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Shōtengai manzokudo keisei yōin ni kansuru tansakuteki kenkyū

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Academic year: 2021

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(1)Title Sub Title Author Publisher Publication year Jtitle Abstract Notes Genre URL. Powered by TCPDF (www.tcpdf.org). 商店街満足度形成要因に関する探索的研究 小林, 崇(Kobayashi, Shū) 坂下, 玄哲( Sakashita, Mototaka) 慶應義塾大学大学院経営管理研究科 2017. Thesis or Dissertation http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=KO40003001-00002017 -3297.

(2) 慶應義塾大学大学院経営管理研究科修士課程 学位論文(. 2017. 年度). 論文題名. 商店街満足度形成要因に関する探索的研究. 主. 査. 坂下 玄哲. 副. 査. 林. 副. 査. 副. 査. 氏. 洋一郎. 山本 晶. 名. 小林 崇.

(3) 論 文 要 旨. 所属ゼミ. 坂下ゼミ. 氏名. 小林 崇. (論文題名). 商店街満足度形成要因に関する探索的研究. 現在商店街が置かれている環境は非常に厳しい状況にある。商業統計によると、日本の 小売商店の店舗数は、1982 年(昭和 57 年)の約 170 万店舗から 2002 年(平成 14 年)には 130 万店に減少している。小売商店規模別にみてみると、減少している商店の大部分が 小規模零細店であり、その多くが商店街に属している。店舗数が減少している商店街は、 組織力や団結力が強いとは言えず、商店街内の大型店舗に集客力を依存している商店街 も少なくない。そのため、大型店の撤退や倒産に伴い連鎖倒産が発生しているのが現状 である。また、倒産後に参入する店舗も少なく、シャッターが閉まったままの店舗も多 い。そのため、空き店舗の増加によってシャッター通りなどと揶揄されることもしばし ばである。中小企業庁が全国の商店街を対象に調査した平成 27 年度の結果からも、9 割以上の商店街が横ばい、または衰退していると回答しており、繁栄の兆しがあると回 答したのは全国の商店街のわずか 5%程度であった。 商店街が衰退する要因としては、外的要因と内的要因の 2 つが考えられる。外的要因 として大きいのは、消費者の居住状況の変化によるものである。都市構造の変化により、 人口増加に伴って消費者の居住区が中心街から郊外へ移動し、結果として多くの商店街 も立地の利便性を失っている。また、大規模小売店法の廃止により、郊外に大規模小売 店が相次いで出店したことも重要である。それまで守られてきた中小の小売店が、大規 模店との競争社会に入り、苦戦を強いられることとなったのである。さらに、消費者の ライフスタイルの変化から、毎日の買い物が週末のまとめ買いになったことも大きい。 結果として、商店街の利用頻度の低下につながっている。内的要因としては、商店街組 織自身が、空き店舗対策としての新店舗誘致に十分な成果をあげられていないことがあ る。結果として、商店街全体としての『品揃え不足』がもたらされている。これ以外に も、各店舗における人手不足(後継者不足)や、環境変化への対応不足、経営力不足など、 さまざまな問題が考えられる。 本稿の目的は、厳しい状況にある商店街がいかにして消費者を吸引し発展してゆける かについて、特に消費者満足という視点から経験データの収集および分析を通じて考察 することにある。具体的には、小売ブランドイメージ形成次元という理論枠組みを商店 街へと拡張、援用しつつ、そのいかなる次元が消費者満足を創出するかについて検討す る。調査対象者が最もよく訪問する商店街に関する質問票調査から収集されたデータを 分析した結果、『立地因子』『雰囲気因子』『価格因子』『品揃え因子』という 4 つの因子 を抽出した。重回帰分析の結果から、すべての因子が商店街満足度に対して正の影響を 持っていることを明らかにした。当初は『価格因子』が最も大きな影響があると予想さ れていたが、今回収集されたデータからは『雰囲気因子』の要素が満足度上昇に最も大 きく貢献していることが確認された。さらに、調査対象者の購買行動についても追加的 に分析したところ、商店街は買い物の場から飲食の場に変化していることがわかった。 最後に、発見事項に基づいて商店街に対する提言を行った。.

(4) 目次 第1章 問題意識と本研究の目的・・・・・・・・・・・・・・・・・1 第2章 商店街とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 第1節 商店街の定義 第2節 商店街の歴史 第3節 商店街の現状 第 3 章 既存研究・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4 第1節 商店街の現状と衰退に関する研究 第1項 商店街の現状とその特徴 第2項 商店街の衰退の原因に関する諸研究 第3項 まとめ 第2節 店舗満足度とは 第1項 店舗満足度の定義 第2項 商店街満足度とは 第3節 店舗満足を形成する要素 第1項 立地 第2項 雰囲気 第3項 価格と販促 第4項 品揃えの幅 第5項 品揃えの深さ 第4章 仮説導出・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12 第1節 立地に関する仮説導出 第2節 雰囲気に関する仮説導出 第3節 価格と販促に関する仮説導出 第4節 品揃えの幅に関する仮説導出 第5節 品揃えの深さに関する仮説導出 第5章 実証研究・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 第1節 調査方法 第2節 調査結果 第3節 その他の結果 第6章 考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39 第1節 研究のまとめと含意 第2節 提言 第3節 研究の限界と展望 謝辞 参考文献 付属資料.

(5) 修士論文. 第1章. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). 問題意識と本研究の目的. 現在商店街が置かれている環境は非常に厳しい状況にある。商業統計による と、日本の小売商店の店舗数は、1982 年(昭和 57 年)の約 170 万店舗から 2002 年(平成 14 年)には 130 万店に減少している。この変化には、外部環境的な要 素と商店街組織としての問題のほか、個々の小売店の問題と様々な問題があげ られる1。減少している商店街に属している小売店の多くは小規模零細商店で ある。これらの商店街には、組織力や団結が強いものが少なく、商店街内の大 型店舗に集客力を依存している商店も少なくない。そのため、大型店の撤退や 倒産による連鎖倒産による店舗の減少が発生している。さらには、組織力が弱 いことや消費者の利用減少といった要因から、出店を希望する店舗も少ないた め、倒産した後に入る店舗を誘致できないことが多い。そのため、シャッター が開かない空き店舗や、整備もされず放置され利用されていない空き地が増え ることで、シャッター通りなどと揶揄されるようになり、客離れが続く負のス パイラルに陥る商店街が多い。渦原(2004)によると、全国にある 18000 の商店 街の内、実に 90%は『停滞』または『衰退』している状況にあり、商店街空洞 化現象は全国的に社会問題化してきている。 このような状況にある商店街の中でも、活気ある商店街は少ない。細川他 (2000)によると、商店街に買い物に来る客は、比較的近所からくる消費者が多 く、店並が町の雰囲気作りを担っている。高齢化社会が進行することが今後予 測されている中で、移動手段が徒歩などに限られる高齢者にとっては、最寄り の商店街の存在はこれまで以上に重要になってくると言われている。 以上のように、消費者の生活環境が変わり、日々の購買行動が変化している 中で、商店街を取り巻く環境はますます厳しいものになってきている。しかし ながら、商店街を利用している消費者がかなりの数存在していることは事実で あるため、何らかの対策を講じる必要があることは言うまでもない。こうした 背景を受け、本研究の目的は、消費者が商店街に対してどのような意識を保持 しているのか、何から満足を得ているのかについて理論的、経験的に考察する ことである。発見事項から、今後商店街が存族していくために必要な具体的方 策について提案してゆく。. 1. これらの問題については後述する。 1.

(6) 修士論文. 第2章 第1節. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). 商店街とは 商店街の定義. 中小企業庁が 3 年に 1 度行っている商店街実態調査(2016)では、商店街で 取り扱う商品や店舗の種類、移動手段などで商店街のタイプを「近隣型商店街」 「地域型商店街」 「広域型商店街」 「超広域型商店街」の 4 つに分類している。 近隣型商店街とは、最寄品2中心の商店街で地元の主婦が日用品を徒歩又は 自転車等により買い物を行う居住区に比較的近い商店街である。地域型商店街 は、最寄品及び買回り品3が混在する商店街で、近隣商店街よりもやや広範囲 であることから、徒歩、自転車、バス等で来街する商店街である。広域型商店 街は、百貨店、量販店を含む大型店が商店街の中に存在し、、最寄品よりも買 回り品を多く取り扱う商店街である。超広域型商店街とは、百貨店、量販店を 含む大型店が存在するほか、有名専門店、高級専門店を中心に構成され、遠距 離から来街する商店街である。 本研究における商店街の定義は、上記に示した「近隣型商店街」「地域型商 店街」 「広域型商店街」 「超広域型商店街」4つ含む商業集積を商店街と定義し てる。そのため、本研究における調査では、商店街のタイプを固定せず、消費 者が商店街と認識している商業集積を対象に行っている。具体的には、調査対 象に「普段使っている」あるいは「商店街と聞いてい想起できるもの」につい て挙げてもらい、その商店街を広義の商店街として調査を行った。. 第2節. 商店街の歴史. 安藤(2007)や渦原(2004)によると、商店街の成り立ちは個人商店の集合から 始まっている。個々の商店がバラバラに点在していたものが、駅前を中心に集 約して商店街化していった。商店街は地産地消のコミュニティであり、消費者 もその日使うものをその日に買いに行く生活をしていた。また、移動手段は基 本的には徒歩か自転車を利用し、商店街の近所に住んでいる人が多かった。そ のため商店街は近所で利便性が高く、日常生活に必要なものは、商店街でそろ えることができた。毎日商店街に買い物に行くことで、消費者と店員とのコミ ュニケーションがとられ、お互いの信頼関係や結びつきが深くなっていった。 商店街自体も大規模小売店舗法により中小零細の小売店が法律により長い間 2 3. 消費者が頻繁に手軽にほとんど比較しないで購入する物品を指す。 消費者が2つ以上の店を回って比較購入する商品を指す。 2.

(7) 修士論文. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). 守られてきたことで、大規模店との競争や社会構造の変化に対する対応力をつ けることなく商売を行ってきた。 しかしながら、商店街が守られてきている間に、社会環境は大きく変化して いった。まずは人口増加に伴い住民の居住区が郊外に広がり、町の中心街から 離れたところに住む人が増加し、身近な存在であった商店街が遠い存在になり、 近所の利便性が失われていった。さらに、住居だけでなく女性の社会進出や自 動車保有者の増加などの社会構造も変化した。大規模小売店舗法の廃止により、 郊外に大型店舗が乱立する状態となり、消費者の購買行動にも変化が現れた。 毎日の買い物から週末のまとめ買いや、インターネット購買なども利用される ようになり、消費者のライフサイクルも大きく変わってきた。 このような外部環境の変化に対してい対策を行ってきた商店街は少なく、店 舗構成や世代交代ができずに閉店している商店も多い。. 第3節. 商店街の現状. 中小企業庁(2016)によると、商店街を構成している業種別店舗数の割合(業 種構成)は、飲食店 30.0%と最も多く、次に衣料品・身の回り品店等 22.9%、 最寄品小売店 16.4%の順となっている。最近 3 年間の業種別店舗数の変化に ついてみてみると、『増えた』と回答しているのは飲食店 22.8%、サービス店 10.1%、最寄品小売店 7.3%の順に多くなっている。それに対して『減った』と 回答している店舗は、衣料品・身の回り品店等 18.9%、最寄品店 16.9%、飲食 店 12.7%の順に多く回答している。 『増えた』から『減った』を差し引きする と、飲食店のみが 10.1 ポイント増加し、その他の構成店舗はすべて減ってい ることが分かる。 商店街の現状としては、商店街を構成している店舗は飲食店のみが増え、他 業種が減っている。これは、商店街を構成している店舗数の減少とともに、店 舗の種類が減少しているため、多様なニーズには対応できない商店街が増えて きていることを意味している。これは商店街に対する顧客のニーズが物品の購 買から飲食に変化してきていることの現れなのかもしれない。 上記のように商店街を取巻く環境が変化してくる中で、商店街が置かれてい る状況は厳しい環境である。このような変化に対応している商店街と対応でき ない商店街があり、その特徴と商店街が抱える問題点について次章にてまとめ る。. 3.

(8) 修士論文. 第3章. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). 既存研究. この章では、繁栄や衰退している商店街の特徴を整理し、商店街が置かれて いる環境について、消費者の変化、外部環境の変化、内部環境の変化を整理す る。また、本稿は商店街満足度を考えるため、満足度について整理する。. 第1節 第1項. 商店街の現状と衰退の原因に関する研究 商店街の現状とその特徴. ①繁栄している商店街とその特徴 中小企業庁(2016)による調査によると、繁栄している商店街には大きく3つ の特徴がある。第 1 に、リーダーシップのある組合長が存在し商店街全体を引 っ張っている。第 2 に、組織としてのまとまりが強く、商店街の個々の店舗の 結びつきが強い。第 3 に商店街主催のイベントを開催して地域住民との繋がり を深めている。 細川(他 2000 年)では商店街の優位点についてまとめられている。商店街の 優位点としては、顧客との対話やコミュニケーションを直接取れることから、 顧客の正しいニーズを把握し、効率的な品揃えを行うことができることがあげ られる。また、商店街が近隣にあることで利便性が高まり、無料配達などのサ ービスが行われることも重要である。また、店と顧客との信頼関係が構築され、 値引きやほしい商品の取り置き等のきめ細やかな顧客対応が行いやすい点も ある。さらには、地産地消が行われやすく、生産から消費までが地域社会で行 われるため、税収を含めた地域循環型の経済になることから、地元経済が潤う こともあげられる4。 ②衰退している商店街とその特徴 衰退している商店街の特徴としては、繁栄している商店街に見られる特徴が ないか、あったとしても非常に少ないことがあげられる。具体的には、組合長 4. これに対し、郊外大型店が商店街に比べて劣っている部分は、商品規格が中級規格品に偏 るため、高級品やすそモノを求める消費者には不満を持たれることである。また、対話不足 から高齢者の店内での孤立感を生み出す傾向が強いこともあげられる。郊外立地のため、自 動車等の移動手段を持たない顧客の利用は限定されることもあるだろう。さらに、生産と販 売と消費が異なる地域で行われるため、地域循環型の経済に入りにくい。そのため、仮に大 型店舗が撤退した場合、地元に与えるダメージが大きいことも郊外大型店の欠点としてあげ られる。 4.

(9) 修士論文. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). が名ばかりで組織としての行動もつながりもなかったり、個々の小売店での行 動が多く商店街としての一体感やイベントの開催等もなかったりと、さまざま なものがあるだろう。 細川(他 2000 年)は商店街の劣位についても言及しており、まずは大型店と の競争力不足があげられる。次に組織力の弱さから商店街の業種構成の不均衡 が発生しても是正が困難になる。さらには、個々の店舗の後継者不足による店 舗数減少を止められず、店舗数の維持が困難になっている。地域や社会環境の 変化への対応ができず、住民の郊外居住化が進む中で、自動車来店への対応力 も不足している5。. 第2項. 商店街衰退の原因に関する諸研究. ①消費者の変化(食習慣・住居エリア・購買行動) 商店街の衰退は消費者の環境変化からも影響を受けている。昔は専業主婦層 が多く存在していたため、その日の食事の買い物をその日に買う購買行動をと っていた。ところが近年は、女性の社会進出が進み、食事を作らずに外食や総 菜などを利用することが多く自宅で食事を作る機会が減少している。買い物時 間も毎日から週末のまとめ買いに変化している。また、消費者の居住エリアに 関しても、人口増加に伴い町の中心から郊外へ移り住むものが増加している。 そのため、商店街が存在する中心部や付近は居住区からオフィスへと変わって いった。今まで身近で利便性も高く毎日の買い物に適していた商店街が、自宅 から遠く、買い物に不便なところに変わっていった。商店街の店舗の営業時間 についても、会社からの帰宅時間では開いている店も少なく、消費者のライフ スタイルとずれていた。その結果、消費者が買いたいときに買いたいものが買 えない状況となっている。毎日の買い物に対する時間的余裕が少ないことから 商店街へ足を運ぶ消費者が減少していった。また、消費者の自動車保有率が上 昇したことで、行動範囲が拡大したため、商店街から郊外の大型店でのまとめ 買いに移行した原因とも考えられる。 ②外部環境の変化(政策・競合環境) 商店街の衰退に影響を与える要因には、消費者の変化に加えて、外部環境の. 5. これに対して、郊外の大型店舗は、売り場面積の広さによる品種の豊富さや、大量取扱い による規格品やスケールメリットがあるほか、広い駐車場による自動車来店の便利さによる ワンストップショッピングや週末のまとめ買いには便利にできている。 5.

(10) 修士論文. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). 変化が考えられる。特に都市構造の変化や政策改正に伴う競合の台頭が考えら れる。人口増加とともに、中心部から郊外へ区画整備が進み郊外に自宅を構え るものが増え、街の中心部から郊外へ人口が流出した。政策面では、大規模小 売店舗法が廃止され、郊外に大規模小売店が乱立するようになり、今まで法で 守られてきた商店街はなどの零細小売店はいきなり大規模店との競争にさら された。また、コンビニエンスストア等 24 時間営業の店舗が拡大し、消費者 の生活スタイルに合った店舗運営が重なり急成長する中で商店街の存在が薄 れていった。 ③内部環境の変化(後継者・経営力・組織力・家族) 内的要因としては、商店街組織としての問題と商店ごとの問題に分けられる。 店街組織としての問題としては、空き店舗増加による店揃えの不備や、駐車場 の確保等個人商店ではできない環境整備活動ができていないことがあげられ る。また、集客に関しても、商店街全体ではなく大型チェーン店に集客力を任 せていたため、大型チェーン店の撤退や倒産により、商店街の他の店舗が連鎖 倒産に追い込まれる事態も起こっている。このため、衰退している商店街は組 織力不足や経営力不足を指摘される原因となっている。 個々の店舗毎の問題としては、石井(1996)により家族従業に視点を置いてま とめられている。小売業は昔から家族従業で成り立ってきていた。昔は 1 階が 店舗で奥や2階に住居があり、店主だけでなく配偶者や両親、子供が店番をし て商いを行っていた。ところが、居住区域の郊外化に伴い店と家が分離するよ うになり、家族から店が遠い存在になっていった。また、教育の高度化や賃金 の安定面といった視点から、子供たちには店を継がずに大企業を目指す者が増 えていった。店を営む親としても子供の安定した生活を優先し、自分の代で店 をたたむ考えを持つものが増えている。そのため、店主の高齢化と後継者不足 により小規模零細小売店の数が年々減少している。 このように商店街には消費者の変化、外部環境の変化、内部環境の変化が重 なり、一部の商店街は盛況であるが、全国のほとんどの商店街は現状維持また は衰退しているところが多い。しかしながら、このような厳しい状況の中でも、 商店街を利用している消費者が多数いることは事実である。商店街を利用して いる消費者は何に満足度を得て商店街で買い物しているのか考えることとし た。. 6.

(11) 修士論文. 第3項. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). まとめ. 商店街の繁栄、衰退には、消費者の変化、外部環境の変化、内部環境の変化 が複雑に絡み合ってできている。これらの変化に対応できている商店街は少な く、問題を解決できていない商店街が数多く存在している。しかしながら、商 店街を利用している消費者は、何かしらの満足感を得ているから商店街で買い 物をしていると考えられるため、消費者満足を測ることとした。. 第2節. 店舗満足とは. 第1項. 店舗満足の定義. 嶋口(1994)は満足と不満足は同じ軸ではなく本来異なる軸にのっている概 念であるとしている。そのため、異なる軸に乗っているということは、 『満足』 の反対を表すのは『非満足(unsatisfaction)』である。同様に考えると、『不 満(dissatisfaction)』の反対は『不満でない』と主張している。 本稿においては、消費者が商店街に対して何に満足を感じているかについて 探ることが主目であるため、特に『満足-非満足』に焦点をあてて以下検討を 加えてゆくこととする。 Boulding et al.(1993)は、取引特定的満足と累積的満足の概念が異なるも のとして論じている。 取引特定的満足とは、『顧客の単発取引の購買後評価において、その先行要 因と結果要因とのかかわりの中でとらえられる(Boulding et al.1993,PP.910)』ものであるとされる。これに対し、累積的満足は『ブランド全体に対す る製品・サービスの過去の購買経験すべてに基づいて行われる全体的評価とみ なすことができる(同,PP.9-10)』とされる。具体的には、取引特定満足とは、 普段買わないものや、初めて買うものに対しての評価である。これに対して累 積的満足は、商店街のように普段よく使っている店舗または購入している商品 に足して、店舗の明るさや展示方法、店員の対応等のほか、商品の品質や使い 勝手等の経験により評価されるものである。 本稿においては、商店街満足度を測るにあたり、「普段使っている」あるい は「商店街と聞いて想起できるもの」を対象としているため、累積的満足に該 当している。. 7.

(12) 修士論文. 第2項. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). 商店街満足とは. 商店街では、異なる複数の店舗が連携し、全体として商業集積が形成されて いるのが一般的である。したがって、商店街全体に対する消費者の満足につい ても、商店街を構成する個々の店舗に対する満足に分解してとらえることがで きる。言い換えれば、単一店舗に対する満足が積算されて、集積全体に対する 満足が形成されると言うことができる。単一店舗に対する満足をもたらす要因 にはさまざまなものがあるが、消費者の心的構造をブランドという視点から解 明するという本研究の理論的関心から、特に特定店舗に対するイメージ形成に 注目した Ailawadi & Keller(2004)による、小売りブランドイメージという概 念枠組みを援用することとする。具体的には、彼らが掲げた小売りブランドイ メージ形成要素である『立地』 『雰囲気』 『価格と販促』 『品揃えの幅』 『品揃え の深さ』という5つの側面から、消費者の商店街全体に対する満足に何が寄与 しているかについて考察を行う。以下、それぞれについて説明する。. 第3節. 店舗満足を構成する要素. 第1項. 立地. 立地とは Ailawadi & Keller(2004)によると、店舗の場所と消費者がそこで 買い物をするために移動しなければならない距離として考えている。 本稿は、個別店舗ではなく商業集積である商店街を対象としている。その ため、 『立地』とは、消費者が感じる自宅からの距離や公共交通機関によるア クセスのしやすさを指しており、店舗までの距離が近ければ近いほど、アク セスにかかる費用が安ければ安いほど、その利便性が上がるものと定義する 6. 。百貨店満足度の形成次元について検討した久保(2008)においては、交通利. 便性及び店舗買い回り利便性について、この両方を立地の次元に含めて考え ている。. 第2項. 雰囲気. 雰囲気の定義としては、物理的要素、環境的要素、社会的要素に分けて考. 6. 店舗周辺の買い回りについては『品揃えの幅』と『品揃えの深さ』の中で考えることとし た。 8.

(13) 修士論文. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). えることができる。物理的要素としては、店舗のほか、色調や照明、売り場 レイアウトなどがある。環境的要素としては音楽や匂いなどであり、社会的 要素としては、来店客層や販売員のサービスなどであり、これらにより消費 者は雰囲気を認識する。 商店街の雰囲気としては、物理的要素としては個別建物、売り場レイアウト や店舗内の照明のほか、商店街全体の建物感や店舗同士の色合いに加えて、商 店街の通りの色合いや装飾なども考えられる。環境的要素としては、各商店で 流している音楽や匂い温度のほかに、商店街の店舗外での騒音や音楽がこれに あたる。社会的要素としては、商店街を利用している客層や、各店舗の販売員 のサービスが考えられる。. 第3項. 価格と販促. 価格と販促とは Ailawadi & Keller(2004)によると、価格とは、小売業者の 平均価格水準、時間の経過とともに価格にどの程度ばらつきがあるかで消費者 に判断される。また、販促の頻度と深さのほか、小売業者の形態が EDLP また は、HILO として位置づけられるかどうかなどの属性に影響を受けるものであ ると示している。また、Brown(1969)は、消費者が価格の認識を形成するため に、サービス提供や品質水準などの非価格関連の手がかりを使用する可能性が あることを示している。 上田・森口(2004)では、価格とはいくら払えばその商品を入手できるかを表 しているものであり、商品の品質を連想させるものであるため、消費者からは 予算制約の目安と品質を判断する材料として使われる。消費者の価格に足して 反応が異なる理由としては、探索コスト、保留価格、取引コストが異なるため と示している。 久保(2008)では価格と販促に関して、消費者のイメージと店舗選択に大きく 関連性のある要素であり、その店舗の提供している価格帯と特有の価格戦略に より形成される。第 1 に提供している価格帯であり、第 2 に催事・イベントの 楽しさ、第 3 に DM 発信等の宣伝広告、第 4 にカード特典を上げることができ ると示している。 商店街の価格と販促に関しては、比較的近くに同じ商品がある食品系店舗は 価格競争になりやすいと考えられる。しかしながら、商店街の中でも店舗の大 きさ価格帯は店ごとに異なり、似たような価格帯の中でも一番安い店以外で買 う消費者も多い。販促活動としては商店街としてイベントを開催し、顧客誘導 9.

(14) 修士論文. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). をしたり、広告を出したり、広告を出さずに顧客の口コミや日々特売をうたっ たりと、価格による誘因方法は店舗や商店街の組織活動により異なる。. 第4項. 品揃えの幅. 品揃えの幅とは Ailawadi & Keller(2004)によると、ある小売業者によって 提供されるさまざまな製品およびサービスの幅に対する消費者の認識は、店舗 イメージに大きく影響すると示されている。幅広い品揃えの利点は明らかであ り、第一に、製品の品揃えの幅が広いほど消費者に考慮されるさまざまな状況 の範囲が大きくなる。第 2 に Messinger&Narasimhan(1997)幅広い商品の品揃 えによって、今日の時間制約のある消費者のワンストップショッピングを可能 にすると示している。 商店街における品ぞろえの幅とは、商店街として取り扱っている商品の種類 として考える。ひとつの商店街に準備されている異なる業種の店舗の数や扱っ ている商品の種類が豊富なほど、商店街として品揃えの幅があるため、消費者 のニーズをとらえることができると考える。商店街は 1 つの店舗としてではな く、複数の店舗で協力することで、様々なニーズに対応できるようにしている。 商店街に行くことで日常品の買い物がすべてできる商店がそろっているかも 重要である。商業集積の幅は、ワンストップショッピングと流通費用の節約に より消費者と小売りの利便性を得られる。. 第5項. 品揃えの深さ. 品揃えの幅とは Ailawadi & Keller(2004)によると、商品カテゴリー内の 小売業者の品揃えの深さに関する消費者の認識は、店舗イメージの重要な次 元であり、店舗選択の主要な推進要因である。ブランド、フレーバー、サイ ズの認識された品揃えが増えるにつれて、多様性を求める消費者はより大き な有用性を感じると示している。また、久保(2008)では品揃えの深さについ て、ある商品カテゴリーの中で品数やサイズ、色柄の豊富さであり、その中 から消費者が選択することで満足が高まると考えられている。 商店街での品揃えの深さとは、同一種類の商品を扱っている店舗の数や扱っ ている商品の数、種類、産地別などの見た目の選択肢の豊富さのほかに、買っ た商品の品質により消費者が選択したり、納得する商品をいかに陳列できてい るかで考える。 10.

(15) 修士論文. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). 本稿では、『商業集積』の度合いすなわち『買い回り』については立地では なく商店街の品揃えの幅と深さとして考える。本来、買い回りは単一店舗の場 合には、隣接する他の小売店がどのくらいの種類、どのくらいの店舗数がある かなどを立地として考えている。しかしながら本稿は、単一店舗ではなく商業 集積している商店街全体として考えるため、商店街が商品の幅と深さをどれだ け揃えているかで考える。 以上のように、小売りブランドイメージ形成要素である『立地』『雰囲気』 『価格と販促』『品揃えの幅』『品揃えの深さ』という5つの要素は、消費者 の店舗選択に重要な要素であり、これらを使って仮説を導き出す。. 11.

(16) 修士論文. 第4章. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). 仮説導出. 本章では小売りブランドイメージ形成要素である『立地』 『雰囲気』 『価格と 販促』 『品揃えの幅』 『品揃えの深さ』という5つの側面から、満足度との関係 に関して仮説を導出する。. 第1節. 立地に関する仮説導出. 商店街には基本的には近所または駅前などの公共交通機関から近いところ から買い物に来ると考えられる。そのため、徒歩または自転車かバスでの来訪 が考えられる。移動手段により必要な施設は異なるが、商店街が日用品を買い 求める場所であることを考えると、基本的には徒歩か自転車が多いと思われる。 そのため、商店街を近い、行きやすいと感じるほど、商店街に対する消費者の 満足度は高まると考えられる。以上より、以下の仮説を導出する。 H1:商店街までのアクセスが良いと知覚されるほど商店街の満足度は高ま る. 第2節. 雰囲気に関する仮説導出. 雰囲気とは前述のとおり、物理的要素、環境的要素、社会的要素により総 合的に作り出されている。消費者がそれをどのように知覚するかについては 個人差がある。相対的に雰囲気が良いと感じるほど商店街に対する満足度は 高いと考えられる。したがって、以下の仮説を導出する。 H2:商店街の雰囲気が良いと知覚されるほど商店街の満足度は高まる. 第3節. 価格と販促に関する仮説導出. 上田・森口(2004)によると、価格の知覚のされ方は、探索コストと取引コス トと保留コストにより決められる。商店街の場合は、日常品を買いに来ている ため、価格の知覚のされ方に特異性があると考えられる。探索コストに関して は、家の近所の商店街に行き、買いたい商品の店舗も決まっているためそれほ ど高くない。取引コストに関しても、会員手続きや、手数料がかかることもな く低いと考えられる。このため、多少金額が高くても買ってもらえるようにも 考えられる。 しかしながら、保留コストが低い可能性が考えられる。保留コストとは商品 の価格がこの価格以上では買わない価格(上田・森口 2004)のことであり、日 常見ている商品の価格が自分のいつも買っている価格よりも高いと、買わずに 12.

(17) 修士論文. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). 次の機会に買うことができてしまうため、保留コストが低く設定されている可 能性もある。また、商店街は同業の店が数件あるため、もともと価格競争によ り低い価格設定になっていると思われる。よって商店街で購入する商品は安い と感じるほど満足度は高いと考えられる。以上より、以下の仮説を導出する。 H3:商店街の価格帯は安いと知覚されるほど商店街の満足度は高まる. 第4節. 品揃えの幅に関する仮説導出. 商店街における品揃えの幅は、店舗の種類として考える。店舗の種類とは異 なるカテゴリーの店舗の種類として捉えることができる。例えば、肉屋、魚屋、 八百屋、雑貨屋、薬屋などの店舗の種類の多さでのことであり、多ければ品揃 えの幅も広く、逆に少なければ狭くなる。品揃えの幅が広ければ消費者ニーズ をとらえることができ、買い回りの利便性が高まる。また、商店街に来ること でワンストップショッピングが可能となり満足度が高まると考えられる。以上 から、以下の仮説を導出する。 H4:商店街全体として品揃えの幅が広いと知覚されるほど商店街の満足度 は高まる。. 第5節. 品揃えの深さに関する仮説導出. 商店街における品揃えの深さは、同一カテゴリーの店舗の数として考える。 同一カテゴリーの店舗の数とは、肉屋が 3 件など重複していることで、肉とい う同一カテゴリーの中でも商品の種類が深く、少なければ浅くなる。同一カテ ゴリーの店を複数連ねることで、商店街としてそろえる品揃えの深さを作って いると考える7。品揃えの幅と同様に、品揃えの深さも深ければ消費者ニーズ を捉えることができ、買い回りの利便性も高まる。同様にワンストップサービ スが可能となり満足度が高まると考えられる。したがって、以下の仮説を導出 する。 H5:商店街全体としての品揃えの深さが深いと知覚されるほど商店街満足度 は高まる。. 7. ただし、商店街に一つの大きな専門店があり、その一店舗で品揃えの深さがある場合も深 さがあると認識されるため、質問事項で調整を行った。 13.

(18) 修士論文. 第5章 第1節. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). 実証研究 調査方法. 4 章の仮説を検証するにあたり、質問票調査によるデータ収集を試みた。具 体的な質問票の作成手手順は以下のとおりである。はじめに、既存研究をベー スに主要な概念の操作化を行った。被験者負荷も考慮しつつ、それらの項目を 適切な順番に配置し、本研究とは独立の第三者 10 名にプレ調査を行った。質 問の内容や回答の表現について理解しにくいところがないかや、各変数の定義 と質問の適合性などについてフィードバックを受け、質問票の修正を複数回に わたって行った。 調査票の構成は以下の通りである。初めに、被験者が普段利用している商店 街を想起、記入してもらい、満足度の測定を行った。その後、 『立地』 『雰囲気』 『価格とプロモーション』 『品揃えの幅』 『品揃えの深さ』について、当該商店 街についてどのように感じているかを回答してもらった。これらの測定の後、 個人の購買行動についての質問と、商店街に望む要素や何を重視するかなどの 質問を配置した。最後に、回答者自身の属性について、性別、年齢、職業等の 基本情報を質問した。最終的な質問票に含まれた質問数は 56 であった。実際 の質問票については、巻末の付属資料を参照されたい。 調査は高砂熱学工業株式会社に協力してもらい、2017 年 11 月 23 日に質問 票を配布、その日のうちに回収する形をとった。812 の弁尖サンプルに配布し て 287(回収率 35%8)の回答を得た。調査の対象は、18 歳以上で買い物を自分 で行うものを対象とした。. 8. 部分的な無回答項目を含む質問票が含まれていたため、有効サンプル数は分析ごとに異な る。 14.

(19) 修士論文. 小林. 第2節. 調査結果. 第1項. サンプル特性. 崇(81630393・坂下ゼミ). はじめに、回収されたサンプルの主な特性についてみてゆく。図 5-1-1 か ら図 5-1-5 は、今回の調査サンプル 287 名のプロフィールをまとめたもの である9。 図 5-1-1 はサンプルの性別特性を表している。有効回答数は 265 名で男 性 170 名、女性 95 名となっており、男性が多くなっている。商店街の顧客は 女性も多数含まれるため、結果の解釈には慎重を期すべきである。 表5-1-1 度数 有効. 合計. パーセント. 有効パーセント. 累積パーセント. 1:男性. 170. 59.2. 64.2. 64.2. 2:女性. 95. 33.1. 35.8. 100.0. 265. 92.3. 100.0. 22. 7.7. 287. 100.0. 合計 欠損値. 性別特性. システム欠損値. 9. 欠損値を含むサンプルは集計から除外されているため、有効回答数は項目によって異な る。 15.

(20) 修士論文. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). 図 5-1-1 性別特性 図 5-1-2 はサンプルの年齢特性を表している。20 代以下 25.9%、30 代 18.0%、40 代 22.2%、50 代 19.5%、60 代 12.8%、70 代以上 1.5%と幅広い 年齢層から回答を得ることができた。 表5-1-2 度数 有効. 有効パーセント. 累積パーセント. 69. 24.0. 25.9. 25.9. 2:30代. 48. 16.7. 18.0. 44.0. 3:40代. 59. 20.6. 22.2. 66.2. 4:50代. 52. 18.1. 19.5. 85.7. 5:60代. 34. 11.8. 12.8. 98.5. 4. 1.4. 1.5. 100.0. 266. 92.7. 100.0. 21. 7.3. 287. 100.0. 合計. 合計. パーセント. 1:20代以下. 6:70歳以上. 欠損値. 年齢特性. システム欠損値. 16.

(21) 修士論文. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). 図 5-1-2 年齢特性 図 5-1-3 はサンプルの職業特性を表している。会社員 78.1%、学生 4.6%、 パート・アルバイト 6.3%、主婦 6.3%、無職 1.5%、その他 1.9%となり、ほぼ 男女問わず会社員のデータとなった。こちらも、一般的な商店街の顧客特性を 必ずしも反映しているとは言えないため、注意が必要である。 表5-1-3 度数 有効. 1:会社員. 合計. パーセント. 有効パーセント. 累積パーセント. 203. 70.7. 78.1. 78.1. 2:学生. 12. 4.2. 4.6. 82.7. 3:パート・アルバイト. 18. 6.3. 6.9. 89.6. 4:主婦. 18. 6.3. 6.9. 96.5. 5:無職. 4. 1.4. 1.5. 98.1. 6:その他. 5. 1.7. 1.9. 100.0. 260. 90.6. 100.0. 27. 9.4. 287. 100.0. 合計 欠損値. 職業特性. システム欠損値. 17.

(22) 修士論文. 小林. 図5-1-3. 崇(81630393・坂下ゼミ). 職業特性. 図 5-1-4 はサンプルの家族構成特性を表している。単身 29.4%、2人 23.8%、3人 19.8%、4人 18.1%、5人 4.9%であり単身者が3割ほどで後は 家族で住んでいることが分かった。. 18.

(23) 修士論文. 小林 表5-1-4 度数. 有効. 家族構成. パーセント. 有効パーセント. 累積パーセント. 1:単身. 73. 25.4. 29.4. 29.4. 2:2人. 59. 20.6. 23.8. 53.2. 3:3人. 49. 17.1. 19.8. 73.0. 4:4人. 45. 15.7. 18.1. 91.1. 5:5人. 14. 4.9. 5.6. 96.8. 6:6人. 5. 1.7. 2.0. 98.8. 7:7人. 2. .7. .8. 99.6. 8:8人. 1. .3. .4. 100.0. 248. 86.4. 100.0. 39. 13.6. 287. 100.0. 合計 欠損値. 崇(81630393・坂下ゼミ). システム欠損値. 合計. 図5-1-4. 家族構成特性. 図 5-5 はサンプルの利用頻度特性を表している。月 1 回以上商店街に買い 物に行く割合が 57%となりサンプルの半分以上は月に 1 度は商店街で買い物 していることが分かった。. 19.

(24) 修士論文. 小林 表5-1-5 度数. 有効. 欠損値 合計. 崇(81630393・坂下ゼミ). 来訪頻度. パーセント. 有効パーセント. 累積パーセント. 1:年1回. 20. 7.0. 11.8. 11.8. 2:半年に1回. 19. 6.6. 11.2. 23.1. 3:3か月に1回. 33. 11.5. 19.5. 42.6. 4:月1回. 27. 9.4. 16.0. 58.6. 5:2週間に1回. 20. 7.0. 11.8. 70.4. 6:週に1,2回. 24. 8.4. 14.2. 84.6. 7:週に3,4回. 11. 3.8. 6.5. 91.1. 8:週に5,6回. 7. 2.4. 4.1. 95.3. 9:毎日. 8. 2.8. 4.7. 100.0. 合計. 169. 58.9. 100.0. システム欠損値. 118. 41.1. 287. 100.0. 図5-1-5. 20. 来訪頻度特性.

(25) 修士論文. 第2項. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). 仮説検証. 分析は、調査票データの 16 の質問を変数として、主因子法、バリマック ス回転による因子分析を行う。そこから共通因子を抽出し、商店街に対する 消費者の満足度評価要素を抽出する。その後、抽出した要素の内容が小売り ブランドイメージ形成要素である『立地』『雰囲気』『価格と販促』『品揃えの 幅』『品揃えの深さ』という5つ当てはまるかを検討する。その後、抽出した 因子を説明変数に設定し、従属変数に満足度を設定して重回帰分析を行う。 表5-2-1回転後の因子行列a 因子 1. 2. 3. 4. 環境. .835. .245. .136. .133. 店員. .676. .045. .203. .189. 客層. .648. .092. .112. .192. 建物. .646. .374. .231. .017. 雰囲気. .547. .277. .342. .232. 安い. .422. .077. .283. .158. 店舗の深さ. .133. .868. .224. .163. 店舗当たり深さ. .189. .817. .277. .110. 全体深さ. .255. .638. .394. -.055. 全体分野. .270. .450. .797. .091. 店舗分野. .317. .448. .745. .011. 店舗当たり分野. .356. .497. .558. -.109. 値引き. .365. .234. .417. .115. アクセス. .164. .030. .040. .928. エリア. .308. .159. .069. .721. 近い. .077. .001. .006. .611. 因子抽出法: 最尤法 回転法: Kaiser の正規化を伴うバリマックス法 a. 7 回の反復で回転が収束しました。. 表 5-2-1 は回転後の結果を示している。16 の変数のうち、品揃えの幅に関 する質問事項であった全体分野、店舗分野、店舗当たり分野の項目が、因子 2, 3 で 0.400 を超える値となっていた。そのため、これらの項目を削って再度因. 21.

(26) 修士論文. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). 子分析にかけて因子抽出を行った。 表 5-2-2 に共通性の結果を示す。因子抽出後の共通性は各項目とも比較 的高い値を指名しており、共通因子を考えることに意味があると考えることが できる。 表 5-2-3 に説明された分散の合計を示す。初期の固有値が 1 以上の値を 示しているのは 4 因子以下の場合であり、因子数 4 の回転後の累積寄与率は 66.000%であるため、4 因子が因子数として妥当と考えられる。 回転後の因子行列が表 5-2-4 である。それぞれの因子ごとに 0.400 を超 えるものがないため、この結果を使って重回帰分析を行うこととした。因子抽 出の結果、抽出された 4 つに因子に因子名をつけて識別した。第一因子は環 境、建物、店員、雰囲気客層といった変数を含むため『雰囲気因子』と命名し た。第二因子は店舗の深さ、店舗当たり深さ、全体深さといった変数を含むた め『品揃え因子』と命名した。第三因子はアクセス、エリア、近いといった変 数を含むため『立地因子』と命名した。第四因子は安い、値引きといった変数 を含むため『価格因子』と命名した。これら 4 つの因子を説明変数として満足 度を従属変数とする重回帰分析を行った。 表 5-2-2 共通性 共通性 a 初期. 因子抽出後. アクセス. .663. .999. エリア. .642. .607. 近い. .402. .336. 雰囲気. .520. .529. 建物. .594. .637. 環境. .677. .795. 店員. .567. .540. 客層. .463. .475. 安い. .546. .925. 値引き. .569. .522. 全体深さ. .603. .588. 店舗の深さ. .725. .827. 店舗当たり .712 深さ 因子抽出法: 最尤法. 22. .802.

(27) 修士論文. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). 表 5-2-3 説明された分散の合計 説明された分散の合計 初期の固有値 因子 1. 合計. 分散の %. 抽出後の負荷量平方和 累積 %. 合計. 分散の %. 回転後の負荷量平方和. 累積 %. 合計. 分散の %. 累積 %. 5.364. 41.260. 41.260. 2.421. 18.621. 18.621. 2.653. 20.409. 20.409. 2. 1.938. 14.907. 56.167. 3.785. 29.114. 47.736. 2.511. 19.316. 39.725. 3. 1.401. 10.779. 66.946. 1.392. 10.704. 58.440. 1.949. 14.992. 54.717. 4. 1.039. 7.991. 74.938. .983. 7.560. 66.000. 1.467. 11.283. 66.000. 5. .716. 5.504. 80.441. 6. .525. 4.038. 84.480. 7. .458. 3.521. 88.001. 8. .389. 2.993. 90.994. 9. .343. 2.637. 93.631. 10. .270. 2.080. 95.711. 11. .205. 1.580. 97.291. 12. .194. 1.489. 98.779. 13. .159. 1.221. 100.000. 因子抽出法: 最尤法. 表 5-2-4 回転後の因子行列 回転後の因子行列 a 因子 1. 2. 3. 4. 環境. .827. .254. .142. .162. 建物. .698. .384. .008. .045. 店員. .623. .063. .186. .336. 客層. .588. .075. .174. .305. 雰囲気. .583. .354. .228. .109. 店舗の深さ. .141. .878. .133. .135. .211. .859. .077. .113. .281. .706. -.034. .099. アクセス. .142. .069. .986. .046. エリア. .319. .189. .683. .055. 近い. .034. -.027. .563. .131. 安い. .254. .091. .133. .913. 値引き. .276. .327. .121. .568. 店舗当たり 深さ 全体深さ. 因子抽出法: 最尤法 回転法: Kaiser の正規化を伴うバリマックス法a. 23.

(28) 修士論文. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). 次に、抽出された 4 因子を使って信頼性分析を行った。その結果を以下に示 す。 表 5-2-5 信頼性統計量 信頼性統計量 標準化された項 目に基づいた Cronbach のアル Cronbach のアル ファ. ファ .098. 項目の数 .102. 4. 表 5-2-6 項目間の相関行列 項目間の相関行列 雰囲気因子. 品揃え因子. 立地因子. 価格因子. 雰囲気因子. 1.000. .058. .020. .074. 品揃え因子. .058. 1.000. -.003. .016. 立地因子. .020. -.003. 1.000. .001. 価格因子. .074. .016. .001. 1.000. 表 5-2-5 に示す通り、今回解析された Cronbach のアルファは 0.98 と低 い値となった。そのため、解析結果の考察は慎重に扱う必要がある。また、表 5-2-6 に項目間の相関についてはどれも低い値を示している。 因子分析により抽出された 4 つの因子を説明変数として、満足度を従属変 数とする重回帰分析を行った。以下、重回帰分析の結果を示す。. 投入済み変数または除去された変数a モデル 1. 投入済み変数. 除去された変数. 方法. 雰囲気因子, 品揃え因子, . 強制投入法 立地因子, 価格因子b. a. 従属変数 満足度 b. 要求された変数がすべて投入されました。. 24.

(29) 修士論文. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). モデルの要約 推定値の標準誤 モデル. R. R2 乗. .538a. 1. 調整済み R2 乗. .290. 差. .270. .791. a. 予測値: (定数)、雰囲気因子, 品揃え因子, 立地因子, 価格因子。. 分散分析a モデル 1. 平方和. 自由度. 平均平方. F 値. 回帰. 37.299. 4. 9.325. 残差. 91.443. 146. .626. 合計. 128.742. 150. 有意確率. 14.888. .000b. a. 従属変数 満足度 b. 予測値: (定数)、雰囲気因子, 品揃え因子, 立地因子, 価格因子。. 係数a 非標準化係数 モデル 1. (定数). B. 標準誤差. 3.330. .064. 雰囲気因子. .319. .071. 品揃え因子. .285. 立地因子 価格因子. 標準化係数 ベータ. 共線性の統計量 t 値. 有意確率. 許容度. VIF. 51.689. .000. .316. 4.523. .000. .995. 1.005. .069. .289. 4.142. .000. .998. 1.002. .240. .064. .260. 3.732. .000. 1.000. 1.000. .165. .071. .162. 2.321. .022. .996. 1.004. a. 従属変数 満足度. 上記結果から、調整済 R2 乗の値は 0.27 であり、分散分析の結果から重回帰 式の当てはまりは 1%水準で有意ということができる。係数の表を見ると『雰 囲気因子』『品揃え因子』『立地因子』『価格因子』の 4 つの因子全てで標準化 係数は商店街満足度に対して 5%水準で有意といえる。特に『雰囲気因子』は β値が 0.316 と一番高く出ており、商店街満足度への影響が大きいと考えるこ とができる。この結果より、4 つの因子である『雰囲気因子』『品揃え因子』 『立地因子』『価格因子』は商店街満足度に対してすべて正の関係にあること が確認できた。 以上より、本研究が掲げた仮説 1(商店街までのアクセスが良いと知覚され 25.

(30) 修士論文. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). るほど商店街の満足度は高まる)、仮説 2(商店街の雰囲気が良いと知覚される ほど商店街の満足度は高まる)、仮説 3(商店街の価格帯は安いと知覚されるほ ど商店街の満足度は高まる)、仮説 5(商店街全体としての品揃えの深さが深い と知覚されるほど商店街満足度は高まる)は支持された。いっぽう、仮説 4(商 店街全体として品揃えの幅が広いと知覚されるほど商店街の満足度は高まる) については、因子分析の段階で関連する説明変数をすべて削除してしまったた め、今回収集されたデータにおいては検証することができなかった。. 第3項. その他の結果. 以下に本サンプルの日常の買物業態についてまとめた結果を示す。高い順に スーパー30.8%、コンビニ 23.7%、ショッピングモール 21.2%となり、本サン プルでは商店街の利用は少なかった。会社員が多いためコンビニが一番多いと 予想していたが、意外とスーパーの利用者が一番大きい。また、週末のまとめ 買いの影響かショッピングモールとコンビニが僅差であったことから、商店街 が苦戦していることが分かる。 表5-3-1 度数 有効. 欠損値 合計. 買物業態. パーセント. 有効パーセント. 累積パーセント. 1:スーパー. 48. 16.7. 30.8. 30.8. 2:百貨店. 17. 5.9. 10.9. 41.7. 3:コンビニ. 37. 12.9. 23.7. 65.4. 4:ショッピングモール. 33. 11.5. 21.2. 86.5. 5:商店街. 8. 2.8. 5.1. 91.7. 6:インターネット. 13. 4.5. 8.3. 100.0. 合計. 156. 54.4. 100.0. システム欠損値. 131. 45.6. 287. 100.0. 26.

(31) 修士論文. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). 図5-3-1日常の買物業態特性 図5-3-2に商店街での購買行動についてデータを整理する。これは商店街 で日常よく利用するお店を複数回答可能で答えてもらった結果である。食料品 関係が高い値を示している中で、一番回答が多かったのは飲食店の利用であっ た。この結果は中小企業庁が行っている調査でもあったが、飲食店以外の店舗 が減っている現状と整合的であると考えられる。特に今回のサンプルは大多数 が会社員として男女ともに働いている。そのため、商店街の利用方法が日常品 の買い物としての利用以上に飲食店の利用が多くなっている可能性もある。近 年は、女性の社会進出により男女共働きの家庭が多く、商店街のメインは飲食 関係になっている現状を表している。. 27.

(32) 修士論文. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). 商店街利用状況 70 60 50 40 30 20 10 0. 図 5-3-2 商店街での購買状況 次に回答者の商店街選考度に関する集計結果を示す。 図 5-3-3 は「商店街が好きですか」との問いに対する回答者の回答を集計 したものである。44.1%が「どちらかといえば好き」以上の回答をしているの に対し、「どちらでもない」又は「そう思わない」ものが半数以上の 55%であ った。 表5-3-2商店街が好きですかの回答 度数 有効. 1:全くそうでない. パーセント. 有効パーセント 累積パーセント. 15. 5.2. 5.7. 5.7. 37. 12.9. 14.1. 19.8. 3:どちらでもない. 95. 33.1. 36.1. 55.9. 4:どちらかといえば思う. 84. 29.3. 31.9. 87.8. 5全くその通り. 32. 11.1. 12.2. 100.0. 263. 91.6. 100.0. 24. 8.4. 287. 100.0. 2:どちらかといえば思わな い. 合計 欠損値 合計. システム欠損値. 28.

(33) 修士論文. 小林. 図5-3-3. 崇(81630393・坂下ゼミ). 商店街が好きに対する回答. 次に回答者の商店街思い入れに関する集計結果を示す。 図5-3-4は「商店街に思い入れがありますか」の問に対する回答者の回答 を集計したものである。約半数が「どちらでもないと」回答し、「思い入れが ある」ものと「思い入れがない」ものは、ほぼ同数程度居ることが分かった。 この結果から、日常生活から商店街が遠い存在になっているのではないかと推 測できる。. 29.

(34) 修士論文. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). 商店街に思い入れがありますかの回答 度数 有効. 1:全くそうでない. パーセント. 有効パーセント 累積パーセント. 38. 13.2. 14.6. 14.6. 44. 15.3. 16.9. 31.4. 115. 40.1. 44.1. 75.5. 4:どちらかといえば思う. 45. 15.7. 17.2. 92.7. 5全くその通り. 19. 6.6. 7.3. 100.0. 261. 90.9. 100.0. 26. 9.1. 287. 100.0. 2:どちらかといえば思わな い 3:どちらでもない. 合計 欠損値. システム欠損値. 合計. 図5-3-4. 商店街に思い入れがありますかの回答. 次に回答者の商店街重要度に関する集計結果を示す。 図5-3-5は「商店街を重要だと思いますか」の問に対する回答者の回答を 集計したものである。思い入れと同様の結果であり、重要と思っている人も思 っていない人も30%程度存在している。この結果から、今回のサンプルでは商 30.

(35) 修士論文. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). 店街の重要度はあまり高くないことが分かる。 商店街を重要だと思いますか? 度数 有効. パーセント. 有効パーセント. 43. 15.0. 16.4. 16.4. 40. 13.9. 15.3. 31.7. 106. 36.9. 40.5. 72.1. 4:どちらかといえば思う. 51. 17.8. 19.5. 91.6. 5全くその通り. 22. 7.7. 8.4. 100.0. 262. 91.3. 100.0. 25. 8.7. 287. 100.0. 1:全くそうでない. 累積パーセント. 2:どちらかといえば思わな い 3:どちらでもない. 合計 欠損値. システム欠損値. 合計. 図5-3-5. 商店街を重要だと思いますかの回答. 次に回答者が商店街頑張ってに関する集計結果を示す。 図5-3-6は「商店街に頑張ってもらいたいか」の質問に対する回答者の回 31.

(36) 修士論文. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). 答を集計したものである。思い入れもあまりなく、重要とも思っていないはず なのに、今回のサンプルからは60%近くの人が商店街には頑張ってほしいと回 答している。 商店街には頑張ってほしい 度数 有効. 1:全くそうでない. パーセント. 有効パーセント. 累積パーセント. 12. 4.2. 4.6. 4.6. 14. 4.9. 5.3. 9.9. 3:どちらでもない. 74. 25.8. 28.1. 38.0. 4:どちらかといえば思う. 87. 30.3. 33.1. 71.1. 5全くその通り. 76. 26.5. 28.9. 100.0. 263. 91.6. 100.0. 24. 8.4. 287. 100.0. 2:どちらかといえば思わな い. 合計 欠損値. システム欠損値. 合計. 図5-3-6. 商店街には頑張ってほしいですかの回答. 次に小売りブランドを構成する要素である『立地』 『雰囲気』 『価格とプロモ 32.

(37) 修士論文. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). ーション』 『品揃えの幅』 『品揃えの深さ』の5つの要素を、商店街一般に求め るものとしてどの程度重視するかの問いについてまとめる。 重要度立地 度数 有効. 1:全く重視しない. パーセント. 有効パーセント. 累積パーセント. 14. 4.9. 5.3. 5.3. 19. 6.6. 7.2. 12.5. 60. 20.9. 22.8. 35.4. 112. 39.0. 42.6. 77.9. 58. 20.2. 22.1. 100.0. 263. 91.6. 100.0. 24. 8.4. 287. 100.0. 2:あまり重視しな い 3:どちらでもない 4:やや重視する 5:非常に重視する 合計 欠損値. システム欠損値. 合計. 図5-3-7. 商店街一般に求める立地の重要度. 33.

(38) 修士論文. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). 重要度雰囲気 度数 有効. 1:全く重視しない. パーセント. 有効パーセント. 累積パーセント. 13. 4.5. 4.9. 4.9. 17. 5.9. 6.4. 11.4. 64. 22.3. 24.2. 35.6. 100. 34.8. 37.9. 73.5. 70. 24.4. 26.5. 100.0. 264. 92.0. 100.0. 23. 8.0. 287. 100.0. 2:あまり重視しな い 3:どちらでもない 4:やや重視する 5:非常に重視する 合計 欠損値. システム欠損値. 合計. 図5-3-8. 商店街一般に求める雰囲気の重要度. 34.

(39) 修士論文. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). 重要度価格 度数 有効. 1:全く重視しない. パーセント. 有効パーセント. 累積パーセント. 13. 4.5. 4.9. 4.9. 21. 7.3. 8.0. 12.9. 84. 29.3. 31.8. 44.7. 101. 35.2. 38.3. 83.0. 45. 15.7. 17.0. 100.0. 264. 92.0. 100.0. 23. 8.0. 287. 100.0. 2:あまり重視しな い 3:どちらでもない 4:やや重視する 5:非常に重視する 合計 欠損値. システム欠損値. 合計. 図5-3-9. 商店街一般に求める価格とプロモーションの重要度. 35.

(40) 修士論文. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). 重要度幅 度数 有効. 1:全く重視しない. パーセント. 有効パーセント. 累積パーセント. 8. 2.8. 3.0. 3.0. 24. 8.4. 9.1. 12.2. 86. 30.0. 32.7. 44.9. 104. 36.2. 39.5. 84.4. 41. 14.3. 15.6. 100.0. 263. 91.6. 100.0. 24. 8.4. 287. 100.0. 2:あまり重視しな い 3:どちらでもない 4:やや重視する 5:非常に重視する 合計 欠損値. システム欠損値. 合計. 図5-3-10. 商店街一般に求める品揃えの幅の重要度. 36.

(41) 修士論文. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). 重要度深さ 度数 有効. 1:全く重視しない. パーセント. 有効パーセント. 累積パーセント. 10. 3.5. 3.8. 3.8. 19. 6.6. 7.2. 11.0. 3:どちらでもない. 99. 34.5. 37.6. 48.7. 4:やや重視する. 93. 32.4. 35.4. 84.0. 5:非常に重視する. 42. 14.6. 16.0. 100.0. 263. 91.6. 100.0. 24. 8.4. 287. 100.0. 2:あまり重視しな い. 合計 欠損値. システム欠損値. 合計. 図5-3-11. 商店街一般に求める品揃えの幅の重要度. 図5-3-7は商店街の『立地』に関する重要度に対する回答者の回答を集計 したものである。「まったく重視しない」と「あまり重視しない」が12.5%に 37.

(42) 修士論文. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). 対して、「やや重視する」「非常に重視する」を選んだ回答者は64.7%と6割以 上が商店街に足して『立地』を重視していることが分かった。 図5-3-8は商店街の『雰囲気』に関する重要度に対する回答者の回答を集 計したものである。「まったく重視しない」と「あまり重視しない」が11.3% に対して、「やや重視する」「非常に重視する」を選んだ回答者は64.4%と回 答している。これは今回の普段よくいく商店街の満足度測定の結果とは似てい るが、重要度としては『立地』と『雰囲気』は重要と考えている人が同程度い ることを表している。 図5-3-9は商店街の『価格とプロモーション』に関する重要度に対する回 答者の回答を集計したものである。55.3%の人が「やや重視する」以上を選択 している。 図5-3-10は商店街の『品揃えの幅』に関する重要度に対する回答者の回答 を集計したものである。55.1%の人が「やや重視する」以上を選択している。 図5-3-11は商店街の『品揃えの深さ』に関する重要度に対する回答者の回 答を集計したものである。51.4%の人が「やや重視する」以上を選択している。 商店街一般にもめる要素の重要度としては、自分が普段利用している商店街 の傾向とは若干異なり、最も重要と考えている割合が多く回答されたのは『立 地』とほぼ同数で『雰囲気』であった。その後『価格とプロモーション』『品 揃えの深さ』『品揃えの幅』であった。消費者にとっては商店街一般には半数 以上の人がどれも重要と回答しているが、その中でも『立地』と『雰囲気』が 最も重要な要素であった。. 38.

(43) 修士論文. 小林. 第6章 第1節. 崇(81630393・坂下ゼミ). 考察 研究のまとめと含意. 今回の研究は商店街満足度の測定を、本来小売りブランドを構成する要素で ある『立地』 『雰囲気』 『価格と販促』 『品揃えの幅』 『品揃えの深さ』の5つの 要素から測定した。その結果、本研究が掲げた仮説 1(商店街までのアクセス が良いと知覚されるほど商店街の満足度は高まる)、仮説 2(商店街の雰囲気が 良いと知覚されるほど商店街の満足度は高まる)、仮説 3(商店街の価格帯は安 いと知覚されるほど商店街の満足度は高まる)、仮説 5(商店街全体としての品 揃えの深さが深いと知覚されるほど商店街満足度は高まる)は支持された。い っぽう、仮説 4(商店街全体として品揃えの幅が広いと知覚されるほど商店街 の満足度は高まる)に関しては確認することができなかった。また、重回帰分 析の結果から、 『立地』 『雰囲気』 『価格と販促』 『品揃えの深さ』の要素が商店 街満足度にはプラスに働くことが確認できた。また、当初は、価格要素が消費 者の満足度を上げるのに一番重要と考えていたが、予想に反して、価格要素は 一番影響が小さい結果となった。今回収集されたデータの分析結果からは、満 足度を形成する要因として雰囲気の要素が一番影響を与えることが分かった。 日常使う小売業態については、サンプルが男女とも会社員の回答がほとんど だったため、スーパー、コンビニ、ショッピングモールが上位になり、商店街 はインターネット販売よりも低い最下位の結果となった。このことからも、商 店街が毎日利用するものからたまに利用するものに変化してきていることが わかる。また、商店街が競争社会に入ったことで、現在厳しい状況にあること も確認できた。 日常よく使う商店街での購買行動としては、アンケート前は生鮮食品や日常 品の買い物が上位であると考えていたが、最も利用されているのは飲食店であ り、商店街が日和品を購入する場から飲食の場へと変化してきていることが分 かる。また、中小企業庁の調査結果とも重なるように、飲食店が増加している が、その他の店舗は減少傾向にあるとの結果と整合性が高いと考えられる。 消費者が商店街一般に求める小売りブランドを構成する要素は『立地』と『雰 囲気』が最も重視され、雰囲気の要素はどちらの回答からも重要であることが 分かった。 本研究の理論的貢献としては、大きく分けて 3 つある。第一に、小売ブラン ドイメージの概念枠組を商店街という商業集積全体に拡張している点である。 第二に、商店街イメージを構成する次元が、どのように商業集積全体の満足度 39.

(44) 修士論文. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). に寄与しているかについて考察した点である。第三に、実際の経験データの収 集および分析を通じて検証している点である。 今回は商店街のヘビーユーザーではなく、あえて会社員メインでアンケート を行ったため、結果の偏りは否めない。しかしながら、現在の社会構造として 夫婦共働きや、郊外に居住し商店街の利用があまりできていない客層が商店街 に対する満足度を高める要素として利用価値がある結果が得られたと考えて いる。. 第2節. 提言. 本研究結果から商店街へ提言できることを以下に示す。 第一に、商店街の満足度を高めるためには商店街全体の雰囲気をよくするこ とが最も効果的である。商店街の雰囲気とは個別店舗単独で作れるものではな い。そのため、個別店舗ごとにできること、商店街全体としてできることを組 織的に行うことで、商店街全体の雰囲気づくりを行うことが大切である。 第二に、消費者が一般に求めるものとして商店街の立地についても雰囲気と 同様に重要である。立地に関しては、消費者が近隣から居住区を郊外に移動し たように、郊外の開発地の近隣に商店街を移設することも考えられる。消費者 の近くで商いを行うことも含めて考えていく必要があると考えられる。これに 関しては、区画整備や開発時から動き出さなければならないため、商店街単独 の行動ではできない。地方自治体との協力関係が重要になる。 第三に、商店街満足度に対して価格とプロモーションの影響は他の因子に比 べて、相対的に小さいと考えられる。商店街には同業種の店舗が複数存在して いるところも多い。そのため、商店街内の同業者との不要な価格競争が発生し ている可能性がある。しかしながら、消費者の商店街満足度からは、価格競争 は控えるべきであると考えられる。. 第3節. 研究の限界と展望. 本研究の限界としては、調査を会社のイベントで行ったため、サンプルに偏 りが発生している。先のグラフに示した通り、回答者の 80%が会社員である。 また、年齢層はばらけたが、実際のヘビーユーザーからの回答が少なことがあ げられる。今後はサンプルを拡大した調査を実施することで精度が高い結果が 得られる思われる。 次に、設問ごとに有効回答数にばらつきが出ていることがあげられる。設問 によっては飛ばされてしまい無回答が多い設問も存在した。調査設計時にもっ 40.

(45) 修士論文. 小林. 崇(81630393・坂下ゼミ). と幅広いサンプルを対象としてプレ調査を行うことで、回答精度を上げられた と考えられる。 次に品揃えの幅については、因子分析の過程で項目が削除されてしまったた め、具体的な検証の対象とすることができなかった。これは、個別店舗を対象 にした小売りブランドイメージ概念を商店街に援用したことの限界であると 言える。消費者が知覚する商店街全体としての品揃えの幅は、店舗のバリエー ションによっても形成されることから、今回設定した質問項目では十分にカバ ーすることができなかった。この点については、より適切な測定尺度の開発が 待たれるところである。 次に雰囲気因子の詳細な項目測定ができていないことがあげられる。今回は 小売りブランドイメージの概念から、どの因子が商店街満足度への影響が強い かに着目して調査を行った。そのため、雰囲気の中でも影響が大きい因子が何 であるかまで調べることができていない。今後は設問を追加し、さらなる分析 を行うことが必要である。 次に今回の調査では雰囲気因子が満足度に強く影響している結果となった。 しかしながら、サンプルの購買行動において、商店街の利用方法は飲食利用が 最も多く、もの消費からこと消費に変化している影響が出ている可能性がある。 これについてもサンプル拡大により精度の高い結果が得られると思われる。 以上のような限界は、本研究の発見事項の重要性を減じるものではない。む しろ、さらなる研究の方向性を提示した意味において、意義のあるものであろ う。今後も、商店街に関する更なる研究蓄積が望まれるところである。. 41.

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