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大一統思想と「一つの中国原則」

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修士論文(要旨)

2018年1月

大一統思想と「一つの中国原則」

-中台関係における伝統的な政治思想の影響について-

指導 加藤 朗 教授

国際学研究科 国際協力専攻

216J1052

劉 警瑜

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Master’s Thesis(Abstract) January 2018

The "Great Unification" and the "One China Principle": The Influence of Traditional Political Ideology on the "Taiwan Issue"

Jingyu Liu 216J1052

Master’s Program in International Cooperation Graduate School of International Studies

J. F. Oberlin University Thesis Supervisor: Akira Katou

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目次

序章 ... 1

第1章:大一統思想について ... 7

1.1 大一統思想の誕生と発展 ... 7

1.2 大一統思想の歴史的な価値について ... 11

1.3 大一統思想の現代的な価値について ... 12

1.4 大一統思想の政治的な影響について ... 13

第2章:「一つの中国」原則に関する中台の思惑 ... 15

2.1 中華人民共和国(中国)に於ける「一つの中国」政策 ... 15

2.2 中華民国(台湾)に於ける「一つの中国」原則 ... 16

2.3 中台に於ける「一つの中国」原則の定義の相違について ... 17

2.4 「一つの中国」原則の堅持―――「大一統」にこだわる中国側の思惑 ... 17

2.5 「正統」への執着―――台湾の「一つの中国」原則 ... 20

第3章:「脱中国化」が進む台湾の主体意識 ... 22

3.1 変質する「一つの中国」原則 ... 22

3.2 政治文化の「脱中国化」現象と台湾の主体意識 ... 23

3.3 文化教育の「脱中国化」現象 ... 26

3.4 「脱中国化」―――大一統思想から背を向ける ... 26

終章 ... 29 参考文献 ... I

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1 研究要旨

【問題の所在】

台湾の馬英九政権時期、中台関係は一旦安定したものの、民進党が政権を掌握した後、

急激に悪化した。蔡英文総統は「一つの中国原則」を承認する「九二共識」を認めず、前 政権と違い独立傾向が高く、台湾を主権国家にするような振る舞いは、中国側の激しい反 発を招いた。中台間の政治的交流は断つ、民間のまで影響が出る。

中台関係の変化は、双方の人民に多大な影響を与え、注目されている。そのため、「一 つの中国」原則に関する研究は、中台関係の将来を考える重要な一環となる。

そこで、本論では、大一統思想の分析枠組みを用いて、「一つの中国」原則について考察 する。

【研究意義】

中台関係における「一つの中国」原則の先行研究は、様々な視点で行われているが、中 国の伝統的な政治思想の視点で「一つの中国」原則を解釈する研究は少ない。大一統思想 で「一つの中国」原則に当てはまる研究はあるものの、大概の研究は「平和的統一、一国 両制度」に焦点を当てており、中台関係にではない。故に、本論では、大一統思想の角度 から「一つの中国」原則について考察する。中台の今後を解明するには、本論は大きな意 義がある。

【研究方法】

本論はまず、大一統思想が、本文の研究の手法となる価値があることを説明する。その ため、中国の古典を取り入れ、楊向奎を主に、先人たちの先行研究の紹介から始める。大 一統思想の形成と発展、中国の文化、政治に対する影響を詳細にする。大一統思想の現代 価値について、牛潤珍、王萍などの研究を用いて分析する。また、大一統思想の政治的影 響について、中国政府の公式文書と、郭暁光、栾雪飛等の研究を参考にする。

中台関係における「一つの中国」原則に於ける中台各自の思惑について、中台の公式文 書を主に議論を展開する。また、中台関係研究分野で権威がある台湾の張亜中教授の研究 を重点に参考し、台湾の「一つの中国」認識の変遷を考査する。台湾の主体意識と「脱中 国化」について、劉国深教授の研究を重点に参考し、張亜中、張万余などの研究を用いて 研究を取り込む。加えて参考資料として、人民日報などの新聞紙と、九二共識に関する文 献、中台双方の公式見解など、中台の動向を反映する文献・論文を参考にする。

【本論文の構成】

一章では、大一統思想に関する先行研究に基づいて、大一統思想の形成と発展、その歴 史的な価値、現代的な価値、及び現代の政治思想に与えた影響について分析、考察した。

結果、大一統思想は、今に至っても中国の政治理念に影響を及ぼす重要な政治的思想であ ると共に、それは中国人の国家に対する認識を形成させていることが認められた。史実に 合せて、「分裂」を混乱、内紛、戦争といったマイナス的な印象である一方、「天下一統」

の時代こそ、中国に繁栄をもたらす時代であり、「統一を讃え、分裂を仇す」民族性と関連

(5)

2

付けた。故に、大一統思想は本論の分析の手法に値すると考え、大一統思想の視点から、

「一つの中国原則」を主な研究対象とし、中台関係を分析した。

二章では、中台の公式文書に基づいて、先行研究と合せて、中台それぞれの「一つの中 国」原則に対する見解や行動とその違いを分析、中台が「一つの中国」原則の中に潜ませ ている思惑を、大一統思想の視点で分析した。中国側は台湾の独立を危惧し、「一中各表」

を認めず、台湾側に「一つの中国」原則の堅持を強いている、ことを明らかにする。大一 統思想で中国側の行動を分析すると、中国政府の「一つの中国」原則への堅持は、現在、

中華人民共和国が中国を統治していることの理由、並びに、それが、「正統」な政権である ことを、国民にアピールすることが大きな要因であることがわかる。中国から独立しよう とする動きは、中国の「大一統」局面を破壊し、また、中国政府の統治の正当性が揺るが しかねない。故に、中国政府としては、それを看過できない。一方台湾側は、「一つの中国」

原則を「一中各表」として解釈し、中華民国は全中国に主権を及ぼしており、自分こそが 中国を統治する「正統」であることを主張した。しかし、三章でも述べたように、この「一 つの中国」原則に対する認識も「脱中国化」により、徐々に変化していき、時代とともに 希薄化されていった。

三章では、先行研究に基づいて、台湾の「脱中国化」現象による「一つの中国」原則へ の認識の変遷を分析し、さらに「脱中国化」を政治文化と文化教育に分けて、その影響を 分析した。そして、大一統思想と主権国家概念の違いを分析した上で、台湾側の意識の変 化は、中国に飲み込まれることを危惧し、中国から距離を置き、自主性を保ちたいため、

「脱中国化」を図らい、中国の伝統文化と思想を捨て、西洋の主権国家概念を武器に、台 湾の政治的主体性を守ろうとする行動だと思われる。

終章では、前文の分析が導いた結果をまとめ挙げた上で、「離れつつある台湾と中国」

と「揺らぐ“現状維持”」の二つの結論を出している。最後は中台関係の今後について、「戦 争、放棄、回帰」という三つの可能性を示している。

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I 参考文献

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【中国語文献(簡体字)】

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Referensi

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