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直流饋電システムへの超電導ケーブルの導入

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Academic year: 2024

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図1 超電導饋電線を用いた場合の饋電線電圧分布

直流饋電システムへの超電導ケーブルの導入

Introduction of Superconducting Cables to the Feeding Network for DC Electric Railways

大柴 満春(電気電子情報工学科),山中 利史(電気電子情報工学科)

Mituharu OOSHIBA ,TosifumiYAMANAKA

交通・電力・環境システム研究室 指導教員 高木 亮 准教授

1.はじめに

従来の直流饋電システムでは、変電所間隔が長いと饋電 抵抗により電圧降下が発生する。逆に間隔が狭いと変電所 数が増え、変電所機器利用率が低下し、更に回生車の回生 が変電所によって妨げられ回生失効の原因となる。

近年、高温超電導体を線材に加工する技術が開発され、

様々な場面で活用され始めた。筆者らはこの高温超電導ケ ーブルを直流饋電システムに導入することにより電気鉄道 の省エネルギー化を図る検討を行っている。

2.超電導ケーブルを用いた直流饋電システム

超電導ケーブルには以下のような特性がある。

・定常時、超電導ケーブル上は全て同電位

・電気抵抗が0[Ω]

図 1 を用いて解説すると、超電導ケーブルの端末ではど の地点で定常時、同電位であるので電流の回り込みが発生 せず、(周囲に回生車がいない場合)力行車に隣接した端 末B及びCより電流が供給される。

よって、饋電経路が最短距離となるので饋電損失が低減さ れる。また、回生時も同様に回生車に隣接する(周囲に力 行車がいない場合)超電導ケーブルに回生電流が流れる。

図 2 超電導ケーブルによる変電所の集約

更に超電導ケーブルは電気抵抗が 0[Ω]である特性を生か して、図 2のように直流饋電システムの路線上にある複数 の変電所を 1つの変電所に集約し、既存の直流饋電システ

ムの問題点である機器利用率の低さを克服することが出来 る。

一方、ケーブルの超電導状態を維持するため、列車が運 行していない時間帯も含めて常時ケーブルを冷却すること が必要で、このためのエネルギー損失が発生する。従って、

超電導ケーブル導入による省エネルギー効果はこの冷却損 失を上回らなければ、導入する意味がない。

3.シミュレーションに用いた路線パラメータ

以下の路線モデルにおいて超電導ケーブルを導入し、既 存の直流饋電システムと比較した。

線路長:26.577[km](複線),

変電所数:8箇所(全てシリコン整流器)

運行間隔:5分

図 3 仮定した変電所位置

比較のための従来システムでは、全ての変電所をダイオ ード変電所とした。一方、超電導ケーブルを導入する際に は以下のシミュレーションを行った。

(1)饋電用変電所の集約化

変電所の集約化のケースによって 2つのシミュレー ションを行った。

ケースA)変電所SS1からSS8を1ヵ所に集約。

ケース B)隣接変電所のペアを集約。すなわち、SS1・

SS2、SS3・SS4、SS5・SS6、SS7・SS8をそ れぞれ集約し、4変電所とした。

(2)超電導ケーブルと従来の饋電線との接続間隔の検討

線路モデルは同様の物を利用し、ココでは変電所を 一ヶ所に集約して、超電導ケーブルと従来の饋電線と の間隔を変えたケースを想定する。

ケースC)接続間隔を4ヶ所にする。

以上のケースで行う。

超電導ケーブルの冷却損失は以下の式で求めることが出来 る。

P

:冷却消費電力,

l

:超電導ケーブル長,

1

C

:ケーブル部熱侵入量,

C 2

:端末部熱侵入量

n

:端末数,

K

:冷凍効率

4.シミュレーション結果

前記のパラメータを用い、饋電特性シミュレータ RTSS

(1)(2)を用いて評価を行った。

端末A 端末B 力行車 端末C 端末D

電圧

距離

( ) ( )

{ } 1 24 (1)

2

1 × ・・・

 

  × + × ×

= l C C n K

P

SS1 1.5[km]

SS2 5.2[km]

SS5 14.8[km]

SS3 8.5[km]

SS4 11.4[km]

SS6 17.9[km]

SS7 21.7[km]

SS8 25.2[km]

導 入 後 導 入 前

(2)

比較対象となる従来システムと、超電導饋電線を用いた システムとについて、変電所でみた総合入力エネルギーを 求め、その差分から1日当たりの省エネルギー効果を算出 し、これと超電導ケーブルの冷却損失とを比較した。一日 の運行時間を18時間と仮定した。

なお、冷却損失は式(1)において:

ケースA)

l

25 . 2 ( SS8 ) − 1 . 5 ( SS1 ) = 23 . 7 [ km ]

,

1

C

:

0 . 9 [ kW/km ]

,

C 2

:

0 . 22 [ kW/ 端 末 ] n

9箇所,

K

0 . 1

ケースB)

l

13 . 2 [ km ]

,

1

C

:

0 . 9 [ kW/km ]

,

C 2

:

0 . 22 [ kW/ 端 末 ] n

12箇所,

K

0 . 1

をそれぞれ代入し、超電導ケーブル1本分の冷却損失は ケースA)

P = 5594 [ kWh/d ]

ケースB)

P = 3484 [ kWh/d ]

と計算された。実際には正負両側に超電導ケーブルが必 要と考えられるため、これを2倍した値を評価に用いる。

<4-1>饋電用変電所の集約化

表1 饋電用変電所集約化の評価結果 ケース 省エネ効果

[kWh/d]

1本分の 冷却損失[kWh/d]

2本分の 冷却損失[kWh/d]

A 15772 5594 11188

B 7255 3485 6969

ケースBに比べて、ケースAの方が省エネ効果は高いもの の同様に超電導ケーブルの冷却損失も高いことが分かる。

また、両ケースにおいて従来の饋電システムに比べて回生 失効率が減少し、省エネルギー効果がみられた。

<4-2>超電導ケーブルと従来の饋電線との接続間隔の検討 まず、各ケースの冷却損失を考える。各ケースの冷却損 失は、

ケースC)

l

25 . 2 ( SS8 ) − 1 . 5 ( SS1 ) = 23 . 7 [ km ]

,

1

C

:

0 . 9 [ kW/km ]

,

C 2

:

0 . 22 [ kW/ 端 末 ] n

:5箇所,

K

0 . 1

を代入し、値は、

ケースC)

P = 5383 [ kWh/d ]

となった。集約化の時と同様に正負に両側に超電導ケーブ ルが必要と考えられるので、この値を2倍した値を評価に 用いる。

比較対象となる従来システムと、超電導饋電線を用いた システムとについて、変電所でみた総合入力エネルギーを 求め、その差分から1日当たりの省エネルギー効果を算出 し、これと超電導ケーブルの冷却損失とを比較した。一日 の運行時間を 18時間と仮定した。ここでは、<4-1>のケー スAとケースCで比較する。

表2.接続間隔の検討結果 ケース

省エネ 効果

〔kwh/d〕

1 本分の 冷却損失

〔kwh/d〕

2 本分の 冷却損失

〔kwh/d〕

10390 5383 10766

ケースAと比較して、ケースCは接続点が減少するので、

冷却損失がそれに伴い減少するが、同時に饋電損失が上昇 する。今回のシミュレーション結果では、ケースAと比較 するとケースCではケースAを下回り、ケーブル 2本分の 冷却損失をも下回った。一般的に、超電導ケーブルと常電 導饋電線の接続間隔は、路線の列車密度や饋電抵抗などに より異なる値が最適値となると考えられる。

5.まとめ

以上のように、饋電特性シミュレーションを用い、実路 線において超電導饋電線を用いた場合の省エネルギー効果 について、定量的に明らかにすることができた。

変電所の集約化(<4.1>)についての検討では、ケースB の結果より直流饋電システムの一部に超電導ケーブルを導 入するだけでも省エネルギー効果があることが分かった。

接続間隔を減らした結果、接続点が少なくなると冷却損 失は減少するが、饋電損失が増加する効果もあるため、省 エネルギー効果は小さくなる。しかし、接続点を多くすれ ばコストが高くなるため、接続間隔が長く、接続点が少な いシステムとすることができれば、より低コストに導入す ることが可能になると考えられる。

文 献

(1)高木 亮: 「直流饋電系と列車群制御の統合インテリジェ

ントシステム化」, 東京大学 (学位論文) (1995).

(2)高木 亮, 曽根 悟: 「直流鉄道電力システムシミュレー

ションプログラムRTSS」, 日本シミュレーション学会 12 回シミュレーション・テクノロジー・コンファレンス, 4-3, pp. 121-124 (1993).

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