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二 〇 一 四 年 度 大 学 入 試 セ ン タ ー 試 験 解 説 ︿ 古 典 ﹀

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(1)

︿

﹄は

安時 中 期に 成立 した 物語

。作 者は 紫式 。 出題 され た﹁ 夕霧

﹂は

、第 三十 九帖 で、 光源 氏五 十歳 の時 分を 描い てい る巻

。登 場し て

源氏 の長 男︵ 母は 源氏 の最 初の 正妻 であ る の上

︶。 夕霧 は、 父の 教育 方針 で、 大学 で学 問を 修め

、ま め人

︵実 直な 人物

︶と して 成長 し、 ある 雲居 雁と 結婚 する

。今 回出 題さ れた のは

、そ のま め人 であ った はず の夕 霧が

︵ 光源 氏の 親友 で、 葵の 上の 兄で ある 頭中 の 子︶ の未 落葉 宮と いう 女性 に心 惹か れ、 その こと に腹 を立 てた 雲居 雁が 実家 へ帰 って しま った 場面 であ る。 近年 のセ ンタ ー試 験の 古文 の問 題は

~江 戸時 の小 説類

古物 御伽 草子

名草 子な ︶ から の出 題が 多く

、平 安時 代成 立の 物語 から の出 題は 久々 のこ とで

、本 試で は二

津保 物語

﹄以 来の こと であ る。 なお

、﹃ 源氏 物語

﹄は

、一 九八 九年 にセ ンタ ー試 験の 前身 であ る共 通一 次試 験で

﹁胡 蝶﹂ の巻 が出 題さ れた

、セ ンタ ー試 験に なっ てか らは

、一 九九 九年 の追 試験 で﹁ 薄雲

﹂の 巻、 二〇

〇三 年の 追試 験で

﹁手 習﹂ の巻 が出 題さ れて いる が、 セン ター 試験 出題 は初 めて であ る。

、﹁

︵夫 との 関係 はも う︶ お終 いで ある よう だ﹂ と、

︵ま た︶

﹁﹃

︵ま さか

︶そ れほ どの こと

﹇= 夫に 捨て られ るほ どの こと

﹈も ある まい

﹄と

、一 方

︶頼 みに 思っ てい たが

、﹃ 実直 な人 が心 変わ りす ると 跡形 もな く︵ 別人 のよ うに なる

︶﹄ と︵ 人か ら︶ 聞い たの は、 本当 であ った よ﹂ と、 夫婦 の た感 じが して

、﹁ 何と して も夫 の無 礼な しう ちを 目に する まい

﹂と お思 いに なっ たの で、 父お とど の邸

﹇= 実家

﹈へ

﹁方 違え

﹇= 外出 先が 凶に にま ず他 所へ 泊ま って そこ から 目的 地へ 行く こと

﹈に 行こ う﹂ とい うこ とに して お移 りに なっ たと ころ

、︵ 姉妹 に当 たる

︶女 御が 実家 に︵ 戻っ しゃ る折 など に対 面な さり

、少 し悩 みが 晴れ るこ とだ とお 思い にな って

、い つも のよ うに 急い でお 帰り にも なら ない

。 お聞 きに なっ て、

﹁や っぱ りね

、実 に短 気で いら っし ゃる 御気 性だ

。こ の人 の父 おと ども

、ま た、 いか にも 大人 らし い落 ち着 いた とこ ろが 何と く、

︵父 娘と もど も︶ ひど くせ っか ちで

、派 手に ふる まっ て事 を荒 立て なさ る人 たち であ って

、﹃ 気に くわ ない

、︵ 顔も

︶見 たく ない

、︵ 声も

︶聞

(2)

たく もな い﹄ など と、 きっ とい ろい ろと ひね くれ たこ とを しで かし なさ るだ ろう

﹂と

、思 わず はっ とな さっ て、 三条 殿の

︵日 常住 まう

︶邸 にい らっ ゃっ たと ころ

、子 ども たち も何 人か は残 って いら っし ゃっ たの で、

︱︱

︵三 条殿 は︶ 姫君 たち と、 それ から 幼い 子と を連 れて

︵実 家に

︶い らっ しゃ った だっ た︱

︱、

︵父 の姿 を︶ 見つ けて 喜ん でま つわ りつ き、 ある いは 母上 を恋 い慕 い申 し上 げて 悲し んで 泣き なさ るの を、

︵大 将殿 は︶

﹁か わい そう だ﹂ と 思い にな る。

︵大 将殿 は三 条殿 に︶ 手紙 を度 々差 し上 げて

、迎 えに

︵使 いの 者を

︶参 上さ せな さる けれ ど、

︵三 条殿 から は︶ お返 事さ えな い。

﹁こ のよ うに 頑な で軽 は みな 妻で ある よ﹂ と、 気に くわ なく 感じ なさ るけ れど

、父 おと どが 見聞 きな さる よう なこ とも ある ので

、日 が暮 れて から 自ら

︵父 おと どの 邸へ

︶参 上な った

。﹁

︵三 条殿 は︶ 寝殿 にい らっ しゃ る﹂ とい うこ とで

、︵ 三条 殿が 実家 で︶ いつ もい らっ しゃ る部 屋に は、 女房 たち だけ が控 えて いる

。若 君た ちが 乳 と一 緒に いら っし ゃっ た。

︵大 将殿 が︶

﹁今 さら

︵年 甲斐 もな く︶ 若者 じみ た御 交際

︵を する こと

︶で すね え。 この よう な︵ 幼い

︶子 を、 あち らこ ちら に放 って 置き なさ って

、ど う て寝 殿で の御 交談 など

……

。︵ 私と は︶ 不釣 り合 いな 御性 格と は長 年見 てい てわ かっ てお りま した けれ ど、 そう なる 前世 から の宿 縁で あっ たの でし ょう

、昔 から

︵あ なた とは

︶離 れら れな いと 思い 申し 上げ て、 今で はこ のよ うに わず らわ しい ほど まで に子 ども が大 勢で きて しみ じみ とい とお しく 思わ れる で、

﹃お 互い に見 捨て るこ とが でき よう か︵ いや

、と ても でき ない

︶﹄ と︵ あな たを

︶頼 みに 思い 申し 上げ て来 たの です

。と るに たら ない ちょ っと した こ で、 この よう に振 る舞 いな さっ てよ いも ので しょ うか

、た いそ うた しな めて 恨み 言を 申し 上げ なさ ると

︵三 条殿 は︶

﹁何 もか も、

︵あ なた 様が

︶﹃ もう

︵ いた くな い︶

﹄と 見飽 きな さっ てし まっ たこ の身 でご ざい ます から

、今 さら

、ま た、

︵私 の気 性が

︶直 る ずで もな いの で、

﹃ど うし て︵ 一緒 にい られ よう か︶

﹄と 思い まし て︵ こち らへ 来た ので す︶

。見 苦し い子 ども たち は、 見捨 てず にく ださ るな らば 嬉し い しょ う﹂ 申し 上げ なさ った

︵大 将殿 は︶

﹁穏 やか な御 返事 です ねえ

。︵ こう して

︶言 い続 けて いく と、 誰の 名折 れに なる でし ょう か︵ あな たの 名折 れに なる だけ です よ︶

﹂ おっ しゃ って

、無 理に

﹁︵ 私の もと へ︶ 来て くだ さい

﹂と も言 わず

、そ の夜 は独 りで お休 みに なっ た。

︵大 将殿 は︶

﹁妙 に中 途半 端で 身の 置き 所が ない この 頃で ある なあ

﹂と 思い なが ら、 子ど もた ちを 前に 寝か せな さっ て、 あち ら﹇

=落 葉宮

﹈で も、 また

、 れほ ど思 い乱 れて いら っし ゃる かと その 様子 を思 いや り申 し上 げ、 思い 悩ん で気 が安 まる こと もな いの で、

﹁︵ 一体

︶ど のよ うな 人が

、こ のよ うな こと

=恋 愛﹈ を、 おも しろ いと 感じ てい るの だろ う﹂ など と、 何と なく 懲り 懲り して しま いそ うに 感じ なさ る。 夜が 明け たの で、

﹁人 が見 聞き する よう なこ とに つけ ても 大人 げな いこ とな ので

、︵ あな たが

︶﹃

︵も う︶ お終 い﹄ と言 い切 りな さる なら ば、 その よう にし

(3)

﹇= 離れ て暮 らし て﹈ みま しょ う。 あち ら﹇

=三 条殿 の邸

﹈に いる 子ど もた ちも

、い じら しい 様子 でお 慕い 申し 上げ てい るよ うだ った が、

︵あ なた があ 子た ちを

︶選 び残 しな さっ たの には

、﹃ 何か わけ があ るの だろ う﹄ とは 思う もの の、 見捨 てが たく 思い ます から

、と もか く必 ず何 とか いた しま しょ う﹂

、脅 し申 し上 げな さる と、

︵三 条殿 は︶

﹁︵ 大将 殿は

︶き っぱ りと した 御気 性で ある ので

、こ の子 ども たち

﹇= 三条 殿が 実家 へ連 れて きた 子ど もた ち﹈ ま も、 知ら ない 所へ 連れ て行 きな さる ので はな かろ うか

﹂と

、心 配に なる

︵大 将殿 は︶ 姫君 に、

﹁さ あ、

︵こ ちら へ︶ おい でな さい な。

︵あ なた に︶ お会 いす るた めに この よう に参 上す るこ とも 体裁 が悪 いの で、 そう しょ っち ゅう 上す るこ とも でき そう にあ りま せん

。あ ちら

﹇= 三条 殿の 邸﹈ に残 って いる 子ど もた ちも かわ いい ので

、せ めて 同じ 所で お世 話申 し上 げよ う﹂ と申 し上 なさ る。

︵姫 君が

︶ま だた いそ う幼 くか わい らし くい らっ しゃ るの を、

︵大 将殿 は︶

﹁た いそ うし みじ みと いと おし い﹂ と拝 見な さっ て、

﹁母 君の 御教 えに いな さっ ては なり ませ ん。 本当 に情 けな いこ とに

、︵ 物事 の︶ 分別 がつ かな い性 質で ある のは

、と ても 悪い こと なの です

﹂と

、︵ 姫君 に︶ 言い 聞か せ申 し げな さる

説﹈ 語意 の解 釈の 問題 重要 単語

・重 要文 法を 確認 し、 前後 の文 意も 踏ま えて 解答 した い。 標準

﹁い かさ まに して この なめ げさ を見 じ﹂ の解 釈と して 最も 適当 なも のを 選べ

﹁い かさ まに

/し

/て

/こ

/の

/な めげ さ/ を/ 見/ じ﹂ と単 語分 けさ れる

。﹁ なめ げさ

﹂は

、﹁ 無礼 だ・ 失礼 だ﹂ と訳 す必 修の 形容 詞﹁ なめ ﹂ か ら派 生し た名 詞。

﹁悲 しげ

﹂や

﹁悲 しさ

﹂が 形容 詞﹁ 悲し

﹂か ら派 生し た名 詞で ある こと を考 える こと など がで きれ ばわ かる だろ う。 選択 肢の 中で

、 これ を正 しく 訳し てい るの は2

と5

。﹁ いか さま に︵ いか 様に

︶﹂ は、 形容 動詞

かさ まな ﹂ の連 用形 で﹁ どの よう に﹂ の意 であ るが

、類 義語 の 副詞

かで

﹂が 希望 や意 志を 示す 表現 と呼 す ると

﹁ど うに かし て~ した い・ 何と かし て~ しよ う﹂ と訳 すよ うに

、﹁ いか さま に~ 希望

・意 志﹂ の 状態 では 同意 にな る可 能性 を考 えた い。 ここ では

、﹁ ﹂ が、 打消 推量

︵~ しな いだ ろう

︶・ 打消 意志

︵~ する まい

︶の 助動 詞で ある から

、﹁ どう にか して

~す るま い﹂ とい った 意味 であ る。 これ が正 しい のは で5

ある から

、正 解は

。5 2

と迷 うが

、﹁ じ﹂ との 呼応 を考 える と5

が正 しい

。厳 密に 言 うと

、2

は﹁ すれ ば﹂

﹁に すむ

﹂が 余計 な訳 語で ある

(4)

基礎

﹁ら うた げに 恋ひ 聞こ ゆめ りし を﹂ の解 釈と して 最も 適当 なも のを 選べ

﹁ら うた げに

/恋 ひ/ 聞こ ゆ/ めり

/し

/を

﹂と 単語 分け され る。

﹁ら うた げに

﹂は

、形 容詞

うた ﹂ から 派生 した 形容 動詞

うた げな ﹂ の 連用 形。

﹁ら うた し﹂ は﹁ かわ いら しい

・愛 らし い・ いと おし い﹂ 等の 意の 必修 の形 容詞

。こ れに つい ては

・3 4

が正 しい こと が明 らか だが

、1

・ の2

﹁い じら しい

・い じら しげ に﹂ もほ ぼ同 意で 間違 って いな い。

こゆ

﹂は

、一 般動 詞と して

﹁聞 こえ る・

さ れる

﹂、 謙譲 の本 動詞 とし て﹁ 申 し上 げる

﹂、 謙譲 の補 助動 詞と して

﹁~ 申し 上げ る・ お~ する

﹂と 訳す ヤ行 下二 段活 用動 詞。 ここ では

、動 詞﹁ 恋ふ

﹂に 付い て使 われ てい るの で、 謙 譲の 補助 動詞 であ る。 これ が正 しく 訳さ れて いる のは

、1

と5

。﹁ 聞い てい た﹂ とし てい る2

・3

は誤 り。 の4

﹁と 申し 上げ てい た﹂ は、

﹁聞 こゆ

﹂ を謙 譲の 本動 詞と して 扱っ てお り正 しく ない

。よ って

、﹁ らう たげ に﹂ も﹁ 聞こ ゆ﹂ も正 しく 訳し てい る1

が正 解。 なお

、﹁ めり

﹂は

、﹁ よう だ﹂ と訳 す推 定の 助動 詞。

﹁し

﹂は 過去 の助 動詞

﹂の 連体 形で ある

基礎

﹁い ざ、 給へ かし

﹂の 解釈 とし て最 も適 当な もの を選 べ。

﹁い ざ、

/給 へ/ かし

﹂と 単語 分け され る。

ざ給 ﹂ は、

﹁さ あい らっ しゃ い﹂ と訳 す必 修の 熟語

。﹁ いざ 来給 へ・ いざ 行き 給へ

﹂の 省略 され た表 現で ある

。よ って

、正 解は

。4

なお

、﹁ かし

﹂は

、﹁

~よ

・~ ね﹂ 等と 訳す

、念 押し の終 助詞 であ る。 正解

5

1

4

21

22

23

文法

︵﹁ の識 の問 基礎 波線 部

の文 法的 説明 の組 合せ とし て正 しい もの を選 べ。

を 含む

﹁な めり

﹂は

、断 定の 助動 詞﹁ なり

﹂に 推定 の助 動詞

﹁め り﹂ が接 続し た﹁ なる めり

﹂の

﹁る

﹂が 撥音 便化 して

んめ ﹂ とな った 状態 の﹁ が無 表記 とな って いる もの

。﹁ なり

よう 撥音 便化 して いる 助動 なり

断定 なの であ る。 また

の直 前の

﹂ は﹁ 限界

・極 限・ 終わ り・ 臨終

・~

︵し てい る︶ 内・ 全部

﹂等 の意 を表 す必 修の 名詞 であ るか ら、 選択 肢2

・4

のよ うに

を 形容 動詞 の活 用語 尾と 考え るこ とは でき ない

。よ って

につ いて は1

・3

・5

が正 しい

(5)

の 前後 は﹁ 驚か

/れ

/給 う﹂ と単 語分 けさ れる

。﹁ 驚か

﹂︵ カ行 四段 活用

︶が 未然 形で あり

、﹁ 給う

﹂︵ ハ行 四段 活用

﹁給 ふ﹂ の連 用形

﹁給 ひ﹂ の語 尾が ウ音 便化 した 状態

︶が 用言 であ るこ とか ら、

﹁れ

﹂は

、未 然形 に接 続す る 動詞

﹂の 連用 形で ある とわ かる

。助 動詞

﹁る

﹂は

、受 身・ 可能

・ 自発

・尊 敬の 意を 表す 助動 詞だ が、 ここ のよ うに 補助 動詞

の直 前に ある 場合 は絶 対に 尊敬 の意 を示 すこ とが なく

身か 自発 の意 であ こ と が多 い︵ 可能 の意 を表 すこ とも 多く ない

︶。 一方

、﹁ 思ひ 出づ

よう な心 情を 表す 語や

、﹁ 泣く

よう な心 情に 関わ りの 深い 語に 付い てい る場 合は 自発 の意 を示 して いる こと が多 く、 ここ でも 直前 の﹁ 驚く

﹂は 心情 語と 言え るで あろ うか ら、

﹁れ

﹂は 自発 を示 して おり

、3

~5

が正 解で ある 可能 性が 高い

。た だし

、こ れは 文意 に照 らし て判 断し なく ては なら ない 面も ある ので

の意 味の 判断 は保 留し て、

の 意味 の判 断か ら正 解を 導 いて もよ いだ ろう

の 前後 は﹁

﹃限 り﹄

/と

/の たま ひは て/ ば﹂ と単 語分 けさ れる

。﹁ のた まひ はて

﹂は

、タ 行下 二段 活用 動詞

﹁宣 ひ果 つ︵ のた まひ はつ

︶﹂ の未 然 形で ある

。よ って

は動 詞の 活用 語尾 であ り、

・4 5

が正 しい

。﹁ 宣ふ

たま

﹂は

﹁お っし ゃる

﹂の 意の 尊敬 語で ある から

、﹁ 宣ひ 果つ

﹂は

ひ果

︵言 い切 る・ 最後 まで 言う

︶の 尊敬 表現 であ る。 選択 肢1

~3

が説 明し てい る﹁ 完了 の助 動詞

﹂と は、 完了 の助 動詞

﹁つ

﹂の 未然 形・ 連 用形

﹁て

﹂の こと であ るが

、助 動詞

﹁つ

﹂は 連用 形に 接続 する

。と ころ が、 直前 の﹁

~は

﹂は ア段 の音 であ る。 あら ゆる 活用 語の 中に 連用 形末 尾が ア 段の 音に なる 語は 存在 しな い︵ 末尾 がア 段の 音に なる のは

、四 段・ ナ変

・ラ 変動 詞、 及び

、そ れら と同 パタ ーン で活 用す る助 動詞 の未 然形 だけ であ る︶

。つ まり

を完 了の 助動 詞と 考え るこ とは でき ない ので ある

。よ って

、そ の面 から 見て も

は4

・5

が正 しい

の 前後 は﹁ 言ひ

/知 ら/ せ/ 奉り

/給 ふ﹂ と単 語分 けさ れる

。﹁ 知ら

﹂︵ ラ行 四段 活用

︶が 未然 形で あり

、﹁ 奉り

﹂が 用言 であ るこ とか ら、

﹁せ

﹂は

、 未然 形に 接続 する 助動 ﹂ の連 用形 であ ると わか る。 助動 詞﹁ す﹂ は、 使役

・尊 敬の 意を 表す 助動 詞だ が、 直前 か直 後︵ たい がい は直 後︶ に﹁ 給 ふ﹂ のよ うな 尊敬 語を 伴っ てい ない 場合 は絶 対に 尊敬 を示 すこ とが ない

の﹁ せ﹂ は、 尊敬 語を 伴っ てい ない

︵直 前の

﹁知 る﹂ は一 般動 詞、 直後 の

﹂ は謙 譲語

︶の で、 尊敬 を示 すこ とは なく

、使 役で ある こと にな る。 よっ て、

・1

・3

が5

正し い。 以上 のこ とか ら、 正解 は5

。正 確な 判断 に文 意が 関わ る

を保 留し てお いて も、

、 もし くは

がわ かれ ば正 解は 得ら れる

。 正解

5

24

主体

心情 説明 の問 標準 傍線 部

﹁﹃ 心苦 し﹄ と思 す﹂ とあ るが

、誰 が、 どの よう に思 って いる のか

。そ の説 明と して 最も 適当 なも のを 選べ

(6)

まず

、﹁ 心苦 ﹂ は、

﹁つ らい

﹂﹁ 気が かり だ・ 心配 だ﹂ の意 も表 すが

、﹁ 気の 毒だ

・か わい そう だ﹂ の意 が問 われ やす い必 修語

。よ って

、﹁ かわ いそ うだ

﹂と 説明 して いる

3

と、

﹁気 の毒 だ﹂ と説 明し てい る5

が正 解で ある 可能 性が 高い こと にな り、 大き な意 味と して は﹁ つら い﹂ の意 に含 まれ ると はい え、

﹁心 苦し

﹂の 意味 から 遠い

﹁愚 かな こと をし た﹂

︵1

︶、

﹁す まな いこ とを した

﹂︵

︶2

、﹁ ひど い﹂

︵4

︶は 正解 とは 考え にく いこ とに なる

。 一方

、第 二段 落は

﹁大 将殿 も︵ 三条 殿が 実家 へ戻 った と︶ 聞き 給ひ て﹂

、﹁

︵三 条殿 やそ の父 おと どが 短気 でひ ねく れた こと をし でか しか ねな いと

︶ 驚か れ給 うて

﹂、

﹁三 条殿

︵の 日常 の住 まい

︶に 渡り

﹇= 行き

﹈給 へれ ば﹂

、﹁ 君た

=子 ども たち

﹈も 片へ

﹇= 一部

﹈は とま り給 へれ ば﹂

、訪 れた 父 大将 を﹁ 見つ けて 喜び 睦れ

、あ るは

=母 上・ 三条 殿﹈ を恋 ひ奉 りて 愁へ

﹇= 悲し み﹈ 泣き 給ふ

﹂と いう こと で、 その 子ど もた ちの 姿を 見た 人物 が

﹁心 苦し

﹂と 思っ てい ると いう ので ある から

、﹁ 心苦 し﹂ の 体は 大将 殿で ある

。三 条殿 は﹁ 姫君

﹂や

﹁い と幼 き︵ 子た ち︶

﹂を

て﹇

=連 れて

﹈﹂ 実 家へ 帰っ てし まっ てい て、 日常 の住 まい には いな いの であ る。

﹁姫 君た ち~ おは しに ける

﹂は 三条 殿の 様子 を説 明す る挿 入句 であ るの で、 文意 を把 握 する 際に 注意 した い。 よっ て、

﹁誰 が﹂ とい う問 いの 説明 を﹁ 大将 殿﹂ とし

二段 落の 内容 を正 しく 踏ま えて おり

、﹁ 心苦 し﹂ の意 も正 しく 説明 して いる が3

正解

。4

も主 体を

﹁大 将殿

﹂と して いる が、

﹁姉 妹や 弟を うら やん で﹂ や﹁ 我が 子の 扱い に差 をつ ける 三条 殿を ひど いと 思っ てい る﹂ は本 文中 にこ れに 相当 す る表 現が ない

。 正解

3

25

心情 説明 の問 標準 傍線 部

﹁も の懲 りし ぬべ うお ぼえ 給ふ

﹂と ある が、 この とき の大 将殿 の心 情の 説明 とし て最 も適 当な もの を選 べ。 傍線 部

は﹁ もの 懲り

/し

︵サ 変﹁ す﹂ 連用 形︶

︵完 了・ 強意 の助 動詞

﹁ぬ

﹂終 止形

︶/ べう

︵推 量の 助動 詞﹁ べし

﹂連 用形 のウ 音便 化し た状 態︶

ぼえ

﹇= 感じ る﹈

︵ 尊敬 の補 助動 詞︶

﹂と 単語 分け され

、﹁ 何と なく 懲り 懲り して しま いそ うに 感じ なさ る﹂ など と訳 され る部 分。 注目 した いの はそ の直 前の 内容 であ る。

︵注

︶に よる と、 大将 殿は

﹁落 葉宮 には 疎ま れ、 妻﹇

=三 条殿

﹈に は家 出さ れる とい う、 身の 置き 所の な 12 い﹂ 状態 にあ る。 そし て、

﹁や すか らぬ 心づ くし

﹂︵ 気が 安ま るこ との ない 思い 悩み

︶を し、

﹁い かな る人

、か うや うな るこ と、 をか しう おぼ ゆら ん﹂

︵ど のよ うな 人が

、こ のよ うな こと を、 おも しろ いと 感じ てい るの だろ う︶ と思 って

、傍 線部

の よう に感 じて いる ので ある

。﹁ やす から

﹂は

﹁安 心 だ・ 安泰 だ﹂ の意 の形 容詞

﹂ の未 然形

、﹁ ぬ﹂ は打 消の 助動 詞﹁ ﹂ の連 体形

、﹁ 心づ くし

﹂は

﹁悩 み﹂ の意 の名 詞、

﹁い かな る﹂ は﹁ どの よう であ る﹂ の意 の形 容動 詞﹁ いか なり

﹂の 連体 形、

﹁を かし う﹂ は﹁ 興味 深く てお もし ろい

・趣 深く て美 しい

﹂の 意の 形容 詞﹁ をか ﹂ の連 用形

﹁を か

(7)

しく

﹂が ウ音 便化 して いる 状態

、﹁ おぼ ﹂ は﹁ 感じ る・

︵自 然と

︶思 われ る﹂ の意 の動 詞、

らむ

︶﹂ は現 在推 量の 助動 詞。 つま り、 大将 殿は 恋 愛に 思い 悩み

、﹁ 一体 どこ の誰 がこ のよ うな 恋愛 をお もし ろい と思 うの だろ う、 気が 知れ ない

﹂と 思っ て、

﹁も う恋 愛は 懲り 懲り だ﹂ と感 じて いる ので ある

。よ って

、こ の内 容を 正し く踏 まえ てい る2

が正 解。

2

にあ る﹁ 落葉 宮は 落葉 宮で 傷つ いて いる だろ うと 想像 され て﹂ は、 少々 解釈 が難 しい 箇 所だ が、 傍線 部

の一 行前 にあ る﹁ かし こに

、ま た、 いか に思 し乱 るら んさ ま思 ひや り聞 こえ

﹂が これ に相 当す ると 考え られ る。

しこ

﹂は

﹁あ ち ら﹂ の意 で、 遠い 場所 を指 す語 であ るか ら、 これ が﹁ 落葉 宮﹂ を指 して いる と考 えれ ばよ いの であ る。 は1

、本 文全 体か ら感 じら れる 大将 殿の 思い とし ては さほ ど間 違っ たこ とが 書か れて いる よう に見 えな いが

、直 前の 内容 を踏 まえ てお らず

、特 に

﹁ど うし てこ んな 女を 良い と思 った のか

﹂に 相当 する 表現 が本 文の どこ と定 めが たい ので 正解 にで きな い。 は3

、ま ず﹁ この 子を 残し て﹂ が正 しく な い。 ここ はま だ場 面が 大殿

︵三 条殿 の実 家︶ であ り、 大将 殿の そば に寝 てい るの は三 条殿 が連 れて きた 子ど もた ちで ある

。ま た、

﹁三 条殿 の苦 悩を 思 いや って 心が 痛み

﹂が 本文 には ない

。大 将殿 は三 条殿 を苦 々し く思 って いる ので あり

、思 いや って いる わけ では ない

。た だし

、﹁ 自分 はつ くづ く恋 愛 には 向い てい ない

﹂は

、﹁ いか なる 人、 かう やう なる こと

、を かし うお ぼゆ らん

﹂か ら読 み取 れる こと とし て大 きな 間違 いは ない

。4

は、

﹁不 思議 と 落葉 宮と 三条 殿と の間 で心 が揺 れ﹂ が本 文に ない

。︵ 注

︶に ある よう に、 大将 殿は 三条 殿に も落 葉宮 にも 距離 を置 かれ てい るの であ り、 二人 の間 で 12 どち らの 女性 をと ろう かと

﹁心 が揺 れ﹂ てい るわ けで はな い。

﹁死 にそ うな

﹂も 本文 には なく 大袈 裟な 表現 であ る。 は5

、﹁ 三条 殿が いる 限り 先が 見 えず

﹂や

﹁三 条殿 との 生活 が嫌 にな り、 別れ たい と望 んで いる

﹂が 正し くな い。 そも そも 大将 殿は

﹁︵ 三条 殿に

︶消 息た びた び聞 こえ て、 迎へ に︵ 人 を︶ 奉﹂ って いる ので あり

、そ の返 事が ない から 自ら 大殿

︵三 条殿 の実 家︶ まで 出向 いて いる ので ある

。三 条殿 と別 れた いと 望ん でい ると は本 文の ど こに も書 かれ てい ない

。 正解

2

26

主体

会話 部説 明の 問題 応用 本文 中の 会話 文

に関 する 説明 とし て最 も適 当な もの を選 べ。

、﹁ かか る人 を、 ここ かし こに 落と し置 き給 ひて

、な ど寝 殿の 御ま じら ひは

﹂と 言っ て﹁ 恨み

﹂の 気持 ちを 述べ てい る。

かる

﹂は

﹁こ うい う﹂

、﹁ かし ﹂ は﹁ あち ら﹂

、﹁ など

﹂は

﹁な ぜ﹂ の意 であ るか ら、

﹁こ れら の人 達を あち らこ ちら に落 とし て置 いて

、な ぜ寝 殿の 交じ らい をす るの か﹂ とい った 意味 であ るが

、こ れは 第二

~第 三段 落に 書か れて いる 次の こと に相 当す る。 つま り、 三条 殿が 姫君 や幼 い子 だけ を連 れて 邸を 出、 他の 子ど も たち を邸 に置 き去 りに して おり

、連 れて 行っ た子 ども たち も﹁ 御達

﹇=

︵注

︶女 房達

﹈﹂ と共 に﹁ 例の 渡り 給う 方﹇

=︵ 注

︶実 家で いつ も使 って 11

10

(8)

いる 部屋

﹈﹂ に置 き去 りに して

、自 分は

﹁寝 殿﹇

=︵ 注

︶女 御の 部屋 があ る﹈

﹂で 女御 と対 面し て気 を晴 らし てい る︵ 本文 三行 目︶ とい うこ とで ある

。 とす れば

、こ の﹁ この よう な子 ども たち を、 あち らこ ちら に放 って 置き なさ って

、ど うし て寝 殿で の御 交談 など

﹂と いう 恨み 言を 言う のは

、大 将殿 で ある

。よ って

を三 条殿 の言 葉と して いる は3

正し くな い。 また

、2

を大 将殿 の言 葉と して いる もの の、

﹁子 育て の苦 労ぐ らい で実 家に 帰る

﹂ と説 明し てい るこ とに 誤り があ る。 三条 殿が 実家 に帰 って しま った 理由 は、 本文 の前 書き にあ るよ うに

、大 将殿 が浮 気を した から であ る。 また

、大 将 殿自 身は

、そ の理 由を

の 会話 文で

﹁は かな き一 ふし

﹇= とる にた らな いち ょっ とし たこ と﹈

﹂と 言っ てい るが

、こ こで も﹁ 子育 ての 苦労

﹂を 持ち 出 して はい ない ので ある

に 対す る三 条殿 の返 事で ある から

、3

を大 将殿 の会 話文 とし てい る点 でも 正し くな いこ とに なる

。ま た、 話者 が自 分で 自分 の動 作に 敬語 を使 うこ とは まず ない ので

、三 条殿 が主 体で ある

の 会話 文の 中で

﹁見 飽き 給ひ

﹂の よう に尊 敬語 が使 われ てい るの は、 大将 殿の 動作 を表 して い るこ とに なり

、2

の﹁

︵三 条殿 が︶ 子を 育て るの に今 は飽 き飽 きし てお り﹂ のよ うに 尊敬 語が 付い てい る動 作を 三条 殿の 動作 とし てい るの は間 違っ て いる

。一 方、 恨み 言を 言い なが らも 三条 殿は 夫で ある 大将 殿の 動作 に尊 敬語 を使 って いる ので ある から

、﹁ 今、 はた

、直 るべ きに もあ らぬ

﹂の よう に 尊敬 語を 使っ てい ない 箇所 は話 者で ある 三条 殿本 人の 動作 であ るこ とに なり

、5

の﹁ あな たの お気 持ち がも はや もと に戻 るは ずも なく

﹂の よう に尊 敬語 が付 いて いな い動 作を 大将 殿の 動作 とし てい るの も間 違っ てい るこ とに なる

。そ の点

、1

と4

は﹁ 見飽 き給 ひ﹂ を大 将殿 の動 作、

﹁直 るべ きに も あら ぬ﹂ を三 条殿 の動 作と して いて 誤り がな い。 また

、﹁ 思し 棄て ずは 嬉し うこ そは あら め﹂ も、

﹂ が尊 敬語 であ り、

﹁嬉 しう こそ はあ らめ

﹂に は尊 敬語 がな いの で、

﹁大 将殿 が︵ 子ど もた ちを

︶見 捨て ずに くだ さる なら ば、 私は 嬉し いで しょ う﹂ とい った 意味 であ ると 解釈 した い。 敬語 の使 れ方 によ って 主語 を判 断す こ とで 正解 に近 付く こと がで きる ので ある

。な お、

﹁あ やし き人 々﹂ が誰 であ るか を自 分で 考え るの は難 しい が、 全て の 選択 肢で

﹁子 ども たち

﹂と して 説明 して いる ので

、そ のよ うに 理解 すれ ばよ いだ ろう

に 対す る大 将殿 の返 事。

﹁誰 が名 か惜 しき

﹂は

﹁誰 の名

︵名 声・ 評判

︶が 惜し いか

﹂と 直訳 され る部 分で

、つ まり は、

﹁誰 の名 声が 傷つ くか

・ 誰の 名折 れか

﹂と いっ た意 味で ある が、 これ を4

は、

﹁私 の名 誉も 考え てほ しい

﹂と し、 は5

﹁あ なた の名 折れ にな るだ けだ

﹂と して いる

。大 将殿 は、

の 部分 でも 柔ら かく 言い はし てい るが ひた すら 三条 殿を 責め てい 自分 の立 場を わか って ほし いと いっ た発 言は して おら 他の 箇所 でも 自分 名誉 にこ だわ って いる 様子 は描 かれ てい ない ので

、5

のよ うに 解釈 する のが 適当 であ り、

4

のよ うな 解釈 は正 しく ない と考 えら れる

。﹁ 言ひ もて いけ ば、 誰が 名か 惜し き﹂ は﹁

︵こ うし て︶ 言い 続け てい くと

、誰 の名 折れ にな るで しょ うか

︵あ なた の名 折れ にな るだ けで すよ

︶﹂ とい うこ とな ので ある

。 ちな みに

、﹁ 言ひ もて いけ

﹂の

てい ﹂ は﹁ 次第 に~ する

・だ んだ ん~ する

﹂の 意で ある

。 以上 のよ うに 見る と、 選択 肢の 説明 に本 文内 容と の矛 盾が ない が1

正解 であ るこ とに なる

。 正解

1

27

(9)

内容 説明 の問 標準 この 文章 の内 容に 関す る説 明と して 最も 適当 なも のを 選べ

。 内容 合致 問題 であ るか ら、 ひた すら 本文 と選 択肢 の内 容を 照合 して 判断 しな くて はな らな い。 復習 の際 は通 釈で 文意 を確 認し なが ら照 合し てほ しい

。 正解 とな る4

は、

﹁三 条殿 は、 強気 に帰 宅を 拒み

﹂が

の 会話 文に

、﹁ 思い 切り のよ い~ 危惧 した

﹂が 本文 の後 ろか ら四 行目

﹁﹃ すが すが しき

~﹄ と、 あや ふし

﹂に

、そ れぞ れ相 当し てい て誤 りが ない

。 は1

、﹁ おと どと 語る こと で﹂ が誤 り。 本文 三行 目に

﹁女 御の 里に おは する ほど など に対 面し

﹂と あり

、姉 妹で ある 女御 と語 るこ とで

﹁少 しも の思 ひ晴 るけ どこ ろ﹂ を見 つけ たこ とが わか る。 は2

、﹁ おと どは

、~ 大将 殿に

﹂が 誤り

。第 三段 落冒 頭の

﹁消 息た びた び聞 こえ て﹂ に主 語が 書か れて いな いの は、 直前 の﹁

﹃心 苦し

﹄と 思す

﹂の 主体 であ る大 将殿 が、 その まま 第三 段落 冒頭 の主 語で ある から であ る。 また

、直 後に ある

﹁迎 へに

﹂が

﹁実 家に 帰っ た三 条殿 を迎 えに

﹂の 意で ある だ ろう こと も合 わせ て考 える と、

=手 紙﹈

﹂は

、大 将殿 が三 条殿 に送 った もの であ る。 よっ て、

﹁全 く返 事を しな い﹂ のも

、三 条殿 であ って

、2

が言 う﹁ 大将 殿﹂ では なく

、﹁ かた くな しう 軽々 しの 世や

﹂と 嘆い てい るの も大 将殿 であ って

、2

が言 う﹁ おと ど﹂ では ない

。ち なみ にこ の部 分に あ る﹁ 世﹂ は﹁ 男女 の仲

・夫 婦の 仲﹂ の意 を表 すこ とが ある 必修 語で

、こ こで は﹁ 夫婦 仲で ある 相手

﹂、 つま り、

﹁妻

﹇= 三条 殿﹈

﹂の こと であ る。 は3

、﹁ すぐ さま 大殿 へ迎 えに 行っ た﹂ が誤 り。 大将 殿が

、﹁ 三条 殿の 家出 を知 り、 三条 殿父 娘の 短気 で派 手な 性格 を考 える と、

﹃ひ がひ がし きこ と﹄ をし でか しか ねな いと 驚い

﹂た こと は、 第二 段落 にあ り、 が3

言う 通り だが

、︵ 注

︶が 付い てい る箇 所に 書か れて いる 通り

、大 将殿 はま ず三 条 殿の 日常 の住 まい

︵大 将殿 夫妻 の邸 宅︶ へ行 き、 残さ れた 子ど も達 に会 い、 三条 殿に

﹁消 息た びた び聞 こえ

﹂て

、一 向に 返事 がな いの で、 大殿

︵三 条 殿の 実家

︶へ 行っ たの であ る。 は5

、ま ず﹁ 三条 殿の 手も とで 育つ こと にな る﹂ が正 確で はな い。 確か に姫 君は 三条 殿が 実家 へ連 れ帰 って いる ので はあ るが

、大 将殿 夫妻 はま だ 離婚 する と決 まっ たわ けで はな く、

﹁三 条殿 の手 もと で育 つこ とに なる

﹂と いう 決定 も成 され ては いな い。 この まま 大将 殿夫 妻が 別れ るこ とに なれ ば、 その よう な可 能性 もあ ると いっ た程 度の こと でし かな い。 よっ て、 大将 が﹁ 姫君 の将 来を 心配 して

﹂い るこ とも なく

、別 れて 暮ら すこ とに なる 姫君 に

﹁せ めて 教訓 を言 い聞 かせ るこ とで

、父 の役 割を 果た そう とし た﹂ わけ でも ない こと にな る。 本文 後ろ から 五行 目に

﹁威 し聞 こえ 給へ

﹂あ るよ うに

、 ここ で大 将殿 は三 条殿 を威 して 家に 帰っ てく るよ うに 促そ うと して いる ので あり

、最 終段 落の 大将 殿の 言動 も同 様の もの であ ると 考え るべ きで ある

。 姫君 との 別れ を惜 しん だり

、姫 君の 身を 心配 して いる わけ では ない ので ある

。 正解

4

28

(10)

書き 下し 文﹈

に竹

し。 其 の人

らふ を習

ひと す。 春

の時

に方 たる 毎

に、 苞

より 出 で、 頭

、 率 ね以

て採

に 供 す。 或

いは 蒸

して 以

て湯 と し、 茹

て饋 に充 つ。 事

を好 む者

する に清

を以

てし 方

に長

ずる を靳 らず

。故

に園

、複

にし て、 主

すと 雖 も、 其 の を食 らふ に甘 しと する に及

ぶや

、剪

して 顧 みず

。独

り其 の味

くし て 食

に入 らざ る者

のみ

、 筍

に 全 し。 毎

に渓

の間 に当 たり て、 地 に 漫

して 収

めら れざ る者

は、 必 ず苦

きに 棄 てら るる 者な り。 而

るに 甘

き者

は之

を取 りて 或

いは 其 の類

を尽 くす に至

る。 然

らば 甘

き者

は自 ら 戕 ふに 近

し。 るに 苦

き者

は棄 てら ると 雖 も、 猶 ほ剪

を免

るる がご とし

。夫 れ物

は甘

きを 尚 ぶも

、苦

き者

は全

きを 得 たり

。世 に貴 は取 られ 賤

は棄 てら れざ るは し。 然

れど も亦 た取 らる る者

の幸

ひな らず して

、 偶

てら るる 者

に 幸 ひな るを 知 る。 豈 に荘

の所

を以

て用

と為 す者

の比

ひな るか

釈﹈ 江南 地方 には 竹が 多い

。︵ その ため

︶江 南の 人々 はタ ケノ コを 食べ るの を習 慣と して いる

。毎 年春 の季 節に なる と、 タケ ノコ の身 を包 む皮 が土 から 顔を し、

︵そ の生 えた ばか りの 子牛 の角 のよ うな

︶小 さな タケ ノコ の若 芽を

、み な採 って 食べ る。 ある もの は蒸 した り煮 たり して スー プに し、 穂先 のや わら いと ころ やお 茶を 食卓 に並 べる

。も のず きな 人は 清雅 なも のへ の嗜 好を よし とし て、 大き くな りか かっ たタ ケノ コは 採ら ない

。そ れゆ え、 庭園 を美 しく つら えて

、幾 重に も垣 根や 門扉 を作 って

、主 人が ふだ んか ら大 事に して いて も、 食べ ごろ の時 期に なる と、 かま わず 切り 取っ てゆ く。 ただ 味が 苦く て食 るの に適 さな いも のだ けが

、タ ケノ コと して

︵の 生を

︶無 事に 生き られ るの であ る。 ずっ と渓 谷や 山の 中で

、地 面に 散ら ばり 広が って 生え て、 人に 採ら ない もの は、 必ず 苦い もの とし て見 捨て られ るも ので ある

。し かし

、う まい もの は取 り尽 くさ れて しま うこ とに もな る。 なら ば、 うま いも のは

︵う まい ゆえ に︶ 自ら を殺 して いる よう なも ので ある

。し かし

、苦 いも のは 見捨 てら れる とは いえ

、︵ それ は︶ 切り 取ら れず に︵ つま り殺 され ずに

︶す んだ のと じよ うな こと だ。 そも そも

、物 はう まい もの を尊 重す るが

、苦 いも のは 身を 全う する こと がで きる

。世 を見 るに

、常 に、 貴く すぐ れて いる 者は 取り 上げ れ、 賤し く下 等な 者は 捨て て放 って おか れる

。し かし

、必 ずし も、 取り 上げ られ る者 が幸 い︵ なば かり

︶で なく

、捨 てら れる 者が 幸い であ るこ とも ある も周 知の こと だ。 これ こそ

﹁荘 子﹂ の言 うと ころ の﹁ 無用 を以 て用 を為 す﹂ もの のた ぐい では なか ろう か。

(11)

説﹈ 語の 意味 の問

基礎

基礎 傍線 部⑴

﹁習

﹂・

⑵﹁ 尚﹂ の意 味と して 最も 適当 なも のを

、そ れぞ れ選 べ。 は、 昨︵ 二〇 一三

︶年 度、 久々 に﹁ 語の 意味 と熟 語の 合致 の問 ﹂ が出 て、 しば らく 続く かと も予 想さ れた が、 今回 は再 び、 二〇

〇九 年度 から 二〇 一二 年度 まで 四年 連続 出題 され た﹁ 語の 意味 の問 ﹂ に戻 った

。二

〇〇 四年 度か ら二

〇〇 八年 度ま で五 年続 いた

字の 読み 方の 問題

﹂の 形も 含 め、 流動 的に なっ てき てい る。

⑴﹁ ﹂ は、

﹁江 南に 竹多 し。 其の 人 筍

食ら ふを

~﹂ とい う文 脈に ある ので ある から

、1

﹁学 習す る﹂

、3

﹁習 得す る﹂

、5

﹁習 練す る﹂ は明 ら かに おか しい

。つ まり

、﹁ 習

ふ﹂ と読 むの では ない

。2

の﹁ 弊D 習と して いる

﹂は

﹁悪DD なら わし とし てい る﹂ とい う意 味に なる

。タ ケノ コを 食べ るの が﹁ 悪DD なら わし

﹂と いう のも おか しい であ ろう から

、意 味を あて はめ てみ て、 正解 4

﹁習 慣と して いる

﹂に なる

。﹁

ひと ﹂ と読 むこ とに なる

⑵﹁ ﹂ は、

﹁ 尚

・尚

・ 尚

﹂な どの 熟語 から

、動 詞と して

つと たふ とぶ

︶﹂ と読 み、

﹁尊 重す る﹂ 意が ある こと を知 って いた い。

﹁慕 う﹂ 意や

、﹁ 誇る

﹂意 も、 字義 とし ては なく はな いが

、﹁ 物類 は甘

きを

~﹂ とい う文 脈か らも

、﹁ 尊重 する

﹂と か﹁ よし とす る﹂ とい った 意味 と考 え たい

解は

。3

正解

4

3

29

30

返り 点の 付け 方と 読み 書き 下し の組 合せ の問 標準 傍線 部

﹁好 事 者 目 以 清 嗜 不 靳 方 長﹂ の返 り点 の付 け方 とそ の読 み方 とし て最 も適 当な もの を選 べ。

事者

﹂は

、す べて の選 択肢 が﹁ 事を 好む 者﹂ で共 通し てい る。

﹁好

﹂は

﹁も のず き﹂ なこ と。 あと は、

﹂に

﹁清 雅︵

=清 らか でみ やび なこ と︶ なも のへ の嗜

︵= この み︶

﹂と いう

︵注 ︶ がつ いて いる 以外

、句 法上 のポ イン トも ほと ん どな い。

﹂は

、1

・2

・3

・5

が﹁ 目

す﹂ と読 んで いる

。﹁ 目す

﹂は

、﹁ 見る

﹂﹁ 目を つけ て見 る・ 注視 する

﹂﹁ 目く ばせ する

﹂﹁ 評価 する

﹂な どの 意で あ る。

(12)

靳方 ﹂ につ いて は、 おそ らく

、﹁ 長ず るを 靳 らず

﹂、 つま り、 成長 して 大き くな った タケ ノコ は採 らな いと いう こと を言 って いる と思 われ る。

﹁長 きに 方

ぶを 靳 らず

﹂と して いる

・1

で4

はな いで あろ う。 あと は、 選択 肢の よう に読 んだ 場合 の文 意を 考え てみ るし かな い。 は2

、﹁ もの ずき な人 は見DD

︵注 視し て︶ そDDD 清雅 なも のへ の嗜 好でDDDDD 大き くな りか かっ たタ ケノ コは 採ら ない

﹂。 は3

、﹁ もの ずき な人 は、 清雅 なも のへ の嗜 好に よっ て、 大き くな りか かっ たタ ケノ コは 採DDDDDDD

︵評 価す る︶

﹂。 は5

、﹁ もの ずき な人 は、 清雅 なも のへ の嗜 好を よし とし て︵ 清雅 なも のへ の嗜 好と いう 点か ら見 て︶

、大 きく なり かか った タケ ノコ は採 らな い﹂

・2

は3

FF Fの 部分 の文 意が おか しい

解は で5

あろ う。 正解

5

31

空欄 補充 の問 応用 空欄

・Ⅱ

Ⅲ・

Ⅳ に入 る語 の組 合せ とし て最 も適 当な もの を選 べ。 空欄 補充 問題 は、 二〇 一一 年度 以来 であ る。 ただ

、こ の四 カ所 の空 欄に

、﹁ 甘﹂ と﹁ 苦﹂ をど う組 合せ て入 れる かは

、論 理の 展開 をと らえ る問 題で あっ て、 難度 が高 い問 題と もい える

は、

﹁渓 谷巌 陸︵

=山 の中

︶の 間﹂ で、

﹁地 に散 漫し て収 めら れざ る︵

=採 られ ない

︶﹂ タケ ノコ は、

Ⅰ に棄 てら るる

﹂も のだ

、と いう 文脈 に ある

。こ こは

、﹁ 苦き に棄 てら るる

﹂つ まり

﹁苦 いと して 見捨 てら れる

︵放 って おか れる

︶﹂ のか

、﹁ 甘

きに 棄て らる る︵ うま いのDD

︶見 捨て られ る﹂ のか

、迷 うと ころ であ る。 厳密 には

、﹁ 於﹂ のは たら きか らは

、後 者の よう にと るこ とは 無理 があ るが

、受 験生 レベ ルで は難 しい とこ ろで あろ う。

は、

﹁而 るに

﹂と いう 逆接 が直 前に ある から

Ⅰ とは 逆な もの が入 る。

Ⅱ は、

﹁之 を取 りて 或い は其 の類 を尽 くす に至 る﹂

、要 は、

﹁取 り尽 く され てし まう

﹂こ とも ある ので あろ う。

﹁苦

﹂け れば

﹁取

﹂っ たり もし ない であ ろう から

、こ こは

﹁甘 き﹂ 者は

、と しな くて はな らな い。

は、

﹁然 らば

︵= それ なら ば︶

﹂の あと にあ り、

Ⅲ 者は 自ら 戕 ふに 近し

﹂と ある

。こ の﹁ 自ら 戕ふ

︵= 自分 で殺 して いる

︶﹂ は、 直前 の﹁ 其 の類 を尽 くす に至 る﹂ を言 って いる

。と いう こと は、

Ⅲ も﹁ 甘き

﹂が 入る

Ⅰ が不 明確 でも

、Ⅱ

・Ⅲ

がど ちら も﹁ 甘﹂ であ る選 択肢 は1

しか ない ので

、こ こで 答は 出る こと にな り、

Ⅰ は﹁ 苦﹂ であ るこ とも 決定 でき る。 正解 1

は、 やは り、 逆接 の﹁ 而る に﹂ が直 前に ある ので

、Ⅲ

とは 逆に

﹁苦

﹂で なく ては なら ない

。﹁ 甘き 者は 自ら 戕ふ に近 し﹂ であ るの とは 反対 に、

Referensi

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