上のスループ ットを確保する必要があ ることが判明した.
0 100 200 300 400 500 600
0 500 1000 1500 2000 2500
時間[s]
スループット[kbps]
アクセス時間下り アクセス時間上り
図 11 アクセス回線のスループットと起動時間
4.H26年度の成果
4.1 区域間通信システムの特性評価
区域間通信システムの要 件として,容易に設置で きること,安定した伝送が できることが挙げられる.
免許が不要で使用できる無線 LAN の周波数帯と して 2.4GHz帯がある.し かし,これは 自動ドア,
電子レンジなどの電子機器 で汎用的に使用されてい る 周 波 数 帯 で も あ る .2. で 述 べ た よ う に 新 宿 地 区 で は 2.4GHz 帯 で は 混 信 や 電 波 干 渉 の 影 響 が 避 け られない.
長距離無線 LANで使用し た 4.9GHz 帯は,比較 的高い空中線電力(25[mW])がとれ,2.4GHzより も干渉が少ない.しかし, 最近利用が増大している と思われること,屋外で使 用するには電波法に従い 監督省庁への届出や無線従 事者の確保が必要である.
5.6GHz 帯はレ ーダな どで 使われる周 波数帯 であり,
空中線電力は5[mW]以下で ある.しかし,近傍にレ ーダ等がなければあまり使 われていない周波数帯で あり,届出は不要となって いる.そこで,新宿区内 でで5.6GHz帯の使 用が可 能か検証した.
検証試験は,工学院大学新 宿キャンパス屋上と早 稲田大学西早稲田キャンパス 56 号館(シルマンホ ール)屋上にアンテナを設置して行った(図 12).
両者間の距離は 2.2[Km]で ある.アンテナ位置の海 抜は工学院側は約184[m],早稲田側は約61[m]であ る.なお図 13 のように, 両者間には障害物という 建造物はなく見通しがとれている.
図 12 検証実験の場所
(○印がシルマンホール屋上)
図 13 新宿キャンパス屋上からの見通 し 表 3 区域間通信 システムの機器構成
機器 名 型番 メーカー 数量
親 局
無線 機 JRL-710AP3 日本 無 線 1 台 アンテナ NZA-646 日本 無 線 1 台 同軸 ケーブル 7ZCWN0005 日本 無 線 1 本 子
局
無線 機 JRL-710ST3 日本 無 線 1 台 アンテナ NZA-646 日本 無 線 1 台 同軸 ケーブル 7ZCWN0005 日本 無 線 1 本 測定には,表 3に示す5.6GHz帯の機 器と,比較の ために表2で示した4.9GHz帯の情報収集配信シス テムの機器(ただし,アン テナは親機・子機とも指 向性アンテナであるNZA-646を使用した.
測定は,2014年11月4日 ~6日で実施した.測 定項目は,周波数帯別の電 波強度とスループットで ある.電波強度は無線機に 内包されている機能を用 いて測定した.また,スループットは iperfを使い,
図14に両周波数帯 の電波 強度(RSSI)を示 す.
X軸は測定時間([秒]),Y 軸は受信機側の信号強度 ([dBm])で あ る . 送 信 出 力 は ,4.9GHz 帯 で は 15[dBm],5.6GHz では 12[dBm]であ る.理論上は 若干 4.9GHz が上 回るが, 実測値は 10~15[dBm]
理論値を下回ることでほぼ同じ値となった.理論値
-90 -80 -70 -60 -50 -40 -30 -20 -10 0
0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000
RSSI[dBm]
時間[t]
4.9GHz 5.6GHz 4.9GHz理論値 5.6GHz理論値
図 14 測定した電波強度
0 2 4 6 8 10 12 14 16 18
10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
平均スループット[Mbps]
送信レート[Mbps]
(a)4.9GHz(UDP)
0 2 4 6 8 10 12 14 16 18
10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
平均スループット[Mbps]
送信レート[Mbps]
(b)5.6GHz(UDP)
図 15 測定した平均スループット
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
パケットロス率
送信レート[Mbps]
(a)4.9GHz(UDP)
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
パケットロス率
送信レート[Mbps]
(b)5.6GHz(UDP)
図 16 測定したパケットロス率
との差は,設計上のマージ ンの範囲内であった.図 15,図 16 はデータの送信 レートを変えたときのス ループットとパケットロス率の測定値である.
X軸はデータの送信レート[Mbps],Y軸は平均ス ループット[Mpbs]とパケッ トロス率[%]である.デ ータはUDPで送信するた め,無線区間でパケット が喪失しなければ送信レートとスループットがほぼ 等しくなる.このような傾向が保つことができる最 大のスループットがこのシステムで通信できる帯域 と考えられる.測定の結果4.9GHz帯では
14[Mbps],5.6GHz帯では12[Mbps]が使用できる帯 域であることが明らかになった.
5.6GHz帯は,4.9GHz帯 よりも低いスループッ トとなったが,長距離無線LANシステ ム で実現し ているスループットが 2[Mbps]程度であり,音声や 動画を伝送するためには充分であると考えられる.
4.2 運用の問題
運用に関しては次の2点が指摘されている.
(1)長距離無線LANシス テムを用いて画像伝送を 行うと,画像がフリーズする.
(2)経路途中にあるネッ トワーク機器(ハブなど)
が停電時に使えなくなる.
(1) に 関 し て は , こ れ ま で 使 用 し て い た ネ ッ ト ワ ークカメラが TCP プロト コルで映像を伝送してい たことに起因している.TCPはデータの欠落がない ク リ ア な 映 像 を 送 る こ と が 可 能 だ が , 長 距 離 無 線 LAN シ ス テ ム の よ う に ネ ッ ト ワ ー ク の ス ル ー プ ッ トが低下する事象が生じる と,再送制御を行うため パケット遅延が発生し,結 果的に画面がフリーズし てしまう.そこで,再送制 御を行わないプロトコル で あ る UDP に 対 応 し た カ メ ラ (Panasonic BB-ST162A)を用いること にした.UDP の送信 レ ートの設定については,
図 16 送信レートの設定
MOS(Mean Opinion Score)4)を用いてユーザ評 価を行い決定した.ここでは,20代男性20名を対 象にカメラで撮影した動き のある人形の映像を視聴 して
もらい,5段階評価を実施した.図16はカメラの送 信 レ ー ト と ネ ッ ト ワ ー ク の ス ル ー プ ッ ト に 応 じ て MOS 評 価 が ど の よ う に 変 化 す る か ユ ー ザ 評 価 実 験 した結果である.MOSは1 から5の5段階であり,
3が普通,5が最良であり,2.5以上が実用に耐える ものであるとされている. その結果,送信レートが 低い(256Kbps以下)とスル ープットが充分取れる範 囲(1Mpbs以上)でもMOSが低く,また送信レー ト を 高 く と る (1024Kbps) と , ス ル ー プ ッ ト が 下 がると極端に MOS が下が ることが明らかになった.
そこで,送信レートを384Kbpsに設定した.
2014年 11月 27日の防災 訓練にて,この設定で 画像伝送を実施したところ ,一定の品質で映像伝送 が確認できた.
(2) に つ い て は , 独 立 型 太 陽 光 発 電 シ ス テ ム が 電 源を供給できる場所は無線 機および特定の実験室の みであること,大学が持っ ている蓄電設備の電源供 給場所も限定されることか ら,災害対策本部のブー ス近辺やパイプシャフト内 のハブなどの電源供給が 途絶える恐れがある.長期 的にはこれらの場所にも 非常用電源が供給されるべ きではあるが,市販の無 停 電 電 源 装 置 ( UPS:Uninterruptible Power Supply) を 活 用 す る こ と で,72 時 間 程 度 の 停 電 に
対応できるものと考えられる.
5.おわりに
長距離無線 LAN・非常用 通信システムの構築と運 用結果について 2010 年度 からの結 果を振り返り,
今年度の成果について述べた.
今後は平常時の運用と災害 時の運用をシームレス に行うことを目的に,網制 御方式やアプリケーショ ンの詳細化を検討する.
謝 辞
本 研 究 の 遂行 に あた り ,工 学 院大 学 お よ び早 稲 田大 学 の 施 設 課 ,総 務課 各 位 の協 力 をいた だ き ま した .こ こ に感 謝 の 意 を 表 しま す .
参 考 文 献
1)米 盛 弘 信,市川 紀 充,荒 井純一 ,小 林幹 ,独 立 型 太陽 光 発 電 シ ス テム に おけ る 蓄電 部の 改 善と PV モ ジ ュ ール 表 面 の 防 汚 に関 す る検 討,工 学院 大 学 総 合研 究 所・都市 減 災 研 究 セ ン タ ー 研 究 報 告 書 ( 平 成 23 年 度 ),
P.181-184,2012.
2)村 上 正 浩 ,久 保 智弘 ,久 田嘉章 ,リ ア ル タイ ム 広域 情 報 共 有 シ ス テム P.181-184,2012.
3) N. McKeown, T. Anderson, H. Balakrishnan, G.
Parulkar,L. Peterson, J. Rexford, S. Shenker, and J.
Turner. OpenFlow: enabling innovation in campus networks. ACM SIGCOMM,Computer Communication Review, 38(2):69– 74, April 2008..
4)淺 谷 耕 一 ,通 信 ネ ット ワ ークの 品 質 設 計 ,電 子 情 報通 信 学 会 , ISBN: 978-4-88552-112-6, 1993.