―1―
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―17―
問題番号 ︵配点︶ 設問 解答番号 正解
Ⅰ ︵ 63点︶
問 1
1 ②
2 ④
3 ②
4 ④
5 ①
問 2 6 ②
問 3 7 ③
問 4 8 ④
問 5 9 ⑤
問 6 10 ⑥
問 7
11 ③
12 ②
13 ③
14 ②
Ⅱ ︵ 63点︶
問 1
15 ②
16 ①
17 ①
18 ⑤
19 ③
問 2 20 ①
21 ②
22 ④
問 3 23 ③
問 4 24 ②
問 5 25 ①
問 6 26 ①
問 7 27 ②
Ⅲ ︵ 24点︶
問 1 28 − 29 ⑤ − ⑦
問 2 30 ②
31 ④
問 3 32 ②
33 ⑤
︻注︼ −︵ハイフン︶でつながれた正解は︑順序を問わない︒
模範解答
Ⅰ
日高敏隆﹃セミたちと地球温暖化﹄︵新潮文庫︶から﹁里山物語﹂︵全文︶を出題しまし た︒
﹁里山は自然と人間のせめぎ合いの産物﹂﹁︵里山︶は人間と自然のせめぎあいの結果と して生まれた﹂と繰り返し説いている点に注目して丁寧に読むことが大切です︒
問1︻漢字問題︼︵解答番号は1から5︶
本文中で使われた漢字を最初に示し以下①から⑤の漢字を示しておきます︒
︵ ︶内は正答率︵%︶を示します︒
1 噴火 ①悲憤 ②噴飯 ③粉飾 ④紛糾 ⑤分秒 ︵ 19 %︶
2 暴風 ①忘恩 ②謀議 ③妨害 ④暴言 ⑤防潮 ︵ 97 %︶
3 享受 ①恭順 ②享有 ③矯正 ④挟撃 ⑤境涯 ︵ 16 %︶
4 破壊 ①開陳 ②快刀 ③悔恨 ④壊滅 ⑤改廃 ︵ 99 %︶
5 報道 ①官報 ②本邦 ③年俸 ④縫合 ⑤粗放 ︵ 46 %︶
問2︻文脈把握の問題︼︵解答番号は6︶
傍線部直後の﹁深い林から少し開けた明るい林︑そして草地︑畑︑人家という傾斜 が﹂がヒントになります︒傾斜の説明として適切なものを選ぶ必要があります︒三行後 に﹁そこでは人と自然が共に生きているのではない0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0︒人は自然の中に入っていって︑自 然に何らかの働きかけをする﹂とあることが重要です︒選択肢①を選んだ受験者が半数 近くいました︒里山は﹁人と自然のせめぎあいの産物﹂であって﹁人と自然が共に生き る場所ではない﹂と繰り返し述べています︒筆者の論旨をたどらず︑もっともらしい選 択肢に惑わされた結果でしょう︒正答率は 31%でした︒
問3︻文脈把握の問題︼︵解答番号は7︶
筆者は﹁人間の働きかけ﹂と﹁自然﹂の均衡が保たれた場所としての里山の快適さを 説いている点に着目する必要があります︒傍線部Bを含む段落の冒頭﹁人が入って働き かけることを止やめれば︑里山の自然はたちまちにして元へ戻っていく﹂ことを︑筆者は
﹁里山の荒廃﹂と表現していることに気がつけば︑正答にたどりつきます︒正答率は 57%
でした︒選択肢④を選んだ受験者が半数近くいましたが︑前半部分﹁立ち入り禁止の札 が立てられた結果﹂が限定的で不適切です︒問4を考えるための設問でもあります︒
問4︻前半部分の内容把握の問題︼︵解答番号は8︶
筆者が説く﹁里山﹂と﹁自然﹂の関係について理解できていれば正解できる問題で す︒問3と同様︑﹁せめぎあい﹂を﹁均衡﹂と言い換えている点がヒントになります︒
講評
問5︻指示語の問題︼︵解答番号は9︶
傍線部Cの直後﹁人間は徹底した自然と徹底した人工とを求める﹂がヒントになりま す︒設問部分の周辺だけを見て解答してはいけません︒
問6︻筆者の定義を理解し︑具体例と関連づけられるかを試した問題︼︵解答番号は 10︶
2ページ第三段落がヒントになります︒筆者の説く﹁自然﹂は︑人間の働きかけが全 くない状態を指しています︒従って︑ア﹁桜並木﹂・エ﹁自然歩道﹂も不適切となります︒
問7︻空欄補充 文章全体の内容把握を試した問題︼
2頁中頃﹁そんなふうに思ってみると﹂から後の論旨を︑正しく理解できているかど うかを問うています︒
Ⅱ
野矢茂樹﹃他者の声 実在の声﹄︵産業図書︶の﹁なぜ物は落ちるのか﹂から出題しま した︒﹁なぜ﹂を説明する科学的野心において︑ニュートン力学よりアリストテレスの理 論が上だと論じることを通じて︑﹁科学とは何か﹂という問いを改めてなげかけている文 章です︒物理の法則が出てくることにひるまず︑筆者の論理展開を丁寧に追えば︑理解は 難しくないでしょう︒
問1︻漢字問題︼︵解答番号は 15から 19︶
本文中で使われた漢字を最初に示し以下①から⑤の漢字を示しておきます︒︵ ︶内 は正答率︵%︶を示します︒
擁護15 ①動揺 ②擁立 ③中庸 ④舞踊 ⑤抑揚 ︵ 74 %︶
焦がす16 ①焦燥 ②焼香 ③償却 ④照射 ⑤硝煙 ︵ 41 %︶
戯画17 ①戯曲 ②模擬 ③礼儀 ④演技 ⑤犠牲 ︵ 28 %︶
落胆18 ①末端 ②探査 ③負担 ④感嘆 ⑤胆力 ︵ 21 %︶
無縁19 ①延命 ②炎天 ③縁起 ④遠隔 ⑤援軍 ︵ 90 %︶
問2︻空欄補充 副詞の用法を問う問題︼︵解答番号は 20 から 22 ︶
Ⅲ は︑﹁〜以外の何ものでもない﹂という強い判断に呼応する選択肢を探せば正解 です︒
問3︻内容理解を試す問題 アリストテレスの理論について︼︵解答番号は 23 ︶ この段落に書かれていることを読み取れば正答に導かれます︒
問4︻内容理解を試す問題 指示内容を把握した上で文脈を理解する︼︵解答番号は 24 ︶ ﹁それ﹂は︑直前の科学史の本の記述を指します︒五段落あとに﹁こういうわけで︑
私にはよく分からないのである﹂とあり︑正解はこの間にあることがわかります︒﹁循 環論法﹂の内容を理解することも必要です︒
問5︻指示語の内容を問う問題︼︵解答番号は 25︶
文脈を把握することが肝要です︒ここでは直前の﹁里心理論の難問をニュートンが解 決した﹂という一般的に信じられている考えを言い換えているのです︒②③の選択肢は 部分的︑④は逆の答え︑また⑤も科学者云々が問題なのではないので誤答です︒正答率 は 57%でした︒
問6︻内容理解を試す問題 最後の二段落について︼︵解答番号は 26 ︶
﹁ヘソ﹂は︑胎児が母体とつながっているところで︑身体の中心であり︑もととなる ところですから︑﹁出自﹂に関係します︒﹁その出自﹂が指すのは︑直前の﹁科学は哲学 や神話と渾然一体となって生まれてきた﹂ことです︒それを意味する選択肢を探せば正 解です︒正答率は 66%でした︒
問7︻空欄補充 文章全体のテーマに関わる問題︼︵解答番号は 27 ︶
最初の段落に﹁アリストテレスの落下理論﹂とあること︑空欄直後の﹁その問題﹂が 空欄を受けること︑﹁とすれば︑なぜ物は落ちるのだろうか﹂と問題を再提起している ことを押さえれば容易に正解にたどりつけます︒これはこの文章の表題でもあります︒
Ⅲ
知的財産学部公募制推薦入試では︑二〇〇九年度入試から﹁事実の記述﹂判定問題を出 題しています︒今年度からは一般入試でも︑出題することにしました︒﹁事実の記述﹂
は︑知的財産学部を志望する学生に必要な考え方です︒知的財産学部では︑物事を客観的 にとらえて記述するという能力が求められます︒﹁事実の記述﹂か否かという観点を身に つけることで︑法律の文章を読み解く能力を養うことができます︒前提となる知識を受験 者全員が理解したうえで問題が解けるように配慮し︑﹁事実の記述﹂に関する説明文およ び練習問題を問題用紙の前に記載しました︒説明文を読み込み︑練習問題を解くことで︑
十分に問題に対応できるようにしてあります︒
出典 日本経済新聞夕刊の記事︵二〇一〇年一月一三日︶
問1︻事実の記述判定問題︼︵解答番号は 28・ 29︶
正解は⑤と⑦︒正答率は三割弱︒他の選択肢において︑テストや調査によって﹁客観 的な真偽の判定﹂ができない主要な部分について記しておきます︒①﹁武士が命を落と さないよう﹂﹁強い規制﹂②﹁当時大阪で広まった隠語﹂③﹁活躍している﹂④﹁少な い﹂⑥﹁間違いなさそうだ﹂⑧﹁絶対避けるべきだ﹂
問2︻﹁事実の記述﹂かどうかを判断した理由を答えさせる問題︼︵解答番号は 30・ 31︶
正解は 30 が②︑ 31 が④︒正答率は三割程度でした︒副詞に含まれる主観性に注意する ことが必要です︒
問3︻﹁事実の記述﹂かどうかを判断した理由を答えさせる問題︼︵解答番号は 32・ 33 完答︶
正解は 32 が②︑ 33 が⑤︒正答率は 54 %でした︒