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2020年 10月 2日

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私共、働く人への心理支援開発研究センターは、新型コロナウイルスの流行により日本全体の働き方が大きく 変化しようとする中で、その円滑な移行と定着に微力ながら貢献したいと考え、以下の通り、学術調査を実施い たしました。その結果を速報としてまとめましたのでご高覧いただければ幸いです。

なお、本調査は、今後さらに詳細な分析を行い学術論文としてまとめていく予定でおります。

2020年 10月 2日

国立大学法人筑波大学

働く人への心理支援開発研究センター長 岡田昌毅

【研究背景】

新型コロナウイルス感染拡大予防の中でテレワークを推進した企業は急激に増加しました。しかし、対面での 会議とは勝手の異なるオンライン会議や、映像やチャットでの通信ツールを介したコミュニケーションの導入が

、私たちにどのような影響を及ぼすかについては、まだ十分な検討がなされていません。特に、非効率的な意思 決定や、対面であれば考慮された要因の見落とし、社内の人間関係の希薄化など、目に見えぬ問題が今まさに発 生している可能性もあります。

本調査ではこのような問題意識を持ち、今後も継続しまた拡大していくであろうテレワークの活用やネットワ ーク環境のもとでの新たなビジネスシーンを見据え、その実態について把握するとともに、人々がどのように工 夫・対処しているかについて捉えていこうと考えております。そして、これからの時代においてどのような働き 方が必要となるのか、そして私たちが働く職場でのコミュニケーションのあり方はどのように変化していくのか という点について、基礎的な示唆を得ることを狙いとしています。

【研究目的】

第1に、テレワークに伴うオンラインによる会議や映像通信によって、企業内のコミュニケーションや人間関 係がどのように変化しているのかを明らかにします。第2に、コミュニケーションや人間関係の問題を回避する ためにどのような工夫がなされているかを明らかにします。第3に、時系列調査を行い、これらの問題が時間経 過によってどのように解消してゆくかを把握します。本速報では第1と第2の目的に沿って結果を報告します。

【調査の概要】

まず、予備調査として、コロナ禍に伴いテレワークが導入された企業に勤務する方を対象に、2020年

6月13日

~22日にオープン型

Webアンケート

調査を行いました。その結果、343名(男性210名

,女性 130名;20代7.6%,

30代20.4%,40代35.0

%,50代

30.3%,60代以上 4.7%)の回答が得られましたが、その結果を踏まえ、続く本調

査の質問項目を作成しました。

本調査では、企業17社に依頼し、各社の従業員の方にクローズ型

Webアンケート調査への協力を依頼しま

した。その結果、4667名からの回答を得ました。次のページより、本調査の詳細についてご説明いたしま す。

「テレワークによる社内コミュニケーションの変化」

に関する調査結果(速報)

©筑波大学 働く人への心理支援開発研究センター

(2)

1

1.調査時期

2020年(令和2年)8月19日~ 9月 7日に実施しました。

2.有効回答者

回答の得られた

4667

名のうち、

60

項目以上の欠損があったケースおよび回答内容の矛盾があったケースを除 外し、4343名を有効回答として以降の分析を行いました。

性別の内訳は、男性

2946

名、女性

1305

名、その他

5

名、回答しない57名でした(図1)。年齢は図2に示す とおりで、20代から

60

代以上までに広がっていました。

企業規模は図3、職位は図4に示します。

業種は図5に示すとおりで、「情報・通信」が半数弱(44.9%)を占めていますが、

[サービス業(教育・人

材)」(15.3%)、「メーカー」(

14.2%)、

「サービス(その他)」(12.3%)にも分散しています。

図2 年齢の分布 図1 性別の分布

図3 企業規模の分布

図4 職位の分布

14.2%

44.9%

4.5%

3.6%

0.3%

0.1%

15.3%

12.3%

3.8%

1.0%

メーカー 情報・通信 商社・流通・小売 金融・保険 運輸 不動産・建設 サービス(医療・福祉) サービス(教育・人材) サービス(その他) その他 無回答 男性

67.8%

女性 30.0%

その他 0.1%

回答しない

1.3% 無回答

0.7%

20代 12.3%

30代 18.8%

40代 30.4%

50代 31.3%

60代以上 4.4%

回答しない 1.6%

無回答 1.2%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

49.5%

19.1%

14.5%

10.7%

0.8%

4.4%

0.9%

担当職 主任・係長相当職 課長相当職 部長相当職 役員相当職 契約型社員(嘱託・契約・派遣等)相当職 無回答

1.3%

3.9%

1.7%

5.0%

8.2%

15.5%

18.2%

18.8%

19.0%

7.8%

0.7%

10人未満 10人~49人 50人~99人 100人~299人 300人~499人 500人~999人 1000人~2999人 3000人~4999人 5000人~9999人 10000人以上 無回答

(3)

2

3.オンライン会議

3.1オンライン会議の頻度 図6

オンライン会議の利用頻度を、新型コロナウイルスの流行前(昨年

10-12

月頃)と流行後(本年

4-5

月頃)そ れぞれについて尋ねました。

流行前は、「月に

1

回程度」( 11.8%)「それ以下」(

13.7%)「全くない」

(34.5%)で全体の

6

割を占めてお り、半数以上の職場で月

1

回以下程度しか開催されていません。一方、流行後は、「

1

日に数回」(34.9%)「1日

1

回程度」(

10.5%)と半数弱の職場で 1

1

回以上開催されており、月1回以下しか開催されていない職場は

1割弱(8%)しかありません。

©筑波大学 働く人への心理支援開発研究センター 図6 オンライン会議の頻度

3.8%

34.9%

3.2%

10.5%

2.5%

12.0%

8.8%

20.1%

11.8%

8.9%

10.0%

5.3%

11.8%

3.2%

13.7%

1.7%

34.5%

3.4%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

流行前頻度

流行後頻度

1日に数回 1日1回程度 週に4~5回程度 週に2~3回程度 週に1回程度

月に2~3回程度 月に1回程度 それ以下 全くない

(4)

3

3.2オンライン会議の問題 図7

対面会議と比べて、オンライン会議にどのような問題があると感じているかを、

「あてはまる」「ややあてはま

る」「どちらともいえない」「あまりあてはまらない」「あてはまらない」の5段階で尋ねました。以下、「あては まる」と「ややあてはまる」を合わせた比率を該当率と呼びます。

[コミュニケーションに関する問題]

の中で該当率が高かったのは、「相手の表情やしぐさなどが分かりにくい」

(86.7%) 「参加者がどう反応しているかが分かりにくい」

(85.8%)というものでした。また、

[内容・意思決定上 の問題]に関しては、「雑談や些細な話題のやりとりが少ない」(65.2%)「会議のテーマや議題から話がそれにく

い」(

55.0%)が多く挙げられていました。一方、

[機器操作・準備上の問題]の中で多かったのは「ソフトや機

器の不調により会議がうまく進まない」(40.8%)という問題でした。

図7 オンライン会議の問題 50.4%

45.9%

33.6%

30.7%

27.2%

25.0%

9.1%

12.0%

2.8%

28.4%

12.0%

17.9%

16.3%

11.1%

9.0%

8.7%

8.9%

9.2%

8.0%

7.3%

15.1%

6.9%

4.9%

2.8%

36.3%

39.9%

42.8%

42.2%

45.6%

45.4%

38.4%

32.8%

13.8%

36.9%

43.0%

36.9%

36.1%

35.9%

35.0%

31.8%

29.8%

27.2%

20.1%

33.5%

25.2%

19.3%

16.9%

11.3%

6.4%

6.7%

12.7%

16.7%

15.0%

11.3%

19.1%

34.8%

17.6%

16.1%

31.8%

25.8%

24.4%

39.1%

29.0%

44.7%

32.2%

26.1%

43.4%

20.9%

17.7%

25.0%

22.5%

18.7%

5.1%

5.5%

8.6%

8.1%

9.7%

13.5%

23.8%

14.8%

32.7%

13.7%

10.7%

14.8%

18.1%

10.9%

21.5%

12.0%

22.9%

26.1%

20.7%

26.3%

27.0%

32.1%

34.2%

37.5%

1.8%

2.0%

2.4%

2.3%

2.4%

4.8%

9.6%

5.6%

33.2%

5.0%

2.5%

4.6%

5.1%

2.9%

5.5%

2.7%

6.1%

11.5%

7.8%

12.0%

15.0%

16.7%

21.5%

29.7%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

(3)相手の表情やしぐさなどが分かりにくい (2)参加者がどう反応しているかが分かりにくい (6)場の雰囲気がつかみづらい (12)積極的に発言する人とそうでない人がはっきりわかれる (5)相手がどのくらい内容を理解できているかが分かりにくい (1)発言をするタイミングがつかみにくい (19)相手の声がしっかり聞き取れず、もどかしい (23)人と直接会うときのような圧力を感じずにいられる (20)プライベートの様子が会議中に見えてしまう

(8)雑談や些細な話題のやりとりが少ない (22)会議のテーマや議題から話がそれにくい (9)会議中に他の参加者との一体感が生まれにくい (4)会議の進行やコントロールが難しい (24)感情的な発言や議論が少ない (11)発言や議論が活発にならない (21)会議が合理的・効率的に進行しやすい (13)議論や内容が深まらないままに会議が進行しやすい (10)会議に「自分が参加している」という当事者意識が生ま…

(14)画期的なアイディアや独創的な案が生まれにくい

(17)ソフトや機器の不調により会議がうまく進まない (7)ホワイトボードや紙の資料などが使えず、不便さを感じる (15)会議に伴う負担感や疲労感が大きい (16)会議の準備や設定に手間がかかる (18)ソフトや機器の操作に慣れず、会議に積極的に参加でき…

あてはまる ややあてはまる どちらともいえない あまりあてはまらない あてはまらない 相手の表情やしぐさなどが分かりにくい

参加者がどう反応しているかが分かりにくい 場の雰囲気がつかみづらい 積極的に発言する人とそうでない人がはっきりわかれる 相手がどのくらい内容を理解できているかが分かりにくい 発言をするタイミングがつかみにくい 相手の声がしっかり聞き取れず、もどかしい 人と直接会うときのような圧力を感じずにいられる プライベートの様子が会議中に見えてしまう

雑談や些細な話題のやりとりが少ない 会議のテーマや議題から話がそれにくい 会議中に他の参加者との一体感が生まれにくい 会議の進行やコントロールが難しい 感情的な発言や議論が少ない 発言や議論が活発にならない 会議が合理的・効率的に進行しやすい 議論や内容が深まらないままに会議が進行しやすい 会議に「自分が参加している」という当事者意識が生まれにくい 画期的なアイディアや独創的な案が生まれにくい

ソフトや機器の不調により会議がうまく進まない ホワイトボードや紙の資料などが使えず、不便さを感じる 会議に伴う負担感や疲労感が大きい 会議の準備や設定に手間がかかる ソフトや機器の操作に慣れず、会議に積極的に参加できない

[機器操作・準備上の問題]

[内容・意思決定上の問題]

[コミュニケーションの問題]

(5)

4

3.3オンライン会議の工夫 図8

オンライン会議をする際に職場で工夫していることを尋ねました。

[会議中の工夫]としては、

「必要な時には、画面を共有してプレゼンテーションをしている」(67.8%)という

ものが最も多くみられました。続いて「発言者以外は映像や音声をオフにするなど、お互いに不要な情報を少な くしている」(62.6%)「通信状況が安定するように、映像をオフにしている」(50.1%)というように、あえて映像 の配信を制限するという工夫も多くなされていることがわかりました。さらに「質問や疑問を尋ねる時間を確保 するようにしている」 (35.4%)という積極的な発言を促す工夫もとられていました。

一方、[会議前後の工夫]として多く見られたのは、「会議前に、参加メンバーに会議資料を共有しておく」(61.2%)

「会議前に、会議のテーマや論点を明確にしておく」

(57.6%)というものであり、6割前後の回答者が行っていま

した。次いで「ソフトや機器が十分に動作するように通信環境を整えている」

(44.8%)が多くなっていました。ま

た、「会議の日程や時間のリマインドを欠かさないようにしている」

(34.8%)という工夫もみられました。

67.8%

62.6%

50.1%

35.4%

32.2%

30.5%

27.0%

25.0%

24.8%

24.8%

19.4%

16.7%

15.4%

15.1%

12.6%

7.6%

7.2%

7.0%

61.2%

57.6%

44.8%

34.8%

33.5%

31.8%

28.3%

28.0%

22.8%

18.5%

14.6%

7.5%

2.7%

1.8%

(29)必要な時には、画面を共有してプレゼンテーショ…

(26)発言者以外は映像や音声をオフにするなど、お互…

(27)通信状況が安定するように、映像をオフにしている (25)質問や疑問を尋ねる時間を確保するようにしている (16)進行役が促し、全員が発言できるようにしている (15)参加者同士で、お互いに発言や質問などを促すよ…

(22)誰かが発言している際には、あえてわかりやすく…

(11)雑談や世間話など、会議と関係のない話題を意図…

(17)発言しない人がいたときには、進行役が発言を求…

(20)発言時には、挙手ボタンを用いるなど、わかりや…

(12)出席者ひとりひとりに丁寧に接するようにしている (19)話題がそれ始めた時には、進行役が戻すようにし…

(24)お互いがどのくらい理解しているかなどを随時確…

(10)疲労が溜まらないように、意識的に休憩時間を挟…

(23)議論や発言の内容などを、随時チャット欄でまと…

(28)お互いの表情が分かるように、全員の映像をつね…

(18)発言が長い人については、進行役が止めるように…

(30)会議用のソフトだけでなく、別のメディアも併用…

(1)会議前に、参加メンバーに会議資料を共有しておく (2)会議前に、会議のテーマや論点を明確にしておく (5)ソフトや機器が十分に動作するように通信環境を整…

(8)会議の日程や時間のリマインドを欠かさないように…

(9)目的や状況に合わせて、対面での会議とオンライン…

(14)オンラインでの会議でも伝わりやすいように資料…

(6)ソフトや機器に関する知識やスキルを高めるように…

(13)あらかじめ、自分の発言内容を分かりやすく伝え…

(4)会議後に、参加者と個別のやり取りや追加説明を…

(3)会議前に、重要な参加者との間で根回しや合意形成…

(7)ソフトや機器の操作についてのマニュアルを作成・…

(21)発言時のルールについてあらかじめ決めておく

(31)特に工夫していない (32)その他

図8 オンライン会議の工夫 必要な時には、画面を共有してプレゼンテーションをしている 発言者以外は映像や音声をオフにするなど、お互いに不要な情報を少なくしている 通信状況が安定するように、映像をオフにしている 質問や疑問を尋ねる時間を確保するようにしている 進行役が促し、全員が発言できるようにしている 参加者同士で、お互いに発言や質問などを促すようにしている 誰かが発言している際には、あえてわかりやすく反応するようにしている 雑談や世間話など、会議と関係のない話題を意図的に含めている 発言しない人がいたときには、進行役が発言を求めるようにしている 発言時には、挙手ボタンを用いるなど、わかりやすく合図を出すようにしている 出席者ひとりひとりに丁寧に接するようにしている 話題がそれ始めた時には、進行役が戻すようにしている お互いがどのくらい理解しているかなどを随時確認するようにしている 疲労が溜まらないように、意識的に休憩時間を挟んだり時間を短縮したりしている 議論や発言の内容などを、随時チャット欄でまとめるようにしている お互いの表情が分かるように、全員の映像をつねにオンにしている 発言が長い人については、進行役が止めるようにしている 会議用のソフトだけでなく、別のメディアも併用するようにしている

会議前に、参加メンバーに会議資料を共有しておく 会議前に、会議のテーマや論点を明確にしておく ソフトや機器が十分に動作するように通信環境を整えている 会議の日程や時間のリマインドを欠かさないようにしている 目的や状況に合わせて、対面での会議とオンラインでの会議を使い分けている オンラインでの会議でも伝わりやすいように資料を作成することを意識している ソフトや機器に関する知識やスキルを高めるようにしている あらかじめ、自分の発言内容を分かりやすく伝えられるよう工夫しておく 会議後に、参加者と個別のやり取りや追加説明を行っておく 会議前に、重要な参加者との間で根回しや合意形成を進めておく ソフトや機器の操作についてのマニュアルを作成・配布している 発言時のルールについてあらかじめ決めておく

特に工夫していない その他

[会議中の工夫]

[会議前後の工夫]

©筑波大学 働く人への心理支援開発研究センター

(6)

5

3.4オンライン会議の満足度 図9

オンライン会議に関して、総合的にみてどの程度満足しているかを尋ねました。

その結果、

「非常に満足している」

(8.9%)

「満足している」

(29.9%)が4割を占め、

「どちらかといえば満足して いる」(38.3%) を合わせると8割弱(

77.1%)がオンライン会議に満足していました。一方、

「非常に不満であ る」

(0.6%)

「不満である」

(1.9%)

「どちらかといえば不満である」

(7.4%)を合わせた不満層は1割(9.8%)しかい

ません。ただし、最も多かったのは「どちらかといえば満足している」でしたことを踏まえると、「まあまあ満足 しているけれど、いくつかの点でまだ問題があると感じている」という方が多かったと考えられます。

4.テレコミュニケーション

4.1テレコミュニケーションの頻度 図

10

本調査では、

Zoom

Teams、 Skype

などの「映像を介した、1対1での会話やコミュニケーション」を「テレコ ミュニケーション」と捉え、その詳細を尋ねました。

テレコミュニケーションの利用頻度を、新型コロナウイルスの流行前(昨年

10-12

月頃)と流行後(本年

4-5

月頃)それぞれについて尋ねました。

流行前は、「全くない」

(46.6%)が最も多く、半数弱を占めており、

「月に

1

回程度」(9.7%)「それ以下」(17.3%) を合わせると、全体の7割を占めており、ほとんどの職場で月

1

回以下程度しか開催されていません。一方、流 行後は、「全くない」は1割強(15.2%)に減り、「1日に数回」(21.9%)「週に2~3回程度」(

13.3%)

「週に1回程 度」(10.6%)と頻度が分散していました。

4.6%

21.9%

2.3%

7.3%

1.5%

7.2%

4.7%

13.3%

7.0%

10.6%

6.3%

7.8%

9.7%

8.8%

17.3%

7.9%

46.6%

15.2%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

流行前頻度

流行後頻度

1日に数回 1日1回程度 週に4~5回程度 週に2~3回程度 週に1回程度

月に2~3回程度 月に1回程度 それ以下 全くない

図10 テレコミュニケーションの頻度 図9 オンライン会議の満足度

非常に満足している 8.9%

満足している 29.9%

どちらかといえ ば満足している

38.3%

どちらともいえない 13.1%

どちらかといえば 不満である

7.4%

不満である 1.9%

非常に不満である 0.6%

(7)

6

4.2テレコミュニケーションの利点と問題点 図

11

対面の会話やコミュニケーションに比べて、テレコミュニケーションにどのような長所と問題があると感じて

いるかを、「あてはまる」「ややあてはまる」「どちらともいえない」「あまりあてはまらない」「あてはまらない」

の5段階で尋ねました。ここでも、「あてはまる」と「ややあてはまる」を合わせた該当率を基に解釈します。

[コミュニケーション上の利点・問題点]の中では、

「話しをするために会いに行くなどの時間が不要になった」

(78.4%)という長所が最も該当率が高かったのですが、「相手の表情や気持ちがわかりづらい」(

54.4%)「相手

の反応がうまく読み取れない」(52.3%)という問題も高い該当率を示していました。

また[心理面における利点・問題点]としては「普段以上に、注意しながら話さないといけないと感じる」(49.3%) が、[内容面における利点・問題点]としては「些細なやり取りや雑談などがしづらい」(37.4%)が最も多かった のですが、いずれも該当率は5割以下で、オンライン会議よりも少なくなっていました。

©筑波大学 働く人への心理支援開発研究センター 44.2%

15.9%

15.1%

10.6%

7.5%

6.2%

4.3%

3.2%

13.2%

7.2%

7.0%

6.6%

4.9%

4.7%

3.3%

2.8%

10.6%

7.8%

7.0%

6.7%

6.7%

6.0%

6.0%

34.3%

38.5%

37.1%

29.5%

27.2%

21.6%

16.3%

15.1%

36.1%

29.8%

27.6%

20.1%

16.4%

16.1%

15.5%

12.7%

26.8%

24.0%

22.1%

22.1%

19.9%

20.4%

19.8%

14.4%

15.3%

15.9%

19.3%

22.0%

27.5%

22.1%

23.0%

20.4%

20.4%

27.3%

23.5%

23.9%

53.1%

20.7%

36.9%

19.9%

42.4%

23.4%

25.8%

20.1%

22.1%

26.4%

4.7%

21.8%

22.9%

28.0%

26.1%

31.8%

30.6%

33.3%

20.2%

26.9%

24.9%

30.6%

33.4%

18.2%

33.3%

32.6%

27.5%

19.9%

30.8%

31.4%

30.4%

35.4%

30.4%

2.5%

8.5%

8.9%

12.7%

17.2%

12.8%

26.7%

25.3%

10.2%

15.7%

13.2%

19.2%

21.4%

8.0%

27.3%

15.0%

15.1%

5.9%

16.7%

14.0%

22.8%

16.2%

17.4%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

(22)話しをするために会いに行くなどの時間が不要になった (2)相手の表情や気持ちがわかりづらい (1)相手の反応がうまく読み取れない (4)発言するタイミングが難しい (18)対面で話すときに比べて、時間がかかる (3)うまく意思疎通をすることができない (19)事前に機器や設備の準備をしなくてはならないのが面…

(14)プライベートの様子が必要以上に伝わってしまう

(5)普段以上に、注意しながら話さないといけないと感じる (16)通信がうまくいかず、ストレスを感じる (15)相手との関係を築いたり深めたりすることが難しい (13)対面で話すときに比べて、疲労や緊張を感じる (9)会話をしていても不自然な気がする (23)話していて楽しいと感じる (17)機器の操作の仕方などがわからず、ストレスを感じる (20)相手の普段の様子がわかり、親しみを感じやすい

(7)些細なやり取りや雑談などがしづらい (21)情報や知識の共有がしやすい (8)予定していなかったやり取りや話題がしづらい (11)言いにくいことやネガティブなことを話題にしづらい (6)紙の資料などを使って話せず、不便だと思う (12)ちょっとした思い付きやアイディアを口にしづらい (10)話が深まりにくい

あてはまる ややあてはまる どちらともいえない あまりあてはまらない あてはまらない

図11 テレコミュニケーションの利点と問題点 話しをするために会いに行くなどの時間が不要になった

相手の表情や気持ちがわかりづらい 相手の反応がうまく読み取れない 発言するタイミングが難しい 対面で話すときに比べて、時間がかかる うまく意思疎通をすることができない 事前に機器や設備の準備をしなくてはならないのが面倒だ プライベートの様子が必要以上に伝わってしまう

普段以上に、注意しながら話さないといけないと感じる 通信がうまくいかず、ストレスを感じる 相手との関係を築いたり深めたりすることが難しい 対面で話すときに比べて、疲労や緊張を感じる 会話をしていても不自然な気がする 話していて楽しいと感じる 機器の操作の仕方などがわからず、ストレスを感じる 相手の普段の様子がわかり、親しみを感じやすい

些細なやり取りや雑談などがしづらい 情報や知識の共有がしやすい 予定していなかったやり取りや話題がしづらい 紙の資料などを使って話せず、不便だと思う 言いにくいことやネガティブなことを話題にしづらい 話が深まりにくい ちょっとした思い付きやアイディアを口にしづらい

[コミュニケーション上の利点・問題点]

[心理面における利点・問題点]

[内容面における利点・問題点]

(8)

7

4.3テレコミュニケーションの工夫 図

12

テレコミュニケーションをする際に職場で工夫していることを尋ねました。

[会話・コミュニケーション中の工夫]の中で多かったのは、

「会話と同時に、メールやチャットも併用してい

る」(34.4%)や「対面で会話をする時よりも、発言するタイミングに注意している」(31.7%)などの工夫でした。

一方、[会話・コミュニケーション前後の工夫]では、「会話をする前に、相手の都合や状況を確認しておく」

(46.0%)が最も多く、

「会話をする前に、相手と資料を共有しておく」(

38.5%)

「会話をする前に、尋ねるべきこと

などをリスト化しておく」

(34.0%)

「プライベートの様子が見えないよう、身だしなみや背景を整えておく」

(35.2%)

などの工夫がそれに続いていました。

34.4%

31.7%

27.2%

27.0%

26.3%

23.3%

18.9%

18.7%

17.5%

15.7%

14.8%

13.7%

12.6%

11.8%

5.8%

46.0%

38.5%

35.2%

34.0%

25.5%

19.8%

15.4%

10.4%

2.9%

8.4%

0.8%

(6)会話と同時に、メールやチャットも併用…

(20)対面で会話をする時よりも、発言する…

(18)対面で会話をする時よりも、うなずき…

(22)対面で会話をする時よりも、相手の発…

(19)対面で会話をする時よりも、説明・発…

(17)対面で会話をする時よりも、説明・発…

(7)出来る限り、映像を使用しながら会話を…

(16)雑談や世間話など、業務と関係のない…

(8)発言内容のメモを共有しながら会話をす…

(23)対面で会話をする時よりも、意図的に…

(24)相手のプライベートな様子については…

(15)対面で会話をする時よりも、双方の認…

(11)絵文字や反応ボタンなどを積極的に利…

(21)カメラの部分を見て、相手と目線が合…

(10)相手との会話用の機器と資料等の確認…

(2)会話をする前に、相手の都合や状況を確…

(1)会話をする前に、相手と資料を共有して…

(5)プライベートの様子が見えないよう、身…

(3)会話をする前に、尋ねるべきことなどを…

(14)いつでも会話ができるよう、自分の1日…

(4)会話をする前に、機器の操作方法などを…

(9)ストレスなく会話ができるよう、会話を…

(13)朝や夕方などに、コミュニケーション…

(12)通信が安定するよう、混雑する時間帯…

(25)特に工夫していない (26)その他

図12 テレコミュニケーションの工夫 (6)会話と同時に、メールやチャットも併用している

(20)対面で会話をする時よりも、発言するタイミングに注意している (18)対面で会話をする時よりも、うなずきやあいづちを大きく見せるようにしている (22)対面で会話をする時よりも、相手の発言をより丁寧に聞くようにしている (19)対面で会話をする時よりも、説明・発言を丁寧に行うようにしている (17)対面で会話をする時よりも、説明・発言を明確化するようにしている (7)出来る限り、映像を使用しながら会話をするようにしている (16)雑談や世間話など、業務と関係のない話題を意図的に含めている (8)発言内容のメモを共有しながら会話をするようにしている (23)対面で会話をする時よりも、意図的に相手の発言を促すようにしている (24)相手のプライベートな様子については触れないように気を付けている (15)対面で会話をする時よりも、双方の認識や理解の確認を多く行うようにしている (11)絵文字や反応ボタンなどを積極的に利用している (21)カメラの部分を見て、相手と目線が合うように注意している (10)相手との会話用の機器と資料等の確認用の機器を別に用意して会話するようにしている

(2)会話をする前に、相手の都合や状況を確認しておく (1)会話をする前に、相手と資料を共有しておく (5)プライベートの様子が見えないよう、身だしなみや背景を整えておく (3)会話をする前に、尋ねるべきことなどをリスト化しておく (14)いつでも会話ができるよう、自分の1日の予定を関わりのあるメンバーに知らせておく (4)会話をする前に、機器の操作方法などをよく確認しておく (9)ストレスなく会話ができるよう、会話をする前に機器や通信環境の調整を入念に行っている (13)朝や夕方などに、コミュニケーションを取る機会を定例的に設けている (12)通信が安定するよう、混雑する時間帯を避けて会話の日時を調整するようにしている

(25)特に工夫していない (26)その他 会話と同時に、メールやチャットも併用している 対面で会話をする時よりも、発言するタイミングに注意している 対面で会話をする時よりも、うなずきやあいづちを大きく見せるようにしている 対面で会話をする時よりも、相手の発言をより丁寧に聞くようにしている 対面で会話をする時よりも、説明・発言を丁寧に行うようにしている 対面で会話をする時よりも、説明・発言を明確化するようにしている 出来る限り、映像を使用しながら会話をするようにしている 雑談や世間話など、業務と関係のない話題を意図的に含めている 発言内容のメモを共有しながら会話をするようにしている 対面で会話をする時よりも、意図的に相手の発言を促すようにしている 相手のプライベートな様子については触れないように気を付けている 対面で会話をする時よりも、双方の認識や理解の確認を多く行うようにしている 絵文字や反応ボタンなどを積極的に利用している カメラの部分を見て、相手と目線が合うように注意している 相手との会話用の機器と資料等の確認用の機器を別に用意して会話するようにしている

会話をする前に、相手の都合や状況を確認しておく 会話をする前に、相手と資料を共有しておく プライベートの様子が見えないよう、身だしなみや背景を整えておく 会話をする前に、尋ねるべきことなどをリスト化しておく いつでも会話ができるよう、自分の1日の予定を関わりのあるメンバーに知らせておく 会話をする前に、機器の操作方法などをよく確認しておく ストレスなく会話ができるよう、会話をする前に機器や通信環境の調整を入念に行っている 朝や夕方などに、コミュニケーションを取る機会を定例的に設けている 通信が安定するよう、混雑する時間帯を避けて会話の日時を調整するようにしている

特に工夫していない その他

[会話・コミュニケーション前後の工夫]

[会話・コミュニケーション中の工夫]

(9)

8

4.4テレコミュニケーションの満足度 図

13

テレコミュニケーションに関して、総合的にみてどの程度満足しているかを尋ねました。

その結果、

「非常に満足している」(10.8%)「満足している」(27.1%)が4割弱を占め、「どちらかといえば満足

している」(33.1%) を合わせると7割(71%)がテレコミュニケーションに満足していました。一方、「非常に 不満である」

(0.6%)

「不満である」

(1.7%)

「どちらかといえば不満である」

(6.9%)を合わせた不満層は1割(9.2%)

しかいません。

ただし、オンライン会議と同様に、最も多かったのは「どちらかといえば満足している」であり、ここでも「ま あまあ満足しているけれど、いくつかの点でまだ問題があると感じている」という方が多かったと考えられます。

©筑波大学 働く人への心理支援開発研究センター 非常に満足している

10.8%

満足している 27.1%

どちらかといえば 満足している

33.1%

どちらともいえない 19.9%

どちらかといえば 不満である

6.9%

不満である 1.7%

非常に不満である 0.6%

図13 テレコミュニケーションの満足度

(10)

9

5.テレワーク導入

5.1

テレワーク導入後の職場や仕事上の変化 図

14

テレワークを導入した企業の方に、導入によって職場や仕事にどのような変化があったかを「あてはまる」

「ややあてはまる」「どちらともいえない」「あまりあてはまらない」「あてはまらない」の5段階で尋ねました。

ここでも、「あてはまる」と「ややあてはまる」を合わせた該当率を基に説明します。

[業務遂行上の変化]の中で該当率が高かったのは,

「メール以外のコミュニケーションツール活用が進み、効率

が良くなった」(

59.5%)

「職場全体が無駄な業務を省くようになった」(50.1%)等であり、仕事上の効率化が進ん でいますが、「仕事の成果を出せる人、出せない人の差が明らかになってきた」(

37.6%)と感じる人が約 4

割いま

す。「次に、

[コミュニケーションや関係性の変化 ]に関しては、

「職場全体の雰囲気が見えにくくなった」(72.5%)

「職場や同僚の状況や様子がわかりにくくなった」(71.9%)「業務以外のことに関する情報交換が少なくなった」

(71.6%)「新たな人や初めての人との関係を深めることが難しくなった」(68.7%)などのコミュニケーションの 問題が生じており、職場全体を把握することや新しい人間関係を築くことの難しさが実感されていました。

なお、

[個人の意識の変化]では、

「通勤時間がなくなり、プライベートの時間が多く取れるようになった」(76.7%)

「働き方の自由度が増えて、働きやすくなった」(

66.8%)など、自由さが増すという良い変化が見られました。

図14 テレワーク導入後の職場や仕事上の変化 16.9%

11.9%

14.0%

9.7%

12.9%

11.1%

7.0%

8.3%

27.4%

25.0%

26.4%

30.4%

25.3%

24.3%

19.8%

12.6%

13.7%

7.4%

13.1%

11.1%

7.1%

6.1%

5.6%

3.7%

4.7%

46.5%

35.1%

5.8%

42.6%

38.2%

31.2%

32.0%

28.7%

26.5%

22.4%

17.7%

45.1%

46.9%

45.2%

38.3%

41.2%

38.9%

40.8%

46.0%

34.7%

33.0%

26.2%

25.0%

22.9%

20.9%

19.7%

19.2%

17.6%

30.2%

31.7%

19.4%

27.4%

32.6%

32.4%

38.0%

27.5%

46.6%

33.7%

41.1%

16.1%

15.1%

17.5%

18.6%

21.6%

24.5%

23.3%

29.5%

26.7%

39.3%

35.8%

38.2%

35.5%

37.5%

41.5%

32.0%

45.5%

13.5%

22.1%

28.2%

9.4%

11.3%

15.3%

14.4%

20.4%

10.2%

24.3%

19.7%

8.1%

8.9%

7.2%

8.6%

7.6%

7.3%

10.9%

8.1%

17.1%

13.8%

16.6%

17.1%

24.8%

24.2%

21.9%

29.8%

23.7%

5.9%

6.9%

25.7%

3.5%

5.7%

7.3%

5.9%

10.6%

5.6%

12.3%

13.1%

3.4%

4.1%

3.6%

4.2%

4.0%

4.5%

5.1%

3.6%

7.7%

6.0%

7.7%

8.7%

9.4%

11.1%

10.7%

15.2%

8.4%

3.8%

3.8%

20.2%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

(2)メール以外のコミュニケーションツール活用が進み、効率が…

(5)職場全体が無駄な業務を省くようになった (3)出社時と在宅時の仕事のメリハリが進み、業務効率があがった (4)ひとつひとつの業務の意味を考えるようになった (7)部署を越えたやりとりがしづらくなった (1)仕事の成果を出せる人、出せない人の差が明らかになってきた (8)準備や管理のため手間や工数が増えている (6)テレワークしている社員としていない社員との間で、仕事の…

(24)職場全体の雰囲気が見えにくくなった (16)職場や同僚の状況や様子がわかりにくくなった (22)業務以外のことに関する情報交換が少なくなった (18)新たな人や初めての人との関係を深めることが難しくなった (21)仕事での関係がある人としかつながらず、疎遠な人とはます…

(14)直接会える機会を大切にするようになった (23)以前に比べ、全般的にコミュニケーションが少なくなった…

(11)今まで以上に丁寧な説明が必要になっている (17)上司とのコミュニケーションに変化はないが同僚とのコミュ…

(13)以前より同じ職場のメンバーの仕事や都合に配慮するように…

(25)職場全体の一体感が失われたような気がする (9)煩わしい人間関係を気にしなくてよくなった (19)テキストでのやり取りが増え、コミュニケーションのすれ違…

(20)情報が限定され、相手の意図などを悪く憶測しやすい (12)チャット等でのリアルタイムなコミュニケーションにより、…

(15)人間関係が希薄になり、他の人に無関心になった (10)より積極的にコミュニケーションを取るようになった

(26)通勤がなくなり、プライベートの時間が多く取れるように…

(27)働き方の自由度が増えて、働きやすくなった (28)会社や同僚の様子がわからず、孤独や不安を感じるように…

あてはまる ややあてはまる どちらともいえない あまりあてはまらない あてはまらない

[業務遂行上の変化]

メール以外のコミュニケーションツール活用が進み、効率が良くなった 職場全体が無駄な業務を省くようになった 出社時と在宅時の仕事のメリハリが進み、業務効率があがった ひとつひとつの業務の意味を考えるようになった 部署を越えたやりとりがしづらくなった 仕事の成果を出せる人、出せない人の差が明らかになってきた 準備や管理のため手間や工数が増えている テレワークしている社員としていない社員との間で、仕事の量に片寄りがでている

職場全体の雰囲気が見えにくくなった 職場や同僚の状況や様子がわかりにくくなった 業務以外のことに関する情報交換が少なくなった 新たな人や初めての人との関係を深めることが難しくなった 仕事での関係がある人としかつながらず、疎遠な人とはますます疎遠になった 直接会える機会を大切にするようになった 以前に比べ、全般的にコミュニケーションが少なくなったり、取り難くなった 今まで以上に丁寧な説明が必要になっている 上司とのコミュニケーションに変化はないが同僚とのコミュニケーションは減っている 以前より同じ職場のメンバーの仕事や都合に配慮するようになった 職場全体の一体感が失われたような気がする 煩わしい人間関係を気にしなくてよくなった テキストでのやり取りが増え、コミュニケーションのすれ違いが起きるようになった 情報が限定され、相手の意図などを悪く憶測しやすい チャット等でのリアルタイムなコミュニケーションにより、距離が縮まった 人間関係が希薄になり、他の人に無関心になった より積極的にコミュニケーションを取るようになった

通勤がなくなり、プライベートの時間が多く取れるようになった 働き方の自由度が増えて、働きやすくなった 会社や同僚の様子がわからず、孤独や不安を感じるようになった

[業務遂行上の変化]

[コミュニケーションや関係性の変化]

[個人の意識の変化]

(11)

10

5.2テレワーク導入の満足度 図

15

テレワークを導入した事への満足度は、「非常に満足している」

(20.2%)や「満足している」 (31.7%)が多く、

「ど ちらかといえば満足している」(27.7%)を合わせると、8割がテレワークの導入に満足していました。

6.まとめ

テレワークに伴うオンラインによる会議や映像通信によって、企業内のコミュニケーションや人間関係がどの ように変化しているのか、またテレワークに関わる問題を回避するためにどのような工夫がなされているかを明 らかにするために、

web調査を行いました。予備調査の結果を踏まえ、本年8月 17日~9月 7日に、企業17社の従業

員の方にクローズ型

Web調査を実施し、 4343名から有効回答を得ました。主な結果は以下の通りです。

・オンライン会議については、8割弱が満足していましたが、最も多かったのは「どちらかといえば満足」と いうレベルでした。生じている問題をみると、「相手の表情やしぐさなどが分かりにくい(86.7%)」などの参 加者の反応が把握しにくいという問題と「積極的に発言する人とそうでない人がはっきりわかれる(72.9%)」

「発言をするタイミングがつかみにくい(70.4%)」などの発言のしにくさが多くあがりました。そして、「会 議前に、参加メンバーに会議資料を共有しておく(61.2%)」会議前に、会議のテーマや論点を明確にしておく

(57.6%)」など会議前の準備をするなどの工夫がみられました。

・テレコミュニケーションについても、8割が満足していましたが、最も多かったのは、「どちらかといえば 満足」でした。具体的には、「話をするために会いに行くなどの時間が不要になった(78.4%)」良さはありま すが、「普段以上に、注意しながら話さないといけないと感じる(49.3%)」などの問題がありました。このた め、「会話をする前に、相手の都合や状況を確認しておく(46.0%)」などの会話前の準備や「会話と同時にメ ールやチャットも併用している(34.4%)などの工夫がみられました。

・テレワーク導入については、8割が満足していました。導入後の変化をみると、個人としては「通勤がなく なり、プライベートの時間が多く取れるようになった(76.7%)」「働き方の自由度が増えて、働きやすくなっ た(66.8%)」などの自由さが増すという良い変化がみられ、仕事上でも「メール以外のコミュニケーションツ ール活用が進み、効率が良くなった(59.5%)」「職場全体が無駄な業務を省くようになった」(50.1%)等の 効率化が進んでいました。しかし、「業務以外のことに関する情報交換が少なくなった(71.6%)」「以前に比 べ、全般的にコミュニケーションが少なくなったり、取り難くなった(60.6%)」などのコミュニケーションの 問題が生じており、「職場全体の雰囲気が見えにくくなった(72.5%)」「職場や同僚の状況や様子がわかりに くくなった(71.9%)」など職場全体を把握することが難しくなり、「新たな人や初めての人との関係を深める ことが難しくなった(68.7%)」「仕事での関係がある人としかつながらず、疎遠な人とはますます疎遠になっ た(66.5%)」など新しい人間関係を築くことの難しさが実感されていました。

非常に満足している 20.2%

満足している 31.7%

どちらかといえば満足 している

27.7%

どちらともいえない 12.3%

どちらかといえば 不満である

4.8%

不満である 2.2%

非常に不満である 1.0%

図15 テレワーク導入の満足度

(12)

11

7.提言

本研究の結果に基づいて、今後のテレワークのあり方について提言を致します。

オンライン会議もテレコミュニケーションも回答者の8割前後が満足していましたが、最も多かったのは、「 どちらかといえば満足」でした。この結果は「満足はしているが問題もある」と認識されていることを示してい ます。

その問題は第1に、相手の反応や感情が分かりにくいこと。第2に、議題が絞られ、雑談などができず、話題 が広がらないために、一体感が得られにくいこと。第3に、これらの問題を防ぐために、会議や会話の前の準備 が必要であることでした。

テレワーク全体でみると、満足度は高くなっていました。この理由は、個人の活動の自由さや仕事の効率化に あると考えられます。しかしその一方で、オンライン会議やテレコミュニケーションで指摘された問題点に加え て、「新しい人間関係を築きにくい」という第4の問題や「組織全体が見えにくくなった」といった第5の問題が 意識されていました。

当センターでは、これらの問題が組織に中長期的に与える影響を考えてみました。

私たちは雑談を交わしながら、新しい着想を得ることがあります。「雑談がしにくい」という第2の問題は、

会議の中やコミュニケーション相手と一体感が得られにくいという問題だけでなく、人との交流から生まれる創 造性が醸成されにくいという問題につながります。ユーモアを交わして生まれる心のゆとりがなくなり、新しい 発想が生まれにくくなります。「新しい人間関係が築きにくい」という第4の問題も、人間関係の固定化につなが ります。

第5の「組織全体が見えにくい」という問題は、組織全体の一体感が育ちにくい環境を生みます。個別の課題 への取り組みは効率的になるが、企業全体が一つの理念にそって活動する機運は生まれにくくなります。

このように上記の5つの問題は、中長期的にみると、創造性の抑制や企業の一体感の低下などの問題を生む可 能性があります。当センターでは、テレワークが急激に広がりつつある現時点で、こうした中長期的な問題に目 を向けた対策に取り組むことを提言致します。

【研究体制】

岡田昌毅 筑波大学 働く人への心理支援開発研究センター長・人間系教授〔産業・組織心理学〕

御手洗尚樹 筑波大学 働く人への心理支援開発研究センター客員教授

松井 豊

筑波大学 働く人への心理支援開発研究センター主幹研究員・名誉教授〔社会心理学〕

藤 桂 筑波大学 働く人への心理支援開発研究センター・人間系准教授〔社会心理学〕

原 恵子 筑波大学 働く人への心理支援開発研究センター准教授〔産業・組織心理学〕

中村准子 筑波大学 働く人への心理支援開発研究センター研究員〔産業・組織心理学〕

福林 直

筑波大学 働く人への心理支援開発研究センター客員研究員〔社会心理学〕

調査に関するお問い合わせは

筑波大学 働く人への心理支援開発研究センター 学術調査事務局 担当:中村

〒112-0012 東京都文京区大塚 3-29-1

t-onelab_info@un.tsukuba.ac.jp 03-3942-6573

http://www.human.tsukuba.ac.jp/counseling/t-one-lab/

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