日本 管理会El学 会誌
管理会 計 学2000 年 第8巻 第1・2 含 併 号
論 文
韓 国 企 業 に お け る 物流 費 管 理 の 実 態
疹
*』
賢
・
徐
〈論文 要旨〉
近 年 韓 国で も多品 種化 ・少量化 ・多頻 度 化 物 流の増 大,情 報 技 術の急速 な発 達に よ る 物流情 報 化の進展,金 融危機に よ る
IMF
救 済 金 融な ど物 流や 国内 外 経 済の環 境が 急 変する 中で物 流費は急 増 し, 企 業 経 営 を圧 迫 する 主 な 要 因の一つ に な
っ て いる.
90
年 代に入っ て物 流 費は持 続 的に増 加 し,1997 年 度の 売上高 対 物 流 費 率は12 .9% に達 してい る .こ れ から物 流 費 低 減の必 要 性ない し物 流 費 管 理の 重 要 性は一層 高 くな り,その た め物 流 費
の算 定だけでは な く物 流 費の活 用 に対す る管理 シス テ ム構 築が不可欠であ る。
本 研 究で は,物流費低減のた め 必要 とさ れ る物流費管理 シス テム構築に 関 す る研究の 一環と して 韓 国 企 業における物 流 費 管 理の 実 態 調 査 結果を 分 析 する ことで ある.その た め, 文 献 に よ る物流費 管理 に 関 す る 先 行 研 究 , 主要 業 種を対 象に実態調 査に よ る物流費 管理技 法の実 態と新 しい 原価 管 理及 び経 営 管 理 技 法の適 用につ い て調 査 を行っ た. 研 究 結 果.韓 国 企 業の大 部 分は物 流 費 管 理 シ ス テ ム構 築の必 要 性を認 識 して お り,そ
のた め原 価 計 算と予 算 管理 を相 対 的に多 く実 施 してい る.他 方,物 流 費 低 減の効 果を把 握 するた めの採 算 分 析, さ らに新 しい 原 価 管 理及 び経 営 管 理 技 法の 活 用 度 が 低い .しか
し,物 流 費 隋 報の活 用 度は 以前よ り高 くなっ て い る.
次に,新しい 原 価 管理 及び経営管理技 法の 導入 は積 極 的に行わ れて い ない .新 原 価 管
埋技 法と して活 動 基 準原価 計 算/管理 と品 質原 価 計 算,新 経 営 管理技 法と して リエ ンジニ ア リン グ, リス ト ラ, ベ ン チマ ーキ ン グ な ど は部 分 的に し か導入 さ れ て お らず,ま た そ
れ らの新 技 法の有 用 性 を認 知してい る の は一部の企 業に過 ぎない .一方,代表 的な在 庫 管理技 法の一つ と して
従 来か ら 知 ら れて い る
JIT
の活 用 度 及び有 用 性は他の 新 管理技 法よ り高い .
〈 キ ーワー ド 〉
物 流費管理,物流費管理 シ ステム,新 物 流費管理技法,韓 国企業の 物流費
1999年10 月 受1ゴ 1999年12 汀 貧1里
¥韓 国 済州大学校 会
1、レ≠ 科 副 教 授
管理会S[学 第8 巻第1・2 合 侮;」
1
.序 論
韓 国企 業で 物流合理 化に対 し て本 格 的な関 心が 寄せ ら れ たの は
90
年 代前後で あ り, そ の主 な 理由は物流費の急増で あっ た .物流費調査の結果に よ る と,90
年代に 入っ て物 流費の前 年対 比増加 率は約20
% で あ り同期 間の 売上高 増 加 率は約15
% で あっ た ため,5
% ポ イン トが物流 によ る利益の 圧 迫 要 因に なっ た ,これ か ら物 流 に対 する最 高 経 営 者の 関 心は高 くな り, 物 流費低 減 を経 営管理 及 び物 流 管 理の 最 高 目標 の一一つ と
して設 定 しつ つ ある.
1997 年 度韓国企業の 物流費水 準は 対 売上 高 12 .9% で あっ た[
6
亅.1994 年 度の 14 .3
% に比較す れ ば10
% 以上減少し た数値で ある が, こ れ は物流費調査方 式の差 異で あ り, 実際に物 流費が 削 減 さ れ た とは分析 さ れ てい な い た め ,物流費の正確 な計 算に よ る原価低 減が 非 常に重要になって い る .
主 要企 業を対象に 物 流管理の 実態調査が 国内の 主な経済団 体で実 施 さ れ て きで い る.こ れ ら の 調査 は物流管理 の実 態調査で あ り,当 該調査の 中で物流費 ま た は物流費算 定に関する調査項
目がい くつ か含 まれ 企業 物流 費水 準が 公表さ れ た。
物流費 及び物流費 管理 の 現 況 に関 する調査 と して 大韓商工 会議 所 [
3
]と 陸根 孝[23
]の 調 査 が あ る .こ れ らの調 査 結 果 に よ れ ば, 調 査 企 業の 大 部 分は物 流 費 を 体系的に算 定 して お ら ず,か つ 効 率的に管理 もし てい なか っ た. 一 方, 一部の 先進企業の事例研 究[4
][271
に よ れ ば, 各産業や 企業の 物流特 性に よっ て相違 して い るが , 先進 企業の 物流費管理は比較的に 効率的に実 施さ れて い た .
近年韓 国で も多品種 ・少量 ・多頻度物流の増 大,急変す る経営 環 境へ の迅 速 な 対 処 ,物 流 情 報 化の 急速 な 進 展, 特 に1997 年 12 月 に 金 融危 機に よ る
IMF
(国 際 通貨基金 )の 救済 金融などによ り物 流リ ス トラ の拡 大と物流費の増 加が進 展さ れ る 中, 物 流 費 低減の ため効率 的な物流費 管 理の重 要性 は一一層
高 く なっ て い る.そのため に は 物 流費の算定 だ けで は な く 物 流 費の 活 用 に対 す る管理シ ス テ ム の 構 築が不可欠である. 加えて , ネオ ・ロ ジス テ ィ クス 時 代に 急 変す る物流 環 境 の下で リス トラ, ア ウ トソ ーシ ン グ
, リエ ンジ ニ ア リン グ, ベ ンチマ ーキ ン グ
, サ プ ラ
イ ・チ ェ ーン の 導入 に よ る 戦略 的物流費 管理 が 重視 さ れ る た め[
19
]【21 ][24
】[27
], 新 しい 原価 管 理及び経営 管 理技法の適用は物流費低 減及び物流競 争 力強化の た め 必要不 可 欠である ;そ こで本研 究では , 物流費 低減の 目標 達成の た め必 要 とさ れ る物流費 管理 シ ス テ ム構 築に関
す る研 究の一
環と して , 韓 国企業の 物流費 管理 の 実 態 を調査 し分析 す る.その ため,文献に よ
る過 去 の物流 費管理 に 関 す る先行研 究 と韓 国の 主 要 業種 を対 象に実 態調査を 実 施 する.調査内 容は ,伝 統 的な物流費の 管理 方式に対する設 問 の 他 ,最 近注 目 を浴びて い る新 しい 原価 管理 及
び経 営 管 理 技 法 の適 用 に対 す る設 問 を 含 む.
2
.先 行調 査結
果の再検 討 2
.1
物 流 費物 流費は物 流 活動の 規 模を 容 易に把 握 する とともに 当該 活動 を効 率的に計画 し統制 す る た め に不 可欠で ある.物流費 低減の重要 性が 拡大 する こ とにつ れ, 物 流費 情報は経 済主体別に要求 さ れる .例 え ば,政府で は国家 の 物流 政 策の 策 定や推 進 の ため ,特 定の 産業で は当該産業の 物
流特性 に よ る物流効率化 ない し競 争力 強 化の た め, 及 び各企 業 で は企業ご と に生 産 ・販 売 して
韓 国 企 業にお ける物 流 費 管理の実 態
い る 製 品の 物流特性に適し た物流管理 シ ス テ ム の 構築や 原 価低減の ため それ ぞれ適合 した物流 費 情報が 必 要とさ れ る.
韓 国で は , 物流の 重 要 性に対 する認 識 が 高 まっ た 1990 年 度 前後か ら 大 韓 商工 会 議 所 , 韓 国 生産性 本部, 全 国経 済人連 合 会 , 韓国貿 易協 会 な どの 民 間の 経 済団体で 主 要 企業また は輸出 企 業の物流費水 準を調査 し公表 し て お り,ま た海運産 業 研 究院,交通 開発研 究 院で は国家物 流 費
を調査 し公 表し てい る.
企業物 流費の水 準は,
1986
年 度59
%,
1991
年 度8
.5
% ,1994
年度14
.3
%,
1996
年 度12
.6
%,
1997
年 度12
.9
% で あ り, 韓 国 企 業の 原 価構造 か らみ れ ば 売 上高 対 10% を 越 える 高費用要素に な っ て い る.1997 年度物流費の 詳 細 を みる と, 機 能 別 で は運 送 費が63
.6
% で最 も 高 く, 保 管 及び在 庫 管理費が 22 .7%, 荷 役 費, 包 装費, 物流1
青報 ・管理 費は 6% 以下 で あ り, 領域別で は 販 売物流費が総物流 費の71
.5
% で 最も高 く, 調 達物流費15
.0
%, 社 内物流 費
122
% で あっ た .さ らに,自 家 ・委託 別 では委 託物流費が
59
.6
% で 自 家物流費よ り高 く, 国内 ・海 外(輸 出)別では国内物流費が
86
.4
% を占め て い た[6].(1)また, 輸 出 企 業の 物 流 費は,
1989
年度13
.9
% ,1991
年 度14 .8% ,1993
年度16
,1
%,1995
年度
16
.5
% で 隔年 に持続 的に増加 して い る .1995
年 度の 輸出物流費の部門 別構 成比率は , 運 送 費55
.7
% (輸 出 額 の9
.2
% ), 輸 出 包 装 費12
.7
% , 荷 役 費 と保 管 費が そ れ ぞ れ10
.3
%, 通 関費4
.8
%, 海上保 険費 と物流情 報 費がそ れ ぞ れ3
.0
% であっ た[13
】. .一方, 日本, 米 国, 英 国 な ど主 要 各国にお ける企 業物流費の 概 要をみ る と, 日本で は物流 元 年 と称 す る 1965 年か ら
10
年 ご と に, さ らに 1993 年度か ら毎年 業 種 別 企 業 物 流費を 日 本 ロ ジス テ ィ クス シ ス テ ム協 会 (
JILS
)で 調査 し公表 して い る .主要企業の 売上高 対物流費率の推移 をみ る と, 1965 年 度 7 .
56
%,1975
年度10
.16
% , 1985 年 度9
,01
% ,1995
年 度8
.55
% で あ り,1998
年 度の 物流 費水 準は対売上高8
.08
% で あっ た1161
.米 国で はDAVIS 社 が物流DB を構 築 し1975 年 度か ら企 業 物流費を毎 年調査 し, その結果 を 米国 ロ ジ ス テ ィ クス 管理協 議 会(
CLM
)の年 次 大 会で 業種 別に 公表 して お り,1998
年度の物流費 水準は対売 上高8
.95
% であ っ た [7
].ま た, 英国で も 英国ロ ジス テ ィ クス 協 急IL
)で’84
年度以後 毎年 物流費を調査し公表 し て お り,1992
年度の物流費水準 は売上高 対4
.70
% であ っ た[8
}. {2}2
.2 物流管
理韓国で は
1980
年 に制 定 さ れ た 「流通産 業 近代 化 促 進法 」を契機 に物流 また は 商流 を含む流 通 近 代 化の た め物流 関連の 諸法規 や 制 度, イ ン フ ラ な ど に関 する政 策 面 で の 物 流 近 代 化 が 始 まっ た.そ の 後,
1987
年 に第2
次流 通 産業近代 化5
ヵ 年計 画が 流 通 ・物流の 体 系化及 び先進化 を 表明 す る中で物流に対する関 心 と重 要 性 を本格的に認 識 する よう に なっ た.ギ要経 済団 体の中で物流 の 重要 性を早 く認 知 し た大韓 商工 会 議所 (‘商 議
1
と略称 )は 80 年代 後 半か ら 企業 物流管理 の現 状 や問 題 点 の 把握 と改 善方案の模 索 な どの 目 的で 実 態 調 査 を 実 施 して い る。 同 機関は
1987
年 国内で最 初 に企業物 流 管理 の実 態調査 をは じ め,1993
年以後 各年ご とに調 査 を 行っ て い る .1997 年 調査 は,以前の 調査 と一貫 性を持っ て 企 業 物流管理 の現 況 を 正 確 に把握 し, その 改 善方 案 を模 索 す るこ と に よっ て企業の 競争 力向上や経営合 理 化,政府の 物 流合理化 関連政策 樹立 の た め参 考資 料の 提 供 とい う目 的で実 施 し た[5].調査の 結果, 企業で 最 も 重視 する物流管理業 務は物流費低 減
73
% で1995
年 度の55
% に比べて
20
% ポ イン ト近 く増 加 して お り, また物 流 サービ ス の向上 は17
% で あっ た .また, 最 も 重管 理 会 刮 学 第8巻 第 1・2k 併 号
視 する物流管理 対象 は輸 ・配 送 効 率化が
83
% で最 も多 く,経 営 戦 略の 樹立 に お ける物 流 戦 略の 比 重は 「非 常に 高い 」 と 「比較 的に 高い 」の 合計が49
% で あっ た. 物流活 動の 遂行主体は 「担 当部 署が全 部 遂行する」50
%, 「子会社が一
部 遂行する」
18
%, 「外部の物流企業が一
部 遂 行 す る」
26
% で あっ た.こ れ は, 最近韓 国で物流子会 社 設 立 が ブーム に なっ てい るこ と や ,子会社や外 部 企 業 によ る業 務の ア ウ トソ ーシン グ が 増 加 されて い るこ と を反映 してい る.物流費は調査企 業の 67% が 算定 し てい た が,物流費の 算定 実 績は 5 年以 下が 最も多か っ た . 物 流費の 算定 方 法は , 「最 初か ら社 内 基準の 設 定」48% と 「過 去は 関 連機 関の基 準か ら独 自的
な 社内基i隼の設 定 」
24
% を合 計 すれ ば独 自的基 準は72
% に達 し,1995
年 度の57
% に比べ て独 自に基準 を 制定 し てい る企業が 増加 し て い た.一 方 ,「損益計算書 な どの 財務諸表に よ っ て物 流費の 推定 」は19
% であ り,1995
年度の29
% に比べ て10
% ポ イン ト減 少 した.関連機関の 物流費算 定基 準 を使用 し て い る 企業の場合,国内他企 業の基 準が
36
% で 最も多 く, 韓 国 公 認 会 計 士 会 (建 設交通部[15
亅「企業物流費計算に 関 する指 針 」(案)を表す)28
% の1
頂で あっ た. 一 方, 物流費 を算 定 してい ない 企業では,「必 要 陸を感 じて い ない 」が
46
% で 最も多 く,既存の 算 定 基 準の 適 用 困 難 も
18
% で あっ た.当 該 調 査 に よ る 企 業 の物 流費水 準 は公表さ れ な かっ た が , その 理由は 明ら か で ない .さ ら に, 韓国 生産
1
生本 部や全国経済人連 合 会など で実 施され た物流管理 の実 態調査で は 調査の 内 容や方 法など が 類 似し てい る た め,特 異な調査 結果は公 表さ れ なか っ た[
25
].2
。3
物 流費
管理物流費 管理 に対する 理 論的 研 究は,前述 し た よ うに持 続的に増 加 し て い る物流費を低減する た めに必 要 と され る正確な 物 流費情報の 算出の た め , 物 流費算 定基準の 制定 に関連 し制 度的か
つ 政策 的なアブ m 一チ に よ る物流管理 研 究の一分 野として
90
年 半ばか ら本格 的に行 わ れつ つ ある.(4) その理 論 的 な 背 景 に は 日本の 物 流 会計研 究[17 ]【18
][29
]並 びに運輸 省 及び通産省 な どの 主要政府 機 関に よ る物流コ ス ト算定基準 [18 ]に よ る もの が大 きい .
ま た, 調 査 研 究 に関 して は, 日本の 西澤教 授 [20]の研究で 物流費の 会計処 理 ,原価計 算 ,計 画設定, 予 算管理 及 び利 益 管理 に 関する物流会計の 実 態調査の 内容 と, 米 国の
NCPDM
(米 国物 流 管 理 協 議 会)の 運送 及び 保管の 会 計 と管理の 研 究報 告 書を 基 に
IMA
(米 国管理 会計士協会)で 公表 した
SMA
(管 理 会計指 針>No
.4P
「物流費 管理」[11
],No
,41
「運送費 管理」[9
],No
.4K 「保 管 費 管理 」llO
]が 影響 を及ぼ して い る.以 上の よう な 研 究 背景を 基に韓 国で は, 実態把握 目 的で物流費の概 念定義 と分 類 ,物流 原価 計 算を 中 心 に物 流 費の 算 定, 業 績 評 価 目 的 の物 流 予 算 管 理 と意 思 決 定 目 的の 物流採 算 分析 を中 心 に 物 流費の 活 用 とい う側 面 で研究 を展 開した 徐 [
25
][27
】と, 物流費 管理に対 して新 しい 経 営 管理や原価 管理技 法の適用に対して調査研究 した陸[24
亅が あ る.企業物流費の算 定・活 用に関する大 韓 商工会 議所[
3
]調 査は, 「企 業物流費算定 ・活 用マ ニ ュ アル 」[2]の 開発 に当たっ て実 施さ れ た. すな わ ち, 主要企業に対する物 流費管理 の実 態を物流費
の 算定と活 用の側 面で 原価 計 算, 予算管理 , 採 算分 析に区分しその実態 を調査 したが, 調査結 果につ い て は次 章で
1999
年の 物 流費管 理 の実態調査 結 果と 比較 しなが ら検 討する.また, 物流費管理 環 境 に関 する 大 韓商工 会 議 所 [
61
調 査の 主 な 結 果 を み ると,以下 の と お りで ある.物 流 費 の算 定 基 準 は, 独 自的 な 算 定 基 準の 使用 が40% 以 上で最も多く, 次 に外 部の算定基準
韓 国帝 業にお ける物 流 黄管∫甲 の実 態
の修 正 及び 補 完が 22% で あっ た.こ こ で , 使用 し てい る外 部の 算定基準 は ,大韓商工 会議所の
「企 業物流 費算定 ・活 用マ ニ ュ アル」
31
% , 建設 交 通部の 「企 業 物 流 費計算 指 針 」23
% , 韓 国 生 産 性 本 部の 「企 業 物 流 費 計 算 準 則 」17% の 順で あっ た.物流費の 算 定方 式は,財 務会計方式 が
5L4
% で 管理 会 計 方 式47
% よ り若 干多 く, 算定 領域は 販 売物流 費 が 約 90% で最 も 高 く, 調 達 物 流 費47%, 社内物流費と返 品物流費が それ ぞ れ
40
% で あっ た. ま た,算 定 範 囲は販売 だ け が22% で 最も多く, 全 領 域 と調 達 社 内・販 売 が それ ぞれ10
% 以上 で あり, そ の他38
.3
% は各企 業の 物流特性に よっ て領 域 が 相 違 して い る こ とか ら高い比 重 を示 して い る.
ま た,物 流費算 定 の た め の 電 算 化 水 準は を み る と, 大 部 分 及び 一部の 作 業 にコ ン ピ
ュ ータ を 活 用 して い る 企 業は調査企 業の 約
65
% に達 し て い る.こ れ らの 企業で はEXCEL ,LOTUS
な どOA
用 プロ グラ ム の 使用 が55
% で 最 も多く, こ の際 「物 流 費 算 定 用プ ロ グラ ム の 開 発 に よ って ホス ト・コ ン ピ ュ ータ に連結 し全社 的運用 」は 27% , ま た 「物流部門 内の コ ンピュ ータ で 専
用 プロ グラ ム の 開 発 と運 用 」 は 11% で あっ た.一方, 手 作業 に よっ て物流費を算定 して い る 企 業 も
35
.5% に 達 し た ため, 今 後物 流費情 報 シ ス テ ム の 構 築 に関 連 し簡 便 的 かつ 低 廉 した物 流 費 算 定用 プロ グラ ム の 開 発 と普 及が 重要 な 課 題の 一つ で ある.(5)一方, IMA の SMA No .4P ,
No
.41 , No .4K を基に韓 国の 主要製 造企業 を対象に調査 し分 析し た陸 [
23
]の 調査結 果に よ る と, 多品種 ・少量 ・多頻度 物流が 近年進展さ れ物流費が増大 している こ と を確認 し た.物流原 価 計算で は 目的 別 原 価計 算の 時調 査 企業の 1/4 が ライフ サ イク ル原 価の概 念を認識 して お り, 機 能別 原 価計算にお い て活 動基 準 原 価計 算(
ABC
)の 導入は約10
% で あ り,保管・倉 庫 部 門 が 運 送部門 よ り導入 が多かっ た.こ れ か らの 改善方 案 とし て ,物流費の 原価 計算 と予算編 成 の た め活 動基準 原価計 算を積極 的
に 導入 する こ と, 伝 統的 な 計算 方式で は なく価 値連鎖分 析, コ ス ト ドラ イバ ー分析, 競 争優 位 分析などの 戦略的 原価 管理 技 法が 必要で ある こ と, さ らに サ プラ イ チ ェ ーン の 全体に よ る業 績 評価に焦点 と絞 るべ きで ある と提 示 した.
3
. 物 流 費 管理 の実 態分 析3
.1
調 査の 概 要今までの 調査は , 前述し た よ うに物流費 ,物流管理 ない し物流費 管理 に対 して行われ たが ,
こ れ らの調 査 が 物 流費管 理 の 最 高 目標で ある原 価 低 減に役 立つ と と も に, 近 年 急 変 す る内 外の 物 流 及 び経営 環 竟に対応する た め に は物流費の算 定よ り む し ろ管理 に中 心 を置い た 調査が必 要
と さ れる. これ か ら本 研 究の た め 実 施 さ れ た 調 査 目 的 は.韓 国 企 業の 物 流費管 理 シ ス テ ム を構 築 する た め物流 費管理 シ ス テ ム の実態把握と物 流 費 低 減の た め, 新 原 価 管 理 及 び経 営 管 理 技 法 の 適 用 に関 する基礎デ ータを提 供する こ とである.
調 査対 象は , 韓 国 で物流費水 準 及び管 理水 準が 比較的高い 食料 ・医薬 品, 繊 維 ・化学, 金 属 ・非金属, 電気 ・機械の 業 種に属す る上場企 業
398
社であ り, 調査期 間は1999
年6
月1 日 か ら6
月20 日であ る.調 査 内 容は , 物 流 費の会 計 処 理,物 流 原 価 計 算,物 流 予 算 管 理, 物 流 採 算 分析, 新 物流費管理技 法及 び新 物流 管理技 法, 物流費 算定 基準の実 態調査で あっ た.調査の結果 ,回答企業数は