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『都市型コジェネレーションシステムに関する研究

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総合研究所・都市減災研究センター(UDM)研究報告書(平成24年度)

小課題番号4.2-3

非常時にも対応した自然エネルギー活用による電源と通信網の構築 自然エネルギー利用による効率的な非常電源の開発

『都市型コジェネレーションシステムに関する研究

(地震振動下における飽和およびサブクール流動沸騰熱伝達に関する研究)』

キーワード 大竹 浩靖 地震振動 熱流動 冷却限界 沸騰気泡発生条件 コジェネレーション

1.緒言

地球環境およびエネ ルギー セキュリティーの観点 から、都市の高層ビル群を 中心に都市型コジェネレ ー シ ョ ン 【熱 併 給 発 電 : メタ ン を 主 成分 と す る CO2

負荷の低い地球環境にやさ しい燃料(天然ガス)の 燃焼ガスによる小型ガスタ ービンにて発電。その排 熱を給湯に利用し、高い総 熱効率を実現した、高効 率な分散化電源】システム の導入が広がっている。

このシステムは、地震発生 後の救援拠点でもある都 道府県庁施設および大規模 総合病院でもその導入が 行われている。また、その システムは、年々高性能

(高出力・高効率)化し、OA 化に伴う大きな電力需 要に対応するため商用高層 ビル群では、天然ガス利 用ガスタービンと廃熱ボイ ラーで構成されるコジェ ネレーション型【CO2 負荷 の低い地球環境にやさし い天然ガスによる小型ガス タービンにて発電、その 排熱を利用して(廃熱ボイ ラー)蒸気を生成しさら に小型蒸気タービンを運転 して、高い熱効率かつ大 出力(大電力)にも対応し た高効率な分散化電源】

のものもあり、商用発電シ ステムと類似のシステム を持つものもある。

本研究は、この都市 型コジ ェネレーション(熱併 給発電)システムの地震防 災の評価システムを熱水 力学観点から検討するもの である。具体的には、地 震振動時にあっても、各種 熱機器が過熱状態になら ないことを確認するととも に、特に、水から水蒸気 へ の 相 変 化 現 象 を 伴 う 機 器 の 地 震 時 の 安 全 性 を 評 価:水で冷却されている状 態で、局所に水蒸気が接 する時の安全性および設計 の余裕度を定量的に検討 する。すなわち、分散化電 源である都市型コジェネ レーションシステムを、非 常時にも対応した自然エ ネルギー活用による電源同 等の自立型電源かつ熱併 給発電および廃熱をさらに 利用するコンバインサイ

クルを地球環境に優れた効 率的な電源である有効性 を検討するとともに、当該 電源の都市防災の健全性

(熱的安全性、大地震時の 安全な停止および地震後 の速やかなる復帰)を検討 することを目的とする。

特に、今年度は、実機のコ ンバインサイクル方式都 市型コジェネレーション( 熱併給発電)システムと 同様な条件、すなわち蒸気 発生部である廃熱ボイラ ー内同様な飽和流動沸騰に対する健全性、すなわち、

熱的安全性を実験的に検討した。

2.実験装置および方法

実験装置はFig. 1に示すよ うな開放循環ループ系 である。試験流体には十分 に脱気したイオン交換水 を用い、マグネットポンプ により試験液を試験部に 送り込む。実験パラメータ である、液サブクール度 は飽和沸騰に近い 5K、液 流速は 0.25,0.5,0.83, およ

び1.33 m/sである。試験部 には上部に可視部が設け

てあり、沸騰様相及び流動 様相が観測可能となって い る 。 試 験 流 路 は 10×10×500mm(水 力 等 価 直 径 0.01m)の 矩 形 流 路 であ る。伝 熱 面は 電気 回 路用 プ リ ント基板を幅 3mm、長さ26mmの長さにエッ チング した銅薄膜(銅箔 厚さ 35μm)を使用 し定電流 電源に より直接通電加熱する。計 測部は、電圧タップ線に はさまれた 3×10mm の領 域である。伝熱 面加熱量

( 平 均 熱 流 束 ) は ジ ュ ー ル 発 熱 量 (=電 圧 ×電 流 ) から求め、伝熱面温度は電 流と電圧の計測値とあら かじめ得た銅薄膜の温度と 電気抵抗値の較正直線か ら求めた。振動は、試験部を振動台(工学院大学 UDM プロジェクト仕様。水平方向最大振動加速度5m/s2: 500 Gal)に載せ ることで実 現させた。振動条件の実 験パラメータである加速度aおよび振動周波数fは、

a=4.15m/s2(415 Gal: 震度6相当)、f= 2, 4 Hzであ る。振動方向は、Fig. 1 に 示すように加熱面を水平

* :工学院大学工学部機械工学科教授

(2)

総合研究所・都市減災研究センター(UDM)研究報告書(平成24年度)

小課題番号4.2-3

に配置した流動方向と振動 方向が平行な振動(以下 水平振動と呼ぶ)の実験条件とした。

Fig. 1 Experimental Apparatus

3.実験結果および考察

Fig.2に、液サブクール度5K、液流速0.25 m/sに

お け る 加 熱 面 に 対 し て 水 平 方 向 振 動 の 付 加 時 の 沸 騰 熱伝達特性を示す。Fig. 2中の矢印記号は、限界熱流 束であり、伝熱面が焼損する直前の熱流束である。Fig.

2に示すように、加熱面の振動の付加により、限界熱 流束、冷却限界が上昇することがわかる。この結果は、

過去に我々のグループで行った、サブクール流動沸騰 下の限界熱流束の実験事実、すなわち、加熱面の振動 の付加により冷却限界は上 昇する( 1 )、との 実験的傾 向が同一である。また、Lee ら( 2 )の 垂 直 加 熱 管 の 振 動付加の実験結果とも同一である。すなわち、飽和流 動沸騰条件でも、地震振動 下の熱的安全性が確認され たと言える。

100 101 102 103 104

105 106 107

Wall superheat Tsat K Heat flux qw W/m2

Dittus-Boelter(single phase flow) ONB Bergles-Rohsenow FDB-Rohsenow(Csf=0.013)

Ivey-Morris for pool boiling Kutateladz

Horizontal direction vibration to flow ΔTsub=5K u=0.25m/s

steady flow

Horizontal flow(2Hz  415Gal)

3.245E+06 1.869E+06

1.458E+05 2.407E+05

2.430E+01 1.341E+01

Fig.2 Boiling Curves

一方、Fig.3に、液サブクール 度5K、液流速0.83 m/s に お け る 加 熱 面 に 対 し て 水 平 方 向 振 動 の 付 加 時 の 沸 騰熱伝達特性を示す。加熱 面の振動の付加により、限 界熱流束、冷却限界が やや 下降することがわかる。こ の事実は、液流速が上昇す るとともに、限界熱流束で ある冷却限界が、加熱面の 振動の影響を受けていない ことを示唆する。

100 101 102 103 104

105 106 107

Wall superheat Tsat K Heat flux qw W/m2

Dittus-Boelter(single phase flow) ONB Bergles-Rohsenow FDB-Rohsenow(Csf=0.013)

1.492E+06 1.516E+06

1.904E+01 2.918E+05 1.492E+01 2.464E+05

Horizontal direction vibration to flow ΔTsub=4K u=0.83 m/s

steady flow

Horizontal flow(2Hz  415Gal)

Fig. 3 Boiling Curves

さらに、Fig.4に、液サブクール度 3.1および4.1K、

液流速0.83 m/sにおける加 熱面に対して水平方向振

動の付加時の沸騰熱伝達特 性を示す。 Fig.3 同様、

加熱面の振動の付加により 、限界熱流束、 すなわち 冷却限界が下降することが わかる。 特に、Fig.4 よ り、熱伝達特性の傾きは、 沸騰モードより強制対流 モードのそれに近いことがわかる。加えて、CHFと ONBが同 時に起こ っている ようであ り、限界熱流束 の値が特に低い。

この事実は、後述するよう に、液温をより飽和に 近づけることで、沸騰モー ドが変化したものと考え られる。

以降、加熱面上の沸騰気泡の挙動に注目する。

100 101 102 103 104

105 106 107

Wall superheat Tsat K Heat flux qw W/m2

Dittus-Boelter(single phase flow) ONB Bergles-Rohsenow FDB-Rohsenow(Csf=0.013)

Horizontal direction vibration to flow u=0.83 m/s

ΔTsub=3.13K steady flow (96.87℃)

ΔTsub=4.11K(96.89℃) Horizontal flow(2Hz  415Gal ) 4.762E+05

4.119E+05

Fig. 4 Boiling Curves

P P

Tank

T

Pump

T T

DC Power supply Oscillating table

Rotameter

Highspeed video camera

(3)

総合研究所・都市減災研究センター(UDM)研究報告書(平成24年度)

小課題番号4.2-3

Fig.5に液サブクール度5K、液流速u=0.25m/sに対

す る 水 平 振 動 条 件 下 に お け る 限 界 熱 流 束 直 前 の 加 熱 面上の合体気泡の観察結果を示す。Fig.3 に示すよう に、液サブクール度5K、 すなわち飽和に近い条件下 で は 流 路 中 心 に 蒸 気 流 れ が 見 ら れ 環 状 流 が 認 め ら れ る。つまり、液サブクール 度5Kではドライアウト型 の限界熱流束( 3 )であるこ とが確認できた。Fig.6 に 液サブクール度5K、液流 速u=0.25m/sに対する水平 定 常 条 件 下 に お け る 限 界 熱 流 束 直 前 の 加 熱 面 上 の 合 体気泡の観察結果を示す。Fig.6 に示すように、Fig.4 と 同 様 に ド ラ イ ア ウ ト 型 の 限 界 熱 流 束 で あ る こ と が 確認できた。また振動付加 の違いとして、振動条件下 に お い て は 振 動 に 合 わ せ る よ う に 気 泡 の 成 長 の リ ズ ムが確認できたが、定常条 件下においては一定のリズ ムで気泡が成長するような挙動が見えた。

Fig.7に液サブクール度5K、液流速u=0.83m/sに対

す る 水 平 振 動 条 件 下 に お け る 限 界 熱 流 束 直 前 の 加 熱

面上の合体気泡の観察結果を示す。Fig.8に液サ ブクール度5K、液流速u=0.83m/sに対する水平 定常条件下における限界熱 流束直前の加熱面上 の合体気泡の観察結果を示す。

Fig.7に示すように、Fig.5 と同様にドライア

ウト型の限界熱流束である ことが確認できた。

また液流速の違いとして、 低流速における気泡

(Figs.5, 6) は 成 長 が 著 し く 行 わ れ 、 大 き な 気 泡となることが確認できる 。一方、高流速にお け る 気 泡 (Figs.7, 8) は 低 流 速 に 比 べ 成 長 が 遅 く、結果、小さな気泡となる ことが確認できる。

Figs.9, 10に、より飽和に近 い液温、それぞれ

液サブクール度,4.1, 3.1K、 u=0.83m/sの水平振 動条件下並びに水平定常条 件下における限界熱 流束直前の加熱面上の合体 気泡の観察結果を示 す。液温度がより飽和に近 づくと、気泡が十分 に成長せず、また加熱面か らはがれにくくなる ことが分かった。すなわち 、環状流となってい ることが確認でき、この条 件では、限界熱流束 がドライアウト型になり、 限界熱流束に及ぼす 加熱面の振動の影響が小さ かったと考えられる。

以上、まとめると、サブク ール流動沸騰の限 界熱流束では合体気泡挙動 が関連するプール沸 騰同様なバーンアウト型に なるのに対して、飽 和流動沸騰の限界熱流束で は環状流下の液膜の 蒸発が関連するドライアウ ト型となるためと考 えられ、液流速が低い場合 にはプール沸騰に近 いバーンアウト型、液流速 が高い場合にはドラ イアウト型になったためと 考えられる。特に、

ドライアウト型の場合には 、流動様式が環状流 となるため、流路中心に存 在する蒸気塊が加熱 面振動の影響を受けづらく、限界熱流束に大きな変化 がなかったものと考えられる。

なお、加熱面振動が及ぼす ドライアウト型限界熱流 束への影響、すなわ ちメカ ニズムの解明は今後の検討 課題である。

4.結言

地震発生時の都市型コジェ ネレーション(熱併給 発電)システムの地震防災 の評価システムを熱水力 学観点から検討することを目的に、数 Hz オーダーの 振動が限界熱流束(Critical Heat Flux, CHF)に及 ぼす影響、特に飽和流動沸 騰条件の冷却限界に及ぼ す振動の影響を実験的に検討し、

(1) 振動台を利用し、地震 発生時に伴う加熱面の 揺れが沸騰熱伝達、特に飽 和流動沸騰下の限界熱流 束に及ぼす影響を検討し、 限界熱流束、すなわち、

冷却限界が冷却流速度の上 昇によって影響を受けに Fig.7 Bubble behavior Image

of Saturated flow for

Tsub =5K u=0.83m/s

Fig.8 Bubble behavior Image of Saturated flow for

Tsub =5K u=0.83m/s Fig.5 Bubble behavior Image

of Saturated flow for

Tsub =5K u=0.25m/s

Fig.6 Bubble behavior Image of Saturated flow for

Tsub =5K u=0.25m/s

Fig.9 Bubble behavior Image of Saturated flow for

Tsub =4.1K u=0.83m/s

Fig.10 Bubble behavior Image of Saturated flow for

Tsub =3.1K u=0.83m/s

(4)

総合研究所・都市減災研究センター(UDM)研究報告書(平成24年度)

小課題番号4.2-3

くくなることを確認した。

(2) 過去の研究により、液サブクール度 20K はバ ーンアウト型限界熱流束、 本年度の研究により、液 サブクール度 5K はドライ アウト型 限界熱流束であ ることを確認した。

(3) この冷却限界に及ぼす 液温の依存性の差異は、

サブクール流動沸騰の限界 熱流束では合体気泡挙動 が関連するプール沸騰同様 なバーンアウト型になる のに対して、飽和流動沸騰 の限界熱流束では環状流 下の液膜の蒸発が関連する ドライアウト型となるた めと考えられ、液流速が低 い場合にはプール沸騰に 近いバーンアウト型、液流 速が高い場合にはドライ アウト型になったためと考 えられる。特に、ドライ アウト型の場合には、流動 様式が環状流となるため、

流路中心に存在する蒸気塊 が加熱面振動の影響を受 けづらく、限界熱流束に大 きな変化がなかったもの と考えられる。

参 考 文 献

1) Ohtake, H., Uchida, N. and Koizumi, Y., Study on Subcooled Flow Boiling Heat Transfer under Vibration Conditions, ICONE17-75738, pp. 1-5, 2009.

2) Lee, Y. H., Kim, D. H. and Chang, S. H., An Experimental Investigation on the Critical Heat Flux Enhancement by Mechanical Vibration in Vertical Round Tube, Nucl. Eng. Des., Vol. 229, pp.

47-58, 2004.

3) 植 田 、 気 液二 相 流、 (1981)、養 賢 堂 .

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