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PDF 平成 28 年度版『伝え合う言葉 中学国語』指導案(新学習指導要領参考資料) 1年『オツベルと象』

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平成 28 年度版『伝え合う言葉 中学国語』指導案(新学習指導要領参考資料)

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1年『オツベルと象』

――生徒の疑問を切り口に本文の叙述をもとに読み取り,考えたことを伝え合う――

○単元・教材の目標とポイント

【単元・教材の目標】

・登場人物の心情や行動,情景等の描写に使われている語句について理解している。

〔知識及び技能〕(1)ウ

・複数の場面を相互に結びつけたり,場面と描写とを結びつけたりして,内容を解釈している。

〔思考力,判断力,表現力等〕C読むこと(1)ウ

【単元・教材のポイント】

本教材『オツベルと象』は,中学生が初めて出会う本格的な文学的文章として位置づけられ ている。しかし,作者である宮沢賢治の詩や童話は,絵本や小学校の教科書教材などでふれて いる生徒が多いため,楽しみながら読むことができると考えられる。「……ある牛飼いが物語 る。」で始まる全編語り口調文体は,生徒にとってわかりやすく親しみやすい。さらに,擬声 語や擬態語,比喩表現などがたくさん使われていて,言葉自体を楽しむこともできる。

しかし,文学的文章として作品世界を深く味わうには,『オツベルと象』はかなり難しい教 材であるということもできる。牛飼いが物語る場面とできごとの時間の流れが別に構成されて いることや,物語全体の主題が何であるか捉えにくいことなどが,その理由としてあげられる。

作品の特徴でもある擬声語や擬態語にはなじみの薄い表現も多く,その状況や意味,効果や役 割を考えるには時間が必要である。さらに,言葉巧みに白象を使おうとするオツベルや,オツ ベルの言うがままに働く白象が象徴するもの,赤い着物の童子の役割,白象の寂しい笑い,語 り手としての牛飼いの思い,そして,最後の一行の意味など,物語を読み取っていくだけでは 理解できない複数の点が浮かんでくる。当然,本教材を読んだ生徒たちは,この難解さに直面 し,疑問をもつ。

そこで,この疑問をもとにし,生徒の主体的な読みを生かした多様な読み取りを共有しなが ら解釈していく単元を構想した。一人で読んでいるだけではわからなかったことがわかったり,

自分とは異なる読み方にふれたりする。そして,交流をとおして新たな視点や読み方に気づい たりしていくうちに,さらに深い教材文の理解や味わいへとつながっていく。これは,集団で 文学的な文章を読んでいく意義や楽しみの一つでもある。

そのためには,本文に使われている語句を正しく捉え,理解する必要がある。今はあまり使 われない古めかしい言葉や作者独特の言い回しもある。語句調べの時間を確保して,語句の辞 書的な意味を踏まえ,本文における意味や役割をそれぞれ捉えさせるようにする。また,他の 時間でも必要な語句を取り上げて丁寧に確認していくことで,出会った言葉について,調べ,

文脈上の意味を考える習慣をつけられるようにしたい。

今後3年間の文学的な文章の学習の始めとして,構成や表現,言葉に着目して丁寧に読むこ とを中心に学習を進め,それぞれの生徒の考えを交流する場を設定し,そこから多様な考えを 引き出せるように,単元の学習を進めていきたい。

〈言語活動のポイント〉

本単元では,自分の考えを伝え合う活動を行う。その際,生徒の多様な考えを大切にしてい くことはもちろんだが,その考えが文脈からは大きく外れてしまい,生徒の自由な発想になっ てしまっては,文学的な文章の学びとはいえない。教材の語句に着目して,本文の叙述をもと に,各場面と登場人物の心情や行動,情景等の描写から内容を捉え,考えさせたり,交流させ

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たりしていくことが大切である。そうすることによって,本文を繰り返し読む必要性が生まれ,

内容の解釈が深まっていく。さらに,主体的に文章を読む姿勢へとつながっていくと考えられ る。

○評価規準

知識・技能 思考力,判断力,表現力等 主体的に学習に取り組む態度

・登場人物の心情や行動,情 景 等 の 描 写 に 使 わ れ て い る 語 句 に つ い て 理 解 し て いる。

・複数の場面を相互に結びつけ たり,場面と描写とを結びつ けたりして,内容を解釈して いる。 C読むこと

・本 文 か ら読 み 取 った 自分 の 考 え を ま と め , 他 者 に 積 極 的に伝えようとしている。

○学習指導計画(全7時)

時数 学習活動 評価基準

1 ○本文を読んで初発の感想をまとめる。

○語句調べを行う。

◇語句の辞書的な意味を踏まえ,本文にお ける意味や役割をそれぞれ捉えている。

2 ○登場人物の人物像を捉える。 ◇ 人 物 像 が読 み 取 れ る 表 現 を 本 文か ら 探 し,人物像をまとめている。

3 ○物語の構成を捉える。 ◇ 時 間 の 流れ と で き ご と を 時 系 列で ま と め,物語の構成を理解している。

4 ○疑問点をまとめ,共有する。

○ 自 分 が 解決 し た い と 思 う 疑 問 点に つ い て,自分の考えやその根拠をまとめる。

◇ 教 科 書 の叙 述 か ら 根 拠 と な る 表現 を 探 し,他の場面や描写を根拠にして自分の 考えをまとめている。

5 ○ 疑 問 点 に対 す る 自 分 の 考 え や 根拠 に つ いて,班で交流する。

◇自分の考えを積極的に他者へ伝えたり,

他者 の考 え につ い て意 見を 述べ た りし ている。

6 ○白象の寂しい笑いについて,個人,班,

全体で考え共有する。

◇ 教 科 書 の叙 述 か ら 根 拠 と な る 表現 を 探 し,他の場面や描写を根拠にして自分の 考えをまとめている。

7 ○初発の感想を見直したり,これまでに学 んだことをまとめたりして,単元全体 の学習を振り返る。

◇単元全体の学習を振り返り,感想をまと めている。

○本時の展開(6/7時)

【ねらい】

・白象の寂しい笑いについて,本文の叙述を手がかりに他者との交流をとおして理解を深め,

自分の考えをまとめる。

【本時の展開例】

学習活動 指導の留意点 ◇評価基準

1 前時までの学習を振り返る。

2 本時のめあてを確認する。

○前時は自分で選んだ疑問点に つ い て 考 え た り 班 で 交 流 し たりしたことを確認する。

○第4時にあげた疑問点の中で 最 も 多 か っ た 点 で あ る こ と を確認し,意欲的に学習に取 り組めるようにする。

白象 が「 寂し く笑 っ」 た 理由について,考えよう。

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3 3 白 象 の 寂 し い 笑 い に つ い て

考える。

(1)個人で考える。

(2)班で交流し,ホワイ トボー ドにまとめ,発表する。

(3)全体で共有する。

4 本時の振り返りとして,白象 の 寂し い 笑 い につ い て 改 めて 自分の考えをまとめる。

○前時と同様にまずは個人で課 題に取り組み,これまでの学 習 や 本 文 の 叙 述 を 手 が か り に し て 自 分 の 考 え を ま と め るよう促す。

○班での交流の際には,それぞ れ の 考 え の 根 拠 と な る 本 文 の 叙 述 に 着 目 し て 話 し 合 う よう促す。

○班で考えをまとめ,ホワイト ボードに書くよう指示する。

○ホワイトボードを黒板に貼る ことで,各班でまとめた内容 を 比 べ て 共 通 点 や 相 違 点 を 見つけやすいようにする。

○相違点を中心に全体で議論を 進め,白象の寂しい笑いにつ い て 全 体 で 考 え を 深 め て い けるようにする。

○本時の学習をとおして考えた こ と を ま と め る よ う 指 示 す る。

◇ 積 極 的 に 発 言 し , 自 分の考えを伝えたり,

他 者 の 考 え に 対 し て 意 見 を 述 べ た り し て いる。

◇ 白 象 の 人 物 像 や 台 詞 な ど を 根 拠 と し な が ら,班や全体で共有し た内容を踏まえて,白 象 の 寂 し い 笑 い に つ い て 自 分 の 考 え を ま とめている。

○授業の成果と課題

第4時で生徒があげた疑問点は次のようなものだった。(抜粋)

本実践のポイントは,いかに本文の叙述に着目させるかという点である。そのために,第4 時には,下のワークシートを使用した。自分の考えを明確にするだけでなく,本文中のどの表 現に着目し,そこから推測されることを自分の考えを支える根拠として明らかにするように構

<第一日曜>

・オツベルがぶらぶら歩いているだけで働かないのはなぜか。

・白象が小屋にやってきたのはなぜか。

・オツベルががたがた震えだしたのはなぜか。

<第二日曜>

・白象はだんだん仕事が増えてわらが減ることに何とも思わなかったのか。

・サンタマリアは何者なのか。

<第五日曜>

・赤い竜の目とはどういうことか。なぜそうなったのか。

・なぜ白象は助けられた時に寂しく笑ったのだろうか。

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成されている。これによって,本文の語句を手がかりに,複数の場面を相互に結びつけたり,

場面と描写とを結びつけたりして,内容を解釈することができるよう目ざした。生徒の様子を 観察すると,自分の根拠となる本文の表現を探すために,何度も教科書を読み返している様子 が見られた。中には,読み返している途中で自分の考えの矛盾に気づき,考えを修正している 生徒も見受けられた。第5時の交流の際には,「~~という表現から……という解釈をするの は無理があるのではないか。」「○○の場面の~~という表現からも……という解釈をするこ とができる。」など,盛んに意見交流を行っている様子が見られた。教科書の叙述をもとに論 理的に思考して判断し,表現する姿が見られたと言える。

本時(第6時)では,白象の寂しい笑いに着目し,個人→班→全体で考えを深めていくこと とした。この疑問点は,初発の感想や第4時で多くあがっていたものである。本教材の主題に 迫る大きな問いであると捉え,全体で扱うこととした。個人から考えていく流れは第4・5時 で行っており,第5時の交流の際に,物語の理解が深まっていたり,この疑問点に関わること があがっていたりしたこともあって,円滑かつ深まりのある授業を展開することができた。

第7時に単元の振り返りとして書いた生徒の感想には,「何度も読んでいるうちに実はこう ではないかという考えが浮かんできておもしろかった。」「なんとなく自分の考えはまとまっ ても,本文から根拠を探してくるのが難しかった。」「同じ疑問点なのに全然違うことを考え ている友達がいて驚いたが,話し合っていくうちにどちらの解釈も納得することができてよか った。」「宮沢賢治さんの作品は訳がわからないと思っていたが,じっくり読んでみるとおも しろいということがわかった。他の作品も読んでみたい。」などがあがった。

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1 第5学年 社会科 学習指導案 1.小単元名『生活環境を守る人々』 (教科書:『小学社会5下』p.48~59/学習指導要領:内容(1)ウ) 2.小単元の目標 徳島市の新町川の水質汚濁について調べ,公害が住民の健康や生活を脅かしてきたことに気づき, 被害の様子や原因,公害防止への人々の努力や願いを捉えるとともに,環境が生活や産業と密接に関