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二 〇 二 〇 年 度 大 学 入 試 セ ン タ ー 試 験 解 説 ︿ 古 典 ﹀

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(1)

︿

は、 鎌倉 時代 に成 立し たと 見ら れる 物語 であ る。 作者

・成 立と もに 未詳 の作 品だ が、

﹃源 氏物 語﹄ など の影 響を 大き く受 けて いる と見 られ る表 ら見 て、 平安 時代 の を 模し て書 かれ た、 鎌倉 時代 に書 かれ たい わゆ る 古物 の 一つ であ る。 今

帝の 甥

に当 たる 兵 D

と、 山里 に暮 らす 大納 言の 姫君 との 恋の 物語 であ る。 今回 出題 され たの は、 冒頭 に近 い箇 所で

、宮 が病 気の 乳 た際 に、 同じ 山里 に、 姫君 の祖 母で ある 尼君 の庵 室が ある のを 見つ け、 宰相 とい う女 房︵ 姫君 の遠 縁に 当た る︶ と面 会し

、姫 君の 祖母 に当 たる る見 舞い を言 いつ つ、 姫君 との 仲を 取り 持つ よう に宰 相に 促す 場面 であ る。 この 後、 宮と 姫君 は恋 に落 ちる が、 宮が 親の 命令 で他 の女 性と 結婚 り、 姫君 が帝 に気 に入 られ てし まっ たり

、さ らに は、 姫君 の継 母の 悪だ くみ など もあ って

、そ の恋 はな かな か進 展し ない

。し かし

、姫 君の 父が くみ を知 って 離縁

、宮 と姫 君は 結ば れ、 二代 にわ たる 帝の 退位 もあ って

、宮 が帝 に即 位、 姫君 は皇 后と なる

﹄や

﹃住 吉物 語﹄ のよ うな 継子 いじ め物 の 要素 もあ るが

、一 般的 な継 子い じめ 物語 では 貴公 子が 継母 を懲 らし める のに 対し

、父 が継 母と 離 で問 題が 解決 に向 かう とい うよ うな

、こ の物 語独 特の 面も 見ら れる

。 ンタ ー試 験本 試験 の古 文の 問題 は、 平安 時代 の ・ 鎌倉 時代 の 古物 ・ 室町 時代 の 伽草 ・ 江戸 時代 の 名草 な ど、 物語

か 多く

、本 年度 の出 題も その 傾向 から はず れて いな い。 本文 の長 さは 過去 十年 の平 均よ り二

〇〇 字ほ ど少 なく

、解 釈が 難し い和 歌も 含ま れて いな

︵第 二段 落︶ の尼 上の 発言 内容 や後 半︵ 第三 段落

︶の 女房 たち の様 子な どを 正確 に読 み取 って 最後 まで 読み 通す ため には

、精 密に 文章 を読 む力 る。 こか

﹂と

、︵ 宮が

︶御 供の 人々 にお 尋ね にな ると

、︵ 供の 者が

︶﹁ 雲

と申 す所 でご ざい ます

﹂と 申し 上げ るの で、

︵宮 は︶ お耳 にお 留め に 相が 通う 所で あろ うか

﹂と

、︵ また

、︶

﹁︵ 姫君 は︶ 今は ここ に︵ いる

︶と 聞い たが

、ど こで あろ うか

﹂と

、知 りた くお 思い にな って

、御 車を 停

(2)

めて 外を 御覧 にな った とこ ろ、 卯の 花が 咲い てい るの はど こも 同じ とは 言う もの の、 垣根 にな って 咲き 続い てい るの は︵ 卯の 花の 名所 であ る︶ 玉川 のよ う な感 じが して

、︵ ここ は︶ ほと とぎ すの 初声 も︵ いつ どこ で聞 ける かと

︶気 をも むこ とも なく 聞け る場 所で はな かろ うか と、 自然 と︵ その 様子 を︶ 知り た くお 思い にな って

、夕 暮れ の頃 であ るの で、 静か に葦 で編 んだ 垣根 の隙 間か ら格 子な どが 見え る︵ 庵室 の︶ 様子 を覗 きな さる と、 手前 のほ うは 仏間 らし く、 ささ やか な閼

があ って

、妻 戸や 格子 など も開 け放 して あり

、樒

の花 が青 々と 散っ て、

︵誰 かが

︶花 をお 供え しよ うと して

、︵ 花を 入れ る器 が︶ から か らと 鳴る

︵の が聞 こえ る︶

。そ れに つけ ても

、こ うい う︵ 仏教 的な

︶面 の行 いも

、こ の世 でも たゆ むこ とな く︵ 熱心 に行 い︶

、︵ その ため に︶ 来世 もま たた いそ う︵ 極楽 往生 が︶ 期待 でき るこ とで ある よ︵ と思 われ る︶

。こ のよ うな

︵仏 教的 な︶ 面は

︵宮 とし ても

︶心 にと まる こと であ るの で、 うら やま しく 御 覧に なっ てい た。

︵む なし く︶ 味気 ない この 世で は、 この よう にも 暮ら した いも のだ と、

︵そ の暮 らし ぶり が︶ 御目 にと まっ て見 えな さっ てい ると

、召 し使 いの 少女 たち の姿 もた くさ ん見 える 中に

、例 の宰 相の もと に仕 える 少女 もお り、

﹁こ の少 女が いる のは

、︵ やは り宰 相が 通う 姫君 の住 まい は︶ ここ なの であ ろう か﹂ とお 思い にな るの で、 御供 であ る 兵

とい う者 をお 呼び にな って

、︵ その 人を 介し て︶

﹁宰 相の 君が いる のは ここ でご ざい まし ょう か﹂ と、 対 面し たく 思っ てい る旨 を︵ 庵室 内へ

︶申 し上 げな さっ た。

︵こ れを 聞い た宰 相は

︶驚 いて

、﹁ どう いた しま しょ う。 宮が

、こ こま で訪 ねて 来て いら っし ゃる ので すね

。畏 れ多 いこ とで ござ いま す﹂ と言 って

、あ わて て︵ 応対 に︶ 出て 来た

。仏 間近 くの 南向 きの 部屋 に、 お座 りに なる 場所 など を用 意し て、

︵宮 を︶ 入れ 申し 上げ る。

︵宮 は︶ 微笑 みな さっ て、

﹁こ のた び︵ この 山里 へ︶ お訪 ねし てみ ると

、︵ あな たが

︶こ のあ たり にい らっ しゃ るな どと 聞い て︵ やっ て参 りま した

︶、 ここ まで

︵草 深い 場所 を︶ 分け 入っ て参 りま した 気持 ちを

、お 察し くだ さい

﹂な どと おっ しゃ るの で、

︵宰 相が

︶﹁ 本当 に、 畏れ 多く も︵ この よう な場 所ま で︶ 訪ね て来 てく ださ った お気 持ち には

、恐 縮い たし ます

。年 寄り

﹇= 尼上

﹈が

、こ れが 最期 かと いう ほど に患 って おり ます ため に、 最後 まで 看病 しよ うと 思 いま して

、︵ ここ に︶ 籠 もっ て︵ おり ます

︶﹂ など と申 し上 げる と、

︵宮 は︶

﹁そ のよ うに 重病 でい らっ しゃ ると いう のは

、お 気の 毒な こと です

。そ の御 病状 もお 聞き しよ うと 思っ て、 わざ わざ 参っ たの です が﹂ など とお っし ゃる

。そ こで

、︵ 宰相 が︶ 部屋 の奥 へ入 って

、﹁ この よう に︵ 御見 舞い の︶ 御言 葉を いた だき まし た﹂ と︵ 尼上 に︶ 申し 上げ なさ ると

、︵ 尼上 は︶

﹁そ のよ うな 者﹇

=重 病の 自分

﹈が いる と︵ 宮が

︶お 耳に なさ って

、︵ 私は

︶老 いの 果て に、 この よう に素 晴ら しい 御恵 みを こう むり まし たの で、

︵無 駄に

︶生 き永 らえ てお りま した この 命も

、今 は嬉 しく

、︵ 宮の 御見 舞い は︶ この 世で の︵ この 上な い︶ 名誉 であ ると 思わ れま す。

︵宰 相に

︶仲 介さ せる ので はな く︵ 直接 お会 いし て︶ お礼 を申 し上 げる べき でご ざい ます が、 この よう に衰 弱し た状 態で

︵ご ざ いま すの で︶

﹂な どと

、途 切れ 途切 れに 申し 上げ るが

、そ れも

︵宮 は︶ たい そう 好ま しい 対応 であ ると 思っ てお 聞き にな って いた

︵尼 上に 仕え る︶ 女房 たち が、

︵こ っそ り︶ 覗い て︵ 宮の 姿を

︶拝 見す ると

、明 るく 差し てい る夕 方の 月光 の中 で、 威儀 を正 して いら っし ゃる 様子 は、 た とえ よう もな いほ どに 素晴 らし い。 山の 端か ら月 の光 が輝 き出 たよ うな その 御様 子は

、正 視で きな いほ どに 美し い。 つや やか さも 色合 いも

︵あ たか もあ た りに

︶こ ぼれ 落ち そう なほ どで ある 御着 物に

、直 衣が それ とな く重 なっ てい る色 合い も、 どこ に加 わっ てい る気 品の ため であ ろう か、 この 世の 人が 染め 上

(3)

たも のと も思 われ ず、

︵と ても

︶あ りき たり な色 とは 見え ない その 様子 は、 目に も鮮 やか で本 当に 見た こと がな いほ どに 素晴 らし い。

︵宮 より も︶ 見劣 り る平 凡な 男で さえ 見馴 れな い︵ 女房 たち の︶ 心に は、

﹁世 の中 には この よう な人 もい らっ しゃ った のだ なあ

﹂と

︵思 われ て︶

、︵ 皆︶ 心も 落ち 着か ず褒 め やし てい る。

︵女 房た ちは

︶本 当に

、︵ 姫君 の夫 とし て宮 を︶ 姫君 に並 べて みた く思 われ て、 微笑 みな がら 座っ てい た。 宮が

、そ の住 まい の様 子な どを 御 にな ると

、︵ 都に ある

︶他 の家 とは 様子 が違 って 見え る。

︵仕 える

︶人 は少 なく

、ひ っそ りと して いて

、こ のよ うな 所に 思い 悩み がち であ るよ うな 人﹇

= 君﹈ が住 んで いる なら ばと

、そ の心 細さ など が自 然に しみ じみ と気 の毒 に思 われ なさ って

、︵ 宮は

︶む やみ にも の悲 しく 思い

、御 袖を 涙で 濡ら しな さり がら

、宰 相に も、

﹁必 ず、 甲斐 があ るよ うに

﹇= 姫君 の気 持ち が自 分に 向く よう に﹈ 申し 上げ てく ださ い﹂ など と言 い含 めて お帰 りに なる ので

、女 房た もた いそ う名 残惜 しく 感じ る。

説﹈ 解釈 の問 まず は重 要単 語・ 重要 文法 を確 認し

、必 要に 応じ て前 後の 文意 も踏 まえ て解 答し たい

標準

﹁ゆ かし くお ぼし めし て﹂ の解 釈と して 最も 適当 なも のを 選べ

﹁ゆ かし く/ おぼ しめ し/ て﹂ と単 語分 けさ れる

かし ﹂ は、 本来

﹁心 ひか れる

﹂の 意で

、多 くは

﹁見 たい

・聞 きた い・ 知り たい

﹂と 訳す 形容 詞﹁ ゆか し﹂ の連 用形

。こ れが 正し いの は、

・3

。5

ぼし めし

﹂は

、﹁ お思 いに なる

﹂と 訳す 尊敬 の動 詞﹁ おぼ しめ す﹂ の連 用形

。こ れが 正し いの は、

・1

・3

。4

と2

の5

﹁~ 申し 上げ る﹂ は 謙譲 の訳 であ る。 よっ て、 正解 は、 二つ のポ イン トが 正し く訳 され てい る3

であ る。 重要 単語 と敬 語の 訳か ら正 解は 得ら れる

(4)

基礎

﹁や をら

﹂の 解釈 とし て最 も適 当な もの を選 べ。

をら

﹂は

、﹁ 静か に・ そっ と﹂ と訳 す副 詞。 今

では

﹁突 然に

・不 意に

﹂の 意で 使わ れる こと があ るが

、誤 用で ある

。 よっ て、 正解 はズ バリ で2

ある

応用

﹁重 なれ るあ はひ

﹂の 解釈 とし て最 も適 当な もの を選 べ。

﹁重 なれ

/る

/あ はひ

﹂と 単語 分け され る。

なれ

﹂は

、四 段活 用の 動詞

﹁重 なる

﹂の 已然 形。 意味 は、 その まま

﹁重 なる

﹂で

、こ れが 正し いの は1

・3

・4

。2

と の5

訳の

﹁重 ねる

﹂は 他動 詞の 訳で

、﹁ 重な る﹂

︵自 動詞

︶と は違 う。 ちな みに

、﹁ 重ね る﹂ の意 であ れば

、単 語は 下二 段活 用の

﹁重 ぬ﹂ であ り、

﹁重 ね・ 重ね

・重 ぬ・ 重ぬ る・ 重ぬ れ・ 重ね よ﹂ と活 用し

、﹁ 重な ﹂ には なら ない

。﹁ ﹂ は、 存続

︵~ して いる

︶・ 完了

︵~ した

︶の 助動 詞﹁ り﹂ の連 体形

。助 動詞

﹁り

﹂は

、 サ変 動詞 の未 然形 と四 段動 詞の 已然 形に 接続 する 助動 詞で あり

、こ こで は直 前の

﹁重 なれ

﹂が 四段 動詞 の已 然形 であ るか ら、

﹂は 本来

﹁り

﹂で あ ると わか る。 この 訳が 正し いの は、 完了 で訳 して いる

・2

と3

、存 続で 訳し てい る4

・5

。1

は﹁ ﹂ が訳 され てい ない

。こ こま でで 選択 肢は と3 4

に絞 られ る。

はひ

﹂は

、﹁ 間﹂ の字 が当 たり

、一 般に は﹁ 間︵ あい だ︶

・間 柄︵ あい だが ら︶

・形 勢﹂ など の意 であ るが

、﹁ 色の 組み 合わ せ・ 配 色・ 調和

﹂な どの 意も 示す 名詞

。こ の﹁ あは ﹂ の意 味を 知っ てい れば

、正 解は と4

なる が、

﹁あ はひ

﹂は やや 難し い。

はひ

﹂が わか らな い場 合 は、 傍線 部を 含む 第三 段落 前半 が、

るも のな くめ でた

=た とえ よう もな いほ どに 素晴 らし い︶

﹂、

の光 のか かや き出 でた るや うな る御 有様

目も およ ばず

。︵

=月 の光 が輝 き出 たよ うな その 御様 子は

、正 視で きな いほ どに 美し い︶

﹂と

、﹁ 宮﹂ の見 た目 の美 しさ を言 って おり

、﹁ 艶も もこ ぼる ばか りな る御

=つ やや かさ も色 合い もこ ぼれ 落ち そう なほ どの 御着 物︶

﹂に

、﹁ 直衣

﹂が 重な って いる

はひ

﹂が

、﹁ この 世の 人の 出だ した ると も見 えず

の色 とも 見え

=こ の世 の人 が染 め上 げた もの とも 思わ れず

、あ りき たり な色 とも 見え ない

︶﹂ と、 色の 面で その 素晴 らし さが 語 られ てい るこ とを 根拠 にし て、

はひ

﹂の 意味 は4

の﹁ 色 合い

﹂が よさ そう だと 考え たい

。 よっ て、 正解 は4

であ る。

(5)

正解

3

2

4

21

22

23

敬語

意の 対象

問題 標準 波線 部

の敬 語︵ 奉る

・給 ふ・ 侍る

・聞 こえ

︶は それ ぞれ 誰に 対す る敬 意を 示し てい るか

。そ の組 合せ とし て正 しい もの を、 次の

1

5

のう ちか ら一 つ選 べ。 まず

、敬 意の 対象 につ いて 確認 して おく

敬意 の対 尊敬

動作 の主 体︵ 主語

︶に 対す る敬 意を 示し てい る。 謙譲 動作 の受 け手

︵相 手︶ に対 する 敬意 を示 して いる

丁寧 話の 聞き 手に 対す る敬 意を 示し てい る。 会話 文中 の丁 寧語

その 会話 の聞 き手

︵会 話の 相手

︶に 対す る敬 意を 示し てい る。 地の 文の 丁寧 語

読者 に対 する 敬意 を示 して いる

﹂ は、 謙譲 の補 助動 で ある

。謙 譲語 であ るか ら、 動作 の受 け手

に対 する 敬意 を示 す。

れ奉 ﹂ は、

﹁宰 相﹂ が、 訪ね て来 た

﹁宮

﹂を 室内 へ﹁ 入れ る﹂ ので ある

。よ って

、﹁ 入れ 奉る

﹂は

、﹁ 宮﹂ が受 け手

︵相 手︶ であ るか ら、

﹂ は、

﹁宮

﹂に 対す る敬 意を 示し てい る こと にな る。

が 正し いの は1

・2

・3

であ る。

﹂ は、 尊敬 の補 助動 で ある

。尊 敬語 であ るか ら、 動作 の主 主語

対す る敬 を 示す

を含 む会 話部 分は

、宮 が庵 室を 訪問 した 理由 を﹁ 宰相

﹂に 述べ てい る箇 所で

、﹁ この ほど 尋ね 聞こ ゆれ この わた りに もの し給 ふな ど聞 きて

﹂は

、﹁ この 度︵ こち らの 山里 を︶ 訪ね 申し 上げ ると

、こ のあ たり にい らっ しゃ るな どと 聞い て﹂ とい う意 味で ある

。﹁ もの ﹂ は、

﹁あ り・ 行く

・来

﹂な どの 代わ りに 用い られ るサ 変動 詞﹁ もの す﹂ の連 用形 で、 ここ では

﹁あ り﹂ の代 わり とし て用 いら れて いる

。要 は、

﹁こ こに いる と聞 いて やっ て来 た﹂ と言 って いる ので ある

。こ の﹁ いる

﹂の 主 体と して 考え られ るの は﹁ 宰相

﹂か

﹁姫 君﹂ であ るこ とに なる が、 選択 肢に は﹁ 姫君

﹂は ない ので

の﹁ 給ふ

﹂は

、動 作の 主体 であ る﹁ 宰相

(6)

する 敬意 を示 して いる こと にな る。

が 正し いの は1

・2

・5

であ る。

﹂ は、 丁寧 の補 助動 で ある

。丁 寧語 であ るか ら、 話の 聞き 手に 対す る敬 を 示す

を含 む会 話部 分は

で見 た﹁ 宮﹂ の言 葉を うけ て、

﹁宰 相﹂ が﹁ 御訪 問は 畏れ 多い

。尼 上が 重病 なの で最 期を 看取 ろう と、 ここ に籠 もっ てい た﹂ と返 事を して いる 場面 であ るか ら、 話し 手は

﹁宰 相﹂ であ り、 話の 聞き 手は

﹁宮

﹂で ある

。よ って

の﹁ 侍る

﹂は

、﹁ に対 する 敬意 を示 して いる こと にな る。

が 正し いの は1

・3

であ る。

こえ

﹂は

、﹁ 申し 上げ る﹂ と訳 す、 謙譲 の本 動詞

。謙 譲語 であ るか ら、 動作 の受 け手

に対 する 敬意 を示 す。 ここ は、

﹁尼 上の 見舞 い に来 た﹂ とい う﹁ 宮﹂ の言 葉を 受け て、

﹁宰 相﹂ が、 部屋 の奥 へ行 って

、そ こに いる 人︵ 大病 で寝 てい る﹁ 尼上

﹂と 考え るべ き︶ に、

うか うの 仰せ 言こ そ侍

=宮 から この よう な御 見舞 いの 御言 葉を いた だき まし た︶

﹂と 申し 上げ たの であ る。 よっ て、

こえ

﹂の 動作 の主 体は

﹁宰 相﹂

、動 作の 受け 手︵ 相手

︶は

﹁老 い人

﹇= 尼上

﹈﹂ であ るか ら、

こえ

﹂は

、﹁ 老い に対 する 敬意 を示 して いる こと にな る。

が 正し いの は1

・3

・ で5

ある

。 以上 から

は で1

ある

。 セン ター 試験 の は 多く は文 法問 題で

、数 年に 一回 のペ ース で敬 語に 関す る問 題も 出題 され てき たが

、二

〇二

〇年 度は 前年 度に 続い て、 二年 連続 敬意 の対 象の 問題 が出 題さ れた

正解

1

24

内容 説明 の問 標準 傍線 部

﹁う らや まし く見 給へ り﹂ とあ るが

、宮 は何 に対 して うら やま しく 思っ てい るか

。そ の説 明と して 最も 適当 なも のを

、次 の

1

5

のう ちか ら一 つ選 べ。 傍線

部直 前の

、﹁ この かた のい とな みも

の世 にて もつ れづ れな らず

の世 はま たい と頼 もし きぞ かし

のか たは 心に とど まる こと なれ ﹂ は、

﹁こ うい う仏 教的 な面 の行 いも

、こ の世 でも たゆ むこ とな く熱 心に 行い

、︵ その ため に︶ 来世 もま たた いそ う︵ 極楽 往生 が︶ 期待 でき るこ とで ある よ。 この よう な仏 教的 な面 は︵ 宮と して も︶ 心に とま るこ とで ある ので

﹂と いう 意味 であ る。 二箇 所あ る﹁ かた

﹂は

﹁方

﹂の 字が 当た り、

﹁方 角・ 方 法・ 方 面﹂ など と訳 され る名 詞で

、こ こで は﹁ この かた

﹂で

﹁こ うい う方 面﹂ の意 であ るが

、最 初の

のか ﹂ の直 前に 書か れて いる

なた は仏

(7)

の御 前と 見え て~ から から と鳴 るほ ども

﹂は

、﹁ 手前 のほ うは 仏間 らし く、 ささ やか な閼 伽棚 があ って

、妻 戸や 格子 など も開 け放 して あり

、樒 の花 が 青々 と散 って

、︵ 誰か が︶ 花を お供 えし よう とし て、

︵花 を入 れる 器が

︶か らか らと 鳴る

︵の が聞 こえ る︶

﹂と いう 意味 で、 この 庵室 に住 まう 人が 熱心 に勤 行︵ 仏教 修行

︶し てい るこ とが 書か れて いる ので ある から

、﹁ この かた

﹂は

﹁こ うい う仏 教的 な面

﹂の 意と 考え たい

。宮 は、 自身 にと って も、 仏 教は

にと どま るこ ﹂ なの で、 日々 仏教 的行 いに いそ しん でい ると 見え るこ の庵 室で の暮 らし ぶり を﹁ うら やま しく

﹂思 って 見て いる ので ある

。 よっ て、 この こと を正 しく 説明 して いる が3

正解 であ る。 は1

﹁極 楽浄 土の よう に楽 しく 暮ら す﹂ が誤 り。

の世

﹂で 仏教 的行 いに 励め ば﹁ 後の ︵ 来世

︶﹂ に極 楽往 生が 期待 でき ると は書 かれ てい るが

、 山里 の暮 らし 自体 が極 楽浄 土の よう だと は書 かれ てい ない

。 は2

﹁姫 君と 来世 まで も添 い遂 げよ うと 心に 決め てい る﹂ が本 文に なく

、う らや まし さの 対象 も﹁ 姫君 のそ ばに いる 人た ち﹂ では ない ので 誤り

。 は4

﹁来 世の こと を考 えず に暮 らす こと ので きる 姫君

﹂が 誤り

。宮 は、

の世

﹂で この よう に仏 教的 行い に励 めば

の世

﹂に 極楽 往生 が期 待で きる と感 じて いる ので ある

。こ の庵 室に 住む 人が

﹁来 世の こと を考 えず に﹂ 暮ら して いる とは 見て いな い。 また

、本 文中 に姫 君は 登場 して おら ず、 こ の仏 教に 熱心 な暮 らし ぶり をし てい る人 は、 庵室 の主 であ る尼 上で ある とす るこ とは でき ても

、姫 君に 限定 する こと はで きな い。 は5

、﹁ 自由 に行 動で きな い身 分で ある 自分

﹂が 本文 から は読 み取 れな い上 に、 傍線 部の 直前 に書 かれ てい るこ とを 全く 踏ま えて いな いの で、 誤り であ る。 正解

3

25

心情

線部 の発 言を 生ん だ心 説明 の問 応用 傍線 部

﹁つ てな らで こそ 申す べく 侍る に﹂ とあ るが

、尼 上は どの よう な思 いか らこ のよ うに 述べ たの か。 その 説明 とし て最 も適 当な もの を、 次 の

1

5

のう ちか ら一 つ選 べ。 登場

人物 の心 情は その 人の 会話 文や その 人が 詠ん だ和 歌に あら われ やす 、 ここ でも 尼上 の心 情は

、尼 上自 身の 会話 文、

る者 あり と御 耳に 入り て~ かく 弱々 しき 心地 ﹂ から 読み 取る べき であ る。

る者 あり と御 耳に 入り て~ かく 弱々 しき 心地 ﹂ は、

﹁そ のよ うな 者﹇

=重 病の 自分

﹈が いる と︵ 宮が

︶お 耳に なさ って

、︵ 私は

︶老 いの 果て に、

(8)

この よう に素 晴ら しい 御恵 みを こう むり まし たの で、

︵無 駄に

︶生 き永 らえ てお りま した この 命も

、今 は嬉 しく

、︵ 宮の 御見 舞い は︶ この 世で の︵ この 上な い︶ 名誉 であ ると 思わ れま す。

︵宰 相に

︶仲 介さ せる ので はな く︵ 直接 お会 いし て︶ お礼 を申 し上 げる べき でご ざい ます が、 この よう に衰 弱し た 状態 で︵ ござ いま すの で︶

﹂と 訳さ れる

。傍 線部

てな らで こそ 申す べく 侍る ﹂ は、

﹂ が﹁ 人づ て﹂ の意

、﹁ ﹂ が﹁

~な くて

・~ ない で﹂ と訳 す打 消の 接続 助詞

、﹁ 侍る

﹂が

﹁~ です

・~ ます

﹂と 訳す 丁寧 の補 助動 詞で ある から

、﹁ 人づ てで はな くて 申し 上げ るべ きで すが

﹂、 つま り、

﹁直 接 申し 上げ るべ きだ が﹂ の意 であ る。 この 会話 文は

、﹁ 宮の 見舞 いは あり がた く、 生き てい てよ かっ た、 この 上な い名 誉で ある

。直 接お 会い して お礼 を 言う べき だが

、衰 弱し てい てで きな い﹂ と言 って いる ので ある

。 よっ て、 正解 は、 この こと を正 しく 踏ま えて 説明 して いる で5

ある

。 尼上 は姫 君に つい ては 一言 も言 及し てい ない ので

、1

の﹁ 姫君 と宮 との 仲を 取り 持っ て、 二人 をお 引き 合わ せ申 し上 げる べき だ﹂

、2

の﹁ この 折に 姫君 のこ とを 直接 ご相 談申 し上 げた い﹂ は誤 りで ある

。 の3

﹁宮 から 多大 な援 助を いた だけ る﹂ も、 その よう な事 実は 本文 には 書か れて おら ず、 当然

てな らで

﹂の 意味 も﹁

︵援 助を

︶直 接お 受け 取り 申し 上げ る﹂ とい う意 味で はな い。 また

、尼 上は 仏道 につ いて も述 べて はい ない ので

、4

の﹁ 仏道 につ いて 直接 お教 え申 し上 げ﹂ も本 文か らは 読み 取れ ない

正解

5

26

心情 説明 の問 標準 傍線 部

﹁笑 みゐ たり

﹂と ある が、 この 時の 女房 たち の心 情に つい ての 説明 とし て最 も適 当な もの を、 次の

1

5

のう ちか ら一 つ選 べ。

﹁こ の時 の女 房た ち﹂ の様 子は 第三 段落 冒頭 の﹁ 人々

ぞき て見 奉る ﹂ から

、傍 線部 直前 の﹁ げに

君に 並べ まほ しく

﹂ま でに 書か れて おり

、 その 内容 は、

﹁女 房た ちが

、宮 の姿 を覗 き見 する と、 月に 照ら され たそ の姿 はた とえ よう もな く素 晴ら しく

、宮 自身 が月 であ るか のよ うに 美し い。 着 てい る衣 の美 しい 色合 いも 見た こと がな いほ どで

、平 凡な 男さ えも 見馴 れて いな い女 房た ちに は、

﹃世 の中 には こん なに 素晴 らし い人 もい るの だな あ﹄ と思 われ

、皆 で褒 めそ やし てい る。 本当 に、 宮を 姫君 と夫 婦と して 並べ て見 たく 思わ れる

﹂と いう もの であ る。 特に

、傍 線部 直前 の﹁ 姫君 に並 べま しく

﹂が

、﹁ 宮を 夫と して 姫君 に並 べて みた く﹂ の意 であ るこ とを 理解 しな くて はな らな い。

(9)

よっ て、 その 内容 を正 しく 説明 して いる が2

正解 であ る。 の1

﹁普 段か ら上 質な 衣裳 は見 馴れ てい る﹂

﹁姫 君の 衣裳 と比 べて みた い﹂

、3

の﹁ 以 上の

﹂﹁ 姫君 が宮 を見 たら きっ と驚 くだ ろう と想 像し

﹂、

4

の﹁ 仏道 に導 き、 姫君 とそ ろっ て出 家す るよ うに 仕向 ける こと がで きた

﹂、 の5

﹁こ れま で平 凡な 男と さえ 縁談 がな かっ た姫 君﹂

﹁宮 が釣 り合 うは ず がな いと あき れて いる

﹂は

、い ずれ も本 文に 書か れて いな かっ たり

、本 文の 内容 と合 致し なか った りし て、 誤り であ る。 正解

2

27

内容 説明

容合 の問 応用 この 文章 の内 容に 関す る説 明と して 最も 適当 なも のを

、次 の

1

5

のう ちか ら一 つ選 べ。

︵傍 線部 なし

︶ この

設問 は、 問い 方は 右の よう であ るが

、要 は 容合 致問 で ある

。 は1

、第 一段 落四 行目 の﹁ やを ら葦 垣の 隙よ ﹂ 以降 に相 当す る選 択肢 だが

、ま ず、

﹁美 しい 女性 の姿 を見 た。 この 人こ そ に聞 いて いた 姫君 に違 いな いと 確信 した

﹂が 誤り であ る。 宮は

、そ の庵 室に 住む 人の

﹁仏 事に いそ しむ

﹂生 活ぶ りは 見て いる もの の、 姫君 らし き人 の姿 は見 てい ない

。﹁ の宰 相の もと なる 童べ

︵例 の宰 相の もと に仕 える 少女

︶﹂ を見 かけ て、

こに ︵ やは り宰 相が 通う 姫君 の住 まい はこ こな ので あろ うか

︶﹂ と思 って いる だけ であ る。 また

、御 供の 兵衛 督を 仲介 とし て宰 相を 呼び 出し た宮 は、 尼上 の病 気を 気づ かう 旨な どを 話し てい て︵ 第二 段落

︶、

﹁す

︵姫 君と の︶ 対面 の場 を設 ける よう に宰 相に 依頼 した

﹂わ けで はな い。 姫君 との 対面 を促 して いる 言葉 は、 帰り 際の

、﹁ かま へて

ひあ るさ まに 聞こ えな 給へ

︵= 必ず

、甲 斐が ある よう に﹇

=姫 君の 気持 ちが 自分 に向 くよ うに

﹈申 し上 げて くだ さい

︶﹂

︵第 三段 落の 最後 の一 文︶ だけ であ る。 は2

、第 一段 落八 行目 の﹁ 御供 なる 兵衛 督と いふ を召 し給 ひて

︵御 供で ある 兵衛 督と いう 者を お呼 びに なっ て︶

﹂か ら第 一段 落の 最後 まで に相 当す る選 択肢 だが

、ま ず、

﹁宰 相は

、兵 衛督 を呼 んで

、ど のよ うに 対応 すれ ばよ いか 尋ね た﹂ が誤 りで ある

。本 文に よれ ば、 宮が 兵衛 督に 命じ て、

相の 君は これ にて 侍る にや

︵宰 相の 君が いる のは ここ でご ざい まし ょう か︶

﹂と 言わ せて

、宰 相を 呼び 出し たの であ る。 宰相 が兵 衛督 を呼 んだ り、 相談 を 持ち かけ たり した 事実 はな い。 また

、宰 相が 宮を 入れ た部 屋に つい ては

、﹁ 仏の かた はら の南

=仏 間近 くの 南向 きの 部屋

︶﹂ と書 かれ てい るだ けで ある

。﹁ 尼上 と姫 君が いる

﹂と は書 かれ てい ない

。第 二段 落の 内容 から 尼上 は奥 の部 屋に いる こと がわ かる が、 姫君 は本 文全 体を 通し て一 度も 登場 し てい ない

(10)

は3

、第 二段 落の 尼上 の会 話文

る者 あり と御 耳に 入り て…

﹂か ら第 二段 落の 最後 まで に相 当す る選 択肢 だが

、ま ず、

﹁自 分の 亡き 後の こと を宮 に頼 んだ

。姫 君に つい ても 大切 に後 見す るよ う懇 願﹂ が誤 りで ある

。こ この 尼上 の会 話文

、﹁ さる 者あ りと 御耳 に入 りて

~か く弱 々し き心 地に

﹂は

﹁宮 の見 舞い はあ りが たく

、生 きて いて よか った

、こ の上 ない 名誉 であ る。 直接 お会 いし てお 礼を 言う べき だが

、衰 弱し てい てで きな い﹂ とい う内 容 であ る。

﹁亡 き後 のこ と﹂ や﹁ 姫君

﹂に つい ては 一言 も言 及し てい ない

。ま た、

﹁姫 君と の関 係が 自ら の望 む方 向に 進ん でい きそ うな 予感 を覚 えた

﹂も 誤り

。尼 上の 言葉 を伝 え聞 いた 宮に つい ては

、﹁ いと あら まほ しと 聞き 給へ

=た いそ う好 まし い対 応で ある と思 って お聞 きに なっ てい た︶

﹂︵ 第二 段落 の最 後︶ と書 かれ てい るだ けで ある

。 は4

、第 三段 落に 相当 する 選択 肢で ある が、

﹁宮 はこ の静 かな 山里 で出 家し

、姫 君と とも に暮 らし たい と思 うよ うに なっ た﹂ が誤 りで ある

。第 三段 落で は、 宮の 様子 は、

所の 有様 など

﹂以 降に 書か れて いる が、 その 内容 は、

﹁宮 は、 庵室 の様 子を 見て

、こ のよ うに 寂し げな 所で 姫君 が物 思い がち に暮 らし てい るの なら 気の 毒な こと だと 悲し み、 姫君 との 対面 をか なえ てく れる よう に宰 相に 促し て帰 った

﹂と いう もの であ る。 自身 の﹁ 出家

﹂ や﹁ 姫君 とと もに 暮ら した い﹂ とい う思 いに つい ては 全く 言及 して いな い。 は5

、ほ ぼ第 三段 落後 半に 相当 する 選択 肢で

、﹁ 宮は 山里 を~ 言い 残し た﹂ は、 で4

見た

所の 有様 など

﹂以 降に 書か れて いる 宮の 様子 に合 致し てい て誤 りが ない

。ま た、

﹁女 房た ちは 宮の すば らし さを 思い

、そ の余 韻に ひた って いた

﹂も

、第 三段 最後 の﹁ 人々 も名 残多 くお ぼゆ

︵= 女房 た ちも たい そう 名残 惜し く感 じる

︶﹂ に相 当し てい て誤 りは ない

。﹁ 女房 たち は宮 のす ばら しさ を思 い﹂ は、 第三 段落 前半

のぞ きて 見奉 るに

~め でま どひ あへ ﹂ に書 かれ てい るこ とを 踏ま えて いて

、こ こに も誤 りは ない

。 よっ て、 正解 は5

であ る。 正解

5

28

(11)

典﹈

﹄は

、六

時代 の 梁

︵五

〇一

~五 三一 年︶ が編

した 詩文 選集

。全 六〇 巻。 周 から 梁に 至る 約一

〇〇

〇年 間の 詩・ 文の 選集 で、 収 られ た作 品は 七六

〇編

、作 者は 一三

〇人 にの ぼる

。後 世、 文学 を志 す人 の必 読書 とし て広 く読 まれ

、日 本に も早 く伝 わり

、平 安時 代の 王朝 文学 に大 きな 響を 与え た。

︵三 八五

~四 三三 年︶ は、 六朝 時代 の宋

の詩 人。 名門 とし て知 られ た陳 郡陽

︵河 南省 太

県︶ の貴 族の 出身 で、 宮廷 文人 とし て重 用さ れた が、 負心 が強 く野 心家 で、 政治 面で の処 遇に は不 満が 多く

、不 遇で あっ た。 財力 にあ かせ て山 水に 遊歴 し山 水詩 人と して 知ら れ、 ほぼ 同時 代の 陶

と並 び せら れる

。の ち、 謀反 の嫌 疑を 受け て広 州に 流さ れ、 処刑 され た。 六朝 時代 を代 表す る詩 人で ある

書き

下し 文﹈

に山

に在 るも

じか らず 同

じか らざ るは 一

に非

を 養 ふも 亦 た園

を 屏

を招

く 室

を卜

して 北

の阜

に倚

を啓

きて 南 の江

に面

す 澗

めて 井

に< むに 代

槿 を挿 ゑて 墉 に 列 るに 当 つ 群

に戸 に羅

た窓

に対

す 靡 とし て下

に 趨

とし て高

を瞰 る 欲

を寡

なく して 労

を期 せず

に即

して 人

の功

なり 唯 だ 蔣

の径

を開

く求

の蹤

を懐

ふ 賞

るべ から ず

くは 能 く同

にせ んこ とを

(12)

﹇通 釈﹈ 木こ りと 隠者 とは とも に山 に暮 らし ては いる が、

︵山 に暮 らす

︶理 由は 同じ では ない

。 同じ でな いの は一 事に 限っ たこ とで はな く、 都の 生活 で疲 れた 心身 を癒 やす のも この 庭園 のあ る住 居の 中。 この 住居 にあ って 俗世 のわ ずら わし さを 払い 除き

、清 らか で広 々と した 空間 は遠 く吹 き来 る風 を招 き寄 せる

。 家を 北方 の岡 を背 にし た地 に占 い定 め、 門扉 を開 けば 南を 流れ る川 が眼 前に ある

。 谷川 の水 を引 き込 んで 井戸 で水 を<

む代 わり とし

、む くげ の木 を植 えて 家の まわ りの 垣根 とす る。 多く の樹 木が 連な って 戸口 に迫 り、 山々 もま た窓 に向 きあ って そび えて いる

。 うね うね と連 なり 続く 道を たど って 下の 畑に 行き

、は るか 遠く の高 い峰 を眺 める

。 欲を すく なく して 苦労 は求 めず

、あ るが まま に従 って 人の 手は かけ 過ぎ ない

。 ただ 蔣 のよ うに 庭に 小径 を作 り、 いつ も求 仲や 羊仲 のよ うな 友が 訪ね てく れる こと を思 う。 美し い風 景を めで る心 を忘 れて はな らな い、 この 上な い幸 福を 友と とも にわ かち 合い たい もの であ る。

﹇解 説﹈

語の 読み の問

基礎

基礎 波線 部

﹁俱

﹂・ ﹁ 寡﹂ のこ こで の読 み方 とし て最 も適 当な もの を、 次の 各群 の

1

5

のう ちか ら、 それ ぞれ 一つ ずつ 選べ

。 ﹁ ﹂ は、

もニ

﹂で ある

。﹁ ﹂ も﹁ とも ニ﹂ の読 み方 があ る。 正解 5

﹁1

たま たま

﹂は

﹁偶

・会

・適

﹂。

﹁2

つぶ さに

﹂は

﹁具

﹂。

﹁3

すで に﹂ は﹁ 既・ 已﹂

。4

﹁そ ぞろ に﹂ は﹁ 漫・ 坐﹂ であ る。 ﹁ ﹂ は﹁ すく なシ

﹂と 読む 字で

、﹁ ﹂ も同 じ。 対義 語は

ほシ

﹂で

、﹁ ﹂ など

。い ずれ も、 漢文 の学 習上 の重 要語 であ る。 王 侯の 自称

・謙 称で ある

﹂が

、﹁ 人徳 の 寡 い私

﹂の 意で ある こと で覚 えて おき たい

解は

﹁3

すく なく して

﹂。

﹁1

いつ はり て﹂ は﹁ 偽・ 詐・ 佯﹂ など

。2

﹁つ のり て﹂ は﹁ 募﹂

。4

﹁が へん じて

﹂は

﹁肯

﹂。

﹁5

あづ けて

﹂は

﹁預

﹂。 正解

5

3

︵各 E点

29

30

(13)

返り 点の 付け 方と 書き 下し 文の 組合 せ問 標準 傍線 部

﹁由 来 事 不 同、 不 同 非 一 事﹂ につ いて

、⒜ 返り 点の 付け 方と

、⒝ 書き 下し 文と の組 合せ とし て最 も適 当な もの を、 次の

1

5

のう ちか ら一 つ選 べ。 二〇 一八

・二

〇一 九年 度は

、書 き下 し文 と解 釈の 組合 せ問 題で あっ たが

、こ の、 返り 点の 付け 方と 書き 下し 文の 組合 せ問 題も

、頻 出の 形式 であ る。 ポイ ント は、 傍線 部の 中に

、再 読文 字や

、疑 問・ 反語

・否 定・ 使役

・受 身な どの 何ら かの 句法 上の 読み 方の 特徴 がな いか とい うこ とと

、書 き下 し文 のよ うに 読ん だと きの 文意 が通 るか

、ま た、 その 文意 が前 後の 文意 にあ ては まる かど うか

、で ある

。返 り点 は、 本当 はそ のよ うな 返り 方︵ 付け 方︶ が 文の 構成 上ア リな のか

? とい うこ とは ある ので ある が、 とも かく 読み 方ど おり 返っ てい るよ うに つい てい るケ ース がふ つう なの で、 返り 点の 付け をチ ェッ クす るの は時 間の 無駄 であ る。 この

﹂ では

、句 法上 のポ イン トは

定の 基本

﹂と

﹂、 いず れも 返読 文字 で、

﹂は 活用 語の 未然 形か ら返 読し て、

﹁ず

﹂。

﹂は 体言 ある いは 活用 語の 連体 形プ ラス

﹁ニ

﹂か ら返 読し て、

﹁あ らズ

﹂で ある

﹂の 読み 方に つい ては

、ど の選 択肢 も間 違っ てい ない

﹂は

、﹁

…に 非ず

﹂と 読ん でい るの は、 と2

の3

み。

・1

の5

よう に﹁ 非 とす る﹂ と読 むこ とも

、4

のよ うに

﹁非 を﹂ と名 詞に 読む こと も、 で きな くは ない が、

﹁… に 非ず

﹂と して いる 選択 肢が あり なが ら、 そう でな いの が正 解と いう こと はな いと 言っ てよ いで あろ う。 また

、前 半に も、 後半 にも

、﹁ 不同

﹂を

、﹁ 同じ から ず﹂ にし てい る選 択肢 と、

﹁同 じう せず

﹂に して いる 選択 肢の 配分 があ る。

じか らず

﹂で あれ ば、

﹁同 じで ない

。異 なっ てい る﹂ の意 であ るが

、﹁ 同じ うせ ﹂ であ れば

、﹁ 共通 しな い。 一致 しな い。 共有 しな い。 関与 しな い。 合わ せな い﹂ など の意 にな る。 前半 の、

﹁由 来事

︵= 木こ りと 隠者 が山 中に 暮ら して いる 理由 は…

︶﹂ との つな がり から 考え ると

、前 半部

・1

、2

後半 部2

・5

の﹁ 同 じか らず

﹂の ほう が適 当で ある

。 こう した ポイ ント が見 えな い場 合は

、書 き下 し文 のよ うに 読ん だと きの 文意 が通 るか

、文 脈に あて はま るか をチ ェッ クす るこ とに なる が、 文意 が通 るの も、 文脈 にあ ては まる のも

、2

﹁由 来、 事は 同じ から ず、 同じ から ざる は一 事に 非ず

︵= 山に 暮ら す理 由は 同じ では ない

。同 じで ない のは 一事 に限 った こと では ない

︶﹂ しか ない

。 正解

2

︵H 点︶

31

(14)

詩中 の四 句の 情景 の読 解の 問題 応用 傍線 部

﹁卜

室 倚

北 阜

、啓

扉 面

南 江

、激

澗 代

<

井、 挿

槿 当

墉﹂ を模 式的 に示 した とき

、住 居の 設備 と周 辺の 景物 の配 置と して 最も 適当 なも のを

、次 の

1

4

のう ちか ら一 つ選 べ。 詩句 に描 かれ た情 住居 の設 備と 周辺 の景 物の 配置

図で 答え と いう

、非 常に 珍し い形 式が 出た

。セ ンタ ー試 験と して の最 終年 度に 突如

﹁新 傾向

﹂と いう のも どう かと 思わ れる が、 次年 度以 降の

﹁共 通テ スト

﹂に 向け たメ ッセ ージ もあ るの かも しれ ない

。 見な れな い形 で、 一瞬 面食 らう が、 要は

、傍 線部

の 読解 の問 題で ある

を卜

して 北の

に倚 ﹂ は、

﹁家 を北 方の 岡を 背に した 地に 占い 定め

﹂と いう 意味 であ る。 この 点は

、選 択肢

~1 4

はい ずれ も間 違い はな い。 図で は、 上方 が北 とい うこ とで ある

を啓

きて 南の

に面 ﹂ は、

﹁門 扉を 開け ば南 に流 れる 川に 面し てい る﹂ とい うこ とで ある から

、川 の位 置は

1

~4

いず れも 正し い。 ポイ ント は﹁ 扉を 啓き て﹂ であ る。 南を 流れ る川 に﹁ 扉を 啓﹂ いて いる のは

、2

と3

であ る。

・1

は4

、南 に門 がな く、 東に ある

めて

むに 代へ

﹂は

、﹁ 谷川 の水 をせ きと めて

︵引 き︶ 井戸 で水 を<

むか わり とし

﹂で ある から

、庭 に井 戸が ある

・1 3

は間 違い

。 図で は左 の川 から 水を 引い てい る2

・4

が正 しい

槿

を挿 ゑて

るに ﹂ は、

﹁む くげ の木 を植 えて 家の まわ りの 垣根 とす る﹂ の意

。木 を植 えた 垣根 にな って いる のは

1

・2

。3

・4

は土 塀の よう にな って いる

。 よっ て、 正解 2

であ る。 正解

2

︵H 点︶

32

詩中 偶数 句末 の空 欄補 入問 標準 空欄

に入 る文 字と して 最も 適当 なも のを

、次 の

1

5

のう ちか ら一 つ選 べ。 詩の 中の 偶数 句末 の空 欄補 入問

の決 まり の問 題で ある

。 一般 に押 韻は

、絶

や律

など の近 体詩 の決 まり とし て学 んで いる が、 長い 古体 詩で も、 偶数 句は 韻を ふむ

。判 断と して は、 日本 語の 音よ 母音

Referensi