,
直線と原点中心半径の円との接点を図の ように,とおく。題意より
…
,
……
とおく。
・
・
・
・
とすると,
より,,また
だから,
,ここで
とおくと, … …
極小
増減表より,のとき, は極小かつ最小となる。
このとき,
だから,
,また,
求める最小値は, ・
・
より,
,
のとき,最小となる。
図形の問題を探究する
1月15日・16日の「2022年度大学入試共通テスト」が終わり,高校3年受験生は,私立 大学一般入試,そして2月25日より始まる「国公立大学2次入試」に向けて,猛勉強を始 めていることでしょう。前回は,三角形に関する入試問題を取り上げましたが,今回も平面 図形で円に関する入試問題をめぐって,様々な解法を考えてみたいと思います。
は軸上の点で座標が正であり,は軸上の点で座標が正である。
直線は原点を中心とする半径の円に接している。また,,は正の定数とする。
,を動かすとき, の最小値を,で表せ。(2005年,東京工業大学)
までは,と同じ。
ここで, であることを利用して
,
だから,相加平均相乗平均の大小関係により,
・
等号が成り立つのは,
のとき,つまり,
のとき。
したがって, の最小値は,
(以下は,と同じ)「相加平均相乗平均の関係」とは,,のとき,任意の,に対して,
が成り立つことをいい,等号が成り立つのはのときのみである。
,,,,とすると,直線の方程式は
,
,円に接するので ・・
, よりであるから
,,であるから,相加平均相乗平均の大小関係により,
・ 等号は
,
のとき成り立つ。(以下は,と同じ)
山脇の超数学講座 № 34
相加平均・相乗平均の関係を効果的に利用する
左記の解答は,単位円であるところから三角関数を媒介変数として使い,微分法によっ て解決している。このとき,最小値,および最小値をとるOP,OQの値を見ると,aとb が「対称的」であることに気づくだろう。しかも,変数も定数も正の値をとる。こういう 問題で威力を発揮する解法が,「相加平均・相乗平均の関係を利用する」解法である。