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公益財団法人 かずさDNA研究所 第5期中期経営計画

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Academic year: 2024

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公 益 財 団 法 人 か ず さ D N A 研 究 所 第 5 期 中 期 経 営 計 画

平 成 3 0 年 3 月

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目 次

Ⅰ か ず さ D N A 研 究 所 の あ り 方

・・・・・・・・・・ 1 こ れ ま で の 歩 み と 成 果

研 究 所 を と り ま く 状 況 の 変 化

研 究 成 果 ・ 技 術 の 社 会 実 装 に む け た 新 た な 展 開 公 益 法 人 と し て の あ り 方 と 千 葉 県 等 へ の 貢 献

こ れ か ら の 研 究 所 の 姿 - 1 0 年 後 に 向 け た ビ ジ ョ ン

( 1 ) 研 究 成 果 の 社 会 実 装 ( 応 用 化 ・ 実 用 化 )

医 療 分 野

農 業 分 野

そ の 他 の 産 業 分 野

教 育 分 野

( 2 ) ト ッ プ レ ベ ル の 研 究 開 発 能 力 の 維 持 確 保

( 3 ) 自 立 型 経 営 の 強 化

Ⅱ 今 後 の 重 点 事 業 と 運 営 方 針 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4

研 究 成 果 の 社 会 実 装

医 療 分 野 へ の 貢 献

〇 希 少 疾 患 遺 伝 子 検 査

〇 千 葉 県 が ん セ ン タ ー 等 県 内 医 療 機 関 と の 協 働 事 業 〇 都 市 エ リ ア 産 学 官 促 進 事 業 の 実 用 化

農 業 分 野 へ の 貢 献

〇 種 子 の 安 定 供 給 に 向 け た 検 査

〇 育 種 プ ロ セ ス の 加 速 に 向 け た 最 先 端 D N A 解 析 技 術 の 導 入 支 援 〇 千 葉 県 農 林 総 合 研 究 セ ン タ ー と の 連 携

そ の 他 の 産 業 分 野 へ の 貢 献 〇 植 物 や 食 品 の 高 精 度 成 分 分 析 〇 遺 伝 子 資 源 提 供

〇 環 境 評 価 へ の 貢 献

〇 千 葉 県 バ イ オ ・ ラ イ フ サ イ エ ン ス ・ ネ ッ ト ワ ー ク 会 議 の 運 営

教 育 分 野 へ の 貢 献

〇 来 訪 者 へ の 啓 発 活 動 〇 教 育 支 援 等 の 啓 発 活 動

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研 究 情 報 の 発 信 に よ る 貢 献

〇 情 報 発 信

〇 D N A R esearch

ト ッ プ レ ベ ル の 研 究 開 発 能 力 の 維 持 確 保

〇 最 先 端 ゲ ノ ム 育 種 技 術 の 開 発

〇 植 物 遺 伝 子 発 現 制 御 の た め の 基 盤 技 術 の 開 発

〇 疾 病 遺 伝 子 研 究

〇 競 争 的 外 部 資 金 の 申 請 ・ 獲 得

自 立 型 経 営 の 強 化

〇 自 立 型 経 営 の 強 化 ・ 推 進

〇 バ イ オ 産 業 技 術 支 援 セ ン タ ー と し て の 活 動

〇 組 織 及 び 人 員 配 置 の 適 正 な 運 用

〇 人 事 評 価 制 度 及 び 給 与 制 度 の 適 正 な 運 用

〇 か ず さ D N A 研 究 所 研 究 評 価 委 員 会 の 活 用

〇 適 正 な 予 算 管 理 と 経 費 の 節 減

〇 契 約 事 務 の 適 正 な 執 行

〇 効 率 的 な 機 器 等 の 調 達 及 び 管 理

〇 施 設 設 備 の 改 修 ・ 更 新 と 有 効 活 用

〇 賛 助 会 員 の 確 保

Ⅲ 計 画 の 進 行 管 理 ・・・・・・・・・・ 1 2

Ⅳ 事 業 目 標 ・・・・・・・・・・ 1 3

Ⅴ 用 語 の 解 説 ・・・・・・・・・・ 1 4

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か ず さ D N A 研 究 所 中 期 経 営 計 画 ( 第 5 期 )

Ⅰ か ず さ D N A 研 究 所 の あ り 方

1 こ れ ま で の 歩 み と 成 果

か ず さDN A研 究 所 は、 あら ゆる生 命 現 象 を 解 明 するた めの キ ーとなる DN Aを 研 究 対 象 と す る 世 界 初 の 専 門 機 関 と し て 、 平 成 6 年 に 開 所 し た 。 以 来 、 短 期 間 の う ちに 微 生 物 、ヒ ト、植 物 の ゲ ノム構 造 解 析 にお いてめざ ま し い 成 果 を あげ 、我 が 国 は も とよ り国 際 的 に も 極 めて高 い 評 価 を 得 た 。そし て、その後 も 高 度 なゲノム 関 連 解 析 技 術 に 支 え ら れた 先 端 的 な研 究 や技 術 開 発 を 継 続 することによ っ て、

研 究 機 関 としての高 い信 頼 を維 持 するとともに、将 来 に向 けた シーズ1の開 発 に 取 り組 んできた。

ま た 、 近 年 に お い て は 、 疾 患 遺 伝 子 検 査 等 の 社 会 資 本 的 活 動 、 ゲ ノ ム 関 連 分 析 受 託 サ ー ビ ス 等 の 産 業 支 援 活 動 、 産 学 官 連 携 の ハ ブ と し て の 役 割 、 中 高 生 ・ 一 般 向 け の 教 育 支 援 活 動 な ど 、 ゲ ノ ム 研 究 が も つ さ ま ざ ま な 社 会 的 波 及 効 果 を検 証 するための試 みを積 極 的 に展 開 してきた。

2 研 究 所 を と り ま く 状 況 の 変 化

この 間 、世 界 的 には 急 速 な人 口 増 加 や新 興 国 の発 展 による食 料 需 要 の 増 加 、 急 激 な 気 候 変 動 等 に よ る 食 料 供 給 の 不 安 定 化 、 さ ら に 我 が 国 に お い て は 急 速 な少 子 高 齢 化 によって生 じ る 様 々な社 会 問 題 など、解 決 すべき課 題 が顕 在 化 し てきた 。これら 諸 課 題 の 解 決 に向 けて、バイ オテク ノロ ジー、とりわけゲノム関 連 技 術 に対 する社 会 の期 待 は大 きい。

ゲ ノ ム 解 析 用 機 器 や 電 子 計 算 機 の 急 速 な 進 歩 と こ れ に 支 え ら れ た 先 進 的 か つ地 道 な基 礎 研 究 、さらにその成 果 から派 生 した さまざまな技 術 開 発 の結 果 、ゲ ノム医 療2、創 薬 、 遺 伝 子 検 査 、有 用 物 質 生 産 、実 用 植 物 の育 種 や 農 業 用 種 子 の 品 質 管 理 、 生 態 調 査 等 の 環 境 評 価 な ど 私 た ち を 取 り 巻 く 広 範 な 用 途 に お いて、ゲノ ム情 報 を 活 用 した技 術 が次 々と社 会 実 装※ 3されつつある。また 、これに とも なっ てゲノ ムや DN Aに 関 する社 会 の理 解 もよ りいっ そう 深 まっ ていることから 、 今 後 関 連 技 術 に 対 す る 社 会 的 な 関 心 や需 要 は 相 乗 的 に 高 ま る こ と が 予 想 さ れ る。か ずさDN A 研 究 所 が過 去 20余 年 の 間 、千 葉 県 の支 援 の も と世 界 を リード し つ つ築 き 上 げ てき た ゲノ ム研 究 の 成 果 や 解 析 技 術 に 対 す る 社 会 の期 待 も 大 き く 膨 らんでいる。

3 研 究 成 果 ・ 技 術 の 社 会 実 装 に む け た 新 た な 展 開

このよう な状 況 から 、かずさ DNA研 究 所 がこれまで医 療 、農 業 、環 境 評 価 、産

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業 支 援 、教 育 などさまざまな分 野 で検 討 し てきた ゲノム研 究 を、 「検 証 」の段 階 か ら 直 接 的 に社 会 に 役 立 つ技 術 に 結 び付 く 「社 会 実 装※ 3」の 段 階 に 大 きく転 換 す る最 適 の時 期 を迎 えていると思 量 される。

開 所 当 初 から実 施 し てきた ヒト遺 伝 子 研 究 の延 長 上 に位 置 づけら れる希 少 難 病 の 遺 伝 学 的 検 査 は 、 平 成 2 9 年 7 月 に 衛 生 検 査 所 の 登 録 を 受 け 、 千 葉 大 学 医 学 部 附 属 病 院 、千 葉 県 こども病 院 など県 内 外 の多 数 の医 療 機 関 の検 査 を担 うなど、すでに 社 会 実 装※ 3の 段 階 にある。 また 、植 物 ゲノム研 究 の成 果 や 関 連 技 術 の 実 用 化 の 例 で あ る D N A マ ー カ ー※ 4を 利 用 し た 各 種 農 作 物 の 種 子 純 度 検 査 に ついては 、すでに 10社 を 超 え る国 内 主 要 種 苗 会 社 か ら さまざまな 作 物 種 子 の 大 規 模 検 査 を 受 託 し ており、農 業 生 産 現 場 への高 品 質 な種 子 の安 定 供 給 に 大 きく貢 献 している。

また 生 体 内 物 質 の 高 精 度 計 測 の 分 析 サ ービ ス、 農 作 物 の 先 端 的 ゲノ ム 育 種 サポート、ヒト由 来 遺 伝 子 資 源 の有 償 提 供 など、開 所 以 来 蓄 積 してきた基 礎 ・基 盤 研 究 の 成 果 を 活 用 し た 実 用 化 、 さ ら に は 社 会 実 装※ 3に向 け た さ ま ざ ま な 試 み が 進 行 中 である。 これら は全 て、社 会 的 な需 要 があるにもかかわら ず市 場 規 模 や 技 術 的 な問 題 などによ り民 間 企 業 が参 入 し にくい分 野 であることか ら 、公 益 法 人 であるかずさDNA研 究 所 の貢 献 に大 きな期 待 がかかっている。

そ こ で 、 本 中 期 経 営 計 画 で は 、 研 究 所 の 将 来 の あ る べ き 姿 を 見 据 え 、 事 業 の 中 心 を こ れ ま で の 「 高 度 な 研 究 開 発 と 成 果 の 社 会 的 波 及 効 果 の 検 証 」 か ら 「 成 果 の 社 会 実 装※ 3を 含 む さ ま ざ ま な 公 益 活 動 」 へ と大 き く 転 換 す る 。 ま た 、 研 究 所 全 体 の組 織 も合 わせて改 正 し、新 たな事 業 展 開 を強 化 する。

4 公 益 法 人 と し て の あ り 方 と 千 葉 県 等 へ の 貢 献

か ず さ D N A 研 究 所 は 、 地 方 公 共 団 体 に 支 え ら れ る D N A 専 門 の 研 究 機 関 と し て 、 開 所 以 来 高 度 な 基 礎 ・ 基 盤 研 究 に加 え て 、 成 果 の 実 用 化 研 究 や 社 会 実 装※ 3、さらには教 育 支 援 にまで至 る幅 広 い活 動 を 精 力 的 に実 施 し 、これまで多 く の 成 果 を あげ てきた 。 一 方 で 、県 の人 的 ・ 財 政 的 関 与 度 が 高 いた め 、 県 か ら は 、

「 公 社 等 外 郭 団 体 の 改 革 方 針 」 に 則 り 、 競 争 力 の あ る 分 野 等 へ の 研 究 活 動 の 重 点 化 や 、 研 究 成 果 の 応 用 ・ 実 用 化 に 向 け た 産 業 技 術 支 援 、 自 立 型 経 営 の 強 化 が要 請 されている。

今 後 は 、 か ず さ D N A 研 究 所 を 支 え る 基 礎 ・ 基 盤 研 究 の 重 点 化 を 図 り つ つ シ ー ズ※ 1の 育 成 に 取 り 組 む こ と で 、 研 究 の 質 を 確 保 す る と と も に 、 事 業 の 中 心 を

「 成 果 の 社 会 実 装※ 3を 含 む さ ま ざ ま な 公 益 活 動 」 へ 転 換 し 、 千 葉 県 ( 民 ) を は じ め、広 く社 会 に貢 献 していくことに重 点 を 置 く。

具 体 的 に は、 千 葉 県 が ん センタ ー 、千 葉 県 こ ども 病 院 、 千 葉 大 学 、 千 葉 県 農 林 総 合 研 究 セ ンタ ー 、教 育 機 関 な どの 県 内 機 関 と の連 携 を い っ そう 強 め て 密 に 協 働 して いくことで、千 葉 県 が実 施 する多 種 多 様 な 取 組 を、公 益 法 人 とし ての独 自 の立 場 から補 完 し 、医 療 、農 業 、産 業 振 興 、教 育 支 援 などの幅 広 い分 野 にわ

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た っ て、 県 民 を は じ め 、広 く社 会 に 対 する 持 続 的 な成 果 還 元 を 具 現 化 し てい く 。 同 時 に 、 第 一 線 の 研 究 機 関 と し て の 社 会 的 信 頼 を 維 持 し 、 ま た 将 来 の 公 益 活 動 に向 けた 新 たなシーズ※ 1を 確 保 するた め、集 中 化 と多 様 性 維 持 のバラ ンスをと りながら高 度 な研 究 開 発 と先 端 技 術 の導 入 を継 続 する。

さ ら に は 、 こ う し た 数 多 く の 活 動 を 長 期 的 に 維 持 す る た め に も 、 公 益 事 業 の 収 益 拡 大 に よ る 自 立 的 事 業 継 続 性 の 確 保 、 よ り 効 率 的 な 研 究 所 運 営 に向 けた 組 織 改 革 、人 事 評 価 、自 立 型 経 営 基 盤 の強 化 等 にも取 り組 む 。

5 こ れ か ら の 研 究 所 の 姿 - 1 0 年 後 に 向 け た ビ ジ ョ ン

D N A 解 析 技 術 や 、 そ の 成 果 の 社 会 実 装※ 3の 取 組 は 、 日 進 月 歩 で 進 ん で お り 、 将 来 の 状 況 を 明 確 に 予 測 す る こ と は 困 難 で あ る 。 し か し な が ら 、 こ う し た 状 況 下 で あ る か ら こ そ 、 研 究 所 の 果 た す 役 割 や 、 将 来 の あ る べ き 姿 、 あ り た い 姿 を 目 指 すべき将 来 像 とし て描 き、そこに 到 達 するまでの道 筋 を 描 いていくことが重 要 と なる。

かずさ DNA 研 究 所 はこれまで県 の支 援 の下 に様 々な成 果 をあ げてきたが、今 後 は 前 述 の研 究 所 をとりまく 状 況 の変 化 等 を 踏 まえ 、 国 内 トップレベルの研 究 開 発 能 力 を も つ 公 的 な D N A 研 究 機 関 と し て 、 D N A に 関 連 す る さ ま ざ ま な 公 益 事 業 を積 極 的 に展 開 し、県 民 や一 般 社 会 に広 く貢 献 していく。

具 体 的 には 、①研 究 成 果 の 社 会 実 装※ 3(応 用 化 ・実 用 化 ) 、② トップ レベルの 研 究 開 発 能 力 の 維 持 確 保 、③ 自 立 型 経 営 の強 化 、を 研 究 所 運 営 の 重 点 課 題 とし て とら え 、 本 中 期 経 営 計 画 に 基 づ く諸 活 動 に 邁 進 す る こ と によ っ て 、 1 0年 後 に次 のような研 究 所 の姿 と成 果 を目 指 したい。

(1)研 究 成 果 の社 会 実 装 (応 用 化 ・実 用 化 )

①医 療 分 野

千 葉 大 学 や千 葉 県 がんセンターとの連 携 により千 葉 県 のゲノム解 析 拠 点 が整 備 され、そこから得 られた 研 究 成 果 が千 葉 県 発 の診 断 法 、治 療 法 の 開 発 につな がっている。また 、国 内 の希 少 難 病 等 の遺 伝 学 的 検 査 で中 心 的 役 割 を果 たし て い る 。 千 葉 県 内 の ゲノ ム 医 療※ 2の 解 析 基 盤 と し て 医 療 ネ ッ ト ワー ク に 求 心 力 を も たらす不 可 欠 の役 割 を果 たし 、公 益 事 業 とし て希 少 難 病 以 外 のがん診 断 にも貢 献 し て い る 。 更 に 診 断 精 度 向 上 に 向 け て 、 遺 伝 子 だ け で な く た ん ぱ く 質 や 代 謝 産 物 測 定 による検 査 も展 開 している。

②農 業 分 野

県 内 外 の 公 的 研 究 機 関 、 民 間 種 苗 会 社 と の 連 携 の 成 果 とし て 、 か ず さ D N A 研 究 所 が 提 供 する最 先 端 の ゲノ ム育 種 技 術 によ っ てさまざまな 作 物 で新 品 種 が 育 成 されつつある。これらを含 めて国 内 種 苗 会 社 が販 売 する作 物 の F1 雑 種 種 子※ 5の 純 度 検 査 は、その 大 部 分 を か ずさDN A 研 究 所 が実 施 し ている。また 、 種 子 病 害 検 査 に お い て 、 種 苗 会 社 と 民 間 検 査 機 関 、 大 学 、 農 林 水 産 省 種 苗 管

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- 4 - 理 センターをつなぐハブ的 機 能 を果 たしている。

③その他 の産 業 分 野

D N Aを 利 用 し た 環 境 調 査 技 術 や 生 体 内 物 質 の大 規 模 分 析 ( メ タ ボロ ー ム 解 析※ 6) 技 術 に よ っ て 、 環 境 、 食 品 分 野 に お い て 千 葉 県 内 の 公 的 機 関 や 民 間 企 業 に最 先 端 の技 術 支 援 を提 供 している。

④教 育 分 野

中 学 生 、高 校 生 が 、学 校 や かずさDNA 研 究 所 でDNA分 析 を体 験 すること に よって生 物 学 への興 味 が高 まり、生 物 学 者 を目 指 す生 徒 も輩 出 されている。ま た、講 演 会 等 でDNAの知 識 や最 新 の研 究 成 果 に接 することで、 一 般 県 民 の生 命 、医 療 、食 品 への理 解 が深 ま っている。

(2)トップレベルの研 究 開 発 能 力 の維 持 確 保

優 秀 な 研 究 者 や 技 術 者 が 多 数 在 籍 し 、 最 先 端 研 究 機 器 を 整 備 す る こ と に よ っ て 、 優 れ た 研 究 成 果 や 新 た な シ ー ズ※ 1が 持 続 的 に 生 み 出 さ れ て い る 。 そ の 結 果 、一 流 の公 的 研 究 機 関 としての実 績 や社 会 的 信 頼 が維 持 ・確 保 されている。

(3)自 立 型 経 営 の 強 化

優 秀 な 研 究 者 や 先 端 的 な 研 究 機 器 な ど 良 質 な 研 究 環 境 が 整 備 さ れ 、 よ り 限 定 された 分 野 で 優 れた 研 究 開 発 が行 われる結 果 、応 用 化 ・実 用 化 につながるシ ーズ※ 1が生 み出 されている。

ま た 、 こ れ ら の 成 果 の 積 み 重 ね に よ っ て 研 究 所 の 社 会 的 信 頼 が 高 ま り 、 そ の 結 果 、競 争 的 外 部 資 金7 等 の獲 得 や多 数 の共 同 研 究 が行 われている。

そ し て 、 研 究 開 発 で 生 み 出 さ れ た シ ー ズ※ 1が 公 益 事 業 と し て 事 業 化 さ れ 、 適 切 な 受 託 価 格 の 設 定 等 を 通 じ て 得 ら れ た 収 益 が 公 益 事 業 の 安 定 的 継 続 を 担 保 する体 制 が構 築 されている。

加 え て 、 研 究 開 発 と 公 益 事 業 の 好 バ ラ ン ス を 維 持 ・ 拡 大 し て い く た め の 自 立 性 に 優 れ た 経 営 が 行 わ れ 、 人 ・ 予 算 等 の 計 画 的 ・ 戦 略 的 な 資 源 配 分 や 将 来 に 備 えた資 金 計 画 等 の実 現 に向 けて取 り組 んでいる。

Ⅱ 今 後 の 重 点 事 業 と 運 営 方 針

か ず さ D N A 研 究 所 は 、 開 所 以 来 高 度 な 基 礎 ・ 基 盤 研 究 を 中 心 に 据 え 、 こ こ か ら 派 生 す る 応 用 研 究 や 実 用 化 研 究 、 成 果 の 社 会 実 装※ 3、 さ ら に は教 育 支 援 ま で 幅 広 い 活 動 を 展 開 し て き た 。 そ の 結 果 、 地 方 公 共 団 体 に支 え ら れ る 高 度 か つ ユ ニ ー ク な 研 究 機 関 と し て 、 学 会 と 産 業 界 の 両 者 か ら 高 い 評 価 を 受 け る に 至 った。

本 中 期 経 営 計 画 では、「 これからの研 究 所 の姿 - 10年 後 に向 けたビジョ ン」を

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踏 まえ 、 研 究 開 発 に 主 体 を お いた こ れま での活 動 か ら 、 成 果 の社 会 実 装※ 3を 中 心 とする公 益 事 業 に 重 点 を置 く新 たな段 階 へと転 換 することで 、千 葉 県 民 をはじ め広 く社 会 へ貢 献 する。

ま た 、 研 究 成 果 の 社 会 実 装※ 3を 見 据 え て 研 究 の 重 点 化 を 図 り つ つ 、 公 益 事 業 の実 施 に不 可 欠 な新 たなシーズ※ 1の育 成 や 、ゲノム解 析 技 術 の整 備 等 による ト ッ プ レ ベ ル の 研 究 開 発 能 力 の 維 持 確 保 に 取 り 組 む と と も に 、 自 立 型 経 営 の 強 化 に取 り組 む。

なお 、本 中 期 経 営 計 画 の 期 間 は 、DN Aを 取 り巻 く 技 術 革 新 の 進 歩 等 を 踏 ま え、平 成 30年 度 から5年 間 とする。

1 研 究 成 果 の 社 会 実 装

か ず さ D N A 研 究 所 が 開 所 以 来 一 貫 し て 開 発 、 整 備 を 進 め て き た ゲ ノ ム 解 析 技 術 は 、今 や社 会 に必 須 な技 術 とし て 広 く受 け入 れら れて いる。しか し ながら 、そ の社 会 実 装※ 3においては、国 家 主 導 のプ ロジェクトや収 益 目 的 の企 業 体 が先 導 す る も の が 大 半 を 占 め て お り 、 真 に 社 会 ニ ー ズ に 沿 っ た 事 業 が 社 会 の 仕 組 み に 組 み込 まれて機 能 し ているとは言 い難 い 。

か ずさ DN A研 究 所 は 、 ゲノ ム解 析 技 術 を 幅 広 い用 途 に向 け て 事 業 展 開 する た め の 高 い 能 力 を 有 す る 国 際 的 に も 極 め て 稀 な 研 究 機 関 で あ る 。 研 究 所 が 公 益 財 団 法 人 と し て 、 こ れ ま で に 蓄 積 さ れ た 研 究 成 果 や ノ ウ ハ ウ 並 び に 千 葉 県 の 支 援 の 下 に 整 備 さ れ た イ ンフラ ストラ ク チャ ー※ 8を 活 用 し た 独 自 の 公 益 事 業 を 展 開 し て 社 会 に 貢 献 す る こ と は 、 社 会 情 勢 や ニ ー ズ に 合 致 し て お り 、 ま た 社 会 か ら の要 請 も強 い。そこで、本 中 期 経 営 計 画 では、これまで培 った研 究 成 果 を活 かし た以 下 の公 益 事 業 の本 格 的 な展 開 を図 る。

① 医 療 分 野 へ の 貢 献

〇 希 少 疾 患 遺 伝 子 検 査

希 少 疾 患 の 遺 伝 子 検 査 は 、 医 療 現 場 の 強 い 要 望 が あ る に も か か わ ら ず 、 個 々に は 少 数 であるが 故 に 民 間 臨 床 検 査 会 社 が対 応 せず、 また 大 学 等 の 公 的 研 究 機 関 も研 究 費 の枯 渇 から対 応 が困 難 である。これまで、か ずさDN A研 究 所 で は 、 県 内 外 の 医 療 機 関 と の ネ ッ ト ワ ー ク を 構 築 し つ つ 、 こ の よ う な 臨 床 的 遺 伝 子 検 査 を 実 施 し 高 い 評 価 を 受 け て き た 。 今 後 は 、 本 事 業 を さ ら に 拡 大 し 、 継 続 的 に 安 定 し た 公 益 的 検 査 事 業 と し て 実 施 す る 。 そ し て 、 こ の 我 が 国 唯 一 の 公 的 立 場 と し て の 遺 伝 子 検 査 施 設 の 存 在 を 活 用 し 、 千 葉 県 内 の ゲ ノ ム 医 療※ 2の 実 現 に貢 献 する。

〇 千 葉 県 が ん セ ン タ ー 等 県 内 医 療 機 関 と の 協 働 事 業

千 葉 県 がんセンター、千 葉 県 こども病 院 、千 葉 大 学 医 学 部 附 属 病 院 、ちば県 民 保 健 予 防 財 団 な ど 県 内 の 医 療 機 関 と の連 携 を 深 め 、 各 々 の専 門 性 を 活 か し

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た 分 業 体 制 の も と 、 協 働 し て 千 葉 県 にお け るゲ ノ ム医 療※ 2の 実 現 を 目 指 す 。 こう し た 分 業 体 制 の 効 率 化 の た め に 、 ク ロ ス アポ イ ン ト メ ント 制 度※ 9の 導 入 な ど によ る 千 葉 大 学 医 学 部 等 と の 人 事 交 流 も 実 施 す る 。 そ の中 で 、 か ずさ D N A 研 究 所 は 、 遺 伝 子 、タ ンパ ク 質 、代 謝 産 物 などの臨 床 的 な解 析 拠 点 とし て の活 動 を 公 益 事 業 として実 施 する 。

〇 都 市 エ リ ア 産 学 官 促 進 事 業 の 実 用 化

免 疫 ・ ア レ ル ギ ー 疾 患 の 克 服 を 目 指 し た 都 市 エ リ ア 産 学 官 促 進 事 業 の 研 究 成 果 を 、都 市 エリ ア 参 画 企 業 及 びか ずさ 発 ベンチャ ー企 業 (( 株 )か ずさゲノ ムテ ク ノ ロ ジーズ) を 通 じて実 用 化 する。 また 、 千 葉 県 内 外 の企 業 間 の連 携 関 係 を 構 築 するた めの 橋 渡 し 役 を 果 た すことによ り 、 本 事 業 で 生 み出 さ れた 産 業 シー ズ※ 1

の実 用 化 を加 速 する。

② 農 業 分 野 へ の 貢 献

〇 種 子 の 安 定 供 給 に 向 け た 検 査

育 種 の 素 材 となる遺 伝 資 源 や育 成 された 品 種 、さら に 農 家 に販 売 される 種 子 の品 質 管 理 には 、コスト、精 度 の両 面 で DNAマーカー※ 4を 用 いた最 新 の 技 術 が 有 効 である。そこで、 か ずさDN A研 究 所 がも つDN Aマーカー※ 4関 連 技 術 やゲノ ム情 報 を 活 用 し て、検 査 技 術 の 最 適 化 や検 査 サービスを 実 施 することによ っ て、

高 品 質 種 子 の安 定 的 提 供 を実 現 し、農 作 物 の高 品 質 化 に 貢 献 する。

〇 育 種 プ ロ セ ス の 加 速 に 向 け た 最 先 端 D N A 解 析 技 術 の 導 入 支 援 食 料 需 要 の 増 加 や 消 費 者 ニ ー ズ の 多 様 化 、 急 速 な 気 候 変 動 に よ る 病 虫 害

の 拡 大 な ど に 迅 速 に 対 応 す る た め 、 新 品 種 育 成 プ ロ セ ス の 加 速 は 喫 緊 の 課 題 で あ り 、 こ れ に 対 す る 有 効 な 手 段 の 一 つ と し て 、 ゲ ノ ム 情 報 を 利 用 し た DN A マ ー カ ー※ 4選 抜 育 種 に 大 きな期 待 が寄 せら れ ている。そ こで、 民 間 種 苗 会 社 や地 域 の 公 的 研 究 機 関 に 対 し て 、 か ず さ D N A 研 究 所 が 開 所 以 来 蓄 積 し て き た D N A マーカー※ 4関 連 解 析 技 術 や情 報 を活 用 し たサービスを提 供 することによって、国 内 種 苗 産 業 の国 際 的 競 争 力 の向 上 を通 して農 業 の活 性 化 に 貢 献 する。

〇 千 葉 県 農 林 総 合 研 究 セ ン タ ー と の 連 携

かずさDN A研 究 所 と 千 葉 県 農 林 総 合 研 究 センターとの連 携 は開 所 直 後 から 進 めら れて おり、現 在 は落 花 生 やカラーなど県 特 産 物 の新 品 種 育 成 に向 けた共 同 育 種 が 進 行 中 であ る。本 中 期 経 営 計 画 においても 、 さま ざま な育 種 素 材 や育 種 ・ 栽 培 技 術 を 有 す る 千 葉 県 農 林 総 合 研 究 セ ン タ ー に 対 し て 、 か ず さ D N A 研 究 所 が 先 端 的 DN A 解 析 技 術 を 提 供 す る 全 国 で も ユニ ーク な 連 携 を 継 続 し 、画 期 的 な新 品 種 の育 成 を目 指 す。

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③その 他 の産 業 分 野 への貢 献

〇 植 物 や 食 品 の 高 精 度 成 分 分 析

ゲノ ム研 究 の 応 用 展 開 とし て、工 業 原 材 料 や 食 品 に含 まれる成 分 など 植 物 が 生 産 する 有 用 成 分 を 網 羅 的 に 解 析 す る先 端 技 術 (メ タ ボロ ーム 解 析※ 6) の 整 備 を 進 め て き た 。 本 中 期 経 営 計 画 に お い て も 、 メ タ ボ ロ ー ム 解 析6 技 術 の 社 会 実 装※ 3に向 けて、産 業 界 のニーズに 応 じた研 究 サポート体 制 の整 備 や分 析 受 託 を 継 続 する。また 、千 葉 大 学 医 学 部 等 との連 携 によ り、体 内 の 成 分 が 免 疫 ・アレル ギ ー 疾 患 発 症 に ど う 関 わ る か を 明 ら か に し 、 そ の 知 見 を 基 礎 と し た 新 た な 診 断 ・ 治 療 法 の可 能 性 も模 索 する。

〇 遺 伝 子 資 源 提 供

か ず さ D N A 研 究 所 は 、 開 所 以 来 D N A の 構 造 解 析 を 通 じ て ヒ ト や 植 物 、 ラ ン 藻 や 根 粒 菌 に 由 来 す る 大 規 模 な 遺 伝 子 資 源 の 収 集 と 保 存 を 行 っ て い る が 、 今 後 も 引 き 続 き 研 究 コ ミ ュ ニ テ ィ ー に 対 す る こ れ ら の 遺 伝 子 資 源 の 供 給 を 行 い 、 さ まざまな基 礎 応 用 研 究 の発 展 に貢 献 する 。

〇 環 境 評 価 へ の 貢 献

房 総 半 島 に は 、 固 有 の ニ ホ ン ザ ル が 生 息 し て い る が 、 飼 育 施 設 な ど か ら 逃 げ 出 し た 外 来 アカゲザル とニホンザルとの交 雑 が進 むことが懸 念 されてい る。か ずさ DNA研 究 所 では 、 これまで千 葉 県 からの依 頼 を受 け交 雑 確 認 のための DN A検 査 を実 施 してきた。また、近 年 の技 術 開 発 によって、対 象 生 物 を捕 獲 することなく 土 壌 、 水 、 糞 便 か ら 抽 出 し た D N A を 分 析 す る こ と で そ こ に 生 息 す る 生 物 種 を 特 定 することも 可 能 になりつつある。 今 後 は、最 新 の検 出 技 術 を導 入 ・ 整 備 し 、DN Aによる各 種 環 境 評 価 事 業 を引 き続 き実 施 する。

〇 千 葉 県 バ イ オ ・ ラ イ フ サ イ エ ン ス ・ ネ ッ ト ワ ー ク 会 議 の 運 営

バ イ オ関 連 分 野 の新 た な産 業 や事 業 の創 出 を 支 援 するた め、 千 葉 県 バ イ オ・

ライフサイ エンス・ネットワーク 会 議 の事 務 局 を県 とともに担 い、 会 員 等 のニーズに 応 じ た セミ ナーや交 流 会 を 開 催 し 、産 学 官 交 流 の 場 を 積 極 的 に 提 供 する。併 せ て、 ちば 新 産 業 創 出 ネッ トワ ーク やち ばの 「食 」産 業 連 絡 協 議 会 な ど、 他 のネ ット ワー ク 組 織 等 と の連 携 を 進 め 、 共 同 研 究 等 のた めの シ ーズ1 発 掘 やマ ッ チ ング を促 進 する。

④教 育 分 野 への貢 献

〇 来 訪 者 へ の 啓 発 活 動

かずさ DNA 研 究 所 の幅 広 い活 動 が県 内 外 の方 に認 知 されるよう視 察 ・見 学 者 の 受 け 入 れ 体 制 を よ り 充 実 さ せ 、 所 内 の 展 示 物 の 更 新 を 図 っ た り 、 簡 易 な 実 験 を今 以 上 に取 り入 れる等 の工 夫 によって、DNA 研 究 への興 味 や理 解 がより深

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まるよ う な方 法 の 検 討 を 進 め る 。また 、 開 所 以 来 毎 年 実 施 し てい る「 開 所 記 念 講 演 会 」を 始 め とす る 講 演 会 や 「研 究 所 の 一 日 公 開 」等 を 通 じ て 、 D N A 研 究 の 重 要 性 や現 状 などに つ いて分 か りやすく説 明 する啓 発 活 動 の 推 進 に取 り組 ん でい く。

〇 教 育 支 援 等 の 啓 発 活 動

これ まで 地 元 4 市 に ある中 学 ・高 校 等 に 出 向 い て実 験 を 行 う 「DN A 出 前 講 座 」 を 開 催 してきたが 、2年 前 よ りその 活 動 範 囲 を千 葉 県 全 域 に広 げてきた 。本 中 期 経 営 計 画 におい て も この 活 動 を 継 続 す る ほ か 、よ り多 く の生 徒 にDN A 研 究 の重 要 性 を 知 っ て も ら う た め 、 千 葉 県 教 育 委 員 会 と 連 携 し て 千 葉 県 夢 チ ャ レ ン ジ 体 験 スクールとし て、サイ エンススク ールや先 端 技 術 体 験 キ ャンプを 実 施 し 、 生 徒 の 指 導 に 直 接 関 わる教 員 向 けの 研 修 も 計 画 的 に行 っ ていく。 また 、高 校 部 活 動 の 支 援 に 加 え て、科 学 技 術 を 担 う 人 材 育 成 の一 環 とし て、文 部 科 学 省 のスーパ ー サイ エンスハ イ スク ール(S S H )指 定 校 との連 携 事 業 を 継 続 し 、高 度 な分 子 生 物 学 に 関 する 実 習 を 体 験 させる ととも に、教 員 と連 携 し て新 た な カリキ ュラ ムの開 発 や実 践 を 進 める 。 さら に 、地 元 4市 の教 育 委 員 会 、各 社 会 教 育 施 設 、県 立 現 代 産 業 科 学 館 や 中 央 博 物 館 、近 隣 団 体 等 と の連 携 を 強 化 し 、 子 ど も の 理 科 離 れ の解 消 に向 けて協 力 し、理 科 教 育 の推 進 に引 き続 き貢 献 していく。

ま た 、 よ り 幅 広 い 世 代 を 対 象 と し て 公 民 館 等 で 実 施 す る 「 D N A 出 前 講 座 」 を 拡 大 し 、 小 学 生 向 け の 科 学 教 室 や 一 般 ・ シ ニ ア 向 け の 生 涯 学 習 的 な 講 座 も 積 極 的 に開 催 していく。

⑤研 究 情 報 の発 信 によ る貢 献

〇 情 報 発 信

研 究 開 発 の 成 果 を 学 会 や 産 業 界 に 向 け て 発 信 し 、 そ の 活 用 を 図 る た め 、 学 術 誌 へ の 研 究 論 文 の 投 稿 や 国 内 外 の 学 術 集 会 で の 発 表 、 研 究 所 主 催 の セ ミ ナ ー ・ ワ ー ク シ ョ ップ 等 を 実 施 す る 。 また 、 一 般 向 け と し て は 、最 新 の 研 究 開 発 の 成 果 に つ い て 、 県 内 を 中 心 とし た プ レス リ リ ー スを 積 極 的 に 行 っ て い く ほ か 、 ホ ー ムページを通 じ て 最 新 の活 動 情 報 を 世 界 に向 けて 公 開 し ていく。さら に、研 究 開 発 の成 果 や世 界 のDNA研 究 の 動 向 、研 究 所 で行 う 各 種 イベントなどを分 か りや す く 紹 介 す る ニ ュ ー ス レ タ ー を 発 行 す る と と も に 、 研 究 所 の マ ス コ ッ ト キ ャ ラ ク タ ー などを最 大 限 に活 用 し、親 しみやすい研 究 所 となるようPR活 動 を推 進 する。

ま た 、 県 等 の 関 係 機 関 と の 交 流 や 情 報 交 換 に 引 き 続 き 努 め る と と も に 、 活 動 の成 果 をまとめた 年 報 を発 行 し、関 係 者 に配 布 する。

〇 D N A Research

研 究 所 の 存 在 を 国 内 外 に ア ピ ール す ると と も に 、 大 学 や 学 会 等 と の 交 流 を 密 に し 、 研 究 レ ベ ル の 国 際 性 を 向 上 さ せ る た め に 、 平 成 6 年 よ り 、 遺 伝 子 及 び ゲ ノ

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ム 構 造 、 D N A 解 析 技 術 、 コ ン ピ ュ ー タ 解 析 法 等 に 関 す る 研 究 成 果 を 報 告 す る 国 際 学 術 雑 誌 「DN A Resear ch」を発 行 している。

発 行 以 来 2 0 余 年 を 経 た 現 在 で は 国 内 自 然 科 学 専 門 誌 の中 で も 5 本 の 指 に 入 る イ ン パ ク ト フ ァク タ ー※ 1 0を 誇 る と と も に 海 外 か ら の 投 稿 も 増 え て 高 い レ ベ ル に あ る 。 本 中 期 経 営 計 画 に お い て も 「 D N A Resear ch」 の 事 務 体 制 を 整 備 す る な ど 引 き 続 き 質 の 高 い 情 報 を 発 信 し て い く こ と に よ り 、 学 界 に お け る 研 究 所 の プ レ ゼンスと評 価 の向 上 に役 立 てる 。

2 トップレベルの研 究 開 発 能 力 の維 持 確 保

か ず さ D N A 研 究 所 は 、 D N A 研 究 を 専 門 的 に 行 い 、 か つ 地 方 公 共 団 体 が 支 援 す る と い う 世 界 的 に み て も ユ ニ ー ク な 研 究 機 関 と し て 認 知 さ れ て お り 、 開 所 以 来 、 ゲ ノ ム 研 究 に お いて 優 れた 成 果 を あ げ続 け る こと で 、 国 内 外 か ら 高 い評 価 を 受 けてきた。そし て、これによって得 ら れた 強 い信 頼 のも とに、 さまざまな公 益 活 動 や 産 業 支 援 を 幅 広 く 展 開 し て き た 。 こ れ ら の 実 績 は 、 最 先 端 の 研 究 機 器 や ゲ ノ ム 関 連 分 析 技 術 、 優 秀 な 研 究 者 や 技 術 者 の 全 て が そ ろ っ て 初 め て 成 し 遂 げ ら れたものである。

本 中 期 経 営 計 画 で は 、 研 究 成 果 の 応 用 ・ 実 用 化 ( 社 会 実 装※ 3) が 謳 わ れ て お り 、 高 品 質 な 公 益 サ ー ビ ス や 産 業 支 援 、 教 育 支 援 等 を 将 来 に わ た っ て 持 続 的 に 実 施 し て い くた めに は 、 研 究 活 動 の 重 点 化 を 図 りつつも 時 代 を リード す る先 端 研 究 開 発 に よ る シ ー ズ※ 1の 育 成 や 、 先 進 的 な 研 究 機 関 と し て の 高 い 評 価 の 維 持 が必 要 不 可 欠 である。

研 究 開 発 の 方 向 性 や 規 模 に つ い て は 、 外 部 委 員 で 構 成 さ れ る 「 か ず さ D N A 研 究 所 研 究 評 価 委 員 会 」 の 意 見 等 を 踏 ま え つ つ 、 シ ー ズ※ 1の 多 様 性 の 確 保 と 重 点 化 のバランスを勘 案 して決 定 する。

〇 最 先 端 ゲ ノ ム 育 種 技 術 の 開 発

か ずさDN A研 究 所 の 主 要 プロ ジェク トである植 物 ゲノム構 造 解 析 を さら に多 様 な 実 用 植 物 に 展 開 し 、 有 用 ゲ ノ ム 情 報 の 収 集 を 継 続 す る 。 ま た 、 ゲ ノ ム 配 列 変 異 の 高 精 度 な 検 出 と 統 計 学 、 遺 伝 学 、 電 子 計 算 機 に よ る モ デ ル 構 築 技 術 、 画 像 解 析 技 術 を 融 合 させることで、世 界 最 先 端 のゲノム育 種 技 術 を開 発 する。 さら に ゲノ ム配 列 か ら 植 物 の 形 質 まで多 岐 に わた る大 規 模 データ を 格 納 し 、そ こか ら 必 要 な情 報 を 抽 出 するビッグデータ 分 析 に適 したデータ ベースを 開 発 し 、研 究 な ら び に 産 業 界 へ 植 物 ゲ ノ ム 情 報 を 発 信 す る 基 地 と な る こ と を 目 指 す 。 同 時 に 高 度 な ゲ ノ ム 解 析 技 術 を 実 用 技 術 に 落 と し 込 み 、 D N A マ ー カ ー※ 4育 種 の 更 な る 普 及 を目 指 す。

これに よ っ て学 会 を先 導 し 、か ずさDN A研 究 所 の研 究 開 発 レベルの高 さを 示 すと同 時 に、将 来 の 社 会 実 装※ 3に向 けたシーズ※ 1として活 用 する。

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〇 植 物 遺 伝 子 発 現 制 御 の た め の 基 盤 技 術 の 開 発

こ れ ま で 培 っ た 人 工 染 色 体1 1 研 究 の 知 識 と 経 験 を 活 か し て 、植 物 細 胞 に 外 部 か ら 導 入 し た 代 謝 関 連 遺 伝 子 の 発 現 を 制 御 す る た め の 技 術 開 発 を 行 う 。 新 エ ネ ル ギ ー ・ 産 業 技 術 総 合 開 発 機 構 (NEDO) の 資 金 に よ り 実 施 す る 。

〇 疾 病 遺 伝 子 研 究

ゲノ ム医 療※ 2の 実 現 のた めに、千 葉 大 学 未 来 医 療 教 育 研 究 機 構 、千 葉 県 が ん センタ ー 等 との 連 携 研 究 を 加 速 し 、か ずさDN A研 究 所 の 保 有 する ゲノム 解 析 技 術 とイ ン フラ ストラ ク チャー※ 8の 活 用 効 率 を 最 大 化 し て、難 治 性 疾 患 の克 服 に 向 けた先 端 的 な 研 究 を 実 施 する。特 に千 葉 大 学 医 学 部 とは相 互 の人 材 交 流 の 下 に、千 葉 大 学 の高 度 な治 療 学 とかずさ DNA 研 究 所 のゲノム解 析 技 術 の融 合 研 究 を推 進 する。

〇競 争 的 外 部 資 金 の 申 請 ・獲 得

競 争 的 外 部 資 金7は省 庁 等 の資 金 配 分 主 体 が広 く研 究 開 発 課 題 等 を募 り、

複 数 の 専 門 家 の評 価 に 基 づいて競 争 的 に選 抜 し 、研 究 者 等 に配 分 される研 究 資 金 である。かずさ DNA 研 究 所 は、トップレベルの研 究 開 発 能 力 を維 持 するた め 、 単 独 あ る い は 千 葉 大 学 や 千 葉 県 がん セ ン タ ー を 始 め と する 他 の 研 究 機 関 と 共 同 で、引 き続 き競 争 的 外 部 資 金7の申 請 ・獲 得 に努 める。

3 自 立 型 経 営 の 強 化

かずさ DNA 研 究 所 が、今 後 も「公 益 財 団 法 人 」として、公 益 性 と先 進 性 を維 持 し つ つ 、 継 続 的 か つ 安 定 的 に 事 業 を 実 施 し て い く た め に は 、 経 営 の 自 主 性 ・ 自 立 性 を 高 め る な ど 、 自 立 型 経 営 の 強 化 に 向 け て 、 更 な る 取 組 を 進 め て い く 必 要 がある。

なお、県 補 助 金 に よ る財 源 に ついては、 当 初 3年 間 は、原 則 とし て毎 年 1%程 ず つ 抑 制 し 、 そ の 後 は 、 本 中 期 経 営 計 画 の 取 組 の 進 捗 状 況 等 を 踏 ま え つ つ 、 県 と協 議 を進 めていく。

〇 自 立 型 経 営 の 強 化 ・ 推 進

最 先 端 の 研 究 レ ベ ル の 維 持 と 研 究 成 果 の 社 会 実 装※ 3化 を 進 め る た め に は 、 計 画 的 か つ 安 定 的 な 研 究 所 運 営 が 求 め ら れ る 。 そ の た め 、公 益 目 的 事 業 会 計 の公 1・公 2を統 合 するなど、戦 略 的 ・機 動 的 な資 源 配 分 を行 う 仕 組 みづくりを 行 っ た 。 今 後 も 、 こ う し た 仕 組 み を 活 用 し 、 研 究 成 果 の 公 益 事 業 化 の 推 進 や 収 益 性 の 向 上 に よ る 自 主 財 源 の 拡 充 を 図 る と と も に 、 引 き 続 き 計 画 的 、 効 率 的 な 予 算 の執 行 と経 費 の節 減 を行 い、併 せて、将 来 の費 用 に計 画 的 に備 えるための仕 組 みづくりを検 討 するなどにより 、先 進 性 と独 自 性 を失 う ことなく自 立 型 経 営 の強

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- 11 - 化 を推 進 していく。

〇 バ イ オ 産 業 技 術 支 援 セ ン タ ー と し て の 活 動

公 益 性 の高 い検 査 事 業 、公 的 機 関 や 民 間 に対 する高 度 な技 術 支 援 を行 うた め、各 種 技 術 を専 門 とする研 究 者 や技 術 者 をゲノム事 業 推 進 部 に集 約 し、最 新 技 術 の 整 備 や提 供 を 行 う ととも に、 企 業 への訪 問 や学 会 等 への出 展 等 に よ る積 極 的 なPR活 動 によって事 業 の拡 大 を図 る。

また 、企 業 や公 的 研 究 機 関 の多 様 なニーズに応 え るた め、現 場 ニーズの把 握 に努 め、最 先 端 の幅 広 い分 析 技 術 を整 備 し、サービスメニューの 拡 充 を図 る。

さら に は 、か ず さ 発 の ベン チャ ー企 業 ( ( 株 ) か ずさ ゲ ノム テク ノロ ジー ズ)に 対 し て積 極 的 な支 援 を行 い、かずさ DNA 研 究 所 の研 究 成 果 の 社 会 実 装※ 3を加 速 させる。

加 えて、県 から 期 待 される産 業 支 援 の役 割 を果 た しつつ、受 託 事 業 の原 価 計 算 等 に 基 づ く 価 格 設 定 や 、 収 支 を よ り 詳 細 に 検 討 し て 明 確 化 す る な ど 、 経 費 の 回 収 意 識 を高 め、自 主 財 源 確 保 に向 けた 取 組 を強 化 する。

〇 組 織 及 び 人 員 配 置 の 適 正 な 運 用

本 中 期 経 営 計 画 の 重 点 事 業 や運 営 方 針 に合 わ せ 、 先 端 研 究 部 ・技 術 開 発 研 究 部 ・ バ イ オ研 究 開 発 部 の 3 部 体 制 か ら 2部 体 制 に す る 。 技 術 開 発 研 究 部 と バ イ オ研 究 開 発 部 を 統 合 し た ゲノ ム事 業 推 進 部 では主 に これ までに培 っ た 研 究 成 果 の 社 会 実 装※ 3を 中 心 と し て 活 動 を 行 い 、 先 端 研 究 開 発 部 で は 主 に か ず さ D N A 研 究 所 が 行 う 事 業 の シ ー ズ※ 1や 技 術 を 蓄 積 す る た め の 高 度 な 応 用 基 盤 研 究 を中 心 に活 動 を行 う 。

ゲノ ム事 業 推 進 部 と先 端 研 究 開 発 部 が 密 接 に連 携 し 、公 益 事 業 の実 施 に係 る組 織 体 制 を 一 本 化 することで、 事 業 の重 点 化 や 公 益 事 業 の拡 大 などによ る業 務 量 の 増 減 に 対 し て正 規 職 員 、非 正 規 職 員 と も に 柔 軟 な 人 員 配 置 を 行 う と と も に、研 究 者 を財 政 面 から的 確 にサポートできる自 立 的 な経 営 体 制 の確 立 を目 指 す。

〇 人 事 評 価 制 度 及 び 給 与 制 度 の 適 正 な 運 用

正 規 職 員 に 研 究 業 績 や 研 究 所 へ の 貢 献 度 に 応 じ た 実 績 な ど を 給 与 に 反 映 さ せ る 人 事 評 価 制 度 を 導 入 し て お り 、 引 き 続 き 職 員 の 育 成 に 重 点 を 置 き な が ら 効 果 的 な 運 用 を 行 っ て い く 。 給 与 制 度 に お い て は 、 他 の 研 究 機 関 の 給 与 水 準 を参 考 にし、適 正 な運 用 に努 める。

〇か ずさDN A研 究 所 研 究 評 価 委 員 会 の 活 用

社 会 の 要 請 、 時 代 の変 化 等 に 対 応 し た 高 度 か つ 効 率 的 な 研 究 の 推 進 に 関 し て、外 部 の有 識 者 か ら 構 成 される研 究 評 価 委 員 会 で得 た 助 言 を 理 事 会 等 に 報

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- 12 - 告 するなどして有 効 活 用 に努 める。

〇 適 正 な 予 算 管 理 と 経 費 の 節 減

限 ら れ た 予 算 を 計 画 的 、 効 率 的 に 執 行 す る た め 、 年 度 当 初 に 各 部 に 配 賦 し た 予 算 の 執 行 状 況 確 認 を 適 時 行 う と と も に 、 職 員 に 対 し 公 益 法 人 会 計 基 準 等 関 係 規 程 等 の順 守 を徹 底 し 、内 部 牽 制 機 能 の強 化 を 図 る。 また 、入 札 ・契 約 情 報 等 の情 報 公 開 を進 め、予 算 執 行 の透 明 性 の確 保 に努 める。

〇 契 約 事 務 の 適 正 な 執 行

限 ら れた予 算 を 効 率 的 に活 用 するた め、引 き続 き競 争 入 札 による契 約 を 原 則 とし 、随 意 契 約 によ る場 合 は、真 にやむを 得 ないも のに限 定 することでよ り一 層 の 経 費 の節 減 に努 める。

〇 効 率 的 な 機 器 等 の 調 達 及 び 管 理

機 器 等 の 購 入 に つ い て は 、 他 部 署 と 重 複 さ せ な い な ど 無 駄 の な い よ う に 、 調 達 に 関 す る 購 入 計 画 の 作 成 や 情 報 の 共 有 を 図 り 、 機 器 等 の 更 新 に つ い て は 、 引 き 続 き 環 境 基 準 を 満 た し た 製 品 や 省 エネ 効 果 の高 い 機 種 の選 定 を す る と と も に 、 そ の 必 要 性 の 検 討 や 購 入 契 約 と リ ー ス 契 約 の 比 較 を 行 う 。 ま た 、 契 約 方 法 の検 討 を十 分 行 い、効 率 的 で経 済 的 な調 達 の徹 底 を図 る。

〇 施 設 設 備 の 改 修 ・ 更 新 と 有 効 活 用

研 究 所 建 設 以 来 2 0余 年 が 経 過 し 、 施 設 設 備 の 老 朽 化 が 著 し く 進 ん で お り 、 機 能 維 持 と 安 全 性 確 保 の た め 、 優 先 順 位 を 見 極 め 、 計 画 的 か つ 効 率 的 な 改 修 ・ 更 新 が 進 め ら れ る よ う 県 と の 協 議 を 進 め て い く 。 ま た 、 県 と 共 同 し て 空 室 と な っ て いる 共 同 研 究 フ ロ アの 入 居 者 及 び 共 同 研 究 先 の 確 保 に 努 め 、 施 設 の有 効 活 用 を図 る。

〇 賛 助 会 員 の 確 保

かずさDNA研 究 所 の設 立 趣 旨 や公 共 性 の高 い研 究 活 動 に対 して理 解 を求 め る と と も に 、 賛 助 会 員 に 対 す る 優 遇 措 置 を 設 け る こ と に よ っ て 、 取 引 先 等 に 対 して入 会 を勧 め、新 規 加 入 の促 進 に努 める。

Ⅲ 計 画 の 進 行 管 理

本 中 期 経 営 計 画 に 掲 げ た 取 組 を 着 実 に 実 施 し て い く た め に は 、 限 ら れ た 資 源 を 効 率 的 ・効 果 的 に活 用 すると とも に 、 研 究 の 重 点 化 等 を 図 る 必 要 があ り、そ の た め に は 、 毎 年 度 の 取 組 状 況 を 点 検 ・ 分 析 し 、 必 要 な 改 善 に 取 り 組 む こ と が

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- 13 - 重 要 である。

こ の た め 、 毎 年 度 末 、 外 部 委 員 で 構 成 さ れ る 「 か ず さ D N A 研 究 所 研 究 評 価 委 員 会 」において 、研 究 の重 要 性 ・必 要 性 等 の視 点 から 、検 討 ・ 評 価 を実 施 し 、 そ の 結 果 及 び 対 応 方 針 に つ い て 理 事 会 に 報 告 す る 。 ま た 、 自 立 型 経 営 の 強 化 を 図 る た め 、 部 門 別 収 支 の 明 確 化 や 分 析 な ど を 行 い 、 そ の 進 捗 を 理 事 会 に 報 告 する。

本 中 期 経 営 計 画 の 中 間 年 に は 、 研 究 評 価 委 員 会 の 結 果 を 踏 ま え て 評 議 員 会 に お い て 中 間 評 価 を 行 い 、 必 要 に 応 じ て 本 中 期 経 営 計 画 を 修 正 す る な ど 、 機 動 的 、弾 力 的 な対 応 に努 める。また 、計 画 期 間 終 了 時 までに、各 事 業 の達 成 度 等 に つ いて 評 価 を 行 い 、 「 こ れか ら の研 究 所 の 姿 - 1 0年 後 に向 けた ビ ジョ ン 」 の実 現 に向 けた次 期 中 期 経 営 計 画 を策 定 していく。

Ⅳ 事 業 目 標

本 計 画 に登 載 した 事 業 のうち、 計 画 における 具 体 的 な数 値 目 標 を 設 定 するこ とができるものについて、次 のとおり設 定 した。

1 . 研 究 成 果 の 社 会 実 装

( 1 )医 療 分 野

臨 床 目 的 の 遺 伝 子 解 析 数

現 状 700 症 例 ( 平 成 29 年 度 見 込 み ) ⇒ 目 標 2,000 症 例

( 2 )農 業 分 野

種 子 の 安 定 供 給 に 向 け た 検 査 業 務 等

現 状 150 件 ( 平 成 28 年 度 ) ⇒ 目 標 160 件

( 3 )そ の 他 の 産 業 分 野

植 物 ・ 食 品 等 に 含 ま れ る 成 分 分 析 等

現 状 113 件 ( 平 成 28 年 度 ) ⇒ 目 標 123 件

( 4 )広 報 ・ 教 育 分 野 ・ 所 内 視 察 者 数

現 状 2,497 人 ( 平 成 28 年 度 ) ⇒ 目 標 2,600 人 ・ D N A 出 前 講 座 参 加 者 数

現 状 1,861 人 ( 平 成 28 年 度 ) ⇒ 目 標 2,100 人 ・ ホ ー ム ペ ー ジ ア ク セ ス 数

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現 状 1,994 万 件 ( 平 成 28 年 度 ) ⇒ 目 標 2,193 万 件

・ 国 際 科 学 雑 誌 「 D N A R esearch」 イ ン パ ク ト フ ァ ク タ ー 現 状 5.110( 過 去 5 年 平 均 ) ⇒5.110

2 . ト ッ プ レ ベ ル の 研 究 開 発 能 力 の 維 持 確 保

・ 論 文 発 表 数 現 状 73 件 ( 過 去 5 年 平 均 ) ⇒ 目 標 73 件

・ 学 会 発 表 数 現 状 91 件 ( 過 去 5 年 平 均 ) ⇒ 目 標 91 件

・ 競 争 的 外 部 資 金 獲 得 数 現 状 41 件 ( 過 去 5 年 平 均 ) ⇒ 目 標 41 件

・ デ ー タ ベ ー ス へ の ア ク セ ス 数

現 状 198,273 件 ( 平 成 28 年 度 ) ⇒ 目 標 218,100 件

3 . 自 立 型 経 営 の 強 化

・ バ イ オ 産 業 技 術 支 援 セ ン タ ー の 受 託 額

現 状 318 百 万 円 ( 平 成 28 年 度 ) ⇒ 目 標 450 百 万 円

・ 賛 助 会 員 数 現 状 17 件 ( 平 成 28 年 度 ) ⇒ 目 標 20 件

・ 賛 助 会 費 額 現 状 15 百 万 円 ( 平 成 28 年 度 ) ⇒ 目 標 18 百 万 円

Ⅴ 用 語 の 解 説

※ 1 シーズ

〔種 子 の意 〕

まだ世 に出 ていない 技 術 ・材 料 ・サービス 等 、将 来 の応 用 研 究 やビジネスの 種 。

※ 2 ゲノ ム医 療

ゲ ノ ム は D N A に 含 ま れ る 遺 伝 情 報 全 体 を 指 し 、 体 を つ く る た め の 設 計 図 の 役 割 を果 たす。ヒトの ゲノムを 網 羅 的 に調 べ、その結 果 をも とにし て、 よ り効 率 的 、効 果 的 に病 気 の診 断 や治 療 などを行 うのがゲノム医 療 である。

※ 3 社 会 実 装

得 られた研 究 成 果 を 、実 際 の社 会 問 題 の 解 決 のために応 用 、展 開 すること 。

※ 4 DN Aマーカー

生 物 がもつDNAの 塩 基 配 列 上 の個 体 や品 種 間 での違 いを表 す目 印 (マーカ ー ) の こ と で あ る 。 植 物 の 品 種 識 別 や 選 抜 育 種 の 効 率 化 、 ヒ ト の 疾 病 原 因 遺 伝 子 の 特 定 等 、 幅 広 い 用 途 が あ る こ と か ら 、 ヒ ト を 含 む 幅 広 い 生 物 種 で 大 規 模 な 開 発 が進 められている。

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※ 5 F1 雑 種 種 子

性 質 の異 なる2種 類 の親 品 種 を掛 け合 わせて作 出 した雑 種 第 一 代 のこと。

両 親 よ りも 優 れた 性 質 を 示 すことがあるた め、市 販 の野 菜 の 多 くは F1 雑 種 種 子 から作 られている。一 代 雑 種 、ハイブリット種 も同 意 。

※ 6 メタボロ ーム解 析

生 体 内 に は 、 核 酸 や タ ン パ ク 質 の よ う な 高 分 子 の 化 合 物 の 他 、 糖 や 有 機 酸 、 脂 肪 酸 などの 低 分 子 化 合 物 も 数 多 く存 在 し ている。数 千 種 とも いわれるこ れら の 低 分 子 化 合 物 は 代 謝 に よ っ て 作 り出 さ れ た 代 謝 産 物 ( メ タ ボラ イ ト ) で あ り 、 有 用 物 質 が 含 ま れ て い るこ と か ら 注 目 さ れ て いる 。 生 体 的 に 存 在 する こ れ ら の代 謝 産 物 を網 羅 的 に解 析 することをメタボローム解 析 とよぶ。

※ 7 競 争 的 外 部 資 金

省 庁 等 の 資 金 配 分 主 体 が 広 く 研 究 開 発 課 題 等 を 募 り 、 提 案 さ れ た 課 題 の 中 から専 門 家 を含 む複 数 の者 による科 学 的 、技 術 的 な観 点 を中 心 とした評 価 に基 づ い て 実 施 す べ き 課 題 を 競 争 的 に選 抜 し 、 研 究 者 等 に 配 分 する 研 究 資 金 で あ る。

※8 イ ンフラス トラクチャー

経 済 活 動 や社 会 生 活 の 基 盤 を 形 成 す る 構 造 物 。 研 究 開 発 を 行 う た め の場 所 や機 器 、しくみも意 味 する。

※ 9 クロスアポイントメ ント 制 度

研 究 者 等 が 大 学 、公 的 研 究 機 関 、 企 業 の 中 で 、 二 つ 以 上 の 機 関 に 雇 用 さ れ つ つ 、 一 定 の エ フ ォ ー ト 管 理 の 下 で 、 そ れ ぞ れ の 機 関 に お け る 役 割 に 応 じ て 研 究 ・開 発 及 び教 育 に 従 事 することを可 能 にする制 度 。

※10 インパ クトファクター

あ る 雑 誌 に 掲 載 さ れ た 論 文 が 、 1 年 間 に ど れ く ら い 頻 繁 に 引 用 さ れ て い る か を 示 す尺 度 のこと。世 界 中 の自 然 科 学 、社 会 科 学 分 野 の学 術 雑 誌 を対 象 とし て 、 ある雑 誌 の影 響 度 を 測 る指 標 とされている。

※11 人 工 染 色 体

染 色 体 とし ての 機 能 (細 胞 分 裂 にお け る複 製 や分 離 、分 配 など) に必 須 なDN A 領 域 が 人 工 的 に 連 結 さ れ た 巨 大 D N A 分 子 で 、 酵 母 、 植 物 、 ヒ ト を 含 む 動 物 等 の 宿 主 細 胞 内 で 天 然 の 染 色 体 と同 様 に維 持 さ れ る。有 用 遺 伝 子 を 搭 載 す る ことによって、育 種 や再 生 医 療 など幅 広 い応 用 利 用 が期 待 されている。

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