食 品 成 分 の 健 康 機 能 性 に 関 す る 研 究 が 活 発 に 展 開 さ れ て い る.とりわけ,食品タンパク質から派生する健康機能性ペプ チドに関する研究は,カルシウム吸収促進作用を発揮するカ ゼインホスホペプチドや血圧降下ペプチドであるラクトトリ ペプチドなどの比較的初期の成果がよく知られ,教科書など で も 食 品 タ ン パ ク 質 由 来 の 健 康 機 能 性 ペ プ チ ド は,ま さ に
「食品の3次機能」の原点として紹介されている.これは食 品タンパク質の機能が生体構成成分の原料獲得などの栄養機 能を中心に展開されてきた従来の概念を覆すものである.そ の後も国内外で多種多様な食品タンパク質由来の健康機能性 ペプチドが発見されてきた.一方,多種多様な食品タンパク 質由来の健康機能性ペプチドが で多数報告されるに 至っているが, での作用機構や分子レベルでの理解,
ヒトでの有効性の検証などには,いまだに多くの課題を残し ている.そこで,本稿では,これらの食品タンパク質由来の 健康機能性ペプチドのうち,生活習慣病と関連の深い脂質代 謝(コレステロール)を中心に,トリアシルグリセロール代 謝,糖代謝に影響を及ぼすユニークな作用について,現在の 最先端の研究成果とその展望を概説する.
脂質代謝改善ペプチド
1. コレステロール代謝改善ペプチド
世界規模で生活習慣病の増加が深刻な社会問題であ る.高コレステロール血症,動脈硬化症予防・改善のた めの多くの医薬品・食品の登場,社会的関心とは裏腹 に,現在でもWHOの統計では世界の死因の第1位(全 体の約25%)は,依然として心臓血管疾患であり,決 定的な動脈硬化症の解決策は,残念ながら現在もないと いうのも厳然とした事実である.高コレステロール血症 制圧は動脈硬化症制圧につながる.このような背景から 食物繊維,大豆タンパク質などが研究されてきた(1).
しかし,満足できる成分が発見されていないことは上 記の事実からも明白である.つまり,従来から世界中で 研究されてきた大豆タンパク質や食物繊維などの従来の 食品や医薬品では,体内に余分に蓄積したコレステロー ルや摂取したコレステロールを効率的に体外排出させる ことや,高コレステロール血症の予防改善は実現困難で ある.また,そのための理論・技術も未成熟である.し たがって,コレステロール代謝を改善するための革新的 な理論・技術が切望されている.このような視点から,
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【解説】
New Development of the Study on Lifestyle-Related Disease Preventive and Improvement Action of Peptides Derived from Food Proteins
Satoshi NAGAOKA, 岐阜大学応用生物科学部
食品タンパク質由来ペプチドの生活習慣病 予防改善作用に関する研究の新展開
長岡 利
新しい脂質代謝改善ペプチド研究が取り組まれている.
本章ではコレステロール代謝改善ペプチドを中心に脂質 代謝改善ペプチドについて概説する.
1.1 乳由来のコレステロール代謝改善ペプチド
コレステロール代謝を改善するタンパク質に関する研 究は100年以上前から行われてきた.乳タンパク質に関 する研究について概説する.乳清タンパク質が,高コレ ステロール食摂取時およびコレステロール無添加食摂取 時のいずれの場合にも,ラットにおいて血清コレステ ロール低下作用を発揮することが知られている(2, 3).乳 清タンパク質のコレステロール代謝改善作用は大豆タン パク質よりも優れていることが報告されている(4).高コ レステロール食摂取時に,ラットにおいて乳清タンパク 質の主要構成タンパク質である
β
-ラクトグロブリンやα
- ラクトアルブミンあるいは,それらのペプシン加水分解 物の摂取により,血清コレステロール低下作用が報告さ れている(5).さらに,乳清タンパク質の主要構成タンパ ク質であるβ
-ラクトグロブリンのトリプシン分解物(ペ プチド混合物)にも,血清コレステロール低下作用があ ることが報告されている(6).β
-ラクトグロブリンのトリ プシン分解物を用いて,Caco-2細胞において,コレス テロール吸収抑制作用を発揮するペプチドが探索・評価 された(6).その結果,IIAEK(ラクトスタチン(lacto- statin)と命名された)などがコレステロール吸収抑制 ペプチドとして発見され,ラットによる動物実験評価を 経て,長い間誰も発見できなかったコレステロール代謝 改善ペプチドIIAEKが乳清タンパク質から初めて発見 された(6).ところで,体内のコレステロール分解は,肝臓のコレ ステロール7
α
-水酸化酵素(CYP7A1)を律速酵素とす る経路にのみ依存している.したがって,CYP7A1のマ ウスでの過剰発現により,動脈硬化症や高コレステロー ル血症が改善されることが知られている(7).つまり,CYP7A1の活性化により動脈硬化症や高コレステロー ル血症が改善可能である.CYP7A1の活性化物質(天然 物を含む)は動脈硬化症や高コレステロール血症改善の ための機能性食品素材・医薬品となる可能性が高いわけ である.しかし,従来のCYP7A1の活性化剤は,転写 因子LXRのリガンドである22-ヒドロキシコレステロー ルなどの酸化コレステロールや合成薬剤LG268であり,
副作用でトリグリセリドを増加させるため活用不可能で ある(8).つまり,有用なCYP7A1活性化剤は未発見であ る.
さらに,ラクトスタチンの標的遺伝子がCYP7A1で あることがマウスで特定された(9).これまでオリゴペプ
チドの媒介するコレステロール分解調節系に関する報告 はないことから,オリゴペプチドの媒介する新しいコレ ステロール分解調節系の存在を示唆する.
そこでヒト肝臓由来株化細胞HepG2を用いて,ラク トスタチンによるヒトCYP7A1遺伝子発現に対する影 響を解析することにより,ラクトスタチンの媒介する 新しいコレステロール分解調節系の解明が試みられた.
そ の 結 果,HepG2細 胞 に お い て ラ ク ト ス タ チ ン が CYP7A1 mRNAレベルを特異的に誘導することが発見 され,ラクトスタチンによりヒトCYP7A1遺伝子転写 活性が増加することが報告された(10).また,ラクトス タチンによるCYP7A1 mRNAの増加は,C末端のリジ ン(K)が重要であることがラクトスタチンを構成する 断片化ペプチドの評価により解明された(10).よって,
CYP7A1 mRNA発現解析により,新しいコレステロー ル代謝改善ペプチドが発見できる可能性が示唆された.
ラクトスタチンのCYP7A1 mRNAの誘導が,どのよ うな経路を必要とするのかを検討するために,阻害剤を 用いて,ラクトスタチンによるCYP7A1遺伝子の活性 化経路の特定を行われた.MAPキナーゼキナーゼ阻害 剤やカルシウムチャネル阻害剤により,ラクトスタチン によるCYP7A1 mRNA誘導は完全に消失した.さらに ラクトスタチンにより,ERKのリン酸化の亢進が観察 されるとともに細胞内カルシウムイオンの増加が観察さ れた.よって,ラクトスタチンはHepG2細胞において ヒトCYP7A1遺伝子を転写活性化し,そのmRNAレベ ルを増加させることが明らかにされた(10).この誘導は カルシウムチャネルに関連したMAPキナーゼ経路に依 存したシグナル伝達系を媒介した新しいコレステロール 分解調節系を介して起こることが解明された(10).ラク トスタチンがどのようなシグナル伝達系を介してヒト CYP7A1遺伝子発現の誘導を引き起こすのかについて,
作業仮説であるヒトラクトスタチン受容体の特定を含 め,さらに詳細に分子・遺伝子レベルで解明することが 望まれる(図1).
さらに,得られた成果を基盤に14種類のジペプチド のCYP7A1遺伝子発現に対する影響を解析し,新しく CYP7A1のmRNAレ ベ ル を 増 加 さ せ る ジ ペ プ チ ド,
DK, EK, WKが発見された(11).
ラクトスタチンはHepG2細胞でCYP7A1遺伝子を活 性化し,コレステロール分解を促進することが明らかに された.ほかの研究者の総説(12)でも明らかなように,
オリゴペプチドによるCYP7A1遺伝子の活性化経路は 過去に報告がない.人間の肝臓には未知のラクトスタチ ン受容体の媒介するカルシウムチャネルに関連した
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MAPキナーゼ依存型の新しいコレステロール分解調節 系が存在することが明らかにされた(10).これは人間に は本来,内因性の未知のコレステロール代謝改善ペプチ ドが存在していることを推測させる.本研究により,ヒ ト型ラクトスタチン受容体やヒト型ラクトスタチン受容 体に本来結合するヒトの未知の内因性コレステロール代 謝改善ペプチドの解明を含む新しいコレステロール分解 調節系の発見が期待される.
さらに,以上のコレステロール代謝改善作用を発揮す るタンパク質から派生するオリゴペプチドであるラクト スタチンの研究成果に基づいて,従来から考えられてき たタンパク質の疎水性,アミノ酸組成,含硫アミノ酸含 量,リジン/アルギニン比,レジスタントプロテインな どとは一線を画す新しい考え方を提示し,外因性ペプチ ドのコレステロール代謝調節に関する新しい学問領域を 開拓した.これらのラクトスタチンの標的遺伝子を含む 新しいコレステロール代謝調節系の発見は,現在不可能 であるコレステロール代謝改善ペプチドデザインや新し いコレステロール代謝改善ペプチドの効率的スクリーニ ングにも道を拓くものである.
従来から,脂質代謝改善作用を発揮する大豆タンパク 質(グリシニン)を遺伝子組換え技術により,米タンパ ク質のうち5%(米100 gあたり350 mgグリシニン含有)
になるように組み込んだコレステロール代謝改善米(マ メヒカリ)が開発されている(13, 14).しかし,この組換 え米の摂取により,コレステロール低下作用が動物実験 で発揮できるかどうかは検討されていない.2005年に 開始された農林水産省のゲノム育種による効率的品種育
成技術の開発(ゲノム育種技術の開発と実証)や,その 成果を発展させて2008年に始まった新農業展開ゲノム プロジェクト研究により,ラクトスタチン(IIAEK)を 米に組み込んだ新型米が創成された(15, 16).なお,乳清 タンパク質自身はヒト試験でも血清コレステロール低下 作用を発揮することが証明されており(17),今後の特定 保健用食品などとしての活用が期待される.
1.2 大豆由来のコレステロール代謝改善ペプチド 大豆タンパク質などの植物性タンパク質の摂取は,カ ゼインなどの動物性タンパク質摂取と比較して,血中コ レステロール濃度が低値を示すことが知られている(18). これまで日本では菅野らを中心とした研究(19〜21)が活発 に展開され,大豆タンパク質を含む食品は厚生省の特定 保健用食品として許可された.また,海外でも大豆タン パク質のコレステロール代謝に対する臨床成績(22, 23)が ある.活発に展開された大豆タンパク質の血清コレステ ロールに対する影響の解析結果に基づいて,1999年に アメリカでは大豆タンパク質が心臓血管疾患のリスク軽 減に有効である旨のヘルスクレームが米国食品薬品局
(FDA)で認可され,そのためには1日25 gの大豆タン パク質の摂取が必要であるとしている.
これまでの大豆タンパク質の血清コレステロール低下 作用に関する研究の一つの大きな流れは,大豆タンパク 質そのものから,より効力の高い有効成分を特定する方 向の研究である.その研究の過程で登場した大豆タンパ ク質そのものよりも強力な活性を有している大豆タンパ ク質ペプシン分解物高分子画分(SPH)を含む食品は,
特定保健用食品には認定されていない.
図1■ラクトスタチン(IIAEK)の作用機構
(仮説を含む)
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以上のような背景から,大豆タンパク質を活用して大 豆タンパク質そのものやSPHよりも,これまでにない ほど強力に血清コレステロール低下作用を高めることが 試みられた.大豆タンパク質と大豆リン脂質を効率的に 結合させ,pH 2でペプシンにより加水分解し,遠心分 離後,高分子画分を得て,これはリン脂質結合大豆タン パ ク 質 ペ プ シ ン 分 解 物 高 分 子 画 分(SPHP,ま た は SPHP-p)と命名されている.これはSPH自身が元来リ ン脂質を含有しているという事実(20)や,大豆リン脂質 自身による血清コレステロール低下作用の報告(24, 25)に ヒントを得たものである.また,Sirtoriらは,6%レシ チンを含む大豆タンパク質が高脂血症患者のHDLコレ ステロールを上昇させることを報告した(26).しかし,
SPHPは20%以上リン脂質を結合することが可能であ り,リン脂質の結合能が著しく向上した(27).したがっ て,SPHPはSPHのペプチドとしての作用増強効果と大 豆リン脂質の効能を併せ持つ優れた特性を有し,そのた めコレステロール代謝改善作用は既存の大豆関連調製物 には例を見ないほどに飛躍的に向上したことが,ラット を用いて報告されている(27, 28).SPHPはSPHと同様に コレステロール吸収抑制により血清コレステロール低下 作用を発現することが報告されている(27).
さらに,工業化を主眼においた研究開発が進められ,
微生物由来のスミチームFPを用いて加水分解する方法 が開発されている(29).これはリン脂質結合大豆タンパ ク 質 ス ミ チ ー ム 分 解 物 高 分 子 画 分(SSHP,ま た は SPHP-s)と命名されている(27〜29).また,スミチーム FPによる分解後の反応液を遠心分離操作を行わずに乾 燥した粉末は,リン脂質結合大豆ペプチド(CSPHP,
またはc-SPHP)と命名されている(28).さらに,CSPHP も顕著なコレステロール低下作用を発現し,工業化には CSPHPが適していることが明らかにされている(28, 29).
CSPHPを含む食品の特定保健用食品許可・工業的生 産を視野に入れた研究開発の視点から,十分な安全性試 験が実施されるとともに,高コレステロール血症の成人 男性が1日僅か3 gのCSPHPを3カ月間摂取することに より,血清コレステロールの有意な低下が観察され,1 日6 g摂取では,2カ月間で顕著な効果が得られた(30). この場合の血清コレステロール低下は主にLDLコレス テロールの低下であり,HDL-コレステロールはむしろ 上昇が観察される(30).ヒト試験において明らかにされ たCSPHPの有効投与量は,前述のFDAなどが示して いる大豆タンパク質そのものの効果(1日25 g摂取)よ りも優れている.
以上のように,大豆タンパク質に血清コレステロール 低下作用があることは以前から多く報告され,大豆タン パク質由来の疎水性ペプチドがコレステロール吸収阻害 に大きな役割を担っていると推定されてきた.しかし,
でコレステロール吸収を抑制する大豆ペプチド の実態は長い間不明だった.そこで,大豆タンパク質の 主要構成タンパク質グリシニンのA1aサブユニットで最 も疎水度の強い配列VAWWMYについて検討された.
その結果, の胆汁酸結合能やコレステロールミ セル溶解性試験で,医薬品コレスチラミンと同程度の活 性を有し,放射性コレステロールを用いた吸収実験によ り,ラットにおいてコレステロール吸収を抑制すること が発見され,VAWWMYはソイスタチン(soystatin)
と命名された(31).現在,動物実験( )でコレス
図2■ペプチドアレイによるソイスタチン
(VAWWMY)の高機能化
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テロール吸収抑制作用が確認された大豆由来のオリゴペ プチドはVAWWMYのみである.VAWWMYを改変 し,ペプチドアレイ(32)により高機能化(図2)すること により,医薬品のシーズや新しい大豆品種を創成する
「分子育種」への高度有効利活用が将来展望として考え られる.
さらに, での効果のみが報告されている例を 概説する.HepG2細胞において,大豆タンパク質由来 ペプチドであるFVVNATSNはLDL受容体mRNAを増 加させることが報告されたが, での作用は不明 である(33).また,大豆タンパク質の構成成分である
β
-コ ングリシニン由来のLRVPAGT TFYVVNPDNDENLR- MIAは,HepG2細胞において,LDL受容体の放射性標 識LDLの取り込みと分解を促進することが報告された が, での作用は不明である(34).さらに,HepG2 細胞におけるβ
-コングリシン由来ペプチド混合物の添加 により,アポリポタンパク質B-100の分泌抑制やコレス テロール合成の低下が報告された(35).2008年開始の新農業展開ゲノムプロジェクト研究に より,
β
-コングリシニンα
′サブユニットを米に組み込ん だ新型米が創成され(36),この新型米は動物実験評価に より世界初のコレステロール代謝改善米として報告され た.1.3 食肉由来のコレステロール代謝改善ペプチド 豚肉タンパク質のパパイン分解物中の可溶性低分子画 分(豚肉ペプチド,分子量300〜2,000)の摂取は,ラッ トにおいて血清コレステロール低下作用を発現する.こ のペプチド混合物の摂取により,血清コレステロールが 低下するとともに,コレステロールや胆汁酸の糞中排泄 量の増加する(37).しかし,活性ペプチドのアミノ酸配 列決定には至っていない.
一方,牛肉タンパク質(牛心臓タンパク質)の加水分 解物摂取は,ラットにおいて血清や肝臓コレステロール 低下作用を発揮する.牛心臓タンパク質加水分解物は,
でのコレステロールミセル溶解性を低下させ,
ラットで腸管でのコレステロール吸収を抑制する.活性 ペプチドは分子量1,000以下であると報告されている(38).
1.4 卵白タンパク質由来のコレステロール代謝改善ペ
プチド
卵白タンパク質の摂取は高コレステロール血症を改善 することが動物実験(39)やヒト試験(40)で報告されている.
卵白ペプチド(EP-1)のラットへの投与により,コレ ステロール代謝が改善されるとともに,肝臓CYP7A1 mRNAが増加する(未発表).HepG2細胞へのEP-1や EP-1分画ペプチド添加はCYP7A1 mRNAを増加させ
る.よって,ラクトスタチン同様,EP-1にはコレステ ロール分解系を活性化する新規ペプチドが含まれる.
IIAEKの類似配列であるオボアルブミン由来GLWEK は,CYP7A1 mRNAを増加させる新規ペプチドである ことを発見し,GLWEKをオボコレスチン(ovocholes- tin)と命名した(41).Mansoらは自然発症高血圧ラット で,20週間の卵白タンパク質加水分解物摂取(1g/kg 体重/日)により,血漿コレステロールとトリグリセリ ドレベルを低下させることを報告した(42).また,卵白 タンパク質のペプシン分解物は,カゼイン加水分解物と 比較して,ミセル溶解性を有意に低下させ,相対粘度を 増加させる効果がある.さらに,オボアルブミンのペプ シン加水分解物もミセル溶解性を低下させ,コレステ ロール吸収を抑制することが報告された(43).
1.5 その他のコレステロール代謝改善ペプチド
apoE欠損マウスを用いて,ペプチドの抗動脈硬化作 用の視点からの研究も行われている.動脈硬化を抑制す ることが知られている血中のアポリポタンパク質AIと 同じ効果を発揮するペプチドの探索評価から発見された Lys-Arg-Glu-Ser(KRES)は,血中の低密度リポタンパ ク質過酸化物を減少させ,高密度リポタンパク質と関連 するparaoxonaseを活性化して動脈硬化を抑制すること が,apoE欠損マウスによる研究で示唆されている(44). また,ラットの動脈を用いた 評価系で,強力な 血管拡張作用を発揮するジペプチドTrp-Hisの経口投与 は,血清脂質に影響することなく,アポリポタンパク質 E欠損マウスの動脈硬化症の進展を抑制することが報告 されている(45).以上のマウスで抗動脈硬化作用を発揮 したペプチドのヒトでの効果は報告されていない.
さらに,膵臓のコリパーゼから遊離するエンテロスタ チン(VPDPR, APGPR)は,摂食などに関係する.エ ンテロスタチンやその断片化ペプチドであるDPRの経 口投与は高コレステロール食摂取時において,コレステ ロール低下作用を有することが報告されている(46, 47).
2. 抗肥満ペプチド
2.1 トリアシルグリセロール代謝改善ペプチド
脂肪食摂取後の血中トリアシルグリセロールの上昇を 指標として探索評価したところ,グロビンペプチドの作 用が強いことが明らかにされた.グロビンペプチドは,
家畜の新鮮血赤血球のヘモグロビンからヘム鉄を除去し たグロビンを酵素分解したオリゴペプチド混合物であ る.グロビンペプチド混合物中に含まれるVal-Val-Tyr- Pro(VVYP)は,比較的強力な当該活性を有する(48). グロビンペプチドはヒト試験での効果が確認され(49),
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特定保健用食品許可成分として,食後の血清トリアシル グリセロールの上昇を抑えるという表示が許可されてい る.
肥満モデルラットでは大豆タンパク質の摂取により脂 肪酸合成が抑制されて,肥満抑制が観察されている(50). 大 豆 タ ン パ ク 質 加 水 分 解 物(ペ プ チ ド 混 合 物) の OLETFラットによる摂取により,肝臓トリアシルグリ セロールの減少が観察された.また,ヒト肝臓細胞 HepG2で大豆ペプチド分画物に含まれるLys-Ala, Val- Lys, Ser-Tyrは,[1-14C]酢酸からのトリアシルグリセ ロール合成を抑制した.これらのジペプチドの での効果は明らかではない(51).また,大豆タンパク質 加水分解物(低分子ペプチド混合物:分子量500以下の ペプチドを約80%含有)やカゼインをラットに摂取さ せた場合,単離肝臓灌流法での肝臓からのトリアシルグ リセロールの分泌は大豆タンパク質加水分解物でカゼイ ンよりも低下し,血清トリアシルグリセロール低下との 関連性が示唆された(52).
さらに,大豆水溶性ペプチド混合物をマウス3T3-L1 細胞に添加する実験において,PPAR
γ
発現の増加を介 して脂肪細胞の分化を促進し,抗糖尿病・抗動脈硬化作 用を発揮するアディポネクチンのmRNAと分泌量を増 加させ,インスリン応答性のグルコース輸送担体4の mRNAレベルやインスリン応答性のグルコース取り込 みを促進することが明らかにされている(53).よって,大豆タンパク質由来のペプチドにかかわらず,アディポ ネクチンのmRNAと分泌量を増加させるペプチドは未 発見である.
2.2 脂肪酸合成酵素阻害ペプチド
脂肪酸合成酵素(FAS: EC 3.2.1.85)の阻害剤は,肥 満や肥満と関連する代謝性疾患の予防改善に有用であ
る(54, 55).Martinezらは,大豆
β
-コングリシニン由来のKNPQLR, EITPEKNPQLR や RKQEEDEDEEQQRE が FASを阻害することを報告した(56).これらの3種類の ペプチドは において,精製したニワトリのFAS の阻害実験や3T3-L1マウス脂肪細胞における脂肪蓄積 を抑制することが明らかにされた.FASとその阻害ペ プチドとの相互作用に関するコンピューターによる結合 解析では,EITPEKNPQLRやRKQEEDEDEEQQREは 典型的なヒトFASのthioesteraseドメインに結合し,抗 肥満作用を発揮することが知られている医薬品Orlistat よりも低い相互作用により結合することが明らかにされ た.
2.3 抗肥満ペプチドとエネルギー代謝
大豆ペプチドの摂取は人間やラットで熱産生が亢進
し,肥満改善に有効であるとする報告がある.大豆ペプ チドのエネルギー代謝に対する影響をヒトで観察した.
絶食した大学生に大豆ペプチド(低分子ペプチド混合 物),大豆タンパク質,ラクトアルブミンを摂取させ,
食事による熱産生能を調べた結果,大豆ペプチド摂取群 のエネルギー代謝量はほかの群よりも増加することが報 告された(57).また,大豆ペプチド(低分子ペプチド混 合物)をラットに投与すると,褐色脂肪組織のミトコン ドリアにおける熱産生能が亢進することが報告された.
この熱産生の亢進には,ノルエピネフリンの代謝回転の 亢進が関与していると推測されている(58).しかし,大 豆タンパク質由来の活性ペプチドのアミノ酸配列は不明 である.
一方,天然タンパク質由来ではないが,脂肪細胞に存 在するタンパク質(プロヒビチン)に特異的に結合する ペプチド(CKGGRAKDC)が発見され,このペプチド にアポトーシスを誘導するD型アミノ酸で構成されたペ プチド(KLAKLAKKLAKLAK)を連結させた合成ペ プ チ ド(CKGGRAKDCGGKLAKLAK KLAKLAK)
は,遺伝的および食餌性肥満マウスの肥満改善に有効で あることが発見された(59).
以上のように,天然に存在するタンパク質由来の抗肥 満ペプチドは未発見である.乳清タンパク質(
β
-ラクト グロブリン,α
-ラクトアルブミンやラクトフェリン)自 身が抗肥満作用を発揮することが報告(60)されているの で,これらのタンパク質から抗肥満作用を発揮するペプ チドが発見される可能性がある.糖代謝改善ペプチド
大豆
β
-コングリシニンβ
-サブユニット由来のμ
オピオ イドペプチド(抗不安ペプチド)であるSoymorphin-5(YPFVV)は,血糖値と血清トリグリセリドを低下さ せることが,糖尿病モデルマウスであるKKAyマウスに 5週間飲料水にペプチドを含ませて摂取させる手法を 使って報告された.血糖値と血清トリグリセリドの低下 には,アディポネクチンとPPAR
α
を介したβ
-酸化の活 性化とエネルギー消費の増加が関与することが示唆され た(61).μ
オピオイド受容体の活性化と糖尿病の発症との 関連性やほかの抗不安ペプチドと糖尿病の関連性は不明 である.抗糖尿病作用・糖代謝改善作用の視点から,糖代謝,
GLP-1分泌と食品タンパク質由来ペプチドとの関連性が 研究されている.GLP-1は血糖上昇に伴うインスリン分 泌を増強するインクレチン作用を担うホルモンであり,
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インスリン分泌を担う膵ランゲルハンス島
β
細胞の保護 作用などを有している.そこで,GLP-1産生消化管内分 泌細胞株(GLUTag)を用いて,種々の食品タンパク質 加水分解物のGLP-1分泌活性を評価した.その結果,Zeinのパパイン加水分解物(Zein H)は強力なGLP-1 分泌促進作用を発揮した(62).Zein Hはラット腸管でも GLP-1分泌を促進し,応答には消化管部位差があること が明らかにされた.Zein HのGLP-1分泌の作用には,
迷走神経が関与することが示唆された.
また,グルコース吸収抑制作用を標的にした医薬品開 発の標的である腸のNa依存性グルコース輸送担体
(SGLT-1)に作用するペプチドも報告されている.Gln- Cys-ProやGln-Ser-Proは,Caco-2細胞において,グル コース吸収を抑制するとともに,ラット腸管でのグル コース吸収を抑制することが報告された(63).これら2種 類のトリペプチドは,SGLT-1の転写や翻訳を調節する 細胞内タンパク質RS1由来のペプチドあるが,食品タ ンパク質からも生成する可能性がある.
脂質蓄積と肥満はインスリン抵抗性と2型糖尿病を招 く.糖尿病モデルマウスのGKラットにおける卵白加水 分解物(EWH)投与実験では,血糖値の低下が観察さ れた(64).EWHの有効成分は未特定である.EWHに含 まれる特異的なペプチドがGKラットの血糖値の低下に 関与すると推定されている.たとえば,RVPSLMは卵 白タンパク質加水分解物に由来する
α
-グルコダーゼ阻害 ペプチドである(65).また,オボアルブミン由来ペプチ ドKLPGFはα
-グルコシダーゼやα
-アミラーゼを阻害す る(66).ジペチダーゼ(peptidase 4 (DPP-4))とアンジオテン シン転換酵素(ACE)は血糖値調節と腎臓血管系の保 護において重要な標的である.Zucker糖尿病肥満ラッ トは,広く肥満やメタボリックシンドロームのモデルと して用いられてきた.Zuckerラットにおいて,長期の 卵白タンパク質加水分解物NWT-03 (DPP4やACE阻害 活性を有する)は,腎障害を改善することが報告され た(67).
文献
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プロフィール
長 岡 利(Satoshi NAGAOKA)
<略歴>1986年名古屋大学大学院農学研 究科博士課程農芸化学専攻修了/1988年 日本学術振興会・特別研究員/1989年岐 阜 大 学 農 学 部 助 手/1993年 同 助 教 授/
1995〜1996年ボストン大学医学部へ文部 省在外研究員として留学/2007年岐阜大 学応用生物科学部教授/2012年同大学シ ニア(上席)教授・教授,現在に至る<研 究テーマと抱負>ペプチド,タンパク質,
アミノ酸,ポリフェノールなどの生活習慣 病予防改善作用(特に,脂質異常症や肥満 の予防改善作用)<趣味>山野を散策しな がら高山植物を観賞すること,テニス,合 唱<所 属 研 究 室 ホ ー ム ペ ー ジ>http://
www.abios.gifu-u.ac.jp/nagaoka/
Copyright © 2016 公益社団法人日本農芸化学会 DOI: 10.1271/kagakutoseibutsu.54.804
日本農芸化学会