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Academic year: 2023

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【1】長い文章を読んでみよう

3級では、長い文章をテキストにします。内容を深く理解しながら、自分の力で読み解い

てみましょう。

今回テキストとする古文書の写真版は、こちらからダウンロードしてください。

(1)表紙から読み取れること

では、さっそく古文書を見てみましょう。

まずは、表紙。

解読してみましょう。

ここで一つ、覚えておいてもらいたいことがあります。

帳面の表紙を解読する時は、内容をただ書き取るのではなく、次の様に記しましょう。

©2013神戸女子大学文学部史学科古文書検定委員会

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(表紙) 「 表紙の内容 」

最初に(表紙)と書くことによって、次に表紙の内容を記すということがわかります。そ

して、表紙の内容は、「」(カギカッコ)で括ります。

では、それを踏まえて解読してみましょう。

( 表 紙 )

「 相 手

古 河 井 路 筋 堰 一 件 願 書 并 諸 書 附 類 写

九 ケ 庄 拾 壱 ヶ 村 惣 御 控 」

解読できましたか?

ここでは、表紙に書いてあることを解読し、どのような内容の古文書であるのかを考え

てみましょう。

表紙から読み取れる情報は重要です。冊子になっている古文書を読む時は、本文を読

む前に、まずどのような古文書であるのかを表紙の記述から読み取ることを心がけまし

ょう。

さて、表紙を再び見てみましょう。

まず、「相手下村安田村」という文言があります。「相手」とあることから、この古文書が

何かの争論の記録であるという仮説が成り立ちます。そして、続けて「下村・安田村」とあ

ることから、この古文書を作成した人(あるいはその人が属している村)が、「下村・安田

村」を相手どって、何かの争論を起こしたことに関わる書類であることがわかります。

そして、次の行を見てみましょう。「古河井路筋堰一件」と書かれています。この記述を

見る限り、下村と安田村を相手取って起こした争論の内容は、「古河井路筋」の堰をめぐ

る争論であることがわかります。堰とは、水をせきとめるために河川等に設置される構

造物を指しますが、その目的は、用水路への取水や、治水等さまざまでした。

次の行には、「願書并諸書附類写」とあります。つまり、この古文書には、古河井路筋に

©2013神戸女子大学文学部史学科古文書検定委員会

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設置された堰をめぐって、下村と安田村と争論を起こした際に作成された願書や諸々の

書類を写したものであることがわかります。

ところで、江戸時代は「文書主義」社会が進んだ時期とも言われています。何をもって

「文書主義」社会が成立し、成熟したのかについては、いくつかの議論がありますので、ここ

では省略しますが、とにかく江戸時代は、争論だけでなく様々な事柄について、文書にし

て残すこと、記録するという行為を重んじる社会でありました。今、私達が多くの古文

書に出会うことができるのも、そうした社会の有り方の中で多種多様な文書が伝承・保

管されてきたからであると言えます。

今回、私達が読んでいる古文書は、争論時に作成された諸書類の写しです。このような

形で、争論の顛末を一冊にまとめておく=記録化しておくという作業は、江戸時代には

ごく普通におこなわれていたようで、今でもよく目にすることができます。こうした書類

の存在は、争論の全体把握を可能にするものであり、古文書を用いながら研究をする文

献史学の研究者にとっては、ありがたい存在と言えます。

では、当時の人々は、このような書類を作成し、どのような場面でそれを活用していた

のでしょうか。実は、これらの書類は、争論の記録であると同時に、未来に起こるであろ

う争論のための準備でもありました。江戸時代、各地では大小様々な争論が起こってい

ました。お金をめぐるトラブル、土地争い、境界争い等々。そして、それらの多くは一度に

解決せず、二度三度と争論を繰り返すことも少なくありませんでした。その時に、活躍

するのが、過去の記録です。自らが過去の争論で、どのような権利を獲得し、相手とどの

ような取り決めをしたのか、具体的にどのような約束をし、それを支配(幕府・個別の領

主)に承認してもらったのか。それらを記録した書類の所持は、自らの言い分を後押しす

る際に必要となりました。

さて、話をもとに戻しましょう。

さらに文言を見てみると、「九ヶ庄拾壱村惣御控」と書かれています。この事から、争

論が、九つの庄(村よりも大きな地域のまとまりを表す語)拾壱の村を巻き込んだもので

あったことがわかります。そして、その争論のすべて=「惣」を書き留めたものであること

がわかります。

このように、冊子のすべての頁を見る前に、表紙を見ただけでも、読み取れることは多

くあるのです。古文書をじっくり読むということは、ただ単に古文書をすらすら読み解い

ていくことではなく、じっくり眺めて、文字から得られる情報のすべてのキャッチすること

なのです。

では、本文を見ていくことにしましょう。

©2013神戸女子大学文学部史学科古文書検定委員会

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(2)文章の全体を把握する

本文を見てみると、いくつかの長い文章が書かれています。まずは、全体を把握すべく、

ざっと全頁を見てみましょう。

なかなか最後まで読むには、時間がかかりそうですね。

でも、あきらめてはいけません。

古文書は、毎日学習すれば必ず力がつきます。

全部の頁を見て、「無理だ…」と思った人は、今日からしばらく本文を眺めるだけの毎

日を過ごしてください。

古文書を読むには、恐怖感を取り去ることが重要です。そのため、目に古文書を馴れ

させることは、とても重要です。

さて、全体の文章を眺めた後、今度は、この冊子全体に全部でいくつの書類が写

されているのかを確認する作業をしてみましょう。

つまり、「題名・本文・差出・宛名」という順で記された書付が何組あるのかを

確認するのです。全部の文字は読めなくても、何組あるのかは確認できると思いま

す。

いかがですか?わかりましたか?

では、本文の解読に入っていきましょう。

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