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22 第 3 回阪大本番レベル模試 生物 採点基準
【統一事項】
1.設問文の指示について
・設問文の指示に従っていない場合には適宜減点する。
2.空欄補充・用語記述問題
・生物学用語について誤字・脱字がある場合→×(0点)
・教科書で一般に漢字表記の用語をひらがなで書いてある場合→○(できれば赤で訂正)
・不要な要素を含んで解答した場合→×(0点) 例: 腺という →内分泌○,内分泌腺×
・生物学用語で複数の表記,カタカナ表記の異体がある場合は,それぞれ正答とする(表記に ついては教科書や生物学辞典などを参照する)。
例1:腎細管○,細尿管○,尿細管○
例2:チロキシン○,サイロキシン○,甲状腺ホルモン○
3.論述問題
(1) 論述内の誤字について
・生物学用語についての誤字がある場合
→誤字部分に下線を引き,誤字2つにつき-1点とする(できれば赤で訂正)。
ただし,ひらがなで正しく書いてある場合は減点しない。
・一般の誤字がある場合→減点はしない。
ただし,あまりに多いようであれば適宜減点する。
(2) 加点・減点について
・ある現象が起こるしくみや反応の経路などを順序立てて説明する設問では,個々の反応が すべて正しく書けていても,説明の順序が誤っている場合は加点しない。
例:A→B→C→Dの順に起こる反応を,A→B→D→C の順で書いた場合,D→C 部分 は加点しない。
・文章が未完成の場合でも,加点部分があれば適宜加点する。未完成部分は減点しない(た だし,満点にならないように考慮すること)。
・文章として成立していない,意味が通らない部分は,加点・減点の対象としない。
2 / 9 4. 選択肢問題(番号・記号で解答する問題)
(1) 解答に正答しか含まれていない場合→正答数に応じて加点する。
例1:正答数が2つ(aとcが正答で「1点×2=2点」)のとき解答が『a』ならば
→『a』として加点1点とする。
例2:正答数が2つ(aとcが正答で「2点×2=4点」)のとき解答が『a』ならば
→『a』として加点2点とする。
(2) 解答に正答と誤答が含まれている場合
→正答は正答数に応じて加点,誤答は0点まで1点ずつ減点する。
例1:正答数が2つ(a,cが正答で「1点×2=2点」)のとき解答が『a,b』ならば
→『a,b』として1点加点,1点減点して全体で0点とする。
例2:正答数が3つ(a,c,dが正答で「2点×3=6点」)のとき解答が『a,b,c』な
らば
→『a,b,c』として4点加点,1点減点して全体で3点とする。
例3:正答数が2つ(a,cが正答で「1点×2=2点」)のとき解答が『a,b,c』ならば
→『a,b,c』として2点加点,1点減点して全体で1点とする。
例4:正答数が2つ(a,cが正答で「1点×2=2点」)のとき解答数が5つならば
→『a,b,c,d,e』とし,2点加点,2点減点して全体で0点とする。
(3) 配点が「完全解答○点」のとき→正答のみをすべて解答していた場合のみ加点する。
例:正答数が2つ(aとcが正答で「完全解答2点」)のとき解答が『a』ならば
→『a』として0点とする。
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〔1〕(配点25点)
問1:(1点×10=10点) ア:明帯(「I帯」でも可) イ:暗帯(「A帯」でも可)
ウ:Z膜(「Z盤」,「Z板」,「Z帯」,「Z線」でも可) エ:サルコメア(「筋節」でも可)
オ:トロポミオシン カ:トロポニン キ:筋小胞体
ク:カルシウムイオン(「Ca2+」でも可) ケ:細胞骨格
コ:モータータンパク質 問2:(1点×3=3点)
イ,b,c 問3:
(1) (2点) 1.6 µm (2) (2点)
0.3 µm
・「0.25 µm」は1点与える。
問4:(2点)
プログラム細胞死(「プログラムされた細胞死」でも可) 問5:(6点)
アポトーシスは,①生じた死細胞の細胞外に露出した物質Aが②筋芽細胞の細胞外で受容体 Bに結合し,③細胞内では物質Cが結合することで,④筋分化を促進するはたらきを持つ。(78 字)
・下線部①:1点,下線部②・③:各2点,下線部④:1点
・下線部①:「死細胞(アポトーシスを起こした細胞)の細胞外に物質Aが露出する」という内 容が書けていれば可。
・下線部②:「物質Aが筋芽細胞の細胞外(外側)で受容体Bに結合する」という内容が書けて いれば可。
・下線部③:「物質Cが筋芽細胞の細胞内(内側)で受容体Bに結合する」という内容が書けて いれば可。
・下線部④:「アポトーシスは筋分化を促進する」,「アポトーシスは筋芽細胞の融合を促進す る」等の内容が書けていれば可。
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〔2〕(配点25点)
問1:(6点)
①1回目の抗原侵入時に増殖したB細胞やヘルパーT細胞の一部が記憶細胞として体内に残 り,②2回目以降の同一抗原の侵入時には記憶細胞が短期間に増殖し,③生じた抗体産生細胞に より急速に多量の抗体が産生されるから。(100字)
・下線部①~③:各2点
・下線部①:「1回目の抗原侵入時(一次応答の際)に増殖したB細胞やT細胞の一部が(記憶細 胞になる)」という内容で1点。「記憶細胞は体内に残る」という内容で1点,
・下線部②:「2 回目以降の同一抗原の侵入時(二次応答の際)には記憶細胞が速やかに増殖す る」という内容が書けていれば可。
・下線部③:「抗体が急速に(すばやく,短時間で)産生される」という内容で1点,「抗体が多 量(大量)に産生される」という内容で1点。
問2:(1点×7=7点)
ア:免疫グロブリン(「イムノグロブリン」でも可) イ:H(「重」でも可)
ウ:L(「軽」でも可)
エ:S-S (「ジスルフィド」でも可) オ:可変
カ:造血幹 キ:利根川進
問3:(4点)
①血清2 には抗原Xと特異的に結合する抗体が含まれるが抗原Yと特異的に結合する抗体 は含まれないため,②血清2 から拡散した抗体と溶液Xから拡散した抗原Xが最適な濃度比 になった部位でのみ大きな抗原抗体複合体が形成されたから。(107字)
・下線部①・②:各2点
・下線部①:「血清2には抗原Xと特異的に結合する抗体(抗原Xの抗体,抗X抗体)が含まれ る」という内容で1点,「血清2には抗原Yと特異的に結合する抗体(抗原Yの抗体,抗Y 抗体)は含まれない」という内容で1点。
・下線部②:「血清2から拡散した抗体と溶液 Xから拡散した抗原Xが最適な濃度比になっ た部位で大きな抗原抗体複合体が形成される(血清2を入れた穴と溶液Xを入れた穴との間 で抗体と抗原Xによる大きな抗原抗体複合体が形成される)」という内容で1 点,「のみ」
という意味合い(「血清2を入れた穴と溶液Yを入れた穴との間では抗原抗体複合体が形成 されない」等でも可)で1点。
問4:(完全解答2点)
穴b:溶液X 穴c:溶液Y 穴d:血清3 問5:((1) 2点,(2) 2点)
5 / 9 (1) 17人 (2) 9人
問6:(2点) 60人
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〔3〕(配点25点)
問1:(1点×7=7点) ア:雄原
イ:極核 ウ:胚乳 エ:重複受精
オ:胚球(「球状胚」でも可) カ:子葉
キ:アブシシン酸(「アブシジン酸」,「ABA」でも可) 問2:
(1) (7点) 指定語句:ジベレリン,デンプン,糖,アミラーゼ
①胚で合成されたジベレリンが②糊粉層に作用して③アミラーゼの合成を促進する。④アミラ ーゼは胚乳で⑤デンプンを分解し,⑥生じた糖は胚に吸収される。⑦胚の細胞で吸水や呼吸が促 進されて胚が成長し,発芽が起こる。(95字)
・下線部①~⑦:各1点
・下線部①:「胚でジベレリンが合成される(胚がジベレリンを分泌する,ジベレリンが胚から 分泌される)」という内容が書けていれば可。
・下線部②:「ジベレリンが糊粉層(の細胞)に作用する」という内容が書けていれば可。
・下線部③:「ジベレリンがアミラーゼの合成を促進する」という内容が書けていれば可。「ア ミラーゼの合成を促進」は,「アミラーゼ遺伝子の転写を促進」,「アミラーゼ遺伝子の発現 を誘導」,「アミラーゼの合成を誘導」,「アミラーゼの発現を誘導」等でも可。
・下線部④:「アミラーゼは胚乳で働く(胚乳に分泌される)」という内容が書けていれば可。
・下線部⑤:「アミラーゼはデンプンを分解する」という内容が書けていれば可。
・下線部⑥:「(デンプンの分解で)生じた糖は胚に吸収される(胚に供給される)」という内容が 書けていれば可。
・下線部⑦:発芽の過程として「糖を利用して胚が成長する」という内容が書けていれば可。
「糖が胚の栄養分として利用される」,「胚の細胞で吸水や呼吸が促進される」,「糖が呼吸基 質に用いられる」,「糖が発芽のエネルギー源として利用される」等の表現・内容でも可。
・指定語句がない場合は1つの語につき-1点。
(2) (1点×2=2点)
ク:フィトクロム(「ファイトクロム」でも可)
ケ:Pfr(「PFR」,「Pfr」,「遠赤色光吸収」,「近赤外光吸収」でも可) 問3:(完全解答1点×3=3点)
a:(4) b:(1),(3) c:(2)
7 / 9 問4:(3点)
タンパク質AがGA受容体に結合するためには,ジベレリンがGA受容体に結合している 必要があるから。(48字)
・「②ではジベレリンがGA受容体に結合しているが,①ではジベレリンがGA受容体に結合 していないから。」でも可。
・「②ではジベレリンが存在しているが,①ではジベレリンが存在していないから。」,「タンパ ク質AがGA受容体に結合するためにはジベレリンの存在が必要であるから。」等の「ジベレ リンとGA受容体との結合」についての言及がない場合は1点。
問5:(3点)
④では,タンパク質 BがGA 受容体に結合したタンパク質Aの分解を促進したから。(38 字)
・「(④では)タンパク質Bがタンパク質Aの分解を促進した」という内容で1点,「(タンパク 質Bは)GA受容体に結合したタンパク質Aにはたらく」という内容で2点。
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〔4〕(配点25点)
問1:(1点×2=2点) ア:100
イ:0.1 問2:
(1) (3点)
①アドレナリンは副腎髄質から分泌され,②肝臓でグリコーゲンの分解を促進する。
・下線部①:1点,下線部②:2点
・下線部②:「肝臓(や筋肉)で」という内容で1点,「グリコーゲンの分解を促進する(グリコー ゲンをグルコースに分解する)」という内容で1点。
(2) (3点)
①糖質コルチコイドは副腎皮質から分泌され,②組織中のタンパク質からグルコースを合成 する反応を促進する。
・下線部①:1点,下線部②:2点
・下線部②:「(組織の)タンパク質からのグルコース(糖)の合成を促進する」という内容が書け ていれば可。「タンパク質を分解して糖新生を促進する」でも可。
問3:(3点)
1 型糖尿病は,①ランゲルハンス島のB細胞が自身の免疫反応によって破壊され,②インス リンが分泌されなくなることで起こる。
・下線部①:2点,下線部②:1点
・下線部①:「(すい臓の)ランゲルハンス島のB細胞が破壊される」という内容で1点,「自身 の免疫反応によって(自己免疫によって,自己免疫疾患によって)」という内容で1点。
・下線部②:「インスリンの分泌が(ほとんど)起こらなくなる」という内容が書けていれば可。
問4:
(1) (3点)
①モノカルボン酸トランスポーターによってA細胞内に取り込まれた②ピルビン酸を基質と してクエン酸回路と電子伝達系が進行し,③A細胞内のATP合成が促進される。
・下線部①~③:各1点
・下線部①:「ピルビン酸は,モノカルボン酸トランスポーターによってA細胞内に取り込ま れる」という内容が書けていれば可。
・下線部②:「(A 細胞内で)ピルビン酸を用いてクエン酸回路と電子伝達系が進行する」とい う内容が書けていれば可。「クエン酸回路と電子伝達系」は「呼吸の反応」等でも可。
(2) (3点)
A細胞内でATP合成が促進されると,グルカゴンの分泌が促進される。
・「ATP合成が促進される」は「ATP合成速度が上昇する」,「ATP合成量が増加する」等で
9 / 9 も可。
・「グルカゴンの分泌が促進される」は「グルカゴンの分泌量が増加する」等でも可。
問5:(2点)
血糖値が上昇したときのA細胞からのグルカゴンの分泌は,B細胞によって抑制される。
・下線部の内容が書けていれば可。
問6:(6点)
①血糖値の上昇によりA細胞からのグルカゴンの分泌が促進されるが,②B細胞からインス リンと同時に分泌されるZn2+が③A細胞に作用してグルカゴンの分泌を抑制するから。
・下線部①~③:各2点
・下線部①:「血糖値が上昇すると(A細胞内にグルコースが取り込まれて呼吸の反応が促進さ れてATP濃度が上昇し,)A細胞からのグルカゴンの分泌が促進される」という内容が書け ていれば可。
・下線部②:「(血糖値が上昇すると)B細胞からインスリンと同時にZn2+が分泌される」とい う内容が書けていれば可。
・下線部③:「Zn2+がA細胞に作用してグルカゴンの分泌を抑制する」という内容が書けてい れば可。