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「イノベーションの普及におけるネットクチコミの影響」

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2001年度生 上智大学経済学部経済学科 網倉ゼミナール 卒業論文

「イノベーションの普及におけるネットクチコミの影響」

~アットコスメ~

A0141414

柿沼 ゆかり

2006年1月15日

(2)

<はじめに>

近年急速に普及してきたインターネットの常時接続環境が、消費者の意思決定メカニズムを大きく変えたとい えるであろう。実際に過去一年間に「消費者がネット上に書き込む評価情報」を参考に商品購入などを決めた人 は、高齢者を含む消費者全体の約4割弱であるという報告がある1)。またインターネットの普及により、インタ ーネット上のコミュニティ“ネットコミュニティ”なるものが構築され、ネットコミュニティ参加者にとって今 や、参加者の2割弱の書き込む人が発信するクチコミ、すなわちネットクチコミによる情報の重要度が広告や雑 誌をしのぐといわれている。

これらのことより、今後企業のとるべき戦略は大きく変化せざるを得ないであろうと考える。つまり、広告色 を薄めつつ、RAMを動かし、クチコミでの伝播を促すマーケティング戦略が重要になってくるのではないだろう か。本論では、①ネットコミュニティはどのような機能を持ち、消費者にどのような影響を与えているのかを検 討するとともに、②ネットコミュニティの効果を明確にした上で、③企業がコミュニティを活用するに当たって 取るべき戦略について迫るべく、以下の七章に分けて述べることにする。

本論の構成は以下のとおりである。

第一章・インターネットの普及によるネットコミュニティの登場 第二章・消費者の情報源とイノベーションの普及プロセス 第三章・ネットコミュニティの影響力

第四章・クチコミの機能とクチコミする人の特性 第五章・化粧品情報サイト「アットコスメ」

第六章・アットコスメのクチコミ情報が消費者に与える影響~アンケートを用いて~

第七章・おわりに

<第一章>インターネットの普及によるネットコミュニティの登場

(1)ネットコミュニティとは

従来、コミュニティとは一定の地理的範囲の中で、メンバー間で共通の関心が存在し、相互交流が行われてい る集団として捉えられてきた。しかし近年のインターネットの普及に伴い、インターネット上における交流が拡 大したことにより新しい形でのコミュニティが形成されてきている。つまり、従来のコミュニティと類似した集 団がインターネット上に発生し、発展してきた。これがネットコミュニティである。

ネットコミュニティは、人々のコミュニケーションを基盤としている点など、通常のコミュニティと多くの共 通点を有する。しかし、ネットコミュニティは、対面でのコミュニケーションを必要としないという点で、従来 のコミュニティに対する捉え方では捉えきれない側面を持っている。

また、以下のようなインターネットの登場以前の世界における情報源では想定しにくかった特色を持っている 点で、消費者にとって新しいタイプの情報源であるといえるであろう。

*ネットコミュニティの特徴2)

① それまで面識のなかった、きわめて多くの人間間で、時間と空間を越えて、情報がやりとりされる。

② 情報のやりとりに実際に参加する(書き込みをする)以外に、それらをただ閲覧するという形でも、情報を 取得することができる。

③ 企業もやりとりを閲覧することもできれば、参加することもできる。

④ ネットコミュニティは、売り手企業によって主宰されることもあるが、その企業の意思に関係なく、第三者 によって主宰されることもある。

(3)

すなわち、ネットコミュニティにおいては、消費者間の相互作用が従来に比べて、拡大・変質するとともに、

売り手がネットコミュニティに参加したり、あるいは監視したりすることが可能になる。

ネットコミュニティは、企業にとっても消費者間の会話をより身近かつ広い範囲にわたって観察可能な場であ るだけに、あるいは場合によっては企業自ら介入可能な場であるだけに、企業による消費者情報源への影響力行 使の機会を広げる。そのため、インターネットの普及した世界の中で、ネットコミュニティは今後きわめて大き な影響を与える情報源となる可能性が大きいと考えられる。社団法人日本広告主協会の2001年の調査によれ ば、調査対象企業の24%が、自社のウェブサイトで掲示板・チャットを開設していると回答していることから、

ネットコミュニティを活用しようとしている企業が増加してきているといえるであろう。

(2)ネットコミュニティ発展の背景

日本におけるネットコミュニティの発展は、1980年代後半に、PC通信会社Niftyサーブの会議室のような形で 始まり、90年代中盤からインターネットの普及とともに加速化していった2)

そして、2001年後半からのブロードバンドの急速な普及は、ネットコミュニティの発展に対して、きわめ て大きなインパクトを与えたと考えられる。「ネットサーフィン」という言葉が表すように、インターネットを網 羅的に見ることで世界の広がりを感じ、それ以降人々はインターネットで自分の欲しい情報、必要な情報を引き 出すことに意義を感じ始めたといえるであろう。実際、下記の図1に示すように、2001年以降、インターネ ットの利用者は急激に増加している。掲示板に多くの人々が書き込みを行い、それを多くの人が閲覧し、さらに この書き込みや閲覧の過程で、新たなネットコミュニティが形成されるのも珍しいことではないといえるであろ う。

図1 インターネットの利用状況

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

2001年 2002年 2003年 2004年

利用している 利用していない 不明

パワー・ブランド構築とCRM戦略 より

<第二章> 消費者の情報源とイノベーションの普及プロセス

(1)消費者の情報源

消費者は、購買意思決定プロセスの各段階において、あるいは購買を意識する前の段階で、意図的か否かはと もかく、様々な情報源と接触し情報を取得する。消費者を取り巻くこうした情報源には、マーケティング主体で ある企業にとって直接コントロール可能なものもあれば、直接コントロール不可能なものも含まれる。一般に、

消費者にとって情報源は、それが人的なものか非人的なものか、そして、企業にとって直接コントロール可能か 否かによって、次頁の図2のように分類される2)

(4)

(図2 消費者情報源)

人的 非人的 企業にとって直接 広告 コントロール可能 セールスマン 製品 価格 小売店 ネットコミュニティ 企業にとって直接 家族・友人 新聞や雑誌の記事 はコントロール不可能 他の集団のメンバー 第三者による製品テスト

ネット・コミュニティのマーケティング戦略 より

上記の図において、企業にとって直接コントロール可能で非人的な情報源としての製品とは、小売店頭などで 見るパッケージを含めた製品そのものである。また、「安かろう、悪かろう」という形で、価格が消費者にとって 情報源となりうることがあることは、よく知られている通りである。さらに、人的情報源の欄で、小売店がコン トロール可能とコントロール不可能との中間にある理由は、たとえばメーカーにとって、系列小売店の店員や大 型店への自社の派遣店員はコントロール可能であることが多いが、大型店自身の店員までをコントロールするこ とは困難であるためである。第一章(1)で、ネットコミュニティは企業にとって場合によっては介入可能な場 であると述べたことより、ネットコミュニティは非人的で可能と不可能の中間に位置すると考えられる。

(2)イノベーションの普及のプロセス

ネットコミュニティは、消費者間コミュニケーションの一つの手段である。また、マーケティングの分野にお いて、こうした消費者間のコミュニケーションは、ネットコミュニティが生まれる以前から、消費者の購買行動 に大きな影響を与えるものとして注目されてきた。なかでも、新製品の購買に対する消費者間コミュニケーショ ンの影響は、普及理論という形で説明されてきた。普及理論(Rogers 1983)によると、ある新製品が導入された とき、潜在顧客はその新製品の採用時期により、下記の図3のように分類される。ここで、採用とは、ある製品 を定期的に購買するようになることを指す。新しい商品に対する購入時期の早い人から、1.革新者(2.5%)、 2.前期少数採用者=オピニオンリーダー(13.5%)、3.前期多数採用者(34%)、4.後期多数採用者

(34%)、5.採用遅滞者(16%)の5つのタイプに分類できる。なお、ある新製品について、カテゴリーそ れぞれに分類される人々の価値観として、革新者は冒険心、前期少数採用者は尊敬、前期多数採用者は慎重さ、

後期多数採用者は懐疑心、採用遅滞者は伝統、という特徴があると言われている。

(図3 革新採用者の分類)

イノベーション採用の時期

採用 遅滞者 採用者

後期多数 前期多数

採用者 前期少数

採用者 革新者

普及理論の特徴として、新製品の潜在顧客をその相対的な採用時期により上記の図のように分類するとともに、

カテゴリー間や内部でクチコミなどによる影響関係に注目する点が挙げられる。つまり、市場の軸の部分を構成 する前期多数採用者や後期多数採用者の購買には、革新者や前期少数採用者からの影響が、あるいは彼らの相互

(5)

間の影響が作用するというわけである。したがって、新製品の普及を促進するためには、まず革新者や前期少数 採用者をターゲットとしたマーケティングを展開すべきであり、そのことが前期多数採用者や後期多数採用者に 対しての普及を容易にする事になる点である。ネットコミュニティには革新者、オピニオンリーダー、ヘビーユ ーザーが集まりやすいという特性があるため、新製品の普及のプロセスにおいて重要な役割を果たすといえるで あろう。

(3)消費者の購買意思決定プロセス

消費者の購買行動のプロセスに関する仮説にアメリカのローランド・ホールが提唱したAIDMAの法則がある。

図4-1に示すように AIDMA の法則とは、消費者があるものを知り、それから買うという行動に至るまでのプ ロセスであり、コミュニケーションに対する反応プロセスでもある。

(図4-1 AIDMAの法則)

認知 興味 欲求 記憶 行動 Attention Interest Desire Memory Action

図解でわかる くちコミマーケティングより 消費者は、はじめに製品やサービスに対して注意を払うようになる。これを「認知」という。次いで「興味」

や関心を抱き、「欲求」し、「記憶」する。そして最終的に購買「行動」を起こすという、この5つの段階がある。

例えば、自動車という商品をTV、CM、雑誌など広告を通じて消費者に認知(Attention)を促し、その商品に 興味関心(Interest)を抱かせ、そこで「使ってみたい」とか「欲しい」という具体的な欲求(Desire)へと段階 を踏ませる。鮮烈な広告であればその自動車のイメージは脳に深く刻み込まれるし、例え印象の薄い広告であっ ても繰り返し刷り込まれることによって消費者はその商品を記憶(Memory)していくと言える。後になってその 商品がインターネットや小売店などで陳列されていたりすれば、その記憶が蘇り、購入するという実際的な行動

(Action)にでるのであろう。

<第三章>ネットコミュニティにおける消費者購買プロセスの変化

(1) ネットコミュニティの影響力

次頁の図5に示すように、ネットコミュニティの利用者は全人口の15%程度であり、商品やサービスの情報 収集に利用している人は8~9%程度、そして実際の購買に利用している人は6%程度であると推計される3)。 そのため、全人口の1 割前後が何らかの形でネットコミュニティを通じて商品・サービスと接触しているという ことができる。今後は、インターネットの常時接続がさらに進むにつれて、ユーザーが増加するものと考えられ るであろう。

また第二章(2)では、革新者と前期少数採用者の全人口における割合は15%であった。ネットコミュニテ ィ利用者も同じく15%であること、革新者と前期少数採用者の性格的特徴(第二章(2))から、ネットコミュ ニティには主に革新者、前期少数採用者などの人が参加しているのではないかと考えられる。

(6)

(図5 ネットコミュニティ利用者数の推計)

コミュニティの利用経験あり

=アクティブユーザーの37.1%

商品やサービスに関してコミュニティを利用

=アクティブユーザーの22.2% 14~15%

コミュニティを購買に利用 8~9%

=自宅PC接続利用の16%

6%

自宅PC接続=39%

全人口=100%

ネットコミュニティ参加者はRAMとROMの2つに分類することができる7)RAM(Radical Access Member)

は、ネットコミュニティに自らの感想や評価情報を書き込む人たちであり、ROM(Read Only Member)は、

自らは書き込みをせずRAMが書き込みをした評価情報を閲覧のみする人たちである。下記の図6に示すように、

ネットコミュニティ参加者のうち、RAMは16.4%、残る83.6%は閲覧するだけのROMであるという報告 がされている1)。第二章(2)では革新者は全人口の2.5%(革新者と前期少数採用者の合計15%中、16.

7%)、前期少数採用者=オピニオンリーダーは13.5%(83.3%)であり、(1)のはじめにネットコミ ュニティ参加者は主に革新者、前期少数採用者であると考えられると述べたことからも、RAMは主に革新者であ り、ROMは前期少数採用者であるということがいえるであろう。

図6 ネットコミュニティー内のROM/RAM比率

16.40%

83.60%

RAM ROM

日経消費マイニングより

また、RAMの書き込み回数は「年3~10回未満」が約4割で最多だが、「年10~30回未満」が15%強、「年 100回以上」においても1割近い。一方、情報を読む側に着目してみると、参加者全体の15%近くが年に10回 以上、書き込みを参考に購入する商品・サービスを決めているという報告がある1)。このことから、全体の2割 弱であるRAMの影響力は非常に強いといえるであろう。

加えてRAM/ROMとも、書き込みから得た情報をネット以外の従来のクチコミで伝えることが多いという報告 もある。約50点の商品・サービスに関しネットに年500回以上書き込み、閲覧した情報をクチコミでも品目ごと に10人~50人以上に伝えていた例もある1)ことより、全体の2割弱であるRAMの影響力は非常に強いといえる であろう。

(7)

(2) 消費者の情報源と購買行動の変化

日経産業消費者研究所の月刊誌「日経消費マイニン グ」では、RAM の与える影響についての調査報告が ある。質問内容である「商品購入などの際にどんな情 報源を重視するか」への回答として、右の図7に示す ように、ネットコミュニティ参加者の場合、「知人との クチコミ」に次いで「消費者がネット上に書き込む評 価情報」と答えた人が多く約35%であり、「テレビ・

ラジオCM」「新聞・雑誌などの広告」=マスメディア の2.7~3.5倍に達している。ここから従来マス メディアの情報を重視していた消費者は、よりネット クチコミを選択するようになったといえるであろう。

図7 商品購入などの際に重視する情報源は?

(2つまで選択可能)

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

消 費 者 ネットに

書 き 込 む 評 価 情 報

企 業

H

に P

掲 載 す る 情 報

知 人 とのクチコミ TV・

ラ ジ オ C M

新 聞

・雑 誌 な

どの

広 告

製 品 な どのカタログ その他 全体

ネットコミュニティ 参加経験者

日経消費マイニングより

さらに着目するべきは「他の消費者の書き込みを参 考に商品購入やサービス・飲食店利用を決めた回数」

への回答である。右の図8に示すように、他の消費者 が書き込んだ評価情報を参考に商品やサービスの購入 を決めたことがある人は85.2%である。かなり多 くの消費者がネットクチコミに信頼性を持っているこ とがわかる。

図8 他の消費者の書き込みを参考に商品購入やサービス・

飲食店利用を決めた回数

14.8%

3.3%

42.60%

9.60%

15.30%

9.60%

1.90%

2.90% 1回もない

1回 2~3回 4~5回 6~9回 10~20回未満 20~30回未満 30回以上 日経消費マイニングより

同様に「消費者は、インターネットショッピングにおいて、ショップによる「おすすめ情報」よりも利用者の 生の声である「評価情報」を重視する」という報告がある4)。日経消費マイニングの調査においても、「インター ネットのクチコミ情報なら消費者の本音がわかる」「広告やメディア情報は信頼できない」などの意見が目立って いた。ここから、広告や雑誌に頼らない「ネットクチコミ派」が多数派を形成しつつあるといえるであろう。そ の背景としてはPCの前に座れば瞬時に、特定商品の体験者の感想が数多く集まるというネットコミュニティの有 する特別な性格が挙げられるであろう。さらにこの性格こそが近年の消費者の購買行動に対するネットコミュニ ティの影響力増大の源泉であると考えられる。

(3)ネットコミュニティの「認知」「興味」の段階に与える影響

三和研究所、インターネットコム、インフォプラントのインターネットユーザー300人に対する調査では、

消費者の購買行動における「認知」の段階、つまり「ある商品をはじめて知る」メディアは何かという問いに対 して、次頁の図9、11に示すように全体的にはTV、雑誌、といったマスメディアを通して、という回答が多い ことがわかった。「衣類・アクセサリー」や「趣味関連、雑貨、小物」といった比較的能動的に購買行動を行う商 品に関しては、「店舗」を通して、あるいは「趣味関連、雑貨、小物」といった商品に関しては、「インターネッ ト」を通して、という回答も1/3を占めた。「認知」の段階では消費者の購買プロセスにあまり影響は見られな いようである。

(8)

次に、「認知」した商品に対して興味を持った後、「その商品に関する詳細な情報を集めるとき、どのようなメ ディアを利用するか」という問いに対しては、図10、12に示すように各分類の商品において、「店舗(店員)」 という回答が半数にのぼり、ついて「インターネット」を通して、という回答が多かった8)。またインターネッ トの中でも、第三章(2)図7より、「ネットコミュニティ」を通して情報を集めているといえるであろう。

図9 初めて商品を知るメディアは?

17.5%

7.3%

15.1%

13.8%

1.1%

6.9%

3.2%

10.3%

17.5%

7.0%

0.3%

テレビ 新聞 雑誌 チラシ 看板広告 通販等のカタログ パンフレット インターネット 店舗(店員)

友人・知人・周りの人間 その他

図10 より詳しい情報を集めるメディアは?

3.7%

1.7%

10.8%

5.7%

0.3%

3.8%

7.3%

27.3%

29.8%

9.5%0.1%

テレビ 新聞 雑誌 チラシ 看板広告 通販等のカタログ パンフレット インターネット 店舗(店員)

友人・知人・周りの人間 その他

三和研究所、インターネットコム、インフォプラントの調査 より

図11 はじめて商品を知るメディアは?

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

テレビ 新聞 雑誌 チラシ 看板広告 通販等のカタログ パンフレット インターネット 店舗(店員)

友人・知人・周りの人間 その他

家電・PC等、耐久消費財 趣味関連、雑貨・小物等、不定期に購入する商品

洗剤等、生活用品で定期的に購入する商品 衣類・アクセサリー等の服飾品

書籍・CD等

三和研究所、インターネットコム、インフォプラントの調査 より

(9)

図12 より詳しい情報を集めるメディアは?

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

テレビ 新聞 雑誌 チラシ 看板広告 通販等のカタログ パンフレット インターネット 店舗(店員)

友人・知人・周りの人間 その他

家電・PC等、耐久消費財 趣味関連、雑貨・小物等、不定期に購入する商品

洗剤等、生活用品で定期的に購入する商品 衣類・アクセサリー等の服飾品

書籍・CD等

三和研究所、インターネットコム、インフォプラントの調査 より

さらに、「商品購入の際にどのような情報源を重視するか」という問いに対しては、第三章(2)消費者の情報 源と購買行動の変化で述べた通り、ネットコミュニティ参加者の場合、「知人とのクチコミ」に次いで「消費者が ネット上に書き込む評価情報」と答えた人が多く約35%であった。

これらのことから、ネットコミュニティは新たな情報環境の中で、消費者による購買との関係が特に強い情報 源として位置づけられていると考えられる。それゆえ、企業にとってこの新しい情報環境における消費者に働き かけるためには、ネットコミュニティに関する情報源選択行動の理解が不可欠になるであろう。新製品のような 消費者の製品判断力が低い製品の購買においては、ネットコミュニティの影響力はきわめて大きく、AIDMAの法 則の特に「興味」の段階に強く影響を与えているといえるであろう。要するに、従来は TV や雑誌などのマスメ ディアではじめて商品を知り、周囲の友人・知人からより詳しい情報を得て購買決定に至っていたものが、近年 では、同じくマスメディアから商品を知るのであるが、インターネット、特にクチコミ情報の得ることができる クチコミサイトから、より詳しい情報を入手し、購買に至っているということである。

<第四章> クチコミの機能とクチコミする人の特性

(1)クチコミの機能

第二章(3)で述べたように AIDMA の法則によると、消費者は認知→興味→欲求→記憶→行動のプロセスで 購買行動を起こすといわれている。また、第三章で述べたように、これらのプロセスにおいてテレビCM、新聞、

雑誌の広告などマスメディアが情報源として消費者に与える影響は、以前は大きかったといえるであろう。しか し、インターネットの普及や媒体の多様化・過剰化などにより、総体的に見てかつて程のマスメディアの影響力 はなくなってきたと考えられる。すなわち、次頁の図4-2に見られるようにマスメディアでは、先ほどのプロ セスにおいて「認知から・関心・興味」への流れがスムーズにいかなくなってきたといえるであろう。マスメデ ィアによって、大多数の人に認知はされるものの、それが購買行動へと直結することが以前に比べて少なくなっ てきたようである。

この要因の一つとして、消費者は企業によるマスメディアからの一方的で受身な情報よりも、第三者的意見を 持った人とのコミュニケーションによって得られる情報を重視する傾向にあるからであると考えられる。つまり、

商品やサービスが急速に市場にあふれ、消費者への供給が増加したことにより、以前は企業からの一方的な情報

(10)

にも耳を傾けていた消費者が、それらに耳を傾けなくなったのである。要するに消費者はすでに持っているもの を企業からの情報のみであえて購入しなくなったといえるであろう。こうした状況の中で、マスメディアだけの プロモーションで消費者を購買まで結びつけるのは大変困難になってきている。

この解決策として注目されているのが「クチコミ」である。家族や友人からの推奨には親近感がある。また、

専門家や体験者、利用者の生の声による推奨には信頼感が得られるものである。身近な人や信頼のおける人から の情報であれば、安心して受け入れることができ、それはスパイラル式に購入者や利用者を増大させる効果も期 待できるであろう。

このようにクチコミは、それがうまく回りだすと商品やサービスの認知にとどまらず、購入の直接的な決定要 因ともなる。マスメディアなどによって企業から発信される情報量が増大するに従い、消費者同士の情報交換の 持つ意味が大きくなってきているといえるであろう。

(図4-2 AIDMAの法則)

認知 興味 欲求 記憶 行動 Attention Interest Desire Memory Action

(第二章(1)図7より)

(2)クチコミが広まる背景

・ 専門家・体験者・利用者の生の声 による「クチコミ」

解決策は

・ 家族・友人からの推奨 広告だけでは認知から興味を持つプロ

セスに移行しづらくなってきている。

図解でわかる くちコミマーケティングより クチコミが広まる背景には、各個人が持つネットワークの影響が計り知れない。各ネットワークにはオピニオ

ンリーダーと呼ばれる、ある製品について平均よりも多くコミュニケーションする、「ハブ」となる人が存在する。

(ローゼン 2002)ハブの特徴として、他の人よりも多くのつながり=ネットワークをもっており、情報に とても敏感である。自分の意見や得た情報について、周囲の人に喜んで話す傾向にあり、情報を得るために、メ ディアへ多く接触をしているといえる。この「ハブ」となる人を中心として築かれたネットワーク内の情報伝播 はねずみ算式に広がっており、企業もこのネットワークをマーケティング戦略の一環として注目している。

「日経消費マイニング」では、自然は素材の石鹸などを開発・販売するナイアードの全身洗浄剤「ガースル」の 調査を行った。モロッコ産粘土を原料とするこの商品の販売額は、2002年後半ごろからアットコスメで高く 評価する人が増えたのを機に急増し、以前の月30万円前後から現在の2000万円前後に跳ね上がった。この 商品に対する評価がインターネット上でRAMからROMに広まり、彼らを中心とするネットワークにクチコミに より波及したことで、販売額が60~70倍に跳ね上がったとの報告がある。

(3)企業にとってのクチコミの重要性

インターネット登場以前では、販売担当者が顧客へ直接的にするアプローチやダイレクトメールなど、企業か ら顧客へのアプローチをワントゥワンで行うことで、顧客はその企業に対してロイヤルティを抱くようになって いく。そして、インターネットの普及により企業から顧客へのアプローチ量の一層の拡大とともにスピーディー な対応も可能になったといえる。インターネット導入期では、企業と顧客を結ぶこの情報伝達サービスは他社と の差別化として功を奏していたが、現在ではそれだけでは顧客が満足することは少なくなってきた。

つまり、単に便利でお得な商品やサービスというだけでなく、この商品やサービスの中身が「信頼感がある」

や「親近感がある」ことを明確に伝えなくてはならなくなった。この信頼感や親近感を伝えるものがクチコミで

(11)

ある。情報発信もとの企業からのタテの情報の流れに加え、企業と直接的な関係のない顧客からのヨコの情報の 流れが付加されるようになってはじめて、消費者がその企業の商品やサービスに信頼感を抱くようになる。クチ コミによって、情報が線から面へと拡大していくことになる。

以上のことからクチコミは、それだけでは消費者にとって信頼感や親近感に欠ける企業からの一方的な情報に 第三者的意見を加えることによって、信頼感や親近感を付加し、消費者の購買行動により大きな影響をあたえる 情報へと変える機能を備えているといえるであろう。そして、インターネットをクチコミの相乗効果が功を奏し ているのが、ネットクチコミであるといえる。

(4)クチコミの特徴

どのような属性の人がどのようなルートでクチコミをするのだろうか?そして、クチコミで売れる商品とはい かなるものか?クチコミの特徴に関する3つの興味深い調査を用いて検討していくこととする。

インフォプラントによるクチコミ情報への関心度調査では図13に示すように、クチコミへの関心度に対し特 に反応が高かったのが主婦層(75.6%)であり、OL(68.0%)がそれに続いていた。具体的には20~

30代の主婦、OLがクチコミへの関心が非常に高いことがわかっている。

図13 主婦、OL、ビジネスマン、50歳以上男女のクチコミ関心度(主婦、OLのみ抜粋)

15.40%

21.30%

18.70%

46.10%

54.30%

49.30%

24.90%

17.30%

21.70%

10.90%

5.30%

10%

2.7%

1.8%

0.30%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

合計 主婦層 OL

かなり関心がある まぁまぁ関心がある どちらともいえない

あまり関心がない まったく関心がない

図解でわかる クチコミマーケティング より

「くちコミ調査2002」では、下記の図14に示すようにクチコミの伝達ルートは「友人・知人」からが8 6.9%、次いで「家族」が56.9%、「職場の同僚」が45.1%となっている。この結果から、クチコミは

「誰かに話してみたい、教えてあげたい」という心理によって行動を起こさせるものであり、しかもその情報を 聞いてもらって「共感してもらえる」「驚いてもらえる」事を期待して伝達することが基本にあるため、気軽に話 ができるコミュニティの順位が高いと推測できる。同様に下記の図15に示すようにクチコミしたい気持ちにな る度合いは主婦が一番多く87.4%、次いでOL86.6%であることがわかった。

図14 クチコミの伝達ルート

0.00%

20.00%

40.00%

60.00%

80.00%

100.00%

120.00%

家 族

親 戚

友 人

・知 人

職 場

同 僚

(上司・

部 下 を 含 む)

職 場

同 僚

(街頭・

電 車

) 特に耳にしない 合計%

0.00%

10.00%

20.00%

30.00%

40.00%

50.00%

60.00%

70.00%

80.00%

90.00%

100.00%

属性別%

主婦 OL 合計

図15 クチコミしたい気持ちが「よくある」&「ときど きある」

87.40% 86.60%

69.00% 66.60%

0.00%

10.00%

20.00%

30.00%

40.00%

50.00%

60.00%

70.00%

80.00%

90.00%

100.00%

婦 OL ビ

ジ ネ スマン

5 歳0 以 上 男 女

図解でわかる クチコミマーケティング より 図解でわかる くちコミマーケティング より

(12)

クチコミに強い関心のある、主婦、OL層はどのような商品をクチコミで購入するのであろうか。クチコミで購 入される商品の特徴は、①初めての経験で、②複雑な事象が対象であり、③意思決定のリスクが大きく、④結果 が視覚に訴えやすいといわれている。「くちコミ調査2002」によると、主婦層では化粧品が19.2%でトッ プ、次いで一般食品類(16.9%)、トイレタリー類(13.1%)、健康食品等(10.0%)との報告があ る。OL 層でも、やはり化粧品は26.6%とトップであり、次いで健康食品等(12.8%)、飲食店(11.

9%)、一般食品類(11.0%)であった。化粧品は一度試してみなければ効果のほどはわからないが、比較的 高価であるため、購入意思決定のリスクが大きく、クチコミを参考に購入されるという図式である。ここから上 記の4項目に当てはまるため、化粧品はクチコミで購入される商品の代名詞といえるであろう。

(5)まとめ

第一章から第四章まではインターネットの普及における消費者の受け取る情報の質の変化とそれに伴う購買行 動の変化について述べてきた。従来は新聞、雑誌、TVCMなど、マスメディアでの広告が消費者に情報を植え付 けてきたといえる。しかしその情報は常に企業から幅広い消費者に一方通行に与えるものであり、友人・知人へ のクチコミを除けば、受け身でしか情報を扱うことができなかったように思える。そのため、情報を受信する人々 の層は広いが、それがインターパーソナルな段階まで、深く入り込むことはなかった。また従来、企業が消費者 のニーズを把握するためには、街角や電話でのアンケート、店頭でのリサーチなどの手段を用いていた。しかし これらの方法で集められた消費者の意見は、自発的なものではないため、アンケート依頼者などへの配慮なども あり、消費者の本当に感じていること、意見したいこととはズレがあったように思える。そのため消費者の“生 の声”が企業には届きにくく、消費者のニーズに基づき商品開発や戦略を立てるべきマーケティング本来の目的 が十分に機能していなかっただろう。

しかし、インターネットの普及によるネットコミュニティの登場が消費者の情報源、クチコミの広まる範囲や その情報が浸透する度合い、消費者の購買行動などに変化を与え、またそれにより企業もマーケティング戦略を 変更せざるをえなくなっている。従来では、クチコミは知人・友人からのクチコミが主であったのに対し、近年、

ネットコミュニティにより全く面識のない人々からのクチコミが消費者の購買に大きな影響を与えている。また 消費者は企業による過度の宣伝広告にもはや期待や信頼性をもたなくなり、代わりにその商品・サービスを経験 した“第三者”による生の声を集めた体験レポートなるものや、同じ企業発信の広告でも、その企業の商品の消 費者や大会・他の企業や機関における“客観的”な意見を盛り込んだ広告が浸透しているように思える。そして、

消費者もそれらの客観的な意見に耳を傾け、信頼性を持ち、それが購買意思決定や周囲の人へのクチコミにつな がっているようである。第五章では第三者による“生の声”が多く盛り込まれ、「ネットコミュニティ」「主婦、

OL」「化粧品」という消費者購買行動の3つのキーワードを包括している化粧品クチコミサイト「アットコスメ」

の例を元に、消費者の購買行動の変化とそれに対する企業の戦略について検討する。

<第五章> 化粧品情報サイト「アットコスメ」

(1)アットコスメとは

アットコスメは、化粧品に関する消費者のクチコミ情報をインターネット上に集積された「コスメ情報専用ポ ータルサイト」である。1999年12月にサイトを開設して以来、順調にサイトへの訪問者と固定ユーザーを増や し、2002年3月の時点ですでに、化粧品に関しては国内で最も有名なポータルサイトとしての地位と評価を確立 していたといえるであろう。従来、化粧品は流行や季節に影響されやすい商品特性のため、新商品が次から次へ と発売されていた。そしてそれに伴い消費者は新製品に対する「興味」や「欲求」を持っていたようである。し

(13)

かし、化粧品は比較的高価でありそう簡単には購入することができないという問題があった。そこで、消費者は 自分と好みや肌質が似ている人からの情報を欲し、アットコスメユーザーとなっていったようである。

インターネットの普及により消費者がメーカーのウェブサイトから情報を得ることも可能になった。その状況 においてアットコスメが人気を博すようになった理由は、メーカー自身が運営するウェブサイトとは異なり、特 定のブランドに偏ったりメーカーの肩を持ったりすることなく、幅広いメーカーの多彩な商品情報を、消費者の 視点に立って提供するところにあったであろう。この点が、近年の消費者購買行動の変化を有効的に利用した、

ビジネスモデルを代表するサイトであると言うことができる。

実際、アットコスメでは、国内および海外ブランドにおいて10万点を超える商品の情報が網羅されている。

さらに、このサイトの特徴として、メーカーが提供する商品情報だけでなく、製品の使い心地や機能に関する実 体験に基づいた消費者からのクチコミ情報がデータベース化されているところが特に注目すべき点である。ユー ザーから投稿される膨大なクチコミ情報は、人気ランキング順、ブランド別、アイテム別、年齢や肌質属性別な どの項目で整理されており、サイトユーザーはこれらの条件から必要な情報を選んだり、検索したりして情報を 取り出すことができるようになっている。そのため、彼らは自分が知りたい新製品に関する情報や、自分の肌質 とよく似たタイプの人からの評価情報などを効率よく探し出しては閲覧することができ、ここに人気の秘訣があ るといえるだろう。

アットコスメ会員は、女性が全体の99%を占めている。下記の図16、17で示す通り、年齢構成では、2 0代が48%、30代が34%である。また、独身者が全体の64%、職業構成では会社員が全体の41%を占 め圧倒的に多かった。したがって、アットコスメのコアユーザーは、美的好奇心旺盛な20~30代の働く女性 たちであることがわかる。この結果より、アットコスメは第四章でキーワードとした「インターネット」「主婦、

OL」「化粧品」の3つの項目に見事にあてはまり、ここにアットコスメの人気の秘訣を見ることができるだろう。

図16 年代構成

20歳未満 10%

20代前半 22%

20代後半 26%

30代前半 23%

30代後半 11%

40代以上 8%

図17 職業構成

会社員, 41%

専業主婦, 14%

パート・フ リーター,

10%

大学院生・

大学生, 13%

短大生・専 門学校生,

3%

高校生・予 備校生, 8%

中学生・小 学生, 2%

その他, 9%

@cosmeサイトデータ資料より

@cosmeサイトデータ資料より

(

2)クチコミランキング

アットコスメユーザーは、会員登録をしている人(630,000人 2005年12月現在)と、会員登録せず閲覧の みのユーザー(1,300,000人 2005年12月現在)に分けることができる。会員登録するためにはニックネーム、

メールアドレス、パスワード、性別、生年月日、肌質(普通肌・乾燥肌・脂性肌・敏感肌・アトピー)、都道府県、

職業を申告する必要があり、単にクチコミ情報を投稿するだけであれば、アットコスメに対して本当の名前も住 所も明かす必要はない。このネットコミュニティならではの匿名性に不安を抱くユーザーもいるのでは、感じる かもしれないが、「gooリサーチ」「gooショップ」におけるアンケートによると、実際に商品・サービスの評価情 報を提示する場合、ハンドルネームなどの匿名による発言であっても信憑性が大きく低下することはないことが わかっている。

(14)

アットコスメで最も人気のあるコンテンツはクチコミランキングであるといえるだろう。このサービスには、

次から次に発売されるコスメ商品の感想や評価を会員が自由に評価・投稿できるとともに、それをサイトの訪問 者が自由に閲覧できるというものである。クチコミを投稿する会員は年齢、肌質(乾燥肌・脂性肌など)などを 会員登録の際に申告した上で、ある商品の効果(潤い・美白など)、おすすめ度(最高7点)、コメントを記入す る。肌質・効果・おすすめ度はプルダウン・メニューから選ぶ形式になっており、コメントだけが自由形式で記 入できるようになっている。

例えば、クチコミランキングには以下のような情報が投稿されていた。

商品名:エスト エストザローション メーカー名:花王

発売日:2004年8月31日 アイテム:化粧水

価格:5250円 平均おすすめ度:5.1 クチコミ件数:677件

1 xxxx(名前) 乾燥肌 23歳 6.0 投稿日 2005/11-20 16:39:39

クチコミで評価が高いので期待大で使用したのですが、私には保湿がいまひとつでした。ちゃんと丁寧な肌診 断の元で選んでいただいたんですが。可もなく不可もなくの感じです。もう少し続けてみようかなー?しかし冬 の観光に私の超乾燥肌が耐えれない気がする★

このようにユーザーが化粧品の商品評価をするとともに、個人の感想をコメント=クチコミする仕組みになっ ている。クチコミランキングには月間30万~40万人のユーザーが訪れ、商品ごとに毎月5万~6万件のクチ コミがこのサイト上で行われているという報告がある。クチコミの延べ件数はすでに300万件を超えるほど(2 005年9月)になり、クチコミランキングは化粧品購入層の幅広い支持を得ているといえるであろう。

(3)アットコスメにおけるネットクチコミの特徴

「化粧品はクチコミで売れる」と言われてきたが、アットコスメに見られるようにインターネットの中ではそ の影響力はさらに加速している感じさえする。そして、アットコスメでのクチコミの力が実際、消費者が購買行 動を起こす場にも影響を与えるようになってきている。たとえば、原宿の竹下通りにあるドラッグストアセイジ ョーはアットコスメの情報をベースに情報端末を設置し、消費者はその場でクチコミランキングにある商品の評 価情報を閲覧することができる5)。そのため、この情報端末は消費者の購買意思決定に多大なる影響を与え、購 買を誘発しているといえるであろう。

加えてアットコスメは、単にインターネットサイト内のみでの情報交換ではなく、サイトを基点にあらゆるコ ミュニケーションの場にも影響を及ぼすようになっている。サイト内でクチコミを起こし、それを実際に消費者 が商品について会話したり、購買行動を起こしたりする場にも誘引していく仕組みを構築することが、クチコミ を伝播させ購買へとつながるポイントになる。ここから、アットコスメは化粧品における消費者のクチコミの流 れや購買行動に変化を与えているということができるであろう。

また、アットコスメ内でのクチコミは自由意志で行われるため、クチコミを仕掛けている側からのインセンテ ィブは特にないといえる。そのためRAMにとってはインターネットで「書き込む」ことが実際に「会話する」こ

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ととほぼ同じ感覚になってきている。

アットコスメにおいてRAMは10万人を超えてお り、サイトユーザーの1%程度となっているが、RAM はどのくらいの頻度やタイミングで書き込みを行って いるのであろうか。右記の図18にあるように、アッ トコスメの場合、ユーザー登録をしてから毎月書き込 む人もいれば、半年後に書き込むという人もいる。書 き込むサイクルは大体一定で、常に一定量のクチコミ が発生しているといえる。

図18 登録月にクチコミしたユーザーのその後のクチコ ミ率推移

10%0%

20%30%

40%50%

60%70%

80%90%

100%

1ヵ 月 後

2ヵ

月 後

3ヶ

月 後

4ヵ

月 後

5ヵ

月 後

6ヵ

月 後

6件以上 1~5件 0件

図解でわかる くちコミマーケティング より

<第六章> アットコスメのクチコミ情報が消費者に与える影響~アンケートを用いて~

(1)はじめに

第一章から第四章までは一般的なネットコミュニティによるネットユーザーの購買意思決定行動への影響につ いて詳しく述べ、第五章では化粧品クチコミサイトアットコスメに論点をあてた。第六章では第一章から第五章 を総体としてアットコスメにおけるアットコスメユーザーの購買意思決定行動への影響とユーザーからその周囲 の人たちへの情報伝播力を解明すべく、慶應義塾大学の国領研究室、NTTデータおよびNTTデータ経営研究所 との共同研究「黙って読んでいる人達(ROM)の情報伝播行動とその購買への影響」を参考にアンケートを実施 することとする。

対象者居住地 1都4県(東京・千葉・神奈川・埼玉・静岡)

性・年代 女性・20代、30代

抽出方法 高校、大学、内定先、アルバイト先、留学先の友人からサンプリング 依頼方法 直接・電話・メール

実施方法 直接・電話・メール 依頼サンプル数 40

有効回答数 38 (ROM/RAM=16/5)

期間 2005年11月~2006年1月

回答者の属性は以下のとおり、年代構成(次頁図19)では20代前半が最も多く91%、次いで20代後半 が6%、30代前半が3%である。職業構成(次頁図20)では、学生が52%で最も多く、次いで会社員が31%、

フリーター14%、専門学校生が3%となっている。肌質構成(次頁図21)では、混合肌が45%で最多であ り、次いで、普通肌が29%、乾燥肌が14%、敏感肌が9%、アトピーが3%である。

またネットコミュニティの利用経験(次頁図22)は49%の人が「ある」と回答している。第三章(1)ネ ットコミュニティの影響力ではアットコスメに限定しないネットコミュニティの利用者は全人口の15%程度で あることから、ネットコミュニティの20代女性への認知度はかなり高いということができる。

(16)

図19 年代構成

20代前半 91%

20代後半 6%

30代前半 3%

図20 職業構成

学生 会社員 52%

31%

フリーター 14%

専門学校生 3%

図21 肌質構成

普通肌 29%

乾燥肌 14%

混合肌 45%

アトピー 3%

敏感肌 9%

図22 ネットコミュニティ利用経験

あり 83%

なし 17%

(2) 調査対象全体の購買行動

ネットコミュニティが消費者の購買行動、情報伝播に与えている影響はどれほどであろうか。アットコスメユ ーザーに限らず消費者全体の購買行動について調査するため、AIDMAの法則での認知→興味→行動のプロセスに おいて、調査対象者が化粧品を購入する際に選択する情報源についてアンケートをとった。

「化粧品において初めて商品を知る情報源は何ですか?」との質問には、次頁の図23に示すように、「認知」

の段階において、TVや雑誌のマスメディアが58%を占めており、調査対象者はマスメディアを主な情報源にし ていることがわかる。第三章(2)の図8にも示しているとおり、ある商品に於ける「認知」の段階では、化粧 品のみならずあらゆる商品において消費者はTV・雑誌などのマスメディアから情報を得ているようである。

次に、「化粧品においてより詳しい情報を得る情報源は何ですか?」という質問を行った。図24が示す「興味」

の段階に於ける対象者の情報源を見てみると、友人・知人・周りの人間からのクチコミが32%、クチコミサイ トが25%を占めている。第三章(2)図11と比較すると、図11では周囲の人間からのクチコミは9.5%

に留まっており、これも化粧品の属性ならではの結果であると考えられる。また、クチコミサイトが25%を占 めており、近年急速的に普及したインターネットのクチコミサイトは消費者の頼りになる情報源としてすでにそ の地位を確立しているように思われる。特に、クチコミサイトを情報源にする率の商品の「認知」の段階との差 は歴然であり、クチコミサイトは「興味」の段階における消費者の購買行動に影響を与えているのではないかと 思われる。

最後に、「買ってみようと思う決め手になる情報源は?」との質問を行った。図25が示す「行動」の段階に於 ける消費者の情報源を見てみると、店舗(店員)が45%という圧倒的な割合を占めていることがわかる。

以上のことから、化粧品に於ける消費者の購買プロセスは

(17)

TV・雑誌などのマスメディア 友人・知人・周りの人間 店舗にて クチコミサイト

この3段階に集約することができるといえるであろう。また、第三章(3)図11で述べているとおり、クチ コミやクチコミサイトは消費者の購買行動の「興味」の段階に多大な影響を与えていることがわかる。

図23 初めて商品を知る情報源 は?

TV 21%

雑誌 37%

友人・

知人・

周りの 人間

19%

看板広 告 3%

パンフ レット

1%

クチコミ サイト

5%

店舗

(店員)

14%

図24 より詳しい情報を知る情 報源は?

店舗

(店員)

7%

友人・

知人・

周りの 人間

32%

自分で 試す

18% 企業

HP 9%

クチコミ サイト

25%

パンフ レット 雑誌 4%

5%

図25 購入時に重視する情報源は?

企業HP 4%

クチコミ サイト

16%

店舗(店 員)

45%

友人・知 人・周り の人間 31%

雑誌 4%

(3)アットコスメの認知度とRAM/ROM比率

次にアットコスメの閲覧経験について調査をした。下記の図26で示すとおり、アットコスメを閲覧したこと のある人は全体の55%であり、全人口におけるネットコミュニティ全体の閲覧経験と比較するとかなり高い閲 覧経験率であるといえよう。ここからはアットコスメ閲覧経験者に焦点を当て、分析する。

第五章で説明したとおり、アットコスメユーザーはRAMとROMに分類することができる。従来、インターネ ットサイトに書き込みをしない ROM は商業的価値がないものとして企業には捉えられてきた。しかし、マーケ ティングジャーナルによると、近年この、評価情報を閲覧するのみのROMはRAMが提供した評価情報を外部に 伝播し、第三者の購買行動を誘発する上で、大きな貢献をしていることが明らかになったとの報告がある。

「アットコスメに書き込みをしたことがありますか」という質問には、全体の8%の人が「ある」と回答し、

図27に示すとおりRAMは全体の12%、ROMは88%である。アイスタイルの調査ではアットコスメのRAM は10万人程度、ROMが30~40万人程度であるため、RAMの3~4倍のROMが存在することになるとの 報告がある。調査対象は実際のRAM/ROM比率よりもRAMの割合が少ないことがいえる。

図26 アットコスメを閲覧したことがありますか?

ある 55%

ない 45%

図27 RAM、ROMの割合

RAM 12%

ROM 88%

(18)

「アットコスメを閲覧する頻度は?」という問いで は、図28で示すようにアットコスメを定期的に(月 1 回以上)閲覧している人たちは全体の66%という ことがわかった。また、アットコスメ以外のクチコミ サイトを知っているか、という質問には66%中約8 割がアットコスメのみしか知覚しておらず、少数意見 と し て 「 ネ ッ ト プ ラ イ ス 」「yahoo!オ ー ク シ ョ ン 」

「yahoo!ビューティー」「for travel」「cazネット」な どがあげられた。2005年11月現在、アットコス メの競合サイトはないであろうこと5)からも、アット コスメの認知度は高く、多くの消費者が購買行動のプ ロセスにおいてアットコスメを活用していることがわ かるであろう。

図28 アットコスメを閲覧する頻度は?

週1,2回 37%

月3、4回 月1,2回 10%

19%

2ヶ月に1回 5%

3ヶ月に1回 10%

年3,4回 5%

年1,2回 14%

(4)RAM/ROMの重視する情報源

RAM/ROMはどのような購買行動をとっているのであろうか。(2)では調査対象全体の購買行動への影響に

ついて調査したが同じ質問を用いて、RAM/ROMのみの購買行動について簡単に述べるとする。

「初めて商品を知る情報源は何ですか?」との質問には、次頁図29に示すように、(2)と同じく、「認知」

の段階において、TVや雑誌のマスメディアから主に情報を得ていることがわかるが、RAMの意見は「店舗にて 自分で試す」や、「家族が美容師のため、新商品を試すことができる」など、自ら情報を求めに行くような行動を とっていることがわかった。

次に、「より詳しい情報を得る情報源は何ですか?」という質問に関しては、次頁図30に示すように、(2)

とは違い、クチコミサイトがトップで40%、友人・知人・周りの人間からのクチコミが38%を占めている。(3)

で述べたように、RAM/ROM中約8割がアットコスメのみしか化粧品クチコミサイトの存在を知らないことか ら40%のうちの大半はアットコスメを重要な情報源にしているといえる。また、RAM/ROM はアットコスメ を利用しない人よりも「興味」の段階でアットコスメによる影響を受けていることがわかる。上記のことからRAM

/ROM はアットコスメにしろ、周囲の人間からにしろ、「第三者的なクチコミ」を重視する傾向にあるといえよ う。

最後に、「買ってみようと思う決め手になる情報源は?」との質問では、次頁図31が示すように、(2)の調 査対象全体と同じく店舗(店員)が48%という圧倒的な割合を占めていることがわかる。

以上のことから、アットコスメはRAM/ROMの「興味」の段階において購買行動をより動かしたということ ができるであろう。

(19)

図29 初めて商品を知る情報 源は?

TV 18%

雑誌 43%

パンフ レット

3%

看板広 告 3%

店舗

(店員)

15%

クチコ ミサイ ト 6%

友人・

知人・

周りの 人間

12%

図30 より詳しい情報を知る情 報源は?

企業 HP

3%

クチコミ サイト 店舗 40%

(店員)

16%

友人・

知人・

周りの 人間

38%

雑誌 3%

図31購入時に重視する情報源 は?

クチコミ サイト

23%

店舗(店 員)

48%

友人・知 人・周り の人間 29%

(5)アットコスメの1次購買への影響

消費者の購買は1次購買(RAMまたはROMによる購買)と2次購買(RAM/ROMから情報伝播を受けた人々 の購買)に分かれているが、ここでは、まず1次購買への影響を検討する。

下記の図32からわかるとおり、「アットコスメで閲覧したクチコミを参考にして、化粧品を購入したことはあ りますか?」という問いに対し、「6回以上」「5回ある」「4回ある」「3回ある」「2回ある」「1回ある」を合わ せた数字は76%と、アットコスメユーザーの約8割がアットコスメのクチコミを参考に購買した経験を持つこ とがいえる。第三章(2)図8では、一般的な消費者がネットクチコミを閲覧し、購買に至った割合は85.2%

であることと比較すると少し影響は少ないが、依然アットコスメにおけるネットクチコミはアットコスメユーザ ーの購買行動にかなりの影響を与えていることがわかる。

図32 アットコスメを参考にして何回買った?

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

RAM/ROM

6回以上 5回 4回 3回 2回 1回 ない

次に、商品認知、商品理解、購買決定段階における影響力を調査した。商品認知、商品理解、購買決定段階で

「アットコスメ」と「友人からのアドバイスやクチコミ」が役立ったかどうかを「かなりあてはまる」から「全 くあてはまらない」までの5段階で回答を得た。各段階の「かなりあてはまる」「あてはまる」を合わせた回答率 が下記の図33である。図が示す通り、商品認知、商品理解、購買決定のいずれにおいても、アットコスメユー ザーには「友人・知人からのアドバイスやクチコミ」よりも「アットコスメ」情報の方が影響力は高いことがわ かった。

<図33 RAM/ROMの商品認知、商品理解、購買決定段階における影響力>

商品認知 商品理解 購買決定 アットコスメ 52.3% 61.9% 57.1%

友人・知人からのアドバイスやクチコミ 47.6% 57.1% 52.3%

(20)

<図34 RAMの商品認知、商品理解、購買決定における検定結果>

平均値 標準偏差 信頼区間(α=0.01)

商品認知(クチコミ)-(アットコスメ) (3.2-3.4)=-0.2 -0.34 0.40 商品理解(クチコミ)-(アットコスメ) (3.6-4.0)=-0.4 -0.43 0.50 購買決定(クチコミ)-(アットコスメ) (3.4-4.0)=-0.6 -0.43 0.50

<図35 ROMの商品認知、商品理解、購買決定における検定結果>

平均値 標準偏差 信頼区間(α=0.01)

商品認知(クチコミ)-(アットコスメ) (3.50-3.31)=0.19 -0.36 -0.23 商品理解(クチコミ)-(アットコスメ) (3.63-3.50)=0.13 -0.74 -0.48 購買決定(クチコミ)-(アットコスメ) (3.56-3.31)=0.25 -0.26 -0.17

<図36 RAM//ROMの商品認知、商品理解、購買決定における平均値の差>

商品認知(クチコミ)-(アットコスメ) 0.39 商品理解(クチコミ)-(アットコスメ) 0.53 購買決定(クチコミ)-(アットコスメ) 0.85

したがって、RAM/ROM とも購買の意思決定プロセスにおいて、インターネット上に書き込まれた評価情報 の影響を強く受け、特に「興味」の段階に大きな影響を受けていることがわかる。そしてその影響の大きさは、

友人・知人からのクチコミよりも大きいといえるであろう。

国領研究室の調査によると、購買経験の購買経験の有無と、RAM/ROM であることは関連性が高いとの報告 がある。「友人・知人からのクチコミ」や「アットコスメ」情報が購買決定に役立ったかを5段階評価してもらっ た回答を、RAM/ROMに分け、平均値の差を検定すると、上記の図34,35,36で示すように、「友人・知 人からのクチコミ」はRAM/ROMで統計的有意差がないのに対し、「アットコスメ」情報は統計的有意差があり、

購買決定においてRAMのほうがROMよりアットコスメ情報の影響を強く受けていることがわかる。

さらに、アットコスメのクチコミを参考にした購入経験の回答を「6回以上ある」を6回、「5回ある」を5回、

「4回ある」を4回、「3回ある」を3回、「2回ある」を2回、「1回ある」を1回として換算すると、RAM/

ROMの平均購入回数は4.4回と3.1回であった。この数値を RAM/ROMの人数比9対1に応じて加重し た場合、総体としての購買回数はROM:RAM=(3.1回×9)/4.4回=6.34となり、総体としてROM がRAM の約6.34倍の貢献をしていると考えられる。以上より、1次購買において、RAM/ROM を総体と して捉えると、ROMのほうがRAMよりも購買に貢献していると言うことができるであろう。

(2)アットコスメ情報の伝播力

「アットコスメで見た化粧品のクチコミや商品情報について、誰かにその情報を伝えたことがありますか?会 話/メール/アットコスメでのクチコミ/掲示板などどんな方法でも構いません」という問いに対して、「伝えた ことがある」との回答は、次頁の図37が示すとおり ROM87.5%、RAM100.0%であった。したがっ て、情報伝播において、個人単位ではRAMのほうがROMより外部への伝播を行っていることがわかった。ただ し、情報伝播経験ではRAMの方が勝るものの伝達人数ではRAM/ROMに差はない。例えば、ある化粧品につ いて、「親しい友人」に「1対1の会話で伝えた」人数を尋ねた結果、ROMは2.31人、RAMは2.60人で

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図1 インターネットの利用状況
図8 他の消費者の書き込みを参考に商品購入やサービス・

Referensi

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