二
〇 二 二 年 広 島 大 学 本 番 レ ベ ル 模 試
( 総 合 科
・ 法
・ 医
・ 歯 学 部
) 国 語 解
答
・ 解 説
・ 採 点 基 準
全 3 問 1 2 0 分 1 0 0 点 満 点 第
一 問
( 3 5 点
)
〈 現 代 文
( 論 説 文
) 前 田 英 樹
『 民 俗 と 民 藝
』 〉 解 答
問 一 a 浸 透
b 堕 落
c 孤 立
d 抗 議
e 威 厳 問
二 1 労 力 を 省 い て
、 合 理 化 す る
( 十 二 字
) 2
「 型
」 を 信 じ
、 反 復
、 再 生 さ せ る 驚 く べ き や り 方
( 二 十 二 字
)
( 別 解
: そ れ が
「 型
」 を 信 じ
、 反 復
、 再 生 さ せ る 驚 く べ き や り 方
( 二 十 五 字
)) 問
三 手 仕 事 へ の 蔑 視
、 修 練 を 無 用 に す る 道 具
、 機 械 の 発 達
、 技 を 欠 く 個 性 の 主 張 や
、 そ れ を 大 量 に 通 用さ せ る 商 品 経 済 の 仕 組 み に よ り
、 工 藝 を 劣 悪 な も の に す る 社 会 情 勢
。
問
四 芸 術 個 性 の 主 張
、 美 工 藝 手 仕 事
、 技 巧 問
五 柳 の 賛 同 者 ら は
、 柳 か ら 独 立 し た 個 性 を 持 ち な が ら も
、 柳 の 言 葉 に 影 響 を 受 け た 物 の 見 方 に 基 づ き、 そ れ ぞ れ の 実 作 を 介 し て 柳 と と も に 芸 術 と 工 藝 の 総 合 を 希 求 し て い た た め
。 問
六 本 来 美 と 技 巧 は 異 な る も の で あ り
、 河 井 の 若 き 日 の 成 功 も
、 陶 工 と し て の 仕 事 に 対 す る 評 価 で は な く
、 美 術 界 が 単 に 個 人 作 家 と し て 絶 賛 す る も の で し か な か っ た こ と
。 問
七 河 井 は 個 性 的 な 陶 芸 作 家 で あ り つ つ
、 あ く ま で 陶 工 と し て 実 作 を 通 じ て 芸 術 と 工 藝 を 総 合 し よ う と 苦 心 す る 中 で
、 自 身 の 記 憶 に あ る 工 藝 の 手 技 を 育 む 農 耕 の 暮 ら し の 内 に
、 民 藝 を 成 立 さ せ る 社 会 環 境 を 探 り当 て てい た か ら
。( 百 字)
採 点 基 準
▼ 採 点 に 際 し て は
、 必 ず 解 説 を 参 照 し て
、 許 容 さ れ る 解 答 を 確 認 す る こ と
。
▼ 小 問 ご と に
、 加 点 法
・ 減 点 法 併 用 で 採 点 す る
。 0 点 以 下 に な っ た 場 合
、 そ の 問 は 0 点 と す る
。
▼
「 X と い う 内 容
(
? 点
)」 の 項 目 は
、 答 案 全 体 が ど の よ う な 文 章 構 成 で あ る か に 関 わ ら ず
、 答 案 の 一 部 に 要 素 X が 含 ま れ て い る か ど う か を 判 断 す る
。
▼
「 X 1 と X 2 が Y と い う 論 理 関 係 に な っ て い な け れ ば
、? 点 減 点」 の 項 目 は
、要 素 X 1 と X 2 が 両 方 と も 揃 っ て い る 答 案 だ け を 判 断 の 対 象 に す る
。つ ま り、 X 1 と X 2 の い ず れ か で も 欠 け て い る 場 合 は
、 Y に つ い て の 減 点 は し な い
( Y の 欠 け に よ っ て 失 点 し て い る の で
、 さ ら に 減 点 す る 必 要 は な い
)。
▼ 各 々 の 採 点 項 目 に つ い て
、マ ル か バツ か の二 択 で判 断す る こ と。 誤 字 脱 字 以 外 の 部 分 点 は 原 則 と し て 認 め な い
。
* 解 答 中 で
「 民 藝
」 を
「 民 芸
」、
「 工 藝
」 を
「 工 芸
」 と 表 記 し て い て も 減 点 し な い
。 問
一
( 5 点 満 点
)
・ a 浸 透
b 堕 落
c 孤 立
d 抗 議
e 威 厳
* 各 1 点
。 部 分 点 な し
。 問
二
( 4 点 満 点
) 1
( 2 点
) 2
( 2 点
)
* 部 分 点 な し
。 問
三
( 4 点 満 点
) 1
. 手 仕 事 へ の 蔑 視
、 と い う 内 容
( 1 点
) 2
. 修 練 を 無 用 に す る 道 具
、 機 械 の 発 達
、 と い う 内 容
( 1 点
)
*「 道 具
」「 機 械
」 は い ずれ か のみ に 言及 し てい れ ばよ い
。
*「 修 練 を 無 用 に す る
」 と い う 点 に 言 及 で き て い な い 場 合 は 不 可
。 3
. 個 性 の 主 張 と そ れ を 通 用 さ せ る 商 品 経 済 の 仕 組 み
、 と い う 内 容
( 1 点
)
*「 商 品 経 済 の 仕 組 み
」 に 言 及 で き て い な い 場 合 は 不 可
。 4
. 1
〜 3 に よ っ て 工 藝 を 劣 悪 な も の に す る
、 と い う 内 容
( 1 点
)
*「 劣 悪 な も の に す る
」 は
、 そ の
「 品 質 を 低 下 さ せ る
」 な ど
、 そ れ に 類 す る 表 現 で あ れ ば 可
。
* 文 末 が
「
〜
( と い う
) も の
」 な ど
、 そ れ に 準 ず る 体 言 に な っ て い な い 場 合
、 1 点 減 点
。 問
四
( 4 点 満 点
) 芸 術 個 性 の 主 張
、 美 工 藝 手 仕 事
、 技 巧
* 各 1 点
。 部 分 点 な し
。 問
五
( 6 点 満 点
) 1
.( 柳 の 賛同 者 らの 共 通項 と して
) 柳の 言 葉が
、 民藝 運 動 の 賛 同 者 の 物 の 見 方 を 変 え た
、 と い う 内 容
( 2 点
)
*「 民 藝 運 動 の 賛 同 者
」 は
、 柳 宗 悦 を 支 持 し た 陶 芸 作 者 や 版 画 家 を 適 切 に 言 い 換 え て い れ ば よ い
。
* た ん に 柳 の 言 葉 が 影 響を 与 えた こ とを 説 明す る にと ど ま り
、「 物 の 見 方
」と い う点 に 言及 で きて い ない 場 合 は 1 点 減 点
。 2
.(
「「 民 藝運 動
」と い う 符 牒 で 括 れ な い 理 由 と し て
)1 の賛 同 者 が 柳 か ら 独 立 し た 個 性 を 持 っ て い た
、と い う内 容
( 2 点
)
*「 1 の 賛 同 者
」 は
「 1 の 物 の 見 方
」 と い う 形 で 表 現 し て い て も よ い
。
*「 個 性 を 持 っ て い た
」 は
、「 そ れ ぞ れ 異 な る 方 向 に 進 んで い た
」 等
、 柳 の 賛 同 者 た ち の 活 動 の 方 向 が、 共 通 の 特 徴 で 一 括 り に で き な い 多 様 性 や 分 岐 を 伴 っ て い た 事 情 を 適 切 に 言 い 換 え て い れ ば よ い
。
*「 柳 か ら 独 立 し た
」 進 み 方 で あ る と い う こ と を 明 示 で き て い な い 場 合 は
、 1 点 減 点
。 3
.(
「 民 藝
」 と い う ヴ ィ ジ ョ ン を 見 出 せ る 理 由 と し て
) 1 の 賛 同 者 が そ れ ぞ れ の 実 作 を 介 し て
、 芸 術 と工 藝 の総 合 を 柳 と と も に 希 求 し て い た
、 と い う 内 容
( 2 点
)
*「 実 作 を 介 し て
」と い う側 面 に言 及 でき て いな い場 合 は、 1 点 減 点
。た だ し
、2 に お いて こ の要 素 に言 及 で き て い る 場 合 は 減 点 し な い
。
*「 芸 術 と 工 藝
」 は
「〈 新た な 知性
〉 と〈 新 たな 本 能〉
」 と い う 形 で も 可
。
* 柳 の
「 民 藝
」 に対 す る思 想 との 関 係を 明 示で き てい な い 場 合 は、 1 点減 点
。
* 文 末 が
「
〜
( で あ る
) た め
/ か ら
」 な ど
、 そ れ に 準 ず る 理 由 を 表 す 表 現 に な っ て い な い 場 合
、 1 点 減 点
。 問
六
( 6 点 満 点
) 1
.(
「 こ の 成 功
」 の 説 明 と し て
) 河 井 の 若 き 日 の 成 功
、 と い う 内 容
( 1 点
) 2
. 本 来
、 美 と 技 巧 は 異 な る
、 と い う 内 容
( 2 点
)
* 芸 術 と 工 藝 が 異な る もの で ある
、 とい う 形で 表 現し て い て も よい
。 3
.( 2 に 基づ く とき
) 1は
、 陶工 と して の 仕事 に 対す る 評価 で は な い
、 と い う 内 容
( 1 点
)
*「 陶 工
」 は
、「 工藝
」 や「 工 藝の 技 巧」 な ど、 そ れに 類 す る 表 現で も 可。 4
. 1 は
、 美 術 界 が 単 に 個 人 作 家 と し て 絶 賛 す る も の で し か な か っ た
、 と い う 内 容
( 2 点
)
*「 美 術 界
」と い う 点 は
、作 品 の「 美
」的 側 面 が評 価 され て い た こ と が 表現 で きて い れば よ い。 こ の 点 が 明 確 に 表 現 で き て い な い 場 合 は 1 点 減 点
。
* 文 末 が
「
〜
( と い う
) 点
」 な ど
、 そ れ に 準 ず る 体 言 に な っ て い な い 場 合
、 1 点 減 点
。 問
七
( 6 点 満 点
) 1
.(
「 自 覚 と 苦 闘
」 の 説 明 と し て
) 河 井 は 個 性 的 な 陶 芸 作 家 で あ っ た
、 と い う 内 容
( 1 点
)
*「 個 性 的
」 と い う 点 に 言 及 で き て い な い 場 合 は
、 1 点 減 点
。 2
.(
「 自 覚 と 苦 闘
」 の 説 明 と し て
) 1 に も か か わ ら ず
、 河 井 は 陶 工 と し て 実 作 を 通 じ て 芸 術 と 工 藝 を 総合 し よう と し た
、 と い う 内 容
( 1 点
)
* た ん に 河 井 が 新た な 時代 を 切り 開 こう と した
、 など の 説 明 に とど ま る場 合 は不 可
。
*「 芸 術 と 工 藝
」 は
「〈 新た な 知性
〉 と〈 新 たな 本 能〉
」 と い う 形 で も 可
。 3
.(
「 内 観
」 の 説 明 と し て
) 河 井 自 身 の 記 憶
、 と い う 内 容
( 1 点
)
* 河 井 の 郷 里 の 暮ら し につ い ての 記 憶で あ るこ と が表 現 で き て いれ ば 可。 4
.(
「 内 観
」の 説 明 と し て
)2 の 結 果
、3 の 内 に 民 藝 を 成 立 さ せ る 社 会 環 境 を 見 出 し て い た
、と い う 内 容( 1 点
)
*「 民 藝 を 成 立 さ せ る
」 は
、「 工藝 の 水準 を 高め る
」と し て い て も可
。
*「 民 藝 を 成 立 さ せ る 社 会 環 境
」は
、民 藝 が お の ず か ら 産 ま れ る の に 必 要 な 社 会 の 情 勢 な ど と 説 明 して い ても 可
。 社 会 の
「 環 境
」 な い し
「 情 勢
」 に 類 す る 語 を 欠 く 場 合 は
、 不 可
。
5
.( 4 の
「環 境
」の 説 明と し て) 農 耕の 暮 らし で ある
、 と い う 内 容
( 1 点
)
*「 農 耕
」 は
「 農
」 と し て い て も 可
。 6
. 5 が 工 藝 の 手 技 を 育 む も の で あ る
、 と い う 内 容
( 1 点
)
*「 型
」 を 反 復
、 再 生 す る 工 藝 の 技 巧が
、 5 の 暮 ら し に 根 を も つ と い う 関 係 を 適切 に 言 い 換 え て い れ ば よ い
。
* た ん に 5 の 暮 らし が「 工 藝
」や
「陶 芸
」の 営 みと 未 だ分 れ て い な い も の で あ る こ と を 説 明 す る に と ど ま り、 工 藝 の
「 技
」 や そ の 水 準 を 高 め る と い う 側 面 に 明 確 に 言 及 で き て い な い 場 合 は 不 可
。
* 文 末 が
「
〜
( で あ る
) た め
/ か ら
」 な ど
、 そ れ に 準 ず る 理 由 を 表 す 表 現 に な っ て い な い 場 合
、 1 点 減 点
。
* 制 限 字 数
( 百 字 以 内
) に 収 ま っ て い な い 場 合 は 6 点 減 点
。
第 二 問
( 3 5 点
)
〈 現 代 文
( 小 説
) 藤 野 可 織
「 ア イ デ ン テ ィ テ ィ
」 〉
解 答
問 一
猿 と 鮭か ら 成 る自 分 た ちが 一 体 の人 魚 で あ ると 思 って い な い から
。 問
二
「 そ れ、
」、 だ けが 人 魚 とし て の アイ デ ン ティ テ ィ の獲 得 に 難儀 し
、い つ ま でも 猿 や 鮭だ と 言 っ てし ま う の が おか し か った
。 問
三
1 猿や 鮭 だ った 頃 の 本当 の 記 憶。
( 十 四 字)
2 人魚 た る 自覚
( 六 字) 問
四
助 六 を失 望 さ せて し ま う自 分 自 身に 対 し て 失望 す るこ と で
、自 分の 生 を 不完 全 な もの だ と いっ そ う 実 感 し たか ら
。 問
五
初 め の頃 よ り も人 魚 ら しく な っ てき た「 それ、
」、 の努 力 は 買う も の の、 結 局は 他 の 人魚 と 同 じ だけ 人 魚 ら し くな る こ とは で き なか っ た と受 け 入 れ たか ら
。 問
六
助 六 の期 待 に 応え ら れ たこ と で
、自 分 に 人 魚と し ての 価 値 を 認め る こ とが で き たか ら
。( 三九 字
)
採 点 基 準
▼ 採点 に 際 して は
、 必ず 解 説 を参 照 し て、 許 容 さ れる 解 答 を確 認 す るこ と
。
▼ 小問 ご と に、 加 点 法・ 減 点 法併 用 で 採点 す る
。 0点 以 下 にな っ た 場合
、 そ の問 は 0 点と す る
。
▼
「X と い う内 容
(
?点
)」 の 項目 は
、 答案 全 体 がど の よ うな 文 章 構成 で あ る かに 関 わ らず
、 答 案の 一 部に 要素 X が 含ま れ て いる か ど うか を 判 断す る
。
▼
「X 1 と X2 が Y とい う 論 理関 係 に なっ て い なけ れ ば
、
?点 減 点
」の 項 目 は、 要 素 X1 と X 2 が両 方 と も揃 っ て いる 答 案 だけ を 判 断の 対 象 にす る
。 つま り
、 X 1と X 2 のい ず れ かで も 欠 けて い る 場合 は
、 Y につ い て の減 点 は しな い
( Yの 欠 け によ っ て 失 点し て い るの で
、 さら に 減 点す る 必 要は な い
)。
▼ 各々 の 採 点項 目 に つい て
、 マル か バ ツか の 二 択 で判 断 す るこ と
。 誤字 脱 字 以外 の 部 分点 は 原 則 とし て 認 めな い
。
▼
「そ れ、
」、 の表 記 に つい て は
、「
「 そ れ、
」、
」( 鍵 括 弧 あり
・ 傍 点あ り
) であ っ て も「
「 そ れ」
」( 鍵 括 弧あ り
・傍 点な し
) であ っ て も「 そ れ、
」、
(鍵 括 弧 なし
・ 傍 点あ り
) であ っ て も基 本 的 に は減 点 し ない
。 た だし
、 単に
「そ れ
」( 鍵括 弧 な し・ 傍 点 なし
) と 書い て い る解 答 で
、登 場 人 物の
「 そ れ」 を 指 す のか
、 そ れと も 一般 的な 指 示 語な の か が、 採 点 者に と っ て判 断 に 悩 む場 合 に は、 そ の こと を 指 摘し た 上 で、 当 該 設問 で
、 1 点減 点
。 問
一
4 点 満点 1
. 自分 を 一 体の 人 魚 であ る と 思っ て い ない
、 と いう 内 容
( 2点
)
*
「 一 体の 人 魚 だ けで な く
(猿 や 鮭 だと も 思 って い る
)」 と い う 表現 で も 可。
*
「 一 体( の 人 魚)
」「 一 匹
(の 人 魚
)」
「 一 人
(の 人 魚
)」 と い っ た表 現 が ない 場 合 は、 2 点 減点
。 2
. 自分 が 猿 や鮭 か ら 成る
、 と いう 内 容
(2 点
)
* 文末 が「
〜 から
」「
〜の で
」( もし く は
、問 い の カテ ゴリ ー に 対応 す る 答え
)に なっ て い なけ れ ば
、1 点 減 点。 問
二
5 点 満点 1
.「 そ れ、
」、 だ けが 人 魚 とし て の アイ デ ン ティ テ ィ の獲 得 に 難儀 し て いた
、 と い う内 容
( 2点
)
*
「「 そ れ、
」、 だ け が自 分 を 人魚 だ と 思っ て い ない
」 な ど多 様 な 表 現を 許 容 する
。
*
「(
「 それ、
」、
) だ け」 と い った 表 現 がな い 場 合 は、 2 点減 点
。 2
.(
「そ れ、
」、 だけ が
) いつ ま で も猿 や 鮭 だと 言 っ て しま う
、 とい う 内 容( 1 点
)
*
「 い つま で も
」「 何 回 聞 いて も
」 など の 表 現 がな い 場合 は
、 1 点減 点
。 3
.( 1 や 2 が
)お か し い、 と い う内 容
( 2点
)
*
「 1 や2 を 馬 鹿 にし て い る」 と い った 表 現 も可
。
問 三 1
4 点 満点 1
. 猿や 鮭 だ った
( 生 きて い た
)頃 の 記 憶、 と い う 内容
( 2 点)
*
「 経 験」 と い った 表 現 も 可。 2
. 本当 の
( 記憶
)、 と いう 内 容
(2 点
)
*
「 実 際の
」「 捏 造さ れ て いな い
」 とい っ た 表 現も 可
。 2
3 点 満点 人 魚 たる 自 覚
* 部分 点 な し。 問
四
6 点 満点 1
. 助六 を 失 望さ せ る
、と い う 内容
( 2 点) 2
.( 1 に 対 す る) 自 分 自身 に 対 する 失 望
、と い う 内容
( 2 点) 3
.( 2 に よ っ て) 自 分 の生 を 不 完全 だ と 実感 し た
、と い う 内容
( 2 点) 問
五
7 点 満点 1
. 結局 は 他 の人 魚 と 同じ だ け 人魚 ら し くな る こ とは で き なか っ た と 受け 入 れ た、 と い う内 容
( 4 点)
*
「 受 け入 れ た
」に 類 す る 表現 が な い場 合 は
、3 点 減点
。 2
. 初め の 頃 より も 人 魚ら し く なっ て き た「 そ れ、
」、 の努 力 は 買う
、 と いう 内 容
(3 点
) 3
. 1と 2 が 譲歩 の 関 係( 2 だ が1
、 2 では あ る もの の 1
) にな っ て いな い 場 合は
、 3 点減 点
。
*
「 1 だが 2
」、
「 1で は あ るも の の 2」 と な って い る解 答 は 不 可。
* 文末 が「
〜 から
」「
〜の で
」( もし く は
、問 い の カテ ゴリ ー に 対応 す る 答え
)に なっ て い なけ れ ば
、1 点 減 点。 問
六
6 点 満点 1
.(
「そ れ、
」、 が) 助 六 の期 待 に 応え た
、 とい う 内 容
(3 点
)
*
「 助 六を 満 足 さ せた
」 な どの 表 現 も可
。 2
.(
「そ れ、
」、 が) 自 分 に人 魚 と して の 価 値を 認 め る こと が で きた
、 と いう 内 容
(3 点
) 3
. 1と 2 が 原因
・ 理 由の 関 係
(1 に よ って 2
、 1の で 2
) にな っ て いな い 場 合は
、 3 点減 点
。
* 文末 が「
〜 から
」「
〜の で
」( もし く は
、問 い の カテ ゴリ ー に 対応 す る 答え
)に なっ て い なけ れ ば
、1 点 減 点。
第 三 問
( 3 0 点
)
〈 現 代 文
( 随 筆
) 沢 木 耕 太 郎
「 「 お
」 の な い
「 も て な し
」 」
〉
解 答
問 一
「 も て な し
」 を
、「 さり げ ない 親 切
」 や
「 よ り よ い サ ー ビ ス
」 と い っ た 構 成 要 素 に 分 解 す る こ と
。 問
二
さ り げ な い 親 切 に よ る 真 の
「 も て な し
」 と 評 価 し て い る
。 問
三
「 時 間
」 に お け る
、 自 由 度
( 十 二 字
) 問
四
傍 線 部 の 用 法 は 他 と 違 い が な い さ ま を 表 す のに 対 し、 例 文 の 用 法 は 事 態 が 自 分の 予 想通 り にな る さま を 表 す
。 問
五
豪 華 な サ ー ビ ス を 受 け た 経 験 と 対 比 さ せ る こと で
、自 由 に 食 事 で き る サ ー ビ スこ そ 真の 意 味で 客 の身 に な っ て 考 え ら れ た
「 も て な し
」 で あ る と の 主 張 を 強 調 す る 意 図
。 問
六
自 己 満 足 の た め 過 剰 に も て な す の で は な く
、 相 手 の身 に な っ て
、 親 切 や サ ー ビス を さり げ なく 淡 々と 行 う こ と
。
採 点 基 準
▼ 採点 に 際 して は
、 必ず 解 説 を参 照 し て、 許 容 さ れる 解 答 を確 認 す るこ と
。
▼ 小問 ご と に、 加 点 法・ 減 点 法併 用 で 採点 す る
。 0点 以 下 にな っ た 場合
、 そ の問 は 0 点と す る
。 問
一
4 点 満点 1
.「
「も て な し」 を 構 成要 素 に 分解 す る
」と い う 内 容( 3 点
)
*
「( 構 成) 要 素
」に あ た る内 容 が 欠け て い る 場合
、 2点 減 点
。
*
「 分 解す る
」に あ た る 内容
(「 分 析
」「 解体
」な どを 許 容 する
)に あ た る 内容 が 欠 け てい る 場 合、 不可
。
*
「 因 数分 解
」 の 語を そ の まま 使 用 して お り
、言 い 換え の 表 現 が見 当 た らな い 場 合、 不 可
。 2
. 要素 の 説 明と し て
「「 さ り げ ない 親 切
」や
「 よ りよ い サ ービ ス
」」 とい う 内 容( 1 点
) 3
.「 ど う い う こと か
」 とい う 問 いに 答 え る形 の 文 章に な っ てい な い 場合
、 1 点 減点
。 問
二
4 点 満点 1
.「 さ り げ な い親 切
」 とい う 内 容( 2 点
)
*
「 さ りげ な い
」は
、「 あ から さ ま でな い
」 と 表現 し てい て も よ い。
*
「 親 切」 の 語 が ない 場 合 は、 不 可
。 2
.「 真 の
「 も てな し
」( の 精 神
)」 と い う 内容
( 2 点)
*
「 も てな し
」 を「 お も てな し
」 と 書い て い る場 合
、1 点 減 点
。 3
.「 ど の よ う に評 価 し てい る か
」と い う 問い に 答 える 形 の 文章 に な って い な い 場合
、 1 点減 点
。 問
三
3 点 満点 1
.「
「時 間
」 にお け る
、自 由 度
」
* 部 分 点な し
。 問
四
4 点 満点 1
. 傍線 部 の 用法 は
「 他( 先 の 例) と 違 いが な い さま を 表 す
」と い う 内容
( 2 点)
* エ ピ ソー ド に つい て の 具体 的 な 言及 の 有 無 は問 わ ない
。 2
. 例文 の 用 法は
「 事 態が 自 分 の予 想 通 りに な る さま を 表 す
」と い う 内容
( 2 点)
*
「 予 想( 予 測
)」 と、
「 事 態( 結 果
)」 とが 一 致 し てい る
、と い う 内容 を 説 明 でき て い れば
、幅 広い 表 現 を 許 容す る
。
*
「 案 の定
」 と いう 言 葉 を 使っ て 説 明し て い ても よ い
。( 例
:「 案の 定 で あ るさ ま を 表す
」) 3
.「 ど の よ う に違 う か
」と い う 問い に 答 える 形 の 文章 に な って い な い場 合
、 1 点減 点
。 問
五
8 点 満点 1
. 傍線 部 は
「極 め て 豪華 な サ ービ ス を 受け た 経 験 を示 す も ので あ る
」と い う 内容
( 2 点)
*
「 豪 華」 に あ たる 語
(「 豪勢
」、
「 最高 級
」、
「最 上 級
」な ど
) が ない 場 合
、不 可
。
* 傍 線 部が
、 一 般に は 優 れて い る とさ れ る サ ービ ス の例 で あ る こと を 説 明で き て いれ ば よ い。
2
.「 自 由 に 食 事で き る サー ビ ス
」と い う 内容
( 1 点)
* 本 文 第二 三
〜 二六 段 落 にあ る オ ープ ン・ サ ン ドウ ィ ッ チの 機 上 サー ビ ス につ い て
、そ れが
「自 由
」な サ ー ビス の 例 であ る こ とを 説 明 でき て い れば よ い
。 3
. 2が
「 真 の意 味 で 客の 身 に なっ て 考 えら れ た
「も て な し」 で あ る
」と い う 内容
( 2 点)
*
「 真 の意 味 で
」が 欠 け て いる 場 合
、1 点 減 点。
*
「 客 の身 に な って
」 に あた る 内 容 が欠 け て いる 場 合、 不 可
。
*
「 も てな し
」 を「 お も てな し
」 と 書い て い る場 合
、1 点 減 点
。 4
.「 1 と 2 を 対比 さ せ るこ と で
、3 を 強 調す る 意 図」 と い う内 容
( 3点
)
*
「 対 比」 に あ たる 内 容 が 欠け て い る場 合
、 1点 減 点。
*
「 強 調す る
」 にあ た る 内 容が 欠 け てい る 場 合、 不 可。
*
「 強 調す る
」 は、
「 明 確 化す る
」、
「際 立 た せ る」 な どの 表 現 で も可
。 5
.「 ど の よ う な意 図 が ある と 考 えら れ る か」 と い う問 い に 答え る 形 の文 章 に な って い な い場 合
、 1点 減 点。 問
六
7 点 満点 1
.「 自 己 満 足 のた め 過 剰に も て なす の で はな く
」 とい う 内 容( 2 点
)
*
「 自 己満 足
」 は
、 も てな す 側 の「 都 合
」と い う 表現 で も 可
。こ れ に あ たる 内 容 が 欠け て い れば
、 1 点 減 点
。
*
「 過 剰」 に あ たる 内 容 が 欠け て い れば
、 1 点減 点
。 2
.「 相 手 の 身 にな る
」 とい う 内 容( 2 点
) 3
.「 親 切 や サ ービ ス
」 とい う 内 容( 1 点
)
*
「 も てな し
」 が「 親 切
」 と「 サ ー ビス
」 か ら成 り 立つ こ と を 踏ま え ら れて い れ ば可
。 4
.「 3 を さ り げな く 淡 々と 行 う
」と い う 内容
( 2 点)
*
「 さ りげ な く
」と
「 淡 々 と」 は ど ちら か 一 方だ け でも よ い
。 両方 欠 け てい る 場 合は 不 可
。 5
. 答案 全 体 を通 し て
、「 も て な し」 で は ない
「 おも て な し」 を 肯 定 的に 表 現 し てい る 場 合、 7 点 減点
。 6
.「 こ こ で い う「 も て なし
」 と は何 か
」 とい う 問 いに 答 え る形 の 文 章に な っ てい な い 場 合、 1 点 減点
。