国 語 の 採 点 基 準 に つ い て
1文(文章)で解答する設問の答案については、次のA項の加点要素の合計から次のB項・C項の減点要素の合
計を引いた得点をその設問の得点とします。ただし最低点は0点としマイナスの得点はつけません。
A
a以下の採点基準では、模範解答をいくつかの要素に分割し加点要素とします。答案中にその加点要素に相当す
る部分があれば、その加点要素に配点された得点を与えます。
bある加点要素は、その加点要素に配点された得点か0点で採点することを原則とします。たとえば5点配点さ
れた加点要素であれば5点か0点で採点することを原則とします。
ただし、その加点要素中の部分点を認める場合もあります。その場合それぞれの採点基準の中に明記されていま
す。
cある要素に加点するか否かが、他の要素と無関係に決まる場合と、他の要素との関係で決まる場合があります。
前者の場合は、その要素を単独採点(独立採点)すると言いその旨必ず明記されています。後者の場合は、他の要
素との関係について以下の採点基準で具体的に指示されています。
d解答通りという条件がある場合はいかなる部分点も認めません。
B
a答案中に大きな誤読と判定される内容(語句)などがある場合は、その内容(語句)を減点要素として示され
ている場合もあります。
b加点要素でも減点要素でもない部分もありえます。その部分は加点も減点もしません。
C
次に該当するものは、答案の形式上の不備として、一箇所につき1点の減点要素とします。
a誤字。漢字などの文字の明らかな誤りは誤字とします。
b脱字。
c文末の句点の脱落。
*字数指定のない場合、句点の脱落は誤字とし1点の減点とします。
dその他不適切と判断せざるをえない箇所。
e不適切な文末処理。設問の問い方に対応していない形で答案の文末を結んでいない場合は、適切な文末処理が
行われていないと見て形式上の不備による減点要素とします。
たとえば「…とはどういうことか?」という問いに体言で結んでいないものなどは適切な文末処理が行われてい
ないと見て形式上の不備とします。
また、理由が問われているのに、「から」「ので」などで結んでいないものなども適切な文末処理が行われていな
いと見て形式上の不備と見ます。
*ただし、「ことである」などの表現も「こと」などで結んでいるものと同様適切な文末処理が行われていると見ま
す。また、「からである。」などの表現も「から」などで結んでいるものと同様適切な文末処理が行われていると見
ます。
また文末の表現を問わない場合もありますが、その場合はその都度明記されています。
2日本語の表現として不適切なものは程度に応じて減点します。
3次の各項に該当するものは、部分点の要素があっても、その設問の得点を0点とします。
a答案が解答欄の欄外にはみ出しているもの。
b一行の解答欄に二行以上書いた場合もその設問の得点を0点とします。
c字数指定のある設問で、字数をオーバーしたもの。
d答案の文章が最後まで完結していないもの。
4古文あるいは漢文の訳を記述する設問の場合も以上に準じますが、文末の句点や文末の処理あるいは答案の完
結にこだわらなくともよい場合はその都度明記されています。
一 問一
■形 式上 の不 備
・文 末表 現: 要素 C参 照/ 内容 説明 の結 び﹁
~こ と﹂ にな って いる 場合 は︑ 要素 C不 可
・句 点の 扱い
:1 点減 点
基 準
配点
:9 点
■模 範解 答
※各 要素 同意 表現 可︒ ニュ アン スが 正し けれ ば許 容
A 人文 学は それ ぞれ の研 究者 が自 分の 考え を主 張し てい るだ けで
︑ B
複数 の研 究者 によ る客 観的 な議 論の 積み 重ね がな され ず︑ C
進歩 がな いよ うに 捉え られ てい るか ら︒
■採 点方 法: 各要 素単 独採 点
■字 数: 解答 欄三 行 一行 以下 のも のは 全体 不可
︵0 点︶
■要 素A
人文 学は それ ぞれ の研 究者 が自 分の 考え を主 張し てい るだ けで
:3 点
・﹁ 人文 学﹂ とい うワ ード があ り︑ かつ 人文 学の あり 方に つい て説 明し てい るも のは 要素 A加 点
・人 文学 のあ り方 の説 明︵
﹁そ れぞ れの 研究 者が 自分 の考 えを 主張 して いる だけ
﹂︶ がな くて も︑ 人文 学は 科 学の イメ ージ にあ ては まら ない と思 われ がち であ ると いう こと が言 及で きて いれ ば要 素A 加点
・﹁ 人文 学﹂ では なく
︑﹁ 哲学
﹂﹁ 哲学 者﹂ 等で 説明 して いる 場合
︑2 点減 点で 1点
︒
・そ もそ も﹁ 人文 学﹂ のワ ード がな いも のは 要素 A加 点な し
■
要素 B 複数 の研 究者 によ る客 観的 な議 論の 積み 重ね がな され ず: 3点
・科 学の あり 方の イメ ージ
︵複 数の 研究 者に よる 客観 的な 議論 の積 み重 ねが され てい る︶ につ いて 説明 して いな いも のは
︑要 素B 加点 なし
■要 素C
進歩 がな いよ うに 捉え られ てい るか ら: 3点
・科 学に は進 歩が ある が︑ 人文 学に は進 歩が ない よう に思 われ がち であ るこ とが わか る解 答で あれ ば要 素C 加点
・﹁ 進歩
﹂が 別の 表現 にな って いて も可
一 問二
■形 式上 の不 備
・文 末表 現: 要素 D参 照/ 理由 説明 の結 び﹁
~か ら﹂ にな って いる 場合 は︑ 要素 D不 可
・句 点の 扱い
:1 点減 点
基 準
配点 12: 点
■模 範解 答
※各 要素 同意 表現 可︒ ニュ アン スが 正し けれ ば許 容 A
科学 は︑ 科学 者た ちが 同じ 知の 基盤 の上 で客 観的 な議 論を 積み 重ね てい るた め B
信頼 でき るも のと 考え られ てお り︑ C
そも そも
︑科 学者 が科 学者 とし て認 定さ れる ため には
︑そ の分 野の 専門 家に よる 相互 確認 がな され てい るこ とが 必要 で︑ D
その よう な体 制の 上に 成り 立っ てい るこ とが 科学 の信 頼性 をよ り確 かな もの にす ると いう こと
︒
■採 点方 法: 各要 素単 独採 点
■字 数: 解答 欄五 行 三行 以下 のも のは 全体 不可
︵0 点︶
■要 素A
科学 は︑ 科学 者た ちが 同じ 知の 基盤 の上 で客 観的 な議 論を 積み 重ね てい るた め: 3点
・﹁ 信頼
﹂の 根拠 の一 つ目 を説 明し てい ない もの は︑ 要素 A加 点な し
■要 素B
信頼 でき るも のと 考え られ てお り: 3点
・要 素A によ って
﹁信 頼で きる
﹂と して いな いも のは
︑要 素B 加点 なし
■要 素C
そも そも
︑科 学者 が科 学者 とし て認 定さ れる ため には
︑そ の分 野の 専門 家に よる 相互 確認 がな され て いる こと が必 要で
:3 点
・﹁ 信頼
﹂の 根拠 の二 つ目 の前 提を 説明 して いな いも のは
︑要 素C 加点 なし
・具 体的 に書 かれ てい るも のは 2点 減点
︒
■要 素D
その よう な体 制の 上に 成り 立っ てい るこ とが 科学 の信 頼性 をよ り確 かな もの にす ると いう こと
:3 点
・要 素C で説 明し た前 提が
﹁さ らな る信 頼﹂ を生 み出 して いる とい うこ との 説明 がな いも のは
︑要 素D 加点 なし
一 問三 形式
上の 不備
・文 末表 現: 要素 C参 照/ 理由 説明 の結 び﹁
~か ら﹂ にな って いる 場合 は︑ 要素 C不 可
・句 点の 扱い
:1 点減 点
基 準
配点
:9 点
■模 範解 答
※各 要素 同意 表現 可︒ ニュ アン スが 正し けれ ば許 容
A
前提 にさ れた パラ ダイ ムは
︑そ れ自 体が 疑わ れる こと なく 正し いも のだ とさ れて いて
︑
B その パラ ダイ ムに 基づ いた 研究 をす れば
︑ C
一定 の成 果が 得ら れる と保 証さ れて いる とい うこ と︒
■
採点 方法
:各 要素 単独 採点
■字 数: 解答 欄三 行 一行 以下 のも のは 全体 不可
︵0 点︶
■要 素A
前提 にさ れた パラ ダイ ムは
︑そ れ自 体が 疑わ れる こと なく 正し いも のだ とさ れて いて
:3 点
・パ ラダ イム その もの は疑 われ ない こと を説 明し てい ない もの は︑ 要素 A加 点な し
※パ ラダ イム
=科 学者 に共 有さ れた 規則 や基 準
■要 素B
その パラ ダイ ムに 基づ いた 研究 をす れば
:3 点
・要 素A
︵疑 われ るこ との ない パラ ダイ ム︶ が前 提に なる こと に言 及で きて いな いも のは
︑要 素B 加点 なし
■要 素C
一定 の成 果が 得ら れる と保 証さ れて いる とい うこ と: 3点
・要 素A
・B から
︑﹁ 結果 は正 しい もの にな る﹂ もし くは
﹁科 学が 展開 され てい る﹂ とい うこ とを 説明 して いな いも のは
︑要 素C 加点 なし
一 問四
︵文 系の み︶ 形式
上の 不備
・文 末表 現: 要素 D参 照/ 理由 説明 の結 び﹁
~か ら﹂ にな って いる 場合 は︑ 要素 D不 可
・句 点の 扱い
:1 点減 点
基 準
配点 10: 点
■模 範解 答
※各 要素 同意 表現 可︒ ニュ アン スが 正し けれ ば許 容
A
科学 者の 間で 共有 され た規 則や 基準 を前 提と して
︑そ れに 基づ いた 研究 や実 験を 行う こと は︑
B 事前 に予 測さ れた 結果 を確 かめ るだ けの もの であ り︑ C
結果 が予 測に 反し た時 も問 いそ のも のが 覆さ れる こと はな く︑ D
単に 確認 や細 部の 修正 をす るも ので ある と考 えて いる
︒
■
採点 方法
:各 要素 単独 採点
■字 数: 解答 欄四 行 二行 以下 のも のは 全体 不可
︵0 点︶
■要 素A
科学 者の 間で 共有 され た規 則や 基準 を前 提と して
︑そ れに 基づ いた 研究 や実 験を 行う こと は: 3点
・パ ラダ イム
︵= 科学 者の 間で 共有 され た規 則や 基準
︶を 前提 にし た研 究・ 実験 につ いて 言及 して いな いも のは
︑要 素A 加点 なし
■要 素B
事前 に予 測さ れた 結果 を確 かめ るだ けの もの であ り: 2点
・要 素A のよ うな 研究 は︑
﹁単 に予 測を 確か める もの
﹂で ある こと を説 明し てい ない もの は︑ 要素 B加 点な し
■要 素C
結果 が予 測に 反し た時 も問 いそ のも のが 覆さ れる こと はな く: 2点
・パ ラダ イム 自体 は覆 され ない
︑変 化し ない とい うこ とを 説明 して いな いも のは
︑要 素C 加点 なし
■要 素D
単に 確認 や細 部の 修正 をす るも ので ある と考 えて いる
:3 点
・﹁ 単に 確認 や細 部の 修正 をす るも ので しか ない
﹂﹁ 単に パラ ダイ ム上 の検 討課 題を 増や すも ので しか ない
﹂ とい う内 容で 説明 され てい るも のは 要素 D加 点
・も しく は︑
﹁む しろ 知の 更新 を妨 げる もの であ る﹂ とい う内 容で も要 素D 加点
一
問五
︵文 系︶
・ 問四
︵理 系︶ 形式
上の 不備
・文 末表 現: 要素 D参 照/ 理由 説明 の結 び﹁
~か ら﹂ にな って いる 場合 は︑ 要素 D不 可
・句 点の 扱い
:1 点減 点
基 準
配点 10: 点 模範
解答
※各 要素 同意 表現 可︒ ニュ アン スが 正し けれ ば許 容 A
科学 にお ける 特定 の規 則や 基準 を共 有す る集 団の 中で 蓄積 され た知 は︑ B
その 集団 の存 在価 値そ のも ので ある ので
︑ C
それ を脅 かす よう な研 究は 徹底 的に 否定 して 受け 入れ ず︑ 集団 の基 盤と なっ てい る知 の体 系が 変化 する こと を 拒む こと で︑ D
それ を守 り続 ける より ほか はな いと いう こと
︒
採
点方 法: 各要 素単 独採 点
■字 数: 解答 欄四 行 二行 以下 のも のは 全体 不可
︵0 点︶
■要 素A
科学 にお ける 特定 の規 則や 基準 を共 有す る集 団の 中で 蓄積 され た知 は: 3点
・﹁ パラ ダイ ム︵
=科 学に おけ る特 定の 規則 や基 準︶ 内で 蓄積 する 知﹂ につ いて 言及 して いな いも のは
︑要 素A 加点 なし
■要 素B
その 集団 の存 在価 値そ のも ので ある ので
:0 点→ なく ても いい
・要 素B は︑ あっ ても なく ても 可︒ 加点 なし
■要 素C
それ を脅 かす よう な研 究は 徹底 的に 否定 して 受け 入れ ず︑ 集団 の基 盤と なっ てい る知 の体 系が 変化 す るこ とを 拒む こと で︑
:4 点
・パ ラダ イム を変 化さ せる 可能 性の ある もの や︑ パラ ダイ ムに 反す る研 究は 受け 入れ がた いも ので ある とい うこ とを 説明 して いな いも のは
︑要 素C 加点 なし
■要 素D
それ を守 り続 ける より ほか はな いと いう こと
:3 点
・﹁ 強い 保守 性を 発揮 する
﹂の 言い 換え がで きて いれ ば要 素D 加点
︒
・﹁ 知の 更新 につ なが らな いと いう こと
﹂な どの 表現 も可
︒
1
問 三
① 一 人類 は貧 しさ を生 き抜 くた めに 相互 扶助 や連 帯の 生活 を営 み︑ 社会
制度 やテ クノ ロジ ーを 進歩 させ てき たが
︑
② そう した もの によ る貧 しさ 自体 の克 服が
︑
③ 相互 扶助 や連 帯の 必要 性を 人類 に感 じな くさ せる とい うこ と︒
①= 4点
︑②
=2 点︑
③= 4点
︒︵ 計1 0点
︶
①人 類は 貧し さを 生き 抜く ため に相 互扶 助や 連帯 の生 活を 営み
﹁人 類は 貧し さを 生き 抜く ため に相 互扶 助と 連帯 の生 活を 営ん でき たが
︑…
﹂と して
︑
﹁社 会制 度や テク ノロ ジー を進 歩さ せて きた
﹂に つい て言 及し てい なく ても 可︒
※﹁ 社会 制度 やテ クノ ロジ ーを 進歩 させ てき た﹂ の要 素は 不要
②そ うし たも のに よる 貧し さ自 体の 克服
﹁︵
=要 素①
︶に よる 貧し さの 克服
︵も しく は努 力な ど︶
﹂に つい て言 及で きて いれ ば加 点︒
③相 互扶 助や 連帯 の必 要性 を人 類に 感じ なく させ る
﹁︵ 要素
②が
︑︶ 相互 扶助 や連 帯の 目的
・必 要性 を失 わせ てい る﹂ こと の説 明が でき てい れば 加点
︒ もし くは
︑﹁ 貧し さの 克服 のた めに 相互 扶助 や連 帯に よっ て作 り上 げて きた 社会 制度 やテ ク ノロ ジー が逆 に︑ 他者 との 繋が りを 遮断 する 方向 に働 く﹂ など とし たも のも 可︒
2
問 三 二︻
※別 解ア リ︼
※合 計点 の高 いほ うで 採点 大③
災害 によ って
︑ 個② 人の 生を 維持 して いた 既存 の社 会制 度が 崩壊 し︑ また
︑連① 帯を 阻害 する 要因 が消 える こと で︑ 人④ 々は 生き るた めに 自発 的に 連帯 する とい うこ と︒
︵7 4字
︶
①= 2点
︑②
=2 点︑
③= 3点
︑④
=3 点︵ 計1 0点
︶
①︿ 人間 は︑ 既存 の社 会制 度に よっ て連 帯を 阻害 され てい る︵or
既存 の社 会制 度の 崩壊 に より 連帯 を阻 害す る要 因が なく なる
︶﹀ こと の説 明が でき てい るこ と︒
﹁平 時の 社会 制度 が課 す拘 束を 解く
﹂な どの 表現 でも 可︒
②︿
︵ま た︶ 人間 は︑ 既存 の社 会制 度に よっ て生 を維 持し てい る︵or
既存 の社 会制 度の 崩壊 によ り身 ひと つで 路頭 に放 り出 され る︶
﹀こ との 説明 がで きて いる こと
︒
③︿ 大災 害は
︑そ れら の既 存の 社会 制度 を崩 壊さ せる
﹀こ との 説明 がで きて いる こと
︒
④︿
︵そ のよ うな 状況 にお いて
︶人 間は
︑生 きる ため に有 限で 傷つ きや すい 者同 士自 然と 連 帯す る﹀ こと の説 明が でき てい るこ と︒ 単に
﹁自 発的 に連 帯す る﹂ とし ただ けの もの も可
︒
3
問 三 二︻ 別解
︼
① 平時 の社 会制 度が 課す 拘束 が解 かれ たと き︑
② 人々 は自 発的 に相 互扶 助や 連帯 を立 ち上 げる が︑
③
④ ソル ニッ トは
︑そ のよ うな 事態 を大 災害 とい う文 脈で 記述 した とい うこ と︒
①= 2点
︑②
=2 点︑
③= 3点
︑④
=3 点︵ 計1 0点
︶
①平 時の 社会 制度 が課 す拘 束が 解か れた とき
︑
﹁平 時の 社会 制度 が課 す拘 束が 解か れた ら﹂ と︑ 状況 につ いて 言及 でき てい れば 加点
︒
②人 々は 自発 的に 相互 扶助 や連 帯を 立ち 上げ る
︵要 素① のよ うな 状況 のと きに
︑︶
﹁人 々は 自発 的に 相互 扶助 や連 帯を 立ち 上げ る﹂ こと が説 明で きて いれ ばよ い︒
③ソ ルニ ット は 解答 のど こか で﹁ ソル ニッ トは
﹂と 主体 が明 示さ れて いれ ばよ い︒
④そ のよ うな 事態 を大 災害 とい う文 脈で 記述 した
﹁そ のよ うな
︵= 要素
①+
②︶ のよ うな 事態 を大 災害 とい う文 脈で 記述 した
﹂こ との 説明 が でき てい れば よい
︒
4
問 三
① 三 人間 が有 限で 傷つ きや すい 身体 的存 在で ある 以上
︑
② 他者 と連 帯す るこ とで しか その 存在 を維 持で きな いの で︑
③ たと え伝 統的 なか たち での 連帯 が衰 退し たと して も︑
④ また 新た なか たち での 連帯 が生 まれ るは ずで ある
︒
・①
=3 点︑
②= 3点
︑③
=0 点︑
④= 4点
︵計 10 点︶
①︿ 人間 は︑ 有限 で傷 つき やす い身 体的 存在 であ る﹀ こと の説 明が でき てい るこ と︒ 単に
﹁身 体的 存在 であ る﹂ とし ただ けの もの も可
︒
②︿
︵要 素① であ るか ぎり
︑︶ 人間 は連 帯す るこ とで しか その 存在 を維 持で きな い︵or 連帯 は人 間の 生の 土台 であ る︶
﹀こ との 説明 がで きて いる こと
︒
③︿ たと え︑ 伝統 的な かた ちで の連 帯が 衰退 した とし ても
︑﹀ は不 要︒
④︿ また 新し いか たち での 連帯 が始 まる
﹀こ との 説明 がで きて いる こと
︒
※﹁ 連帯 は存 在し 続け る﹂ と説 明し ても 可︒
1
二〇二一年度最終京大本番レベル模試国語(古文)
採点
基準
理系
1
文(
文章)で解答する設問の答案については、次のA項の加点要素の合計から次のB項・C項の減点要素の
合計を引いた得点をその設問の得点とします。ただし最低点は0点としマイナスの得点はつけません。
A
a
以下の採
点基準では、模範解答をいくつかの要素に分割し加点要素とします。答案中にその加点要素に相当
する部分があれば、その加点要素に配点された得点を与えます。
b
ある加点
要素は、その加点要素に配点された得点か0点で採点することを原則とします。たとえば5点配点
された加点要素であれば5点か0点で採点することを原則とします。
ただし、その加点要素中の部分点を認める場合もあります。その場合それぞれの採点基準の中に明記されていま
す。
c
ある要素
に加点するか否かが、他の要素と無関係に決まる場合と、他の要素との関係で決まる場合がありま
す。前者の場合は、その要素を単独採点(独立採点)すると言いその旨必ず明記されています。後者の場合は、
他の要素との関係について以下の採点基準で具体的に指示されています。
d
解答通り
という条件がある場合はいかなる部分点も認めません。
B
a
答案
中に大きな誤読と判定される内容(語句)などがある場合は、その内容(語句)を減点要素として示さ
れている場合もあります。
b
加点要素
でも減点要素でもない部分もありえます。その部分は加点も減点もしません。
C次に該当するものは、答案の形式上の不備として、一箇所につき1点の減点要素とします。
a
誤字。漢字などの文字の明らかな誤りは誤字とします
。
b
脱字
。
c
文末
の句点の脱落。
*字数指定のない場合、句点の脱落は誤字とし1点の減点とします。
d
その他不
適切と判断せざるをえない箇所。
e
不
適切な文末処理。設問の問い方に対応していない形で答案の文末を結んでいない場合は、適切な文末処理
が行われていないと見て形式上の不備による減点要素とします。
たとえば「…とはどういうことか?」という問いに体言で結んでいないものなどは適切な文末処理が行われてい
ないと見て形式上の不備とします。
また、理由が問われているのに、「から」「ので」などで結んでいないものなども適切な文末処理が行われてい
ないと見て形式上の不備と見ます。
*ただし、「ことである」などの表現も「こと」などで結んでいるものと同様適切な文末処理が行われていると
見ます。また、「からである。」などの表現も「から」などで結んでいるものと同様適切な文末処理が行われて
いると見ます。
また文末の表現を問わない場合もありますが、その場合はその都度明記されています。
2
日本語の表現と
して不適切なものは程度に応じて減点します。
3
次の
各項に該当するものは、部分点の要素があっても、その設問の得点を0点とします。
a
答
案が解答欄の欄外にはみ出しているもの。
b
一
行の解答欄に二行以上書いた場合もその設問の得点を0点とします。
c
字数指
定のある設問で、字数をオーバーしたもの。
d
答案の文
章が最後まで完結していないもの。
2
4
古文あるい
は漢文の訳を記述する設問の場合も以上に準じますが、文末の句点や文末の処理あるいは答案の
完結にこだわらなくともよい場合はその都度明記されています。
3
三古文
30
点
▲
内容説明
の設問では、末尾の句点がないものは▲1点減点。ただし、現代語訳の設問では、句読点は不問。
問一
10点
【模範解答】
私の家の高く伸びた梅の枝が見えたのだろうか。思いがけなくあなたが来られたことよ。
◆
各加点
要素の加点の条件【A・Bに関して部分採点】次のの要素があれば、それぞれについて加点するも
のとする。
A
1私 の
家の
高 く
伸び
た 梅
の枝
が 2見 え
たの
だ
ろう
( か
)。
( 5
点)
1「私の家の高く伸びた梅の枝が/我が家の高く伸びた梅の枝が」という表現があれば2点。
*「高く伸びた梅の枝が」の部分は「注」にあるので、同様なことが記述されていればよい。
2「見えたのだろう(か)」という表現があれば3点。
*「
つ
|
らむ
」が
「
…
たか
ら
だう
( か
)」 「
…の
だ
ろう
( か
)」
等、 「
原 因
推量
」と
わか
る 表
現で
あ れ ば
よい
( 完
了・確述の「つ」の表現は問わない)。
*「見ゆ」の主語は「枝」なので、「見たのだろう(か)」は不可。
B
3思 い
がけ
な く 4あ な た が
来ら
れ た
こと
よ
。(
5 点
)
3「思いがけなく/予想外に/思いもかけないことに/思いもよらず」という表現があれば2点。
4「あなたが(我が家に)来られた(ことよ)/あなたは(我が家に)いらっしゃった(ことよ)/あなた
は(我が家を)訪問された(ことよ)」という表現があれば3点。
*二人称主語「あなた」等のないものは不可。
*「来|ませ|る」の尊敬語「ます」のニュアンスがないものは不可。
*「来|ませ|る」の存続・完了「り」のニュアンスがないものは不可。
*連体止めの強調表現の訳出は問わない。
4
問二
10点
【模範解答】
有名な古歌のように、思いがけなくあなたの家の美しい梅の花が目にとまったので、あなたのお宅に参上いたし
ましたということ。
◆
各加点
要素の加点の条件【A・Bに関して部分採点】次のの要素があれば、それぞれについて加点するも
のとする。
A1(思いがけなく)あなたの家の美しい梅の花が目にとまったので/思いもよらずあなたの家の美しい梅の
花が見えたので、(5点)
*「(有名な平兼盛の古歌を彷彿させるような)あなたのお屋敷(経盛邸)の美しい梅花が見えた」あるいは
「(有名な平兼盛の古歌を彷彿させるような)あなたのお屋敷(経盛邸)の美しい梅花を私は見た」等の、頼
政が経盛邸を急に訪問した直接的な理由が書かれていれば5点。
*「経盛邸の美しい梅花が頼政の目にとまった/頼政が経盛邸の美しい梅花を私は見た」という事実が表現さ
れていればよい。説明問題なので、敬語の有無は問わない。
B2有名な(平兼盛の)古歌のように、3あなたのお宅に参上いたしましたということ。(5点)
2「有名な(平兼盛の)古歌のように/有名な(平兼盛の)古歌を思い出して/有名な(平兼盛の)古歌にな
ぞらえて/有名な(平兼盛の)古歌を真似て/有名な(平兼盛の)古歌を気取って/有名な(平兼盛の)古歌
にあやかって」等の、頼政が経盛邸を急に訪問した二次的な理由が書かれていれば3点。
3「(あなたのお宅に)参上いたしましたということ。/(あなたのお宅に)ご訪問(いた)しましたという
こと。/(頼政は経盛邸を急に)訪問したということ。」という表現があれば2点。
*「頼政が経盛邸を訪問した」という事実が表現されていればよい。説明問題なので、敬語の有無は問わない。
*文末表現が「…(という)こと。/…ことを伝えたかった。」となっていないものは、減点1点。
5
問三
10点
【模範解答】
頼政の取り継ぎの侍が、「思ひのほかに君が来ませる」といふ古歌を知らず、古歌の一節である「思ひのほかに」
を「思はざるほかに」と言い間違えて経盛に伝えたため、頼政の真意が経盛に伝わらなかったから。
◆
各加点
要素の加点の条件【A・B・Cに関して部分採点】次のの要素があれば、それぞれについて加点す
るものとする。
A1(頼政の)言い継ぎの侍(頼政の従者)が、2「思ひのほかに君が来ませる」といふ(平兼盛の)古歌を
知らず、(3点)
1主体「(頼政の)言い継ぎの侍/主人の言葉を先方に伝達する役目の従者/(頼政の)従者」が表現されて
いれば1点。
2「『思ひのほかに君が来ませる』といふ(有名な)(平兼盛の)古歌を知らなかった」という表現があれば2点。
B3(古歌の一節である)「思ひのほかに」を「思はざるほかに」と(言い)間違えて(経盛に)伝えたため、
(5点)
3「(古歌の一節である)『思ひのほかに』を『思はざるほかに』と(言い)間違えて(経盛に)伝えた」とい
う表現があれば5点。
C4(頼政の)真意が(経盛に)伝わらなかったから。(2点)
4「(頼政の)真意(伝えたいこと)が(経盛に)伝わらなかった/伝えたいことが伝わらなかった」という
表現があれば2点。
*「理由説明」なので、文末表現が「…から。/…ため。/…ので。」となっていないものは、減点1点。