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⑬ 在宅健康モニターのための動画像処理技術の開発

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Academic year: 2025

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2,3.重点研究テーマ・研究成果

⑬ 在宅健康モニターのための動画像処理技術の開発

研究代表者 工学部  酒 井義郎

研究目的

 21世紀には本格的な高齢化社会を迎え、2020年に は日本人の4人に1人が65歳以上の高齢者になると 予測されている。そのため、高齢者や障害者が安心

して快適に暮らせる環境を早急に整備する必要があ る。これまでにも種々の介護機器が開発されてきた が、高齢者や障害者である利用者が在宅状態で本当 に利用できる機器は数少ない。本研究ではこのよう な背景に基づき、日常の生活活動の中から健康状態 に関する有用な情報を動画像処理技術を用いて検出 するシステムの開発を目的とする。

研究成果

 本年度は、日常生活の中で健康状態をチェックす る方法として、1)毎日の尿や便の状態を把握する ため便器内にある内容物の計測と解析、2)ベッド 上で得られる呼吸と体言情報の計測と解析の2つの アプローチを試み、それぞれの計測条件、解析方法 の検討を行った。

1)毎日の尿や便の状態を把握するため便器内にあ  る内容物の計測と解析

人間が生きて行く上で排泄はとても重要であり、

また、排泄物の状態によって毎日の健康状態を知る

Fig. 1 Flow in the water closet.

ことができる。そこで、西洋式便器内の内容物の流 れを画像処理により検出することを試みた。Fig.1 に、西洋式便器に直径2mmの発泡スチロール球を浮 かべ、その流れを画像処理により追跡した結果を示 す。Fig.1のように写った発泡スチロール球が狭い 領域(30×30画素)において作り出す輝度のパター ンに着目し、そのパターンが次の画像のどの位置に 移動したかを輝度のパターンマッチングにおいて検 出することで、その領域の移動距離(速度ベクトル)

を求めている。このとき、西洋式便器が対象とした ので当然、内容物の回転移動を考慮しなければなら ないが、本研究では1/30秒間隔で取り込みを行った 画像をさら奇数プレーンと偶数プレーンに分けるこ とで1/60秒間隔の連続画像をつくり検出に用いたの で回転移動方向を無視して平行移動のみを対象とし た。これを便器内全体に行うことで、内容物の変化 の様子、流れの様子を追跡することができた。今後、

健康なときの内容物の流れ方、また、病気のときの 流れ方等のデータを蓄積していけば健康チェックの 足がかりになると考える。

2)ベッド上で得られる呼吸と体面情報の計測と解析  ビデオカメラからの信号を計測・処理することに

より、ベッド上の被験者の呼吸や身体活動の定量評 価を行う。ビデオカメラを寝室や病室に設置する場 合、センサーとなるビデオカメラの設置場所は、部 屋の間取りや家具などにより制約を受ける。ここで はビデオカメラの設置位置と得られる波形につい て、基礎的な検討を行った。

 被験者を取り囲むように6台のビデオカメラを天 井高さに設置した。Fig.2に6台のビデオカメラの 配置と視野を示す。ビデオカメラにはそれぞれNo。

1一 No.6の番号をつけた。

 6台のビデオカメラからの信号からオプティカル フロー検出し、x軸方向とy軸方向の平均値を画面

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2.3.重点研究テーマ・研究成果

No.3 No.4 No.1

No.5

       CeiEing

全Fig.2 Layout of video cameras their view.

体で算出して呼吸波形を得た。各体位の呼吸波形を 高速フーリエ変換し、パワースペクトルを得た。そ してパワースペクトル中の最大ピークが呼吸周波数 に一致したビデオカメラの番号を記録した。オプ ティカルフローのx軸方向の平均値、y軸方向の平 均値ともNo.1のNo.2ビデオカメラで、60%程度の 割合で呼吸周波数に一致した最大のピークが得られ た。しかし、他番号のビデオカメラでは最大のピーク となる割合が30%程度であった。この結果から被験者 の真上(No.1)、または足元方向(No.2、 No.3)から撮 影した場合は、他方向から撮影するより大きな振幅の 呼吸波形が得られる傾向が明らかになった。仰臥位ま たは側臥位の場合、寝具の有無にかかわらず胸部から 腰部にかけて高低差ができる。呼吸によって動く胸部、

腹部や寝具は、二軸の鉛直上向きに運動すると考えら れる。そのため呼吸計測を目的とする場合、三軸に対 して垂直となる方向にビデオカメラの光軸を調整す ることが望ましいと考えられる。

 これらの研究は、いずれも利用者に特別な装置、

機器を付けることなくデータの検出を行うので、普 段の日常の中で違和感なく健康のチェックを行え る。さらに、これらをシステムとして自動化すれば 介護者の負担を軽減することも可能と考えられる。

産業技術への貢献

 先に述べたように、在宅看護の比率が急激に増加 する事が予想され、福祉機器の自動化は急務であり 福祉機器産業の活性化に貢献できる。

 また、本研究で行う動画像処理の技術を応用すれ ば、検査ライン等、ビデオカメラを使用している分 野において、動画像から流れの可視化、対象の状態 や動きなどの定量評価が可能となるであろう。それ

により、従来、機械だけでは検査・検出できなかっ たような項目まで自動化できると考えられる。

研究発表

1)橋本基、池本博朗、中島一樹、PC−AT互換機   を用いた科学計測用カラー動画像取り込みシス   テム、第14回動画像計測処理研究会、1998/8/24、

  札幌市

2)中島一樹、栗山憲、運動時の呼吸と心拍ゆらぎ   に関する研究、第13回生体生理工学シンポジウ   ム、1998/9/9、金沢市

3)中島一樹、高齢者の支援機器の開発一画像によ   る介護支援と人工内耳一、長寿科学セミナー、

  1998/11/17、大府市

4)中島一樹、ビデオカメラを用いた生体計測の現   状と未来、平成10年度第3回感性デザイン工学研   究会、1998/12/11、宇部市

5)松本佳昭、中島一樹、白上貞三、リアルタイム   呼吸・体動評価のための動画像処理システム開   発、第15回動画像計測処理研究会、1998/12/

  18−19、徳山市

6) K. Nakajima and H. Hashimoto, An   Inexpensive Color lmage Sequence Acquisi−

  tion System Using A Personal Computer,

  Forma (in press)

グループメンバー

氏名 所属 職(学年)

酒井 義郎 工・感性デザイン 教 授 中島 一樹 工・感性デザイン

マ・長寿医療研究センター} 講 師 山本 正幸 工・感性デザイン 助 手

連絡先

TE L/FAX : 0836−35−9411

E−mail : ysakai @ kde . yamaguchi−u . ac .jp

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Referensi

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