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国立国語研究所学術情報リポジトリ

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国立国語研究所学術情報リポジトリ

〈著書紹介〉 三宅和子,野田尚史,生越直樹 編『「配慮」はどのように示されるか』

言語: jpn 出版者:

公開日: 2015-10-30 キーワード (Ja):

キーワード (En):

作成者: 野田, 尚史 メールアドレス:

所属:

メタデータ

https://doi.org/10.15084/00000734

URL

(2)

73

国語研プロジェクトレビュー Vol.4 No.1 2013 NINJAL Project Review Vol.4 No.1 pp.73―74(June 2013)

国語研プロジェクトレビュー 

〈著書紹介〉

野田 尚史

三宅和子,野田尚史,生越直樹 編

『「配慮」はどのように示されるか』

2012 年 10 月 ひつじ書房 A5 判 ix+259 ページ 3,800 円+税

1.この本の出版経緯

この本は,2009年

3

月に社会言語科学会設立

10

周年を記念して行われた

2

つのシンポジ ウムをもとに,それぞれのシンポジウムの発表者・ディスカッサント・司会者が書いた論文 をまとめたものである。

この

2

つのシンポジウムは当初別々に企画されたものだったが,偶然にも「配慮言語行動 研究の新地平―歴史的・社会的・コミュニケーション的なアプローチの連携から見えるもの

―」と「アジア圏の社会言語科学―アジア的視座が切り拓く待遇言語行動研究の展望―」と いうように,互いに関係が深いものになった。そのため,2つのシンポジウムの発表と議論 を整理・統合し,1冊の本にまとめることになった。

別々に企画された

2

つのシンポジウムがどちらも「配慮」や「言語行動」にかかわるもの だったことは,現在,日本の言語研究の世界で「配慮」や「言語行動」が,注目を集める研 究テーマになっていることを示していると言える。

2.この本の構成

この本は,次のような

12

本の論文で構成されている。

1

部「配慮」を考えるときの視点

日本語敬語の変化とアジアの敬語(井上史雄)

場の理論で考える配慮言語行動(井出祥子・植野貴志子)

対人関係における配慮行動の心理学―対人コミュニケーションの視点―(大坊郁夫)

2

部 日本語の「配慮」の多面性

日本語の配慮言語行動の社会的多様性(西尾純二)

「察し合い」の談話展開に見られる日本語の配慮言語行動(日高水穂)

日本語の配慮言語行動の歴史的研究―これからの発展に向けて―(高山善行)

配慮したつもりなのによい印象を与えない日本語非母語話者の言語表現・言語行動

(野田尚史)

3

部「配慮」の比較対照研究

韓国社会における圧尊法と呼称の運用(姜錫祐)

「配慮」の示し方―日本と韓国の言語行動の比較から―(生越直樹)

(3)

野田 尚史

74

国語研プロジェクトレビュー Vol.4 No.1 2013

中国語敬語表現の歴史と現状―マクロ的通時論の考察―(彭国躍)

電子メディアを介した日英の配慮言語行動―謝罪への応答を手がかりに―(三宅和 子)

日米の実際の談話に見られる人を指す身ぶりと配慮との関係(ポリー・ザトラウス キー)

3.この本の内容

この本に収められている論文は,原理的な論考から具体的な分析まで多様であり,扱って いる言語も日本語だけではなく,英語や韓国語,中国語などもあり,多様である。その中か ら,ここでは

3

つの論文を取り上げ,簡単に内容を紹介する。

高山論文では,現代語の「すみませんが」のような前置き表現について,その萌芽は中世 語に見られ,近世,近代において多様化してきたことが述べられている。その背景として,

近代語において文頭領域のモダリティが発達したという文構造の変化が指摘されている。ま た,そのような文構造の変化は,身分・階層が固定されていた古代社会からそれが崩れた近 代社会へという社会構造の変化によって引き起こされたという考えが示されている。

野田論文では,日本語非母語話者が配慮したつもりで書いたり話したりしたのに,相手に よい印象を与えない可能性がある言語表現・言語行動を分類し,実例を示している。たとえ ば,本人にそれほど大きな過失があるとは思えない状況で「D(人名,姓)様と

B(人名,姓)

先生のご期待を裏切り、いま自責の念と申し訳なさに、胸が潰れる思いです。」といった大 げさだと思われる可能性がある表現を使ったメールを送ろうとした例があげられている。

ザトラウスキー論文では,手による身ぶりで配慮を表す言語行動について日本語と英語を 比較しながら分析している。日本語では,たとえば,名前を言う代わりに相手を指すために 手による身ぶりを使う場合があるが,その方法は間接的で押しつけがましくないため,配慮 を表すとしている。英語では,たとえば代名詞・名詞を使って相手を指しているのに,相手 を指すような手による身ぶりを使う場合があるが,それは,情報要求など,相手に働きかけ るための配慮であるとしている。

野田 尚史

(のだ・ひさし)

国立国語研究所日本語教育研究・情報センター教授。博士(言語学)(筑波大学)。大阪府立大学名誉教授。大阪外国語 大学助手,筑波大学講師,大阪府立大学助教授,同教授を経て,20124月より現職。

主な著書・論文:『日本語教育のためのコミュニケーション研究』(編著,くろしお出版,2012),『なぜ伝わらない,そ の日本語』(岩波書店,2005),『コミュニケーションのための日本語教育文法』(編著,くろしお出版,2005),『日本

語の文法4 複文と談話』(共著,岩波書店,2002),『日本語学習者の文法習得』(共著,大修館書店,2001).

受賞:第4回日本語教育学会奨励賞(日本語教育学会,2006).

社会活動:日本語学会理事,日本語教育学会学会連携委員,日本語文法学会評議員,日本言語学会評議員,言語系学会 連合運営委員長,日本学術振興会学術システム研究センター専門研究員.

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