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PDF 排便管理についての共通認識を医療職種間で 持つことで便秘を減らす試み —集中治療領域での便秘のフロ チャ ト作成

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活動報告

排便管理 に つ い て の 共通認識 を 医療職種間で 持つ こ と で便秘 を 減 ら す試み

— 集中治療領域で の 便秘 の フ ロ

チ ャ

ト 作成

西村雄二

1)

白戸美希

2 )

野 田 怜

3 )

江 口考明

4 )

大阪府済生会中津病院 栄養部1) 薬剤部2) 心臓血管外科3) 消化器内科4)

和文抄録

便秘は集中治療室に入室される患者に高頻度でみられる。しかし, 便秘はありふれた症状として容認さ れ, 速やかに対応されていない例が見受けられる。便秘の共通認識を持つことを目的に, 集中治療室に人 室する患者を対象に便秘のフロチ ャトを作成したので報告する。フロチ ャトを活用することで,

患者に適した排便管理を行うことはもとより, 医療職種間での便秘に対する意識が高まり, 理解がより深 まることを期待する。

Key word : 便秘 エ ロ ビキ シバ ッ ト ポ リ エ チ レ ン グ リ コル4000

I . 背景 ( は じ め に)

便秘とは,「本米体外に排出すべき糞便を十分量か つ快適に排出できない状態」 と本邦ガイドラインにお いて定義されている1 )。便秘の診断埜準は国 際的に

Roma Nの機能性便秘の診断基準が知られており,

「排便回数が週に3回未満」 であることが項目の ひと つに明記されている2 )。だが, 排便回数だけ でなく,

便の状態や様々な症状を含めて便秘と診断することが 必要である。

便秘は加齢とともに増加し, 厚生労働省の 「2019

国民生活基礎調査」 によると, 便秘と 自 覚していると 答えた割合は65歳以上の女性で72.3%, 65歳以上の男

性で64.1%と高齢者の過半数が排便に対する問題を感 じている3 )。また, 便秘の発生頻度は健常者で2 -27%,

集中治療室に入室される患者においては69.9%と報告

されており汽 集巾冶療領域において高頻度でみられ る。

近年, 国内外の主要なガイドライン6-8)では、 重症患 者に対して集巾治療入室後24~48時間以内に早期経腸

栄養を開始することが推奨されている。その方, 早 期に経腸栄養を開始すると消化管運動低下による胃内 容停滞や便秘など消化管トラ ブルを生 じることは少な 受付 け : 令和 5 年331

くない。しかし, 便秘はありふれた消化器症状であり,

下痢や腹痛と比較しても容認され, 速やかに対応され ていない例が見受けられる。特に経腸栄養を行う上で,

麻痺性イ レ ウ スだけでなく便秘に伴う消化管トラ ブル の発症は通過障害になりえるため, 早期経腸栄養導入 の妨げとなり得る。したがって, 集中治療室に入室さ れる重症患者は器質性便秘だけでなく, 機能性便秘ヘ の管理は重要である。

しかしながら, ガイドラインでは便秘に対しての治 療方法は現時点で確立されておらず1), 当院において も便秘に対する緩下剤使用の判断基準が曖昧で, 統 化された介入がされていない現状に注目した。

今回, 集中治療領域における排便管理についての共 通認識を医療職種間で持つ必要性を感 じ, 医師, 薬剤 師と連携し便秘の評価と院内採用の緩下剤選択を栄養 ルト別に示した便秘のフロチ ャトを作成したの

で報告する。

I I . 対象お よ び方法

大阪府済生会 巾津病院の集巾治療領域に携わる薬剤 師と複数診療科の医師に相談し, 管理栄養士が中心と なり集中治療室に入室する患者を対象とした便秘のフ ロチ ャトを作成した(図1 )20233月 , 当院

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(2)

堡 ス メ ン ト

3 日 以上の排便マ イ ナ ス or 腹部膨満あ り

`

イ レ ウ ス予防目的に大建中湯投与を検討

---·

( な し ) 大騒f窄疑い 大腸内視鏡検査

経腸栄養管理

(経口摂取)

経腸栄養管理

(経管投与)

静脈栄養管理

(輸液管理)

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効果が不十分の湯合や今後の定期処方 に つ い て の相 談 は 吋肖化器内科 に コ ン サ ルも し く は病棟薬剤師ICU (602 1 ) • CCU(6023)

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図1 . 便秘のフ ロチ ャ

集中治療室運営委員会 で承認を得て, ICUとCCU で 導入した。

Ill. フ ロチ ャ ト の説明 と 当 院で の取 り 組み 当院で行っている便秘時の介入について以下に示す。

【栄養 ア セ ス メ ン ト (腸管評価) 】

重症患者への早期経腸栄養の開始が推奨されている。

消化管トラ ブルのリスクを減らすため経腸栄養開始前 の排便管理は重要である。当院では2022年 5 月 から早 期栄養介人管理加算を算定しており, 集中治療室に入 室する患者に栄養スクリニング ・ アセスメントの つとして看護師、 管理栄養士による腸管機能の評価を 開始した。腸管評価の項目として腸嬬動音の聴取, 腹 部膨満の有無, 消化器症状, 排便状況をそれぞれ 1 日 3 回以上観察している。それぞれの項目を下記に示す。

腸嬬動音には「正常J 「減少J 「几進」「消失」 の4 つの分類がある。般的に便秘を疑う場合は腸蟷動音 が弱く, 反対に下痢では冗進している傾向がみられ,

稀に異常音が聴取できれば何らかの異常の可能性を早 期に発見でき, 判断するうえで参考となる。

腹部膨満の有無は視診 ・ 触診を行っている。主に腹

部膨満は消化管の蟷動運動低下により消化物やガスが 溜まっている場合, 便秘を判断するうえで参考となる。

なかには, 腹水の貯溜などが原囚になっている場合も ある。

消化器症状は主に嘔気, 嘔吐, 腹痛等の観察を行っ ている。嘔気, 嘔吐は便秘により腸嬬動が減少し, 腸 液が消 化管に貯溜しやすくなり, 嘔気や嘔吐を誘発す ると考えられている。腹痛は便秘により腸管の内圧が 上がって痛みを感 じることがあり, 結果, 食思不振に つながる場合があるため便秘を判断するうえで参考と なる。

排便状況は排便の有無と便性状の観察を行っている。

便性状は 世 界的な基準 であるBristol Stool Form

Scale9 )のスコアを 用いて, 客勧的指標から便性状を

評価し, 緩下剤の開始 ・ 調整を判断するうえで参考と なる。

以上が早期に経腸栄養を行ううえで重要となる項目 であるとともに排便管理についても軍要な項目となる。

そこで得られた情報をもとに医師, 薬剤師, 看護師等 と カ ンファ レンスを実施し, 適切な緩下剤の選択につ

(3)

済生会中津年報 33巻 2号 2 0 2 2

なげることが肝要である。

【栄養ル ト 】

栄養ルトは経腸栄養の経口摂取, 経腸栄養の経管 投与, 静脈栄養の 3 群に分けて示している。経 口摂取 と経管投与で管理をしている患者を分けたのは, 内服 のしやすさに違いがあるからである。また, 今回, 3 群それぞれに排便が 3 日 間褐られない場合は緩下剤の 開始を検討するよう統した。腸管上皮細胞の寿命は 3-5 日 間と体内 で最も 短く[O), 食事を摂取していなく ても寿命を迎えた細胞が剥がれ落 ち るため腸管を使用 していない静脈栄蓑の患者においても定期的な排便が 必要である。そのため静脈栄養患者においても 腸管を 使用した栄養管理をしている他の 2群と同様の対応と した。

【薬剤の選択】

便秘の症状を訴える患者の対応として塩類下剤や刺 激性下剤を頻用される傾向があるが, 便秘の原因 ・ 症 状によって用いられる緩下剤は異なるため画的な選 択にならないよう, 患者の病態やその背景を理解し,

最新の診療ガイドラインなどを参考に新薬の使い分け 等について検討する必要がある。今回, 便秘のフロ チ ャトで示した経腸栄養の第選択肢である緩下剤 について紹介する。

経腸栄養(経口摂取) で示したエ ロビ キ シ バット (elobixibat )は回腸末端の上皮細胞管腔側に発現して いる胆汁酸トランスポの阻害薬であり, 大腸管 腔内に流入する胆汁酸の量を増加させる。胆汁酸には,

大腸管腔内に水分およ び電解質を分泌させ便を軟らか くし, さらに消化管運動を冗進させる作 用がある叫 便が硬く, 腸蟷動が低下し, 腹部膨満がみられる患者 に有効であると考えられる。副作用として, 腹痛, 下 痢が知られている方, 有害事象の頻度は低く, 慢性 便秘症患者の初期診療として, エロビキ シ バットは使 用しやすい緩下剤であるとも報告されている12)

糖類下剤のラク ッ ロスは合成二糖であり, 消化酵 素によって代謝されないため, 高浸透圧となり, 効果 発現時間は内服後24-48時間後に排便効果が期待され る。米国消化器病学会の便秘診断ガイドラインでは排 便回数と硬便を改善するのに有効性が示されている13) かつ, 消化管運動機能改善薬として モ サ プリドクエン 酸塩や大建中湯を上記薬剤と併 用することにより, 特 に腸管蟷動の低下を伴いやすいICU患者の腸管嬬動改 善に寄与すると考える。

図 1の「経腸栄養管理「経管投与」」 で示した浸透 圧性下剤のポリエチ レ ングリコル (polyethylene glycol : 以下PEG )は経口腸管洗浄薬として, 腸管内 容物の排除を行い, 服後48時間後に下剤効果が期待さ れる。主成分となる高分子量のPEGは, 浸透圧によっ て腸管内の水分量を増加させる。この作用によって便 中の水分量が増加し, 便の軟化や便容積の増大が引き 起こされ, 大腸の蛸動運動が冗進することで排便が促 され, 腸管内の水分増加に伴 い滑らかな排便が促され ることにより, 便秘の改善効果が期待できる。また本 剤にはPEGに加え, 無機塩類が配合されているが,

これらは腸内の電解質バランスを維持し便中の浸透圧 を保持する目的で添加されている14)。欧米では慢性便 秘症の治療薬として最も使用されており, 米国消化器 病学会の便秘診断ガイドラインでも有効性が示されて いる13)。特に液体性薬剤であるので経口よりも経管投 与患者への適応性が高く, 当 院フロチ ャトでも経 管投与できる患者への初期診療にした。

また, これらの初期診療に対応不可能な場合に, 3 群それぞれに次の選択肢を用意した。これによって従 来なら次治療で難渋した場合に見られた過剰な追加 投与を抑制することができるようになり, 医師 ・ 看護 師の二次対応への悩みを少なくすることに繋がると考 えた。特に経口摂取患者においては選択肢の幅が多く,

患者の症状 • 原因に対して選ぶことが可能なフロチャ トにしている。

以上, 当 院の便秘フロチ ャトに示した緩下剤の

部と, その意義について紹介した。しかし, 使い慣 れていない新薬を始める際は副作用や 自 己負担の増加 について薬剤師との連携が望まれる。また, 便秘の原 因には薬の副作 用によるものが多いことを認識してお くことも重要である。

【 コ ン サ ル テシ ョ ン】

図 1で示した便秘のフロチ ャトを参考に排便が 得られた後の定期処方についで悩む場合や, 緩下剤の 反応が乏しい場合など, 排便管理が困難な患者に対し て専門の診療科やスタッフヘのコンサルテションが 早期かっ 円滑に行われることを期待する。

IV. 結語

便秘には患者の病態 腸管機能の評価, 栄養ルト,

薬剤の種類や組み合わせ等を合わせた総合的な視点で 日 々, 栄養アセスメントを行なうことが集中冶療領域 の排便管理には甫要であると考える。なら びに, 今回

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(4)

作成 し た便秘の フ ロ ー チ ャ ー ト を活用 す る こ と に よ り , 患者 に 適 し た 排便管理を行 う こ と は も と よ り , 医療職 種間で の 便秘 に 対す る 意識が高 ま り , 理解が よ り 深 ま

る こ と を期待す る 。

便秘 の フ ロ ー チ ャ ー ト 作成 に ご協力 い た だ い た 皆様 に 深謝致 し ま す。

引 用 文 献

1 ) 日 本消化器病学会関連研究会/慢性便秘の診断 ・ 治療研 究会 : 慢性便秘症診療 ガ イ ド ラ イ ン 2017初版, 南江堂,

東京, 2017

2 ) Lacy BE, Mearin F, Chang L, et al: Bowel disor­

ders. Gastroenterology, 2016, 150: 1393-1407 3 ) 2019年国民生活甚礎調査の概況 第 9 表 性 ・ 年齢階級 ・

症状 (複数回答) 別 に み た 世帯人員 ・ 有訴者数 ・ 有訴 者率 (人 口千対) , 厚生労働省. https://www.mhlw.go.

jp/toukei/saikin/hw /k-tyosa/k-tyosa19/ dl/14.pdf ,

(参照 2023-2-28)

4 ) Higgins PD, Johanson JF,: Epidemiology of consti­

pation in North America: a systematic review. Of­

ficial journal of the American College of Gastro­

enterology ACG, 2004. 99: 750-759

5 ) Nassar Jr, Antonio P, de Cleva R, et al: Constipa­

tion in intensive care unit: incidence and risk fac­

tors. Journal of critical care, 2009. 24: 630, e9-630, e12

6 ) McClave SA, Taylor BE, Martindale RG, et al:

Guidelines for the provision and assessment of nu­

trition support therapy in the adult critically ill patient: Society of Critical Care Medicine (SCCM) and American Society for Parenteral and Enteral Nutrition (ASPEN). JPEN. Journal of parenteral and enteral nutrition, 2016. 40: 159-211

7 ) Singer P, Blaser AR, Berger MM, et al: ESPEN guideline on clinical nutrition in the intensive care unit. Clinical nutrition, 2019. 38: 48-79

8 ) 日 本集中治療医学会重症患者 の 栄養管理 ガ イ ド ラ イ ン 作成委員会 日 本版重症患者の栄養療法 ガ イ ド ラ イ ン .

日 集中医誌 2016. 23: 185-281

9 ) Heaton KW, Ghosh S, Braddon FE,: How bad are the symptoms and bowel dysfunction of patients with the irritable bowel syndrome? A prospective, controlled study with emphasis on stool form. Gut, 1991. 32: 73-79

10) 岩永敏彦, 腸上皮細胞 の細胞死 と そ の 排除. 医学 の あ ゆ み, 2008. 225: 507-510

11) 持 田製薬株式会社 : グフ ィ ス®錠5mg 添付文書 2022 年 4月 改訂 (第 2 版) . https://pins.japic.or.jp/pdf/new PINS/00067272.pdf, (参照 2023-2-28)

12) Eguchi T, Yoshizaki T, Ikeoka S, et al: Real-world comparison of elobixibat and lubiprostone treat­

ment in patients with chronic constipation: a pro­

pensity score-matched analysis. Digestive Diseases, 2021. 39: 341-350

13) Ford, AC, Suares NC,: Effect of laxatives and pharmacological therapies in chronic idiopathic constipation: systematic review and meta-analysis.

Gut, 2011. 60: 209-218

14) 持 田製薬株式会社 : モ ビ コ®配合内用剤 informa­

tion. https : // med. mochida. co. jp/medicaldomain/

gastroenterology / mo vi col / info / mechanism.html ,

(参照 2023-2-28)

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済生会中津年報 33巻 2号 2 0 2 2

An attempt to reduce constipation by sharing a common understanding of constipation management among

medical professionals

- Creation of a flowchart for constipation in the intensive care unit -

Constipation occurs more frequently in patients hospitalized in the intensive care unit. However, con­

stipation is often accepted as a common symptom and not promptly treated. We report a flowchart of constipation in patients hospitalized in the intensive care unit, with the aim of establishing a common understanding of constipation. It is hoped that the flowchart will not only help to provide appropriate defecation management for the patient, but also increase awareness and understanding of constipation among medical professionals.

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Referensi

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