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北朝鮮体制への多層的アプローチ - 日本国際問題研究所

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平成23年3月

北朝鮮体制への多層的アプローチ

−政治・経済・外交・社会−

23 3

C100 M90 Y50 K20

(2)

はしがき

本報告書は、平成 22 年度に当研究所において実施された「北朝鮮研究会」の研究成果を集成し たものです。

ご承知の通り、2012 年は北朝鮮がかねてより自らの体制にとっての画期となることを「公言」

してきた年であり、特に後継体制の構築過程において一つの節目となるとの観測がさかんになさ れております。同年にはアメリカにおける大統領選挙、中国の指導層交代、ロシア大統領選挙な どの国際政治に重大な影響を与える出来事が数多く予定されていることもあって、それら 2012 年を彩る要素の一つとして「北朝鮮においての 2012 年」にも大きな関心が払われているのが現下 の状況といえるでしょう。ただ、例えばアメリカ大統領選挙が、特有の政治風土とその数年前よ り続いてきた複雑な政治過程、そしてイベントとしての大統領選挙の総体であるように、北朝鮮 の動向もまた、それ以前から構築されてきた基本構造と折々の国際的・国内的な状況変化との相 互作用の産物というべきものであり、その分析にあたっては、単純に国際政治における類似のイ ベントのアナロジーとして捉える姿勢よりは、時間軸に沿って形成されてきたものを把握した上 で臨む視角が肝要になろうかと考えられます。本研究会はそのような認識のもとに北朝鮮の現状 を描き出し、それを通じて近い将来の展望を判断するための「よすが」を示すことを目指したも のです。北朝鮮に特有の文脈に注意を払いながら知見を蓄積することで、2012 年を迎えたとき、

また後に回顧したとき、同年に何が起きたのか(あるいは起きなかったのか)を適切に判断でき るような視点を予め構築しておくことが、たとい迂遠ではあってもいずれ有用な知的資源として

「還流」するという考えが、その根底には存しています。その成果が、ややもすれば刹那的な傾 向を帯びがちな北朝鮮情勢の考察において新たな機軸を提供する契機となりますれば、望外の喜 びであります。

なお、本報告書に掲載された記述内容はすべて各執筆者の個人的見解に依拠しており、当研究 所の立場を代表するものではありません。

末尾ながら、ご多忙のなか本研究会のためにご参集くださり、報告書の作成にご尽力いただい た参加者各位、そして研究会のすべての過程を通じてご協力を賜りました関係者のみなさまに御 礼申し上げます。

平成 23 年 3 月

財団法人 日本国際問題研究所 理事長 野上 義二

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研究体制

(敬称略、主査以降五十音順)

主 査 古田 博司 筑波大学大学院人文社会科学研究科教授

委 員 倉田 秀也 防衛大学校教授/日本国際問題研究所客員研究員 堀田 幸裕 財団法人霞山会研究員

委員兼幹事 飯村 友紀 日本国際問題研究所研究員 研 究 助 手 冨田 角栄 日本国際問題研究所研究助手

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目 次

(第1章 2010 年の北朝鮮政治・社会)

北朝鮮後継体制構築過程分析の一視角

筑波大学大学院人文社会科学研究科教授 古田博司 ··· 1

(第2章 2010 年の北朝鮮外交)

「2・13 合意」後の平和体制樹立問題

―北朝鮮の認識における当事者論と手続論―

防衛大学校教授 倉田秀也 ··· 17

(第3章 2010 年の中朝関係)

中朝関係の緊密化とその実態

財団法人霞山会研究員 堀田幸裕 ··· 55

(第4章 2010 年の北朝鮮経済)

言説分析を通じた北朝鮮経済政策把握の試み

日本国際問題研究所研究員 飯村友紀 ··· 79

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Referensi

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は し が き 本報告書は、平成22年度に当研究所において実施した研究プロジェクト、「将来の国際 情勢と日本の外交―20年程度未来のシナリオ・プラニング―」の研究成果を取りまとめた ものです。 我が国は第二次世界大戦後、日米安保条約によって安全保障を担保することで戦後復興 と経済成長を遂げ、経済大国として国際政治における影響力を保持してきました。しかし、

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