地域付加価値創造分析の理論とケーススタディ
シンポジウム
再生可能エネルギーによる地域の再生 地域付加価値分析とシュタットベルケ
2016
年11
月11
日小川 祐貴
事業とお金の流れ
売上
税引前利益
設備投資・維持管理 事業税・資産課税 人件費
法人税
法人住民税 税引後利益
・・ ・・・・・ ・・・・・
手取り収入
1
地方税-地域に残るお金
売上
税引前利益
設備投資・維持管理
事業税・資産課税
人件費
法人税
法人住民税
税引後利益
手取り収入
個人住民税
設備が地域内に存在
個人/法人が地域内に存在
新しい事業が生まれたとき
地方税として地域に残るお金はどの程度か?
例:メガソーラー
(稼働期間20
年)売上
税引前利益
設備投資・維持管理
事業税・資産課税
人件費
法人税
法人住民税
税引後利益
手取り収入
個人住民税
100
1.3 4.4
2.9
0.7
合計: 4.9 + 4.4
事業が生み出す経済価値は どこへ行くのか
……
?地域付加価値創造分析
先行研究(ドイツ)
・再生可能エネルギーの地域付加価値
(Regional-Value-Added, RVA)
分析が 広く発展・普及し活用されている・
RVA
分析の手法が地域の気候変動防止計画等 の策定に活用されている再エネ事業の4ステップ
7
システム製造
販売・企画・設置 運転・維持
システム管理
地域主体が
担い手になりうる
地域付加価値とは?
売上
税引前利益
設備投資・維持管理 事業税・資産課税 人件費
法人税
法人住民税 税引後利益
・・ ・・・・・ ・・・・・
手取り収入
赤字=付加価値
「地域」の取り分は?
事業所の所在が地域内か?
従業員が地域内に居住しているか?
……
地方税・手取り収入の取り分を決める 収入が分かれば雇用者数も分かる9
売上
設備投資・維持管理 事業税・資産課税 人件費
・・ ・・・・・ ・・・・・
手取り収入
?
再エネに関わる産業
・・ ・・・・・ ・・・・・
設計
・・ ・・・・・ ・・・・・
小売
・・ ・・・・・ ・・・・・
建設
・・ ・・・・・ ・・・・・
機械修理
・・ ・・・・・ ・・・・・
陸運
・・ ・・・・・ ・・・・・
銀行
・・ ・・・・・ ・・・・・
土地賃貸
・・ ・・・・・ ・・・・・
保険
・・ ・・・・・ ・・・・・
農林業
・・ ・・・・・ ・・・・・
水道
設 備 投 資
・ 維
持 管
理
数値の根拠
11
・
各再エネ技術のコスト構造
・経済産業省が公表しているもの
・文献調査
・個別ヒアリング
・
産業ごとの利潤・賃金
・法人企業統計
←他の同業種と同程度の利潤が得られなければ 各産業は再エネ関連の経済活動に従事しない
地域付加価値創造分析の活用方法
事後評価=進捗管理
将来予測=計画策定
長野県を対象としたケーススタディ
13
過去 15 年間に 1GW の再エネ
売上の 30% が地域に残る
0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000
売上 総付加価値 国税 ポテンシャル 流出分 実現分
投資段階 運転段階
億円
※
累積地域が約 90% のオーナーシップを有する
年間 500 名の安定雇用
15
0.00 500.00 1000.00 1500.00 2000.00 2500.00 3000.00 3500.00 4000.00 4500.00 5000.00
1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026 2027 2028 2029 2030 2031 2032 2033 2034
ガス・熱供給・水道業 農林業
土地等賃貸業(不動産業)
銀行 損害保険業 陸運業 機械等修理業 建設業
営業代理店・商社・小売り 学術研究、専門・技術サービス業 電力事業者
人
再エネ事業・メンテナンス分野の雇用
地域付加価値創造分析で ……
誰が、どれだけ儲かるかが分かる
–
市民? 地域の企業? 域外の企業? 自治体?地域のどの業種でどれだけ雇用が生まれるかが分かる
–
再エネ事業? メンテナンス? 農林業?投資の費用対効果が分かる