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undo o fukumu denjiba no kyokai yoso kaiseki ni kansuru kenkyu

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(1)い稲田大学審査学位論文印∩:). 9Tごぢぴ. -・S.F-・㎜I=』.=− 疋'七ざ玩 、. を. む健懲場の腕界百敷言言゛こ賢才. ͡ ン. −. 戸..・ I ・ J・り’J. IS ..!・− ・ J−皿 ’. ̄. 、゛|. ‘'│. `‘│. −● − ノy. yン 乙. =. j・. 4. ・y●. ミ. ’・.・. j●. y. ・. 一. 仙, /. -.

(2) .引I,1. 運動を含む電磁場の境界要素解析に関する研究 (A Study on Boundary. Element Analysis of Eledromagnetic fields with Movements). 2000年3Jニ」. 長田尚一郎.

(3) 目次. 序論. 第LI節. 本研究の意義と目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. 第1.2節 第1.3節. 従来の研究の到達点と課題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 本論文の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. 第2章. I 1 4︵x︶. 第1章. 境界要素解析における移動問題. 11. 第2.1節. 緒言‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. 11. 第2.2節. 境界要素法による移動シミュレーション・・・・・・・・・・・・・・・. 13 3 1. 2.2.1. 概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. 2.2.2. 渦電流場の支配方程式・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. 目. 2.2.3. 鴬の考慮. 18. 2.2.4. 回路方程式の導入・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. 19. 2.2.5. 近接境界における移動誤差・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. 22. 2.2.6. 解析と検討. 25. 第2.3節. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. コンビネーション法による移動シミュレーション・・・・・・・・・・. 36. 2.3.1. 概要‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥. 36. 2.3.2. コンビネーション法の定式化. 37. 2.3.3. 磁気探傷問題への応用. 第2j節 第3章. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. 納言. 48. 運動を含む場の境界要素解析. 第3.1節 第3.2節. 42. 49. 緒言 巻線に誘導される速度起電力の考慮. 49 ・・・・・・・・・・・・・・・・・. 52. 3.2.1. 概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. 52. 3.2.2. 定式化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. 53. 3.2.3 第3.3節. 解析結果と検討. 57. 速度起電力を考慮したグリーン関数を用いた境界要素解析‥‥.. 1. 64.

(4) ●. 3.3.1. 概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. 3.3.2. 運動を含む場の支配方程式・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. (石. 3.3.3. 磁気ペクレ数の物理的意味・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. 66. 3.3.4. 境界積分方程式の導出. 72. 3.3.5. グリーン関数の導出・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。. 74. 3.3.6. グリーン関数の数値解析への適用・・・・・・・・・・・・・・・・・・. 78. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。. 3.3.7. 解析の妥当性の検討. 3.3.8. 高ペクレ数での解析と解析誤差低減方法の検討. 3.3.9. グリーン関数の性質. 87. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 領域積分による速度起電力の考慮・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 95. 98 ・105. 3.4.1. 概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 3.4.2. 領域積分による速度起電力の考慮・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 3.4.3. 上流化内挿関数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・108. 3.4.4. 解析結果と検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 第3.5節 第4章. 84. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. 3.3.10積分精度向上による高ペクレ数解析・・・・・・・・・・・・・・・・. 第3.4節. 6・1. 105. 106. 113. 結言. 122. 運動を含む場の応用電磁界解析. 第4.1節. 緒言. 第4.2節. 磁気ダンパーの電磁界解析. 4.2.1. 124. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.126. 概要‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥126. 4.2.2. 磁気ダンパー. 4.2.3. 運動方程式との速成. 4.2.4. 解析結果と検討. 第4.3節. 124. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. 132. ダイオードを含む電気回路の取り扱い. 4.3.3. 解析結果と検討. 139 139 1利. 概要‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥153. 4.4.2. 周期条件導入によるペクレ数問題の回避. 4.4.3. 4.4.4. 運動方程式. 解析結果と検討. 15. ‥・・・・・・・・・・・.. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. りり. リターダの境界要素解析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 4.4.1. 第4.5節. ・139. 概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. 4.3.2. 第4.4節. ]30. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. ブラシレス同期発電機の境界要素解析・・・・・・・・・・・・・・・・. 4.3.1. 127. 154 155 157. 結防. 162. II.

(5) ・' ̄. 第5章. 結論. 第5.1節. 163 本論文の総括・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.・163. 第5.2節. 今後の研究課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.166. 謝辞. 168. 111.

(6) 第1章. 序論. 第1.1節本研究の意義と目的 電気エネルギーから動力を生み出す、あるいは運動エネルギーから電気を生み出すな どのエネルギーの変換過程において磁場の役割は重要である。 近年、高性能永久磁石及び高性能磁性材料あるいは超電導材料などの新しい材料が開 発されており、これらの材料の特性を利用した工学的応用が盛んに行われている。この 背景には1973年のオイルショック以来の省エネルギーに対する社会的要求があり、電気 機器の高効率化を目的とした材料開発がなされたことに起因する。同時に電気磁気エネ ルギーの低環境汚染性にも目を向けられ、内燃機関に代わる動力源として電気機器の性 能向上が期待されている。 新しい材料の中でも特にFe-Nd-B系永久磁石は単体で回T)もの強力な磁束密度を発 生することができ、さらにメンテナンスフリーであるという点からもその工学的応用が 期待されている。従来の電気機器の励磁回路の代替としての応用は高効率化、高性能化 の観点から極めて重要である。電気自動車はその直流モータに組み込まれた高性能永久 磁石の存在なくして実現は困難である。さらに高性能永久磁石の応用は従来の機器の改 善に留まらず、ギアやスプリングなどの機械的要素によって実現されていたエネルギー 伝達機構の新しい要素としての応用もなされようとしている。非接触で動力の伝達が可 能となるため、長寿命、低汚損、高効率などの優れた特性を具備している。このことは 磁気デバイスが電気分野に留まらず、工学における極めて広い分野での応用が期待され ていることを意味する。 磁気材料の応用においては磁場あるいは誘導される電場の挙動に開する詳細な検討が 不可欠である。これまで工学は現象の特性を集中定数に置き換えることによって現象を 概略化することで発展して来た。例えば電気分野でも電気電子回路でその傾向は顕著で、 電磁場の特性をインダクタンスで置き換えることにより電磁場の挙動をブラックボック ス化して回路全体の特性の理解を優先させている。このことは電磁界が不可視であるこ と、及び数学的理論検証の困難性という歴史的な背景にも起因している。ところが磁場 の相互作用によって引き起こされる力は体積力となり、単純に質点系の運動方程式で集. ↓.

(7) 約的に記述できうるものではない。また、これに運動が加わると物体問に働く磁場の分 布が時々刻々変動するため、速度や加速度自体も一定とはならない。そのためどのよう な力がどの部分に働くかは電磁場がどのような挙動を示すかの検討なくしては議論でき るものではない。 磁界を媒体として動力を生じさせる場合、磁界と運動によって引き起こされる速度起 電力が問題になる。渦電流や速度起電力の様な導体中を流れる電流の分布や磁束の挙動 はこれまで実験的にも理論的にも把捉することが困難であった。特に速度起電力に関し ては運動が伴うため、実験においてはさらに困難が生じる。そのため速度起電力を含む 場の問題について、どのような現象が生じているかを充分には議論されていない。例え ば誘導電動機の様に歴史があり身近な機器についても現象が充分に検討されているとは 旨い難い。これらの機器の性能改善や高効率化などの社会的要求はエネルギー問題を背 景として年々高まっており、現象の把握なくして達成されることは困難であると考えら れる。 数値解析(計算機シミュレーション)という理論と実験の中間に位置する手段が近年急 速に普及しており、工学的手段として実験、理論に続く第3の柱を形成しつつある。計 算機の高速化、大容量化に伴い、数値解析は1980年代に急速に応川分野を広げ、計 算力学や計算電磁気学等の学問体系を為しつつある。実験や理論的解析では解明が困難 な現象が数値解析によって解明された事例は少なくない。電磁気の分野では2次元解析 においては渦電流の解析手法が確立レ渦電流の分布や、その影響ドでの磁束の挙動を 明かにできる。 しかしながら、運動を含む場の数値解析はこれまで困難であるとされてきた。まず、 物体の移動、すなわち解析対象の位置関係の変化を時々刻々の解析ごとに領域分割の再 配置によって表現しなければならないことが原囚として挙げられる。次に、運動する物 体に生じる速度起電力の定式化自体が困難である点が挙げられる。境界要素法において は速度起電力を含む場のグリーン関数の基本解が周知のものでなかった。速度起電力を 含む場は電磁界解析分野において独特な現象であり支配方程式がどのような形を取るか は知られていてもこの問題に適用でき得るグリーン関数の基本解は解析者自身が導出し なければならないという数学的な困難が障害になっていた。もう一つの困難は速度起電 力を含む場の支配方程式は移流拡散方程式で表され、磁気ペクレ数と呼ばれるパラメー タが増加するに従い、解析結果に含まれる誤差が増大することである。磁気ペクレ数は 透磁率、導電率、速度、対象の寸法の4つのパラメータの積で表される無名数である。 解析対象が鉄などの磁性体でかつ良導体である場合、比透磁率の影響で磁気ペクレ数は 非常に大きくなり、従来の手法を用いて解析を行えば深刻な計算機容量不足に陥る可能 性が大きい。. 2.

(8) Lk.Lf・..ふ仙.. -. 本論文ではこのような速度起電力を含む電磁場の問題を解決すべくとりあげることに した。解析手法として主に境界要素法を用いることにした。境界要素法では領域内部の 任意の点のポテンシャルを求めることができる。有限要素法で風上処理を行い振動解か 除去できたとしても、要素節点のポテンシャルの精度のみが保証されることと比較する と明らかな利点である。少なくとも有限要素法においては境界層近傍のポテンシャルや 磁束密度分布、あるいは速度起電力や満電流分布の詳細を議論することは困難である。 移動や運動という相対位置の変動を記述しやすい境界要素法を用いて速度起電力を動 作原理とする機器の磁場の挙動を詳細かつ精密に検討することができる。それにより、 電気機器の低損失化や目的に応じた性能の向上などに指針を与えることが可能となる。 速度起電力を応用した機器としては前述の磁気浮上鉄道や電磁ポンプ、電磁ブレーキ等 の動力機器をはじめ、磁気深傷用の磁気センサーなどが挙げられ、非常に広範な範囲に 亘る応用が可能となる。 数値解析の可能性を拡張するのみならず、電気機器の性能向上に寄与でき得る点て本 研究の果たす意義は極めて大きいものと考えられる。. 3.

(9) 第1.2節従来の研究の到達点と課題 1831年にFaradayが電磁誘導の法則を発見し、これを契機に電磁界研究が始まった。 hradayが発表した電気力線および磁力線の概念をMaxwellが数学的な記述を用いてマ クスウェルの電磁方程式として一般化したのは1873年のことである。. Maxw(、11の電磁. 方程式は古典的な電磁気現象を記述し、後のEinsteinの相対性理論の出現により若干の 補完が行われたものの、相対論の理論的な背景となり現在の物理学に多大な貢献をして いる。 マクスウェルの電磁方程式は、その美しく簡潔な記述に反して、実用的な応用は長い 間困難とされてきた。その理由はマクスウェルの電磁方程式が電界と磁界が絡みあった 複雑な偏微分方程式群であることに起因している。そのため変圧器や電動機などの磁気 応用機器の解析は集中定数による電気回路学を基本とした理論に基づいて行われ、機器 の内部で起こっている詳細な電磁現象を明らかにすることは困難であった。 また19世紀には境界値問題に関する数学的な取り扱いが確立していなかったことも 電磁現象研究に障害であった。マクスウェルの方程式群は磁界や電界の場の性質を一般 的に記述したものである。具体的な問題について微分方程式の解を得るためには初期条 件や境界条件が必要で、この条件によって場を表す関数はすべて異なったものになる。磁 界に関する問題においては、偏微分方程式に与えられる絶対的な境界条件は無限遠点の 磁束密度や磁気ベクトルポテンシャルが零であるということのみである。そのためクー ロンの法則やビオーサバールの法則のような無限遠点を境界条件としたマクスウェルの方 程式の一般解は広く知られていた。しかし、複雑な境界形状をもつ問題や複数の媒質を 含んだ問題についてはこれらの一般解は無力であった。 積分核を偏微分方程式に作用させることにより、領域積分を境界積分に変換する恒等 式、すなわちグリーンの定理は古くから知られていた。恒等式であるため、偏微分方程式 に作用させる積分枝に任意のどのような関数を選んでもグリーンの定理は成立する。領 域内の物理的諸量を境界に分布する量で表すことができれば、数学的解析が容易になる。 ところが、領域内の関数分布を求めるには随伴微分演算子に関する領域積分を解かね ばならず、この理論の障害になっていた。任意の関数を積分枝に用いた場合、本来未知 であるはずの領城中の関数分布を用いて領域積分を行わねばならないという矛盾を生じ るのである。随伴微分演算子に作用させ、領域全体に対する積分を行うと1になるよう な積分核を選べば上記の矛盾は解決する。この性質をもつ積分核となる関数をグリーン 関数と呼ぶ。関数を無限次元ベクトルであると考えた場合、求める関数に積分核を作用 させ領域積分を行うということはベクトルの各成分の積の和、すなわち内積に相当する。 グリーン関数はいねば随伴微分演算子の逆行列に相当する関数である。ところが行列と その逆行列の結果としての単位行列に相当する関数の定義が必要になる。この理論が2. 4.

(10) O世紀に至るまで進展しなかった理由は単位行列に相当する恒等作用素としての関数が 見いだせなかったことに尽きる。 20世紀初頭、Diracのデルタ関数というそれまでの関数概念を覆す関数が導入され た。量子力学の分野で提唱されたデルタ関数は与えられた離散的な値に対してのみ無限 大の値をもつという極めて特異な性質をもつ関数である。このデルタ関数が無限次元ベ クトルに対する恒等作用素であることが認められたことにより、グリーンの公式を用い て偏微分方程式を解く手法が見いだされた。 同じく20世紀初頭、変分学の分野でmt、zとGalerkinにより境界値問題の汎関数を 近似的に求める手法が発表された。これらによって線形偏微分方程式の境界値問題を説 くための数学的基礎が確立した。しかしながら、これらの手法を用いて現実の電磁気現 象を解明しようとすると膨大な計算量を必要とし、なおかつ境界条件や媒質の形状など の諸量が関数で与えられなければならないという制約が存在した。そのため、現実的な 電磁界解析の応用に供されることは稀であった。 1945年のENIAC誕生以来、計算処理速度及びストレージ容量の進歩は日進月歩であ る。この進歩と電子計算機の普及に伴い、数値解析技術は急速に発展し計算力学という 学問体系が形成された。すなわち、現象を支配する偏微分方程式を電子計算機を用いて 解析することにより、現実の現象を模倣(シミュレーション)する、理論と実験に次ぐ 新しい工学的手段である。この手法の利点は実験的手法では観測不可能な物質内部の諸 量、例えば物質内部の応力分布などを明らかにすることができ、更に現象の詳細な検討 が行えるという点にある。 はじめ計算力学は構造力学分野で研究が始められ、有限差分法(Finite Mdhod、. FDM)やヽ変分法を基にした有限要素法(Finite. Difr(・r(ヽntial. Eleln(・nt几似hod、FKM)が. 開発された。1970年代になると、これらの手法が電磁気現象解析にも有効であることが 明らかにされ、しだいに電磁界解析に用いられるようになった。 また、1970年代にブレビアらによって境界積分方程式法に基づいた境界要素法田o1H訃 ary Element Method、 BEM)が開発された[1]。境界要素法はグリーンの定理に基づいた 境界積分方程式を用い、境界の形状、境界上の未知関数分布を離散的に近似することに より境界値問題を解く手法である。本手法は積分枝となるグリーン関数として基本解を 用いている。基本解は解析対象の境界条件をなんら考慮していない関数である。グリー ン関数法によって数学的に解析する場合、既知の境界条件に関する考慮をグリーン関数 の基本解に重ねあわせた特解を積分枝に選ぶことが一般的である。特解を選ぶことによ り既知境界の境界積分を省くことができるが、この特解は境界条件によって異なる。境 界要素法ではグリーン関数の基本解を用い、すべての境界積分を数値演算で解くことを 前提としている。これにより任意の境界条件や境界形状についての解析が可能となった。. rリ.

(11) 電磁界解析においては有限要素法と境界要素法の2つの手法が主流になっている。こ れらの手法を用いることにより、従来解析し得なかった実際の電気機器に対する電磁界 解析が行えるようになった。換言すればマックスウェルの方程式の実際問題への適用で あり、発表以来百余年にして初めてマックスウェルの方程式を解く現実的な体系が確立 したといっても過言ではない。 有限要素法の利点はオイラーの方程式に対する汎関数が見つかれば比較的容易に解析 問題に対する定式化が行えることであろう。もし、汎関数が見つからない場合でも重み 付き残差法としてガラーキン法による定式化を行えば汎関数と等価な式が得られること が知られている。そのため電磁界解析技術の開発には有限要素法による適用が先行する 事がある。 一方、境界要素法には特筆すべき利点がある。物体の境界すなわち形状のみを与える ことにより物体内部の諸量が解析できるという点てある。これは物体が移動や運動を伴 う対象を解析する場合に大きな利点になる。また、近似を導入する部分が境界上のみで あるため、領域内部の点に与える近似誤差が小さい点が挙げられる。渦電流や速度起電 力など局所的ながら激しい振舞をする現象を解析で求める場合、有限要素法などの領域 法では分割によっては現象を捕捉できないことが起こり得る。そのため領域分割を行う 時点で現象を想定しておかなければならない。 有限要素法においては解析空間をすべて要素分割する必要があり、物体の移動を表現 するためには要素形状の変更、要素結合の変更などの作業が必要になる。また、その要 素分割の変更が領域内部のポテンシャル値に与える影響が大きいことも知られている。 境界要素法は、たとえばラプラス方程式やヘルムホルツ方程式などのようにグリーン 関数の基本解がすでに与えられている場合は容易に解析に適用できる。これらの支配方 程式は物理学で他分野と共通に用いられるため研究が進んでおり、グリーン関数の基本 解を特に意識することはない。 しかしながら電磁気学に特化した現象を解析する場合、一般の物理学では見いだせな い支配方程式が現れることがある。その場合、解析すべき問題の支配方程式を明確にし、 その随伴微分演算子を満足するグリーン関数の基本解を導出しなければならないという 数学的な困難が存在する。電磁界現象においては速度起電力を含む電磁場の支配方程式 は移流拡散方程式になり、従来この基本解が与えられていなかった。 移流拡散方程式は主に流体力学の分野で現れ、非圧縮性粘性流体の解析で研究が進ん でいる。本方程式においては移流項と拡散項の支配の度合を示すレイノルズ数が解析上 重要なパラメータとなり、レイノルズ数の増加に伴い、解析誤差が増大することが知ら れている。領滅法においては、レイノルズ数に由来するペクレ数が1を越えると解析の 結果得られたポテンシャル分布に不用の振動が現れることが知られており、その振動を. 6.

(12) r ̄フミ ̄¬. 除去して安定な解を得るため風上スキームと呼ばれる人工的な数値粘性を導入する刊去 が開発されている。織田村川は流体力学で用いられている風ト有限要素法を用いること によって速度起電力を含む場の解析を行い、ガラーキン法で定式した解と比較検討した。 しかるに風上有限要素法の場合、数値粘性と呼ばれる人工的な粘性を加えるため、急峻 にポテンシャルが変動する場に対しては誤差が大きくなり、要素ペクレ数がせいぜい1 00程度までであることが報告されている[3]。 一方、境界要素法においては、境界要素法が比較的大きなペクレ数に対しても安定で 精度の良い解を導くことが明らかになっている[3]川。本間ら[5]は混合境界要素法によっ て、3次元解析で磁気ペクレ数10000秤度まで解析可能であることを示している。 高ペクレ数での境界要素法の解析限界を拡張する手法を模索する必要がある。電磁気 分野で問題になるのは磁性体の比透磁率が高く、磁気ペクレ数が10≒106のオーダーに 容易に速するという点てある。例えば、比透磁率1000、導電率107(S/m)、長さ1(㈲の 磁性体が10(m/s)で移動すると仮定すると、磁気ペクレ数は1.26×1o6にも達する。こ の例は極端な現象を想定したものではない。日常においても容易に起こり得る状態であ り、特異な現象が起きているとは考えられない。それにもかかわらず、数値解析の分野 ではこれを解くことが非常に困難である。 通常の有限要素法を用いた場合では速度方向に100万個の要素分割が必要となり、風 上有限要素法を用いても1万個程度の要素分割が必要となる。境界要素法が現状のよう に磁気ペクレ数10000迄解析可能であるとしても、領域全体を100個の領域結合法を用 いた小区間に分割せねばならず、従来の手法を用いる限り、いずれの手法を用いても膨 大な計算機容量と計算時間を要することが考えられる。 また、物体の運動は並進運動と回転運動の合成によって記述される。回転運動による 速度起電力は誘導機などの電気機器においては非常に重要な要素である。回転運動の場 合、速度ベクトルは回転する物体の位置の関数になる。支配方程式は線形偏微分方程式 である。しかしながら速度関数が一階偏微分順に乗ぜられる移流拡散方程式になるため、 並進運動のように速度定数が乗ぜられる場合と異なり、グリーン関数の基本解を求める 操作が数学的に極めて困難である。. -.

(13) 第1.3節本論文の概要 本論文では電磁界の解析次元を2次元場あるいは軸対称3次元現に限定しており、3 次元問題への対応は今後の課題としている。これは特に運動に関する解析に問題が多く、 知見の蓄積や解析精度検証等の基礎的な研究が必要なためである。基礎的な知見を得る ためには問題を簡略化して検討する対象に焦点をしぼることが重要であるため、解析対 象を2次元場と軸対称3次元現に限定している。これらの次元で得られた知見が3次元 解析に直接応用できるとは限らないが、3次元問題を解析するヒでの重要な手がかりに なるものと考えられる。 本論文は、本章を含めて5章からなっており、以下にその概要を示す。 第1章は序論であり、本研究の意義と目的を明確にし、従来の研究の到達点や解決す べき課題を示す。 第2章では境界要素法を移動問題への適用を通じて境界要素法の有為性を示す。 第2.2節では境界要素法単独による移動解析を示す。電気機器においては回転機のよ うに微小ギャップを挟んで無接触に相対抗置が変化する機器が多く見受けられる。境界 要素法は境界上のポテンシャル値にのみ近似を導入するため境界値近傍においては解析 誤差が大きいため境界を極く近接させた場合、移動に伴い解析誤差が増大することがあ る。この問題に対しては境界要素分割幅とギャップ幅の関係における誤差分布を調べる ことにより、使用範囲を明確にする。 第2.3節では有限要素法と境界要素法を結合するコンビネーション法による移動解析 を示す。非線形問題などの問題を含む移動問題に対応させるには境界要素法のみでは困 難が大きい。コンビネーション法は両者の欠点を互いに補完しあうことにより解析が容 易になる利点がある。ここでは境界要素法を物体間のインターフェース層として機能さ せることにより移動問題への適用が容易に行なえることを述べる。 また、応用解析として両手法とも非破壊検査に使われる磁気センサーの移動シミュレー ションを取り上げ、磁気深傷過程の詳細な現象の把握が可能になることを示すことによ り、両手法の有肝既を示している。 第2章の内容は1990年に発表した文献[6]と1986年の文献[7]に基づいている。この 時代は渦電流プローブなどの非破壊検査に対する研究が始められた時期で、非破壊検査 をとりまく問題点や解析手法が明らかにされつつあった。大きな関心は渦電流問題に払 われたが、移動に伴う誤差の回避も問題の一つであった。移動問題に関しては有限要素 法では既に行なわれていたが、計算機の能力の制限が大きく、さらに要素自動分割の手 法も一般的ではなかったため、簡単なモデルや小規模の移動に限られていた。そのため 非破壊検査のように披検査体の広い範囲を移動して検査するような用途には向かなかっ た。そのため境界要素法やコンビネーション法によって自由な移動解析を行なえること. 8.

(14) を示すことは有意義であった。 第3章では速度起電力を含む電磁場の境界要素解析について述べる。ここでは解析1 法として3つの手法について各節ごとに詳述する まず第3.2節では電気機器の巻線に誘導される速度起電力の考慮について述べる。速 度起電力が巻線に誘導される場合、電気L回路に流れる一様な電流として誘導される。そ のためバルクの金属導体に誘導される場合に比べて解析手法が簡単になる。また、同様 の理由で磁気ペクレ数問題の影響を受けることはない。応用解析として3相同期発電機 を取り上げ、無負荷時のみならず負荷時の解析も可能であることを示す。本節の内容は 1991年に発表した文献圈に基いている。当時発電機の数値解析事例は稀有であり、さ らにほとんどが無負荷特性のみの解析に留まっていた。本手法により負荷時の解析を示 し、電機子反作用の影響をも明らかにしたことは有意義であっt。 次に第3.3節で速度起電力を考慮したグリーン関数による境界要素解析について述べ る。この問題においては境界要素解析に必要なグリーン関数の基本解がこれまで示され ていなかったため、これを導出する。また、速度起電力を含む場は移流拡散方程式によっ て表されるため磁気ペクレ数の増大に伴い、解か発散することが知られている。磁気ペ クレ数の解析限界を拡張するため、まず、磁気ペクレ数の物理的意味について数学的に 考察し、本論文で問発した境界要素法を用いて誤差低減法について考察する。本節の内 容は1990年の文献囲、1991年の文献けo]jH]を基にしている。それまでに文献[図な どのように速度起電力を含む場の解析は行なわれていたが、このころからこの場が移流 拡散問題を包含することが認識され始め、解析手法の見直しが始まった。. 2次元場の渦. 電流項を含む移流拡散方程式のグリーン関数はそれまで見出されておらず、これを明ら かにしたことは有意義であった。本手法によって解析限界磁気ペクレ数を106まで拡張 し、さらに改良の手がかりを示したことの意義は大きい。 第3.4節では領域積分による移流拡散問題の解析手法を示す。第3.3節で用いた不 法は極めて高い磁気ペクレ数に対応できる反面、グリーン関数の導出を始めとする数学 的困難が著しい。たとえば回転運動を含む場合、速度ベクトルは回転する物体の場所の 関数となるため、グリーン関数の基本解を求める演算が極めて困難になる。運動する導 体に分布する速度起電力を領域積分で求めることにより、支配方程式をポワソン方程式 に帰着させることにより解析を簡単化する。回転運動のグリーン関数の基本解が確立し ていない現状では本手法が境界要素法によって回転運動を解析する唯一の方法である。 この手法はこれまでにも応用されているものである。しかしながら、この手法では有限 要素法と同様に磁気ペクレ数の上昇に伴い解の振動現象が顕在することを明らかにして いる。本節では双対空間上を用いたHybrid形上流化有限要素法[則で使われる上流化 内挿関数を導入することにより、解の振動現象を抑制し、解析精度の向上を検討する。. 9.

(15) 第4章ではこれまで述べた手法に基づく応用解析を示すことによって、本研究の有用 性を示す。 まず第4.2節では高性能永久磁石材料を用いた新しい緩衝機構である磁気ダンパー の解析を示す。ここでは軸対称3次元有限要素法による定式を行ない、運動方程式との 達成を行なう。磁気ダンパーの減衰特性を改善するために減衰コイルを設置している。 実験と計算結果との比較検討を行ない良好な一致を示すことが明らかになり、磁気ダン パーの特性制御の指針を与えうるものである。 次に第4.3節ではブラシレス三相同期発電機を取り上げ、非線形電気回路の導入によ る発電のメカニズムを明らかにする。第3.2節で取り上げた巻線に誘導される速度起電 力を考慮した解析手法の応用にあたる。界磁巻線に接続したダイオードによって整流が 可能となるため、ブラシによる外部からの界磁電流供給を不要とした発電機である。負 荷時、無負荷時の特性と磁場の挙動を示し、解析手法の有用性を明らかにしている。 最後に第4.4節では車載用減速機構である磁気リターダの数値解析を示す。ここでは 回転運動を考慮した境界要素法と運動方程式の速成問題を示す。第3.3節で取り上げた 領域積分による速度起電力の考慮の応用であるが、本解析においては円筒形状であるた めに自動的に周期条件が満足されるため上流化内挿関数を用いることなく安定な解か得 られている。運動方程式との速成により、磁気リターダによる減速過程を明らかにする。 最後に5章で本研究を総括し、今後の研究課題を考察する。. 10.

(16) -. 第2章. 境界要素解析における移動問題. 第2.1節緒 一般に数値解析手法には領成型解析と境界型解析に分類される。前者は有限差分法や 有限要素法に代表される手法で解析対象の領域全体をメッシュに分割し、領域全体の物理 量に対して近似を施す。後者は境界要素法や境界積分方程式法、磁気分野では磁気モー メント法と呼ばれる手法が該当し、解析対象の境界条件に着目し、グリーンの定理など の積分方程式を用いて内部の状態を知ることができる。 境界要素法は通常2階の偏微分方程式である場の支配方程式をグリーンの定理によっ て記述される境界積分方程式に変換し、数値解析に適用する手法である。解析対象の境 界値を用いることにより物体内部の所望の磁気ベクトルポテンシャルや磁束密度などの 諸量を得ることができるのみならず、補間近似が境界のみであることから物体内部の諸 量の誤差が小さいという利点がある。 境界のみの近似で解析対象全体が解析可能という点は領成型解析手法に比べて解析に 必要な入力データが少なくなるという利点とともに、物体の移動や変形など相対位置や 境界形状の変化が生じる場合の解析に極めて有効である。移動問題については境界要素 法では相対運動をする複数の物体の境界のみの移動を行うに留まるため、任意の移動量 を移動する物体の境界座標値に付加するだけの操作で移動が表現できる。有限要素法に おいては相対位置変化を適用するには要素分割の再配置作業が必要になる。加えて要素 の分割条件によっては解析誤差が増大することも知られており、解析上の制約が極めて 大きい。また、有限要素法ではある程度予想できる動作をする移動に関してはそれを考 慮した要素分割をあらかじめ用意しておく必要がある。これは固定軸を中心に回転する 場合や決められたガイドに沿って並進する場合などについては比較的容易である。しか しながら、例えば運動方程式との速成問題を行う場合など、次の瞬間の変位が予想のつ かない問題についてはあらかじめ用意した要素分割では解析不能になることがある。 反面、境界要素法にも制約がある。境界上のポテンシャル値や流束値を内挿関数で補 間しているため、境界近傍では解析精度が低下することである。境界と境界が近接して いる場合、この近似誤差がたがいに悪影響を及ぼし、誤差を増大させることがある。回. 11.

(17) -. 転機では回転子と固定子がわずか1lnnl. 以ドのエアギャップを挟んで相対運動をしてい. る。このような問題の解析には比較的大きな誤差が生じると考えられる。また近年、渦 電流プローブなどによる非破壊検査が注目されている。非破壊検査に用いられる磁気セ ンサーは材質表面を走査しながら材質に含まれるクラックなどの欠陥をピックアップコ イルで検出する。このような機器の解析においては近接境界の問題が如実に現れ、材質 中の欠陥の微小な信号が近接境界での誤差に隠れてしまうことがある。 また、境界要素法では材質の不均質や非線形特性の考慮などの解析は困難が多い。一 般に境界要素法では均一な材質を取り扱うことが前提とされている。不均質な媒質や多 数の媒質が混在する場合、あるいは非線形特性をもつ材質を取り扱う場合には有限要素 法を適用する方がはるかに容易になることがある。有限要素法と境界要素法は互いに相 補的な特徴を持ち、両者の利点を適切な領域に適用することにより全体の解析を容易に することができる。有限要素法と境界要素法の結合解法をコンビネーション法と呼ぶ。 本章では境界要素法による移動シミュレーションについて議論する。 第2.2節では渦電流と端子電圧を考慮した境界要素法の定式化を示す。ここでは近 接する境界相互の関係が物体の移動に伴い、無視できない誤差を生むことを示し、境界 分割幅と物体のギャップ幅との関係を考察する。これを非破壊検査に使われる磁気セン サーの欠陥探傷過程の解析に応用する。本手法を用いることにより、磁気センサーを自 由な位置に置くことができるため、欠陥位置と出力電圧の相関を調べることが容易に行 える。 第2.3節では有限要宗法と境界要素法の結合解法であるコンビネーション法による 渦電流解析を示す。境界要素法を解析対象間の空間に配置し、領域を結合するインター フェース層とすることにより、移動問題を容易にしている。この手法を用いた移動と開 領域空間の考慮に適用した解析例を示す。 最後に第2.4節で本章で得られた結果について得られた知見をまとめる。. 12.

(18) -. 第2.2節境界要素法による移動シミュレーション 2.2.1. 概要. 本節では2次元渦電流問題における移動問題について考察する。 境界法の一種である境界要素法は解析対象の境界のみの離散化で領域全体の解析が可 能であるため、解析に必要な人カデータの数が少ないと 言う利点がある。これは物体が 移動する問題に対して極めて大きな利点である。 物体の移動は物体の境界の座標を変化させることにより容易に表現できる。移動によ る物体間の相互作用を解析する場合、物体の位置関係が変化する。通常、物体間にはエ アギャップなどが存在するので、物質の境界すなわち外形を取り囲む空気領域の変形と みなすことができる。この領域の変形についても境界形状の変化として、境界節点座標 の変更のみで表現できる。この利点は加速度が時刻によって変化する場合や、任意の変 位での電磁場を深る必要がある場合などに極めて有効である。 移動シミュレーションにおいて、たとえば非破壊検査の検査過程で披検査体との位置 関係を任意に選べることは重要である。また、その性能の改善のためにセンサーの形状 を考慮する必要がある。有限要素法などの領域法でもエアギャップ間のメッシュを細分 化すれば、任意の位置にセンサーを移動することは可能である。しかしながらそのため にセンサーの形状を矩形の組合せのような単純な形状にとどめておかなければならない 制約が課せられることが少なくない。また要素分割の再作成の手間が増加するのみなら ず、計算機容量の大幅な増加にもつながる。 本節では境界要素法を非破壊検査に使われる磁気センサーに適用して境界要素法が移 動問題に適した解析手法であることを示す。 非破壊検査として渦電流深傷法に適用するために、本解析では渦電流問題の取り扱い およびピックアップコイルに誘導される電圧の考慮ついて述べる。 さらに、実際の解析に際して境界要素が微小なエアギャップをはさんで移動する場合 に生じる解析誤差が極めて大きくなることが明らかになった。この問題が解析に及ぼす 影響を明らかにし、エアギャップと近接する境界要素分割幅の関係、および誤差低減の 方法について明らかにする。. !3.

(19) -.

(20) −j・、・」. -. が得られる。電磁界において保存場である場合、φは電気スカラーポテンシャルである。 げ8)式を(2.7)式とともに(n)式に代入すると 1 −▽×▽×Å=J 戸. ▽(▽心1)一▽2y1=μJ. (212). が得られる。クーロンのゲージ条件 ▽・Å=0. (2.川. を導入することにより、次のポワソン方程式が得られる。 ▽2Å=−μJ. (2.14). (2.14)式右辺のJを強制電流密度J。と渦電流密度みに分離すると、 ▽2Å=づべJo+み). (2.即. で表される。みは外部磁界によって誘導されるのでぺ2.7)と(2.11)を用いて j. ぐ. ∂Å. Je=(JEe=−a‘. 一 決. 十▽φ. (2.16). 瓦は渦電流による電界強度である。 さらに(2.15)に代人して、本研究で適用される渦電流場の支配方程式 う. ▽2ÅニーμJo十声ア(子. 十∇φ. (2.17). が得られる。 対象を二次元解析に限定し、Å=(OAj)、Jo=(OっOス))のようにÅ、Joがこ成分し か持たないとすると(2、17)式は直行座標系において次のように書き換えられる。 ∂糾1. ∂2j ∂戸. +. ∂炉. ∂y1 -. μ.ぽ. 一 決. ∂,φ. −μ.(了. -. ∂. −μゐ. (2.18). こ. 言は渦電流による電界強度の補正項で、渦電流の通路を決定する。この項は導体領域内 の電荷の総量は常に一定で、渦電流の発生によって電荷の発生や消滅が起こらないこと を規定しているけ利川。境界条件や複数導体の電気的接続の有無によってこの項の取り 扱いが変わることが知られている。z方向の偏微分であるが、この項については領域内 で一定の値をもつものとして取り扱われる。. 15.

(21) ・.:・・.・.:..、:U・、・.ilj!Illl. -.

(22) Jj゛j. -. 次の支配方程式が得られる。 う. ぐ ∂2. ∂2 +. ∂ぶ2. け十Cトル匹○十C)=一μゐ. ∂が. (2J) 問 の こ. この支配方程式はヅ1十Cに関する変形ヘルムホルツ方程式である。. 題に対するグ. リーン関数の基本解ルは次のように与えられている。 一. ﹃∼ QZ. 塙(ぐ五高谷). 2汀. 一. aZ ぐ. 1 j’. ここで塙はO次第二種変形ベッセル関数である。また、基本解の法線方向偏導関数∂j/如 は次のように導かれる。 ∂士 ∂μ. リ*二. ん/. [{ker1(則十kci1(kr)トバker1(krトkei1(kr)}]. 一. 一. 2岬汀7・. (2.28). ここでker。、k(恥はm次ケルビン関数である。(2.27)式、(2.28)式を用いて(2.26) 式を拡張グリーンの定理に当てはめると次の積分方程式が得られる。 −.7ωμ・7(j4十C). 一. F 耀. .j 。9. j4’. − jωμ,L4’. Q. ∂が. Jほ. ∂バ. ∂2 +. ー. ∂2. ゐメ1‘dΩ. う. fぐ. 万 十. O十〇. 0] d. )(j+白+μ. (j十C)9*dΓ十μ. r. 一一. `〃 こ. ∂が. ダ. y. ね y. ∂バ. ∂2 +. l/−/. ぐ ←. j. ‘ /. ∂2. (2.29). 7゛ こ. 9. 一 一. ∂j ∂n. (2洲). である。変形ヘルムホルツ方程式は自己随伴微分演算子になるのでぽ27)のグリーン関 数の基本解は ∂り1’ 一 ∂jj2. ∂九ヤ +. ー ∂が. jJjがL4゛. (231). =一昨一石)侑に拓). ら4りΓ−. い十C)9りΓ十μ. ↓7. N. 一. G(浅十C)=. s y. 一 y. /. を満足するように選ばれている。これによって(2,29)式は次のように書き換えられる。 ゐ/1切り. (2.32). ).

(23) │.、Q....!_. -. Gは領城中の座標(貼ふ)の点jが該当する領域に含まれる割合である。通常、領域内部 の点においてはG=1であるが、境界要素法においては解析対象の未知境界条件を求め るため、係数として示している。滑らかな境界上の点ではG=1/2である。数学的に記 述すると以下のようになる。 万 j 9り 9り. aZ ぐ. 一一 G. 2.2.3. ざ(貼−J)毎にが白. 鴬の考慮. 渦電流の通路を規定する補正項鴛は次式のように表される。. 一 次. う. ぐ. 宍. ∂φ. ∂Å +. dQ. − 街. =0. (2.34). で. この式は電荷保存則を示しており、次のように書き換えられる。 j 5 3. リ‘ ぐ. JedQこ=0. ダ. yl. 強制電流ゐが流れないと考えると、 Jednこ. − 一一. ≒/加. ▽×仔む/Q. ▽×▽×Ad9. μ. 嘉 y. で. I一μ 1﹂芦 一一 一一. y. 一. 1一戸 =. (▽×Å)×心Γ 沃4 dl ∂n. &IF=0. (2.36). となりヽ境界上の流束値∂ヤ如の境界積分の和がOになるように条件を加えればよいこ とがわかる。. 18.

(24) ■㎜㎜■㎜■ -. 2.2.4. 回路方程式の導入. 図2.1に考慮する電気回路の等価回路を示す。この回路の回路方程式は。 ムヅ+召7=石. □:灯). で示される。奈辺第一項は磁場による誘導が生じる項であるが、集中定数Λで磁場の挙 動が隠蔽されており、回路方程式からは伺い知ることはできない。この回路を電磁場解. 万 汐証. 析の立場から見た場合、図2.2のように示される。鎖交磁束の寄与を考慮した(2.37)に 等価な式として 似dl十月7=£. (2.38). を導入する。ルは巻線部の磁気ベクトルポテンシャル、Cは巻線に沿う周回積分路、Z は巻線の長さである。このように鎖交磁束が外部電気回路に影響を及ぼすことがわかる。 電磁気応用において磁場の挙動を巻線部でピックアップする機器は多く、本解析で取り 上げる磁気センサーはその代表的な例である。従来の境界要素法では場の発生源として 電流密度jが与えられるため、磁場が巻線に及ぼす影響を考慮することができなかった。 そこで考案された手法が外部電源を考慮した有限要素法であるけ8]。この手法は境界 要素法にも導入されたけ91.これらの手法により、回路に流れる電流に対する磁場の寄 与を考慮できるのみならず、二次巻線に誘導される電圧を直接解析できるため電気機器 の解析には極めて有用である。 以下に本手法の定式化を述べる。境界要素法において電流が流れる場は次に示すポワ ソン方程式で示される。 ∂2j. ∂り1 +. ∂戸 マ に. −μゐ. 一 一. ∂ソ. (2.39). れに ポワソン問題のグリーン関数ぶ,9* 2汀. 一. 一. q. I一一. g kj. 1 ゾ1*. (2.州 「. (2.41). 二こ. 2汀r. j*唇/F十μ. Å]. ぐゾhyF=. 一. Gふ十. 一 メ. /. を用いて境界積分方程式に変換すると、 y1リ(μΩ. 19. (2.42).

(25) 」|. -. I. R. /. / −. −. 1. φ. 1. 1. 1. 1. E ¶. ¶. Anahtic |. 』. 』 --. X、 |. E. =. L. d dt. I. 十. R. X X. I. 図2.1:外部電気回路. Power. source. 図2.2:外部電気回路と鎖交する磁束の関係. 2(). Region.

(26) -. が得られる。左いこそれぞれ内挿関数を用いて離散化を行い、マトリクス表示すると [栢{雨={G㈲}十固]{ゐ}. (2.川. が得られる。電気回路においては一般に外部電源として電圧源を接続するため電流密度 ゐは未知になる。電流密度を外部電気回路と結合するため、次の式を導入して電流の式 に置き換える。 jo=牛刀 凪、. (2↓4). ここで匹は巻線の巻数、≒は巻線の断面積である。これを用いてげ43)式を次のよう に書き換える。. 囲いト[剔出=回]伺}. (2.45). ここまで述べた式は境界上のゾ同を求めるためのものである。一般に境界上のこれらの 値は未知である。ところが(2.38)で示した甫は巻線の導体内部の磁気ベクトルポテン シャルであり、これもまた未知である。そのため、巻線部の磁気ベクトルポテンシャル を求める式が必要となる。これは同様に(2.42)から導出でき、次式のようになる。 り乙 ぐ. G玉づ煩]い}づ枕]{ハェ[G]佃}. 拓). メ 汐証. 次に電気回路に関する式を導入する。(2.37)式を磁場の寄与を考慮した式、 ノレ//十月7=£. (2.47). 宍. に置き換える。複素置換を施すことにより、 リハ`. ぐ. jωylj/十月7=£. 押. を得ることができる。これによって外部電気回路と磁場の結合することができる。 現実の問題に適用する場合、巻線領域には断面積が存在する。式(2.48)においては巻 線部のポテンシャルを本によって代表しており、巻線の断面積が零である線電流を取 り扱う場合はこの式を直接離散化しても構わない。しかるに、実際問題では本は巻線領 域でのポテンシャル分布を考慮する必要がある。 巻線断面積をm個の三角形小区間に分割し、ん番目の小区間の領域を叫とする。巻 線全体の断面積を匙、小区間の面積を瑕とおくと、小区間内の巻数叫は次式で与え られる。 玩. (2.49). 「y桟=na」、 − 凡。. 21.

(27) -. 万 万. したがって式(2.48いよ次のように表示できる。. 叫. μ1 Σ. jωyljΩμZ十RI=£. 肺鯛. ん=1. ここで、領域積分のための形状関数聚を導入する。cは形状関数を構成する形状の節点 数である。境界要素法においては領域積分のための形状は一一般に三角形一次要素が多く. /J. Σ. μか. Σバ. Tnl. ま で. 用いられ、e=3である。 ヘレvjdnkdl十RI=E. (2.51). だ=1. 定電圧石で駆動している電気回路に流れる電流7を導出するためには上式を離散化す ることにより、 [川{玉}+圈{料=げ}. (2,52). が得られる。この式と境界トの離散化した積分方程式(2,45)及び巻線部のポテンシャル の式(2,46)を連立することにより,外部電気回路と磁場の速成が可能となる。すなわち, 次の式に連立することになる。 ︱ ︱. fl. G・G ﹄. ﹃−−−j・石. t. 一. 一︼. 一. 柄77. にニF. 2.2.5. 1 jよ/ 1. 1. #精 ︱. 召. (2.53). 近接境界における移動誤差. 二つの境界が近接している場合、境界の移動に際して無視できぬ誤差を生じることが ある。ここではその誤差の存在と解決法について考察する。 図四に検財用の解析モデルを示す。簡単のためすべての領域をラプラス/ポワソン 方程式で定式化しており、外部回路を図に示すように考慮している。 鉄心に一次巻線、二次巻線を施したセンサーになっており、二次巻線に誘導される電 圧値粉を比較することにより、移動による解析誤差を評価する。 境界分割幅は口1.隋とも均一に間隔Aとしている。両領域を隔てるエアギャップの幅 をあ隋の中心からの磁気センサーの移動距離をdとして移動に伴って二次巻線に誘導 される電圧を調べる。 図2.4に近接境界での解析誤差に関する結果を示す。解析においては図2.5で示すよ うに近接する境界を距離d移動している。. 22.

(28) .aJ & _ 辿 ・ j ム j j _ 2 _ 二 . ・ _ _. jふに. 。リa.λJ。4・−. ・. -. →・. Primary wmdlng 幽. ●. Secondary wlndlng ↓. Analytical R. Domain. 1. 10V 100. V2. Hz. R=1kΩ. 図2.3:近接境界における移動誤差の評価用モデル. 、乙aぷ・2、。−aに=.jaJ. 9り. 9/‘.

(29) ・141・. Jr. │.41. j・■●. bl. 。、ゴ。・。a1.心。。1;l!!ijaJこSia1・。klf・l.2.1j’:・-j.・j・IlsL1111i、。4.. -. 1. 10司. / ̄へ ’□ W ω. 10 ̄2 []○﹃l [. 一む`y rヽ. 10 ̄3. 10. Qヱ e/M41[?. 10 ̄5. 0. 2し. L Djsplacement. d. 図2.4:近接境界をはさんだ移動によって生じる誤差. 24.

(30) -. 縦軸の相対変動率バまセンサーが隋の中心(d=0)にあるときの電圧値に対する変動 を示している.d=Oの時の二次巻線に誘導される電圧を‰バnとおくと、よってこれ には正しく解析されている場合の電圧変動も含まれている。ギャップ頓が要素分割頓に 比べて小さくなるにしたがって電圧変動が大きいことが認められる。しかるに、d=ノじ の点、すなわちセンサーの分割位置と材質の分割位置が一致した場合にのみすべての紡 果が一致している。すなわち、ギャップ幅を小さくした場合の電圧変動の変化は近接し た境界を移動することによってもたらされる誤差と言える。この誤差は真の電圧変動に 対して極めて大きく、磁気センサーのような機器を解析する場合、欠陥信号がこの誤差 に埋もれてしまう可能性が極めて強い。’田=1すなわち、境界分割幅とエアギャップ頓 が等しい場合にはそのような変動は見られない。そのため、エアギャップを挟んで境界 が移動する解析を行うには相対する境界上の要素分割をエアギャップ頓と同程度にする 必要があることを示している。 しかしながら、実際の電気機器においてはエアギャップを小さくとって磁束の漏れを 極力少なくするような構成がとられる。その場合、エアギャップ幅と同等程度に小さな 要素幅をとらなければならないのであれば非常に細かな境界要素分割をする必要があり、 多大な計算機容量を必要とすることになる。 境界要素法では境界を分割し、要素として離散化する。要素に分布するポテンシャル jや流束値9を内挿関数を用いて近似している。境界が近接することにより相対する境 界上のこれらの値が近しいものになる。節点分割位置がずれることにより、内挿関数で の補聞か正しく行えないことが考えられる。 近接する2つの境界の節点位置をギャップをはさんで相対するように常に配置してい れば誤差は低減できると考えられる。図2.6に示すようにセンサーの移動に伴ってセン サーに対向する材質の境界要素分割を変更する。図中、白丸でがした点がセンサーの移 動に伴って位置が変更された境界要素節点を示している。 本手法による近接境界における誤差分布を図2、7に示す。エアギャップ幅を小さくし てもほぼ同様な結果が得られており、図2.4と比較して明らかに改善されている。この 結果から境界要素分割幅に依存しない解析が行えることを示している。境界要素法にお いては境界のみを要素分割すればよいので、要素節点の座標の変更は容易である。. 2.2.6. 解析と検討. 図2.8に本解析に用いた差動変圧器型磁気センサーを示す。馬蹄型積層鉄心に一次巻 線を施し、その両脚に二次巻線aとbをそれぞれ施している。一次巻線は100 流10Vの電源により励磁されている。二次巻線は回路図に示したように差動接続をし. n. Hz の交.

(31) 。一一j・,。−,&i-・。こ・4・│,L二_心こ。む_,。. -・■●.j. _,ミ.-ほふ!.. .・.111. ゝ1・LI. −ゝa〃k ..・j・』・-●.I.■●I. .U;LQ.. 。。・i一i1一心一1μJ. Jj:..・.j2・・I:Jjli.・la41http://www.1.Jji.j=.ne.jpkk.. -. →. ︲−︲ 1−. 図2.5:近接境界での誤差の著しい移動方法 |. →. ︲−︲ ’1. ︱−. o:modified. 図2.6:移動に伴う境界要素分割の再構成. 26. nodes.

(32) 心. LI。jLムj1J・llj・・乙..£・、.、.'、.・. ・.‘Iゝ.、・.・.・1Lij6・lg'.aJ心・.:...−Jご、l、−.g_jJ。JJ、こ;:ここ...J.i.j乙・fsa.. 4。j、、」、、こ・・・心j・一一=..J.むに.辿此≧... -. 1. −1 10. ︲2. 10. ︵忍J co回心 LjgA eA. 10. ︲4. 10. ぷβのヱ. 10. -3. -5. Dj spl acement. d. 図2.7:境界要素分割の再構成による誤差の低減. 27. 一一.

(33) 〃‘. ており、欠陥の存在などの理由で二次巻線a、bに鎖交する磁束密度にアンバランスが生 じた場合に欠陥信号として電圧が生じるようになっている。 この磁気センサーを長さ172. mn1、幅10. mln の軟鉄でできた測定対象試料に図2.9に. 示すように設置する。 欠陥はクラックを想定し、幅1mm、深さ5lnln. の欠陥を試料中心に配置している。ま. た、欠陥との距離として、センサー中心から欠陥中心の距離を用いている。解析に際し てはセンサーは速度を伴って移勤していないことを強調しておく。すなわち、センサー を任意の位置に移勤し、定常状態に落ち着くまでその場所に停留しているような使い方 を想定している。 欠陥探知過程でのセンサーは1nlln. おきに移勤している。本解析手法では境界要素分. 割の影響を受けないのでこの移動量は任意におくことができる。エアギャップ幅は0.5 mmに設定しており、解析に際しては2.2.4で議論した移動に対応した要素分割の変更 を行っている。 次に欠陥深傷過程の二次出力電圧を図2.10に示す。●で示した値が解析で得られた結 果であり、△で示した値が実験によって得られた値である。計算結果は実験値に良く一 致していることがわかる。これによって本手法の妥当性が明らかとなった。 図中、距離12. mm. の近傍で二次出力電圧がピーク値を示す。これは欠陥探傷過程中に. 欠陥が検知されたことを示しており、さらに欠陥との距離を縮めることにより最終的に 欠陥の位置とセンサーの位置が合致した状態で出力電圧が消滅する。すなわち、まず欠 陥の信号の存在を電圧のピーク値で知ることができ、その正確な位置は欠陥による信号 が消滅した場所である。このようにして磁気センサーは欠陥の位置を知ることができる。 図2.11から図2.14に欠陥深傷過程の磁束分布を示す。 欠陥の位置とセンサーの位置の関係が変化することにより、試料内の磁束分布が変勤 していることがわかる。特に、渦電流の影響と見られる磁束線のループが磁気センサー の位置の変化によって変化していることがわかる。 図2.15に幅1mm、深さ1lnn1の欠陥が存在する場合を示す。欠陥が浅い場合でも出 力電圧のピーク値が現れることが示されている。 図2.16に幅4mm深さ1mmの欠陥が存在する場合を示す。試料として磁性体を使用 しているため、表皮効果が強くなっており、図2.11から図2.14でもわかるように試料表 面近傍に磁束が集中する。そのため試料表面の浅く広い欠陥については他と比較して大 きな出力電圧が生じていることがわかる。. 28.

(34) -. Secondary. (mm). wmdlng ●. 301. Primarv. Windin. ●a. 20. 10. 0. -20. 0. -10. 10. 20. Analytical Domain / R. I. ¬. 100. y,ut : differential output voltage. Hz. 10V. 図2.8:差動変圧器型磁気センサー. 29.

(35) 〃∼. distance ddcct. 10. unit(mm). 図2.9:磁気センサーと被検査体の構成. 30.

(36) 一一. 〃♭. [mv]. 1・叶. ﹂. Lr︶. II’︱‘一一j11. el)R[oA ︸コユ︸コ00. IL’. 0. 10. 20 Relatjve. 40. 30. Dj spl. acement. 図210:磁気センサー位置と出力電圧値の関係. 31. 50. 60 [m. ].

(37) ㎜.

(38) ■㎜. 〃s. 図2.1.3:磁気深傷過程の磁束線分布変位5(mm). 図2.14:磁気探傷過程の磁束線分布変位(バmm). 33.

(39) 〃−. [mv] Flaw. ;. SUrface wjd七hl depth l. side mm mm. 1.0. Q?β[○`y +) コ Q. 4J. 0.5. コ ○. 0. 10. 20 Reldjve. 30. 40. 50. Djsplacement. 図2.15:幅1mm、深さlmmの欠陥における出力電圧. 60 [mm]. 4. 9り.

(40) 〃−. [mv]. ;Surface sjde wjdth 4mm depth l mm. 0 .. Q︺ ︺9 ︶[oA et. −’rlL・−︱−︲L゛. 5.0. Flaw. 0 ︲. 4コ公︲コ○. 2.0. 1.0. 10. 0 5. 0. 20 Relatjve. 図2.16:幅4mm、深さ1. 30 40 Djsplacemen七. mnl の欠陥における出力電圧. 60 [mm]. ︸り りり.

(41) 〃k. 第2.3節コンビネーション法による移動シミュレーション 2.3.1. 概要. 有限要素法を磁界解析に適用する場合、開領域の考慮が問題となる。すなわち、要素 分割を施した領域の外部の領域に対する考慮ができないため、無限遠点のポテンシャル 値を基準とした境界条件を与えることができない。そのため解析対象からの漏洩磁束を 考慮しようとすると境界付近では誤差が大きくなり、精度を向上させるためにはさらに 広い領域を解析しなければならない。有限要素法解析を開領域問題に適用するための手 法として減衰型無限要素法ヽSilvesterらによる外部有限要素法[20]、ハイブリッド聖無 限要素法、そして境界要素法を結合するコンビネーション法が開発されている。この中 で精度が良いとされているのはハイブリッド型無限要素法とコンビネーション法である。 コンビネーション法は当初、有限要素法に無限領域を考慮するという目的で使われた [21][22]。これは境界要素法に比べて有限要素法の方が歴史が古く、磁界解析技術も充実 していたためで、境界要素法の利点のうち開領域問題に対する利点のみを利用したので ある。 開領域問題を有限要素法で考慮するために開発された上記の手法のうちもっとも自由 度の高いものがコンビネーション法である。境界要素法の解析技術が進歩し、有限要素 法に比肩するレベルに到達するに従い、両手法が相互補完的な役割を担っていることが 注目され、次第に開領域問題以外の境界要素法の有為性が利用されるようになった。小 貫らは有限要素法と境界要素法の接合に適したO-1次混合離散化法[231を境界要素法に 導入し、さらに開領域問題だけでなく、自由な運動をする物体に対しての優位性を指摘 している。また、中田らは境界要素法が不得手とする材質に開する問題を有限要素法領 域で考慮することを提唱し、渦電流問題や非線形問題に適用が可能であることを示した [24]。 本研究では境界要素法の境界法としての利点を用いて物体の移動問題の解析を容易 にし、これを非破壊検査における磁気センサーの磁気探傷過程の解析に適用する。本節 ではコンビネーション法の定式化を示し、本手法により磁気センサーの磁気探傷過程の 解析を行い、材質内部に生じる渦電流の状態を明らかにする。 本問題においては線形解析を行っているが、非線形特性を含む磁性体等の領域には有 限要素法を適用しているため、ニュートンラプソン法による非線形問題への拡張は容易 である。. 36.

(42) 〃. 2.3.2. コンビネーション法の定式化. 表1に有限要素法と境界要素法の比較を示す。有限要素法は領域や解析手法に分類 され、要素内の基礎方程式を満足させることで重ね会わせによる全体解析を行う不法で ある。よって、各要素内の基礎方程式で非線形問題などの材質の問題を解決できるため 解析が容易になる。 解析対象を必ず要素分割させなければならず、要素分割の方法によっては同一のモデ ルを異なった分割で解いた場合に差異を生じる。もし有限要素法のみを用いて前節で触れ た磁気探傷を解析する場合、これらの要因により大きな誤差が生じることが ̄斤想される。 移動問題において有限要素法は移動に伴い広い範囲での要素分割の変更が必要にな る。. しかしながら、有限要素法には ・多媒質問題の取り扱いが容易. ・ニュートン・ラプソン法による非線形問題への対応が容易 ・渦電流の考慮が容易 などの無視できない特徴をもっている。 そこで、移動問題においては境界要素法を用い、磁気センサーや試料材質の内部の考 慮を有限要素法で行うことで解析が容易になる。 本節では境界要素法と有限要素法の結合解法である、コンビネーション法を移動問題 に適用することを前提に定式化を行う。. 有限要素法領域の定式化 前述のように、ここでは有限要素法に鉄心などの磁性材料、巻線部とそれらを取り囲 む空気領域などの領域をまとめた多媒質領域に適用する。また、磁気センサーで磁気探 傷する試料については渦電流を考慮するものとする。 有限要素法の基礎方程式は境界要常法と同様に以下の式で表される。 ▽×削▽×Å)=J. (2.54). バま磁気抵抗率で透磁率の逆数である。 以下、ガラーキン法に基づいた定式化を進めて行く。. 37.

(43) J∼. ?. ▽フVxzノ(▽×Å)JQ十. I /. i メ. 万. 有限要素法の要素形状関数をyとおき、重みつき残差法により(2ふ・1)にΛ'を乗じて 領域積分を行うと次のように変形できる。. ▽×{心(▽×Å)回し. ?. NJdU=0. (2.55). ▽Λ7xy(▽×Å)d9十. V£ノ(▽×Å)xnjF. ∼. 2次元解析においては次のよう4. S メ. /. で. ここで左辺第二項は境界積分に変換することができるので NJ(賠. =0. (2.56). / /. ぐ. / /. こ書き換えることができる. ON∂A 一一 ∂J∂J. →言≫≒づ 1ノNqdy十. NJ心ヽ萌=0. (2,57). ここで流速値㈲ま境界要素法と同様に (2. ∂u. j Rw 乃. ∂j 7二. としている。通常有限要素法では流束値Q=Oとおいて式(2.57)の左辺第2項を無視し ている。これは9という未知数を削除することにより計算に使用するマトリクスの規模 を抑制するためである。また反面、2つの隣り合った要素間の辺に分布する流速値の連 続の条件を放棄したことにもなるが、流速値の連続の条件が満足されたとしても要素内 部のポテンシャル分布から導かれる勾配との整合性が保証されるわけでもない。解析対 象内部の要素であれば、この項を無視しても構わない。 しかしながら、有限要素解析領域外からの流速値の連続条件を考慮する場合、とくに 境界要素法との結合には必要になる項である。ただし、すべての有限要素でこれを考慮 すると○ま未知数となり解くべきマトリクスが増大するため境界要素法との接合境界に のみ導入する。 次に回路方程式と渦電流の要素に関する考慮について述べる。要素に流れる電流密度 バま次式のように強制電流密度ゐと渦電流密度壽に分離できる。 j=ゐ十壽. (2.59). このうち強制電流密度に関しては巻線の断面積匙,と総巻数匹を用いて次の強制電流70 の式に書き換える。 匹 ゐ=ニ. 7. (2.60). 0. 焉,. 38.

(44) 〃. 渦電流密度ゐは前節の境界要素法の定式化でも示したように ん=−こy. j. ぐ. ∂φ. ∂且 +. -街. (2.6n. 一 矢. で与えられるので、有限要素内での式(2.57戸ま最終昨 万. ぐ. にV回Γ. 一一 白雨 ∂j ∂Z. ∂φ +. Jに う. 7o心拘ノ. ぐ. y. +. 竪 匙. ∂N∂Λ +. / /. / /. ∂y∂j 一一 0エ∂エ. V. こ次の形になる。. (2,62). (Iエdjり=0. ∂こ. J. これを離散化して次のマトI. クス表示が得られる. 肘十[利川十[タ]{. }ニo. り﹄. 匿. ぐ. ∂φ. t. ︱ j t. [ム]. ○. 63). ∂こ. 有限要素法領域がQぃQ2の2領域があり、その間を境界要素法領域が結合するとすれ ば、有服装幸法の式は二領域が独立で依存関係のない式になる。. 1. t. 直?. (2.65). =0. ここで面積タを渦電流を含む領域全体の面積とする。解析対象をn個の有限要素に分割. レそれぞれの要素の領域を叫、叫領城中の磁気ベクトルポテンシャルをj(ん)と表示 する。言は解析対象全体にわたって一定であるので、 ぶ. 一. 一. /. 一 次. ΣE. n. ∂j. ∂ゾい). 訳. d9ん. ∂φ 一 一. タ. (2.66). ∂こ これを離散化するこ とにより次のマトリクス表示が得られる。 ∂φ. [菌ドド{. 侑. (2.67). }=0. 39. j. 4 6. り乙 ぐ. 0 0. 一 ∂こ. =. +. 一 決. 1. ゐdQ=. 。電荷保存法則より次の式が得られる。. j. ぐ. /. ∂φ. 沃4. r7. 1. の解析対象全体での考慮法を述べる. 則 馬. 一 価. 叫一心叫一心. ∂φ. 則. t. 次に. 1 0陥. 0. 1. 召Ω1. 八¥ 八 N. ﹄. t. 2. = e9 S S. 瓦石. t. l o. ︱. 凪 j 馬 j. fl. l. ﹄. 0. 八'n.

Referensi

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