第1章 インド太平洋地域の地政学――大国間競争の現状と展望
加藤 洋一
はじめに
インド太平洋地域をめぐる近年の地政学、地経学的な変化は、多様でめまぐるしい。そ の行く末を見極めるには、まだ時間が必要だが、個々の変化はこれまで見られなかった性 格を帯びたものも少なくなく、結果として既存の地域秩序を根本から覆す可能性もはらん でいるといえる。
姿を現しつつある新たなパワーゲームのプレーヤーには、大国だけでなく、中小国家も 含まれる。中間報告である本稿では、そのうちまず、地域の大国4か国、中国、米国、イ ンド、日本について、それぞれ地政学的、地経学的観点から以下のような変化を考察する。
(1) 中国:「一帯一路」構想の行き過ぎと修正 (2) 米国:対中姿勢の硬化
(3) インド:対中警戒感の深化
(4) 日本:「自由で開かれたインド太平洋」戦略(構想)がもたらす対中戦略の変化 さらに、そうした変化が地域秩序の維持、再構築に与える影響についても、若干の考察 を試みる。
1.インド太平洋地域の主な地政学的な動き
(1)中国:「一帯一路」の「行き過ぎ」と修正
(a)南アジアの現状
中国の「一帯一路」に基づくインフラ整備事業は、東南アジアから、南太平洋、中央ア ジア、中東、アフリカ、欧州まで広い範囲で計画されたり、実際に実施されたりしている。
南アジア、インド洋沿岸地域は、特に注目を集めている地域の一つだ。
何よりも広く知られたのは、スリランカのハンバントタ港のケースだ。
2010年に着工され、中国の融資を受けて完成した。しかし、金利が最高6%超と援助に しては高いうえ、返済開始も早く設定されていた。スリランカは返済不能に陥り、2017年 7月、中国側に港の管理会社の株式の 70%を99 年間にわたり譲渡することで合意した。
同年12月には港は実質的に中国側に渡った。地元では「中国の植民地になったようなもの だ」という声も聞かれるという1。
2018年6月にニューヨーク・タイムズが大々的に報じて、一躍有名になった2。
同紙は、この譲渡の結果、「中国はライバル、インドのわずか数百マイル沖合の領土を支 配し、商業、軍事両面で死活的に重要な水路に沿って戦略的な足場を築いた」。続けて、以 下のように報じている。
「このケースは、中国が融資と援助を野心的に使って、世界中で影響力を持とうとして いることの、最も鮮烈な事例だ」
「こうした債務にまつわる取引は、中国がグローバルな投資と融資プログラムで、世界 中の脆弱な国々を債務の罠(debt trap)に陥れているという、習近平国家主席肝いりの
『一帯一路』構想に対する最も厳しい非難をさらに悪化させている」
こうした「一帯一路」に対する疑念と警戒の視線は、他のアジア諸国にも共有されてい る。
マレーシアは、2018年7月に「一帯一路」の関連事業として進めていた、東海岸鉄道の 建設作業を中止した。同国のマハティール首相は、同年8月に訪中し、李克強首相との共 同記者会見で、次のように述べて、注目を集めた。
「自由貿易が進むべき道であるということには同意する。しかし、当然のことだが、自由 貿易は同時に公正な貿易でなければならない。常に念頭に置かなければならないのは、
開発の段階は国によって異なるということだ。単に開かれた、自由な貿易では、貧しい 国が、豊かな国に太刀打ちできない。その結果、新たな植民地主義が生まれるという状 況は望まない。公正な貿易でもあるべきだ。その点において李首相とともに自由貿易を 支持する。それこそが、世界全体にとって、進むべき道だと考えるからだ」3
この発言は、直接的には「自由貿易」の瑕疵を指摘したものだった。しかし、「新たな植 民地主義」という言葉は、マレーシアの「一帯一路」の関連事業の中止決定直後に発せら れたものとあって、同構想への批判でもあると受け止められた。
同年 10 月には、中国との友好関係で知られるパキスタンも、「債務の罠」を懸念して、
「一帯一路」関連計画を見直すという報道が出た4。
「中国・パキスタン経済回廊(CPEC)」事業だ。
発電所、港湾、高速道路、鉄道などの産業インフラの建設、改良に投資する計画で、投 資総額は約620億ドルに及ぶといわれている。中国はその大部分を拠出することを約束し
ている。CPEC は「一帯一路」の「帯(Belt)」である、「シルクロード経済ベルト」を構成
する6つの経済回廊の一つで、最も先行して開発が進んでいる。「中国は、CPECを『一帯 一路』の旗艦事業として重視している」5というだけに、その不調は、「一帯一路」そのもの の難航を示唆しているともいえる。
南アジアで、中国の「一帯一路」に最も強い懸念を抱いているのはインドだ。
2017年5月に、中国が北京で開いた「一帯一路」に関する最初の国際会議:「『一帯一路』
国際協力サミットフォーラム」をインド政府はボイコットした。「インドの反発は『一帯一 路』そのものというより、中国・パキスタン経済回廊(CPEC)に向けられている」6。「同 国(インド)では以前から、中国は安全保障上の動機ゆえにCPECを進めており、経済プ ロジェクトであるとの主張は口実に過ぎないとの見方が強い」、「インド洋での中国のプレ ゼンス増大と影響力拡大は、そこを『インドの海』とみなすインドにとっては無視しえな い」7という。
インド・ムンバイにあるシンクタンク、Gateway House は2018年2月に発表した、南ア ジアでの中国の投資状況をまとめた報告書の中で、以下のように問題点を指摘した8。
(1) 中国は今やモルディブ、ミャンマー、パキスタン、そしてスリランカで最大の海外 投資国となっている。
(2) そうした中国の浸透は、インドを東西から挟む形で位置するミャンマーとパキスタ ンで最も高い水準になっている。
(3) 中国の手法は明らかだ。まず兵器の供給国として入り込み、次にその国のエリート との関係を構築する。さらに、近代的なインフラを、延期された支払いで提供する。
いったん入り込んだら、その国の内政に影響を及ぼそうとする。時には中国の都合 の良いように政権交代すら画策する。
(4) 中国の投資はハード・インフラに集中しているが、中国は地経学的側面も考えてい る。中国は明らかに、地域のビジネスや金融システムを管理する新たなルールを作 ろうとしている。そうした動きはすでにインドの近隣で、中国支配を固めている。
そのうえで南アジア地域の主な国別のケーススタディの結果として、各国の状況を次の ように説明している。
「モルディブ:投資が民主主義を侵食」、「パキスタン:無茶な抵当権」、「スリランカ:
債務の罠」、「ミャンマー:中国優位に抵抗」9
こうした地域の中小国家の状況と、それがパワーゲームに与える影響については、最終
報告で詳細に検討することとする。
(b)「戦術的修正」
こうした批判、警戒感が地域に広まるにつれて、中国は、防戦に努めるとともに、戦術 的修正といえる動きもみせている。
習近平国家主席は2018 年11 月17 日、パプアニューギニアで開かれたアジア太平洋経 済協力会議(APEC)に出席し、講演の中で次のように語った10。
「『一帯一路(the Belt and Road Initiative)』の共同建設は開放された協力の場であり、そ の基本原則は、共に話し合い、共に建設し、共に分かち合うとなっている。地政学的 な政治的目的を持たず、誰かをターゲットにしたり、誰かを排除するものでもなく、
中国が世界とチャンスを共に分かち合い、発展の王道を目指すものだ」
援助の受け入れ国を「債務の罠」にはめて追い詰め、中国の言いなりにして、地政学的 利益を追求しようとしている――こうした見方を真っ向から否定した。その背景には、経 済のグローバル化によって各国の相互依存が高まり、「利益共同体、運命共同体」が形成さ れつつあるという中国の世界観、世界戦略がある。この基調講演の題(日本語版)が「自 己を封じれば世界を失う」となっているのはそのためだ。問題は、世界や地域の各国が、
中国との「利益共同体」、まして「運命共同体」に進んで加わりたいと思うかどうかだが、
その点に関する自省、自己分析は、中国からは聞かれない。
「一帯一路」への諸外国からの批判をかわすために、中国はその英語名称を変更すると いう奇抜な手も打った。
この構想の発表当初は、そのまま英語に翻訳した “One Belt One Road” だった。
それが2016年になって、“Belt and Road Initiative” に変更された。理由は、“One Belt One
Road” とすると、そうした“Belt”と“Road” は一本ずつしかないという「誤解」を生むから
だという。実際は、5 つのルートでアジア、欧州、アフリカを結ぶ計画だ。また、地域の パートナー諸国がお互いに競い合うことを避ける意味合いもあったという。さらに、
“Initiative”という単語を新たに加えたのは、「戦略の開放性を強調して、『中国中心の制度構
築』という批判を避けるためだ」と説明されている11。
英語名を改める理由のうち少なくとも一つは、実態を表していないという説明であった にもかかわらず、中国語の名称は依然として、「一帯一路」のままだ。中国政府・共産党の 関心が、諸外国の抱くイメージにしか向いていないことが示されている。
しかも、その後の展開が示すように、国際社会でこの「改名」の効果は、必ずしも中国 政府が狙ったようには上がっていない。
2018年11月のAPEC首脳会議。習近平国家主席の直後に登壇したペンス米副大統領は、
中国を名指しはしなかったものの、「一帯一路」に対する強烈な批判を展開した12。
「インド太平洋地域や世界を通じて、各国政府にインフラ(整備)のために融資を申し 出ている国があることを我々は皆、知っている」
「しかし、そうした融資の条件は、良くても透明性に欠ける状態だ。多くの場合は、支 援が提供されるプロジェクトは、持続可能性に欠けたり、質が劣悪だったりする」
「この地域や世界の諸国に申し上げたい。貴国の主権を危険にさらすような外国からの 債務は受け取らないでいただきたい」
「米国は、我々のパートナー国を債務の海でおぼれさせたりはしない。強要はしない。
あるいは貴国の独立を危険にさらしたりはしない」
「米国は貴国を束縛するような帯(belt)、あるいは一方通行の道(one way road)を勧め たりはしない」
ペンス副大統領は、あえて “One Belt One Road” という英語名称を使い、“Belt” は中国 から経済支援を受け入れる国を「拘束する帯」、“Road” は中国にだけ利益をもたらす「一 方通行の道」と解説してみせて、批判した。
中国のこのような「戦術的修正」は、「一帯一路」にとどまらない。
もう一つの顕著な例は、「中国製造2025」だ。
2015年に打ち出された中国の総合的な産業政策で、その意義を国務院の通知は次のよう に説明している13。
「製造業は国民経済の基盤であり、国家存立の根本であり、国家振興の神器であり、強 国になる基礎である。国際競争力のある製造業を作り出すことは、中国の総合的な国 力を高め、国の安全を保障し、世界における強国を打ち立てるために避けては通れな い道である」
「今後3度にわたる10カ年計画を経て、建国100年を迎える2049年までに、世界の製 造業の発展を率いる製造強国へと中国を発展させ、中華民族の偉大な復興という
『チャイナ・ドリーム(China Dream)』実現に向けた土台を固めなければならない」
しかし、これに対して米国は強く反発した。
トランプ米大統領は、中間選挙を終えた、2018 年 11 月 7 日の記者会見で、「中国製造 2025」について「侮辱的だ」と非難して次のように語った14。
「中国は『中国製造2025』を廃棄した。私が侮辱的だと言ったからだ。中国に言ったの は、『中国製造2025』は非常に侮辱的だ、なぜならその計画は、2025年には、中国が経済 的に世界を支配することを意味するからだ。そういうことにはならない」
ロイター通信が調べたところ、中国の国営・新華社通信は、2018年初めから5月末まで に、「中国製造2025」に140回以上も言及したのに、6月5日以降はピタリとやめていると いう。ロイター通信電は、「北京(中国政府)は、この野心的な計画の発表が、米国の反発 を招いていることにますます注意を払っている」と解説している15。
こうした修正は、ほかにもいくつか例があるが、共通しているのは、その性格がいずれ も「戦術的」にとどまっており、中国の「戦略」、「野心」そのものが変わっているわけで はない、ということだ。その点は米国をはじめとする地域諸国も見抜いており、それが中 国との緊張が根本的には緩和しない要因となっている。
(2)米国:対中姿勢の硬化
米国の対中姿勢は、ここ数年で大きく変化している。それは安全保障と経済の両面で起 きている。
まず安全保障面だ。
現在の米国の統合参謀本部議長のジョセフ・ダンフォード(Joseph Dunford)海兵隊大将 は、2015 年の議長指名承認のための上院軍事委員会での公聴会では、「ロシアが最大の脅 威」と語っていた。以下、中国、北朝鮮、イスラム国(ISIL)という順番だった16。それが、
2017年の再指名の承認公聴会では、当面の最大の脅威は北朝鮮としつつも、「2025年ごろ までには、おそらく中国が米国にとって最大の脅威となると考える」と語り、中長期的に は、中国が最大の脅威という新たな見方を明らかにした17。ロシアを単独で最大の脅威と していた認識は、2年間で大きく変わった。
こうした傾向は、2018年から2019 年にかけて公表された米国の二つの戦略文書からも 読み取れる。
2017年末に公表された国家安全保障戦略(National Security Strategy, NSS)は中国に関し て、ロシアとともに「修正主義国家」だと規定した18。さらに、その戦略的意図を「インド 太平洋地域で米国にとってかわり、国家主導の経済モデルの影響範囲を広げ、地域秩序を 自国に有利なように再構築しようとしている」などとして、軍事面だけでなく経済面でも
警戒感を露わにした。NSSの下部計画で、2018年1月に要約版が公表された国家防衛戦略
(National Defense Strategy, NDS)は、中国を「戦略的な競争相手」と規定し、「南シナ海の
人工島を軍事化する一方で、経済を略奪目的に使い近隣諸国を脅迫している」と批判的に 説明している19。地政学だけでなく、地経学的な方法、手段も用いるようになっていること を新たに指摘している。
経済面でも中国との関係は従来に比べて、より悪化しやすくなっているという見方が米 国内で指摘されている。
2018年5月にワシントンDCで開催された、米中関係正常化40周年をテーマとしたシ ンポジウムで、米中関係の「ショック・アブソーバー(緩衝器)が無くなってしまった」
という議論が聞かれた。これまでは、安全保障面での緊張が両国関係の危機を引き起こし ても、経済関係が相互補完的だったので、問題を棚上げしてしのぐことができた。しかし、
そうした両国間の構造は変わってしまったという指摘だ。中国経済が構造的に進化した結 果、両国経済はもはや、役割分担に基づく相互補完性を失いつつあり、産業分野によって は正面から衝突するところまで来ている。その結果、安全保障面での緊張や政府の立場の 違いは、従来より頻繁、かつ急速に顕在化するようになっているという分析だった20。
現在の米中関係の緊張は、単なる一過性の事象ではなく、歴史的、構造的な問題に起因 しているという見方で、米国でも広く共有されつつある。
こうした対中認識の大きな転換を受けて、米国政府の対中アプローチも変化を見せてい る。まず、1970年代の米中国交正常化以来、対中アプローチの基調だった「関与(engagement)」
は失敗に終わったという評価だ。2017年のNSSは次のように記している21。
「過去数十年にわたって、米国の(対中)政策は、中国の台頭と、戦後の国際秩序への 統合は中国を自由主義化するだろうという考えに基づいてきた」
「しかしそうした我々の希望に反して、中国は他国の主権を犠牲にして自国の力を拡大 した」
「(中国と他国との)このような競争を受けて、米国は過去20年間継続してきた政策を 再考する必要性に迫られている。すなわち、ライバル国に対する関与(engagement)、
さらに国際機関や地球規模の通商への参加容認は、ライバル国を穏当なメンバー、信 頼できるパートナーに変えるという前提に基づく諸政策だ。大部分について、その前 提は間違いであることが明らかになった」
その結果、米国は、「関与」から、「均衡(balance)」 さらには、「分断(decouple)」へと
対中アプローチを敵対的なものに変化させつつある。
「均衡(balance)」とは、中国のとる攻撃的、敵対的な政策や措置、それに伴う緊張の高
まりに対し、相応の政策や措置を米国もとって対抗するというものだ。トランプ政権が進 めている、経済制裁を主な手段とする、いわゆる貿易戦争がその典型的な例だ。
さらに、先鋭化したものが「分断(decouple)」だ。
米国政府の正式な政策として打ち出されたわけではないが、ホワイトハウスで通商製造 業政策担当の大統領補佐官を務める、ピーター・ナバロ(Peter Navarro)氏が、提唱してい るという22。
対米外国投資委員会(CFIUS)の権限を強化して、中国資本による米企業の買収を阻止 しようという動きや、次世代の高速移動通信方式「5G」通信網から、中国の華為技術を 締め出す決定も、ともに「分断」の例といえる。
基本的には、経済、通商面での方策だが、安全保障面にも及んでいる。
2018年6月に予定されていた米国主催の多国間軍事演習、環太平洋合同演習「リムパッ ク(RIMPAC: Rim of the Pacific Exercise)2018」への中国の招待を取り消したことは、その 例と言える。中国が南シナ海で、人工島の軍事化をやめないことへの報復措置だ。
こうした「分断論」に対して中国は強く反発している。
王毅外相は 2019年3月 8日、全人代の開催中に行った記者会見で「(米側では、中米)
両国の経済を分断すると明言している人がいるが、それは単に希望的な甘い考えに過ぎな い」と真っ向から否定した。さらに両国の利益は「不可分」であり、「中国から分断するこ とは、好機や未来、さらにある意味では、世界から分断することだ」と述べた。そのうえ で「両国は対決に陥ってはならないし、そうはならない」とも語った23。
その1週間後には、今度は李克強首相が、「米中の経済を分断することは、現実的ではな い」と重ねて、否定した24。度重なる中国側からの反論は、何とかそうした流れを食い止め たいという強い危機感の表れともいえる。
こうした「関与(engagement)」から、「均衡(balance)」。さらに「分断(decouple)」へ という対中姿勢の先鋭化は、トランプ政権になってから見られるようになった現象だ。た だ、すべての政策分野で「分断(decouple)」まで進められるわけではない。中国が指摘す るように、経済面の相互依存が高まっているなか、限界があることは確かだ。分野によっ ては、「均衡」まででとどめ、一部について、「分断」まで至っているというのが実情だ。
(3)インド:対中警戒感の深化
2019年1月24日にインドは、ベンガル湾に新たな海軍航空基地を開設した25。マラッカ
海峡の北西、アンダマン・ニコバル諸島北部にあるコハッサ基地だ。これにあわせる形で、
インド海軍は2017年に中型哨戒機Dornier 228を12機、調達する契約を結び、2019年に は3個飛行隊の新設を決めた。
コハッサ基地は、もともと2001年に開設された海軍航空基地を拡大・改修したもので、
現在の滑走路は 1000 メートル。運用できるのは、中型の双発プロペラ哨戒機とヘリコプ ターに限られるが、将来的には 3000 メートルまで延長する計画だという26。そうなれば、
ボーイング737旅客機をベースに米国で開発された最新鋭の長距離対潜哨戒機P8Iも運用 できるようになるという。
こうした一連の動きからは、インドがベンガル湾東部海域での対潜哨戒能力の向上を目 指していることが読み取れる。インド政府の公式発表は名指しを避けているものの、中国 海軍が水上艦艇だけでなく潜水艦のベンガル湾やインド洋への進出を強化していることへ の対抗策であることが明らかだ。インド海軍が2016年に、国産の弾道ミサイル原子力潜水 艦の1番艦「アリハント」を就役させたことも、対潜戦能力の向上を図ろうとする理由の 一つになっていると考えられる。
そうした対中警戒感の深まりは、日本に対する防衛協力強化の要望にも表れている。イ ンドの海軍関係者の間では、日本に対して、南シナ海からインド洋に進出する中国海軍の 潜水艦の捕捉に協力を求める声が出ている。インド側の危機感は、南シナ海で起きた、中 国による既成事実の積み重ねによる実質支配の確立が、マラッカ海峡を越えた東ベンガル 湾でも同じような形で行われるのではないか、ということだ。
インドの外交戦略は、冷戦期の前半が、「非同盟路線」、後半が「印ソ同盟路線」。さらに 冷戦後は、「全方位連携外交」だったと説明されている27。
現在は、「戦略的自主性を重視」し、「特定国との同盟関係ではなく主要国との全方位外 交を展開」している28。その根底にあるのは、“strategic autonomy(戦略的自治)” という考 えだ29。しかし、最近の戦略環境の新たな展開を受けて、こうした「戦略的自治」を乗り越 えて、新たな外交戦略を打ち出す必要を論じる動きも出ている30。中国が南シナ海やイン ド洋で、海軍のプレゼンスを拡大したり、人工島や港湾を造ったりすることで影響力を拡 大するなか、「インドは米国海軍との共同訓練、米艦船への補給などの対抗措置を取り始め ている」との指摘もある31。
それが冷戦後に一部、姿を現したとされる、「対米重視路線」の延長・強化となるのか、
日本への期待が膨らむことになるのか、さらには、日米に豪州を加えたいわゆる4か国
(“QUAD”)態勢に進むことになるのか。その先行きはまだ明確になっていない。
(4)日本:「自由で開かれたインド太平洋 (Free and Open Indo-Pacific, FOIP)」戦略
(構想)がもたらす対中戦略の変化
安倍晋三首相が2016年に打ち出した「自由で開かれたインド太平洋」戦略で、日本は、
大枠の外交戦略の対象を、「アジア太平洋」から、「インド太平洋」に拡大させた。
政府の説明によると、その根本は、成長著しいアジアと潜在力にあふれるアフリカとい う「二つの大陸」を、自由で開かれた「太平洋」と「インド洋」という「二つの大洋」で 連結して、「地域全体の安定と繁栄を促進する」という考えだ。
取り組みの「三本柱」としては、
①法の支配、航行の自由、自由貿易等の普及・定着
②経済的繁栄の追求
③平和と安定の確保 を挙げている32。
日本政府は、FOIP の狙いについて、「特定の国を対象にしたものではない」、「中国を包 囲しようと意図したものではない」と、さまざまな機会をとらえて説明している。中国の 反発を招かないように努め、地域諸国が中国への気兼ねなしに同調できるようにしようと いう、外交的な計算、配慮に基づくものだ。
2018年には、発表当初、「戦略(strategy)」としていた名称を、「構想(vision)」に変更 するという追加措置もとった。その理由について日本経済新聞は、次のように報じた。
「外務省幹部は、「ASEANには『一帯一路か、インド太平洋戦略か』という選択を嫌が る国がある。戦略というぎらついたイメージを与えるのは得策ではないと考えた」と明か す。「言葉の選択という名目上の争いより、賛同国を増やす実質的な成果を重視する」33。
FOIPは、中国、あるいは「一帯一路」を敵視したものではないにしろ、それを念頭にお いて作られたことは、まぎれもない事実だ。政府関係者の中には「中国の拡大する影響を、
オフセット(“off-set”,相殺)するためだ」と明言する人もいる34。
「一帯一路」との競争で、不利にならないよう、FOIPからは、「民主主義の普及」、「人 権の尊重」といったいわゆる「価値外交」の要素を「意図的に取り除いた」という説明も 聞かれる。これは、第一次安倍内閣で打ち出された地域戦略、「自由と繁栄の弧」35が、価 値外交をその根本に据えていたのとは百八十度の方向転換だ。
当初の FOIP の具体的な「しかけ」は、日本が得意とする質の高いインフラ整備を説明 することで、「債務の罠」など「一帯一路」が抱える問題点を浮き彫りにしようというもの だった。表向きの説明はともかく、実態は中国に対抗しようという意図が明確だった。
それが次第に、変化していく。2017年6 月の講演で安倍首相は、「一帯一路」構想につ
いて、プロジェクトの開放性、透明性、経済性、受け入れ国の財政の健全性の4条件をつ けつつも、「洋の東西、その間の多様な地域を結びつけるポテンシャルを持った構想だ」と 初めて積極的に評価する姿勢を示した36。翌日の定例記者会見で説明を求められた菅義偉 官房長官も、「この構想のもとでの取り組みが、国際スタンダードに合致した質の高いもの として推進されることが重要だ」と強調したうえで、「日中両国が国際的な課題や地域の繁 栄のため、ともに貢献することは重要であり、こうした観点から協力できるところは協力 していく考えだ」と語った37。
2018年10月に訪中した際に安倍首相は、さらに一歩進め、そうした「国際スタンダー ド」にのっとったものであることを前提に、中国と第三国での共同インフラ整備プロジェ クトに乗り出すことを表明した。
中国共産党の機関紙、人民日報は、習近平国家主席が安倍首相との日中首脳会談で、次 のように語ったと報じた38。
「『一帯一路』の共同建設は中日が相互利益の協力を深化する上で新たなプラット フォームと実験田を提供した。中国は日本が新時代の中国の発展プロセスにより積極 的に参加し、両国のよりハイレベルの互恵・ウィンウィンを実現することを歓迎する」
中国と合意した第三国での共同インフラ整備プロジェクトは「一帯一路」の一環であっ て、日本が参加するという説明だ。人民日報は続けて、安倍首相も、「『一帯一路』は潜在 力のある構想であり、日本は中国と広い範囲で協力を強化したいと考えており、これには 第三国市場の共同開拓が含まれる」と話し、同調したとされている。ちなみにこのような 発言はいずれも、日本外務省が公表した会談記録にはない39。
日本政府の考えは、共同プロジェクトに参画することで、中国側に4条件をはじめとす る「国際スタンダード」を課し、「債務の罠」などの問題点を解消しようということだ。中 国の懐に入り込んで、問題行動を変えようといういわば、「内側からの改革誘導」アプロー チだ。
一方、米国は、「一帯一路」を「脅威」とみて排除し、FOIP を通じて地域諸国に代替案 を提供しようという「外側からの圧力」アプローチをとっている。対中「関与(engagement)」
は失敗したとして放棄し、「均衡(balance)」 さらには、「分断(decouple)」へと対中アプ ローチを敵対的なものに変化させつつある米国ならではの取り組み姿勢だといえる。日本 とはかなり本質的な認識の違いをはらんでいる。
「関与」の要素を残した日本のアプローチは、当面の対日関係改善を目指す中国政府の
方針と、ある程度噛み合っている。ただ、上述したような中国の「戦術的修正」を、「韬光とうこう 养よう
晦かい
」への復帰のような戦略的修正までレベルアップすることはできていない。その見通 しも立っていない。
さらに、地域の諸国の間では、そうした日本の「関与」アプローチは、対中姿勢の軟化、
妥協だと批判的にみる向きも出ている。とりわけ、2016 年から日本が、FOIP を通じて進 めて来た、「一帯一路」の問題性のあぶり出しが、地域諸国の間である程度浸透し、プロジェ クトの参加見直しの動きも出てきているだけに、地域の政策専門家の間では「日本はなぜ 裏切るのか」という激しい批判の声すら聞かれる40。日本政府関係者は「誤解」と反論する が、この事例は、地域で一律の支持が取り付けられる対中政策を編み出すことの難しさを、
改めて浮き彫りにしているといえる。
こうした対中政策に起因する、地域各国相互の関係の乱れは、欧州でも見られる。2019 年3月の習近平国家主席の欧州歴訪に際し、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron) フランス大統領は、「欧州が中国に対してナイーブだった時代は終わった」と語り41、中国 が非対称な利益を得る経済進出を続けることに厳しい姿勢を示した。これに対して、同じ EUのメンバーで、G7の一員でもあるイタリアが、「一帯一路」に協力を約束する覚書に署 名したのだ。アドリア海に面したトリエステ港は、中国にとって地中海から欧州への入り 口となる。その開発など総額25億ユーロ(約3100億円)規模の経済支援が提供されるこ とになった、という42。
2.大国の行動の変化が地域秩序に与える影響
自国の経済力と、相手国の依存を利用した、中国の地経学的アプローチが、世界各地で それなりの成果を上げている。地政学に地経学を加えた政策手段と方法が、インド太平洋 地域の地域秩序づくりに大きな役割を果たすようになっている。大国間競争の基調を形作 るにとどまらず、中小国の地域とのかかわりにも大きな影響を及ぼしている。
「一帯一路」に代表されるそうした中国の地政学、地経学的アプローチによって生まれ ている、地域諸国間の新たな矛盾は、各国が目指す地域秩序の違いを浮き彫りにしている。
日本は、依然として米国が指導的立場をとる一極支配の秩序を支持し、維持しようとする 立場だ。そうした米国支配の秩序は、台頭する中国の挑戦を受けている。一方、中国はか ねて多極化した秩序の構築を目指しており、自国の国力や影響力の拡大もあって、その実 現可能性は次第に大きくなっている。米国が、「主要な防衛パートナー(“a Major Defense Partner of the United States”)」43と規定するインドも、同様に多極化秩序が自国の利益に望 ましいという立場だ。
「アメリカ第一主義」を掲げるトランプ政権も、地域のリーダーとしての地位を諦める そぶりは一切見せていない。2017 年の NSS は、インド太平洋地域で中国が展開する地政 学、地経学的挑戦について、次のように書いている。
「地域諸国は、主権と独立を尊重する共通の対応をとるために、米国の変らぬリーダー シップを求めている」44
一方、民主党のオバマ米政権で国務副長官を務めたウィリアム・バーンズ(William Burns) 氏は、最近出版した回顧録の中で次のように書いている。
「今は、中国の台頭が最も重大な地政学的趨勢であり、アジアは引き続き、各国の最優 先課題としてその存在をどんどん大きくしている。トランプ大統領の予測不可能性と 無関心は、中国に自分でも期待してもいなかったような早い段階で、アジア支配に向 けた道を開いた」
「中国の覇権に対するアジア諸国の不安は、米国にとって、日本のような伝統的な同盟 国、さらにはインドのような新興パートナー国との関係をともに構築していく自然な 機会を生んでいる」45
中国によるアジア支配確立の可能性が、予想以上に早く見え始めていると認める一方で、
インド太平洋でのリーダーとしての地位は譲らない――これが、共和、民主両党を問わな い、米国の外交エリートの典型的な意識だろう。この地域秩序をめぐるせめぎ合いは、こ れから一層激しくなることが避けられない。
むすび
インド太平洋地域は、中国の影響力の拡大と、米国のコミットメントが不確実になった ことで、揺れ動いている。具体的には、中国の「一帯一路」と日本や米国が進めるFOIPと の駆け引き、せめぎ合いが、地域の中小国をも巻き込んで、展開されている。それは、単 純な二極対立の構図では説明し切れない、複雑な様相を呈している。しかし、大局的にみ れば、各国に突きつけられているのは、冷戦後から続く米国の一国優位は持ちこたえるこ とができるのか、もしそれが崩壊した場合、“post-primacy alternative”46 はだれが作るのか、
どのような形になるのか、という歴史的、根本的な問いかけだ。インド太平洋で起きてい る地政学的、地経学的変化の分析は、その答えを見極めるための、有力な手立ての一つと
なりうる。
-注-
1 奈良部健「『インド太平洋』探る距離感 南シナ海軍事拠点化、米中応酬 アジア安全保障会議」『朝 日新聞』2018年6月7日
<https://digital.asahi.com/articles/DA3S13529426.html>2019年3月12日アクセス
2 Maria Abi-Habib, “How China Got Sri Lanka to Cough Up a Port,” The New York Times, June 25, 2018
<https://www.nytimes.com/2018/06/25/world/asia/china-sri-lanka-port.html>2019年3月12日アクセス
3 マハティール・マレーシア首相の李克強・中国首相との共同記者会見での発言。2018年8月20日、
北京。ニュース映像から、筆者が発言を書き起こした。
4 『ロイター』「焦点:『借金の罠』恐れるパキスタン、中国一帯一路計画を再考」2018年10月3日
<https://jp.reuters.com/article/pakistan-silkroad-railway-idJPKCN1MD0RI>2019年3月12日アクセス
5 栗田真広「中国・パキスタン経済回廊をめぐる国際政治と安全保障上の含意」『NIDSコメンタ リー』第61号(2017年6月14日)1頁。
6 同上、1頁。
7 同上、4頁。
8 Amit Bhandari, Chinese Investments in India’s Neighborhood (Mumbai, India, Gateway House, 2018), p.1.
9 同上、4-17頁。
10 「APEC首脳会議で習近平国家主席が基調講演『自己を封じれば世界を失う』」『人民網日本語版』
2018年11月17日<http://j.people.com.cn/n3/2018/1117/c94474-9519499.html> 2019年3月14日アクセス
11 Una Aleksandra Berzina-Cerenkova, “BRI Instead of OBOR – China Edits the English Name of its Most Ambitious International Project,” The Latvian Institute of International Affairs, July 28, 2016.
<http://www.lai.lv/viedokli/bri-instead-of-obor-china-edits-the-english-name-of-its-most-ambitious- international-project-532>2019年3月14日アクセス
12 White House, “Remarks by Vice President Pence at the 2018 APEC CEO Summit | Port Moresby, Papua New Guinea,” November 16, 2018.
<https://www.whitehouse.gov/briefings-statements/remarks-vice-president-pence-2018-apec-ceo-summit-port- moresby-papua-new-guinea/>
13 国立研究開発法人科学技術振興機構・研究開発戦略センター「『中国製造 2025」の公布に関する国務 院の通知の全訳」、2015年7月25日。<https://www.jst.go.jp/crds/pdf/2015/FU/CN20150725.pdf>
14 White House, “Remarks by President Trump in Press Conference After Midterm Elections,” November 7, 2018
< https://www.whitehouse.gov/briefings-statements/remarks-president-trump-press-conference-midterm- elections/>2019年3月15日アクセス
15 Michael Martina, Kevin Yao, Yawen Chen, “Exclusive: Facing U.S. blowback, Beijing softens 'Made in China 2025' message,” Reuters, June 25, 2018.
<https://www.reuters.com/article/us-usa-trade-china-madeinchina2025-exclu/exclusive-facing-u-s-blowback- beijing-softens-made-in-china-2025-message-idUSKBN1JL12U>
16 Hearing to Consider the Nomination of General Joseph F. Dunford, Jr., USMC, to be Chairman of the Joint Chiefs of Staff, United States Senate Committee on Armed Services, Thursday, July 9, 2015.
17 Hearing to Consider the Re-nomination of General Joseph F. Dunford, Jr., USMC, to be Chairman of the Joint Chiefs of Staff, United States Senate Committee on Armed Services, Thursday, September 26, 2017.
18 White House, National Security Strategy of the United States of America (Washington, D.C., December 2017.
p. 25.
19 Department of Defense, Summary of the 2018 National Defense Strategy of the United States of America (Washington, D.C., January 2018) p.1.
20 Public Conference; Forty Years of U.S.-China Relations, (Washington, D.C.: Center for Strategic and International Studies, May 11, 2018)
21 White House, National Security Strategy of the United States of America. p. 3.
22 David Tweed, Peter Martin,” China Says Relations with U.S. Won’t Descend Into Confrontation,” Bloomberg, March 8, 2019.
23 同上。
24 Jason Lee, “China's Premier Li says it is not realistic to decouple economies of China, U.S.,” Reuters, March 15, 2019.
https://www.reuters.com/article/us-china-parliament-usa/chinas-premier-li-says-it-is-not-realistic-to-decouple- economies-of-china-u-s-idUSKCN1QW0D
25 “With INS Kohassa, India set to get fourth air base in the Andamans,” Hindustan Times, January 24, 2019.
https://www.hindustantimes.com/india-news/with-ins-kohassa-india-set-to-get-fourth-air-base-in-the- andamans/story-XzsZdOBW0ruBgZ9a7eWlzM.html
26 同上。
27 堀本武功「現代インド外交路線の検討 連携外交による大国指向」『現代インドの国際関係:メ ジャー・パワーへの模索』日本貿易振興機構アジア経済研究所研究双書599(2012年)pp.39-41。
28 外務省南西アジア課『最近のインド情勢と日インド関係』(2018年11月)
29 Rajendra M. Abhyankar, Indian Diplomacy--Beyond Strategic Autonomy (India, Oxford University Press, 2018), p. viii.
30 同上。
31 T.V. Paul, The China-India Rivalry in The Globalization Era (Washington, D.C.: Georgetown University Press, 2018), pp. 3-4.
32 外務省「自由で開かれたインド太平洋に向けて」https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000407642.pdf
33 「インド太平洋、消えた『戦略』 政府が『構想』に修正」『日本経済新聞』電子版2018年11月13 日。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37648990S8A111C1PP8000/<3月27日にアクセス>
34 筆者のインタビュー。
35 第一次安倍内閣の外相だった麻生太郎氏が提唱したもので、2006年11月の講演「『自由と繁栄の 弧』をつくる」と題した講演で、次のように説明した。「ユーラシア大陸の外周に成長してまいりま した新興の民主主義国。これらを帯のようにつなぎまして、『自由と繁栄の弧』を作りたい、作らね ばならぬと思っております」https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/enzetsu/18/easo_1130.html
36 「首相、一帯一路に協力姿勢 公正さなど条件、日本企業の参画妨げず」『日本経済新聞』2017年6 月6日
https://www.nikkei.com/news/print-article/?R_FLG=0&bf=0&ng=DGXKASFS05H16_V00C17A6MM8000
37 「『一帯一路』、協力できるところは協力していく=菅官房長官」『朝日新聞』2017年6月6日。
http://www.asahi.com/international/reuters/CRWKBN18X06H.html
38 「習近平国家主席が日本の安倍晋三首相と会談」『人民網日本語版』2018年10月27日。
http://j.people.com.cn/n3/2018/1027/c94474-9512408.html
39 外務省「安倍総理の訪中(全体概要)」2018年10月26日。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/c_m1/cn/page4_004452.html
40 インドでの筆者による、政策研究者に対するインタビュー。
41 Michael Peel, Victor Mallet, Miles Johnson, “’Naivety on China is over, says Macron,” FT Weekend, March 23/24, 2019. P.2.
42 「『一帯一路』攻勢に揺れる欧州」『読売新聞』2019年3月27日。
43 National Security Strategy of the United States of America (Washington, D.C.: The White House, 2017), p.47.
44 Ibid., Page.46.
45 William J. Burns, The back Channel (New York: RANDOM HOUSE, 2019), pp.402-403.
46 Ibid., p.402.