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究 助 成 費 実 績 報 告 書 平成26年3月27日

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Academic year: 2024

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様式第2号

平成25年度 独 創 的 研 究 助 成 費 実 績 報 告 書

平成26年3月27日 申 請 者 学科名 保健福祉学科 職 名 准教授 氏 名 樂木 章子 印 調査研究課題 風景を共有できる空間の住民自治:鳥取県智頭町山形地区振興協議会の事例 交 付 決 定 額 20 万円

調査研究組織

氏 名 所属・職 専門分野 役割分担

樂木章子 岡山県立大学・准教授 グ ル ープ ・ダ

イナミックス 総括、フィールド調査

杉万俊夫 京都大学・教授 グ ル ープ ・ダ イナミックス

行政等関係者への連絡調 整、フィールド調査(副)

調査研究実績 の概要○○○

本研究は、市町村といった行政単位よりも小さな、住民の生活に根ざしたコミュニティ づくりを全国に先駆けて取り組んでいる鳥取県智頭町、とりわけ高齢者福祉を軸とした活 動を行っている住民組織である「山形地区振興協議会」とともに、地域の独居高齢者の生 活改善のための方途を検討した実践的研究である。

山形地区振興協議会の役割は、住民目線からの地域の独居高齢者の生活改善に資する活 動の実践や行政に対する提案や要望を行うことである。そのために本研究は、まずは、既 存の行政サービスの全体像(それぞれの機関とその位置づけ、役割や活動内容)を把握 し、次いで、独居高齢者の公的サービスの利用実態や生活の現状を把握することで、公的 サービスの「隙間」を見出すとともに、独居高齢者に対して、今後、どのような支援が必 要かを検討した。

研究方法は、①行政等へのヒアリング、②地域の独居高齢者に対する半構造化面接、③ 個々の高齢者のエスノグラフィーの作成である。対象者は、山形地区在住の73歳から91歳 までの高齢者24名(平均年齢79歳)である。

対象独居高齢者の全体的な傾向として、全体の半数が月に数回、子どもの訪問を受けて おり、都市部と比べ家族の見守りが充実していることがわかった。そのため、金銭管理や 年金等手続きについては子どもに任せている高齢者が比較的多かった。日常生活の自立度 は高く、近隣住民との関わりが強い高齢者が多い一方で、生活リズムが不規則で、近所の 人とほとんど接点のない、孤立しがちな高齢者もいた。健康状態は、全体の半数以上が何 らかの問題を抱えており(抱えつつあり)、外出回数が減少傾向にあった。

次頁に続く

(2)

調査研究実績 の概要○○○

公的サービスの利用実態については、対象高齢者に共通する問題点として、第一に、公 的見守りサービスを知らない、あるいは、知っているが、面倒なために利用していない高 齢者が半数以上いることが見出された。智頭町では、公的な見守りサービスとして、一人 暮らしの高齢者世帯を対象に、毎日、告知端末を利用してメールを配信し、返信の確認を 通して見守りを行う「お元気ですかメール」がある。行政は、このサービスについての認 知度や利用度を高めるような広報活動を工夫する必要がある。第二に、防犯・防災意識が 低いことが見出された。たとえば、鍵をかけずに泥棒に何度か入られたケース、詐欺のセ ールス電話に対して、無防備な受け答えをしているケースなどが見られた。また、災害時 の避難場所を知っている高齢者は、半数しかいなかった。これらの結果から、防犯につい ては警察との連携、防災については消防署との連携を具体化するための準備が必要である と考えられる。

一人ひとり生活状況および生活課題を把握するための高齢者のエスノグラフィーの結果 からは、独居高齢者といってもそれぞれの生活課題がまったく異なること、したがって、

一律の公的サービスだけではなく、個別性を重視したサービスの開発が必要であることが 見出された。以下、いくつかの例をあげる。

Bさん(76歳女性)は、3~4年ぐらい前から、歩くのが億劫になっていて、家に閉じこ もりがちであり、近所の人とも関わりが少ない上、ミニディや老人クラブにも参加してい ない。しかし、Bさんは、話し相手がいなくて、とくに夜が寂しいと訴えていた。Bさん は、行政や地域の見守りサービスや緊急時のサービスのことも知らなかった。行政などの 関係者は、Bさんが利用できるサービスを説明する機会をもち、他の独居高齢者よりも頻 繁な訪問とケアが必要であるという情報を共有する必要がある。

Cさん(84歳女性)は、健康を意識しながら自立した生活を送っている。公的な見守り サービスも活用し、昼間の生活には支障がないが、夜間の見守りを担当する近隣の愛の輪 委員が夜勤であることに不安を抱えている。Cさんの不安を軽減し、万一に備えるために は、夜間の緊急時の対応できるような新しいサービスが必要である。

Eさん(79歳女性)は、一人暮らしに不安を抱えながら生活しているが、特に、知り合 いの独居高齢者がお風呂で孤独死して以来、入浴するのが怖くなってきている。Eさん も、先述の公的な見守りサービスを知らなかったことから、これらのサービスの活用を勧 めるとともに、安心して入浴できる仕組みづくりが必要である。

以上のケースとは対照的に、Iさん(87歳男性)は、毎日、自家用車で外出し、テニス や遠方への一人旅も楽しんでいる。老人クラブ等では、(サービスをされる側ではなく)

企画する側で、地域のリーダーとして活躍している。しかし、Iさんの子どもは県外に暮 らし、年に数回も顔を合わせていない。現時点では、申し分のない健康的な生活を送って いるが、地域で緊急時を察知し、対応できる対策を整える必要がある。

以上を踏まえ、山形地区振興協議会の今後の活動として、本研究では、地区振興協議会 が行政に対して以下の要望を伝えることを提案した。

・町役場福祉課や社会福祉協議会が情報共有することで、見守りサービスを利用してい ない高齢者を抽出、個別に対応する。

・警察や消防と近隣住民が協力し、防犯・防災に関する啓発活動や災害時の避難訓練を 実施する。

・本研究で得られた結果に基づき、高齢者の個別性を重視したサービスを開発する。

なお、これらの提案事項は、平成26年3月現在、山形地区振興協議会を通して、智頭町 長、智頭町会議員、鳥取県会議員、町役場福祉課、社会福祉協議会、民生委員等の関係機 関・関係者に報告され、智頭町としての仕組みづくりが開始されつつある。

成果資料目録

平成26年度に学会発表、論文投稿予定。

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