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netsu kokan purosesu no dotokusei ni kansuru kairoronteki shiten ni motozuku kosatsu

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記号表

第1章 序論

IV 1 1 1 1 1 1 本研究の目的………1 2 従来の熱交換器のモデル化に関する研究………2  1・2・1 単体の熱交換器の特性評価………2  1・2・2 最適な熱交換器網の生成………10 3 熱交換器の動特性モデルに関する課題………12 4 本論文の概要………12 第2章 回路論的モデル化の概要………17 2・1 回路論的視点の歴史………17 2・2 熱交換プロセスの動特性モデル………21    2・2・1 回路論的視点の熱一流体系への適用………22    2・2・2 流通量と位差量………22    2・2・3 熱系の特殊性………25 2・3 熱交換器の回路論的モデルの概要………27 第3章 熱交換器の動特性解析………31 3・1 熱交換器の分類………31 3・2 基礎式の導出………34    3・2・1 集中定数系にもとづく解析………34    3・2・2 分布定数系にもとづく解析………39 3・3 動特性の算定例………43 3・5 本章のまとめ………51 第4章 熱交換器の動特性実験。。………53 4・1 熱交換器の動特性実験………53   4・1・1 実験の概要………53 ■−

(4)

4・1・2 実験結果 ………65 4・2 本章のまとめ………66 第5章 熱交換器の回路論的モデル………71 5・1 熱交換器の基本的な回路論的モデル………71    5・1・1 基本的な回路論的モデルの導出………71    5・1・2 内部アドミタンスによる特性評価。。………79 5・2 モデルの拡張………97    5・2・1 熱伝達に関わる副次的要素………97    5・2・2 熱交換プロセスに付帯する要素………101 5・3 本章のまとめ………103 第6章 熱交換器の動特性を支配する要因について………lo5 6・1 概要………105 6・2 熱交換器の時定数と内部アドミタンスの関係………106 6・3 熱交換器の形状と周波数特性………107    6・3・1 熱交換器の概要と基礎式………109    6・3・2 算定パラメータ………115    6・3・3 算定結果………116    6・3・4 回路論的視点からの評価………119 6・4 本章のまとめ………126 第7章 熱交換器群の接続形態と動特性………129 7・1 概要………129

2 並列系

131 7・2・1 実験の概要………132 7・2・2 接続管路の位置づけ………141 7・2・3 接続管路のモデル化………141 ■− ÷− | 7 2・5 並列系の設計指針

7・3 直列系

7・3・3 直列系の設計指針

第8章 結論…………

謝辞 研究業績 目 ・ − − 一 一 150 153 …………161 171 180 7・2・4 並列系のモデル化………145 7・3・1 実験の概要………153 7・3・2 直列系のモデル化………160 7・4 回路論的モデルの拡張とその適用範囲………167 7・5 本章のまとめ………170 参考文献………175

(5)

おもな記号 A a C ら G力 瓦石

油持尺た

ST 「 じ a VW xy T αj pθ で 添字 AC LP V 1 恬然面積 単位長さ当たりの伝悠胆積 悠容量 定圧比悠 流量 比エンタルピー 悠遠過半 悠交換器の淡路方向長さ ヌッセルト数 プラントル牧 水流量配分比 レイノルズ数 ラプラス演算子 滞留時間比 時間 単位長さ当たりの悠伝達半 比内部エネルギー 容積 質量 体格比 悠交換器の内部アドミタンス 悠遠過半の変動影響項 熱伝達率 定常値からの変動分 比容積 温度 滞留時間 然交換器A B 並列系と等価な単体 h の熱交換器 系人口 浪相部 管路 気相部 熱交換器人[]側 HE OS W2 IV    [ 「]   [m2/m]   [kJ/K] [kJ/kg K]   [kg/s]   [kJ/kg] [kW/ 「K]    [ml 目

[kW/m2K]   [kJ/kg]    [ 「]    [kg]     [-] [(kg/s)/K]     [-] [kW/ 「K] [ 「/kg] 11℃D E 熱交換器R エンタルピー基準の蓄熱容量 熱交換器 系出□ 水蒸気 本 然交換器出□側 1

1 本研究の目的

第1章 序論

 本論文では,熱交換プロセスの中核的位一置にあるシェルアンドチューブ式熱交換 器を対象に,動特性およびそれを支配する要因の特性を解明レ 回路論的視点にも とづいてモデル化するひとつの手法を明らかにするとともに,複数の熱交換器をさ まざまに接続した系(熱交換器=1洋)への適用可能性を論じている.  シェルアンドチューブ式熱交換器は構造的にも簡単で,かつ,堅牢なためプロセ ス産業において最も広く使用されている.本研究で行った一連の実験・検討は,具 体的な対象としてシェルアンドチュープ式熱交換器を扱っているが,ここで得られ たモデル化の手法は,この形式の熱交換器のみを対象とするものではなく,広くー・ 般性を有し,他の形式の熱交換器への拡張が可能である.  熱交換器群の特性を評価するには,熱交換器およびその接続部を構成するそれぞ れの要素モデルの近似精度が,十分要求を満たすことが必要である.そして,それ らの接続条件を与え接続部の特性を考慮することで,熱交換器群へのモデル化の展 開が可能となる.熱交換器の動特性において,基礎式の解析および近似式の導出に 対しては,さまざまな形式の熱交換器に対してすでに多くの研究がなされているが, それらを統一的に評価する手法を提示した研究は少ない.そこで本研究では,まず, 回路論的視点に立って熱交換器を一つのモジュールとして捉え,その要素特性を入, 出力端子特性として捉える.すなわち,熱交換プロセスの内部特性を回路論的に評 価し,その後に,明らかにした熱交換プロセスモデルを接続系としての熱交換器群 のモデル化へと適用を図り,そこで現れる接続系としての特性評価に関する問題点 を抽出している. 本研究の目的は具体的に以下のように述べることができる.

(口熱交換器の動特性を実験により確認し,簡易で統一的視点に立ったモデル化

   の手法を提示するための基礎式の検討を行う.

(6)

1 (2)(1)で得た基礎式を基に,回路端的視点に立って,すなわち,位差量一流    通量概念を用いて,さまざまな伝熱形態の熱交換器の動特性モデルを構築し,    その内部特性および拡張性について検討する. (3)複数の熱交換器からなる熱交換器群を対象に,熱交換器の接続形態に特有な   現象を実験によって明らかにするとともに,そのメカニズムを解明する.同   時に,熱交換器群の動特性への回路論的モデル化の手法の適用性を評価し,   その問題点を抽出する.

2 従来の熱交換器のモデル化に関する研究

 従来の無交換器のモデル化について,単体の特性評価の歴史と,複数の無交換器

からなる無文長谷網の最適な設計方法に関する研究についてここで述べる.

1 2・1 単体の熱交換器の特性評価  熱交換の現象を動特性の見地から捉え,自動制御の分野に初めて熱交換器が登場 したのは,1943年に発表されたProfosのボイラの過熱器に関する研究‘I'であると言 われている.彼は,管内を流れる蒸気と管壁との間の熱移動の基礎式を導き,ベク トル軌跡によって周波数特性を明らかにした.ついで,高橋らによって向流・並流 型の熱交換の動特性が解析され‘21゛,動特性は実験的にも確認された.これ以降,二 重管式熱交換器の動特性に関する研究は活発になり‘6)‘(12湘,シミュレーションや制御 問題についての研究が多数現れた(13).‘14.その後,さまざまな形式の熱交換器につい て幅広い研究,検討がなされている(1゛‘I“.

熱交換器内の温度は時問と場所の関数,つまり分布系であり,その基礎式は偏微

分方程式で表される.これは無次元の微分方程式であり,解析的に解くのは困難で

ある.一般に熱交換器の構造が複雑になるにしたがって理論式も非常に複雑になっ

てくるため,近似式を求める努力が数々行われてきてきた

なかでも分布定数系モ

デルを集中定数系モデルに置き換える方法は,放物型の偏微分方程式に対する基礎

       -2-一 的な研究として発展されてきている.近似された集中系モデルが備えるべき性質と しては,まず第‥-に,もとの分布系モデルの基本的性質をできるだけ保存している ことである.第二には,計算に便利なこと,特にできるだけ低次元であることが望 まれる.この2点は相反するがともに重要である.分割数,あるいは展間数を無│覗 大にしたときに厳密解に収束することが近似解の保証なのではなく,数項の近似表 現によってどこまで有効なのかを何らかの方法で確認しておく必要がある.嘉納は, これらの近似手法をおよそ次のように大別しているo9). 1 2 3 4 6 モデル対象をブラックボックスと仮定して,入,出力データに十分近い挙 動を持つ集中系モデルにマッチングさせる. 定式化の段階で分右足を集中屋に集約する. 偏微分方程式をより簡単な偏微分方程式で近似する. 分布定数系で伝達関数を導出した後,集中定数系の伝達関数に近似する. 偏微分方程式を常微分方程式で近似する. 偏微分方程式を代数方程式で近似する.

 1項の方法は,モデルをまったくのブラックボックスとしてヒューリスティック

に仮定してしまうので,単に,データにマッチするモデルのパラメータを決定する

問題となる.したがって,上に述べた近似モデルが備えるべき性質を議論できる惰

況にはないのでここでは取り扱わない.

 2項の方法は,本研究でも取り上げている熱交換器の集中定数系モデルヘの近似 手法であり,プロセス系ではよく用いられる手法である.系を記述する偏微分方程 式を作成するには,エネルギーおよび物質収支式を空間を分割した微小部分につい て計許し,その極限を取る.この場合の微小部分を単一の集中定数系として扱い, この微小部分を一つのセル(完全混合槽)と見なして計算し,有限個の分割で近似 モデルとする.具体例を,流動系のセルモデルについて示す.たとえば,壁温がθ,, である単管中を流れる流体の温度θについての偏微分方程式は,無次元化した流速, 3

(7)

熱伝達呻,熱伝4時を。,α,μとして, 洲 言言 洲 − ∂/ ∂哨

ペト貼トμ回

(o≦/≦1) (1-1) となる.これに対して,この単管をn等分したー-・つずっの部分を完全撹拝セルとし てその列を考える.拡散項の効果を完全撹拝であると近似すると,j1番目のセルの方 程式は, d0, -訴 +上(ei−0∩+卵卜θい=o頌  ∠k となる.ここに,&=㈲ 帥)

=θ(い,)とすると,

tl(・)=θ,(い,

列代(・)−z(1

=1 め ∠ゾyθ, 一一2 み2 式(1-3)を式(1-2)に代入して,A・4 0の極限を考えると式(1一司を得る 洲 一 +V

ズ+聯一則=

vふ∂2θ 一一I Jド 式(1-1)との比較から,      ∠tχ         1/   μ=『P ∴ ・2=刄 が求められ,拡散項と等しい効果をもつセルの列数,2が決まる. (1-2) (1-3) (1-4) 臣5) ところが,式(1-5)からもわかるように,n−い,すなわち,AX40となるとμ40と なり,拡散の効果が消えてしまう.つまりピストン流れに近づく.ゆえに,このモ デルは離散化誤差を小さくしようとすると,拡散項は無視されてしまう.そこで, MCSwainらは逆流セルモデルを提案し,適用範囲の拡大を図っている(゛.  3項は集中系モデルをっくることを意味するのではなく,次元低減化を分布定数 系の範囲内で進める方法で重要である.流体力学でのナビア・ストークスの方程式 が揺々の物理的,実験的考察から簡単化されていることや,摂動法を用いる近似手 法はこれに分類される.-一例を示す.Rosenbrockら‘211°は,Taylel-の理論に基づい 4 でに多管多シご,ル熱交換器などに対する近似モデルを開発した。これは。 &  _&  _  _ Å 涛 十万 ∂ / 十C.V=0 (l.・6) という形の連立偏微分方程式で表される系を,物理的な解釈によって単‥・の方程式 に帰着してしまう方法である.このために,次のように考える.管やシェル側にそ れぞれ流体が異なる流速で流れているが,熱の交換については,ある平均流速で艶 く断面内は平衡状態にあり,かつ,この面内では∂x/∂/の要素はすべて等しい値 をもつ.また,伝達項CXの要素の総和はOになるとする.このことは,断熱され た容器内では常に成り立つ.

この考えに基づいて熱交換プロセスをテーラー拡散モデルとして表現すると,系

の方程式は流体1,および流体2について

− 1 +y. +ら

一 一 一 一 al(θ2 ・謳 αla2 -馬 一 十α, 匹 +a

サ)

2 )3 (応 (Fj ̄V2 )2

了(犬引許

∂勺几 一 J /2 0-7) 庄8) (卜り)

訪烋

訪 -−-"lal ( “1+“: い い, 佃I 一所 ぷ叫 一所 となる.これを座標変換してまとめると, 啓 +1ノ.lj 啓 白 θ 内 二心十 ゜已十 となり,θ,にっいての拡散を含む方程式が得られる.式(1-9)によって,もとの θI,θ2が求められる.式(1-9)を与えられた境界条件に代入して∂1,θ2に対する境界 条件を得る

4頂は超越関数形の伝達関数を有理関数形で近似する千広である.この方法で性

(8)

       -5-る伝達関数は,元の系のパラメータを含んだ形である点が1項と異なる.高次の有 理関数を低次の有理関数に近似する.集中系における低次瓦化の手法と共通なもの が多い.例えば,Padd近似やSch6neによって考えられた漸近近似法23)が利用される. Padd近似は,むだ時間.'slのように,容易にテーラー展開可能な場合は簡単に適用で きるメリットがあるが,一般に分布系での伝達関数をテーラー展開するのは煩卸で ある.Pad6近似の問題点は,テーラー展開を有限項で打ち切るので,lslが大きい 部分での近似精度が良くないことである.また,もとの分布系伝達関数が安定であっ ても,Pad6近似伝達関数が安定であるとは限らないこと,非最小位相系をつくりや すく,展開係数を常に求められるとも一意的に定まるとも言えないことなどが挙げ られる.これに対して,浙近近似法はs4-・の時,もととなる伝達関数G(μ)が漸近 する伝達関数Gj幻)を求め,その後・40では元の系の定常特性に一致するように, 領域ごとに別々に補正をするので,定常状態と高城での挙動をうまく近似できるこ とがある.Friedly°)は二重管式熱交換器の伝達関数に対してこの手法を適用した.

これらの他には,Za比

「個こよって考えられた数値ラプラス変換法による近似手

汗がある.2次元ラプラス変換を苑した伝達関数を一般的に書くと,

  、   メtl(5)yl ̄│十Å2(j)ρ“ ̄2十…+Å肖-│(j)   Gいρ)一一+d10)ρ'I ̄1+…+d。万(s)       (1-10) となる. ここで、ベ・G)、ÅIG)はそれぞれsの多項式である.式(1-5)に対してzakian の近似ラプラス逆変換の公式によれば、 G(,副= 聚T yΣ い /tl(y j y T で j a一/ し + λ2(j +らG

ダ仁い

 +…+ぺ,−I(,y) +‥・+α,ふ) となる.ここで、yは近似次数.α、・、α_、(=両・)、瓦・、x-j(= いる数値である. 6 [1-]1) r,)は表‘2"で与えられて  5項は空間座標に関する偏微分を穴分化する差分法や.重み付き残z法  (Weighted Residuals Mdhcd戸261を使用する.特に重み付き枝差法によれば,低い 分割数で熱交換プロセスを近似できることが報告されている'゛゜.例えば嘉納は, 多管路熱交換器に対する重みつき残差法による近似を詳細に検討し,つぎのような 結論を導いている゜).

1)Legendre多項式を用いた重みつき残走法は,差分法よりけるかに少ない分割

数で系を十分近似する.熱交換器のシミュレーションに対しては服みつき残差法で

は分割数が3∼Gぐらいをとれば十分である.

2)系に円フィードバックを行った場合の安定領域での比較によれば,差分法と

重みつき銭差法との差は更に顕著に現れる.差分法ではかなりの分割数でもなお安

定鎖域を大きく見積もりすぎることがある.

 3)重みつき快足法では分割数が小さいときでも低周波数領域を良く近似し,分 割数が増加するに従って近似できる周波数領域が高い周波数領域にも拡がっていく. しかし,足分近似では一様に誤足がでる.

4)重みつき残差法は,系の動特性を良く近似しているときでも,系の零点およ

び極の原点から近いものを直接に近似しているとは言えない.

 ∩について加藤等は,単皆無交換器を対象としたときに,Legendre多項式と W出h関数を試行関数としたときの近似見積りについて周波数領域において比較して いる.Legendre多項式を用いるほうが分割数が少なくても低周波数域での良好な近 似が円 ̄能であるが,高周波数域では大きく誤差が生じるのに対して,W出h関数を試 行関数としたときには,広い周波数域で一様な誤差を伴って近似していることを報 告している(已 4)については川田等がLegendre多項式を用いた重みつき残走法に よる近似系に対する一つの極配置則を見出した(3o).  6頂け時間軸を耶液化することによって,スプライン関数(31)やチェビシェフ多項 式を用いて則之即岨や最適問題を扱うのに適していると言われている. 7

(9)

 熱交換器内の伝熱現象は複剥IIであり,構造が複雑になるにしたがって基礎式も複 雑になるが,プラグフローの仮定は多くの場合有効であって,温度変化入力を考え る限りでは,基礎式は線形になるので実験的にも理論式はかなりの妥当性を持って いるlj12j.その他にも熱交換プロセスの動特性を計算機でシミュレーションしやすい ように考慮されて開発されたモデル化手法も提案されている(33'.  一方,流体の流速や流量を操作量として温度制御を行うことがー一般的であるが, この場合には双線形系(bllinear)となり,フィードバック制御系はリミットサイク ルを発生することが確かめられている回一回.

 動作流体の熱交換器内での流路パターン(回流数とその相対方向:向流,並流)

と,伝熱過程における物性状態の把握が精度良くできるかどうかが,個々の熱交換

器を解析する際に最も重視される点である.上述のように,熱交換器を対象とした

解析は,はじめは単純な管壁を通しての伝熱を伴う単管路モデルとして出発し,こ

れが次第に複卸な淡路パターンのものへの適用として発展していった.しかし,伝

熱現象の複雑性,特に強い非線形性により,また,動作流体の過渡的な熱物性・状

感量の推定が不十分なことと相侯って,現実の設計問題としては不確定な要素が多

し尨  ここで取り上げてきた熱交換器の動特性に関する研究は,基本的に相変化を伴 わない2つ(あるいはそれ以上)の動作流体が,伝熱面を隔てて熱交換する場合を 対象としており,凝縮器や蒸発器を含む熱交換器の一般特性としては必ずしも十分 なものであるとは考えられない.つまり,上述の解析方法は,伝熱を伴う管路内の 液相流体の熱的特性をフローパターンに注意して,詳細に検討したものと言える.

 これらのほかに,熱交換器の操業状態をモニタリングして特性が変化してゆくト

レンドを監視する事によって,さまざまなプラントユーティリティの寿命を予測す

る試みが,経済的な側面あるいは安全性に対する考慮から続けられている.

 J. P. Guptaは,熱交換器の設計における未解決の主要な問題として,次の6点を挙 げている('71. ∩  熟物性データの不足 8 一 一  純粋流体に加えて,混合流体のlil相および二相流状態の幅広い温度司瓦ノJ範 囲のデータが必要である.伝熱現象の詳細な予測に必要な,基礎資料としての 熱物性データは未だに十分とは言えない.「オソン屠を破壊する物質に関する Montreal議定書」の第2回締約国会議[1990年6月27∼291]・LOIldnn)にお いて議定書の改定が行われ,全ての完全ハロゲン化炭化水素(CFC罰およびハ ロン類)の生産が今世紀末に全廃されることになっていたが,1997年,京都

で行われた先の地球温暖化防止京都会議(Thc 3rd Session of the Confel-enceof the Prti(2stothe united Nations Framework Convention on Climate Change, UNFCCC・COP3)では,温室効果ガスとして代替フロン類も指定され,2000年 以降,全てのフロンが実質的に全廃されることが決まったと言って良い.フロ ンは,これまで冷媒として広く使用されてきており,熱力学的な物性も多くの 物質に対してかなりの情報が蓄積されてきていたが,生産,使用できなくなっ た今,これらに替わる冷媒の物性の情報を収集・整理することは急務であり, 多くの研究者等によって現在も精力的に研究されている. 2)汚れ  さますまな用途毎の汚れの見積もりが不確かである.どのように予測し,ま た,いかにして汚れを付きにくくするかは,それぞれの使用状況に大きく左右 されるため,設計段階では実績を踏まえて十分な余裕を見る方法しかないのが 現状である. 3) 流体関連振動  動作流体に高速な蒸気を用いる場合には,器内での凝縮,蒸発に伴う複雑で 急変化する流れの様相を正確に捉える方法として,シミュレーションによる方 法が一般的である.しかし,定量的に器内での流れの様相を捉えるには熱と流 れの特性を同時に解析する必要があり,膨大な計算資源と時間を消費する. 4) 非 ` l y , 吊 相 に複雑な二相流流れの様相を支配している主たる要因は何か,相変化や 9

(10)

JI:力変見がどの』:うに流れの様相を変化させるか,それらが熱交換器の設計に どのように影響するのか?これらの疑問に対する,解析的にまとまった答えは 得られていない.同時に,シミュレーションによる再現性も十分とは言えない 状況である. う E︶ 混合流体の燕見通程

現在まで,相変化を伴う流体の熱伝達率を算定する実験式は,対象とする媒

体や幾何学的境界条件,温度,条件等限られた範囲でしか求められていない.

なかでも,混合流体におけるプール沸騰あるいは強制対流沸騰熱伝達率を精度

良く算定できていない.

引 乱流の振る舞し

 乱流場の伝熱問題を数値解析するとき,乱流モデルが一般に用いられるが,

複雑な現象の解明に至っては,いまだ実験による検討が主流である.最近の熱

流体解析用乱流モデルは,高次の一点完結型乱流モデルで構成され,非常に高

粘度な予測ができる範囲が徐々に広がっている(!8).

 次に,上で述べた問題以外に,熱交換器のモデル化に関する話題として重要な, 熟交換器網(HEN:Heat Exchangers Network)の定常的・動特性のシミュレーション プログラムの発展過程と現状を紹介する. 1 2・2 最適な熱交換器網の生成  最適な熱交換器網を生成するコンピューター・プログラムは,従来各メーカー毎 に独自に開発・使用されてきたが,ここ30年,多くがアプリケーション・パッケー ジ(それも数年前のワークステーションクラスの性能を持つようになった,パーソ ナルコンピュータ上で稼働する)として販売されてきている.そして,それらの多 くが既存のプラント設備中の熱交換器網レイアウトを最適なものへと更新できると 謳っている.この背景には3つの状況要因があると思われる.一つには第2次大戦 後建設された多くのプラントの寿命が到来してきたこと.もう一つは,少品種を大 10 ぺ 量に生産する単純なマスプロダクションから,多品種少量生産へと経済状況が大き く変動したことである.多くのプラントのレトロフィットの時期がちょうど1970年 1980年ごろに到来し,この分野の研究を活発にした.また,別の側面としては, コンピュータの急激な高機能,低価格化と数値解析法の発展により,手軽に使用で きるコンピュータツールが豊富になったため,解決できる問題の範囲が大きく広がっ たことも見逃せない.これまでの計算機資源では現実的でなかったようなクラスの 問題である複雑な非線形解析モデルをシミュレートできるようになったことが,こ の動きをより急速に展開させる重要な要因のひとつとなった.  さまざまな評価関数を最適化する熱交換器網のシンセシス問題では,Linhoff等の ピンチ点技法(39)が一般的になり,可能な限りヒューリスティックな方法を排除し, さまざまな拘束条件を満足する熱交換器網を生成するプログラム/アルゴリズムと して多くの研究報告がなされている.そこで扱われている問題は,一般的に次のよ うな設定である. nH本の高温流体と・c本の低温流体に対して,供給温度,ターゲット温度,  (熱的)流量,熱伝達率が与えられたとき,卜−タルコスト(初期投資コス トと操業コストの和)などが最小となるような,ネットワーク構成を求めよ. これまでに,さまざまな評価基準に対する適用方法が報告されている ユーティリティ数を最小化する:文献(40)-(44) 熱交換器ユニット数を最少化する:文献(38),(40) 全ネットワーク面積を最小化する:文献(38),(45),(46) その他に,この分野の研究に関しては文献(47)に詳しいレヴューがある.

これらの成果を受け,さまざまなツールの援用によって,できるだけ低コストで

熱回収率の高い熱交換器網が比較的短時間に構築されるようになってきている.

1 1

(11)

1・3 熱交換器の動特性モデルに関する課題

 熱交換器の設計・制御問題は成熟期に入ったと言われている.すなわち,さまざ

まな形式毎の設計手法とそのための資料が事実上規格化され゛.‘49),前節で述べたよ うに多くのプログラムパッケージが販売されており,それらのツールを援用した

CAD(Computer Aided Design)ソフトによって一連の設計・製作が進められてい

る.プラント監視・シミュレーションツールは,プラントメーカー,エンジニアリ ング会社,ソフトハウスなど,多くのベンダーから発売されている.それらは,さ まざまな操業状態を仮想的に作りだし,熱交換器網をはじめとするさまざまなプロ セス要素から成るプラントを設計する際に,あるいはオペレータの訓練用に大いに 役立っているようである.しかし,これで熱交換器の動特性モデルがすべて明らか になり,その再現性が十分確保されたのではない.  動特性モデルに残された課題が2つある.一つは,大振幅な変動入力に対する応 答を精度良く予測する方法が未開発であること.プラントのスタートアップ, シャットダウンを安定して,しかも迅速に処理することは,プラントの制御系にお いて最も困難な問題の一つであると同時に,操業コストを左右する,場合によって はプラントの寿命を決定してしまう重要な問題である.しかし,多くのシミュレー タでは満足のいく結果を得られていないようである.もう一つは,詳細なシミュレー ションモデルは解析モデルとしては煩雑で,何がその現象の主たる要因なのかを直 感的に掴みにくいこと.本研究では特に,後者に対する一つの提案として,回路論 的視点に立った熱交換器群のモデル化を取り上げている.

1・4 本論文の概要

 熱交換器網の特性を評価するには,熱交換器とその接続部といったそれぞれの要 素モデルが,十分満足できる算定値を与えるかということと,それらの接続による システムとしての振る舞いを記述するための接続条件を与えることができるかが重 要である.熱交換器のモデルは,式(1-G)にみるような基礎式の解析および近似式の 12 匹

導出に対Lては,すでに多くの研究がなされている.また,静特性整合問題として

の,ある評価基準に対して最適な熱交換器網を生成する手法についても,多くの知

見が得られている.しかし,熱交換器網の動特性を考慮したモデル化は,次のよう

な点において困難である.第一に,熱交換プロセスそのものの特性が非常に非線形

性が強く,動作点によっても多くの影響を受けるため,設計段階では詳細に動的な

特性を評価するのは難しい.その結果,熱交換器の動特性評価は,なかなかにケー

ススタディとしての枠を離脱できないでいる.それぞれの運転状況ごとに整理して

一般性を導き出す手法では,とうてい手に負えない.

 このような情況のもと,本研究では熱交換器および熱交換器群の動特性を評価す るに当たって,回路論的な視点からのモデル化を試みている.個々の情況をできる だけ排除することによって,熱交換器の状感量がそのプロセスの前後でどのように 変化するかに注目し,それぞれのプロセスの量の巡節関係を明らかにすることによっ て,動特性をモデル化しようと試みている.

 本論文は8章からなり,その内容は2つに分かれている.前半の第2章から第6

章までが単体の熱交換器を対象としており,後半の第7章で,2基の熱交換器群か

らなるシステムを対象としている.以下に,本論文の章毎の内容を記す.

 第2章では,本研究の評価手法である回路論的視点について,その発展の歴史と

現状を述べている.そして,熱交換器の動特性モデルヘの適用手法の概略を,なか

でも最も基本的な単体の熱交換器を対象とした熱交換プロセスの動特性を回路論的

視点から評価する手法について述べている.

第3章において熱交換プロセスの動特性の基礎式を確認し,第4章においてその

具体例についての実験データとの比較を通して,その基礎式の妥当性を確認してい

る.単体のシェルアンドチューブ式熱交換器の動特性の解析を行い,主として回路

論的視点からのモデル(回結論的モデル)の基盤となる単一集中定数系モデルによ

る熱交換プロセスヘの適用可能性を確認する.ここでは,対象とする熱交換器を伝

熱形態に応じて4形態に分類している.すなわち,動作流体が気相から液相へある

いはその逆方向へ相変化する場合と液相のまま局所的にも相変化しない場合とに,

(12)

高温および低温流体ごとに分類している.相変化を伴う動作流体に関しては,器内

の圧力・温度が飽和状態にあるものとして,単一集中定数系とみなした基礎式を導

出している.また,器内での温度分布が避けられない相変化を伴わない伝熱形態の

流体に対しては,単一集中系とした場合に加えて,分布系とした場合の基礎式を導

出し,主に周波数特性を評価している.

 第4章では,第3章までに得た4形態の熱交換器に対して解析モデルの妥当性を 実験によって確認している.これにより,流量変化が人力と土て詐用する場合には, 流体の熱交換プロセスにおける滞留時間に相当する周波数領域において,単一集中 定数系モデルが十分妥当性を持つことを確認している.同時に,入口温度変化入力 に対する出口温度の応答は,単一集中化したモデルでは器内の流体の滞留時間を評 価し得ず,むだ時間要素の補完が必要であることを確認している.

第5章において単体の熱交換プロセスの回路論的視点に立ったモデル化の手法を

具体的に提示するとともに,その内部要素である,内部アドミタンス要素の特性を

評価している.同時に,二三の熱交換プロセスに関わる副次的要因を例に挙げ,そ

れらの要因を回路論的視点に立った動特性モデルとして取り込む方法を具体的に示

し,このモデル化における拡張性を確認している.

 第6章では,単体の熱交換器(水冷の水蒸気凝縮器)を対象に,熱交換器の動特

性を支配する要因を,内部アドミタンスから評価できることを示している.具体的

には,伝熱管群からなる伝熱コア部の幾何学的な形状と周波数特性との関連を調査

し,分布定数系を基礎とした場合にも回路論的視点からの評価法が有効であること

を例示している.単体の熱交換器の回路論的モデルを複数の熱交換器からなる系へ

拡張して適用するにあたり,その接続要素である熱交換器を結ぶ接続管路の温度伝

送特性等を無視すれば,熱交換器の幾何学的な形状と熱交換器の接続形態の間に,

ある一義的な関係が存在することに注目している.これにより,単体としての取り

扱いの範囲での熱交換器の動特性を回路論的な手法から評価する方法を検証してい

る.

第7章では,前章までに得た単体の熱交換器に対する回路論的視点に立ったモデ

14 ぺ

ル化の手法を接続された2基の熱交換器に適用し,その有用性と同時に適用可能

範囲を明確にしている.まず最初に,水冷の水蒸気凝縮器を対象に取り上げ,具体

的な動特性を実験により明らかにし,直列,並列接続形態に対する設計指針を明ら

かにしている.そして,熱,流体プロセス系では,端子接続系として各単位要素を

接続するだけではモデルとして不完全であることを示し,回路論的視点にもとづく

モデル化の適用可能範囲と拡張性を明らかにしている.

第8章において,本研究の結論と今後の課題について述べている 15・

(13)

16, 匹,

第2章  回路論的モデル化の概要

回路論的視点からのモデル化には,2つの側面がある.ひとつは位差量,流通量

概念を基礎とした単位要素のモデル化であり,もうひとつは,システムを単位要素

の連節系としてとらえる,モデル構築の側面である.

 本章では,回路論的視点から熱交換プロセスの動特性をモデル化する手法の概要

を述べる.これは熱交換プロセスの内部モデルを明らかにすることに相当する.こ

こで,さまざまな伝熱形態の熱交換プロセスに適用可能なモデルを構築することに

より,それら熱交換プロセスを接続した系のモデルの一つのモジュールとして取り

扱うことが可能となる.

2・1 回路論的視点の歴史

 本節では,回路論的な視点の歴史的な背景について述べる.回路論的視点に立っ

て物理的な現象をモデル化する試みは特に目新しいものではない.電気回路の記号

的グラフ表現の簡潔さと,電気回路系の電流と電圧そしてそれらの積がパワーとな

るという量規定の構造に,一般性を見出した結果,後述のような利点を合わせ持つ

電気回路系に置き換えてモデル化しかほうが,実際の物理現象の特性を評価しやす

いメリットが一早く認められた.これにより,いろいろなアナロジーを駆使した

「等価回路」が多く登場してきた.

 電気回路では回路図という位相幾何学的なグラフと系の特性がより容易に結びつ

きやすい.回路図は,実際の回路の位相情報を保持しているため,現実のものとの

対応が非常に直感に訴える利点もある.また,電気系の時定数が一般の機械系や

熱一流体系に対して相対的に小さく,「電流」を構成する電子そのものの振る舞い

が,マクロには理想的な微小粒子として扱うことができる.電圧をかければ瞬時に

電子の流れは電流として応答すると見なせる.そして,電流と電圧の関係を拘束す

る抵抗,キャパシタンス,そしてインダクタンスなどの1−ポート回路要素が線形

素子として扱いうる範囲が広いこと.さらには,電圧,電流の計測が容易であるこ

17

(14)

とが,利点として挙げられる.その他にも,C.P.Steinmetzの複素インピーダンス法に よる交流現象の解法,0.Heavisideの過渡現象の記号解法は,直接微分方程式を解く ことを避けて計算が直感的であったので,電気回路理論の急速な発展を促したと言 える.こうして,他の系のモデルのフレームワークとして電気回路論の準備が揃っ ていったと言える.  一般に工学で用いられるさまざまな物理現象を記述する基礎式は,エネルギー 原理すなわち保存則を基本としている.1847年にKirchhoffが発表した電気回路にお ける2つの双対な法則(キルヒホッフの電流則と電圧則)は,その約100年前にD’ AlembertがNewtonの第2法則をもとに導いたダランペールの原理を彷彿とさせる. 純粋に位相幾何学的な法則「各ノードに流れ込む電流の総和は零である.」と.  「静止する質点に作用する力の総和は零である.」との間には相似性が読みとれ る.あるいは,これに双対な電圧則と古典力学系との対応についても,多くの研究 者によって触れられている.このような背景のもと,物理現象を記述する2つの双 対な量の存在と,物理現象の記述する論理構造との関連に対して注目されるように なった基盤が醸成されていった.  カー電圧アナロジーの対応は,Maxwenに始まると言われている.彼が「抵抗」と いう言葉をLagrangeの方程式で表された力学系に対する説明で用いたために(5o),「抵 抗が大きい」とは,高電圧,あるいは大きな力が作用した場合を連想させるように なったようである.カー電圧アナロジー対応は,カー電流アナロジーと双対な関係 にあり,数学的には等価である.しかしカー電圧アナロジー対応をもとにした「モ ビリティ・アナロジー」として知られる力学系への適用は,1929年にM.Darrieus(51) が,1932年にW.Hiihnle(52’が,そして1933年にF.A.Firestone(53Wそれぞれ独白に発表 するまで,ほとんど省みられなかったようである.位差量(Acmss-variable)と流通 量(Through-variable)という用語は,Firestoneによって導入された.位差量は電圧, 速度,圧力,温度,濃度などのように,空間的に離れた2点間を計測して意味があ る量であるのに対して,流通量は電流,力,流量,熱波,質量流量などのように1 点のみで計測可能な量である.これらの基本的な2つの量は,トポロジカルには不 可分な量である.これらの位相幾何学的な保存則の表現は,2つの量とその積から 18 一匹 ・ なるスカラー不変量とが権威する可視図として,広くさますまな物理系に対応して いることを改めて指摘した高橋は,それらの量一論理構造をZ縮図(Fi9.2-1)とし て体系的にその構造を提示している(脆  このような背景のもと1960年代に入って,回路論的な視点すなわち位差量・流通 量概念,すなわち,Kirchhoffの回路理論における双対性とMaxwe11の場の理論とを基 礎として,H.Paynterはシステムを切断(reticulation)として捉えるマルチ・エネル ギーポートの表現形態としてのボンドグラフを生みだした(55'.電気回路図から脱皮 し,より抽象化された表現を得たボンドグラフは,その後さまざまな対象に適用さ れた.マルチボディーダイナミクスや,流体機械に対するモデル化は現在でも活発 に続けられている.そして,熱一流体系に対しては,D.C.KarnoppとR.C.Rosenberfl あるいは,J.U.Thoma(57尊によって幾つか提案されているが,これについては第2・ 2・3項で述べる.

このように,さまざまな系に対してその有効性が確認されている回路論的な視点

も,熱・流体機抜糸に対しては,いまだ一般に受け入れられたモデル化の手法は確

立されていないと言える.本研究では,このような背景のもと,(口熱交換器な

どのプロセス機器の動特性を評価する,(2)実用に供するに十分単純であるこ

と,を念頭に置いて,熱・流体機器のモデル化,すなわち,システムを記述する位

差量と流通量を選択し,対象の特性を規定する基本的な要素の抽出とその接続関係

および特性を評価する.

 いろいろな系に対する位差量と流通量との一般的な組み合わせの例をTable 2-1に 示す. 19

(15)

Powcr

Fig.2-I Z−diagram

Table 2-I System variables(f・ianalogy)

System

Across-variable

Through-variable

Electrical

Mechanical,

 translatin9

Mechanical,

 rotatin9

Hydraulic

Chemical

voitage

velocity

angularvelocity

pressuredifference

chemicalpotential

current

force

torque

volumeflow rate

mole flowrate

2 0, 匹 ゛ 2・2 熱交換プロセスの勤特性モデル

熱交換器単体に対する動特性解析の研究は,そのほとんどが数学的にいかにして

非線形な基礎式を解くか,あるいは,いかにして十分な精度を得る近似モデルを構

築するか,に多くの努力が傾けられている.熱交換プロセスは物質移動をともな

い,熱系としての伝熱とともに,流れ系としての物質移動,拡散の性質も加わり,

伝熱現象の複雑さに一層混迷を深めている,したがって,線形性の仮定が多くの場

合効果的である電気回路系とのアナロジを適用することにおいては,さまざまな注

意が必要である.例えば,諸々の現象が複雑に絡み合った効果をよせ集めて定義さ

れた熱伝達率に対して,現象論的に定数と見なしうる範囲の広い電気回路における

抵抗とを直接比較することはできない.

熱交換器を設計・解析するにあたり,基本的に測定できない熱交換器内部の状感

量を用いたモデルを使用することは,たとえ正確に定式化できているものだとして

も適用可能性は著しく低い.したがって,できるだけ計測可能な量,特に,実際に

検出しやすい出,入□端の計測量を基に熱プロセスモデルを表現できれば,その動

特性評価に際して思考モデルとしての価値は高いと言える.多くのプロセス工業プ

ラントの中で用いられている熱交換器についても,このような視点からモデル化で

きれば,巨視的な取り扱いが容易になるとともに流体系,機械系などの入り組ん

だシステムとの接続が容易に考察できる利点がある,

 熟交換器の動特性を回路論的に捉える試みは,電気回路とのアナロジをもとにし たものがいくつか見られる.しかし,位差量と流通量の選び方,各変数の関係が電 気回路の場合とかなり性質を異にするために,具体的な例にそのまま適用すること はほとんど不可能である.河合,橋詰らは,高橋,町山らの回路論的視点に立った 見方を用いてより実際的な熟交換器のモデル化を試みてきており,有益な示唆が得 られている(58).本研究は,それらの成果をシェルアンドチューブ成熟交換器全般の 動特性に関するモデル化に適用し,総括することを意図するものである. 21

(16)

2 2 1 回路論的視点の熱・流体系への適用

電気回路に束縛されず,より広い意味での回路論的な立場から熱交換器の動特性

を捉える.いくつかの熱交換器からなるシステムは,熱エネルギーの交換を司る単

位要素(熱交換器)の熱エネルギー授受の巡節糸と見ることができる.そこで,こ

れら単体の熱交換器を回路網中の回路素子として捉える.エネルギーの流れに注目

すると,それぞれの熱交換器は,高温流体,低温流体の出,人目および,熱のプロ

セッシングにともなう損失を表すポートを持つ熱エネルギー交換要素として捉える

ことができる(Fi9.2-2)   Heal Exchanger    A HotStream COld Stream l   Hesl Exchanger    B Loss Loss

Fig.2-2 Multi-port model of heat exchangers network

2・2・2 流通量と位差量  各ポートにおけるエネルギーの授受を考えるに当たっては,状態量を位差量と流 通量とに分けて2−ポート端子として取り扱うことにより,エネルギーの諸様相に触 れることができる.従来から黙示においては位差量として温度を,流通量として熱 量(熱涙)をとることが多い.流通量である熊沢(束)を駆動するエフォート  (effort)としての温度差と,電圧一電流の関係との類似性に注目してのことと思わ れる.しかし,この位差量と流通量の選択には,次のような不都合な点がある. 22, 匹 ’

□熱量(熱流)は直接計測困難な量である.普通は,温度,圧力および

  流速から質量流量を計測し,比熱を加味して熱量を計算する.

2)位差量と流通量との稜がパワーの次元を持たない.

 また,ここで対象とする熱交換器は,物質の流れがあってはじめて熱エネルギー

の流れ(動作点)が決定できることが多い(熱伝導問題とはこの点において本質的

に異なるレそこで,流通量には質量流量を採用する.これにより,上述の問題に

対して一応の解決を見ることができる.質量流量は,ある一定の位差量(温度)を

ともなった流れとして,間接的にではあるが熱流と対応がつけやすいことにも留意

している.つまり,熱の移動を位差量をともなった仮想的な流通量として捉えるの

である.一方,上述の問題2)に留意するとき,流通量に質量流量,位差量に温度

を当てたのでは,直接的にはその問題点を解決したことにはならない.この点から

見れば,位差量として比エンタルピーを選ぶことが望まれるが,1)の問題の解決

により重きをおくならば,位差量には温度を採用する方がよいと考える.言うまで

もなく,回路論的なモデル化に際して位差量に温度を,流通量に質量流量を選択す

ることは,比エンタルピーや熊沢を無視することを意味しない.位差量として,物

質の流れの面から圧力をも当然考慮すべきであるが,圧力損失による影響,さらに

は熱交換に関与する流体の状況によっては比エンタルピーと同等の物理的意味を温

度(圧力)は十分有するためである.熱交換器群の設計段階では,熱交換器内の圧

力損失はかなり重要な意味を持つ.しかし,ここで対象としている熱エネルギー授

受の側面からの考察とは独立して評価することが可能であるから,ここでは主に熱

エネルギー授受の側面に注目する.

熱交換器の単位要素の入,出力ポートは,熱エネルギーの様相を表す位差量と流

通量の流れに注目して,2−ポート4端子対として表現する.ここで,ポートによる

単位要素の連節系としての了解を,回路論的視点に基づく端子接続系としての了解

へ発展させる.そして,注目している人,出力ポートを人,出力端子対とし,2−

ポート4端子回路要素として熱交換器をモデル化する.動特性を評価するモデルと

して,高湿流体側プロセスから低温流体側プロセスヘ熱エネルギーを受けとる様子

23

(17)

を4端子対l旧格として表現すると,Fig.2-3のように表現できる.

Fi9.2-3 2-port terminal element

 しかし,無文長谷をこのような形の4端子要素として表現したとしても,電気回

路に見る2−ポート4端子要素とは著しく性質を異にする.例えば,

   1)熱交換する流体の流量は,それぞれ任意に変化する.したがって,一

     方のポートの位差量および流通量を決めても,他方のポートの位差量

     および流通量が決まらない(高温流体の入□温度と流量が与えられて

     も,低温流体の出口温度と流量は決まらない).したがって,一般に

     はすべての領域で相反性は成立しないが,ある動作点近傍での微小変

     化分に注目する場合には近似的に成立していると仮定できる.

   2)熱伝達現象は,流体の流れ特性による影響を非常に強く受け,無的状

     態と流れの状態とを同時に解析する必要がある.したがって,特性を

     代表する位差量および流通量の選択に当たっては,流体の流れ特性と

     無的特性の両方の影響を考慮する必要がある.

 本研究では,動作点近傍の微小変化領域に限って,熱交換器の動特性を評価する

ことに主眼を置くことから,1),2)については大きな問題とはならないが,モ

デルの適用範囲(変動範囲および周波数領域)に注意を要する.また,熱交換器の

動特性を流通量源に対する内部アドミタンスとして表現するが,このアドミタンス

要素に非線形的評価を加えることによって,ある程度広い動作点の範囲に及んで適

用可能なモデルを実現することも可能である.

24 へ ^ 2・2・3 熱系の特殊性  電気回路系とのアナロジがよく用いられる占典力学系では,運動エネルギーの変 化分はそのままポテンシャルエネルギーの変化へと即対応する理想的な状態にある と捉えることが多い.ところが,熱系では対象としている物質の運動形態のみなら ず,その物性そのものも変化してしまう.すなわち,ポテンシャル関数自体も変化 してしまう.それも和変化する点で急激に変化してしまう.例えば,内部エネル ギーの温度に対する特性を図に示すと,Fig.2-4 のように,相変化する温度におい て,跳躍現象が認められる. A3Jaua luUJ91ul

昆__一

       Temperalure Fig.2-4  lntemal energy vs. temperature

このため,理想的な電気回路系との単純なアナロジは困難である.このような状況 の下,熱系に対して回路論的にモデル化する手法のひとつにパワーの流れに注目し たボンドグラフやそれを拡張したのもがいくつか報告されている.J.U.ThomaとJ. Rietmanは,それぞれ熱系における位差量と流通量を,従来多くのアナロジとして用 いられてきた温度(差)θ12と熱流束φHとの組み合わせとすることに対して否定的で ある.たしかに,乙れらの位差量・流通量の組み合わせは,熱流を駆動するエ フォートとしての温度差と言う関係から自然に思われるが,彼らは,それらの積が パワー(Energy flow )と成らないことを重視している.この背景には,Thomaと Rietmanの具体的なモデル表現手段としてボンドグラフを採用していることに起因す ると思われる.Thomaは位差量として温度を,そして流通量にはエントロピー流を 挙げているs.これに対して,Rietmanは保存量としての位差量と流通量との積に, パワーではなくエクセルギー(available power,あるいはexergy)を採用している

(18)

      -25-゛Jjll.機械系や電気回路系では,エネルギーはつねに全てが利用可能であり,エク セルギーは常にエネルギーに等しいという関係があった.しかしながら,熱系で利 用可能な熱エネルギーは,周囲環境温度Q,以上に限られる.すなわち: avadable poxverこexergyμow= 0−00  θ 一︼ φ η ΓafJ11Jj ’φ (2-1) ここで,η。,。。,はカルノーファクター(あるいはカルノーサイクルの熱効率)( Carnot factor)である.Rietmanは,熱伝導系に対してカルノーファクター差(η_。,12 )を位差量に,熱流(φH)を流通量に,そして,対流問題に対しては,位差量に比 エクセルギー(ら)を,流通量に質量流量(φ。)を用いている‘62)。

 前述のような伝熱系の特殊性から,単純に他の系(機械系,電気系)などの古典

力学系(線形化の仮定が有効なもの)にはない,それらの積がパワーの次元を持つ

位差量・流通量の選択が困難である点を考慮しつつ,KamopPはより実用的な便を考

えた擬似ボンドグラフ(Pseudo Bond Graph)を提案している(63白肌J.L.Tyleeら

は,いくつかの原子カプラントの加圧型軽水炉に用いられている加圧器にこれを適

用しているや.擬似ボンドグラフは,通常のボンドグラフでは位差量と流通量との

積がパワーの次元を持つような組み合わせが選択されるのに対して,この規則をゆ

るめて適用範囲を広げたものである.Thoma,RietmanそしてKarnopp

,Tyleeらの位差

量と流通量の選択例をTable 2-2に示す.

  Table 2-2 Across- and through variables for thermodynamic

system

Reseafcher -Thoma、J.U. Rjetman、J. (convcctive) (conductive) KamoPP,D Tylee,J.L, Across-variable Temperature difference SPecinc now cxcrgy Camot factor Temperature Pressure Entha1Py 26 Thfough-variable  lnvariance EntroPy now     Power Mass now rate

Heat now rate Heatnux

Mass now rate Engergy nux exergy exergy Power Power `‘゛-。− − ● W ゛

2・3 熱交換器の回路論的モデルの概要

 熱交換器の動特性を規定する基礎式を回路論的な記号体系に置き換えることが, 回路論的なモデルを与えることに相当する.したがって,その熱交換器の主たる機 能である熱交換プロセスに注目して,これを支配する基礎式が与えられれば,その 式の内包する物理的メカニズムの範囲内において,数式表現とは別の記号体系でそ の寺│生を記述し,評価することも可能である.すなわち,最終的に得られたモデル の適用範囲を制限するのは,言うまでもなく,その機能モデルを構築する際におい たさまざまな簡略化を可能とした仮定事項と,そのうえで明らかにした基礎式に 拠っている.この論文で筆者が明らかにしようとしている主たる命題は,熱交換器 のモデル化を主たる対象に取り上げ,伝熱過程によらず,可能な限り物理的メカニ ズムを残しつつ,抽象化した表現を回路論的な記号体系に置き換えることである. これを鑑み,回路論的表現に対応しやすい基礎式は,その機能モデルの持つ物理的 情報を可能な限り残した,有理関数表現をもとにすることが望ましいと考える.凝 縮,蒸発を伴うか否かに関わらず適用できる回路論的モデルとして,単一集中定数 系モデルを採用している. 熱交換器の動特性を規定する基礎式を導くに当たり,次のように仮定する.    1)熱交換器内の流体の流れは,相変化を伴わない場合にはピストン流れ     として扱う.すなわち,流体の流れ方向の熱伝導,混合,拡散の効果     を無視できるものとし,かつ,流れに垂直な断面内は一つの代表温度     で代表できるものとする.相変化を伴う流体の場合には,器内は飽和     圧力(飽和温度)で均一で分布はなく,蒸気は乾き飽和状態で,液も     飽和状態にあるとする.    2)熱通過串は場所によらず一定であり,それに対して支配的に関与する     あるプロセス変量:X(多くは流通量)の関数として,独立した項とし     て扱う.    3)流体の代表温度を出,入口相加平均とする.

対象とする熱交換器の伝熱形態が相変化を伴うか伴わないかに関わらず,そのプ

27

(19)

ロセスの温度変化と質量流量変化との関係を規定する以下の内部アド

分:

yl〔s〕:.…熱容量変化に起因する蓄熱容量効果 な幻:‥..温度変化に起因して熱通過量を変化させる温度変化効果 Ms):‥..気相部の比容積変化に起因する比容積効果 こ ぺ タンス成    なs):‥..潜熱(エンタルピー変化)の変化に起因する効果 と,他のプロセス側の影響および,熱通過率の変化に起因する成分:    片岡:….他方のプロセスの温度変化に起因して熱通過量を変化させる温度変       化効果.    l(s):….他方のプロセス変量Xに起因して熱通過率を変化させる熱通過率変       化効果. により代表できる汎用的な回路論的モデルを導出することができる.  ここで,気相部を含まない伝熱プロセスについてはその要因を無視し,また相変 化を伴わない伝熱プロセスの場合には4)項における潜熱を顕熱と読み替えるもの とする.どちらも,出口で流体が持ち去るエンタルピーから入口から持ち込むエン タルピーを引いたものを意味する.  つぎに,高温,低温側プロセスそれぞれに対して,回路論的なモデル表現を与え る.回路モデルが備えるべき必要条件は,次の通りである.  1)位差量に代表温度を,流通量に質量流量を採用する.  2)高温,低温側プロセスそれぞれの実際の流通量は互いに直接干渉しないこ と.  これらの条件を考慮し,回路論的に高温,低温側プロセスを表現すると, Fig. 2-5およびFig.2-6を得る. 28 −4.− W ゛ ` 甲 ゛ W

Fig.2-5 Schematics of network model of hot fluid process        inheat exchanger

zlG c  ★

Fi9.2-6 Schematics of network model of cold fluid process in heat exchanger  このように一般化した表現を与えることによって,4形態の熱交換器において生 じる高温,低温側それぞれの熱交換プロセスは,相変化を伴う場合(凝縮,蒸発) あるいは相変化を伴わない場合とに区別せず,続―的に表現できる.また,通過す る熱量の移動方向に注目するならば,熱を与える高温側プロセスと受け取る低温側 プロセスとに区別できる.これらに留意すれば,4形態の熱交換器の特性は,高 温,低温側プロセスの接続系として表現できる.以上の熱交換における基本的な流 体の熱的特性に留意し,単一集中定数系による4形態の熱交換器のモデルを回踏絵 的な視点から統一的に取り扱うことが可能となる.その回路表現をFi9.2-7こ示 す.  この回路論的モデルは単一集中定数系モデルを基にしているため,作動流体が熱 交換器内で滞留する時間に相当する周波数までは十分な近似が得られる.しかし, 相変化を伴わない流体の入口温度変化に対するその出口温度変化の応答を算定する には,器内での滞留時間が陽に考慮されていない点に注意を要する.この場合の解 析解はについては後述する. 29

(20)

y

∠AGH   ぶ ∠1Gc ∠Aθc

Hot Process 覧3 Cold Process

yc

∠切H

j司

Fig.2-7 Schematics of network model of heat exchanger

30・ -・嶋 -7 ● ● ● ・ y ’ ・ h t t p : / / w w w . − . ・

第3章 熱交換器の動特性解析

3・1 熱交換器の分類

 シェルアンドチューブ穴熊交換器の動特性は,体格,伝熊面等の幾何学的形状は もとより,むしろその伝熊過程において相変化を伴うか否かによって大きく異なる. そこで,2流体が熱交換する際の動作流体の熊的状態によって,シェルアンド チューブ穴熊交換器をTable 3-1のように4形態に分類する.

Table 3-I Four groups of shell-and-tube heat exchangers

Type Heat exchanger

Hotnuid

Cold nuid

A  Steam-LBM

condenser/evaporator

B  Steam condenser

C  LBM

evaPorator

D  Water heater

O ○ × × ○ × ○ ×

LBM : Low Bomng temperatureMedium

O:phase change ×:no phasechange

 Table3-1のA∼Dの4形態の熱交換器(以下,形態A,形態B等と記す.)につい て,概略図をFi9.3-1に示す,これらの熱交換器は体格,回流数,伝熱管の形式等細 かな点で違いはあるものの,伝熱形態の違いと同等あるいはそれ以上に,その動特 性に大きな影響を与えることはないため,いずれも構造的にはほぽ同等のシェルア ンドチューブ式熱交換器として取り扱いうる.本研究の目的は,それら熱交換器個々 のより精密なモデル化にあるのではなく,むしろそれらの統合化にあることから, この点についてはこれ以上の細分化はしない.Fig.3-2に,4形態の熱交換器の伝熱 過程の概要を器内の温度分布として示す. 31

(21)

LBM vaporl づざ  キ LBMliquid stごごj ・..[ニと示i§jドゾミとこ2ensate a)Steam-LBMcondenser/evaporator LBMvapor   → Hotwater ・a− → Hotwater LBMliquid c)LBM evaporator

steam1

惣竺.唱謳│ドy堕e「

  b」

J

e

:U二L

r

    → COld water Hotwater −y・ −V・ i→ COld water Hotwater d)Water heater Fi9.3-I Four types of shell-and-tube heat exchangers

eJn1BJedEQ’一’ ejn1BJedEQ﹂’ Hot(saturation)    → X     い1・wl・/ →

Cold(saturation)

lnlet lnlet ejnlejeduJe’一’ Outlet lnlet a)Type A c)Type C Q﹂コ笏﹄ΦaEの’一’ OUtlet lnlet Hol(saturation)   → b)Type B d)Type D

Fi9.3-2 Temperature profilesin the four types     ofshell-and-tube heat exchangers

32 Outlet Outlet ヽ 4 ’ ` y ゛  熱交換器をモデル化するに当たり,集中定数系モデルと分布定数系モデルとを取 り上げ,各々を比較することにより本研究に適したモデルを決定する.ここで集中 定数系モデルとは,熱交換器の流れ方向に流体の温度分布がないものとして,単一 集中化してモデル化を行うものである,人目温度と出口温度が異なる場合でも,出, 人口端での高温流体と低温流体の温度差の変化が大きくなければ,出,入口温度の 相加平均を代表温度としても差し支えないことが多い.一方,分布定数系モデルと は,流体の温度分布を無視できない場合,例えば液相流体のように流れ方向への熱 の移動(拡散)が微小である場合について,流れ方向の微小区間ごとの熱収支等を 考慮したモデルを指す.集中定数系モデルでは比較的簡単になり,分布定数系モデ ルでは複雑になる.しかし,後者によれば,より現象に厳密なモデルを得ることが できるが解析的に解くことが困難な場合が多い.したがって,多くの近似モデルが 提案されている(66).本研究では,熱交換プロセスの単位要素としての単一集中系モ デルを検討することを第一の目的とする.ここで得た結果から,単一集中化する場 合に生じる誤差を評価し,それぞれの情況に応じて対処することで実際の熱交換器 における熱交換プロセスを評価できるものと考える.  以下に,4形態の熱交換器に対して,集中定数系に基づいた基礎式を,そして, 分布定数系に基づいた基礎式を導出し,代表的な入出力特性を算定し比較すること によって,集中定数系としての扱いがどの周波数領域まで可能かどうかを確認する. 以下の仮定に基づいて基礎式を導出,整理する. (1)各流体の温度は,出,入口端の相加平均とする. (2)流れ方向の混合,熱伝導は無視する. (3)熱通過率は場所に拠らず一定とし,管内あるいは管外流体の質量流量などの   変化を考慮する. (4)熱交換器外側への放熱は無視し,器内では化学変化などに起因する発熱・吸   熱は生じない. 33

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