セミナー室
植物の高CO2応答-8気孔のCO 2 応答機構
橋本(杉本)美海,祢冝淳太郎,楠見健介,射場 厚
九州大学理学研究院生物科学部門
はじめに
植物は光エネルギーを利用し,CO2 を吸収,固定
(光合成)すると同時に水蒸気を放出(蒸散)する.こ のようなガス交換は,2つの向かい合う腎臓型の孔辺細 胞によって形成された穴,気孔を介して行われる.気孔 の開度は厳密に調節されているため,植物は環境が変化 しても生育に適した状態を保つことができる.たとえ ば,光照射下においては光合成を促進するために外気の CO2 が必要なので気孔は開く.また,乾燥条件下では 体内からの過剰な水分の放出を抑えるために気孔は閉じ る.気孔の開度を変化させる要因として光や乾燥条件の ほかにCO2 濃度(以下 [CO2] と標記する)が挙げられ る.大気中の [CO2] が短時間に大きく変化することは ほとんどないが,日中,光合成が盛んになると葉内の
[CO2] が低下して局所的に低 [CO2] 環境に,夜呼吸が 盛んになると高 [CO2] 環境になる(1).植物はこのCO2 濃度変化を感知することにより,気孔の日周運動を行っ ている.また,人類による化石燃料の消費によって環境 中の [CO2] は上昇し続けており,気孔開度は低下し続 けている(2).植物の気孔開度は,大気中のCO2 固定,
および根からの水の吸収に密接にかかわることから,こ のメカニズムは将来の地球上のCO2 環境,水環境を改 善するうえで解明しなくてはならない重要な課題であ る(3).
植物がどのようなメカニズムでCO2 を感知するのか,
その具体的な分子機構はこれまでほとんど明らかにされ ていなかった.筆者らは最近,順遺伝学的手法を用い て,多数のモデル植物シロイヌナズナのCO2 応答関連 因子を単離した.これにより,これまでに実態が不明で あった陰イオンチャネル SLAC1(4) や,全く予想してい なかったCO2 応答特異的キナーゼ HT1(5) など,CO2 シ グナル伝達に重要な因子を同定した.ここでは我々の研 究室で単離されたCO2 シグナル関連因子を中心に,最 近のCO2 シグナル伝達機構研究の進展について解説す る.
HT1キナーゼ
( ) 変異体はサーモグラ
フィカメラを用いたスクリーニング法により,CO2 応 答性に関して初めて単離された突然変異体である(5).ス クリーニングの方法は,気孔が開口すると蒸散が盛んに なるので,気化熱が失われ葉面温度が低下するという現 象を利用したものである.野生株では周囲の [CO2] を 低下させると気孔開口が誘導され,葉面温度は低下す る. 変異体は低 [CO2] でも葉面温度が高く,気孔 が常に閉じ気味であることがわかった.また, 遺 伝子の発現部位は地上部では孔辺細胞のみであった.
CO2 応答性を喪失した 変異体において,乾燥ス
ト レ ス で 誘 導 さ れ る 植 物 ホ ル モ ン,ア ブ シ ジ ン 酸
(ABA) による気孔閉鎖は正常であり,青色光による気 孔開口反応も(低下しているが)見られることが明らか となった(5).一方, は低 [CO2] にしても気孔が 全く開かず,むしろわずかに閉じるという反応が見られ た(5).このことは 遺伝子がCO2 応答性に特異的 に関与する因子であることを示唆している.HT1はキ ナーゼ(リン酸化酵素)とアミノ酸配列の類似性が高 く, でのキナーゼアッセイにより実際にリン酸 化活性をもつことが明らかとなった(5). 変異体は 推定上のキナーゼドメインに1アミノ酸置換を引き起こ す変異をもち,CO2 応答性が低下していたが, 変 異を導入したHT1ではリン酸化活性が低下していた.
変異はスプライシングサイトに変異をもち,その 結果キナーゼドメインに欠損を生じさせるものであっ た.この 型の欠損を導入したHT1ではリン酸化 活性が失われた(5).すべてのキナーゼで非常に保存性の 高いリジン残基があり,これをほかのアミノ酸に置換さ せると,リン酸化活性が失われることが知られている.
この改変 ( : ) 遺伝子を野生株の植物にお いて過剰発現させると,ドミナントネガティブ効果に よって元々の正常なHT1の機能が抑制されると予想さ れる.実際, : 形質転換植物は 変異体と 同様,低 [CO2] にしても高温のままでCO2 応答性が失 われた(5).以上の結果から,HT1はCO2 応答性に重要 なキナーゼであり,特に低 [CO2] で気孔が開く反応に はHT1のリン酸化活性が必要であることが明らかと なった.このHT1が何をリン酸化するかはまだ不明だ が,ターゲットの解明によりCO2 のシグナル経路の理 解がさらに深まるだろう.
気孔閉鎖に必須なS型陰イオンチャネルSLAC1 植物が高CO2 や乾燥ストレス (ABA) を感知すると,
孔辺細胞から陰イオンの放出が始まる.これが端緒と なって,細胞外への水の流出が生じ,気孔は閉じる.孔 辺細胞には,ポンプやイオンチャネルが多数存在し,特 に気孔閉鎖には,S (slow) 型の陰イオンチャネルが中 心的な役割を果たしていると推定されている(6).これま でに,高CO2 は陰イオンチャネルを活性化することが,
ソラマメ,シロイヌナズナ,タバコなど多くの生物種で 報告されている(7).しかし,1989年に電気生理学的な 手法により孔辺細胞で陰イオン電流が検出されていたも のの,陰イオンチャネルの分子実体は不明であった(6). 筆者らは,CO2 非感受性変異体を解析するなかで,そ
の陰イオンチャネル因子を同定した.
( ) 変異体は,CO2 依 存的な葉面温度変化(差し引き画像)を指標に単離され た変異体の一つであり,常に気孔が開いており,高CO2 処理をしても気孔を閉じさせることができない(4).その 原因遺伝子は,真菌や細菌のジカルボン酸/リンゴ酸輸 送体の遠縁のホモログタンパク質をコードしており,孔 辺細胞の細胞膜に特異的に発現していた.これらのデー タから筆者らは,CDI3が細胞膜局在型の外向き陰イオ ンチャネルではないかと考えた.もしそうであれば,変 異体の孔辺細胞内では陰イオンが蓄積しているはずであ る.そこで,変異体の孔辺細胞におけるイオン含量を測 定したところ,野生型と比較して陰イオン(Cl− やリン ゴ酸2− など)が高蓄積していることがわかった.また オゾン暴露に対して抵抗性が低下した変異体 (
) を単離し,筆者らと同時期に 同じ原因遺伝子の解析を行っていたVahisaluらは,孔 辺細胞における陰イオン電流の測定をした(8).孔辺細胞 の細胞膜では,これまで,ゆっくり (slow) 活性化さ れ,持続的にその活性を維持するS型の陰イオン電流 と,素早く (rapid) 一過的に活性化されるR型の陰イオ ン電流が検出されていた(7).それらの電流を測定した結 果,変異体の孔辺細胞ではS型の陰イオン電流が特異的 に阻害されることがわかった.以上2つの解析結果か ら, / は気孔閉鎖における細胞膜を介した陰 イオン輸送に重要な役割を果たしていることが明らかに なった.CDI3/RCD3は名前を統一して SLAC1 (slow anion channel associated 1) と命名された(4, 8).SLAC1 の発見により,S型陰イオンチャネルの分子的な機能解 析が可能になり,まず卵母細胞を用いた電気生理学的手 法により,SLAC1単体では陰イオンチャネル活性を示 さないが,リン酸化因子を同時に発現させることで,活 性をもつことが証明された(9, 10).続いて,SLAC1と高 い相同性を示すインフルエンザ細菌由来のタンパク質の 立体構造が明らかになり,チャネルの孔の中心に位置す るフェニルアラニンが開閉弁として機能し,3量体を形 成していることが示唆された.またカルシウム依存性キ ナーゼCPKがSLAC1の活性化に関与していることもわ かってきた(11).ABAを介したSLAC1の活性調節機構 は解明されつつあるが(12),高CO2 がどのようにSLAC1 の活性制御にかかわっているのかわかっていない.現 在,筆者らはSLAC1におけるCO2 シグナル受信部位に ついて同定を進めている.
高CO2・高温環境適応化ツールとしてのSLAC1 高CO2 環境は,植物の生育に対して,一般的には乾 重量や収量などのバイオマスの増加に正に作用すると考 えられている.しかし,バイオマス以外にもさまざまな 形質が重視される作物においては,品質低下の原因とな る.たとえば,イネにおいては高 [CO2] 環境は気孔閉 鎖と葉温・穂温の上昇を招き,コメの品質低下の要因と なる.開放系大気CO2 増加 (FACE) 実験によると,通 常の [CO2] 環境 (350 〜 380 ppm) から200 ppm程度 CO2 濃度を上げた環境にした場合,分げつ(茎)数,成 長速度,種子の収量が上昇する一方,葉の気孔コンダク タンスは約30% 減少し,葉温が1 〜 2℃上昇する(13). このレンジの生育温度の上昇は,高温不稔や,未熟粒の 増加など,品質・収量低下の原因となる.FACE実験で は,収量は増加したものの,白未熟粒が増加し整粒率が 大きく下がり,品質が悪化したが,気孔の閉鎖に伴う群 落気温の上昇が一因と考えられている(14).また,米の 成長期の生育温度が1℃上昇するごとに,収量は10%減 少するという報告もある(15).さらに近年,日本では気 温上昇傾向が続いており,これらの障害に加算的に作用 すると考えられる.植物は気孔の開閉により,CO2 の 取り込みと水分の蒸散を通じた葉温調節の両方を律速し ている.したがって,気孔機能を人為的に改変すること で,CO2 取り込みの最適化と高温障害の抑制を同時に 実現できる可能性がある.そのため筆者たちは,気孔機 能の最適化ツールとしてのSLAC1の可能性を検証する ため,SLAC1の機能を欠失したイネの突然変異株を単 離し,その表現型を解析した(16).
イ ネ の オ ー ソ ロ グ 遺 伝 子 と 考 え ら れ る Os04g0574700(以 下 ) を タ ー ゲ ッ ト と し て,
MNU誘 起 突 然 変 異 系 統 か ら,TILLING法 に よ り,
遺伝子領域に変異をもつ6つの変異系統を得た.
これらのうち1系統で,野生株と比較し顕著な葉温の低 下が観察されたため,この系統を と命名した(図 1). の気孔の形態や気孔密度は野生株と差は見ら れなかったが,日中の葉面温度は最大2℃程度低くなっ た.温室で栽培しガス交換を測定したところ,野生株と 比較し正午付近で気孔コンダクタンスが2.5倍,CO2 の 取り込みが1.5倍程度高かった(16).これらの結果は,イ ネにおいてもシロイヌナズナと同様,SLAC1タンパク 質は気孔閉鎖を制御していること,またその機能制御に より葉温とCO2 取込みを人為的に調節しうることを示 している.さらに,光合成の律速段階としての気孔開度
(気孔抵抗)の重要性が改めて確認された.以前から,
イネにおいては,さまざまな条件で気孔開度と光合成速 度の間に高い正の相関があることが知られていた.たと えば,品種間の気孔開度と光合成能には相関があるほ
か(17, 18),成長段階や葉位の違い,日周変化においても,
光合成能は気孔開度と一定の相関を示す(19, 20).しかし 光合成能に影響する要因としては,気孔以外にも光の強 さや湿度,体内の水分含量や窒素含有量,RuBisCOな どの炭素同化酵素の活性などの多くの要素があり,気孔 開度が光合成能を律速するという実験的証拠はなかっ た. 変異株の気孔コンダクタンスおよびCO2 の取 り込みは野生株と比較し顕著に高かった一方,光合成−
葉内二酸化炭素濃度曲線( / i曲線)は野生株との差 がほとんど見られず,また葉内CO2 濃度/大気CO2 濃 度比 ( i/ a) は 変異株のほうが1.3倍程度高くなっ た(16).このことは,実験に用いた高湿度 (60 〜 70%)
かつ安定的な生育条件においては,イネにおいては気孔 開度が光合成の律速要因であることを示している.
一方,解放圃場で栽培した 変異株では,今のと ころ地上部重量や種子収量などのバイオマスの上昇には つながっていない.通常,乾燥ストレスを受けた植物は 気孔を閉鎖して水の蒸散を回避するが, 変異株で は気孔閉鎖が不十分なため,乾燥ストレスが生育にマイ ナスに作用したと考えられる.
現在,筆者らは,SLAC1タンパク質の構造を部分的 に改変した形質転換イネを作製し,それらがCO2 と湿 度の変化に対してどのように応答するかを検証中であ る.SLAC1の機能改変を通じて,乾燥ストレス適応力
図1■ 変異株のサーモグラフィーカメラによる熱画像
変異株は気孔が開き,野生株に比べ葉温が低くなり,濃い 青色となる.
を喪失することなく,CO2 取り込み能と葉温調節機能 を両立できる植物の開発に取り組んでいる.
カーボニックアンヒドラーゼ
植物のCO2 センサーは不明であり,そもそも植物は 分子としてのCO2 を感知しているのか,それともイオ ン状態のHCO3− を感知しているのかも明らかになって いなかった.HuらはCO2 と結合することが知られてい るタンパク質(RuBisCO, PEPCなど)のうち,カーボ ニックアンヒドラーゼ (CA) が気孔のCO2 応答性に関 与することを突き止めた(21).CAはCO2+H2O↔HCO3−
+H+ を可逆的に触媒する酵素で,孔辺細胞で発現量の 高い
β
,β
遺伝子の二重変異体 ( ) で は,[CO2] 変化による気孔開度の変化が低下していた.の三重変異体ではCO2 応答性が完全にな くなることから,CAの下流にHT1(5) が存在すること が示唆された(図2).しかし は気孔開度における CO2 応答性が完全になくなるが, 二重変異体で は応答性が残っていること, は気孔の密度は変わ らないが 二重変異体では気孔密度が増加するこ とから,CAとHT1には独立したCO2 シグナル経路も 存在する可能性がある.
Vahisaluらは孔辺細胞プロトプラストを用いたパッチ クランプにより,ABA, Ca2+ によるS型陰イオンチャ
ネルの活性化にはSLAC1が必要であることを報告して いたが(8),さらにXueらはCO2 やpHではなくむしろ HCO3− が効果的にSLAC1の陰イオンチャネル活性化に 関与していることを示した(22).また,HCO3− によるS 型陰イオンチャネルの活性化には細胞内カルシウムイオ ン濃度の上昇がセカンドメッセンジャーとして機能して いること, 変異体では低濃度のHCO3− でもS型 陰イオンチャネルの活性化が起こることが示された.
SLAC1はABAシグナル経路の下流でSnRK2タイプの キナーゼOST1に直接リン酸化されることによって活性 化されるが(9, 10), 変異体ではHCO3− によるS型陰 イオンチャネルの活性化が生じないことが明らかとなっ た(図2).つまり,HCO3− によるS型陰イオンチャネ ルの活性化はOST1が媒介しており,HT1は抑制的に機 能していることが示唆されている(22).
気孔のCO2 応答に関与する輸送体
SLAC1以外にも気孔のCO2 応答に関与する輸送体が いくつか同定されている.根のABC輸送体であること が知られていたAtMRP5の遺伝子の変異体ではグリベン クラミド,ABA, カルシウムイオン,オーキシンなどに よる気孔開閉の感受性が低下する(23〜25).LeeらはABC 輸送体ファミリーのうち,孔辺細胞における発現が高い 遺伝子 に着目した(26). 変異体で は,ABAやカルシウムイオンに対する気孔閉鎖反応は 野生株とあまり変わらなかったが,高 [CO2] には過敏 に応答することがわかった(26).しかし,剥離表皮のみ で同様の実験を行うと野生株と変異体で高 [CO2] 応答 性には差が見られず,リンゴ酸投与によって変異体では 過敏に気孔を閉じた(26).さらに 過剰発現株 ではリンゴ酸投与によって野生株よりも気孔開口が誘導 された(26).これは高 [CO2] によりSLAC1などが関与す る陰イオンの放出により気孔が閉鎖するが,一方でリン ゴ酸がアポプラストに蓄積し,AtABCB14が陰イオンで あるリンゴ酸を孔辺細胞内に取り込んでいる可能性を示 唆している.また,Sasakiらはコムギの aluminium-acti- vated malate transporter (ALMT) のホモログがシロイ ヌナズナの孔辺細胞でも発現しており, の 機能欠損変異株ではABA, カルシウムイオン,暗条件下 における気孔閉鎖反応に異常を来たすことを明らかにし た(27).さらにMeyerらはこの変異体では高 [CO2] に対 する応答性も低下しており,孔辺細胞プロトプラストと カエルの卵母細胞を用いた解析から,AtALMT12がR- typeの陰イオンチャネルであることを示した(28). 図2■気孔のCO2シグナリングモデル
CA, カーボニックアンヒドラーゼ;HT1, HIGH LEAF TEMPER- ATURE 1 ; OST1, OPEN STOMATA 1 ; SLAC1,SLOW ANION CHANNEL-ASSOCIATED 1 ; PATROL1, PROTON ATPASE TRANSLOCATION CONTROL 1, 細い線は促進,あるいは抑制 を,太い矢印はイオンの出入りを示す.
気孔にガス交換機能を付与する鍵転写因子SCAP1 気孔の開閉は気孔を囲む一対の孔辺細胞の大きさが可 逆的に変化することで行われる.孔辺細胞の細胞壁の厚 さは均一ではなく,気孔の穴に面した内側が厚くなって いるために,孔辺細胞が膨張すると気孔の穴とは反対側 が主に伸びて弓形に変形することで気孔が開く.また環 境に応答して膨圧調整をし,気孔の開閉を制御する.こ れまで原表皮細胞からメリステモイド,孔辺母細胞へと 分化する機構に関しては,3つの相同性の高いbHLH型 転写因子 (SPCH, MUTE, FAMA) が分化を促進し(図 3),動物の筋肉組織や神経組織の分化と類似したシステ ムを使っていることがわかっていたが(29),孔辺母細胞 が等分裂した後,若い気孔がどのように非対称な細胞壁 構造を構築し,開閉能力を獲得するのか,その分子メカ ニズムに関しては理解が進んでいなかった.また,孔辺 細胞特異的な発現を示す遺伝子のプロモーター領域に は,植物独自の転写因子である Dof 転写因子の認識配 列 (T/A-AAAG) が多く含まれていることから,孔辺 細胞での遺伝子発現スイッチとして Dof 転写因子の関 与が示唆されていた(30).しかしその分子的な実体や気 孔における機能については長年不明であった.筆者ら は,CO2 非感受性変異体の解析から,気孔での遺伝子 発現制御を統括するDof転写因子 SCAP1 (STOMA- TAL CARPENTER 1) を同定した(31).SCAP1は若い 気孔が形成された後のステージで,孔辺細胞核で発現す る. 変異は孔辺細胞の奇形を誘発するとともに,
気孔の開閉機能を消失させる.孔辺細胞における遺伝子 発現を網羅的に解析した結果, は主要な気孔開閉 因子の発現低下を引き起こし,細胞壁関連因子の発現も 著しく変動させることがわかった.実際,変異体の孔辺 細胞の内側の細胞壁において細胞壁強化にかかわるペク チンの脱メチル化が滞っていた.また,SCAP1は気孔 開閉因子である外向きカリウムイオンチャネルGORK や気孔転写因子MYB60の発現を直接的に促進させる転 写因子であることが確かめられた.さらに, の孔
辺細胞プロトプラストにおいては,イオンバランスの制 御ができないことがわかった.以上の結果より,気孔形 成の仕上げは植物独自の転写因子によって行われ,この 転写因子は気孔の 口 の形成と開閉機能の付与を統括 していることが示された(図3).一方,SCAP1がいか にして気孔の成熟化を進めているのかについては,今後 明らかにすべき課題である.SCAP1の発現制御下にあ る因子を探索することが,有効な手がかりになると考え られる.またこれまでに報告されている気孔形成因子と SCAP1との関係も興味深い.SCAP1の発現をオンにす る上流因子として,FAMAやFLPなどの転写因子(29)
が関与しているかもしれない.FAMAを異所的に過剰 発現させた植物ではSCAP1の発現が上昇していること から(32),詳しい解析が必要である.さらに, 変 異体よりもシビアな気孔形態異常をもつ (
) 変 異 体 が1997年 に 単 離 さ れ て い る(33).MUSと SCAP1とのかかわりを探ることで,気孔の形成メカニ ズムを解明するうえで新しい展望が開けるかもしれな い.
環境の [CO2] によって気孔の数を決定する因子 短時間の環境変化に対し植物は気孔の開閉運動によっ て対処するが,長期にわたる環境変化において植物は気 孔の数も変化させる.過去何百万年にもわたって大気中 の [CO2] は変動を繰り返しているが,[CO2] と気孔の 数,サイズには相関があることが知られている(34).
[CO2] が低いときには気孔の数は多く,サイズが小さ くなるが,理論的にCO2の葉内への透過性を高めるこ とが可能になる(34).今後 [CO2] が上昇し,気孔の数は 少なく,サイズは大きくなると考えられるが,大きな気 孔では乾燥によって気孔を閉じる速度が遅くなり,水利 用効率にも影響が出る可能性がある.
シロイヌナズナの ( ) 変異体 は高 [CO2] 環境下での生育により気孔の数が増える変 異体として単離された(35). 遺伝子は3-ketoacyl-
図3■気孔形成メカニズム
原表皮細胞から成熟した孔辺細胞へ と 分 化 す る プ ロ セ ス に お い て,
SCAP1は若い孔辺細胞に気孔開閉因 子を発現させ,細胞壁を開閉に適し た形に構築するための司令塔として 機能する.
CoA合成酵素をコードしており,これはワックス合成 に必要な長鎖脂肪酸の伸長反応にかかわると考えられて いる.この遺伝子は孔辺細胞でのみ発現しているので,
気孔の分化にかかわるシグナル分子の細胞内または細胞 外への透過性が変異体では異常になっているのかもしれ ない.また,前述したCAも 二重変異体におけ る気孔の数が増加する(21) ことからCO2 による気孔の数 の決定に寄与している可能性がある.また,若い葉の気 孔の数は,それ自身が経験した環境の [CO2] 濃度だけ で な く,同 じ 個 体 の 成 熟 し た 葉 が 経 験 し た 環 境 の
[CO2] 濃度の影響を受ける(36).これは成熟した葉から 何らかのシグナルが若い葉へ伝達されていることを示し ているが,そのメカニズムや物質はまだ完全には明らか になっていない(37).
H+-ATPaseの細胞膜局在化にかかわる膜輸送関連 因子PATROL1
( ) 変異
体は 変異体と同様,低 [CO2] 条件下で葉面温度が 高い変異体として単離された(38). 変異体におい て低 [CO2], 光による気孔開口反応は低下しているこ とが明らかとなった(38).また, 変異体は野生株 よりも成長が遅く,花茎が短いという外見的特徴のほか に,乾燥に強いという表現型も示した(38). の原 因遺伝子は機能未知の発現タンパク質をコードしてお り,DUF810 (Domain of Unknown Function 810) ドメ イン, およびMUNと類似したドメインが存在した.
MUNドメインは,動物の神経細胞で神経伝達物質の分 泌 に か か わ るMunc13の 主 な 機 能 を 司 る 部 分 で,
SNARE complexの形成を促進することにより細胞内膜 小胞の接合にかかわる(39).PATROL1のアミノ酸配列 は線虫やマウスのMUNドメインとはそれぞれ 16%, 8%
の 相 同 性 し か な か っ た.ま た,シ ロ イ ヌ ナ ズ ナ の DUF810ファミリーとの相同性も17 〜 32%とあまり高 くなかった.一方,イネ,ブドウ,ポプラなどを含む多 くの植物種ではPATROL1と非常に相同性の高い (66
〜76%) 遺伝子をもっていた.近年の立体構造解析,コ ンピューター予測によりMUNの立体構造は他の小胞連 結因子 (tethering factors) と類似していることが推定
された(40, 41).そこで,筆者らはこのPATROL1が植物
でも膜輸送にかかわっており,それが植物の気孔運動や 生育速度に関与している可能性について検証した(38).
PATROL1の発現部位は植物体全体であり,GFP-PA- TROL1における GFP蛍光がFM4-64の赤い蛍光と短時 間で共局在したことから,エンドソームに局在すること
がわかった(38).これはマウスの脳においてMunc13-EY- FPがFM4-64と共局在したとの報告とも一致してい た(42).また,GFP-PATROL1は孔辺細胞において点状 に散在する場合と,細胞膜付近に局在化している場合が あった.光や水分が十分な条件下ではGFP-PATROL1 は細胞膜付近に,暗所や乾燥条件下では点状に分布して いたことから,PATROL1は環境に応じて細胞内の分布 を変えるということが明らかとなった(38).
も しPATROL1が 膜 輸 送 に か か わ っ て お り,PA- TROL1の機能欠損が気孔閉鎖を引き起こしているので あれば,気孔開口に必要な輸送体を細胞膜上に適切に局 在化させることに関与するのではないかと予想した.気 孔開口は細胞膜上のH+-ATPaseの活性化が引き金とな り,H+ 放出に伴う膜の過分極,電位依存的な内向き K+ チャネルの活性化,K+ 増加に伴う水の流入が孔辺 細胞の変形を引き起こすことによって起こる.まず筆者 らは孔辺細胞で発現量の高いH+-ATPaseで,気孔開口 にかかわるAHA1(43) が 変異体において適切に 細胞膜に局在化しているかどうかを調べた.野生株にお けるAHA1の局在は細胞膜だけであるのに対し,
変異体におけるAHA1では80%の孔辺細胞で,点 状に局在するものが出現した(38).一方,気孔閉鎖を誘 導する陰イオンチャネル SLAC1, 孔辺細胞の細胞膜に 局在することが明らかとなっているアクアポリンPIP2a, 孔辺細胞で発現量の高い内向きK+ チャネルKAT1につ い て も 同 様 の 実 験 を 行 っ た 結 果, 変 異 は SLAC1, PIP2a, KAT1 の細胞膜局在にはほとんど影響 を与えていないことが明らかとなった(38).このことは,
PATROL1がAHA1特異的に細胞膜へ局在化させてい る こ と を 示 唆 し て い た.さ ら に,GFP-PATROL1と RFP-AHA1の局在を調べると,気孔開口時は細胞膜上 のAHA1に内側から裏打ちするようにPATROL1が位 置し,気孔閉鎖時,細胞膜上でAHA1が残っている場 所にはPATROL1も存在していることが明らかとなっ た(38).カビ毒,フシコクシンはH+-ATPaseを活性化さ せることによって気孔開口を誘導することが知られてい るが, 変異体ではそれがほとんど起こらなかっ た(38).孔辺細胞には少なくとも11個のH+-ATPase遺 伝子が発現していることから, 変異によって AHA1以外のH+-ATPaseの機能も阻害されている可能 性が示唆された.
次に筆者らは の相補ラインのなかでも 遺伝子の発現量の高い系統 (PATROL1-OX)
について解析を行った.PATROL1-OXの気孔コンダク タンス(蒸散速度)は低 [CO2] 処理によって野生株よ
り速く,大きく上昇した.光に対する応答性も同様で あった.また,わずかではあるがPATROL1-OXでは野 生株よりも(もちろん 変異体よりも)光合成速 度が上昇していた.恒常的明条件下で20日育てた植物 を比較すると, では明らかに野生株よりも小さ く,PATROL1-OXではわずかに大きいことが明らかと なった.一方,短日条件で7週間植物を育てると,地上 部の生重量は では野生株とほぼ同様になり,
PATROL1-OXでは野生株よりも32%増加した(38).バ イオマスが増加した理由として,気孔開口が促進されて 光合成活性が上昇したということが挙げられる.一般的 に,恒常的な気孔開口は水分の放出を招くためバイオマ ス の 増 加 に は 必 ず し も 結 び つ か な い(16, 43, 44).PA- TROL1-OXは野生株が気孔を開くタイミングでより速 く大きく気孔を開くが,野生株が気孔を閉じるタイミン グ(暗所,ABA,乾燥,高 [CO2])では正常に気孔を 閉じる.したがって,水分の過剰な放出を防ぎつつ,効 率の良い光合成が可能になっていると考えられる.また H+-ATPaseの働きは孔辺細胞以外でも細胞外へH+ を 放出させるので,内向き整流性のK+ チャネルの活性化 を誘導する.そして細胞内のK+ の濃度が高くなること により水が流入し,膨圧が高くなる.さらにH+ 放出に よる細胞壁の酸性化は酵素を活性化させるので細胞壁が 緩み,細胞の伸長反応を促進する(酸成長説)(45).PA- TROL1-OXでは細胞膜に多くのH+-ATPaseが存在させ ることが可能になるので,このような働きによりバイオ マスの増加に結びつくことが考えられる.最後に,
H+-ATPaseの過剰発現はバイオマス増加に結びつくの であろうか.これまでの報告でも,われわれの実験から もH+-ATPaseの過剰発現体は大きくならないことが明 らかになっている(38, 44, 46).これはH+-ATPaseが適切な タイミングで適切な量,局在化することが重要であるこ とを示しているのかもしれない.バイオマス増加をめざ す戦略として,PATROL1の理解と利用は貴重な手段と なるだろう.
おわりに
現在大気中の [CO2] が上昇しており,それがどのよ うに植物の生育に影響を与えるのか,その結果陸上での
[CO2] や水の収支はどうなるのかは重要な関心事であ る.植物の気孔はCO2 や水の出入りをコントロールす る器官なので,気孔におけるCO2 シグナリングメカニ ズムの解明は環境問題解決の一助となりうる.近年,
CO2 シグナル伝達機構の存在がようやく明らかになっ
てきたが,同定された関連因子はまだ数えるほどしかな く,研究は始まったばかりである.たとえばCO2 と直 接結合し,それがないとCO2 応答性が完全に失われる ような CO2センサー はまだ見つかっていない.CO2 と直接結合するという意味ではCAが,それがないと CO2 応答性が完全に失われるという意味ではHT1が候 補になるかもしれないが,HCO3− と結合して,HT1の 活性化に直接影響を与えるようなCO2 センサーが今後 単離される可能性も考えられる.また,CO2 のシグナ ルを感知する部位は孔辺細胞だけではないことがいくつ かの報告によってなされている.たとえばMottらは葉 肉細胞を含まない剥離表皮の気孔におけるCO2 応答性 は,葉切片における応答性と比べ限定的だが,剥離表皮 を再び葉肉組織に重ねると葉切片と同等の応答性を示す ことを明らかにした(47).これは葉肉細胞から孔辺細胞 へ何らかのシグナルが伝達されていることを示唆してい るが,Fujitaらはこの物質が気体ではないこと,セロ ファンを通過するような低分子であることを突き止め た(48).近年,気孔密度を制御するペプチド(STOMA- GENやCHALLAH)が葉肉細胞から孔辺細胞へ分泌さ れていることが明らかになっている(49).気孔運動にか かわる葉肉細胞からのシグナル因子もペプチドなのか,
イオンなのか,光合成などの代謝産物なのか,物質の同 定が期待される.
今回新たに単離された SCAP1(31), PATROL1(38) の解 析により,気孔の形態形成や気孔開口の新しいメカニズ ムの一端が明らかとなった.予想を超えた新規の因子や シグナル経路の発見は順遺伝学的手法によることも多 く,大規模な発現解析や代謝解析が行われている現在で も,有効な手段の一つとなっている.孔辺細胞,あるい は葉肉細胞に存在するCO2 センサーもスクリーニング 方法を工夫することで,今後同定できるかもしれない.
謝辞:本研究は文部科学省科研費新学術領域研究「植物の高CO2 応答」
の助成を受けた.
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プロフィル
橋本(杉本)美海
(Mimi HASHIMOTO-SUGIMOTO)
<略歴>2006年九州大学大学院理学研究 院生物科学部門博士課程修了(博士(理 学))/同年同大学大学院理学研究院学術研 究員/2008年同大学大学院理学研究院特 任助教<研究テーマと抱負>植物の気孔に おける環境応答性,特に分子レベルでの CO2シグナル伝達経路について<趣味>山 登り,アイフォン
祢冝淳太郎(Juntaro NEGI)
<略歴>2008年九州大学大学院一貫性博 士課程システム生命科学専攻修了(博士
(理学))/同年同大学大学院理学研究院学 術研究員/2010年同大学大学院理学研究 院特任助教/2013年同大学大学院理学研 究院助教<研究テーマと抱負>気孔の環境 応答及び形成メカニズムの解明,気孔にお ける葉緑体の役割<趣味>音楽鑑賞,神社 参り,美味しいパン屋探し
楠見 健介(Kensuke KUSUMI)
<略歴>1996年九州大学大学院理学研究 科博士後期課程修了(博士(理学))/同年 日本学術振興会特別研究員 (PD)/1998年 九州大学大学院理学研究院助手(現助教)
<研究テーマと抱負>高等植物の環境応答 と器官分化制御<趣味>写真,電子工作,
自然散策
射 場 厚(Koh IBA)
<略歴>1988年九州大学大学院理学研究 科博士後期課程修了(理学博士)/1996年 より同大学理学部(現大学院理学研究院)
教授<研究テーマと抱負>高等植物の環境 応答<趣味>野山の散策