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"Minshu mitosai saikosai minso jirei kenkyu sanjuroku" Futsu yokin saiken no uchi sashiosae meirei sotatsujigo dosotatsu no hi kara kisan shite ichinen ga keikasuru made no nyukin ni yotte shozuru koto to naru bubun o sashiosae saiken to shite hyojishita

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Membagikan ""Minshu mitosai saikosai minso jirei kenkyu sanjuroku" Futsu yokin saiken no uchi sashiosae meirei sotatsujigo dosotatsu no hi kara kisan shite ichinen ga keikasuru made no nyukin ni yotte shozuru koto to naru bubun o sashiosae saiken to shite hyojishita "

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(1)Title. Sub Title Author Publisher Publication year Jtitle Abstract Notes Genre URL. Powered by TCPDF (www.tcpdf.org). 〔民集未登載最高裁民訴事例研究三六〕 普通預金債権のうち差押命令送達時後同送達の日から起 算して一年が経過するまでの入金によって生ずることとなる部分を差押債権として表示した債権 差押命令の申立てが、差押債権の特定を欠き不適法であるとされた事例(最高裁平成二四年七月二 四日第三小法廷決定) 山木戸, 勇一郎(Yamakido, Yuichiro) 民事訴訟法研究会(Minji soshoho kenkyukai) 慶應義塾大学法学研究会 2013 法學研究 : 法律・政治・社会 (Journal of law, politics, and sociology). Vol.86, No.1 (2013. 1) ,p.51- 69 判例研究 Journal Article http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AN00224504-20130128 -0051.

(2) 判 例 研 究. 〔民 集 未 登 載 最 高 裁 民 訴 事 例 研 究. 三六〕. 普通預金債権のうち差押命令送達時後同送達の日から起算して一年が経過するまでの入金によって生ずることと. なる部分を差押債権として表示した債権差押命令の申立てが、差押債権の特定を欠き不適法であるとされた事例 平成二四年. 第一号債権差押命令申立て却下決定に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件. 最高裁平成二四年七月二四日第三小法廷決定・裁時一五六一号三二三頁、判時二一七〇号三〇頁、判タ一三八四. に対する強制執行の申立て(以下「本件申立て」という)を. のA支店に存在するYの普通預金口座に存する普通預金債権. 万二五二九円を執行債権として、第三債務者Z(群馬銀行). と遅延損害金(利息金)及び訴訟費用、執行費用の合計一九. そこで、Xは、この判決に基づいて、元本一四万四三三六円. 円及び遅延損害金の支払いを命じる内容の判決を取得した。. 裁判所に不当利得返還請求訴訟を提起し、金一四万四三三六. 一. 〔事. X(抗告人)は、Y(相手方)を被告として、福井簡易. 実〕. 判所において当該債権の被差押適格の有無を判断することが. 「債権差押命令における差押債権の特定の程度は、執行裁. 下した。. 七号一七頁)は、本件申立ての全部を以下のような理由で却. 二. に満つるまで)」と表示していた。. 順序」として「元本の受入れ時期の早いものから(頭書金額. 本受入れ時期の前後によって順序を付する必要があるときの. でに受入れた金員によって構成される部分)」と表示し、「元. 令送達の時に存在する預金及び同日を含む一年が経過するま. 一年以内に上記口座にかかる普通預金債権となる部分(本命. 号一二六頁、金法一九六一号九四頁、金判一四〇八号二六頁、金判一三九七号八頁. した。本件申立ての差押債権目録において、Xは、「差し押. 原々決定(名古屋地決平成二三年一一月九日金判一三九. さえる普通預金の時的範囲」として、「本命令送達の時から. 51. (許).

(3) 法学研究 86 巻 1 号(2013:1). 超えて常に差押えられた預金債権に係る預金口座への入出金. することは、第三債務者に対して、通常の営業時間の範囲を. 預金口座への入出金(振替や振込を含む。)は、第三債務者. 者は差押えの対象となる預金債権に係る預金口座への入金は. を把握し、入出金手続がなされる都度、差押債権と預金残高. の 営 業 時 間 終 了 後 や 休 業 日 に お い て も、 現 金 自 動 預 払 機 や. 停止せず、払戻のみを停止すべきことになるが、他方で、差. を照合して出金に応じるか否かを判断するという実際上非常. できるとともに、第三債務者が格別の負担や危険を伴わずに. 押金額を超える預金残高がある場合には預金残高と差押金額. に困難な作業を強いるものであり、日常業務とは質的量的に. 差押えの対象を他の債権と誤認混同することなく識別し得る. との差額について債務者からの払戻請求に応じる契約上の義. 異なる大きな負担と危険を課すものというべきである。 」. インターネット等によっていつでも行われ得るものである。. 務を負い、また、差押命令送達時点で預金残高が差押金額を. 三. これらの事情に照らせば、本件申立てに係る差押命令を発令. 下 回 る 場 合 で あ っ て も、 そ の 後 の 当 該 預 金 口 座 へ の 入 金 に. 定( 名 古 屋 高 決 平 成 二 三 年 一 二 月 八 日 金 判 一 三 九 七 号 一 七. 「本件申立てに係る差押命令が発令された場合、第三債務. よって預金残高が差押金額を超えたときには、やはり預金残. 頁)は、前記の原々決定をほぼ全面的に引用した上で、Xの. 程度に表示されていることを要する……。」. 高と差押金額との差額について債務者からの払戻請求に応じ. たん支払停止措置が講じられていた当該預金口座について差. に 把 握 し、 預 金 残 高 が 差 押 金 額 を 超 え た 時 点 で 直 ち に い っ. めには、第三債務者は、当該預金口座に対する入金状況を常. 義務を履行し債務不履行に基づく損害賠償責任を回避するた. そして、第三債務者がこのような債務者に対する契約上の. なる債権そのものの特定が不十分となっている」として、X. 金についても差押債権とすることによって、差押えの対象と. る」との主張に対して、「現在の預金だけでなく、将来の預. 在 預 金 に 係 る 部 分 の 申 立 て に つ い て、 一 部 認 容 す ベ き で あ. 令の申立てで、将来預金に係る部分を却下したとしても、現. 抗告理由のうち「現在預金及び将来預金に対する債権差押命. この原々決定に対して、Xは執行抗告したものの、原決. るべき契約上の義務を負うことになる。. 額部分に関する支払停止措置を解除し債務者からの払戻請求. たのが本件である。. そこで、この原決定に対して、Xが許可抗告の申立てをし. の執行抗告の全部を棄却する決定をした。. しかしながら、第三債務者において特定の口座の入金状況. に応じなければならない。 を自動的に監視するシステムが構築されていると認めるに足 りる証拠はない。また、現在の銀行取引においては、特定の. 52.

(4) 判 例 研 究. 法廷意見. 原決定一部破棄・原々決定一部取消し・原々審に差戻し. 〔決定要旨〕 一. ところが、記録によれば、Z銀行においては、普通預金口. 務を履行することができない。. 座の入出金は、窓口の営業時間外であっても、現金自動入出. 債権差押命令の送達を受けた第三債務者において、直ちにと. 回る部分についてのみ払戻請求に応ずることを可能とするシ. に監視し、常に預金残高を一定の金額と比較して、これを上. ができるのに対し、特定の普通預金口座への入出金を自動的. 機(ATM)又はインターネットを通じていつでも行うこと. はいえないまでも、差押えの効力が上記送達の時点で生ずる. ステムは構築されていないというのであり、他の方法により. 債 権 差 押 命 令 の 申 立 て に お け る 差 押 債 権 の 特 定 は、. ことにそぐわない事態とならない程度に速やかに、かつ、確. 「㈠. 実に、差し押さえられた債権を識別することができるもので. 速やかにこれを実現することも期待することはできないとみ. 第三四号同年九月二〇日第三小法廷決定・民集六五巻六. られる。. なければならないと解するのが相当である(最高裁平成二三 年. であるから、本件申立てが認められたとするならば、第三債. 出金の時期及び金額をあらかじめ把握することができないの. ついては、普通預金の性質上、預金残高を構成する将来の入. ては、将来預金の差押えをも求めるものであり、この部分に. 通預金契約上の義務を負うものと解されるところ、本件申立. いては、第三債務者は預金者からの払戻請求に応ずるべき普. られた場合、預金残高のうち差押債権の額を超える部分につ. ㈡. 二. 権の特定に欠けるところはないというべきである。」. に関する部分は、上記の識別が可能なものであって、差押債. 別して表示されていると解されるところ、このうち現存預金. ㈢. るというべきである。. 立てのうち当該部分は、差押債権の特定を欠き、不適法であ. 別することができるものということはできないから、本件申. 程度に速やかに、かつ、確実に、差し押さえられた債権を識. 将来預金に関する部分については、Z銀行において、上記の. そうすると、本件申立てにおける差押債権の表示のうち、. 務者であるZ銀行において、差押命令送達の日から起算して. 「普通預金口座に係る普通預金債権について、将来預金に. 号二七一〇頁参照)。. 一年の期間内に入出金が行われるたびに、預金残高のうち差. 対する差押えの申立ては、差押債権の特定を欠くものである. これを本件についてみると、普通預金債権が差し押さえ. 押債権の額を超える部分と超えない部分とを区別して把握す. 田原睦夫裁判官の補足意見(抄). 他方、本件申立てにおいては現存預金と将来預金とが区. る作業を行わなければ、後者についての払戻請求に応ずる義. 53. (許).

(5) と解すべきことは、その理由をも含めて法廷意見にて指摘す. 立て(以下「将来預金の差押え」という)の適法性が問題. ても、差押えの客観的範囲に含める旨の債権差押命令の申. 明らかにしなければならない」との規定――の「特定」の. 類及び額その他の債権を特定するに足りる事項(中略)を. 債権差押命令の申立ての際に「差し押さえるべき債権の種. から本決定まで一貫して、民事執行規則一三三条二項――. 本件の将来預金の差押えの適法性については、原々決定. となったものである。. るとおりである。」「本件の原決定では論点として取り上げら れていないが、差押債権が将来生ずるべき債権である場合に は、その発生の確実性が求められ、それが認められないとき には差押債権の特定を欠くものと一般に解されているところ、 差押えの対象たる普通預金口座は、将来生ずるべき債権発生 債権差押えの申立て時点において、将来、同預金口座に何時、. の基礎となる法律関係として現に存在するものの、一般に、 幾らの金額が入金されるかは予測がつかないのであって、発. 要件を満たしているか否かという問題設定で判断がなされ. ( (. ている。また、本決定と類似の事案である東京高決平成二. 生の確実性を欠くものともいえ、その点からしても差押債権 の特定を欠いているのではないかとも解し得る。」. 〇年一一月七日判タ一二九〇号三〇四頁(以下「平成二〇. 一. 問題の所在及び本決定の意義. という問題について、最高裁として初めて判断をしたもの. 命令の申立てが「特定」の要件を満たすものであるか否か. (本件では一年間)を経過する日までに預金口座に入金さ. という)に加えて、債権差押命令の送達の日から一定期間. も検討している。この点についても後に検討を加えたい。. 法性について、将来債権の被差押適格の次元の問題として. を差押えの客観的範囲に含めた債権差押命令の申立ての適. また、田原睦夫裁判官の補足意見においては、将来預金. として重要な意義を有する。. れて預金となった部分(以下「将来預金」という)につい. の日の時点で預金口座に現存する預金(以下「現存預金」. 本件は、銀行預金の差押えの際に、債権差押命令の送達. 将来預金の差押えの許容性について. 決定は、将来預金を差押えの客観的範囲に含めた債権差押. 満たしているかという問題設定で判断がなされていた。本. 年決定」という)においても、同条項の「特定」の要件を. (. ㈠. 本決定に反対である。. 〔評 釈〕. 法学研究 86 巻 1 号(2013:1). 54.

(6) ㈡ 現存預金の部分の取扱いについて. に至る経緯. により、現存預金の部分も含めて一体的に不適法であると. という点を明らかにしておく必要がある。そこで、「特定」. 押えの適法性が「特定」の問題として議論がなされるのか、. 本決定の検討をする上では、まず、何故に将来預金の差. 判断したのに対して、本決定は、将来預金の部分と現存預. の意味についての議論の変遷を振り返っておきたい。. 原決定は、将来預金の部分が申立てに含まれていること. 金の部分の別個性を認めて、現存預金に関しては債権差押. ㈠. た原決定・原々決定を破棄している。この点に関しては、. 債権差押命令の申立ての際には、 「差し押さえるべき債. 的識別可能性――. 債権差押命令の申立ての際の「特定」の意味――客観. 命令を発令すべきであるとして、現存預金の部分を却下し. 本決定の判断は当然のことであると思われる。なぜなら、. 権の種類及び額その他の債権を特定するに足りる事項(中. このように、申立ての適法要件として「特定」が要求さ. 略)を明らかにしなければならない」(民事執行規則一三. これらを観念的にも不可分のものと理解しなければならな. れているのは、被差押債権の客観的範囲を明らかにするこ. 金債権となる部分」のように、仮に将来預金の部分と現存. い理由はなく、現存預金の部分に関しては通常の銀行預金. とにより、執行裁判所に被差押債権が法律上差押え可能な. 「本命令送達の時から一年以内に上記口座にかかる普通預. の差押えの場面と全く同じことであるから、将来預金の差. 債権であるか否かの判断をさせることを可能にすると共に、. 三条二項)と規定されている。. 押えの適法性とは無関係に、現存預金の部分については債. 第三債務者や債務者に弁済禁止効の客観的範囲を認識させ. て、本稿では専ら将来預金の差押えの許容性の問題に絞っ. 現存預金の部分の点に関してはこの程度で措くことにし. 押債権を誤って債務者に弁済してしまうというような、二. 効の客観的範囲が不明確であるために、第三債務者が被差. ることを可能にするためである。後者の要請は、弁済禁止. ( (. 権差押命令を発令すべきであるからである。. て論じていくことにする。. 二 将来預金の差押えの適法性が「特定」の問題とされる. 重弁済の危険を負担させることを回避するために特に重要. (. である。もっとも、債権者は債務者と第三債務者との間の. 55. 預金の部分が一体的に申立書に記載されていたとしても、. 判 例 研 究.

(7) 法学研究 86 巻 1 号(2013:1). 範囲の特定の程度について厳格な要求をすべきではないの. とが困難であることから、債権者に対して差押えの客観的. 債権に関して局外者であってその内容を正確に捕捉するこ. 預金の管理は支店ごとにほぼ独立して行われているという. は法形式的にはないはずである。しかし、銀行においては. ら、複数の支店に存在する預金債権を各別に取り扱う必要. 預金債権は銀行という単一の法人に対するものであるか ( (. で、被差押債権が差押命令自体の合理的解釈により他の債. 実情から、銀行預金の差押えを行う際に、債務者の預金口. (. 座が複数の支店に存在する場合には、取扱支店を個別に特. 定してそれぞれの支店に執行債権を割り付ける方式(割付. 銀行預金の差押えの際に、第三債務者である銀行の複数の. 年決定」という)を皮切りに、いわゆる支店順位方式――. 成五年四月一六日判時一四六二号一〇二頁(以下「平成五. 定」としては足りないという裁判例・実務が、東京高決平. 差 押 え を す る 場 合 に は、 客 観 的 識 別 可 能 性 だ け で は「 特. もっとも、銀行を第三債務者として債務者の銀行預金の. 定」の意味――識別容易性――. あ る か ら、 客 観 的 識 別 可 能 性 と い う 観 点 か ら は 問 題 が な. 当方式であっても、客観的には他の債権との識別が可能で. の差押えの構図であったのである(割付方式であっても充. 充当方式による特定を認めるというのが、旧来の預金債権. められている。つまり、支店間では割付方式、支店内では. て執行債権を充当する方式(充当方式)による申立てが認. 権者側の負担に配慮して、それらの預金債権に順序を付し. 支店の中に数種類の預金債権が複数存在する場合には、債. 方式)が採られるのが通常である。これに対して、一つの. 支店に順位を付して、債務者の預金口座がそれらの支店の. 充当方式を用いることを企図したものである。この方式に. 支店順位方式は、このような構図に反して、支店間でも. による銀行預金の差押命令の申立てを巡って形成されてき. る作業をする代わりに、第三債務者である銀行の側が付さ. よると、申立人の側が各支店に個別に執行債権を割り付け. 点を振り返ってみたい。. ている。そこで、まずは支店順位方式の適法性を巡る問題. 座をその順位に従って執行債権に充当するという方式――. い) 。. 銀 行 預 金 の 差 押 え の 際 に 別 途 問 題 と さ れ て き た「 特. (. うちの複数の支店に存在した場合には、その複数の預金口. ㈡. 的〔合理的〕識別可能性の有無の問題である。. 「特定」の有無の問題は、本来的には以上のような客観. (. 権と識別できる程度のもので足りるとされている。 (. 56.

(8) ので、差押えの客観的範囲(どの支店のどの預金口座のど. ると本支店間での連絡・調整を行う必要があることになる. 預金の管理が行われているために、支店順位方式が採られ. ある。前述のように、銀行においては支店ごとに独立して. うな充当の作業にかけなければならない手間と時間の点で. 問題点とされてきたのは、第三債務者である銀行がこのよ. いくという作業をすることが必要となる。支店順位方式の. れた順位に従って各支店の預金口座に執行債権を充当して. 例の評価は大きく分かれていた。. 度が相当と評価できるか否かについて、高裁レベルの裁判. 備の状況などに照らして、第三債務者の識別上の負担の程. ことを前提に、銀行の内部における顧客管理システムの整. あった。これ以降、識別容易性を「特定」の一内容とする. 式については識別容易性を欠いて不適法と判断したもので. はやむをえないという留保を付しながらも、全支店順位方. 上で、債権者の調査能力には限界があるから数支店の列挙. 易性)を「特定」の一内容とする一般論を初めて展開した. ( (. の部分が差押えの対象であるか)を識別するまでに、一定. め に は、 「第三債務者において格別の負担を伴わずに調査. 当性という観点が無視できないとし、特定したといえるた. の利害調整の必要性から、関係人にかかる負担の程度の相. (いわゆる全支店順位方式)において、強制執行の関係人. は、第三債務者(住友銀行)の全支店に順位を付した事案. 以降の裁判例・実務の流れであるといえる。平成五年決定. 「特定」の次元の問題で考慮してきたのが、平成五年決定. このような充当方式によって生じる手間と時間の点を、. 差押えの効力が上記送達の時点で生ずることにそぐわない. 受けた第三債務者において、直ちにとはいえないまでも、. 二項の求める差押債権の特定とは、債権差押命令の送達を. う民事執行法の定めに鑑みると、「民事執行規則一三三条. 務 者 に 送 達 さ れ た 時 点 で 直 ち に 生 じ( 同 条 四 項 ) 」るとい. (民事執行法一四五条一項) 、その効力は差押命令が第三債. し差押債権の債務者への弁済を禁止することを内容とし. 定」という)は、 「債権差押命令は、……第三債務者に対. 民 集 六 五 巻 六 号 二 七 一 〇 頁( 以 下「 最 高 裁 平 成 二 三 年 決. ( (. このような状況の中で、最三小決平成二三年九月二〇日. することによって当該債権を他の債権と誤認混同すること. 事態とならない程度に速やかに、かつ、確実に、差し押さ. の手間と時間を必要とすることになるのである。. なく認識し得る程度に明確に表示されることを要する」と. えられた債権を識別することができるものでなければなら. 57. (. して、第三債務者の識別上の負担の程度の相当性(識別容. 判 例 研 究. (.

(9) 法学研究 86 巻 1 号(2013:1). による債権差押命令の申立てについて、 「上記の程度に速. を最高裁として初めて明らかにした上で、全支店順位方式. ない」として、識別容易性が「特定」の一内容となること. がある。. いう特定方法について、識別容易性が問題とされた裁判例. 限定して弁済期の早いものから順に執行債権を充当すると. 間の二〇年前の貸金の差押えの際に、一定の期間の貸付に. ( (. やかに確実に差し押えられた債権を識別することができる ものであるということはできない」として、識別容易性を. このような中で、本決定は、将来預金を差押えの客観的. 店順位方式による銀行預金の差押えに関しては、識別容易. この最高裁決定に対する賛否はさておき、少なくとも支. いえる。もっとも、支店順位方式や保険金支払請求権の差. 容易性が問題とされる領域の拡大の流れの一つであるとも. 性の有無によってその適法性を判断したものであり、識別. 範囲に含めた債権差押命令の申立てに関しても、識別容易. 性が「特定」の一内容として要求されている状況にある。. 押えや私人間の貸金の差押えの事案のような、充当方式に. 支払請求権を差し押さえる場合には、保険契約ごとに執行. 求権)の差押えの際に、――通常の書式によれば、保険金. 支払請求権(配当金請求権、解約返戻金請求権、満期金請. うになった。例えば、複数の生命保険契約に基づく保険金. レベルの裁判例が、平成二〇年以降において散見されるよ. 権差押命令の申立てに対して、識別容易性を要求する高裁. 押命令が送達された時点において充当方式によって生じる. 金も差押えの対象となるか否か)だけであるから、債権差. 定の預金口座の残高が執行債権額に満つるか否か(将来預. は、債権差押命令が送達された時点で問題となるのは、特. た。これに対し、本件のような将来預金の差押えの事案で. 生じる第三債務者の識別上の負担に着目してのものであっ. 債権差押命令が送達された時点において充当方式によって. 関する裁判例において識別容易性が問題とされていたのは、. 債権を割り付ける方式が採られているのに対して――保険. 識別上の負担といったものは問題にならない。将来預金の. (. 契約の種類を指定せずに、すべての保険契約の契約日の早. 差押えの際に第三債務者である銀行に生じる負担は、残高 (. (. いものから順に執行債権に充当するという特定方法につい (. が執行債権額に満たなかったために払戻しの停止の措置が. 支店順位方式以外の事案についても、充当方式による債. ㈢ 識別容易性の問題領域の支店順位方式以外への拡大. 欠いて不適法と判断した。. (. て、識別容易性が問題とされた裁判例がある。また、私人 (. (. 58.

(10) きことになる時点(残高が執行債権額に満ちた時点)を即. 採られることになった場合において、その措置を解除すべ. ㈡. 性を要求する根拠として⒝を採用したものであるといえる。. 程度に速やかに」という一般論を説示しており、識別容易. 共通する認識は、将来預金の差押命令の送達を受けた銀行. 将来預金の差押えの適法性が問題になった全ての決定に. 将来預金の差押えの場合. 座に把握することに関する困難性についてのものである。. という見方をするならば、本決定(及び平成二〇年決定). は、現存預金のみでは執行債権を満足させるに足りないと. 識別容易性が充当方式に対する歯止めとして機能していた. はそこから一歩踏み出したものであるといえる。. とになるが、預金残高が差押えの客観的範囲を超えた場合. きは、当該預金口座について払戻しの停止の措置を採るこ 三 識別容易性を要求する根拠について. はその時点で直ちにその措置を解除して、払戻しの請求な. の識別の作業に手間と時間を要することによって、差押え. 平な分担という点を挙げるものと、⒝差押えの客観的範囲. る根拠として、⒜単に差押債権者と第三債務者の負担の公. る。その負担の内容は、ATM等から払戻しの請求がなさ. 銀行に非常に大きな負担を強いることになるという点であ. しているのは、将来預金の差押えが行われることによって、. して、本決定の原決定・原々決定や平成二〇年決定が着目. その上で、将来預金の差押えが識別容易性を欠く根拠と. どがあればそれに応じる義務を負う、という点である。. の弁済禁止効が生じる債権差押命令の送達の時点から、弁. れるのは営業時間内外を問わないから、銀行が履行遅滞の. 支店順位方式の裁判例においては、識別容易性を要求す. ㈠ 充当方式(特に支店順位方式)の場合. 済禁止効の生じた範囲を第三債務者が認識する時点までの. 責任を免れるためには、営業時間内外を問わず常に当該預. (. タ イ ム ラ グ が 大 き く な り、 第 三 債 務 者 に 実 体 法 上 の 危 険 ((. (. (二重弁済の危険)を負わせることになるという点を挙げ. 金口座の入金状況を監視しなければならないが、このよう. (. ((. (. るものとがあった。最高裁平成二三年決定は、債権差押命. な監視を自動的に可能とするシステムは構築されていない. 59. (. ((. (. 令の送達の時点から差押えの客観的範囲を第三債務者が認. ために、このような監視作業は人力に頼らざるを得ない、 (. 識する時点までタイムラグに着目して、 「差押えの効力が. というものである。. (. ……送達の時点で生ずることにそぐわない事態とならない. 判 例 研 究. ((.

(11) 法学研究 86 巻 1 号(2013:1). 囲を超えたか否かの判断(これを本決定は識別の問題と捉. これに対して、本決定は、預金残高が差押えの客観的範. 範囲を超えたか否かの判断であって、問題となるのは、将. かに行うことができないのは、預金残高が差押えの客観的. これに対して、将来預金の差押えの事案においては、速や. もっとも、本決定が最高裁平成二三年決定の一般論をそ. えている)を、銀行が速やかに行うことができないという. のまま用いているのは、支店順位方式の場合と同様に、将. 来における入金の時点から上記の判断が完了するまでの時. システムが構築されておらず、その他の方法でも速やかに. 来預金の差押えの事案もタイムラグの問題として捉えよう. 点に着目しており、この点が前述の諸決定とは微妙に異な. こ の 判 断 を す る こ と が で き な い た め、 「差押えの効力が. としていることを示しているといえよう。すなわち、将来. 点のタイムラグである。そうすると、差押えの効力が生じ. ……送達の時点で生ずることにそぐわない事態とならない. における入金後の預金残高のうちのどの部分が差押えの対. た時点からのタイムラグを問題にする最高裁平成二三年決. 程度に速やかに」識別することはできないとするのである。. 象であるかを第三債務者が認識する作業(預金残高が差押. るところである。すなわち、銀行は債権差押命令の送達後. 本決定の理由付けのうち若干理解に苦しむのは、支店順. えの客観的範囲を超えたか否かの判断)についても識別の. において入金があるごとに、預金残高が差押えの客観的範. 位方式の事案である最高裁平成二三年決定において説示さ. 問題と捉えた上で、その識別を速やかに行うことができな. 定の一般論をそのまま用いているのは、問題の所在の差異. れた「差押えの効力が……送達の時点で生ずることにそぐ. い――識別容易性を欠く――ことにより、預金者の払戻し. 囲を超えたか否かを判断しなければならないが、預金口座. わない事態とならない程度に速やかに」という一般論をそ. に十分に注意を払っていないものであるということができ. のまま用いている点である。支店順位方式の事案において. の請求に適時に応対することが不可能となる――第三債務. への出入金は営業時間外にもATMなどを通じていつでも. は、債権差押命令の送達の時点からのタイムラグが問題と. 者が履行遅滞の危険を負う――という構図である。識別容. る。. なっているために、差押えの効力が生じた時点からのタイ. 易性を欠くことによるタイムラグの発生が、第三債務者に. 行うことができるのに対して、銀行にはこの判断が可能な. ムラグを問題にするこのような一般論が説示されていた。. 60.

(12) 判 例 研 究. という意味においては、支店順位方式の場合と共通の構図. 実体法上の危険を負わせることになる点を問題としている. てよいか――預金残高が差押えの客観的範囲を超えた時点. 決定が前提にしているような実体法上の危険を前提に考え. これに対して、将来預金の差押えの場合においては、本. で直ちに、銀行が店頭の窓口以外における払戻しや振込み. で問題を捉えようとしているとみることができる。. 債権差押命令の申立てを識別容易性の欠如という理由で. 考えてよいか――については、疑問の余地が十分にあるよ. た自動決済を再開する措置を執る義務があることを前提に. 等の要求に応じられるようにする措置や、預金口座を用い. 却下することが適切であるか否かを検討する上では、まず. うに思われる。. 四 検討. は特定の一内容として識別容易性を要求する根拠を是認す. 動することになるので、前記のようなタイムラグが存在す. の振込みといった機械的処理によって預金残高が瞬時に変. のは、銀行預金はATMによる払戻しやインターネットで. 求する要請はそれなりに高いものがあるといえる。という. のがあるので、これを可及的に防止すべく識別容易性を要. くことによって生じ得る実体法上の危険は比較的深刻なも. まず、支店順位方式の場合においては、識別容易性を欠. 者)の協力がなければ履行できない義務であると理解して、. の み で は 果 た す こ と が で き な い と す れ ば、 債 権 者( 預 金. ないように思われる。また、右のような義務を銀行が自力. の義務を負うことを前提にして議論をすることは適切では. うすると、将来預金の差押えの場合に、安易に銀行が上記. ような義務は社会通念上履行不能であると考えられる。そ. 状況の監視を人力に頼らざるを得ないとするならば、右の. に監視するシステムが存在していないために、常時の入金. 例えば、原決定などが述べるように、入金状況を自動的. るとすれば、その間に銀行が関知しきれない状態で二重弁. 例えば、店頭の窓口以外における払戻し等の再開が必要な. ることができるかどうかが問題とされるべきであろう。. 済をしてしまう危険が生ずることになり、これを避けよう. 場合には、預金者が銀行にその旨を申し出るべきものと解. ( (. として払戻しを一旦停止する措置を採れば履行遅滞の責任. することも可能であるように思われる。この他にも様々な. 61. (. ((. (. を負う危険が生じるため、銀行は実体法上の危険を避ける (1 (. 考え方があり得ようが、ともかく銀行が前記のような義務. (. ことができずに進退窮まることになるからである。. ((. ((. ((.

(13) 法学研究 86 巻 1 号(2013:1). るのが正当であるか否かを、まずは問題にすべきであった. きではなく、むしろ銀行が前記のような義務を負うと解す. を負うことを安易に将来預金の差押えを禁じる理由にすべ. 測がつかないのであって、発生の確実性を欠くものともい. 将来、同預金口座に何時、幾らの金額が入金されるかは予. えの場合には「発生の確実性が求められ……るところ……. 田原睦夫裁判官の補足意見においては、将来債権の差押. ( (. ように思われる。 なお、仮に銀行が上記のような義務を免れないという前. ことを示唆している(将来債権の被差押適格について、発. え」るとして、将来債権の被差押適格の問題として論じる. ( (. 提に立ったとしても、時的範囲を短期間に縮減して債権差. 生の蓋然性を要求する見解は比較的多く見られる)。. 間に限って認めることによって、生じ得る実体法上の危険. ると、これと同様に、将来預金の差押えの時的範囲を短期. さくなるからであると理解することが可能である。そうす. さくなることにより、生じ得る実体法上の危険の程度が小. 位方式が許される傾向にあるのは、タイムラグの程度が小. 金を差押えの客観的範囲に含めた債権差押命令の申立ては. の確実性を欠いていることには変わりがないから、将来預. 監視するシステムが構築されたとしても、将来預金が発生. 次元の問題において議論することは、仮に入金を自動的に. 「特定」の次元の問題とは別に、将来債権の被差押適格の. れる。. 蒙らないのであれば、将来預金の発生の確実性がないこと. しかし、第三債務者である銀行がもはや何らの迷惑をも. は、単に差押債権者が負担すべきリスクの問題に過ぎない. ( (. においても、かつては発生の確実性を求める見解があった. ことになるように思われる。また、将来債権の譲渡の場合. 将来預金の差押えを不適法とするという結論は、にわかに. か否かの判断にタイムラグが生じてしまうことから直ちに、. いずれにせよ、預金残高が差押えの客観的範囲を超えた. すべからく却下すべし、ということを帰結するように思わ. このように、将来預金の差押えの可否を議論する上で、. ((. の程度を軽減することも考えられたはずである。. 順位方式の裁判例において、支店数をより限定した支店順. 押命令を発令することも考えられたように思われる。支店. ((. 支持することはできない。. 五 将来債権の差押えの許容性と将来預金の差押え(田原 補足意見について). ものの、最三小判平成一一年一月二九日民集五三巻一号一. ((. 62.

(14) に財産的価値を認めるかどうかは、債権差押命令の申立人. 方を将来預金の差押えにパラレルに持ち込めば、将来預金. リスク判断にかかる問題に過ぎないことになり、この考え. 来債権について財産的価値を認めるかどうかは、譲受人の. いという趣旨の判示をしている。この考え方に従えば、将. 実性は譲受人が負担すべき契約上のリスクの問題に過ぎな. 五一頁はこのような見解を否定して、将来債権の発生の確. であると考えられる。. られるが、そうだとすると本決定の実務への影響力は甚大. る。したがって、多くの銀行が射程に入り得るものと考え. 能な方法が他にない限り、この決定の射程内であるといえ. 行債権額を超えた場合に速やかに払戻しに応じることが可. テムが構築されていない銀行であれば、他に預金残高が執. できる」銀行であって、入金状況を自動的に監視するシス. たことの影響も無視できないものがあろう。. を否定する事例を、最高裁が支店順位方式以外にも拡大し. また、識別容易性の欠如を理由に被差押債権の「特定」. になる。そうすると、殊更に発生の確実性を求めて将来預. しかし、識別容易性の観点から安易に債権差押命令の申. 金の差押えを否定することは、この平成一一年の最高裁判 決の考え方に適合的とはいえないものと思われる。. 立てを不適法却下することは、債権執行の重要性に鑑みれ. 本決定の射程としては、群馬銀行においては「特定の普. (支店順位方式のような充当方式の事例の場合も含めて). 上 の 負 担 か ら 保 護 す べ き 場 面 で あ る か 否 か に つ い て は、. るため、申立てを不適法却下してまでも第三債務者を識別. ば、権利そのものの実現を著しく阻害する要因ともなり得. 通預金口座への入出金を自動的に監視し、常に預金残高を. 六 おわりに. 一定の金額と比較して、これを上回る部分についてのみ払. は群馬銀行に個別に妥当するものである。もっとも、決定. ない」から識別容易性を欠く、としているため、直接的に. 慎重な検討が必要であるように思われる。既に述べた通り、. の観点からこれを否定すべきであるか否かにについては、. 本件のような将来預金の差押えに関しても、識別容易性. 慎重に検討すべきである。. 理由を見る限りは、出入金を「窓口の営業時間外であって. 預金残高が差押えの客観的範囲を超えたか否かの判断にタ. 戻請求に応ずることを可能とするシステムは構築されてい. も、ATMやインターネットを通じていつでも行うことが. 63. (差押債権者)のリスク判断にかかる問題に過ぎないこと. 判 例 研 究.

(15) 法学研究 86 巻 1 号(2013:1). 六三頁・六六九頁。. 事 執 行 法〔 増 補 新 訂 六 版 〕』( 青 林 書 院、 二 〇 一 〇 年 ) 六. (. ) 鈴木竹雄ほか「銀行取引セミナー・預金の差押え第一. イムラグが生じることから直ちに、識別容易性を欠くとい. 『 民 事 執 行 の 実 務( 中 )〔 四 訂 版 〕』( 新 日 本 法 規、 二 〇 〇 債 権 執 行 編( 上 )〔 第 三. 二 年 ) 四 四 八 頁、 東 京 地 方 裁 判 所 民 事 執 行 セ ン タ ー 実 務 研 究 会 編 著『 民 事 執 行 の 実 務. 版〕』(金融財政事情研究会、二〇一二年)九九頁。 ) 中野貞一郎「被差押債権の特定」同『判例問題研究強 )三 八 四 頁、 中 野 貞 一 郎『 民. (. う結論を導くべきであるか否かについては、十分に検討の ( (. 余地があるように思われるからである。将来預金の差押え に関しては、その必要性が指摘されるところでもあるから、 安易に識別容易性の欠如という観点から否定するのではな く、より積極的な方向で検討が加えられていくことが望ま. ) 債権差押命令の送達の日から三日を経過する日までに. れる。. (. 的範囲に含めた債権差押命令の申立ての適法性が問題と な っ た 事 案 で あ り、 第 三 債 務 者 は 三 菱 東 京 U F J 銀 行 で あった。 ( ) 鈴木忠一 三 = ケ 月 章 編『 注 解 民 事 執 行 法( 四 )』( 第 一 法 規、 一 九 八 五 年 ) 三 八 四 頁〔 稲 葉 威 雄 〕、 深 沢 利 一. (. 三 = ケ 月 編・ 前 掲 注(. 制 執 行 法 』( 有 斐 閣、 一 九 七 五 年 ) 一 二 三 頁・ 一 三 六 頁、 鈴木. 2. ) 平成五年決定以降の支店順位方式に関する高裁レベル. 言〕。. 回 」 ジ ュ リ 二 二 四 号( 一 九 六 一 年 ) 七 〇 頁〔 加 藤 一 郎 発. 4. し 三 七 支 店 / 否 定 )、〔 八 〕 東 京 高 決 平 成 一 七 年 一 〇 月 五. 頁( 埼 玉 り そ な 銀 行・ 青 梅 信 用 金 庫・ 足 利 銀 行 / 四 な い. 〔七〕東京高決平成一七年九月七日判タ一一八九号三三七. 判一二二七号四八頁(三井住友銀行/都内全支店/否定)、. 全 支 店 / 否 定 )、〔 六 〕 東 京 高 決 平 成 一 七 年 六 月 二 一 日 金. 一 七 年 六 月 七 日 金 判 一 二 二 七 号 四 八 頁( 三 井 住 友 銀 行 /. 一 頁( 中 国 銀 行 / 三 五 支 店 / 肯 定 )、〔 五 〕 東 京 高 決 平 成. 島高岡山支決平成一六年一二月一五日金法一七六五号六. 銀 行・ あ さ ひ 銀 行 / 六 な い し 一 二 支 店 / 否 定 )、〔 四 〕 広. 頁( 三 井 住 友 銀 行・ U F J 銀 行・ 東 京 三 菱 銀 行・ み ず ほ. 〔三〕東京高決平成一四年九月一二日判時一八〇八号七七. 年一一月二九日判タ一一〇三号一八三頁(七支店/否定)、. (西武信用金庫/三支店/肯定)、〔二〕東京高決平成一二. 〔一〕東京高決平成八年九月二五日判時一五八五号三二頁. い る。 第 三 債 務 者 が 不 明 の 場 合 は 支 店 数 以 下 を 記 載 )。. 「第三債務者/列挙した支店数/特定の有無」を記載して. の 裁 判 例 は、 以 下 の 通 り で あ る( 裁 判 例 の 後 の カ ッ コ は. 5. ((. 預金口座に入金されて預金となった部分を差押えの客観. 1 2. 3. 64.

(16) 判 例 研 究. 一頁(UFJ銀行・三井住友銀行/三及び六支店/肯定)、. 〔一一〕東京高決平成一八年六月一九日判時一九三七号九. 七日金法一七七九号九一頁(みずほ銀行/四支店/否定)、. の 複 数 店 舗 / 否 定 )、〔 一 〇 〕 東 京 高 決 平 成 一 八 年 四 月 二. 頁( 百 十 四 銀 行・ 香 川 銀 行・ 高 松 信 用 金 庫 / 特 定 地 域 内. 〔九〕高松高決平成一八年四月一一日金判一二四三号一二. 東和銀行/本店及び埼玉県内一三ないし一七支店/肯定)、. 日判タ一二一三号三一〇頁(UFJ銀行・三井住友銀行・. 支 店 / 否 定 )、〔 二 四 〕 東 京 高 決 平 成 二 三 年 六 月 一 四 日 金. J 銀 行・ 三 井 住 友 銀 行・ み ず ほ 銀 行・ ゆ う ち ょ 銀 行 / 全. 成 二 三 年 六 月 六 日 金 判 一 三 七 六 号 二 二 頁( 三 菱 東 京 U F. (本店及び東京都内一六支店/否定)、〔二三〕東京高決平. 東京高決平成二三年五月一八日金法一九二六号一一二頁. 一八日金法一九二六号一〇六頁(全支店/否定)、〔二二〕. (全支店/否定)、〔二一〕仙台高秋田支決平成二三年五月. 東京高決平成二三年五月一六日判時二一一一号三八頁. 定 )、〔 二 六 〕 東 京 高 決 平 成 二 三 年 六 月 二 二 日 判 時 二 一 二. 二 三 年 六 月 二 一 日 金 法 一 九 二 六 号 一 二 二 頁( 全 支 店 / 肯. 法 一 九 三 一 号 三 六 頁( 三 菱 東 京 U F J 銀 行・ 三 井 住 友 銀. 三 二 支 店 / 否 定 )、〔 一 三 〕 大 阪 高 決 平 成 一 九 年 九 月 一 九. 二 号 八 二 頁( 三 井 住 友 銀 行・ 三 菱 東 京 U F J 銀 行・ り そ. 行・ み ず ほ 銀 行 / 全 支 店 / 否 定 )、〔 二 五 〕 東 京 高 決 平 成. 日 判 タ 一 二 五 四 号 三 一 八 頁( 埼 玉 り そ な 銀 行 / 本 店 及 び. 六 頁( 郵 政 公 社・ U F J 銀 行 / 一 一 貯 金 事 務 セ ン タ ー・. 埼 玉 県 内 九 支 店 / 肯 定 )、〔 一 四 〕 東 京 高 決 平 成 二 三 年 一. な 銀 行・ み ず ほ 銀 行・ ゆ う ち ょ 銀 行 / 全 支 店 / 肯 定 )、. 〔一二〕東京高決平成一八年七月一八日金法一八〇一号五. 月 一 一 日 金 法 一 九 一 八 号 一 〇 九 頁( 三 井 住 友 銀 行 / 一 二. 〇 月 二 六 日 判 時 二 一 三 〇 号 四 頁( 三 井 住 友 銀 行・ み ず ほ. 二 六 頁( 全 支 店 / 否 定 )、〔 二 八 〕 東 京 高 決 平 成 二 三 年 一. 銀 行・ 三 菱 東 京 U F J 銀 行・ り そ な 銀 行 / 全 支 店( 残 高. 〔二七〕東京高決平成二三年六月三〇日金法一九二六号一. 〔一六〕東京高決平成二三年三月三〇日金法一九二二号九. 順)/肯定)。. 支 店 / 否 定 )、〔 一 五 〕 東 京 高 決 平 成 二 三 年 一 月 一 二 日 金. 二 頁( 東 京 三 菱 U F J 銀 行・ 三 井 住 友 銀 行・ み ず ほ 銀 行. 法 一 九 一 八 号 一 〇 九 頁( U F J 銀 行 / 全 支 店 / 肯 定 )、. / 全 支 店 / 肯 定 )、〔 一 七 〕 東 京 高 決 平 成 二 三 年 三 月 三 一. ) 前注〔二三〕決定の許可抗告審決定である。. (. ) 東京地方裁判所民事執行センター実務研究会編著・前. (. )一三八頁。. )〔二九〕東京高決平成二二年九月八日判タ一三三七号. 2. 日 金 法 一 九 二 二 号 九 二 頁( み ず ほ 銀 行 / 全 支 店 / 否 定 )、 〔一八〕東京高決平成二三年四月一四日金法一九二六号一. 掲注( (. 一 二 頁( 全 支 店 / 肯 定 )、〔 一 九 〕 東 京 高 決 平 成 二 三 年 四. 6. 月二八日金法一九二二号八七頁(全支店/否定)、〔二〇〕. 65. 7. 8.

(17) 法学研究 86 巻 1 号(2013:1). (. 二 七 一 頁( 保 険 金 支 払 請 求 権 の 差 押 え / 肯 定 )、〔 三 〇 〕. 人の地位が不安定なものとなりかねない」と説示してい. で き な い こ と と な り、 第 三 債 務 者( 中 略 ) 等 の 利 害 関 係. ) この理由付けからすると、銀行員に不寝番をさせるこ. 東京高決平成二二年一二月七日判タ一三三九号二〇九頁 (. る。. )〔三一〕東京高決平成二〇年三月一九日判タ一二七五. (保険金支払請求権の差押え/否定)。. とは期間の長短を問わず大きな負担であることには変わ. り が な い か ら、 将 来 預 金 の 差 押 え の 時 的 範 囲 が 三 日 で あ. 号三三八頁(私人間の貸金債権の差押え/否定)。 )〔一〕〔二〕〔七〕. る か 一 年 で あ る か は、 結 論 に は 大 き く 影 響 し な い と い え. ) 例えば、平成五年決定や前掲注(. 〔 一 一 〕〔 一 二 〕〔 一 六 〕〔 一 八 〕〔 二 二 〕〔 二 四 〕 な い し. る。. ) なお、支店順位方式の場合には、識別中はいったん包. 〔二七〕決定。これらは「特定」という要件を、特定方法 (. すべき領域の限界を画することを困難にする点が問題で. に 公 平 の 見 地 だ け に 着 目 す る こ と は、 識 別 容 易 性 を 要 求. として把握しようとするものとも評価できる。しかし、単. 六年)一九頁〔中原利明・三上徹発言〕)。. 金に対する(仮)差押え(下)」金法一七八四号(二〇〇. 銀 行 も あ る よ う で あ る( 飯 塚 宏 他「 座 談 会 複 数 支 店 の 預. 括的に執行債務者の預金の払戻しを停止する措置を採る. の適否に関して公平の見地を導入するための機能的概念. あ る よ う に 思 わ れ る。 識 別 容 易 性 の 欠 如 を 以 っ て 申 立 て. ) もっとも、二重弁済の危険や履行遅滞の危険を防止す. る 方 法 は、 債 権 差 押 命 令 を 不 適 法 却 下 す る こ と が 最 後 の. を 不 適 法 と す る の は、 申 立 人 の 権 利 の 実 現 を 拒 絶 す る と. 者 に 対 す る 送 達 後 そ の 識 別 作 業 が 完 了 す る ま で の 間、 差. し た 債 権 差 押 命 令 が 発 せ ら れ る と、 差 押 命 令 の 第 三 債 務. かに確実に行い得ないような方式により差押債権を表示. 目的とする民事執行法の解釈としては適切とはいえない。. に 識 別 容 易 性 を 要 求 す る こ と を 貫 く の は、 権 利 の 実 現 を. 式( 支 店 順 位 方 式 ) を 採 ら ざ る を 得 な い 場 合 に も、 厳 格. 保 護 を 図 る こ と は 可 能 で あ る か ら、 債 権 者 が 真 に 充 当 方. 方 に 基 づ く 銀 行 取 引 約 款 の 整 備 ) な ど に よ っ て、 銀 行 の. 価 し て 履 行 遅 滞 の 責 任 を 免 除 す る こ と( こ の よ う な 考 え. 四 七 八 条 ) に よ る 免 責、 識 別 中 の 払 戻 し を 履 行 不 能 と 評. い う 意 味 で 極 め て 重 大 な 事 柄 で あ る か ら、 識 別 容 易 性 を )〔五〕〔六〕〔九〕〔一四〕〔一五〕. 砦 で は な く、 債 権 の 準 占 有 者 に 対 す る 弁 済 の 規 定( 民 法. 〔二一〕〔二三〕決定。. ) 例えば、前掲注(. 要求すべき領域の限界付けは慎重に行う必要があろう。. (. 14. 15. 押えの効力が生じた債権の範囲を的確に把握することが. ) 最高裁平成二三年決定は、「識別を上記の程度に速や. 5. (. ( (. 13. 5. 9 10 11 12. 66.

(18) 判 例 研 究. (. は一般的には期待し難い」ので、「弁済禁止の効力が及ぶ. 債務の残額等を正確に把握し得る資料を有していること. し、社会通念上合理的と認められる時間と負担を超える」. もちろん紛争の局外者である第三債務者の保護は民事執. と し た。 し か し、 こ こ で い わ れ る 二 重 弁 済 の 危 険 は、 事. 行 法 上 重 要 な 問 題 で あ る が、 権 利 の 可 及 的 な 実 現 の 観 点. た申立人の側の事情も考慮すべきであるように思われる。. 案の性質上ほとんど問題にならないものであるし、また、. 範囲を正確に把握することは相当の困難を伴う」として、. 最 高 裁 平 成 二 三 年 決 定 に つ い て、 山 本 和 彦「 預 金 債 権 の. 正確に差押えの客観的範囲を認識ができないことによる. か ら は、 第 三 債 務 者 に は 必 要 以 上 の 負 担 を 強 い る べ き で. 差押えに係る債権の特定(最決平二三・九・二〇)」現代. 第三債務者の実体法上の地位の不安定化の方が問題であ. 査 を 要 求 す る こ と は、 第 三 債 務 者 の 職 業、 能 力 等 に 照 ら. 消 費 者 法 一 四 号( 二 〇 一 二 年 ) 一 一 一 頁 は、 同 決 定 の 説. る と す れ ば、 む し ろ 客 観 的 識 別 可 能 性 が 問 題 と な る 事 案. 「第三債務者に二重払いの危険を負担させながら上記の調. 示 自 体 を 見 る 限 り、 第 三 債 務 者 で あ る 銀 行 の 負 担 の み を. に 準 じ て 理 解 す べ き で あ り、 識 別 容 易 性 の 問 題 に し て い. は な い と い う 限 度 で、 第 三 債 務 者 の 保 護 を 考 え る べ き で. 決 定 的 に 重 視 し、 申 立 人( 債 権 者 ) の 視 点 が 欠 如 し て い. る の は 牽 強 付 会 の 感 が な い と は い え な い( な お、 当 該 私. あ っ て、 申 立 人 が 支 店 順 位 方 式 を 採 用 す る 必 要 性 と い っ. ) 支店順位方式の事案の他にも、充当方式を採った債権. ると指摘している。. 容易性を問題とすべき要請が高いとはいえないと思われ. 案 が あ る が、 本 文 で 述 べ た よ う な 観 点 か ら す る と、 識 別. 差押命令の申立てに関して識別容易性が問題となった事. して発令を取り消して申立てを却下するという判断もあ. 債 務 者 の 陳 述 を 見 て か ら、 あ ら た め て 識 別 可 能 性 な し と. ら か じ め 分 か ら な い か ら、 債 権 差 押 命 令 を 発 令 し て 第 三. 人が正確に差押えの客観的範囲を認識できるか否かはあ. の 差 押 え の 際 に、 す べ て の 種 類 の 保 険 契 約 の 契 約 日 の 早. ま た、 複 数 の 生 命 保 険 契 約 に 基 づ く 保 険 金 支 払 請 求 権. り得よう)。. る。 例 え ば、 私 人 間 の 二 〇 年 前 の 貸 金 の 差 押 え の 際 に、 一. いものから順に執行債権に充当するという特定方法が問. 定の期間の貸付に限定して弁済期の早いものから順に執 )〔 三 一 〕 決 定 ) は、「 一 般 の 私 人 で あ る 第 三. 行債権を充当するという特定方法が問題となった事案 ( 前 掲 注(. )〔 二 九 〕〔 三 〇 〕 決 定 ) は、. 保険金支払請求があった時点で即時に履行しなければ直. 題 と な っ た 事 案( 前 掲 注( 債務者が、二〇年以上も前に発生した貸金債務について、. 8. 9. 現 時 点 に お い て そ の 貸 付 日、 貸 付 金 額、 弁 済 期、 各 貸 金. 67. 16.

(19) 法学研究 86 巻 1 号(2013:1). (. は さ ほ ど 重 大 な 問 題 で は な い。 こ の こ と は、 否 定 例 で あ. し ま う 危 険 性 が あ る わ け で は な い か ら、 二 重 弁 済 の 危 険. 械的処理によって保険会社が意図せずに二重弁済をして. ち に 履 行 遅 滞 に な る わ け で は な く、 銀 行 預 金 の よ う に 機. 掲注(. 生 の 蓋 然 性 を 要 求 す る 見 解 と し て、 鈴 木 = 三 ケ 月 編・ 前. 定できる限り、執行対象になる」としている。その他、発. ため財産的価値を有するもの」であれば、「その債権を特. 係 が 存 在 し て、 近 い 将 来 に お け る 発 生 が 確 実 に 見 込 め る. )一四〇頁など. )三六八頁〔稲葉威雄〕、東京地方裁判所民事執. る〔 三 〇 〕 決 定 が、 契 約 日 順 の 充 当 方 式 が ど の 程 度 の 負. がある。. 行 セ ン タ ー 実 務 研 究 会 編 著・ 前 掲 注(. ) 例えば、最二小判昭和五三年一二月一五日判時九一六. 担 を 導 く も の か に 触 れ る こ と な く、 第 三 債 務 者 に よ り 負 (. ) 本件のような申立ての必要性がどのようなものであっ. 号二五頁。. 権の濫用の問題として処理すべきであろう。. あって不合理といえる領域に達しているのであれば申立. あ れ ば 客 観 的 識 別 可 能 性 の 問 題 と し て、 著 し く 不 親 切 で. 返 し、 当 該 預 金 口 座 に 残 高 が あ る 時 間 を 極 力 短 く し て、. 例 え ば、 預 金 口 座 か ら 短 期 間 の う ち に 頻 繁 に 出 金 を 繰 り. 預金の差押えの必要性として指摘されることがあるのは、. た の か に つ い て は、 本 決 定 か ら は 明 ら か で は な い。 将 来. (. 担 を か け な い( よ り 親 切 な ) 方 法 が あ る こ と を 理 由 に 「過度の負担を負わせるものである」と結論付けているこ と か ら も う か が わ れ る。 な お、 特 定 の 方 法 が 不 親 切 で あ. 2. 2. ) ある特定の方法による義務の履行が不能であるにすぎ. る 場 合 に 関 し て は、 そ れ に よ っ て 識 別 を 誤 り や す い の で. 20. 21. ず、 調 達 義 務 が 問 題 と な っ て い る 場 面 で は な い か ら、 金. と に よ っ て、 差 押 え を 逃 れ る こ と に 対 す る 対 策 で あ る. 差押命令の送達時に預金残高がある可能性を低くするこ. )一九〇頁、荒井哲朗「流動性預金の時. 銭債務に履行不能はないと言われていることとの関係は. (笠井・前掲注(. 間的包括的差押えについて」消費者法ニュース八〇号. 他人間の内部の権利関係である債務者と第三債務者との. ( 二 〇 〇 九 年 ) 三 四 九 頁 )。 充 当 方 式 の 場 合 の よ う に――. な 方 法 を 用 い て い る と い う も の で は な い た め、 将 来 預 金. す る こ と は で き な い こ と か ら ―― や む を 得 ず に そ の よ う. 間 の 債 権 債 務 関 係 に つ い て、 債 権 者 が こ れ を 詳 細 に 知 悉. い て は、 異 論 も 十 分 に あ り 得 る と こ ろ で あ る。 例 え ば、. ) 将来預金が発生の確実性を欠くといえるかどうかにつ. 希薄である。. 18. 笠 井 正 俊「 差 押 命 令 送 達 時 よ り 後 に 発 生 す る 普 通 預 金 債 )『民事執行法』六四九頁は、「将来. 権の差押え」金判一三三六号(二〇一〇年)一九〇頁。 ) 中野・前掲注(. 生 ず べ き 債 権 で も、 す で に そ の 発 生 の 基 礎 と な る 法 律 関. 3. (. (. 17 18 19. 68.

(20) 判 例 研 究. の 差 押 え の 必 要 性 の 度 合 い は、 充 当 方 式 の 場 合 に 比 べ れ ば 少 な い と は い え る が、 執 行 逃 れ の 防 止 と い う 意 味 で は し か し、 将 来 預 金 の 差 押 え を 行 っ て も、 預 金 者 に お い. その必要性は無下にはできないものがあろう。 て自己宛の振込口座の指定を容易に変更可能なのであれ ば、 流 動 性 を 失 う 預 金 口 座 が 一 つ 増 え る だ け に 過 ぎ な い か ら、 こ れ を 容 易 に 変 更 す る こ と が で き な い よ う な 場 合 で な け れ ば 実 効 性 は 少 な い。 実 効 性 が 少 な け れ ば 執 行 逃 れ の 防 止 に も 繫 が ら な い か ら、 こ の よ う な 差 押 え が 必 要 と さ れ る 場 面 は 限 ら れ て い る よ う に 思 わ れ る。 前 述 の よ う に 頻 繁 に 出 金 を 繰 り 返 す の は、 い わ ゆ る 消 費 者 被 害 を 生 み 出 す よ う な 商 法 を 用 い る 業 者 が、 顧 客 に 振 込 先 口 座 として指定している預金口座について行う手法のようで あり(荒井・前掲三四九頁)、このような預金口座の場合 は容易に指定を変更することはできないように思われる か ら( 荒 井・ 前 掲 三 四 九 頁 は、 顧 客 に 疑 念 を 与 え る 可 能 性を指摘している)、このような場合には将来預金の差押 えの実効性が欠けるとはいえないであろう。. 山木戸勇一郎. 69.

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