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人間フィールドワークⅡ 活動報告
人間学群教育学類2年 滝沢千紘
●活動概要
活動団体:筑波大学社会福祉研究会 窓愛園グループ(在籍学生数76名)
活動内容:土浦市内の児童養護施設窓愛園での学習指導(担当制)
(他に園の行事への参加、子どもが通う学校行事参観等に参加している)
活動頻度:週一回(子どもたちの長期休暇中を除く)
●活動をしようと思ったきっかけ
私は筑波大学入学以前から、人間学類の先輩が作ってくださったパンフレットを見て社 会福祉研究会の存在を知っていた。もともと漠然とボランティアに興味を持ってはいたが、
新歓時期を通して子供への学習指導というボランティア活動を初めて知り、入学後見学に 向かった。私自身子どもが好きだということ、教えることが好きであるとわかっていたた め、この活動は自分に向いているとすぐに感じた。現在は窓愛園グループの会計もしてお り、園と学生との関係やサークルの運営にも関わることができ、幅広くボランティアにか かわることができていると感じている。
●活動を通して学んだこと
私自身はこの活動を続けて 2 年が経った。活動を通しては、子どもに気持ちが伝わらな いもどかしさを何度も感じた。私たちにとっては当たり前のことができずに子どもの気持 ちを理解できない反面、子どもたちが抱える事情も決して私たちは理解することができな い。それを踏まえて活動することができるようになるまで、時間がかかったと思う。
この活動では子どもの成長を肌で感じることができる反面、学生が子供たちに与える影 響は想像以上に大きい。例えば日々の学習や生活の中で、子どもを叱るということも学生 側の一貫した態度、責任が問われる。これは今でも学んでいる過程であると感じている。
さらに園との関係の重要性を知ることができた。ボランティアは決して一方通行ではな い。窓愛園グループでは園側と学生側のコミュニケーションを欠かさずに活動することを 心掛けており、かつ信頼関係の構築が何よりも大切であると実感している。特に学生側の リーダー陣として、この園との信頼関係を強く感じる機会が増えたことを嬉しく思う。
そして児童養護施設の現状を知ることができた。園にいる子どもの不安や不満を聞くこ と、金銭的事情などで子どもの進路が限られてしまうこと、職員の方の忙しさや、たくさ んの援助から園の運営が成り立っていること。私が活動を通して知れる部分はその中でも ごく一部であると思う。この活動を行っていなければ児童養護施設に関して目を向ける機 会はきっとなかったと思うので、少しでも自分の視野が広まったことを嬉しく思う。
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●大学における学習とのつながり
児童養護施設という環境上、満足な生活環境にいることができなかった子供たちは多い。
そういう現状がある中で、特に人間学群で LDやADHD といった学習障害の基礎知識や、
教育心理学など学習理論に関して学ぶ機会があったことは、活動上とても有益であった。
私の専攻である教育学類の授業では、現在の教育問題の背景を学べることができた。また、
カウンセリングに関する講義や、虐待による心理的影響に関する講義も、園での子供との 関係に生かせればと思い、受講するきっかけとなったと思う。
私はこの活動を通して、児童養護施設で生活している子どもの意識の在り方に関しても 興味をもった。学習指導を通して感じることだが、児童養護施設の子どもたちは相対的に 学力が低く、将来観も様々な事情からうまく描けない子どもが多い。施設の運営を支える 制度の面からも諸課題を探り、必要とされる政策や支援策を見つけたいと感じている。サ ークル活動を通して教育分野への関心が広まったことは確かに感じているところである。
自分で興味を持ったことを深めていく場が大学であると私は考えるので、参加したこと を学習に生かしていくのは学生の姿勢ひとつだと思う。その中で大学側に望むこととして は、活動を通して広がった学生の興味を受け止め、学習や研究に発展していく過程をサポ ートしていただければと思っている。