第5学年1組 総合的な学習の時間 学習指導案
指導者 O ・ K 1 単元名
テレビ番組を作ろう「ようこそ 大山口放送局へ」
2 単元設定の理由
今年からテレビが完全に地上デジタルテレビ放送に移行した。従来のアナログ放送よりも電波障 害に強く、高音質な音声や多チャンネル放送・データ放送・双方向性機能があることが大きな特徴 である。今まで以上に情報が複雑に入り込み,便利な反面,情報化の落とし穴に入り込む危険性も 増えていくことが予想・指摘されている。そういった観点からも本単元がこれからの情報社会に生 きていく児童に必要な学習であると考えている。
5年理科の「天気と情報(2)台風の接近と天気」で学習を行った際,テレビの情報を活用する メリットを考えた。リアルタイムで,視覚に訴える情報は,とてもわかりやすくて,新聞やラジオ やインターネットにはないよさが実感できた。また,社会科で「これからの食糧生産とわたしたち」
の学習の発展としてテレビの絵コンテを作る学習を行った。テレビというものが児童にとって身近 で興味を喚起する情報機器のひとつであることを学んできたわけだが,12月から社会科で「情報 産業とわたしたちのくらし」の学習が始まる。「社会を変える情報」「情報化した社会とわたしたち の生活」「情報を生かすわたしたち」という3つの小単元に分けられている。これらの学習と並行し て,総合的な学習の時間では,実際にテレビ番組を作りながら,情報のメリットやデメリットにつ いて探究していこうと考えている。
本校の総合的な学習の時間のテーマは「地域とともに」となっている。前期は「世界の食めぐり」
という学習で食育と国際理解教育を行った。後期は,地域で取材したことを元にしたテレビ番組作 りを行う。本校の学区は歴史的にも浅く,新興住宅地が多い。その中で,地域のよさを発見しなが ら情報収集と情報発信を行えるようにしたい。
本学級の児童は,明確な答えがわかることについては,積極的に学習に取り組むことができ,学 習意欲もある。しかし,自分の考えを文章化したり,理路整然と話したりすることが苦手で,情報 発信があまり得意ではない。また,テレビということに関しての実態としては,本学級の児童の家 庭は全て地デジ化しており,平均視聴時間は2.6時間である。よく見る番組はアニメやバラエテ ィー番組で,スポーツ番組や教育情報番組や音楽番組が次いで多かった。ニュースはほとんど見て いないことがわかった。このことから,ニュース番組を作ることが難しいと考えられるので,地域 情報番組のようなものにして,取材することから興味を持って学習に取り組ませたいと考えている。
本単元を通して,児童につけたい力は次の3点である。放送局として番組を作る過程を通して,
自ら課題を見つけ,自ら学び,自ら考え,問題を解決する力。番組に関する情報の集め方,調べ方,
まとめ方などの学び方やものの考え方を身につけ,問題解決に向けての主体的,創造的な態度。そ して,何よりも身につけさせたい力は,自分の考えを持ち,その考えを文章化し,理路整然とした 話し方で情報発信ができる力であり,それこそが生きる力となり,これからの生き方を考える力と なるであろうと考えている。
3 単元目標
・ 地域の様子を進んで調べたり,インタビューをしたりして,放送内容を考えることができる。
(問題解決の力)
・ 自分なりの課題を見つけ,進んで調べたり番組づくりをしたりすることができる。
(主体的に学ぶ力)
・ 地域の様子を調べ,集めた情報を的確に取捨選択することができる。
(情報収集の力)
・ テレビ番組制作のために,自分の考えを整理し,よりよい番組にしようとすることができる。
(自己表現の力)
・ 調べたことを番組としてまとめていく上で,さらに新たな課題を見つけ,追究することがで きる。 (課題を追究する力)
・ 地域の人に取材をする方法を身につけたり,テレビで話す方法を身につけたりすることがで きる。 (コミュニケーションの力)
4 指導計画(24時間)
過程 時 活 動 内 容 ・指 導 の ポ イ ン ト ○評 価 つ
か む
2
1
○ 日産自動車工場見学の取材をし,
絵コンテにまとめる。
○ 話し合いをし,実際にテレビ番組 を 作っ て み よう と い う 意 欲を 持 つ。
・社会科で行う自動車組み立て工場の見学を取 材する際に,食品の時に行った絵コンテのやり 方でまとめをすることで意欲を持たせる。
(社会科との関連)
・絵コンテにしたものをテレビにするとどうな るかを劇にして発表させる。
・実際にビデオに撮影して誰かに発表してはど うかという意見が出るように支援する。
○自分なりの課題を見つけることができたか。
(主体的に学ぶ力)
ふ か め る
1 ○誰に向けて,どんな内容の番組を作 るのかを話し合う。
・相手・・・親,他の学級,来年入 ってくる1年生 ・内容・・・大山口小学校区のよい
ところ再発見
例 「大山口よいとこ一度はおいで」
「発見!大山口天国」
「大山口物語」
・映像作品を作るときには,相手意識が必要な ことを考えさせる。特に来年入ってくる1年生 が町探検等に必要だということを考えさせる。
・自分たちでなければ作れないものを考えさせ る。
・内容は自分たちで取材できる範囲のことで,
スーパー・小売店・交番・消防署・公園利用者 等について取材していく方がよいことを話し合 いで気づけるようにさせる。
○自分なりの課題を作り進んで地域の様子を調 査しようという意欲を持つことができたか。(主 体的に学ぶ力)
1
(
本 時)
○取材の仕方を練習しておく。 ・質問をする時の話し方を練習させる。自分が 何者か,何のために取材するのかを明確にさせ る。相手が答えやすいように質問を吟味させる。
・ただ単に「大山口のよいところはどんなとこ ろですか?」という質問ではなく,予想を立て てから質問を考える。交番に行くなら,交通事 故の件数が他の地域よりも尐ないのではないか というようなことを予想しておき,相手が答え やすいような具体的質問を考えさせ,自分なり の課題をつかませる。
○順序だてて質問し,きちんとした話し方がで きたか。(コミュニケーションの力)
テレビ番組を作ろう
「ようこそ 大山口放送局へ」
ふ か め る
4
1
2
5
4
○取材する。
スーパー スポーツ用品店 薬局 そば屋 ラーメン屋 病院 交番 交通安全指導員 公園利用者
○テレビ局で働く人の話を聞く。
○取材したことをもとに資料を作る。
○絵コンテを作り,役割を決め,衣装 や背景等を作り,練習をする。
○映像化する。
○自分なりの課題を見つけ,進んで取材活動の 練習をしようとしたか。(主体的に学ぶ力)
・店や交番等には,事前に取材について依頼を しておく。複数に分けて取材をさせると迷惑に なるので,学年でそろえてグループにして取材 をさせるようにする。
○進んで地域の様子を調べたり、インタビュー したりすることができたか。(問題解決の力)
・ゲストティーチャートして,CATVのらー ばんねっとに依頼する。社会科でテレビ局に関 する学習が終わってからゲストとして招いた方 がよい。(社会科との関連)
・絵コンテを作る前に,取材したことをまとめ させる。
○どの情報を使い,どの情報を捨てるのかを決 めるのは,自分たちが「何を伝えたいか」とい うことを基準に考えることができたか。(情報収 集の力)
・役に合った衣装や背景を考えさせ,劇として 演技をさせる。その際,実際の人を演じるわけ なので,その方が見た時に失礼にならないかど うかも考えながら作成させる。
○調べたことを番組としてまとめていく上で,
さらに新たな課題を見つけ,追求することがで きたか。(課題を追究する力)
○テレビ番組作成のために,自分の考えを整理 し,よりよい番組にしようとすることができた か。(自己表現の力)
・ビデオは教師が撮るが,リハーサルを十分に 行い,児童が演出の仕方等にアドバイスできる ようにする。アドバイスのポイントは,視聴者 が1年生でもわかること。
ひ ろ め る
1
1
1
○出来上がった映像を隣のクラスと 見せ合う。また,保護者に見てもらい,
意見をもらう。
○来年度の1年生の町探検前に事前 指導資料として使えるように,修正し て保存しておく。
○学習の反省をする。
・隣のクラスの映像も見ながら,自分たちの作 った映像作品について考える。
・アドバイスを元にして,内容を吟味し,修正 するところがあったら直すようにさせる。
・テレビ番組を作ることで,取材の大変さや絵 コンテから映像化する大変さを実感するととも に,相手意識を持つことの重要性がわかるよう にさせる。
○相手意識を持って,最後までよりよいテレビ 番組にしようとしたか。(自己表現の力)
5 本時の指導(5/24)
(1) 目標
自分なりの課題を見つけ,進んで調べようとすることができる。 (主体的に学ぶ力)
順序だてて質問をし,きちんとした話し方ができる。
(コミュニケーションの力)
(2) 展開
時配 学習内容と学習活動 ・指導・支援 ○評価 資料 2
25
15
3
1 本時のめあてをつかむ。
2 取材のための質問項目を考え,
取材の練習をする。
3 クラス全体の前で発表する。
・グループで発表する。
・聞きながら,よい点を見つける。
4 本時の反省をし,次時の学習の 確認をする。
・学習計画の掲示物で,本時のめあてを確 認し,意欲を持たせる。
・全体で,あいさつの仕方や話しかけ方や お礼の言い方などを確認し,カードに記 入させる。
・話し方のカードに記入しながら,相手意 識を持って話そうとすることができる ようにさせる。
・グループで話し方の練習ができるように させ,カードを見なくても話せるように させる。
・自分なりの課題を持って質問項目を考え られるようにさせ,どのような回答が得 られるのかもある程度予想しておくと よいこともあらかじめ指導しておく。
・うまくカードに記入していけない児童に は,具体例から選んでもよいことを助言 する。
・発表することによって,自分たちの話し 方や質問内容について適切かどうかを 確認できるようにさせる。
・質問に答えてもらう時のあいづちの打ち 方や,うなずき方や表情等も,発表を見 ている人は確認しながら評価する。
・友達の発表を聞き,よい点を見つけ,「自 分もそのよさを身につけよう。」と考え られるよう支援する。
○順序だてて質問し,きちんとした話し方 ができたか。
○自分なりの課題を見つけ,進んで取材活 動の練習をしようとしたか。
・次時が取材の本番であることを知らせ,
意欲を持って活動をしていけるように 支援する。
掲示物
話 し 方 カード 取材の名人になろう。
・あいさつ
「こんにちは。」 ・自分の立場を明かす
「私たちは大山口小学校の5年生のものです。」
・質問のねらいを話す
「総合的な学習で地域のことについて調べています。」
・相手の都合を聞く 「今,いいですか?」
・質問の例
・お礼の言い方
「大変参考になりました。ありがとうございます。