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"Minshu mitosai saikosai minso jirei kenkyu nijunana" Nagoya shigikai no kaiha ga shi kara kofu sareta seimu chosahi o shozoku giin ni shishutsusuru sai ni kakugiin kara shokeihi to shito kijunchu no keihi no komokuto tono taio kankei o shimesu bunsho to

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Academic year: 2021

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(1)Title. Sub Title Author Publisher Publication year Jtitle Abstract Notes Genre URL. Powered by TCPDF (www.tcpdf.org). 〔民集未登載最高裁民訴事例研究二七〕 名古屋市議会の会派が市から交付された政務調査費を所 属議員に支出する際に各議員から諸経費と使途基準中の経費の項目等との対応関係を示す文書と して提出を受けた報告書及びこれに添付された領収書が民訴法二二〇条四号ニ所定の「専ら文書 の所持者の利用に供するための文書」に当たるとされた事例 : 文書提出命令に対する抗告棄却決定 に対する許可抗告事件(平成二二年四月一二日最高裁第二小法廷決定) 河村, 好彦(Kawamura, Yoshihiko) 民事訴訟法研究会(Minji soshoho kenkyukai) 慶應義塾大学法学研究会 2011 法學研究 : 法律・政治・社会 (Journal of law, politics, and sociology). Vol.84, No.10 (2011. 10) ,p.100- 120 判例研究 Journal Article http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AN00224504-20111028 -0100.

(2) 法学研究 84 巻 10 号(2011:10). 本 件 は 、 X ら が 、 本 件 会 派 が 所 持 し て い た 平 成 一 六 年 度 分. す る な ど と 主 張 し た 。. と し て 提 起 し た 。. 当 利 得 に も と づ き 返 還 請 求 す る こ と を 求 め る 訴 え を 本 案 事 件. し た と す る 金 額 相 当 額 に つ い て 、 市 長 が 本 件 会 派 に 対 し て 不. が 平 成 一 六 年 度 に 受 領 し た 政 務 調 査 費 か ら 所 属 議 員 ら に 支 出. 自 由 民 主 党 名 古 屋 市 会 議 員 団 ︵ 以 下 ﹁ 本 件 会 派 ﹂ と い う 。 ︶. 二 四 二 条 の 二 第 一 項 四 号 に も と づ き 、 市 の 議 会 の 会 派 で あ る. 文 書 提 出 命 令 の 申 立 人 、 本 件 抗 告 の 相 手 方 ︶ は 、 地 方 自 治 法. ︹ 名 事 古 実 屋 ︺ 市 ︵ 以 下 ﹁ 市 ﹂ と い う 。 ︶ の 住 民 で あ る X ら ︵ 本 件. 供 す る た め の 文 書 ﹂ ︵ 以 下 ﹁ 自 己 利 用 文 書 ﹂ と い う 。 ︶ に 該 当. が 民 訴 法 二 二 〇 条 四 号 ニ 所 定 の ﹁ 専 ら 文 書 の 所 持 者 の 利 用 に. 位 を 承 継 し て 本 件 各 文 書 を 所 持 し て い る 。 Y は 、 本 件 各 文 書. ︵ 本 件 文 書 提 出 命 令 の 相 手 方 、 本 件 抗 告 人 ︶ が 本 件 会 派 の 地. て た も の で あ る 。 な お 原 々 決 定 後 に 本 件 会 派 は 解 散 し 、 Y. て 、 民 訴 法 二 二 〇 条 四 号 に も と づ い て 文 書 提 出 命 令 を 申 し 立. 書 と 本 件 領 収 書 を あ わ せ て ﹁ 本 件 各 文 書 ﹂ と い う 。 ︶ に つ い. に 添 付 さ れ た 領 収 書 ︵ 以 下 ﹁ 本 件 領 収 書 ﹂ と い う 。 本 件 報 告. の 政 務 調 査 費 報 告 書 ︵ 以 下 ﹁ 本 件 報 告 書 ﹂ と い う 。 ︶ と こ れ. 所 時 報 一 五 〇 六 号 一 頁 、 判 例 時 報 二 〇 七 八 号 三 頁. 文 書 提 出 命 令 に 対 す る 抗 告 棄 却 決 定 に 対 す る 許 可 抗 告 事 件 ︵ 平 成 二 二 年 四 月 一 二 日 最 高 裁 第 二 小 法 廷 決 定 ︶ 裁 判. 四 号 ニ 所 定 の ﹁ 専 ら 文 書 の 所 持 者 の 利 用 に 供 す る た め の 文 書 ﹂ に 当 た る と さ れ た 事 例. 経 費 の 項 目 等 と の 対 応 関 係 を 示 す 文 書 と し て 提 出 を 受 け た 報 告 書 及 び こ れ に 添 付 さ れ た 領 収 書 が 民 訴 法 二 二 〇 条. 名 古 屋 市 議 会 の 会 派 が 市 か ら 交 付 さ れ た 政 務 調 査 費 を 所 属 議 員 に 支 出 す る 際 に 各 議 員 か ら 諸 経 費 と 使 途 基 準 中 の. ︹ 民 集 未 登 載 最 高 裁 民 訴 事 例 研 究 二 七 ︺. 100.

(3) 判 例 研 究. 務 調 査 費 に 関 す る 経 理 責 任 者 を 置 か な け れ ば な ら な い と す る. 付 に 関 す る 規 則 ︵ 以 下 ﹁ 本 件 規 則 ﹂ と い う 。 ︶ は 、 会 派 が 政. 条 四 号 ニ 所 定 の 自 己 利 用 文 書 に 該 当 す る な ど と 主 張 し た 。. こ の X ら の 主 張 に 対 し て 、 Y は 、 本 件 各 文 書 が 民 訴 法 二 二 〇. 101. ま た 、 本 件 条 例 の 委 任 を 受 け た 名 古 屋 市 会 政 務 調 査 費 の 交. 六 年 度 分 の 本 件 各 文 書 に つ い て 文 書 提 出 命 令 を 申 し 立 て た 。. き る 具 体 的 な 調 査 方 法 に つ い て も 規 定 が な い 。. ま た 本 件 条 例 に は 、 議 長 が 収 支 報 告 書 に つ い て と る こ と が で. 活 動 の 目 的 や 内 容 な ど を 具 体 的 に 記 載 す べ き も の で は な い 。. 額 や 支 出 先 、 当 該 調 査 研 究 活 動 を 行 な っ た 議 員 の 氏 名 、 当 該. 内 訳 が 概 括 的 に 記 載 さ れ た も の で あ れ ば よ く 、 個 々 の 支 出 金. し て 、 民 訴 法 二 二 〇 条 四 項 に も と づ き 、 Y の 所 持 す る 平 成 一. 費 を 政 務 調 査 活 動 以 外 に 支 出 し て い る こ と を 証 明 す る た め と. 出 の 実 態 と 収 支 報 告 書 の 記 載 が 異 な っ て い る こ と 、 政 務 調 査. 年 度 に 行 な っ た 政 務 調 査 費 の 個 人 支 給 分 の 支 出 に つ い て 、 支. 以 上 の よ う な 事 情 の も と で 、 X ら は 、 本 件 会 派 が 平 成 一 六. 基 準 に 従 っ て 支 出 し た 項 目 ご と に 支 出 額 合 計 と 主 た る 支 出 の. だ し 、 本 件 条 例 に よ り 提 出 が 必 要 と さ れ る 収 支 報 告 書 は 使 途. も 議 長 に 対 し て 収 支 報 告 書 の 閲 覧 を 請 求 で き る と さ れ る 。 た. 支 報 告 書 を 提 出 期 限 か ら 五 年 間 保 存 し な け れ ば な ら ず 、 何 人. と き は 必 要 に 応 じ 調 査 す る こ と が で き 、 ま た 、 提 出 さ れ た 収. 調 査 費 の 適 正 な 運 用 を 期 す た め に 、 収 支 報 告 書 が 提 出 さ れ た. 年 度 ご と に 議 長 に 提 出 す る こ と と さ れ て い る 。 議 長 は 、 政 務. 入 お よ び 支 出 の 報 告 書 ︵ 以 下 ﹁ 収 支 報 告 書 ﹂ と い う 。 ︶ を 各. 調 査 費 の 交 付 を 受 け た 会 派 の 代 表 者 は 政 務 調 査 費 に か か る 収. 費 以 外 の も の に 充 て て は な ら ず 、 こ れ を 担 保 す る た め に 政 務. っ て 使 用 す る も の で あ っ て 市 政 に 関 す る 調 査 研 究 に 必 要 な 経. る こ と が で き る が 、 政 務 調 査 費 は 議 長 が 定 め る 使 途 基 準 に 従. 特 定 で き な か っ た 。. れ て い た た め 、 各 領 収 書 が ど の 議 員 か ら 提 出 さ れ た も の か は. ま た 、 同 年 度 分 の 領 収 書 は 経 理 の 項 目 ご と に ま と め て 保 管 さ. 規 則 で 義 務 づ け ら れ て い る 会 計 帳 簿 は 調 製 し て い な か っ た 。. 報 告 書 の 細 目 ご と の 金 額 を 集 計 し て 記 録 し て は い た が 、 本 件. す る 欄 な ど が 設 け ら れ て い る 。 な お 当 時 、 経 理 責 任 者 は 本 件. る ﹁ 主 な 調 査 内 容 ︵ 行 先 ・ 会 場 等 ︶ ﹂ 、 当 該 議 員 の 氏 名 を 記 載. 各 細 目 に 対 応 す る 領 収 書 の 枚 数 お よ び 金 額 、 各 項 目 に 対 応 す. 本 件 報 告 書 に は 使 途 基 準 に 従 っ て 項 目 お よ び 細 目 が 列 記 さ れ 、. 本 件 会 派 が 独 自 に 書 式 を 作 成 し て 使 用 し て い た も の で あ る 。. 調 査 費 の 交 付 を 受 け る 際 に 経 理 責 任 者 に 提 出 す る 文 書 で あ り 、. こ れ に 対 し て 、 本 件 報 告 書 は 、 各 議 員 が 本 件 会 派 か ら 政 務. い う 。 ︶ に よ れ ば 、 市 議 会 の 会 派 は 政 務 調 査 費 の 交 付 を 受 け. 古 屋 市 条 例 第 一 号 に よ る 改 正 前 の も の 。 以 下 ﹁ 本 件 条 例 ﹂ と. 名 古 屋 市 会 政 務 調 査 費 の 交 付 に 関 す る 条 例 ︵ 平 成 二 〇 年 名. の 提 出 期 限 か ら 五 年 間 保 管 し な け れ ば な ら な い と す る 。. 製 す る と と も に 領 収 書 な ど の 証 拠 書 類 を 整 理 し 、 収 支 報 告 書. ほ か 、 経 理 責 任 者 が 政 務 調 査 費 の 支 出 に つ い て 会 計 帳 簿 を 調.

(4) 法学研究 84 巻 10 号(2011:10). に よ り 会 派 の 代 表 者 は 議 長 に 収 支 報 告 書 を 提 出 す る 際 に 一 件. お そ れ は 本 件 に は 考 え ら れ な い と し 、 平 成 二 〇 年 の 条 例 改 正. 査 活 動 に 対 す る 執 行 機 関 、 他 の 会 派 な ど の 干 渉 に よ る 阻 害 の. れ て い る 会 計 帳 簿 に 代 わ る も の と し て 提 出 が 予 定 さ れ て い る. 本 件 の 事 実 関 係 の も と で は 議 長 ま た は 市 長 へ の 提 出 が 予 定 さ. た も の で は な い も の の 、 会 計 帳 簿 が 作 成 さ れ て い な い と い う. 件 報 告 書 は 本 件 条 例 お よ び 本 件 規 則 の 定 め に 従 っ て 作 成 さ れ. 調 査 を 受 け る 際 に 提 出 す る こ と が 予 定 さ れ て い る と す る 。 本. 書 を 調 査 で き る こ と か ら 、 本 件 領 収 書 は 議 長 ま た は 市 長 か ら. た 収 支 報 告 書 の 写 し を 検 討 す る と と も に 会 計 帳 簿 お よ び 領 収. ︵ 地 方 自 治 法 二 二 一 条 二 項 ︶ に も と づ い て 議 長 か ら 送 付 さ れ. た め に 、 補 助 金 な ど の 交 付 を 受 け た 者 の 状 況 を 調 査 す る 権 限. る こ と を 予 定 し て い る こ と 、 ま た 市 長 も 予 算 の 適 正 な 執 行 の. か 否 か を 調 査 す る た め に 会 計 帳 簿 お よ び 領 収 書 の 提 出 を 受 け. こ と か ら 、 本 件 条 例 は 議 長 が 政 務 調 査 費 が 適 正 に 支 出 さ れ た. 製 、 領 収 書 な ど の 整 理 お よ び 五 年 間 の 保 管 を 義 務 づ け て い る. 原 々 決 定 は 、 本 件 条 例 が 会 派 の 経 理 責 任 者 に 会 計 帳 簿 の 調. 客 観 性 を 確 保 す る た め に 調 査 は 外 部 の 者 に よ る べ き こ と か ら 、. こ と 、 ま た 一 般 に 支 出 の 適 正 の 判 断 に つ い て の 判 断 の 公 正 、. た 己 の 原 。 利 理 決 用 由 定 文 を は 書 加 、 に え 議 該 て 長 当 本 は し 件 会 な 各 派 い 文 ま と 書 た し は は 、 民 議 Y 訴 員 に 法 か 本 二 ら 件 二 み 各 〇 て 文 条 外 書 四 部 の 号 の 提 ニ 者 出 所 で を 定 あ 命 の る じ 自. 年 一 一 月 一 二 日 の 枠 組 み に た ち 、 原 々 決 定 の 理 由 づ け に 以 下. 議 Y 員 の の 抗 政 告 務 に 調 対 査 し 活 、 動 原 を 決︵阻 2害 定︶ も し 原 な 々 い 決 の 定 は と 明 同 ら 様 か に で 最 あ 判 る 平 と 成 す 一 る 一 。. ﹁ 主 な 調 査 内 容 ︵ 行 先 ・ 会 場 等 ︶ ﹂ 欄 の 記 載 部 分 を 開 示 し て も. 動 が 阻 害 さ れ る 旨 の 主 張 を し て い な い こ と な ど に 照 ら せ ば 、. 派 も 同 欄 の 記 載 部 分 が 公 に な る こ と に よ り 議 員 の 政 務 調 査 活. い る か ら こ れ 以 上 詳 細 な も の と は 考 え ら れ な い こ と 、 本 件 会. は な い も の の 、 本 件 会 派 は 支 出 内 容 を 具 体 的 に 主 張 立 証 し て. 欄 の 記 載 内 容 が ど の 程 度 具 体 的 な も の か は 必 ず し も 明 ら か で. し た た め 、 本 件 報 告 書 の ﹁ 主 な 調 査 内 容 ︵ 行 先 ・ 会 場 等 ︶ ﹂. を 発 し た の に 対 し て 、 本 件 会 派 は 正 当 な 理 由 な く こ れ を 拒 否. 所 が 本 件 会 派 に 対 し 民 訴 法 二 二 三 条 六 項 に も と づ く 提 示 命 令. さ ら に 、 本 件 報 告 書 の 自 己 利 用 文 書 性 を 判 断 す る た め に 裁 判. 次 に 、 本 件 各 文 書 が 外 部 に 開 示 さ れ た 場 合 の 議 員 の 政 務 調. と 解 す る の が 相 当 で あ る と す る 。. 提 出 を 命 じ た 。. ニ 所 定 の 自 己 利 用 文 書 に 該 当 し な い と し て Y に 本 件 各 文 書 の. 枠 組 み に た っ た う え で 、 以 下 の 理 由 か ら 民 訴 法 二 二 〇 条 四 号. 本 件 原 々 決︵ 1 定︶ は 、 後 述 す る 最 判 平 成 一 一 年 一 一 月 一 二 日 の. 員 の 政 務 調 査 活 動 を 阻 害 し な い こ と は 明 ら か で あ る と す る 。. の 五 条 一 項 ︶ に 照 ら し て も 、 本 件 領 収 書 を 提 出 す る こ と が 議. 実 を 証 す る 書 類 の 写 し の 添 付 が 義 務 付 け ら れ た こ と ︵ 改 正 後. に つ き 一 万 円 以 上 の 支 出 に 係 る 領 収 書 そ の 他 の 当 該 支 出 の 事. 102.

(5) 判 例 研 究. し て お り 、 原 決 定 で も そ の 態 度 を 改 め な い た め に ﹁ 主 な 調 査. 提 示 命 令 に 対 し て 本 件 会 派 が 正 当 な 理 由 な く そ の 提 示 を 拒 否. る と す る 。 な お 、 こ こ で も 、 民 訴 法 二 二 三 条 六 項 に も と づ く. ﹁ 調 査 研 究 報 告 書 ﹂ と は そ の 性 質 を 異 に す る と 解 す べ き で あ. は 議 員 に 対 し 、 政 務 調 査 費 を 交 付 す る こ と が で き る 。 ﹄ と 規. す る た め 必 要 な 経 費 の 一 部 と し て 、 そ の 議 会 に お け る 会 派 又. 条 例 の 定 め る と こ ろ に よ り 、 そ の 議 会 の 議 員 の 調 査 研 究 に 資. う 要 文 ﹁ 肯 定 件 書 ア す え で と の 、 し 所 地 る 。 本 て 持 方 件 最 者 自 各 決 の 治 文 平 利 法 書 成 用 一 の 一 に 〇 自 一 供 〇 己 年 す 条 利 一 る 一 用 一 た 三 文 月 め 項 書 一 の は 性 二 文 、 ﹃ を 日 書 普 以 第 ﹂ 通 下 二 に 地 の 小 該 方 理 法︵当 3す 公 由 廷︶ 共 の を る 団 も 挙 た 体 と げ め は に た の 、. 103. 載 さ れ て い な い と 推 認 さ れ る た め 、 最 高 裁 平 成 一 七 年 決 定 の. 処 理 の 観 点 か ら 支 出 の 適 正 性 を 判 断 で き る 程 度 の こ と し か 記. っ て い る と は 考 え に く く 、 調 査 の 行 先 や 会 場 な ど 、 経 理 上 の. 実 際 の 記 載 内 容 も Y の 主 張 立 証 内 容 を 超 え る 詳 細 な も の と な. た も の で あ る た め に ﹁ 主 な 調 査 内 容 ︵ 行 先 ・ 会 場 等 ︶ ﹂ 欄 の. 本 決 定 は 、 あ る 文 書 が 民 訴 法 二 二 〇 条 四 号 ニ 所 定 の ﹁ 専 ら. 途 基 準 へ の 適 合 性 と い う 経 理 上 の 適 正 処 理 の た め に 使 用 さ れ. ︹ 決 定 要 旨 ︺. る と 解 さ れ る の に 対 し 、 本 件 報 告 書 は 支 出 が 政 務 調 査 費 の 使. 障 が 強 く 求 め ら れ る と の 文 書 の 性 質 か ら 自 己 利 用 文 書 に あ た. 記 載 さ れ て い る た め 、 内 容 が み だ り に 外 部 へ 開 示 さ れ な い 保. び 議 員 の 調 査 研 究 活 動 の 根 幹 に か か わ る 内 容 や 結 果 が 詳 細 に. 開 示 の 必 要 性 が 低 い こ と 、 ﹁ 調 査 研 究 報 告 書 ﹂ に は 会 派 お よ. や 透 明 性 確 保 の た め の 直 接 的 手 段 と は い え な い た め 外 部 へ の. た 。 た だ し 、 本 決 定 に は 須 藤 裁 判 官 の 反 対 意 見 が あ る 。. 原 々 決 定 を 取 り 消 し て X ら の 文 書 提 出 命 令 の 申 立 て を 却 下 し. 条 四 号 ニ の 自 己 利 用 文 書 に 該 当 す る と し て 原 決 定 を 破 棄 し 、. 下 の 理 由 に よ り Y の 主 張 を 認 め 、 本 件 各 文 書 が 民 訴 法 二 二 〇. こ れ に 対 し て 、 Y が 許 可 抗 告 を 申 し 立 て た 。 本 決 定 は 、 以. 定 の 事 案 に お け る 調 査 研 究 報 告 書 は 政 務 調 査 費 の 使 途 の 適 正. 同 質 の も の で あ る と の 主 張 に つ い て は 、 平 成 一 七 年 最 高 裁 決. 定 に お い て 自 己 利 用 文 書 と 認 め ら れ た ﹁ 調 査 研 究 報 告 書 ﹂ と. は で き な い と す る 。 ま た 、 本 件 報 告 書 が 最 高 裁 平 成 一 七 年 決. さ れ 、 外 部 の 者 に 開 示 す る こ と が 予 定 さ れ て い る と い う こ と. 件 各 文 書 は ど ち ら も 専 ら 内 部 の 者 の 利 用 に 供 す る 目 的 で 作 成. 本 制 度 も 議 長 を 外 部 の 者 と 考 え て い る と す る 。 し た が っ て 本. こ れ に よ る 不 利 益 は Y 自 ら が 負 う べ き で あ る と す る 。. と こ ろ 、 Y は あ え て そ の よ う な 対 応 を し て い な い こ と か ら 、. 開 示 請 求 に 対 す る 具 体 的 対 応 を 行 な う こ と は 充 分 可 能 で あ る. が 具 体 的 に 存 在 す る の で あ っ た と し て も 、 Y は そ れ に 応 じ た. た は Y に と っ て 外 部 に 開 示 さ れ て は 困 る 第 三 者 名 の 記 載 な ど. 指 摘 さ れ て い る 。 さ ら に 、 仮 に 本 件 各 文 書 中 に 、 本 件 会 派 ま. 内 容 ︵ 行 先 ・ 会 場 等 ︶ ﹂ 欄 の 実 際 の 記 載 が 不 明 で あ る こ と が.

(6) 法学研究 84 巻 10 号(2011:10). 務 調 査 費 の 適 正 な 運 用 を 期 す た め 、 収 支 報 告 書 が 提 出 さ れ た. の と は さ れ て い な い 。 ま た 、 本 件 条 例 に よ れ ば 、 議 長 は 、 政. 員 の 氏 名 、 当 該 活 動 の 目 的 や 内 容 等 を 具 体 的 に 記 載 す べ き も. 出 の 金 額 や 支 出 先 、 当 該 支 出 に 係 る 調 査 研 究 活 動 を 行 っ た 議. 報 告 書 の 様 式 は 、 概 括 的 な 記 載 が 予 定 さ れ て お り 、 個 々 の 支. そ の 閲 覧 を 請 求 す る こ と が で き る と さ れ て い る が 、 そ の 収 支. ば な ら ず 、 提 出 さ れ た 収 支 報 告 書 は 五 年 間 保 存 さ れ て 何 人 も. こ と が で き る よ う に そ の 基 礎 資 料 を 整 え て お く こ と を 求 め た. 事 情 聴 取 に 対 し 確 実 な 証 拠 に 基 づ い て そ の 説 明 責 任 を 果 た す. 派 の 自 律 を 促 す と と も に 、 各 会 派 の 代 表 者 ら が 議 長 等 に よ る. 務 付 け て い る の は 、 政 務 調 査 費 の 適 正 な 使 用 に つ い て の 各 会. 製 、 領 収 書 等 の 証 拠 書 類 の 整 理 及 び こ れ ら の 書 類 の 保 管 を 義. 旨 に 照 ら す と 、 本 件 規 則 が 会 派 の 経 理 責 任 者 に 会 計 帳 簿 の 調. こ の よ う な 本 件 条 例 及 び 本 件 規 則 の 規 定 並 び に そ れ ら の 趣. 代 表 者 は 所 定 の 様 式 に よ る 収 支 報 告 書 を 議 長 に 提 出 し な け れ. 情 イ に 応 本 じ 件 て 条 制 例 定 に す よ る れ 条 ば 例 、 の 政 定 務 め 調 に 査 ゆ 費 だ の ね 交 る 付 こ を と 受 と け し た て 会 い 派 る の 。. な 報 告 の 程 度 、 内 容 等 に つ い て は 、 各 地 方 公 共 団 体 が そ の 実. 提 出 す る こ と の み を 定 め て お り 、 地 方 自 治 法 は 、 そ の 具 体 的. こ ろ に よ り 政 務 調 査 費 に 係 る 収 入 及 び 支 出 の 報 告 書 を 議 長 に. 使 途 の 透 明 性 を 確 保 す る た め の 手 段 と し て 、 条 例 の 定 め る と. し た も の で あ る 。 も っ と も 、 こ れ ら の 規 定 は 、 政 務 調 査 費 の. 制 度 化 し 、 併 せ て 政 務 調 査 費 の 使 途 の 透 明 性 を 確 保 し よ う と. 会 に お け る 会 派 又 は 議 員 に 対 す る 調 査 研 究 の 費 用 等 の 助 成 を. を 強 化 し 、 議 員 の 調 査 研 究 活 動 の 基 盤 の 充 実 を 図 る た め 、 議. こ れ ら の 規 定 に よ る 政 務 調 査 費 の 制 度 は 、 議 会 の 審 議 能 力. こ ろ に あ る も の と 解 さ れ る 。. す る 執 行 機 関 や 他 の 会 派 等 か ら の 干 渉 を 防 止 し よ う と す る と. 政 務 調 査 費 の 収 支 に 関 す る 議 長 へ の 報 告 の 内 容 等 を 上 記 の 程. う 制 度 の 趣 旨 、 目 的 を 損 な う こ と に も な り か ね な い こ と か ら 、. 動 の 自 由 が 妨 げ ら れ 、 議 員 の 調 査 研 究 活 動 の 基 盤 の 充 実 と い. 会 派 等 か ら の 干 渉 を 受 け る お そ れ を 生 ず る な ど 、 調 査 研 究 活. さ れ 、 そ の 会 派 及 び 所 属 議 員 の 活 動 に 対 す る 執 行 機 関 や 他 の. な る と 、 当 該 支 出 に 係 る 調 査 研 究 活 動 の 目 的 、 内 容 等 を 推 知. の 具 体 的 な 金 額 、 支 出 先 等 を 逐 一 公 に し な け れ ば な ら な い と. る と こ ろ 、 会 派 に よ る 個 々 の 政 務 調 査 費 の 支 出 に つ い て 、 そ. た す た め の 調 査 研 究 活 動 に 充 て ら れ る こ と も 多 い と 考 え ら れ. 度 に と ど め る こ と に よ り 、 会 派 及 び 議 員 の 調 査 研 究 活 動 に 対. 定 し て い る 。. 収 入 及 び 支 出 の 報 告 書 を 議 長 に 提 出 す る も の と す る 。 ﹄ と 規. 議 員 は 、 条 例 の 定 め る と こ ろ に よ り 、 当 該 政 務 調 査 費 に 係 る. 定 し 、 同 条 一 四 項 は 、 ﹃ 政 務 調 査 費 の 交 付 を 受 け た 会 派 又 は. 調 査 費 は 議 会 に よ る 市 の 執 行 機 関 に 対 す る 監 視 等 の 機 能 を 果. 本 件 規 則 に お い て 定 め ら れ て い な い 。 こ れ ら の 趣 旨 は 、 政 務. そ の 具 体 的 に 採 る こ と の で き る 調 査 の 方 法 は 、 本 件 条 例 及 び. と き は 、 必 要 に 応 じ 調 査 を 行 う こ と が で き る と さ れ て い る が 、. 104.

(7) 判 例 研 究. 加 え て 、 本 件 各 文 書 に は 、 調 査 研 究 活 動 に 協 力 す る な ど し た. 干 渉 に よ っ て 阻 害 さ れ る お そ れ が あ る も の と い う べ き で あ る 。. 推 知 さ れ 、 そ の 調 査 研 究 活 動 が 執 行 機 関 や 他 の 会 派 等 か ら の. 派 及 び そ れ に 所 属 す る 議 員 の 調 査 研 究 活 動 の 目 的 、 内 容 等 を. る も の で あ り 、 こ れ が 開 示 さ れ た 場 合 に は 、 所 持 者 で あ る 会. 用 い た 金 額 や そ の 使 途 、 主 な 調 査 内 容 等 が 具 体 的 に 記 載 さ れ. 当 該 支 出 に 係 る 調 査 研 究 活 動 を し た 議 員 の 氏 名 、 当 該 議 員 が. ま た 、 本 件 各 文 書 は 、 個 々 の 政 務 調 査 費 の 支 出 に つ い て 、. ︵ 納 税 者 ︶ へ の 説 明 責 任 を 果 た さ な け れ ば な ら な い と い う 自. 的 資 金 と し て の 税 金 が 投 入 さ れ た も の で あ る こ と か ら 、 住 民. る の が 通 常 で あ ろ う 。 一 方 、 会 派 の 方 で も 、 政 務 調 査 費 が 公. 必 要 に 応 じ て 、 こ れ を 補 足 す る 口 頭 又 は 文 書 で の 説 明 を 求 め. 会 派 に 対 し て 、 ま ず 領 収 書 等 の 証 拠 書 類 の 提 示 を 求 め 、 更 に. 査 の 方 法 に つ い て は 明 示 的 に 定 め ら れ て い な い が 、 議 長 は 、. の 権 限 に 基 づ く 議 長 の 調 査 を ﹃ 使 途 調 査 ﹄ と い う 。 ︶ 。 使 途 調. 使 わ れ て い る か 否 か を 調 査 す る 権 限 を 与 え て い る ︵ 以 下 、 こ. 105. が 予 定 さ れ て い な い 文 書 で あ る と 認 め ら れ る 。. 者 の 利 用 に 供 す る 目 的 で 作 成 さ れ 、 外 部 の 者 に 開 示 す る こ と. あ る 。 そ う す る と 、 本 件 各 文 書 は い ず れ も 、 専 ら 会 派 内 部 の. 則 所 定 の 証 拠 書 類 に 該 当 し 得 る に と ど ま る も の と い う べ き で. 等 を 義 務 付 け て い る 書 類 で あ っ た と し て も 、 せ い ぜ い 本 件 規. わ る も の と 見 る こ と は で き ず 、 ま た 、 市 に お い て 整 理 、 保 管. 況 を 記 録 し た も の で は な い か ら 、 こ れ を も っ て 会 計 帳 簿 に 代. 書 に 該 当 す る 。 本 件 報 告 書 も 、 政 務 調 査 費 の 個 々 の 出 納 の 状. て 政 務 調 査 費 が 市 政 に 関 す る 調 査 研 究 に 必 要 な 経 費 の た め に. 付 け る と と も に 、 議 長 に 対 し 、 自 ら が 定 め る 使 途 基 準 に よ っ. へ の 収 支 報 告 書 の 提 出 、 会 計 帳 簿 、 領 収 書 等 の 保 管 等 を 義 務. び 本 件 規 則 は 、 政 務 調 査 費 の 交 付 を 受 け た 会 派 に 対 し 、 議 長. 査 や 監 視 の 対 象 と な る べ き も の で あ る 。 そ こ で 、 本 件 条 例 及. あ る 以 上 、 そ の 使 途 に つ い て は 一 定 の 透 明 性 が 要 求 さ れ 、 審. 利 ﹁ で あ こ ⑴ る れ 益 が 。 に 生 政 対 ず 務 す る 調 る お 査 須 そ 費 藤 れ は 裁 が 、 判 あ 地 官 る 方 の と 公 反 認 共 対 め 団 意 ら 体 見 れ か の る ら 理 。 交 由 ﹂ 付 は さ 以 れ 下 る の も と の お で り. ﹁ で 利 ウ あ 用 る す 本 。 ﹂ べ き 件 文 各 書 文 で 書 あ の る う こ ち と 、 が 領 予 収 定 書 さ は れ 、 て 本 い 件 る 規 も 則 の 所 と 定 い の う 領 べ 収 き. る と 、 本 件 各 文 書 の 開 示 に よ っ て 所 持 者 の 側 に 看 過 し 難 い 不. 帳 簿 や 領 収 書 等 の 証 拠 書 類 は 、 専 ら 各 会 派 の 内 部 に と ど め て. の が 相 当 で あ る 。 そ う す る と 、 こ れ ら の 規 定 上 、 上 記 の 会 計. ら の 書 類 を 提 出 さ せ る こ と を 予 定 し た も の で は な い と 解 す る. も の で あ り 、 議 長 等 の 会 派 外 部 の 者 に よ る 調 査 等 の 際 に こ れ. 害 さ れ る な ど の お そ れ も あ る も の と い う べ き で あ る 。 そ う す. っ て 支 障 が 生 ず る ば か り か 、 そ の 第 三 者 の プ ラ イ バ シ ー が 侵. 示 さ れ る と 、 以 後 の 調 査 研 究 活 動 へ の 協 力 が 得 ら れ に く く な. 第 三 者 の 氏 名 等 が 記 載 さ れ て い る が い 然 性 が 高 く 、 こ れ が 開.

(8) 法学研究 84 巻 10 号(2011:10). い て お り 、 議 長 の 使 途 調 査 を 受 け る の に 適 し た 定 型 の も の と. に 、 本 件 報 告 書 の 様 式 は 、 議 長 の 定 め る 本 件 使 途 基 準 に 基 づ. な ﹁ い ⑵ と そ い え こ る で 。 、 ﹂ 以 上 の 視 点 か ら 、 本 件 各 文 書 に つ い て み る. 民 訴 法 二 二 三 条 六 項 の い わ ゆ る イ ン カ メ ラ 手 続 は 、 そ の よ う. よ う な 場 合 に ま で 文 書 提 出 命 令 を 発 す る こ と は 妥 当 で は な い 。. 不 用 意 に 直 接 記 述 又 は 間 接 記 述 を す る こ と は あ り 得 る 。 そ の. い と し て も 、 本 件 会 派 の 所 属 議 員 が 、 例 外 的 で あ る に せ よ 、. 生 ず る お そ れ が な い も の で あ る か ら 、 自 己 利 用 文 書 に 当 た ら. も っ と も 、 本 件 各 文 書 が 一 般 的 に 自 己 利 用 文 書 に 当 た ら な. 内 容 か ら し て 、 開 示 し て も 所 持 者 の 側 に 看 過 し 難 い 不 利 益 を. 般 的 に 、 会 派 の 外 部 の 者 へ の 開 示 を 予 定 し 、 か つ 、 そ の 記 載. 長 の 使 途 調 査 に 対 す る 説 明 資 料 と し て 作 成 さ れ る 文 書 は 、 一. 用 意 し て お け ば 足 り る で あ ろ う 。 そ う す る と 、 こ の よ う な 議. な い と 解 さ れ る か ら 、 会 派 と し て も 上 記 の 程 度 の 説 明 文 書 を. 的 や 内 容 等 会 派 の 政 治 活 動 の 根 幹 に 関 わ る 事 項 に ま で は 及 ば. あ る と 考 え ら れ る 。 議 長 の 使 途 調 査 の 権 限 も 、 調 査 研 究 の 目. と い う 。 ︶ を 避 け 、 概 括 的 、 抽 象 的 な 記 載 を す る の が 普 通 で. よ こ れ ら の こ と を 推 知 さ せ る よ う な 記 述 ︵ 以 下 ﹃ 間 接 記 述 ﹄. 的 具 体 的 記 述 ︵ 以 下 ﹃ 直 接 記 述 ﹄ と い う 。 ︶ や 、 間 接 的 に せ. 一 般 的 に 、 調 査 研 究 の 目 的 、 内 容 、 第 三 者 の 氏 名 な ど の 直 接. の プ ラ イ バ シ ー が 侵 害 さ れ た り す る な ど の こ と が な い よ う に 、. 他 の 会 派 等 か ら 干 渉 を 受 け た り 、 調 査 研 究 に 協 力 し た 第 三 者. 使 途 記 述 文 書 に は 、 当 該 会 派 及 び そ の 所 属 議 員 が 執 行 機 関 や. 通 常 で あ る と 思 わ れ る 。 も っ と も 、 こ の よ う な 説 明 の た め の. 説 明 す る た め に 体 裁 形 式 を 整 え た 説 明 文 書 等 を 用 意 す る の が. 収 支 報 告 書 の 作 成 や 領 収 書 等 の 保 管 に 加 え 、 議 長 に 提 示 し て. ら の 立 場 を 自 覚 し 、 使 途 調 査 に お け る 議 長 の 行 動 を 予 期 し て 、. ら な い と い う べ き で あ る 。. る お そ れ が あ る と は 認 め ら れ な い か ら 、 自 己 利 用 文 書 に 当 た. れ 、 ま た 、 開 示 し て も 抗 告 人 の 側 に 看 過 し 難 い 不 利 益 を 生 ず. 派 の 外 部 の 者 に 開 示 す る こ と を 予 定 し た も の で あ る と 認 め ら. れ に 添 付 さ れ て い た 領 収 書 ︵ 本 件 各 文 書 ︶ は 、 一 般 的 に 、 会. で あ る と 見 る こ と が で き る 。 そ う す る と 、 本 件 報 告 書 及 び こ. 明 す る た め の 資 料 と す る こ と を も 目 的 と し て 作 成 さ れ た 文 書. 本 件 報 告 書 は 、 議 長 の 使 途 調 査 に 組 織 的 に 対 応 し 提 示 し て 説. 益 や 必 要 性 が あ る と も 思 え な い 。 こ れ ら の こ と に 照 ら せ ば 、. て 、 直 接 記 述 や 間 接 記 述 を わ ざ わ ざ 本 件 報 告 書 に 記 載 す る 利. る こ と が 予 定 さ れ て い る も の と 推 認 さ れ る 。 本 件 会 派 に お い. 接 記 述 や 間 接 記 述 を 避 け 、 開 示 に 支 障 の な い 程 度 の 記 載 を す. た 文 言 は 注 意 深 く 避 け ら れ て い る と も い え る の で あ っ て 、 直. 会 場 等 ﹄ と あ る の み で ﹃ 氏 名 ﹄ 、 ﹃ 会 社 名 ﹄ 、 ﹃ 団 体 名 ﹄ と い っ. い な い と も い え る し 、 記 載 す べ き 調 査 内 容 の 例 示 も ﹃ 行 先 ・. 的 、 抽 象 的 な 記 述 に と ど め さ せ る よ う な ス ペ ー ス し か 設 け て. ﹃ 主 な 調 査 内 容 ︵ 行 先 ・ 会 場 等 ︶ ﹄ の 記 載 欄 は 手 書 き で の 概 括. な っ て い る 。 ま た 、 そ の 記 載 内 容 を み て も 、 本 件 報 告 書 中 の. 106.

(9) 判 例 研 究. 普 通 地 方 公 共 団 体 の 議 会 は 、 そ の 事 務 に 関 す る 調 査 を 行 当 す る と し た も の で あ る 。. 一 問 題 の 所 在 お よ び 本 判 決 の 意 義. 内 容 、 趣 旨 な ど を 検 討 し て 本 件 各 文 書 が 自 己 利 用 文 書 に 該 107. ︹ 評. 判 旨 釈 の ︺ 結 論 に は 疑 問 が あ る 。. を 認 め て 、 平 成 一 六 年 当 時 の 名 古 屋 市 の 条 例 お よ び 規 則 の. 自 己 利 用 文 書 に 該 当 す る と し て 争 っ た 。 本 決 定 は Y の 主 張. こ れ に 対 し て Y は 、 本 件 各 文 書 が 民 訴 法 二 二 〇 条 四 号 ニ の. 自 己 利 用 文 書 に 当 た る も の と い う こ と は で き な い 。 ﹂. 認 を 強 め る も の で あ り 、 こ の 観 点 か ら し て も 、 本 件 各 文 書 を. 各 文 書 は 開 示 に 支 障 の な い 記 載 に 終 始 す る 文 書 で あ る と の 推. る 本 件 各 文 書 に つ き 文 書 提 出 命 令 を 申 し 立 て た 事 案 で あ る 。. る 平 成 一 六 年 度 分 の 政 務 調 査 費 報 告 書 と 添 付 の 領 収 書 で あ. 書 提 出 命 令 の 相 手 方 、 本 件 抗 告 人 ︶ に 対 し て 、 Y の 所 持 す. に は 不 自 然 さ を 覚 え ざ る を 得 な い 。 こ の よ う な 事 情 は 、 本 件. X ら が 、 本 件 会 派 解 散 後 に そ の 地 位 を 承 継 し た Y ︵ 本 件 文. を 十 分 に 承 知 し て い る と 思 わ れ る の に 、 提 示 を 拒 否 す る こ と. 令 の 申 立 て の 全 部 又 は 一 部 が 却 下 さ れ る で あ ろ う と い う 状 況. 案 事 件 に お け る 文 書 提 出 命 令 の 申 立 て に 関 す る も の で あ り 、. 又 は 間 接 記 述 が さ れ て い る こ と が 明 ら か と な れ ば 文 書 提 出 命. 当 利 得 に も と づ く 返 還 を 求 め る 訴 訟 で あ る 。 本 件 は こ の 本. 外 の 何 人 に も 開 示 さ れ ず 、 し か も そ の 提 示 に よ っ て 直 接 記 述. し た 政 務 調 査 費 か ら 所 属 議 員 ら に 支 出 し た 金 額 相 当 額 の 不. が わ れ る 。 イ ン カ メ ラ 手 続 で は 、 提 示 さ れ た 文 書 は 裁 判 所 以. 原 審 に お い て 抗 告 人 も 同 様 の 態 度 を 維 持 し て い る こ と が う か. 否 し 、 し か も こ れ に つ い て 何 ら 合 理 的 な 説 明 を し て お ら ず 、. 対 し て 、 市 議 会 会 派 で あ る 本 件 会 派 が 平 成 一 六 年 度 に 受 領. 書 提 出 命 令 の 申 立 人 、 本 件 抗 告 の 相 手 方 ︶ が 名 古 屋 市 長 に. 案 事 件 も そ の ひ と つ で あ り 、 名 古 屋 市 の 住 民 X ら ︵ 本 件 文. れ 、 本 件 会 派 に 提 示 を 求 め た の に 対 し 、 本 件 会 派 は こ れ を 拒. 支 出 の 返 還 を 求 め る 住 民 訴 訟 が 多 く 提 起 さ れ た 。 本 件 の 本. こ ろ が 、 記 録 に よ れ ば 、 本 件 で は 、 原 々 審 で こ の 手 続 が 採 ら. 文 書 提 出 命 令 の 申 立 て を 却 下 す る と 見 ら れ る か ら で あ る 。 と. 年 、 政 務 調 査 費 の 恣 意 的 支 出 が 明 ら か に な る に と も な い 、. な ら ば 、 裁 判 所 は 、 そ の 全 部 又 は 一 部 を 自 己 利 用 文 書 と し て 、. 認 め ら れ て い る ︵ 地 方 自 治 法 一 〇 〇 条 一 四 項 ︶ 。 し か し 近. で 開 示 が さ れ た と き に 、 直 接 記 述 又 は 間 接 記 述 が さ れ て い る. 議 員 は 条 例 の 定 め に よ り 政 務 調 査 費 の 交 付 を 受 け る こ と が. 所 が イ ン カ メ ラ 手 続 に お い て 文 書 の 提 示 を 求 め 、 裁 判 所 限 り. な 不 当 な 事 態 を 避 け る の に 有 効 適 切 な 方 法 と 思 わ れ る 。 裁 判. 調 査 権 の 実 効 性 を 担 保 す る た め 、 議 会 に お け る 会 派 ま た は. な う 権 限 を 有 し て い る ︵ 地 方 自 治 法 一 〇 〇 条 一 項 ︶ 。 こ の.

(10) 法学研究 84 巻 10 号(2011:10). な お 、 名 古 屋 市 で は そ の 後 平 成 二 〇 年 に 条 例 が 改 正 さ れ 開 示 性 お よ び 看 過 し 難 い 不 利 益 性 が 特 に 問 題 と な る 。. こ と に す る 。. 定 と 本 決 定 を 比 較 し 、 本 決 定 の 位 置 づ け に つ い て 検 討 す る. ま ず 平 成 一 一 年 決 定 に つ い て 概 観 し た う え で 平 成 一 七 年 決. 一 一 年 決 定 の 示 し た 枠 組 み に 従 っ て 判 断 を 下 し て い る た め 、. 例 と な る と 解 さ れ る 。 こ れ ら 二 つ の 決 定 は と も に こ の 平 成. 定 最 ﹂ 一 と 小 い︵ 決 6 う︶ 平 。 成 ︶ が 一 あ 七 り 年 、 一 本 一 決 月 定 一 は 〇 こ 日 れ ︵ に 以 続 下 く ﹁ も 平 の 成 と 一 し 七 て 年 先 決. 調 査 費 に つ い て の 調 査 研 究 報 告 書 お よ び 添 付 書 類 に 関 す る. で の 最 高 裁 決 定 と し て は 、 仙 台 市 議 会 議 員 が 提 出 し た 政 務. 務 調 査 費 関 係 文 書 の 文 書 提 出 義 務 の 有 無 に つ い て の こ れ ま. 己 利 用 文 書 一 般 に つ い て の 判 断 基 準 を 示 し た 。 い わ ゆ る 政. 年 を 己 一 中 利 一 心 用 月 と 文 一 し 書 二 て の 日 従 意 ︵ 来 義 以 か に 下 ら つ ﹁ 議 い 平 論 て 成 が は 一 あ 銀 一 っ 行 の 年 た︵ 4 貸 が ︶ 決 定 、 出 ﹂ 最 稟 と 一 議 い︵ 小 書 5 決 の う︶ 平 提 。 ︶ 成 出 は 一 義 自 一 務. と す る 。 本 決 定 お よ び 平 成 一 七 年 決 定 に お い て は 、 外 部 非. の 自 己 利 用 文 書 性 は 否 定 さ れ て 文 書 提 出 義 務 が 認 め ら れ る. こ れ ら 三 つ の 要 件 す べ て が 充 た さ れ て い な け れ ば 当 該 文 書. る 特 段 の 事 情 が な い こ と ︵ 特 段 の 事 情 の 不 存 在 ︶ を 挙 げ 、. 過 し 難 い 不 利 益 性 ︶ 、 ③ 自 己 利 用 文 書 で あ る こ と を 否 定 す. 害 な ど の 看 過 し 難 い 不 利 益 が 生 じ る お そ れ が あ る こ と ︵ 看. て い な い こ と ︵ 外 部 非 開 示 性 ︶ 、 ② 開 示 さ れ る と 所 持 者 の. す る 目 的 で 作 成 さ れ 、 外 部 の 者 に 開 示 す る こ と が 予 定 さ れ. の 経 緯 そ の 他 の 事 情 か ら 判 断 し て 専 ら 内 部 の 者 の 利 用 に 供. 的 、 記 載 内 容 、 こ れ を 現 在 の 所 持 者 が 所 持 す る に 至 る ま で. 書 に 該 当 す る た め の 要 件 と し て 、 ① 当 該 文 書 が そ の 作 成 目. 側 に 個 人 の プ ラ イ バ シ ー 侵 害 、 団 体 の 自 由 な 意 思 形 成 の 阻. 銀 行 の 貸 出 稟 議 書 に 関 す る 平 成 一 一 年 決 定 は 自 己 利 用 文. 二 自 己 利 用 文 書 に 関 す る 平 成 一 一 年 決 定 の 内 容. ︵ 二 二 〇 条 四 号 ホ ︶ の 提 出 義 務 を 免 除 し た 。 こ の う ち の 自. 自 己 利 用 文 書 ︵ 二 二 〇 条 四 号 ニ ︶ お よ び 刑 事 訴 訟 記 録 な ど. 利 益 が 害 さ れ る お そ れ な ど が あ る も の ︵ 二 二 〇 条 四 号 ロ ︶ 、. 〇 条 四 号 イ ・ ハ ︶ 、 公 務 秘 密 文 書 で そ の 提 出 に よ り 公 共 の. の 範 囲 を 拡 大 す る 一 方 、 証 言 拒 絶 該 当 事 由 記 載 文 書 ︵ 二 二. 平 成 一 三 年 の 改 正 に よ り 民 訴 法 二 二 〇 条 は 文 書 提 出 義 務. な ど に つ い て は 本 決 定 の 射 程 外 と な る 。. 古 屋 市 議 会 の 会 派 が 所 持 す る 平 成 二 〇 年 度 分 以 降 の 領 収 書. 件 一 万 円 以 上 と い う 制 限 も 撤 廃 さ れ た 。 こ の こ と か ら 、 名. の 対 象 と な り 、 さ ら に 平 成 二 二 年 に も 条 例 が 改 正 さ れ て 一. て 一 件 一 万 円 以 上 の 領 収 書 な ど が 議 長 へ の 提 出 と 一 般 公 開. 108.

(11) 判 例 研 究. 事 件 に 際 し 、 会 派 所 属 議 員 が 政 務 調 査 費 を 用 い て 行 な っ た. 派 に 対 し て 政 務 調 査 費 相 当 額 の 不 当 利 得 返 還 を 求 め た 本 案. 平 成 一 七 年 決 定 は 、 仙 台 市 区 域 内 の 団 体 が 仙 台 市 議 会 会. 得 る が 、 そ れ は あ く ま で 例 外 で あ り 、 議 長 の 求 め に 従 っ て. 拠 書 類 な ど の 資 料 に 調 査 研 究 報 告 書 が 該 当 す る 場 合 が あ り. の 資 料 の 提 示 を 求 め る こ と が で き る と さ れ る た め 、 こ の 証. 109. 本 決 定 の 位 置 づ け. 外 文 2 部 書 非 が 外 開 外 部 示 部 非 性 に 開 を 開 示 否 示 性 定 さ の す︵ れ る 要 る10 ︶ 件 。 点 に に 代 関 わ す り る は 平 な 成 い 一 と 七 し 年 て 決 、 定 判 お 例 よ は び. こ の 場 合 、 開 示 の 相 手 方 が 守 秘 義 務 を 負 っ て い る 場 合 で も. 務 が あ る 場 合 に は 原 則 と し て 外 部 非 開 示 性 は 否 定 さ れ る 。. に 判 解 例 さ は れ 外 て 部 い︵ 非 9 開 る︶ 。 示 ま 性 た の 、 要 当 件 該 を 文 類 書 型 に 的 つ に い 判 て 断 法 し 令 て 上 い の る 作 と 成 一 義 般. さ ま れ た て 所 い 持 な に い 至 。 る そ 経 の 緯 後 そ の の 判 他 例 の も 事 同 情 様 に の つ 傾 い 向 て を は 示 ほ す と こ ん と ど か︵ 考 8 慮 ら︶ 、. を 確 定 す る た め の 手 が か り と し て 用 い ら れ て い る に 過 ぎ ず 、. る の は 文 書 の 作 成 目 的 で あ り 、 文 書 の 記 載 内 容 は 作 成 目 的. の 用 で 文 あ︵ 書 7 の る︶ 。 定 た 義 だ に し つ 、 い そ て の の 判 立 断 法 に 担 お 当 い 者 て の 実 見 際 解 に と 重 ほ 視 ぼ さ 同 れ 様 て の い も. 平 成 一 一 年 決 定 が 挙 げ る 外 部 非 開 示 性 の 要 件 は 、 自 己 利. 平 1 成 一 外 七 部 年 非 決 開 定 示 お 性 よ の び 要 本 件 決 に 定 関 の す 位 る 置 こ づ れ け ま で の 判 例 の 立 場. 三. 検 査 す る に あ た り 必 要 が あ る 場 合 に は 会 派 に 証 拠 書 類 な ど. 査 な ど を 予 定 す る 。 そ し て 議 長 は 収 支 状 況 報 告 書 の 内 容 を. 究 報 告 書 の 外 部 非 開 示 性 を 肯 定 す る 。 ま た 、 要 綱 は 収 支 状. ら の 干 渉 の お そ れ を 防 止 す る と こ ろ に あ る と し て 、 調 査 研. こ と に よ り 生 じ る 議 員 の 調 査 研 究 に 対 す る 執 行 機 関 な ど か. 書 を 自 律 的 に 活 用 す る と こ ろ に あ り 、 会 派 お よ び 議 員 の 活. し て い な い と す る 。 そ し て 、 こ の 制 度 の 意 義 は 会 派 が 政 務. れ を 議 長 に 提 出 さ せ た り 市 長 に 送 付 し た り す る こ と は 予 定. 研 究 報 告 書 を 所 属 会 派 に 提 出 す べ き こ と を 規 定 す る が 、 こ. い て 議 長 が 定 め た 要 綱 は 議 員 が 政 務 調 査 費 の 交 付 を 受 け て. の で あ る 。 平 成 一 七 年 決 定 は 、 ま ず 、 条 例 の 委 任 に も と づ. 調 査 研 究 の 内 容 お よ び 経 費 の 内 訳 を 記 載 し た 調 査 研 究 報 告. も の と し 、 使 途 の 適 正 お よ び 透 明 性 確 保 の た め に 議 長 の 検. 況 報 告 書 お よ び 執 行 状 況 報 告 書 を 会 派 が 議 長 に 提 出 す べ き. 動 の 根 幹 に 関 わ る 調 査 研 究 の 内 容 が 記 載 さ れ 、 開 示 さ れ る. 調 査 費 の 適 正 使 用 の た め に そ の 内 部 に お い て 調 査 研 究 報 告. 行 な っ た 調 査 研 究 の 内 容 お よ び 経 費 の 内 訳 を 記 載 し た 調 査. 書 お よ び そ の 添 付 書 類 に つ き 文 書 提 出 命 令 を 申 し 立 て た も. 外 部 非 開 示 性 の 要 件 に 関 す る こ れ ま で の 判 例 の 立 場 と 、.

(12) 法学研究 84 巻 10 号(2011:10). て 利 用 す べ き 文 書 で あ る こ と が 予 定 さ れ て い る と し て 、 そ. 計 帳 簿 や 領 収 書 等 の 証 拠 書 類 は 専 ら 各 会 派 の 内 部 に と ど め. を 予 定 し た も の で は な い か ら 、 こ れ ら の 規 定 上 、 上 記 の 会. 資 料 を 整 え る た め で あ っ て こ れ ら の 書 類 を 提 出 さ せ る こ と. の 立 立 1 場 場 と 看 、 過 平 し 成 難 一 い 七 不 年 利 決 益 定 性 お の よ 要 び 件 本 に 決 関 定 す の る 位 こ 置 れ づ ま け で の 判 例. 四 看 過 し 難 い 不 利 益 性 の 要 件 に 関 す る こ れ ま で の 判 例 の. な ど に よ る 事 情 聴 取 に 対 す る 説 明 責 任 を 果 た す た め の 基 礎. 領 収 書 な ど の 証 拠 書 類 の 整 理 、 保 管 を 義 務 づ け る の は 議 長. こ ろ に あ る と す る 。 そ し て 、 本 件 規 則 が 会 計 帳 簿 の 調 製 、. に 対 す る 執 行 機 関 や 他 の 会 派 な ど か ら の 干 渉 を 防 止 す る と. を 概 括 的 な も の に と ど め る こ と に よ り 議 員 の 調 査 研 究 活 動. か ら 、 そ の 趣 旨 は 政 務 調 査 費 の 収 支 に 関 す る 議 長 へ の 報 告. い こ と 、 本 件 条 例 が 具 体 的 な 調 査 方 法 を 定 め て い な い こ と. 名 、 当 該 活 動 の 目 的 や 内 容 な ど の 具 体 的 記 載 を 求 め て い な. 記 載 を 予 定 す る も の で 個 々 の 支 出 金 額 や 支 出 先 、 議 員 の 氏. と 解 さ れ る 。. 外 部 非 開 示 性 は 平 成 一 一 年 決 定 よ り も 強 く 認 め ら れ る も の. る 明 文 が な い こ と か ら 、 判 例 の 立 場 に よ れ ば 本 件 各 文 書 の. 提 示 を 求 め る こ と が で き る な ど の 調 査 の 具 体 的 方 法 に 関 す. に は 平 成 一 一 年 決 定 の 要 綱 と 異 な っ て 証 拠 書 類 等 の 資 料 の. 上 に 位 置 づ け ら れ る も の で あ る 。 特 に 本 決 定 の 条 例 、 規 則. こ れ ま で の 判 例 の 立 場 を 踏 襲 す る も の で あ り 、 そ の 延 長 線. 両 決 定 の 多 数 意 見 は 、 以 上 の こ と か ら 明 ら か な よ う に 、. 本 決 定 は 、 ま ず 収 支 報 告 書 に つ い て 、 そ の 様 式 が 概 括 的 を 根 拠 と し て 外 部 非 開 示 性 を 否 定 す る 。. 非 開 示 性 を 否 定 す る 。. り 得 る 文 書 と し て 規 定 さ れ て い る こ と を 根 拠 と し て 、 外 部. る こ と 、 会 派 の 外 部 の 者 で あ る 議 長 に よ る 検 査 の 対 象 と な. 報 告 書 が 法 令 の 定 め に よ り 作 成 が 義 務 づ け ら れ た 文 書 で あ. た だ し こ れ に 対 し て 、 横 尾 裁 判 官 の 反 対 意 見 は 、 調 査 研 究. よ っ て 研 究 報 告 書 の 外 部 非 開 示 性 は 否 定 さ れ な い と す る 。. 議 長 に 対 し て の み 提 示 さ れ る に 過 ぎ な い こ と か ら 、 こ れ に. に 支 障 の な い 程 度 の 記 載 を す る こ と が 予 定 さ れ て い る こ と. 通 常 と 考 え ら れ る こ と 、 本 件 各 文 書 の 記 載 も 概 括 的 で 開 示. 予 測 し て 説 明 責 任 を 果 た す た め の 説 明 文 書 を 用 意 す る の が. 文 書 で の 説 明 を 求 め る の が 通 常 で あ る か ら 、 会 派 は こ れ を. 場 合 で あ っ て も 議 長 は 会 派 に 対 し 必 要 に 応 じ て 口 頭 ま た は. 意 見 は 、 収 支 報 告 書 の 具 体 的 調 査 方 法 に 関 す る 明 文 が な い. の 外 部 非 開 示 性 を 認 め る 。 こ れ に 対 し て 須 藤 裁 判 官 の 反 対. 110.

(13) 判 例 研 究. な っ て お り 、 文 書 の 具 体 的 な 記 載 を 問 題 に し て い な い と さ. と 同 様 に 文 書 の 客 観 的 、 類 型 的 な 特 性 に 着 目 し て 判 断 を 行. あ る こ と を 挙 げ る 。 判 断 方 法 と し て は 、 従 来 の 判 例 の 立 場. と 、 お よ び 、 第 三 者 の プ ラ イ バ シ ー が 侵 害 さ れ る お そ れ が. 力 が 得 ら れ に く く な っ て 以 後 の 調 査 研 究 に 支 障 が 生 じ る こ. 第 三 者 の 氏 名 、 意 見 な ど が 明 ら か に な る と 調 査 研 究 へ の 協. に よ り 阻 害 さ れ る お そ れ が あ る こ と 、 調 査 研 究 に 協 力 し た. 派 や 議 員 の 調 査 研 究 が 執 行 機 関 や 他 の 会 派 な ど の 干 渉 な ど. 平 成 一 七 年 決 定 は 、 看 過 し 難 い 不 利 益 の 内 容 と し て 、 会. な ど が 保 障 さ れ な い こ と 、 個 別 具 体 的 な 評 価 の 多 用 に よ る. て 自 己 利 用 文 書 該 当 性 が 左 右 さ れ る の で は 自 由 な 意 思 形 成. の 文 書 の 具 体 的 記 載 内 容 や 訴 訟 に お け る 個 別 的 事 情 に よ っ. っ て 文 書 そ の も の の 特 性 に 着 目 し た 概 念 で あ る こ と 、 個 々. 書 と の 具 体 的 か つ 相 対 的 関 係 が 問 題 と さ れ る も の と は 異 な. 係 文 書 や 利 益 文 書 の よ う に 個 々 の 事 件 に お け る 挙 証 者 と 文. で あ る と す る 見 解 は 、 自 己 利 用 文 書 と い う 語 自 体 が 法 律 関. の で よ い か 。 見 解 は 分 か れ て お り 、 類 型 的 判 断 に よ る べ き. 個 々 の 文 書 の 記 載 内 容 な ど に も 立 ち 入 っ た 個 別 具 体 的 な も. 111. お よ び 本 決 定 の 位 置 づ け. は 、 文 書 の 性 質 に 着 目 し た 類 型 的 な も の で あ る べ き か 、. 看 過 し 難 い 不 利 益 性 の 要 件 に 関 す る 平 成 一 七 年 決 定. よ 要 能 う と な に な 場 個 る 合 別 こ が 具 と あ 体 を る 的 認 こ な め と 判 て 、 断 お そ を り の 肯 、 場 定 最 合 す 決 に る 平 は 判 成 個 例 一 別 も 八 具 み 年 体 ら 二 的 れ︵ 月 な る13 一 判 ︶ 。 七︵ 断 日12 が ︶ の 必. る 外 部 非 開 示 性 、 看 過 し 難 い 不 利 益 性 に つ い て の 判 断 方 法. 断 1 方 法 あ る 文 書 が 自 己 利 用 文 書 に 該 当 す る か ど う か に 関 す. 2. 五 自 己 利 用 文 書 に 関 す る 判 例 の 要 件 の 相 互 関 係 お よ び 判. ︵. 日11 だ は︶ し 、 、 文 電 書 話 の 装 種 置 類 の に 回 よ 路 り 図 類 に 型 関 的 す な る 判 最 断 決 が 平 困 成 難 一 あ 二 る 年 い 三 は 月 不 一 可 〇. 重 視 し 、 文 書 の 種 類 に 応 じ た 類 型 的 な 判 断 を 行 な っ た 。 た. つ い て は 当 該 文 書 の 具 体 的 な 記 載 内 容 よ り も 文 書 の 性 質 を. 思 形 成 の 阻 害 の お そ れ を 挙 げ た 。 不 利 益 性 の 有 無 の 判 定 に. プ ラ イ バ シ ー の 侵 害 の お そ れ 、 個 人 な い し 団 体 の 自 由 な 意. の と 解 さ れ る 。. 断 を 行 な っ て い る 点 で 、 従 来 の 判 例 と 同 様 の 立 場 に 立 つ も. の 具 体 的 な 記 載 よ り も 客 観 的 、 類 型 的 な 特 性 に 着 目 し た 判. 定 と 同 様 の 要 素 を 挙 げ て お り 、 ま た 判 断 方 法 と し て も 文 書. れ︵ 本 る14 ︶ 決 。 定 も 、 看 過 し 難 い 不 利 益 の 内 容 と し て 平 成 一 七 年 決. 平 成 一 一 年 決 定 は 、 不 利 益 の 具 体 的 内 容 と し て 、 個 人 の.

(14) 法学研究 84 巻 10 号(2011:10). 生 じ る か ど う か は 厳 格 に 解 す べ き で あ る 。 し た が っ て 看 過. 文 書 提 出 義 務 拡 大 の 趣 旨 か ら す れ ば 、 看 過 し 難 い 不 利 益 が. は 看 過 し 難 い 不 利 益 の 要 件 と 解 す べ き で あ る が 、 上 述 し た. 中 心 的 、 本 質 的 役 割 を 担 い 、 文 書 所 持 人 の 利 益 を は か る の. こ ろ が 、 本 件 に お い て Y の 経 理 責 任 者 は 本 件 規 則 が 調 製 を. の 他 に 本 件 報 告 書 の 提 出 命 令 を 申 し 立 て る 必 要 は な い 。 と. も の で あ る か ら 、 会 計 帳 簿 が 調 製 さ れ て い る 場 合 に は 、 そ. 件 収 支 報 告 書 の 記 載 が 異 な る こ と を 証 明 す る た め に な し た. 利 益 が 不 当 に 害 さ れ る 。 し た が っ て 、 自 己 利 用 文 書 概 念 の. 1 本 件 文 書 提 出 命 令 の 申 立 て は 、 X が 収 支 の 実 態 と 本. ま で も 文 書 の 提 出 を 無 制 限 に 認 め る と き に は 文 書 所 持 人 の 六 本 件 報 告 書 の 自 己 利 用 文 書 該 当 性. と に よ り 文 書 の 所 持 人 が 看 過 し 難 い 不 利 益 を 受 け る 場 合 に. く 認 め ら れ る べ き で あ る 。 他 方 、 当 該 文 書 が 開 示 さ れ る こ. に あ る と 解 さ れ る 。 と す れ ば 、 原 則 と し て 文 書 の 開 示 は 広. っ て 実 質 的 に 平 等 な 証 拠 に も と づ く 事 実 認 定 を 行 な う こ と. ど に お い て 問 題 と な る 証 拠 の 偏 在 を 解 消 し 、 両 当 事 者 に と. 拠 資 料 の 充 実 を は か る こ と に よ っ て い わ ゆ る 現 代 型 訴 訟 な. 実 判 2 質 断 的 す 現 に べ 行 判 き 法 断 で が す あ 文 べ り 書 き 、 提 で 看 出 あ 過 義 る し 務 と 難 を す い 一 る 不 般 見 利 に 解 益 拡 も 性 大 主 の し 張 要 た さ 件 趣 れ は 旨 て 具 は い︵ 体 、 る17 ︶的 証 。 、. な ど を 根 拠 と す る 。 ま た 、 外 部 非 開 示 性 の 要 件 は 類 型 的 に. 果 と な り 、 文 書 提 出 義 務 の 一 般 義 務 化 の 趣 旨 に 反 す る こ と. 類 型 的 判 断 で は 自 己 利 用 文 書 の 範 囲 が 不 当 に 拡 大 さ れ る 結. れ 受 他 る 訴 方 お 裁 、 そ 判 個 れ 所 別 が の 具 あ 裁 体 る 量 的 こ の 判 と 拡 断 な 大 に ど に よ を よ る そ り べ の 訴 き 根 訟 で 拠 手 あ と 続 き る す︵ 15 の る ︶ と す 。 安 定 る 性 見︵ が 16 解︶ 害 は さ 、. 看 過 し 難 い 不 利 益 の 要 件 が 判 断 さ れ る こ と に な る 。. 開 示 性 が 認 め ら れ た 場 合 に は 、 実 質 的 、 本 質 的 判 断 で あ る. に 該 当 し な い と す る に と ど ま る と 解 す べ き で あ る 。 外 部 非. 予 定 さ れ て い る と 類 型 的 に 判 断 で き る 場 合 に 自 己 利 用 文 書. の 手 が か り と な る 文 書 の 内 容 な ど か ら み て 外 部 へ の 開 示 が. 機 能 は 当 該 文 書 が そ の 作 成 目 的 お よ び そ れ を 把 握 す る た め. た め に 必 要 と さ れ る も の と 解 す べ き で あ り 、 こ の よ う な 見. リ ー ニ ン グ を な す べ き で あ る 。 外 部 非 開 示 性 の 要 件 は こ の. 思 考 経 済 を は か る た め に は 、 ま ず は 類 型 的 判 断 に よ る ス ク. た だ し 、 文 書 提 出 義 務 に 関 す る 判 断 の 法 的 安 定 性 お よ び. は あ く ま で ス ク リ ー ニ ン グ の た め の 要 件 で あ る た め 、 そ の. 地 か ら 最 後 の 見 解 が 妥 当 と 解 さ れ る 。 外 部 非 開 示 性 の 要 件. 事 し 案 難 に い 即 不 し 利 た 益 具 の 体 有 的 無 判 に 断 関 で す な る け 判 れ 断 ば は な 類 ら 型 な 的 い な と も 解 の さ で れ︵ 足 る18 り ︶ 。 ず 、 112.

(15) 判 例 研 究. は 調 査 権 を 行 使 す る 際 に 会 派 に 対 し て 本 件 報 告 書 、 会 計 帳. る 。 こ れ に 対 し て 反 対 意 見 は 、 会 派 の 外 部 の 者 で あ る 議 長. こ れ ら の 文 書 の 自 己 利 用 文 書 性 を 肯 定 す る と い う 構 成 を と. 開 示 に よ り 看 過 し 難 い 不 利 益 が 生 じ る お そ れ が あ る と し て. 及 ば な い こ と を 根 拠 と し て 外 部 非 開 示 性 を 肯 定 し 、 ま た 、. 多 数 意 見 は 、 議 長 の 調 査 権 が 本 件 報 告 書 お よ び 会 計 帳 簿 に. を 会 派 に 備 え さ せ る た め で あ る と す る の で あ る 。 す な わ ち. ど の 調 査 権 に も と づ く 事 情 聴 取 に 応 答 す る た め の 基 礎 資 料. 費 の 適 正 な 使 用 を は か る こ と を 期 待 す る と と も に 、 議 長 な. で は な く 、 会 派 が こ れ ら を チ ェ ッ ク し て 自 律 的 に 政 務 調 査. 義 務 づ け て い る の は こ れ ら を 議 長 の 調 査 の 対 象 と す る た め. 調 製 、 領 収 書 な ど の 証 拠 書 類 の 保 管 を 会 派 の 経 理 責 任 者 に. た 、 本 件 条 例 お よ び 規 則 が 本 件 報 告 書 の 作 成 、 会 計 帳 簿 の. 他 の 会 派 な ど か ら の 干 渉 を 防 止 す る た め で あ る と す る 。 ま. 条 例 が 会 派 お よ び 議 員 の 調 査 研 究 活 動 に 対 す る 執 行 機 関 や. を 詳 細 な も の と せ ず に 概 括 的 な 記 載 に と ど め た の は 、 本 件. 本 決 定 の 多 数 意 見 は 、 本 件 条 例 が 本 件 収 支 報 告 書 の 様 式. 件 報 告 書 が 自 己 利 用 文 書 に 該 当 す る か ど う か が 問 題 と な る 。. 命 じ て い る 会 計 帳 簿 を 調 製 し て い な か っ た 。 こ の た め 、 本. 分 あ 3 で り あ う こ る る れ と こ ら の と の 主 か 批 張 ら 判 も 文 は な 書 、 さ 作 議 れ 成 長 て 義 の い︵ 務 の 調 る20 ︶ 査 。 存 在 権 や は 根 法 令 拠 と 上 し の 文 て 書 は 不 作 充 成. 特 定 の 者 以 外 の 者 に 対 す る 開 示 が 予 定 さ れ て い な い 場 合 も. が な い と は い え な い 場 合 が あ る し 、 法 令 に よ り 規 定 さ れ た. 法 令 に よ っ て 義 務 づ け ら れ て い な い 場 合 で も 外 部 非 開 示 性. る ず を 、 得 調 な 査 い は と あ の く 指︵ ま 摘19 で ︶ が 会 あ 派 る ま ほ た か は 、 議 従 員 来 の か 協 ら 力 、 が 文 前 書 提 の と 作 な 成 ら が ざ. 照 ︶ 条 例 に よ り 法 的 に 調 査 権 限 が 付 与 さ れ た こ と に は な ら. 計 上 の 権 限 を 有 し て い な い た め ︵ 地 方 自 治 法 一 〇 四 条 参. 法 二 二 一 条 二 項 に も と づ く 調 査 権 が あ る が 、 議 長 は 財 務 会. は 、 ま ず 、 普 通 地 方 公 共 団 体 の 長 で あ る 市 長 に は 地 方 自 治. 及 ぶ こ と を 根 拠 と す る 文 書 の 外 部 非 開 示 性 の 否 定 に つ い て. 用 2 文 書 会 性 派 否 の 定 外 の 部 根 の 拠 者 と で さ あ れ る て 議 い 長 る の 。 調 査 権 が 本 件 報 告 書 に. 定 め に よ り 作 成 が 義 務 づ け ら れ た 文 書 で あ る こ と も 自 己 利. 利 用 文 書 性 を 否 定 す る と い う 構 成 を と る 。 さ ら に 、 法 令 の. か ら 開 示 に よ る 看 過 し 難 い 不 利 益 も 生 じ な い と し て 、 自 己. 書 の 外 部 非 開 示 性 を 否 定 し 、 ま た 、 そ の よ う な 文 書 で あ る. 帳 簿 を 作 成 す る と 解 さ れ る こ と を 根 拠 と し て 、 こ れ ら の 文. か ら 会 派 も 議 長 へ の 提 出 を 見 越 し て 本 件 報 告 書 お よ び 会 計. じ て 口 頭 ま た は 文 書 で の 説 明 を 求 め る の が 通 常 で あ る こ と. 簿 、 領 収 書 な ど の 証 拠 書 類 の 提 示 を 求 め 、 さ ら に 必 要 に 応. 113.

(16) 法学研究 84 巻 10 号(2011:10). の 干 渉 を 防 止 す る た め で あ る と し 、 開 示 を 認 め る と き に は. よ び 議 員 の 意 思 形 成 に 対 す る 執 行 機 関 や 他 の 会 派 な ど か ら. を 詳 細 な も の と せ ず に 概 括 的 な 記 載 に と ど め た の は 会 派 お. 本 決 定 の 多 数 意 見 は 、 本 件 条 例 が 本 件 収 支 報 告 書 の 様 式. る す 限 る り た 限 め 定 の し 概 て 念 解 で 釈 あ す る べ か き ら で 、 あ︵ 具 る23 体 ︶ 。 的 判 断 に も と づ い て で き. 証 拠 と し て の 必 要 性 を 備 え た 文 書 に つ い て 提 出 義 務 を 免 除. 心 的 要 素 は 看 過 し 難 い 不 利 益 性 と 解 す べ き で あ り 、 こ れ は. そ し て 、 前 述 し た よ う に 自 己 利 用 文 書 該 当 性 に つ い て の 中. 義 拠 務 と 文 し 書 て 、 定 自 め 己 る 利 必 用 要 文 は 書 な 自 く 体 、 の こ 意 れ 義 と を は 定 異 め な る る べ 立 き 場 で︵ か ら あ21 ︶一 ︵ る22 。︶ 般. 成 義 務 の 範 囲 を 手 が か り と は す る も の の 、 こ れ を 直 接 の 根. る 自 己 利 用 文 書 の 範 囲 は 、 議 長 の 調 査 権 や 法 令 上 の 文 書 作. 者 側 の 利 益 を 保 護 し て 両 者 の 調 和 を は か る こ と を 目 的 と す. な る 。 と す れ ば 、 事 実 認 定 の 適 正 、 公 正 に 対 し て 文 書 所 持. は か る こ と を 目 的 と す る 制 度 で あ る か ら 、 両 者 の 目 的 は 異. 文 書 提 出 命 令 制 度 は 前 述 の よ う に 事 実 認 定 の 適 正 、 公 正 を. 明 性 、 健 全 性 の 確 保 を 目 的 と す る も の で あ る の に 対 し て 、. び 法 令 上 の 文 書 作 成 義 務 の 制 度 は 調 査 研 究 費 用 の 使 途 の 透. 必 ず し も 一 致 し な い こ と を 示 し て い る 。 議 長 の 調 査 権 お よ. 義 務 の 範 囲 と 訴 訟 法 上 の 義 務 で あ る 文 書 提 出 義 務 の 範 囲 が. る 。 こ れ に 対 し て 、 裁 判 所 は 中 立 的 立 場 か ら 文 書 提 出 義 務. び 内 容 も あ る 程 度 制 限 さ れ る こ と が 正 当 化 さ れ る べ き で あ. の 意 思 形 成 に 対 す る 議 長 に 対 し て 提 出 す る 文 書 の 種 類 お よ. き る 訳 で あ る か ら 、 こ の よ う な 状 況 の 下 に お い て は 、 議 員. 本 件 収 支 報 告 書 に つ い て は 何 人 も 閲 覧 を 請 求 す る こ と が で. 実 上 の 不 利 益 が 生 じ る こ と が 容 易 に 想 像 で き る 。 加 え て 、. が 知 ら れ る と き に は 調 査 研 究 に 関 す る 意 思 形 成 に 対 し て 事. 議 長 に 守 秘 義 務 が 課 さ れ て い る と し て も 、 調 査 研 究 の 内 容. 調 査 研 究 を 行 な う こ と が 必 要 と さ れ る 場 合 も 考 え ら れ る 。. 会 派 に 属 す る 場 合 で も 、 意 思 決 定 ま で は 当 該 議 員 が 独 自 に. 議 長 と 調 査 研 究 を 行 な う 議 員 の 政 治 的 立 場 が 対 立 す る 事 態. や う 与 た 党 め の 、 政 議 策 員 な の ど 調 を 査 批 研 判 究 的 も に 、 検 そ 証 の す 性 る 格 も 上 の 、 が 多 多 く く は な︵ 執 る24 行 ︶ 結 機 果 関 、. れ る の が 一 般 で あ る 。 議 会 は 執 行 機 関 を 監 視 す る 責 務 を 負. 議 会 の 多 数 派 な い し 与 党 に 属 す る 議 員 が 議 長 と し て 選 出 さ. 長 は 選 挙 に よ っ て 選 ば れ る た め ︵ 地 方 自 治 法 一 〇 三 条 ︶ 、. め と 考 え ら れ る 。 す な わ ち 、 普 通 地 方 公 共 団 体 の 議 会 の 議. 件 収 支 報 告 書 の 提 出 先 が 議 長 で あ る こ と が 影 響 し て い る た. 条 例 が 特 に こ の よ う な 抽 象 的 危 険 で 足 り る と す る の は 、 本. 自 由 な 意 思 形 成 が 害 さ れ る お そ れ が 生 じ る と す る が 、 本 件. も し ば し ば 生 じ る と 考 え ら れ る 。 ま た 、 議 長 と 議 員 が 同 じ. 114.

(17) 判 例 研 究. 危 険 に 過 ぎ な い こ と な ど か ら 自 己 利 用 文 書 性 を 否 定 す る 理. 秘 密 に 関 す る 文 書 の 範 囲 内 で 充 分 保 護 さ れ る こ と 、 抽 象 的. な 意 思 形 成 の 阻 害 は 民 訴 法 二 二 〇 条 四 号 ハ の 技 術 ・ 職 業 の. 対 象 と し て い た 政 策 が 実 際 に 実 施 さ れ て 終 了 し た 場 合 や 一. た と え ば 時 間 的 要 素 も 考 慮 さ れ る べ き で あ り 、 政 務 調 査 が. 体 的 、 実 質 的 な も の で あ る こ と を 要 す る と 解 す べ き で あ る 。. 115. こ の 点 に 関 し て 、 銀 行 の 貸 出 稟 議 書 に つ き 、 団 体 の 自 由 る 侵 害 は ﹁ お そ れ ﹂ と い う 抽 象 的 危 険 で は 足 り ず 、 よ り 具. そ れ を 挙 げ る 。. よ び 研 究 に 協 力 し た 第 三 者 の プ ラ イ バ シ ー が 侵 害 さ れ る お. か に な る こ と に よ る 以 後 の 調 査 研 究 へ の 支 障 の お そ れ 、 お. そ れ 、 調 査 研 究 に 協 力 し た 第 三 者 の 氏 名 、 意 見 な ど が 明 ら. が 執 行 機 関 や 他 の 会 派 な ど の 干 渉 な ど に よ り 阻 害 さ れ る お. と し て 、 会 派 や 議 員 の 調 査 研 究 に も と づ く 意 思 形 成 の 自 由. そ 4 の 不 本 利 決 益 定 性 は の 、 有 看 無 過 を し 判 難 断 い す 不 べ 利 き 益 で 性 あ の る 要 。 件 の 具 体 的 内 容. 六 項 ︶ を 用 い て 審 理 を 行 な い 、 当 該 文 書 を 閲 読 し た う え で. い 場 合 に は 、 裁 判 所 は イ ン カ メ ラ 手 続 き ︵ 民 訴 法 二 二 三 条. の 主 張 か ら 看 過 し 難 い 不 利 益 の 有 無 が 具 体 的 に 明 ら か で な. す る 外 部 非 開 示 性 が 類 型 的 に 明 ら か で な く 、 ま た 、 相 手 方. な︵ は い25 文 ︶ 。 書 し の た 所 が 持 っ 者 て に 、 看 あ 過 る し 文 難 書 い が 不 自 利 己 益 利 が 用 生 文 じ 書 る か と ど は う 考 か え に ら 関 れ. 判 所 が 閲 読 し た と し て も 、 裁 判 所 が 閲 読 す る 限 り に お い て. 調 査 研 究 に 関 す る 文 書 が 裁 判 所 に 提 出 さ れ 、 そ の 内 容 を 裁. の 有 無 の 判 断 を 行 な う 機 関 で あ る か ら 、 本 件 報 告 書 な ど の. 趣 旨 に 鑑 み 、 そ の 団 体 な い し 個 人 の 意 思 形 成 の 自 由 に 対 す. る こ と で は な い だ ろ う か 。 た だ し 、 文 書 提 出 義 務 の 拡 大 の. 体 成 な さ い れ し る 個 過 人 程 の で 自 作 由 成 な さ 意 れ 思 た 形 文 成 書 が が 阻 開 害 示 さ さ れ れ る た 事︵ 場 態28 合 ︶ は に 生 当 じ 該 う 団. 成 に 関 連 す る 文 書 の 場 合 に は 、 団 体 な い し 個 人 の 意 思 が 形. な い か と 思 わ れ る 。 少 な く と も 政 治 に 関 す る 事 項 の 意 思 形. に 関 わ る 事 項 で あ る こ と か ら 、 格 別 の 考 慮 が 必 要 な の で は. つ い て は 稟 議 書 と 必 ず し も 同 列 に 論 じ る こ と は で き な い こ. 認 定 め に ら 対 れ し て て い 司 る 法 こ 審 と 査 に が 鑑 及 み ば て︵ な も27 い ︶ 、 場 会 合 派 が の 憲 意 法 思 解 形 釈 成 上 の も 阻 一 害 般 に に. ー さ れ な い 領 域 が あ る の で は な い だ ろ う か 。 団 体 の 意 思 決. 密 に 関 す る 民 訴 法 二 二 〇 条 四 号 ハ に よ っ て は 必 ず し も カ バ. の 提 出 は 日 常 的 な 取 引 き な ど を 目 的 と す る 貸 出 稟 議 書 と は. 報 告 書 な ど の 政 治 的 意 思 形 成 に 関 わ る 公 的 性 質 を も つ 文 書. 由 と は な ら な い と の 見 解 が 主 張 さ れ て い︵ る26 ︶ 。 し か し 、 本 件. と 、 ま た 、 議 員 個 人 の 意 思 形 成 に つ い て も 民 主 主 義 の 根 幹. 異 な る 性 質 を 有 す る こ と が ら で あ る た め 、 技 術 ・ 職 業 の 秘.

(18) 法学研究 84 巻 10 号(2011:10). る 。 こ れ に 対 し て 、 須 藤 裁 判 官 の 反 対 意 見 は 、 ﹁ 本 件 報 告. を 根 拠 に 会 計 帳 簿 に 代 わ る も の と み る こ と は で き な い と す. 調 査 費 の 個 々 の 出 納 の 状 況 を 記 録 し た も の で は な い ﹂ こ と. と な る 。 こ の 点 に つ い て 本 決 定 は 、 ﹁ 本 件 報 告 書 も 、 政 務. 題 と な り 、 会 計 帳 簿 と 本 件 報 告 書 の 同 質 性 、 代 替 性 が 問 題. 付 さ れ た 領 収 書 の 提 出 を 命 じ る こ と が で き る か ど う か が 問. 会 計 帳 簿 の 代 わ り に 本 件 政 務 調 査 費 報 告 書 お よ び こ れ に 添. め に 文 書 を 提 出 す る よ う に 求 め ら れ た の に 提 出 が な さ れ な. 記 載 内 容 が 明 ら か に な っ て い な い 。 イ ン カ メ ラ 手 続 き の た. め 、 本 件 報 告 書 の ﹁ 主 な 調 査 内 容 ︵ 行 先 ・ 会 場 等 ︶ ﹂ 欄 の. の に 対 し て 、 本 件 会 派 は 正 当 な 理 由 な く こ れ を 拒 否 し た た. 対 し 民 訴 法 二 二 三 条 六 項 に も と づ く 提 示 命 令 が 発 せ ら れ た. 本 件 報 告 書 の 自 己 利 用 文 書 性 を 判 断 す る た め に 本 件 会 派 に. 藤 裁 判 官 の 反 対 意 見 、 本 件 原 々 決 定 お よ び 原 決 定 に よ れ ば 、. 報 告 書 の 自 己 利 用 文 書 性 を 肯 定 す る 立 場 に 立 つ 場 合 に は 、. 1 本 決 定 の 多 数 意 見 は こ の 点 に 言 及 し て い な い が 、 須. に 、 会 計 帳 簿 に つ き 自 己 利 用 文 書 性 を 否 定 す る 反 面 、 本 件 七 イ ン カ メ ラ 手 続 き の 利 用. と ら 定 あ る 提 出 す 当 ン な る 場 出 命 る 性 カ 5 さ れ 期 れ た 間 お 。 合 を 令 場 を メ 、 に 命 を 合 具 ラ 以 る 場 が 本 は じ 発 に 体 手 上 可 合 経 件 、 た す は 的 続 よ 能 に 過 に 残 場 る 申 に き り 性 は し お 部 合 こ 立 審 に 、 が 不 た い に に と て 理 よ 裁 少 利 場 て つ 看 に を し り 判 な 益 合 は い 過 な 却 、 当 所 く は な 会 て し る 下 本 該 は な 少 ど 計 の 難 。 し 件 文 、 る な の 帳 文 い 当 、 報 書 本 と く 意 簿 書 不 該 該 告 を 件 解 な 思 が 提 利 文 当 書 閲 報 す る 形 作 出 益 書 し が 読 告 べ た 成 成 が が の な 自 し 書 き め 終 さ 命 生 一 い 己 て の で に 了 れ じ じ 部 場 利 自 提 あ︵ 、 後 自 に て ら る に 合 用 己 出 る29 ︶ い れ と つ に 文 利 を 。 己 開 利 示 な る 認 い は 書 用 命 用 が い べ め て 文 に 文 じ 文 求 。 き ら 文 書 該 書 て 書 め 仮 で れ 書 提 当 該 イ 件 報 告 書 の 自 己 利 用 文 書 性 は 肯 定 さ れ る と 解 す べ き で あ る 。. れ る こ と か ら 、 仮 に こ の よ う な 立 場 に 立 っ た と し て も 、 本. お い て 本 件 会 計 帳 簿 と 同 質 性 を 有 す る 部 分 が あ る と 認 め ら. 見 が 述 べ る よ う に 、 本 件 報 告 書 に は そ の 少 な く と も 一 部 に. は 注 意 深 く 避 け ら れ て い る ﹂ と す る 。 須 藤 裁 判 官 の 反 対 意. と あ る の み で ﹃ 氏 名 ﹄ 、 ﹃ 会 社 名 ﹄ 、 ﹃ 団 体 名 ﹄ と い っ た 文 言. い え る し 、 記 載 す べ き 調 査 内 容 の 例 示 も ﹃ 行 先 ・ 会 場 等 ﹄. 記 述 に と ど め さ せ る よ う な ス ペ ー ス し か 設 け て い な い と も. ︵ 行 先 ・ 会 場 等 ︶ ﹄ の 記 載 欄 は 手 書 き で の 概 括 的 、 抽 象 的 な. ﹁ そ の 記 載 内 容 を み て も 、 本 件 報 告 書 中 の ﹃ 主 な 調 査 内 容 116. 書 の 様 式 は 、 議 長 の 定 め る 本 件 使 途 基 準 に 基 づ い て お り ﹂.

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