環境配慮型打継ぎ資材を用いたコンクリートの基礎物性評価
副産微粉,セメントペースト,力学特性,耐久性 相良賢治*1,田村雅紀*2,前田圭一郎*3,三浦明人*4,金本廉来*4
1.
はじめに近年,長寿命を目指した建築の設計・施工がひとつの 目標となりつつあり 1),建物の長期耐久性に加え,環 境 への配慮や,施工の合理性がより一層求められる状況 と なっており,従来型のラス材による打ち継ぎに加え, 転 用回数が多く環境配慮型といえる空気導入したチュー ブ 型 の 立 体 的 打 ち 継 ぎ 材(以 下 チ ュ ー ブ 打 継 ぎ)な ど が 多 く 使用されるようになった。そして,この打継ぎ部分の 保 温養生効果を同時に確保することが可能であるチュー ブ 打継ぎの場合,従来型のラス打継ぎと異なり,打ち継 ぎ 界面が立体のため,打継ぎ界面の力学特性および耐久 性 において違いが生じる可能性がある2)-5)。
そこで本研究では,従来型のラス打継ぎ,環境配慮型 といえるチューブ打継ぎおよび打継ぎを施さない試験 体
(標 準 )を 作 製 し , 力 学 特 性 お よ び 耐 久 性 に 関 す る 違 い を
試験により明確にし,その結果を比較した。(図1)
2.実験の概要
2.1.
使用材料表
1
に使用材 料を示す。使用するセメントは,一般建 築で用いられる普通ポルトランドセメントと,主に土 木 の分野で用いられ,環境負荷軽減に資する製品に指定 さ れている高炉セメントB
種を用いた。2.2.実験要因と水準
表
2
に実験の 要因と水準,表3
にコンク リートの調合 およびフレッシュ性状,図2
にチューブの打継ぎ手順 , 図3
にチュー ブの直径とラスの位置を示す。本研究では 現 場 を 想 定 し , 設 計 基 準 強 度 を27N/mm
2, 水 セ メ ン ト比は
55%一律 に設定した。また,セメント種に関わら ず
目標のスランプは
18.0±2.5cm
,空気量は4.5±1.5%
とし た。円柱試験体(φ10×20㎝)は静弾性係数の測定時のみ に
使用した。角柱試験体による圧縮強度および割裂引張 強 度の測定には,15×15×15 ㎝の試験体を使用し,曲げ た わみ特性の測定には,10×10×40
㎝の試 験体を作製した 。 チューブによる打継ぎは,使用場所によって,チュー ブ の 向 き が 異 な り , チ ュ ー ブ を 縦 に 置 く 方 法(縦 置 )と 横 に
置く方法(横置)の 2
通りがある。そこで,本研究では,縦置きと横置きの
2
水準の試 験 体を作製した。なお,鉄筋の隙間によってチューブの 大 きさが異なるため,本研究では3
水準(L・M・S) のチュ ーブの大きさを作製した。また,曲げたわみ特性と割 裂力学特性の評価
耐久性の評価
打継ぎ界面の違いによる総合的な基礎物性の評価
研究背景 圧縮強度
割裂引張強度 曲げたわみ特性
中性化抵抗性
図 1 研究の流れ
表 1 使用材料
材料 記号 種類 内容
N
普通ポルトランドセメント3.16(g/cm³)
セメント
B
高炉セメントB
種3.04(g/cm³)
細骨材
S
大井川産陸砂 表乾密度2.63(g/cm³)
吸水率
1.5(%)
粗骨材G
青梅産砕石 表乾密度2.65(g/cm³)
吸水率
0.7(%) b
立体的打継ぎ材(チューブ打継ぎ) ポリプロピレン,塩化ビニール複合材 打継ぎ材
c
ラス打継ぎ材 亜鉛メッキリブラス表 2 実験の要因と水準
要因 水準
円柱 セメント
N,B
打継ぎ方法 標準(P)、チューブ(b),ラス
(c),
チューブの直径
S,M,L (1.2,2.5,5)cm b
の場合チューブの向き 縦置(v),横置(h) 角柱
c
の場合 位置0,5,10,15mm
備考)円柱(φ10×20cm )は静弾性係数のみに使用,角柱試験体寸法(10×10×40,15×15×15cm)
表 3 コンクリートの調合およびフレッシュ性状
単位質量(kg/m3
)
セメント種類
W/C
(%) s/a
(%)
単位水量W(kg/m
3) C S G
スランプ
(cm)
空気量(%)
N 43.1 324 764 1015 18.5 4.5
B 55
42.8 178
324 753 1015 19.5 4.5
備 考)リ グ ニ ン ス ル ホ ン 酸 化 合 物 と ポ リ オ ー ル の 複 合 体 を 使 用a )片 側 打 設 b)
脱 型 c)2
回 目 打 設 チ ュ ー ブ を セ ッ ト し 、aを お こ な い 翌 日 にb
を お こ な い 、2
回 目 の打 設 を お こ な う 。24時 間 後 に 脱 型 を お こ な う 。
図 2 チ ュ ー ブ の 打 継 ぎ 手 順 ( 縦 置
)
100mm
L M S
S,M,L (1.2,2.5
,5)cm400mm 0 5
10 15 100mm
a)チ ュ ー ブ の 大 き さ b)ラ ス の 位 置 (曲 げ )
図 3 チ ュ ー ブ の 直 径 と ラ ス の 位 置
総合研究所・都市減災研究センター(UDM)研究報告書(平成23年度)
小課題番号
3.1-9
*1 工学院大学建築系学科・学部生 *2工学院大学建築学部・准教授 *3 有限会社
GMP
創房 *4 株式会社エアーテック引張強度の測定時には,立体的なチュ ーブ打継ぎの界面とラス界面とでは、
界面の臨界点が異なると考え,打継ぎ 目の中心から
5mm
ずつ位置をずらし た4
水準の試験体を作製した。2.3.
実験項目と方法表
4
に試験方 法と内容,図4
に促進 中性化試験方法,図5
に曲げたたわみ 試験模式図を示す。促進中性化試験については,打設面 を除き
5
面を エポキシでシールし,長 辺 を3cm
ご と に 割 り 中 性 化 深 さ を 計 測し,さらに打継ぎ面で割り,同様に 計測する。なお,圧縮試験体は,角柱 試 験 体(15×15×15cm)
の 最 大 圧 縮 強 度 を測定し,h/d
による補正を行った6)。3.試験結果および考察
3.1.
フ レ ッ シ ュ 性 状 ・ ブ リ ー デ ィ ン グ 試験図
6
にブリーディング試験結果を示 す。試験開始直後のブリーディングは 認められなかったが,20
分 を超えると,ブリーディングが発生することが確認 できた。また ,Nよりも
B
の方が多く のブリーディング量を生じたが,共に ブリーディング量は0.30cm
3/cm
2を下 回っていた。3.2.力学特性 3.2.1.割裂引張試験
図
8
に割裂引 張試験を示す。チュー ブの縦置では,チューブの径が大きく なるにつれて,強度が大きくなり,試 験体のばらつきも小さい傾向を示した。これは,経が小さいものから大きくな るにつれて,ひび割れ進展が界面に沿 って入りづらくなるため,チューブの 径に比例して強度が大きい傾向を示し たと考えられる。ただしチューブの横 置きに関しては,径の違いによる大き な強度の違いは見られず,縦置に比べ 強度も小さく,試験体のばらつきも大 きい傾向を示した。ラス打継ぎについ ては,打継ぎ界面から離れるほど強度 は 増 加 し , 打 継 ぎ 界 面 か ら 載 苛 点 を
15mm
離した 試験体は,標準の試験体シール面 シール無し:
CO
2浸透面割裂箇所 打継ぎ界面
通常なコンクリートの中性化深さの測定位置と 打継ぎ界面の中性化深さの測定位置
10cm
荷重P 試験体寸法
10×10×40cm たわみ測定変位計
(最大変位量:25mm)
スパン30cm
図 4 促進中性化試験方法 図 5 曲げたわみ試験模式図
a)
割裂引張試験b)
曲げたわみ試験 写真 1 コンクリートの試験写真表 4 試験方法と内容
分類 試験項目 内容
スランプ試験
JIS A 1101
コンクリートのスランプ試験方法に準じスランプを測定 空気量JIS A 1128
フレッシュコンクリートの空気量の圧力による試験方法-空気室圧力方法に準じ,空気量を測定 フレッシュ
性状 ブリーディング試験
JIS A 1123
コンクリートのブリーディング試験方法に準じてブリーディング量を測定静弾性係数
JIS A 1108
コンクリートの圧縮強度試験方法に準じて、載荷した際のひ ずみ量を測定し静弾性係数を算出圧縮試験 角柱試験体(15×15×15cm)の最大圧縮強度を測定なお、本研究では角 柱試験体により試験を行ったため,h/dによる補正を行った6) 曲げたわみ試験
JIS A 1106
コンクリートの曲げ強度試験方法に準じ、3
線式1
点集中載荷法により曲げ強さとたわみの関係を測定 力学特性
割裂引張試験 角柱試験体(15×15×15cm)の割裂引張強度を測定
耐久性 中性化抵抗性
JIS A 1153
準じ中性化深さを測定打設面を除き5
面をエポキシでシールし,長 辺を3cm
ごとに割り中性化深さを計測し,さらに打継ぎ面で割り同様 に計測0.00 0.05 0.10 0.15 0.20 0.25 0.30
0 50 100 150 200 250 300 350 ブリーディング量(cm3/cm2)
経過時間(min)
N B
0.00 1.00 2.00 3.00 4.00 5.00 6.00 7.00
0 50 100 150 200 250 300 350
ブリーディング率(%)
経過時間(min)
N B
a)ブリーディング量 b)ブリーディング率
図 6 ブリーディング試験結果
0 5 10 15 20 25
0 5 10 15 20 25 30 35 40
N B
静弾性係数
(k N /m m
2)
圧縮強度(N /m m
2)
圧縮強度 静弾性係数
0 5 10 15 20 25 30 35 40
0 20 40 60
静弾性係数(k N /m m
2)
圧縮強度(N/mm2
) N B E=33500×k
1×k2×(γ/2.4)2×(Fc /60)1/3,k1
=1, k
2=1, γ=2.28
a)圧縮強度と静弾性係数 b) RC
構造計算規準における圧縮強度と静弾性係数の関係
図 7 円柱試験体による圧縮試験の結果
総合研究所・都市減災研究センター(
UDM
)研究報告書(平成23年度)小課題番号
3.1-
9と同等の強度を示した。これは,ラス界面付近ではひ び 割れ進展が直線上に入り易いが,界面から載荷点が離 れ ることでひび割れ進展が界面に沿って入らず,強度が 増 加したと考えられる。なお,ラスによるばらつきが大 き いのは、打設時にラスからの漏出の影響でばらついた こ とが考えられる。
3.2.2.
圧縮試験と静弾性係数図
9
に圧縮 試験・打継ぎ無しとの比較と,図7
に円柱 試験体による圧縮試験の結果を示す。ま た,NP
を100%
とし,その他の試験体との比較をした。試験体形状に つ いて,角柱試験体の方が円柱試験体に比べ圧縮強度が 高 い傾向を示した。打継ぎについて,ラス,チューブ, 標 準の順に圧縮強度が高い傾向を示したがほぼ同等な値 と なった。なお,圧縮試験では界面をあらかじめ設ける こ とで、本来ひずみが卓越する箇所へのひずみが分散し た ことが考えられるために、強度が標準も下がらなかっ た と考えられる。チューブ打継ぎについて,チューブの 径 のよる強度の違いはみられなかった。図
7 b)
より,N
,B
共にRC
構造計算規準における圧縮強度と静弾性係数 の 関係の線上にあるが,圧縮 強度,静弾性 係数は共にB
よ りもN
の方が高い傾向を示した。3.2.3.
曲げたわみ試験図
10
に曲げたわみ曲線を示す。曲げ強さは,セメ ン ト種の違いに依存する傾向がみられなかった。打継ぎ を した試験体と,標準の試験体では,標準の試験体の方が , 曲げ強さが高い傾向を示した。なお,曲げたわみ試験 で は,界面をあらかじめ設けることで、本来ひずみが卓 越 する箇所へのひずみが分散ししたことが考えられるた め に、強度が打継ぎなしよりも下がらなかったと考えら れ0.89 1.44
1.80
0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0
NbSv NbMv NbLv
割裂引張強度(N/mm2)
0.71
0.54
1.10
0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0
NbSh NbMh NbLh
1.30 1.84
1.14 2.33
0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0
Nc0 Nc5 Nc10 Nc15
2.23 2.33
0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0
NP BP
a)チューブの縦置の比較 b)チューブの横置の比較 c)ラス打継ぎの比較 d)NP と BP の比較
図 8 割裂引張試験h/d補正後 圧縮強度N/mm2 NP基準比較
0%
20%
40%
60%
80%
100%
120%
140%
0 10 20 30 40 50 60
円N
NP
円BBP
Np
との比較(% )
圧縮強度(
N/ m m
2)0%
20%
40%
60%
80%
100%
120%
140%
0 10 20 30 40 50 60
NbSv NbMv NbLv Nc0
Np
との比較(% )
圧縮強度(
N/ m m
2)NP
圧縮強度0%
20%
40%
60%
80%
100%
120%
140%
0 10 20 30 40 50 60
NbSh NbMh NbLh Nc0
Np
との比較(% )
圧縮強度(
N/ m m
2)NP
圧縮強度a)試験体形状の比較 b)チューブ径による比較(縦置) c) チューブ径による比較(横置)
図 9 圧縮試験・打ち継ぎ無しとの比較
0 1 2 3 4 5 6
0.0 0.1 0.2 曲げ強さ(N/mm2)
たわみ(mm) NP BP
0 1 2 3 4 5 6
0.0 0.1 0.2 曲げ強さ(N/mm2)
たわみ(mm) Lh Mh Sh
a)セメント種の違いによる比較 b)チューブの径による比較(縦置)
0 1 2 3 4 5 6
0.0 0.1 0.2 曲げ強さ(N/mm2)
たわみ(mm) Lv
Mv Sv
0 1 2 3 4 5 6
0.0 0.1 0.2 曲げ強さ(N/mm2)
たわみ(mm) Nc0 Nc5 Nc10 Nc15
c)チューブの径による比較(横置) d)ラスの位置による比較
図 10 曲げたわみ曲線0 4 8 12 16 20
0 20 40 60 80
中性化深さ(mm)
促進期間(日) Np NbLh NbMh NbSh Nc0
0 4 8 12 16 20
0 20 40 60 80
中性化深さ(mm)
促進期間(日) Bp BbLh NbMh BbSh
a) N 中性化深さ b) B 中性化深さ
0 5 10 15 20 25 30 35 40
0 2 4
中性化深さ(mm)
促進期間(√週) NP y=4.7x NbSh y=4.19x NbMh y=3.89x NbLh y=4.17x Nc0 y=3.76x
0 5 10 15 20 25 30 35 40
0 2 4
中性化深さ(mm)
促進期間(√週) Bp y=7.01x BbSh y=5.63x BbMh y=4.96x BbLh y=4.96x
c) N 中性化速度係数 d) B 中性化速度係数
図 11 中性化抵抗性の結果総合研究所・都市減災研究センター(UDM)研究報告書(平成23年度)
小課題番号
3.1-
9る。ラス打継ぎについて,曲げ強さは大きな変化が見 ら れなかったが,たわみ量は
Nc0
が最 も低い値を示した 。 その他については,ラスの位置とたわみ量の相関はあ ま り見られなかった。よって,3
線式1
点中 央載荷法では,中央位置にラス界面がくることによって,曲げ強さに 変 化はないが,たわみ量に影響が生じる。ただし,ラス 界 面を中央位置から
5mm
以上離すことによって,たわ み 量はほぼ一定の値を示した。チューブ打継ぎについて , チューブの向きによる曲げ強さの違いはあまりみられ な かったが,たわみ量は縦置きの方が強い傾向を示した。3.3.中性化抵抗性
図
11
に中性 化抵抗性の結果,写真2
中性化抵抗性 の 写真を示す。JIS A 1153
コ ンクリートの促進中性化試験 方法に準じて試験をおこなったが,Bの方が初期の中 性 化が進むことがあるため,本研究では促進中性化槽に 静 置してから2
日で1
度目の計測を行った。BとN
では,B
の方が相対的に中性化の進行が速い傾向を示した。 中 性化速度係数を算出したところ、N よ りB
の方が 高く、P
と打継ぎ試験体では、P
の方が高い値を示した。打継ぎをしない試験体の方が中性化の進行が速い傾向 を示した。ただし,打継ぎをした試験体を界面で割っ た ところ,中性化部分が界面に沿って進行することが確 認 できた。写真①が通常の中性化部分で,②が界面に沿 っ て回り込んだ試験体写真であり,③は増加部分を示し て いる。③は①に比べ,1.5 から
3
倍の 中性化が界面に 沿 って進行していることが確認できた。つまり,JIS
に 定 められる中性化抵抗性の評価方法では,打継ぎ界面の 評 価としては十分ではない可能性があり,チューブ打継 ぎ 材を使用する場合は,配筋方向や配筋位置と打継ぎ材 の 設置位置に留意が必要な場合があると考えられる。4.まとめ
1)
フレッシュ性状は,N
,B
共にブリーディング量が0.30cm
3/cm
2を下回っていた。2)
割裂引張 試験のチューブの縦置は,チューブの径が大 きくなるにつれ,割裂引張強度が増し,試験体のばら つ きも小さい傾向をし,チューブの横置きでは,径の違 い による大きな強度の違いは見られず,縦置に比べ強度 も 低く,試験体のばらつきも大きい傾向を示した。また , ラス打継ぎについては,打継ぎ界面から15mm
離 した試 験体は,打継ぎ無しの試験体と同等の強度を示した。3)
圧縮試験 において,界面をあらかじめ設けることで、本来ひずみが卓越する箇所へのひずみが分散したこと が 考えられ,打継ぎをした試験体も打継ぎをしない試験 体 とほぼ同等な値を示すことが確認できた。チューブ打 継 ぎの場合、相対的な違いは無いが、
S
は 縦置の方が強く、L
は横置の方が強いことがわかった。4)
曲げ強さ は,打継ぎを したものと,標準の試験体で は,標準の試験体の方が,曲げ強さが5~ 8
割高い傾 向 を示した。チューブ打継ぎについて,チューブの向き に よる曲げ強さの違いはあまりみられなかったが,たわ み 量は縦置きの方が多い傾向を示した。5)
促進中性 化試験において,打継ぎをしない試験体の 方が中性化の進行が速い傾向を示した。チューブ立体 界 面部は、JIS 評価深さに対し、1.5 から3
倍の回り込 み が確認できた。環境配慮の優位性を踏まえ、使用箇所(梁・柱等)での
力学・耐久性状の影響を踏まえた適用が重要である。
参考文献
1)住宅の寿命 を延ばす「 200
年住宅」へ の取組H20
年度 予算案,国土交通省,pp.1-6, 2002
2)
清 水 , 嵩 , 能 町 , 宮 崎:コ ン ク リ ー ト 打 継 ぎ 部 の 付 着
性状に及ぼす打継ぎ部の処理の影響に関する実験結果 , 日本建築学会学術講演梗概集,pp.647-648,1997.7 3)
佐 藤 , 山 田 , 石 山:
異 な る 材 質 の 型 枠 に よ る コ ン ク リ ート鉛直打継ぎ目の破壊解析的考案,日本建築学会東 北 支部研究報告会,pp.9-16
,2000.6
4)
長 谷 川 , 阿 部 , 小 野 里:ウ ォ ー タ ー ジ ェ ッ ト に よ る 初
裏面のコンクリート打継ぎ強度に関する研究,日本建 築 学会学術講演梗概集,pp.663-664,2010.9
5)
因 幡 , 守 屋 , 金 子 , 嵩:
普 通 ポ ル ト ラ ン ド セ メ ン ト お よびエコセメントを用いたコンクリート打重ね部の中 性 化に及ぼす時間間隔の影響に関する実験的研究,日本 建 築学会構造系論文集,第73
巻,第632
号,pp.1691-1697,
2008.10
6)
彦 坂 , 田 山 , 嵩 , 守 屋 , 因 幡 , 玉 井:コ ン ク リ ー ト の 圧縮強度と静弾性係数に及ぼす円柱供試体の高さ直径 比 お よ び 乾 燥 の 影 響(そ の 2)圧 縮 強 度 に 及 ぼ す 供 試 体 の 高
さ直径比と乾燥の影響,日本建築学会大会学術講演梗 概 集,pp.871-872,2009.8
謝辞
本研究は,工学院大学
UDM
・PJ
研究費の一部による。②中性化部分(回り込み)
③増加分(②-①)
①中性化部分(通常)
a) 通常測定後 b)界面測定後
備考)打継ぎをした試験体を界面で割ったところ①,通常の 1.5 から 3 倍の中性化が界面に沿っ て進行していることが確認できた②③
写真 2 中性化抵抗性
総合研究所・都市減災研究センター(
UDM
)研究報告書(平成23年度)小課題番号
3.1-9