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第64回(平成26年度)国際会議出席費補助金受領者出席報告

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64 回(平成 26 年度)国際会議出席費補助金受領者出席報告

International  Conference  of  Asian  Environmental  Chemistry  2014(アジア環境化学国際会議2014)に参加 して

補助金受領当時所属:神戸大学遺伝子実験センター 異動後現所属:神戸大学バイオシグナル総合研究センター

乾 秀之

11月24日から 26日までの 3日間,タイ・バンコクの チュラポーン研究所において開催された International Conference of Asian Environmental Chemistry 2014

(ICAEC2014,アジア環境化学国際会議2014)に参加した.

チュラポーン研究所(写真1)は科学分野で博士号を持つ タイ王国第三王女であるチュラポーン王女が所長を務める 研究所である.国際会議は通常開催国の学会等がホストと なって主催することが多いが ICAEC2014 は日本環境化学 会が主催した.これは,日本がかつて経験したいくつもの 化学物質による環境汚染を,急速に発展するアジア諸国で 再び引き起こさないために,日本環境化学会のリーダー シップのもとその情報と技術を共有することを一つの目的 としているからである.さらには,急速に発展する東アジ アにおいて有害物質による環境汚染の実態を明らかにし,

アジアの国々が協力して解決へ向けた方策を提案すること を目的としている.

東南アジア諸国の中でもタイは本分野で最も進んだ国の 一つであり,これまでに多くのタイ人研究者が日本で博士 号を取得したり,技術研修を受けている.また,日本から も多くの技術者がタイにおいて環境モニタリング並びに分 析技術の提供を行っている.したがって,タイは今後の東

南アジアにおける環境化学研究の中心的な存在になると期 待されていることからこの地が選ばれた.

会議初日の朝はタイ国Minister of Natural Resources and Environment並びに ICAEC2014主催者からの開会の 挨拶,チュラポーン王女代理からの挨拶と記念品の贈呈が あった.王室関係者を迎えるとあって警備も厳しく,また 厳かな雰囲気の中始まった.その後,Plenary lecture,一 般講演と続いた.本会議では 19 カ国から参加者があり,

200 を超える発表があった.口頭発表は 5会場平行して行 われ,活発な議論が交わされた(写真2).口頭発表のセッ ションは環境化学に関連するほぼすべての分野が網羅され ており,様々な切り口から環境問題を考えることができる ように設定されている.例えば,大気,水,食品といった 汚染対象別,有機フッ素系化合物(Perfluorinated com- pounds, PFCs),医薬品及び生活関連物質(Pharmaceuti- cals and personal care products, PPCPs),残留性有機汚 染物質(Persistent organic pollutants, POPs)などの汚染 物質別,e-waste(電気電子機器の廃棄物)や埋め立て地,

自動車などの汚染源別に分類されていた.一方,リスクコ ミュニケーションや化学物質のレギュレーション,特に化 学物質排出把握管理促進法(Pollutant release and trans- fer register, PRTR)などについても議論された.これは 本法が近々タイに導入されることによるものであろう.

筆者の発表は,汚染物質の食品への取り込みに関する セッションに分類され,Uptake mechanism of persistent organic pollutants by Cucurbitaceae family(ウリ科植物 による残留性有機汚染物質の取り込みメカニズム)という タイトルで口頭発表を行った(写真3).一般に植物は脂 溶性が極めて高い POPs を根を介して体内に取り込むこと

写真2 発表会場

写真1 会場となったチュラポーン研究所

(2)

—        —20 ができない.しかし,キュウリやカボチャを含むウリ科植 物はダイオキシンやポリ塩化ビフェニル,有機塩素系殺虫 剤などの POPs を取り込み,地上部まで輸送し,それらの 果実の汚染が引き起こされる.日本では有機塩素系殺虫剤 ディルドリンやヘプタクロルの使用が禁止されて 40年以 上も経過するにも関わらず,これらがキュウリやカボチャ から残留基準値を超えて検出される事例が起こっている.

我々はウリ科植物にだけ存在する特有のメカニズムが POPs汚染を引き起こすと考え,これらの分子メカニズム を解明した.このような研究は,作物の汚染低減技術の開 発につながるだけでなく,植物を利用した汚染物質の環境 浄化に応用できる可能性がある.

日本とタイの環境化学会は,今後の持続可能な社会的,

経済的発展を目指すためには環境問題,特に化学物質によ る汚染の解決が重要な位置を占めると考え,これらの正し い理解と科学に基づく創造的な解決方法を提案してくこと が重要であると認識した.環境化学は極めて重要な分野で あり,以下の宣言を採択して ICAEC2014 は終了した.

〈Bangkok Declaration〉(筆者訳)

1. 環境化学の各分野(PRTR, POPs, PPCPs,水銀,芳香 族炭化水素,内分泌撹乱化学物質,e-waste,殺菌剤,

マイクロプラスチックなどの汚染物質に関する研究,

生態リスクアセスメント,気候変動と大気汚染,浄化 技術とマネジメント)における協力

2. 情報と知識の共有とともに出版,会議,セミナー,利 害関係者からの技術支援に関わる活動を含む学会の運 営における相互協力

3. 行政,国際社会,もしくは環境化学に関わる活動の科 学的な問題への協力

4. 目標を達成するための緊密な連携の維持

最後になりましたが,本国際会議への出席にあたりご支 援を頂きました公益財団法人農芸化学研究奨励会に深く感 謝申し上げます.

写真3 口頭発表

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